JPH10122029A - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents
内燃機関の失火検出装置Info
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- JPH10122029A JPH10122029A JP8274764A JP27476496A JPH10122029A JP H10122029 A JPH10122029 A JP H10122029A JP 8274764 A JP8274764 A JP 8274764A JP 27476496 A JP27476496 A JP 27476496A JP H10122029 A JPH10122029 A JP H10122029A
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Abstract
度良く検出する。 【解決手段】本失火検出装置では、クランク軸の回転に
応じて角速度変動量Δωを求め、該求めた角速度変動量
Δωと所定の失火判定値とを比較して機関の失火発生を
検出する。ここでは特に、8気筒内燃機関に適用される
ものであって、 Δω=(ωn-1 −ωn )−(ωn-9 −ωn-1 )/8 という数式を用いて角速度変動量Δωを算出する。ここ
で、上式右辺の前項(ωn-1 −ωn )は、相異なる2つ
の気筒同士の回転変動を表す基本項に相当し、同じく後
項{(ωn-9 −ωn-1 )/8}は、1燃焼サイクルだけ
離れた同一気筒同士の回転変動を表す補正項に相当す
る。このとき、基本項は、失火の発生によりn番気筒が
n−1番気筒に対してどれだけ回転変動しているかを示
し、補正項は、主に加速又は減速時にどれだけ回転変動
の誤差分が生じているかを示している。
Description
した失火を機関出力軸の回転速度変動を利用して検出す
る内燃機関の失火検出装置に関するものである。
として、爆発行程が連続する2つの気筒間の回転速度
(クランク角速度)の変動量に基づいて失火発生の有無
を検出するものがある(例えば、特開平4−36595
8号公報)。つまり、内燃機関にあっては一般に、ある
気筒の爆発行程において失火が発生すると、そのときの
回転速度、すなわち機関出力軸であるクランク軸の回転
角速度は小さくなる。このため、こうした回転速度の変
化を監視することで、それら気筒毎の失火発生の有無を
検出することができるようになる。
号公報)の失火検出装置では、4ストロークサイクル式
多気筒内燃機関において、爆発行程が連続する2つの気
筒間の回転速度の変動から第1の変動量を算出すると共
に、その第1の変動量を算出した気筒よりも360°C
A(クランク角度)前の気筒間に対しても同様にそれら
の回転速度の変動から第2の変動量を算出している。そ
して、第1及び第2の変動量の差分(2階差分)に基づ
いて内燃機関の失火の有無を検出していた。こうして3
60°CAだけ離れた気筒同士で回転速度変動量の差分
を求めることは、偶数個の気筒を有する内燃機関におい
て対向気筒(爆発行程がクランク軸の1回転分だけ離れ
た気筒を意味する)の回転速度変動を監視することとな
り、この場合、回転変動の周期(ばらつき度合)が略一
致する回転速度変動量をパラメータとして用いることが
できる。その結果、失火検出の誤差を削減できるものと
していた。
により失火検出を実施する手法として、720°CAだ
け離れた気筒同士、すなわち同一気筒同士でその回転速
度の変動量を演算し、その演算結果から失火検出するも
のも従来より提案されている。この手法では、回転速度
の気筒間ばらつき起因する検出誤差が略完全に解消され
るようになっていた。
術においては、以下に示す問題を生ずる。つまり、上記
従来の失火検出装置では、特定のパターンで発生する失
火の有無を検出できない場合が生ずる。具体的には、上
記したように対向気筒同士(360°CAだけ離れた気
筒同士)で回転速度変動量の差分を求める場合、その対
