JP2022190461A - PCa床版下の充填型枠 - Google Patents

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Abstract

【課題】繰り返し使用できて経済的であり、且つ、軽量で狭い作業空間での運搬が容易で作業効率が良好なPCa床版下の充填型枠を提供する。【解決手段】橋桁(鋼桁11)上に載置されるPCa床版12の下面にボルト接合されて固定され、PCa床版下の橋桁(鋼桁11)とPCa床版12との間に充填される充填材のPCa床版下の充填型枠1において、正面板20と上面板21とを有する断面逆L字状の樹脂製の型枠本体2を備え、上面板21に、PCa床版12に接合するボルトBを挿通する複数の欠込み21aを形成するとともに、これらの欠込み21aの両脇に、正面板20と上面板21とを接続する一対の補強リブ(四角リブ22)をそれぞれ形成する。【選択図】図4

Description

本発明は、PCa床版下の充填型枠に関する。
PCa床版下には、床版の反りや凹凸の調整代として高さ調整のための空間が設けられ、調整後、その空間に無収縮モルタル等の充填モルタルが充填される。従来、この充填モルタルの型枠(側枠)としては、橋桁に接着されたソールスポンジなどが用いられていた。
しかし、ソールスポンジは、PCa床版をソールスポンジ上に載置して圧縮した状態で充填モルタルの型枠として使用するため、場所ごとに異なるPCa床版下の充填モルタル厚に応じて、押し潰す圧縮率に応じた適切なソールスポンジ厚を選定する必要があった。このため、場所ごとに異なる充填モルタルの厚さに応じて、適切なソールスポンジの品番を間違えなく設置する必要があり、手間がかかり、施工効率が悪いという問題があった。
また、ソールスポンジは、撤去せずにそのまま存置されるため、鋼桁の防錆塗装が完了した後に設置される必要があり、防錆塗装が完了しないとソールスポンジを設置できないこととなり、工程上のクリティカルポイントとなっていた。その上、存置されるソールスポンジの耐久性も考慮されておらず、紫外線等で劣化して剥がれ落ち、見栄えが悪くなるという問題もあった。
その上、ソールスポンジは、充填モルタル厚が厚くなる箇所では、背高になり、PCa床版を載置した際に横倒れやはらみ出しの危険があるという問題があった。また、スポンジの圧縮率が場所ごとに異なるため、充填モルタルの形状も制御できず、充填モルタルの側面が平ではないという問題もあった。そこで、これらの問題を解決できるPCa床版下の充填型枠が切望されていた。
例えば、特許文献1には、PCa床版に予め雌ねじを埋設し、その雌ねじに山形鋼をボルト接合し、充填型枠として使用することが開示されている(特許文献1の図面の第6図,第7図等参照)。
しかし、特許文献1に記載の充填型枠は、山形鋼にあけられたバカ穴分しか調整代がなく、PCa床版の設置精度を高くしないと隙間ができてしまい充填型枠として機能しないという問題があった。また、充填型枠として使用する山形鋼は、取外すことは想定されておらず、残置した場合は、費用が高騰するだけでなく、工程上のクリティカルポイントとなるという問題も解消していなかった。なお、山形鋼は、ボルト接合されているため取り外すことも可能であるが、山形鋼は重量物であり、取り外すのに作業員一人で作業できないなど、作業性が悪いという問題もあった。
実開平01-176106号公報
そこで、本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、繰り返し使用できて経済的であり、且つ、軽量で狭い作業空間での運搬が容易で作業効率が良好なPCa床版下の充填型枠を提供することにある。
請求項1に係るPCa床版下の充填型枠は、橋桁上に載置されるPCa床版の下面にボルト接合されて固定され、PCa床版下の橋桁とPCa床版との間に充填される充填材のPCa床版下の充填型枠であって、正面板と上面板とを有する断面逆L字状の樹脂製の型枠本体を備え、前記上面板には、前記PCa床版に接合するボルトを挿通する複数の欠込みが形成されているとともに、これらの欠込みの両脇には、前記正面板と前記上面板とを接続する一対の補強リブがそれぞれ形成されていることを特徴とする。
請求項2に係るPCa床版下の充填型枠は、請求項1に係るPCa床版下の充填型枠において、前記複数の欠込みの各欠込みには、前記型枠本体とは別体の角筒状の固定治具がそれぞれ嵌め込まれ、これらの固定治具が前記ボルトにねじ止めされることで固定されていることを特徴とする。
請求項3に係るPCa床版下の充填型枠は、請求項1又は2に係るPCa床版下の充填型枠において、前記型枠本体の長手方向の端部には、前記正面板の背面から棒材を掛け止めるL字状のカギ材が突設されていることを特徴とする。
請求項4に係るPCa床版下の充填型枠は、請求項1ないし3のいずれかに係るPCa床版下の充填型枠において、前記上面板は、長手方向の端部の出隅部が斜めに切り欠かれて台形状となっていることを特徴とする。
請求項5に係るPCa床版下の充填型枠は、請求項1ないし4のいずれかに係るPCa床版下の充填型枠において、前記型枠本体は、透明又は半透明なポリプロピレンからなることを特徴とする。
請求項6に係るPCa床版下の充填型枠は、請求項2に係るPCa床版下の充填型枠において、前記固定治具は、塩化ビニルからなることを特徴とする。
請求項1~6に係る発明によれば、充填型枠を繰り返し何度も使用することができ、使い捨てであった従来のソールスポンジのような型枠よりトータル的に安価となり、経済性が向上する。また、請求項1~6に係る発明によれば、充填型枠が樹脂からなるので、特許文献1に記載の山形鋼からなる充填型枠と比べて軽量で、重ねて複数枚を同時に一人の作業員が運搬することができるため、狭隘な作業空間での運搬性が極めて良好であり、作業性が向上する。その上、請求項1~6に係る発明によれば、充填型枠が一体化されているので、場所ごとに異なるPCa床版下の充填材の厚さに応じて、型枠を組み立てて設置することが極めて容易に短時間で行うことができ、施工効率が良好である。
特に、請求項2に係る発明によれば、PCa床版にボルト止めするための調整代を長くとっても、型枠本体及び充填型枠全体を大きくしなくても済み、結果的に充填型枠全体をコンパクトにすることができ、持ち運びや作業性がさらに向上する。
特に、請求項3に係る発明によれば、一の充填型枠のカギ材と、隣接する他の充填型枠のカギ材に棒材を架け渡すことで連結し、充填型枠の長手方向の端部が鋼桁から離れて開いてしまうことを防止することができる。
特に、請求項4に係る発明によれば、複数の充填型枠を鋼桁の両脇に並列した際に、PCa床版にねじ止め固定される上面板を、PCa床版や鋼桁の反りや曲がりなどに追従させて傾斜して取り付けた場合でも、隣接する他の上面板と干渉しないものとすることができる。
特に、請求項5によれば、型枠本体を透明又は半透明なポリプロピレン製とすることで、耐衝撃性が高く、充填材の充填状況を外部から視認して確認することができる。
特に、請求項6によれば、ワッシャーやナットなどの金属材が当接する固定部材を硬度の高い塩化ビニル製とすることができ、安価で耐候性の高いものとすることができる。
図1は、本発明の実施形態に係るPCa床版下の充填型枠を用いてPCa床版と鋼桁との間に充填材を充填して接合した状態を橋軸直角方向に切断して示す全体鉛直断面図である。 図2は、図1のPCa床版と鋼桁との間の接合部を拡大して示す部分拡大断面図である。 図3は、本発明の第1実施形態に係る充填型枠の型枠本体及び固定治具を充填材が充填される側から見た正面斜視図である。 図4は、図3の型枠本体を反対側から見た背面斜視図である。 図5(a)は、同上の型枠本体を充填材が充填される側から橋軸直角方向Yに沿って見た正面図であり、図5(b)は、同上の型枠本体を反対側から橋軸直角方向Yに沿って見た背面図であり、図5(c)は、同上の型枠本体を上方から上下方向Zに沿って見た平面図である。 図6(a)は、図5(a)の型枠本体の左側面図であり、図6(b)は、図5(c)のA-A線断面図、図6(c)は、図5(c)のB-B線断面図である。 図7(a)は、第2実施形態に係る充填型枠の型枠本体を充填材が充填される側から橋軸直角方向Yに沿って見た正面図であり、図7(b)は、同上の型枠本体を反対側から橋軸直角方向Yに沿って見た背面図であり、図7(c)は、同上の型枠本体を上方から上下方向Zに沿って見た平面図である。
以下、本発明に係るPCa床版下の充填型枠の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<PCa床版下の充填型枠>