向気筒が共に連続失火している際に、その失火による回
転変動が相殺され、失火発生の旨が検出できなくなる。
また、同一気筒同士(720°CAだけ離れた気筒同
士)で回転速度変動量の差分を求める場合にも、特定の
同一気筒が連続失火している際に、失火による回転変動
が相殺され、失火発生の旨が検出できなくなる。
のであって、内燃機関に発生するあらゆる失火パターン
を精度良く検出することができる内燃機関の失火検出装
置を提供することを目的とする。
ため、本発明ではその特徴として、爆発行程が「m」回
離れた相異なる2つの気筒について、気筒別回転速度の
変動量を回転変動基本項として算出すると共に、燃焼サ
イクルが「s」回離れた同一気筒について、気筒別回転
速度の変動量を「全気筒数*s/m」値で割った値を回
転変動補正項として算出する。そして、回転変動基本項
を回転変動補正項にて補正し、該補正後の値に基づいて
前記内燃機関の失火の有無を検出するようにしている。
それ自身でなくともよく、それに相当する値、例えば回
転角度偏差であってもよい。更に、この回転角度偏差に
相当する値、或いは回転所要時間偏差などもこの回転度
変動量に相当する値として用いることができる。また、
前記燃焼サイクルとは、内燃機関の吸気行程、圧縮行
程、爆発行程及び排気行程からなり、4ストロークサイ
クル式内燃機関では720°CAが1燃焼サイクルに相
当する。また、2ストロークサイクル式内燃機関では3
60°CAが1燃焼サイクルに相当する。
とき、n番気筒での前記回転変動基本項は、 ωn-m −ωn として表すことができ、これに対して、前記回転変動補
正項は、 (ωn-m-N*s −ωn-m )/(N*s/m) として表すことができる。ここで、Nは全気筒数であ
り、ωn-m-N*s −ωn-m は同一気筒同士の回転変動量を
示す。
の回転速度変動量Δωは、次の(1)式として表すこと
ができる。 Δω=(ωn-m −ωn )−(ωn-m-N*s −ωn-m )/(N*s/m) ・・・(1) このとき、(1)式を解り易くするために、爆発行程が
連続する2つの気筒から回転変動基本項を求めると共
に、1燃焼サイクルだけ離れた同一気筒から回転変動補
正項を求めることとすると(すなわち、m=1,s=1
とすると)、上記(1)式は、 Δω=(ωn-1 −ωn )−(ωn-1-N −ωn-1 )/N ・・・(2) となる。
項(ωn-1 −ωn )は、失火の発生によりn番気筒が前
回の気筒(n−1番気筒)に対してどれだけ回転変動し
ているかを示し、回転変動補正項{(ωn-1-N −ωn-1
)/N}は、主に加速又は減速時に生じる回転変動の
誤差分を示している。
あり、機関回転速度が略一定幅で上昇又は下降していれ
ば、失火が発生していなくても、前記基本項には加速又
は減速による気筒間の回転変動要素が含まれ、失火有り
と誤検出するおそれがある。しかし、上記(2)式を用
いると、上記加速又は減速による気筒間の回転変動要素
が前記補正項により相殺され(Δω=0となる)、失火
の誤検出が防止できる。
発生時には、上記(2)式を用いることで、失火による
回転変動要素と加減速による回転変動要素とが合成され
た変動量が前記回転変動基本項(ωn-1 −ωn )により
算出され、その基本項から回転変動補正項{(ωn-1-N
−ωn-1 )/N}を減算することにより、当該失火によ
る回転変動分のみが前記Δω値として抽出されることと
なる。そして、このΔω値が所定の失火判定値を上回る
ことを判定することから、正確な失火検出を実施するこ
とができる。
されていれば、ωn-1-N ≒ωn-1 となるため、前記回転
変動補正項が略「0」となり、前記回転変動基本項(ω
n-1−ωn )に基づいて失火の有無が検出できる(ωn-1
−ωn >失火判定値であれば、失火発生の旨が検出で
きる)。
続失火等、特定気筒の連続失火が発生した場合、当該失
火気筒での回転変動補正項{(ωn-1-N −ωn-1 )/
N}は、機関回転速度の変化にのみ対応したものとな
る。すなわち、当該補正項は、車両の加減速時における