[第1実施形態]
先ず、図1~図6を用いて、本発明の第1実施形態に係るPCa床版下の充填型枠1(以下、単に充填型枠1ともいう)について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るPCa床版下の充填型枠1を用いて鋼桁とPCa床版との接合部にモルタルなどの充填材を充填して接合した状態を橋軸直角に切断した全体鉛直断面図であり、図2は、図1の鋼桁とPCa床版との接合部を拡大して示す部分拡大断面図である。なお、図中のXは、橋軸方向Xを、図中のYは、橋軸直角方向Yを示しており、図中のZは、上下方向Zを示している。
図1,図2に示すように、第1実施形態に係る充填型枠1は、鋼桁11からなる橋桁上に、PCa床版12を高さ調整や位置調整を行って載置し、これらの間に無収縮モルタルなどの充填材13を充填して接合する際の型枠として用いられる。また、図示する橋梁10は、PCa床版12の地覆部12aの上に壁高欄14が設置されている。
充填型枠1は、図2に示すように、橋軸方向Xに沿って鋼桁11の両脇に並列され、PCa床版12の下面に端部が露出した状態で埋設された雌ねじ12bに螺合された全ねじボルトBにねじ止めされて設置される。そして、鋼桁11の両脇の左右一対の充填型枠1,1、鋼桁11、及びPCa床版12の間の隙間に充填材13が充填されて使用される。なお、全ねじボルトBは、M10程度のボルトを想定している。
次に、図3~図6を用いて、この充填型枠1を詳細に説明する。図3は、本実施形態に係る充填型枠1の型枠本体2及び固定治具3を充填材13が充填される側から見た正面斜視図であり、図4は、型枠本体2を反対側から見た背面斜視図である。また、図5(a)は、型枠本体2を充填材13が充填される側から橋軸直角方向Yに沿って見た正面図であり、図5(b)は、型枠本体2を反対側から橋軸直角方向Yに沿って見た背面図であり、図5(c)は、型枠本体2を上方から上下方向Zに沿って見た平面図である。そして、図6(a)は、図5の型枠本体2の左側面図であり、図6(b)は、図5(c)のA-A線断面図、図6(c)は、図5(c)のB-B線断面図である。
図3に示すように、充填型枠1は、固定用の全ねじボルトBを挿通するための複数の矩形状の欠込み21aが形成されたポリプロピレン製の型枠本体2と、この型枠本体2の欠込み21aに装着される塩化ビニル製の角筒状の固定治具3と、を備えている。
(型枠本体)
型枠本体2は、図3,図5,図6に示すように、主に、横長な長方形状の正面板20と、この正面板20と直交する台形状の上面板21など、から構成された断面逆L字状の部材であり、打設する無収縮モルタルなどの充填材の充填状況を目視するため透明又は半透明となっている。ここで、透明又は半透明とは、可視光線を一定程度透過し、内部の充填状況がポリプロピレン製の樹脂板を透過して透けて見えることを指している。
正面板20は、図示形態では、厚さ10mm×高さ150mm×幅(長さ)1408mmの横長な長方形状に形成されている。
また、上面板21は、図3,図4,図5(c)に示すように、図示形態では、厚さ6mm×奥行き(幅)150mm×幅(長さ)1408mmの横長な長方形状の2つの出隅部が斜めに切り欠かれて全体として台形状となっている。このため、充填型枠1は、複数の充填型枠1を橋軸方向Xに沿って鋼桁11の両脇に並列した際に、PCa床版12にねじ止め固定される上面板21を、PCa床版12や鋼桁11の反りや曲がりなどに追従させて互いに傾斜して取り付けた場合でも、隣接する他の充填型枠1の上面板21と干渉しない。
さらに、図示した上面板21には、固定用の全ねじボルトBを挿通して固定ねじ止め固定するために、470mmピッチで幅50mm×長さ120mmの長方形状の3つの欠込み21aが形成されている。
また、図3~図6に示すように、型枠本体2は、各欠込み21aの両脇に、矩形状の一対の四角リブ22がそれぞれ形成されている。同様に、欠込み21aと欠込み21aとの間の中央には、三角リブ23が形成されている。なお、三角リブ23は、図5(b),図5(c)に示すように、型枠本体2の長手方向の両端部にも形成されている。
これらの四角リブ22及び三角リブ23は、正面板20と上面板21とに接続され、これらの板面に対して直交するように設けられている。このため、これらの四角リブ22及び三角リブ23は、互いに直交する正面板20と上面板21との交差部分を補強し、座屈することを防止する補強リブとして機能する。
また、図5(b),図5(c),図6(b)に示すように、正面板20の背面には、高さ方向の中央に、水平方向に延びる横リブ24が形成されて、補強されている。
そして、図4,図5(b),図5(c),図6(a),図6(c)に示すように、正面板20の長手方向の両端部の背面には、L字状のカギ材25が上下2段突設されている。このカギ材25は、充填型枠1のカギ材25と、隣接する他の充填型枠1のカギ材25に丸鋼などの短い棒材Sが架け渡されることで連結されて、充填型枠1の長手方向の端部が鋼桁11から離れて開いてしまうことを防止する機能を有している。
(固定治具)
固定治具3は、厚さ10mmの硬質塩化ビニル(硬度(シェア)D65~85)からなる角筒状の部材であり、図3に示すように、型枠本体2の欠込み21aと同じ幅W1=50mm、奥行きD1=200mmに設定されている。このため、充填型枠1は、上面板21の奥行き(幅)150mmを超える、奥行きD1-20mm(厚さ10mm×2=)-全ねじボルトBの直径10mm=170mmの範囲内で位置調整が可能となっている。このため、充填型枠1は、背景技術で述べた山形鋼にあけられたバカ穴分の調整代より遥かに広範囲の位置調整が可能であり、想定される施工誤差を吸収することが可能となっている。
以上、型枠本体2としてポリプロピレン製のものを例示し、固定治具3として硬質塩化ビニル製のものを例示したが、他の樹脂製としてもよい。但し、充填型枠1は、繰り返し何度も使用できること、及び型枠脱着時の衝撃に耐え得る強度が必要である。また、充填材13として使用される無収縮モルタルは、現場の環境によっては水和反応により温度が70℃近くに上昇するため、充填材13に接触する型枠本体2は、この温度に耐え得ることが必要とされる。その上、充填材13には、セメント成分が含有されることが多く、型枠本体2は、アルカリ性に耐え得ることが要求される。
このような条件を兼ね備えるとともに、安価で経済性の高い素材としは、ポリ塩化ビニル(PVC:Poly Vinyl Cloride)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS:Acrylonitrile Butadiene Styrene)、ポリプロピレン(PP:Polyepropylene)などの汎用樹脂、又は鋼材などが想定される。しかし、前述の充填型枠1と同程度の大きさとすると、樹脂材は、ポリ塩化ビニルが3.1kg重、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン2.2kg重、ポリプロピレン2.7kg重であるのに対し、鋼材は、背景技術で述べたように、12.0kg重と重くなり、吊足場などの狭隘な作業空間で複数枚重ねて持ち歩くことが困難であり、作業性が劣るという問題がある。
これに対して、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、ポリプロピレンは、いずれも軽量で強度も高く、作業性も良好である。しかし、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンは、耐摩耗性は高いが、耐候性が他の樹脂より悪く、接着部の強度や耐衝撃性が低いという問題がある。
また、ポリ塩化ビニルは、安価で可塑剤により樹脂の硬さを設定できるというメリットがあるものの、高温に弱く耐衝撃性も高くないという問題と、透明性が低く充填材13の充填状況を充填型枠1の型枠本体2越しに外部から視認できないという問題があった。
一方、ポリプロピレンは、耐候性は劣るものの、耐衝撃性が高く、透明又は半透明とすることで充填材13の充填状況を外部から視認できるというメリットがある。そこで、本実施形態に係る充填型枠1は、型枠本体2をポリプロピレン製とした。
しかし、固定治具3は、他の型枠本体2で充填材13の充填状況を外部から視認できるため、半透明等とするメリットが低い。このため、固定治具3は、ワッシャーやナットなどの金属材が当接するため樹脂の中で比較的硬度を高くすることができ、安価で耐候性の高いポリ塩化ビニル製とした。
[第2実施形態]