機関回転速度の変化に伴って、その際の回転変動要素に
対応するようになる(但し、定速走行時には「0」とな
る)。そのため、失火による回転変動要素は、前記回転
変動基本項(ωn-1 −ωn )に含まれ、且つ当該基本項
(ωn-1 −ωn )から前記回転変動補正項{(ωn-1-N
−ωn-1 )/N}を減算したものに合致し、それにより
上記(2)式では、気筒毎の失火の有無に応じたデータ
として前記Δω値が算出できる。つまり、前記基本項か
ら前記補正項を減算することにより、車両速度変化に伴
う回転変動要素が除かれ、失火による回転変動要素のみ
が抽出されることになる。従って、特定気筒の連続失火
の発生に際しても、その失火検出が精度良く実施でき
る。
連続失火が検出できない等といった従来の問題が解消で
き、内燃機関に発生するあらゆる失火パターンを精度良
く検出することができる。
転変動基本項の算出に際し、爆発行程が連続する2つの
気筒について気筒別回転速度の変動量を算出することを
規定している。すなわち、上記(1)式において、m=
1としている。この場合、微小期間内での回転変動(回
転脈動)の影響を受けず、失火による気筒間の回転変動
要素を確実に検出できる。従って、失火検出結果の信頼
性をより一層高めることができる。
転変動補正項の算出に際し、燃焼サイクルが1回だけ離
れた同一気筒について前記気筒別回転速度の変動量を
「全気筒数/m」で割った値を、当該補正項とすること
を規定にしている。すなわち、上記(1)式において、
s=1としている。この場合、前記Δω値の算出時に必
要なデータ数が最小限ですみ、それに必要な記憶容量が
削減できる。
関の失火検出装置についてその第1の実施の形態を示
す。
8気筒の4ストロークサイクル式内燃機関を対象とし、
該8気筒の内燃機関に発生した失火を検出する装置につ
いて示す。すなわち、同図1に示す本実施の形態の装置
において、内燃機関1は、第1気筒(#1)〜第8気筒
(#8)の8つの気筒を有する内燃機関である。なお、
本実施の形態の内燃機関1では、便宜上その点火順序を
#1→#2→#3→#4→#5→#6→#7→#8とす
る。
しないエアクリーナから導入された吸入空気は、該吸気
管2を通じて同機関1に取り込まれる。また、この吸気
管2には吸気管圧力センサ3が設けられ、この吸気管圧
力センサ3を通じて吸気管2内の圧力PMが逐次検出さ
れる。この検出される吸気管2内の圧力PMは、内燃機
関1の運転状態を示す1パラメータとして、後述する電
子制御装置(以下、ECUという)9に取り込まれる。
には、同クランク軸の所定クランク角毎に回転信号NE
を出力する、電磁ピックアップ式の回転角センサ5が設
けられている。同機関1の回転数等は、この回転角セン
サ5から出力される回転信号NEに基づいて算出され
る。そしてこの回転信号NEも、内燃機関1の運転状態
を示す1パラメータとして、後述するECU9に取り込
まれる。
る点火時期や点火順序等を制御するためのディストリビ
ュータ7が設けられ、該ディストリビュータ7には更
に、それら各気筒を判別するための基準位置信号CYL
を出力する基準位置センサ6が内蔵されている。この基
準位置センサ6では、同機関1の例えば第1気筒のピス
トン13が最上部、すなわち圧縮上死点(#1TDC)
に達する毎に、上記基準位置信号CYLを同じくECU
9に対して出力する。なお、ディストリビュータ7自体
は通常、内燃機関1からの回転動力を得て、その(1/
2)の回転速度で回転する。
を循環する冷却水の温度を検出するための水温センサ8
が設けられ、排気管14には、燃焼ガスの酸素濃度に基
づき空燃比のリッチ/リーンを検出する酸素(O2 )セ
ンサ15が設けられている。これら水温センサ8を通じ
て検出される冷却水の温度、並びに酸素センサを通じて
検出される空燃比のリッチ/リーンを示す信号も、機関
1の運転状態を示すパラメータとしてECU9に取り込
まれる。
じめ、上述した吸気管圧力センサ3、回転角センサ5、
及び基準位置センサ6による各検出信号が取り込まれる