次に、図7を用いて、本発明の第2実施形態に係るPCa床版下の充填型枠1’(以下、単に充填型枠1’ともいう)について説明する。第2実施形態に係るPCa床版下の充填型枠1’が、前述の第1実施形態に係るPCa床版下の充填型枠1と相違する点は、正面板と上面板の幅(長さ)と、全ねじボルトBを挿通するための複数の矩形状の欠込み21aが2カ所となっている点だけなので、その点について主に説明し、同一構成は同一符号を付し、他の説明を省略する。
図7(a)は、充填型枠1’の型枠本体2’を充填材13が充填される側から橋軸直角方向Yに沿って見た正面図であり、図7(b)は、型枠本体2’を反対側から橋軸直角方向Yに沿って見た背面図であり、図7(c)は、型枠本体2’を上方から上下方向Zに沿って見た平面図である。
充填型枠1’は、図7(b)に示すように、固定用の全ねじボルトBを挿通するための複数の矩形状の欠込み21aが形成されたポリプロピレン製の型枠本体2’と、この型枠本体2’の欠込み21aに装着される前述の固定治具3と、を備えている。但し、充填型枠1’は、前述の充填型枠1の3カ所と相違して、型枠本体2’の欠込み21aが2カ所となっている。
また、充填型枠1’の型枠本体2’は、正面板20’が、厚さ10mm×高さ150mm×幅(長さ)938mmの長方形状に形成されており、上面板21’が、厚さ6mm×奥行き(幅)150mm×幅(長さ)938mmの台形状となっている。
このように、長手方向の長さが違う2種類の充填型枠1と充填型枠1’を設けて、これらを組み合わせることで、条件の異なる橋梁において既成の充填型枠1,1’で対応することが容易となる。
<充填型枠の使用方法>
次に、図1,図2を用いて、本発明の実施形態に係るPCa床版下の充填型枠の使用方法について説明する。前述の充填型枠1を図1の橋梁10に適用する場合を例示して説明する。
先ず、PCa床版12を鋼桁11の上に、高さ調整や位置調整を行って載置する。また、この載置したPCa床版12には、雌ねじ12bが埋設されている。この雌ねじ12bは、M10の全ねじボルトBと螺合する雌ねじであり、PCa床版12の下面に端部が露出した状態で埋設されている。
そして、この雌ねじ12bにM10の全ねじボルトBを差し込んで装着し、装着した全ねじボルトBに前述の充填型枠1の固定治具3を挿通する。
その後、図2に示すように、鋼桁11の両脇に型枠本体2をあてがって正面板20が鋼桁11の上フランジの側面に当接するように装着して固定する。
このとき、欠込み21aに固定治具3を押し付けて正面板20が鋼桁11の上フランジの側面に当接した状態で全ねじボルトBにワッシャーを介してナットを締め付けて固定治具3をPCa床版12下の所定の位置に固定する。
但し、固定治具3を用いずに、欠込み21aの両脇に設けた四角リブ22などの補強リブを直接全ねじボルトBにナット等で掛け止めて固定することもできる。その場合、充填型枠1を型枠本体2のみから構成することができ、部品点数を削減して充填型枠1を安価に構成することができる。
しかし、前述のように、固定治具3を別体とすることで、型枠本体2と固定治具3を別の樹脂から構成することが可能となり、部位ごとに適切な樹脂を選択することが可能となる。
また、固定治具3を別体とすることで、調整代を長くとっても、型枠本体2及び充填型枠1全体を大きくしなくても済み、結果的に充填型枠1全体をコンパクトにすることができ、持ち運びや作業性が向上する。
その後、鋼桁11の両脇の左右一対の充填型枠1,1、鋼桁11、及びPCa床版12の間の隙間に無収縮モルタルなどの充填材13が充填される。
そして、充填材13が硬化した後、ナットや全ねじボルトBを緩めて取外し、充填型枠1,1を解体・撤去する。
その後、鋼桁11の防錆塗装を順次行うことができる。勿論、鋼桁11の防錆塗装を充填材13の充填前に行うことも可能である。このため、防錆塗装が完了しないとソールスポンジを設置できず、充填材13の充填もできないこととなり、従来の工程上のクリティカルポイントとなっていたという問題を解消することができる。
また、撤去した充填型枠1,1’は、繰り返し何度も使用することができ、使い捨てであった従来のソールスポンジのような型枠より安価となり、経済性が向上する。
その上、充填型枠1,1’は、充填材13が充填される鋼桁11とPCa床版12との間の高さが場所ごとに違っても欠込み21aに固定治具3を押し付けて正面板20が鋼桁11の上フランジの側面に当接した状態でねじ止め固定する全く同じ手順で取り付けることができる。このため、作業性が極めて向上する。
それに加え、充填型枠1,1’は、補強リブ等が既に一体化されているので、現地で行う作業が極めて容易であり、作業効率が極めてアップする。
また、充填型枠1,1’は、特許文献1に記載の山形鋼からなる充填型枠と比べて軽量で、重ねて複数枚の充填型枠1を同時に一人の作業員が運搬することができるため、狭隘な作業空間での運搬性が極めて良好であり、作業性がその点でも向上する。
以上説明した本発明の第1実施形態に係るPCa床版下の充填型枠1及び第2実施形態に係るPCa床版下の充填型枠1’によれば、場所ごとに異なるPCa床版下の充填材13の厚さに応じて、型枠を組み立てることが極めて容易に短時間で行うことができ、施工効率が良好である。
また、充填型枠1,1’は、繰り返し何度も使用することができ、使い捨てであった従来のソールスポンジのような型枠よりトータル的に安価となり、経済性が向上する。
その上、充填型枠1,1’は、撤去されるため、鋼桁11の防錆塗装の順番がフレキシブルとなり、工程上のクリティカルポイントとならないというメリットもある。
さらに、紫外線等で劣化する樹脂等が存置されないため、経時的に見栄えが悪くなるという問題も解消することができる。
以上、本発明の実施形態に係るPCa床版下の充填型枠1,1’について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎない。よって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
特に、型枠本体2としてポリプロピレン製のものを例示し、固定治具3として硬質塩化ビニル製のものを例示したが、他の樹脂製としてもよいことは前述の通りである。
1,1’:充填型枠(PCa床版下の充填型枠)
2,2’:型枠本体
20,20’:正面板
21,21’:上面板
21a:欠込み
22:四角リブ(補強リブ)
23:三角リブ(補強リブ)
24:横リブ
25:カギ材
S:棒材
3:固定治具
10:橋梁
11:鋼桁(橋桁)
12:PCa床版
12a:地覆部
12b:雌ねじ
B:全ねじボルト(ボルト)
13:充填材
14:壁高欄
X:橋軸方向
Y:橋軸直角方向
Z:上下方向

Claims (6)

  1. 橋桁上に載置されるPCa床版の下面にボルト接合されて固定され、PCa床版下の橋桁とPCa床版との間に充填される充填材のPCa床版下の充填型枠であって、
    正面板と上面板とを有する断面逆L字状の樹脂製の型枠本体を備え、
    前記上面板には、前記PCa床版に接合するボルトを挿通する複数の欠込みが形成されているとともに、これらの欠込みの両脇には、前記正面板と前記上面板とを接続する一対の補強リブがそれぞれ形成されていること
    を特徴とするPCa床版下の充填型枠。
  2. 前記複数の欠込みの各欠込みには、前記型枠本体とは別体の角筒状の固定治具がそれぞれ嵌め込まれ、これらの固定治具が前記ボルトにねじ止めされることで固定されていること
    を特徴とする請求項1に記載のPCa床版下の充填型枠。
  3. 前記型枠本体の長手方向の端部には、前記正面板の背面から棒材を掛け止めるL字状のカギ材が突設されていること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のPCa床版下の充填型枠。
  4. 前記上面板は、長手方向の端部の出隅部が斜めに切り欠かれて台形状となっていること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のPCa床版下の充填型枠。
  5. 前記型枠本体は、透明又は半透明なポリプロピレンからなること
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のPCa床版下の充填型枠。
  6. 前記固定治具は、塩化ビニルからなること
    を特徴とする請求項2に記載のPCa床版下の充填型枠。
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