ECU9は、同図1に併せ示されるように、CPU(中
央演算処理装置)9aをはじめ、制御プログラムや演算
処理に必要とされる制御定数等を記憶しておくための読
み出し専用メモリであるROM9b、演算データ等を一
時記憶するいわゆるデータメモリとしてのRAM9c、
図示しないバッテリを通じてその記憶内容がバックアッ
プされるバックアップRAM9d、及び外部装置との間
で信号を入出力処理するためのI/0ポート9eを有し
て構成されている。
(ロ)といった処理を実行する。 (イ)上記センサによる各種検出信号に基づき、内燃機
関1の燃料系及び点火系の最適な制御量を演算して、燃
料噴射手段であるインジェクタ10、或いは点火手段で
あるイグナイタ11等を的確に制御するための制御信号
を出力する。 (ロ)同センサによる各種検出信号に基づき、内燃機関
1の各気筒において失火が発生したか否かを検出する。
インジェクタ10の駆動に際しては、酸素センサ15の
出力に基づく周知の空燃比フィードバック制御を併せ実
行する。また、上記(ロ)の失火が発生したか否かの検
出において、失火が発生した旨が判断される場合には、
例えば警告ランプ12を点灯制御して失火の発生を運転
者等に知らせると共に、フェイルセーフ処理を適宜実行
する。
について説明する。図2に示すフローチャートは、本実
施の形態におけるメインルーチンである失火検出ルーチ
ンを示し、同ルーチンは、ECU9内のCPU9aによ
り実行される。また、図3及び図4は失火の形態を説明
するためのものであって、クランク角速度の推移を示す
特性線図である。以下、図2〜図4を参照して、同実施
の形態にかかる装置の失火検出動作を説明する。
ついて説明する。この失火検出ルーチンは、前記回転信
号NEに基づき認識される内燃機関1のクランク角が3
0°CAとなる毎に、角度割り込み処理として起動され
る。すなわちいま、クランク軸が30°CA回転してこ
うした割り込み条件が成立すると、CPU9aは先ず、
ステップ100にて、本ルーチンの前回の割り込み時刻
と今回の割り込み時刻との偏差から、同クランク軸が3
0°CA回転するのに要した時間T30iを算出する。
0で今回の割り込みタイミングが上死点(TDC)であ
るか否かを基準位置信号CYLに基づいて判別する。同
割り込みタイミングがTDCでなければ、CPU9aは
ステップ190に進み、時間T30i を1回前の値に書
き換える。すなわち、T30i をT30i-1 に書き換え
ると共に、T30i-1 をT30i-2 に書き換える。な
お、これら時間の添字iは同CPU9aによる処理回数
を示している。そして、ステップ190の処理後、CP
U9aは本ルーチンを一旦終了する。
れば、CPU9aはステップ120で上記求めた時間T
30i についての過去3回分データ(今回値T30i 、
前回値T30i-1 、及び前々回値T30i-2 )を累計し
て、クランク軸が90°CA回転するのに要した時間T
90i を算出する。
筒別にクランク軸の角速度(クランク角速度)ωn(n
=1〜8)を算出する。詳細には、本実施の形態のよう
に8気筒内燃機関を対象とした場合、前記算出した時間
T90i を用い、これに基づいて、 ωn=KDSOMG/T90i ・・・(3) といった態様で、クランク角速度ωnを算出する。この
(3)式において、係数KDSOMGは、クランク軸の
回転角速度(rad:ラジアン)を求めるための変換係
数である。
る場合には、同クランク角速度ωnの算出に際し、クラ
ンク軸が120°CA回転するのに要する時間T120
iが用いられ、4気筒の内燃機関を対象とする場合に
は、同クランク角速度ωnの算出に際し、クランク軸が
180°CA回転するのに要する時間T180iが用い
られる。
記の(4)式を用い、上記求めたクランク角速度ωn に
基づいて、n−1番気筒について気筒間の角速度変動量
Δωを算出する。
ンク角速度の前回値である。また、ωn-9 は、前記クラ
ンク角速度ωn-1 の気筒と同一気筒について720°C
A前のクランク角速度である(添字n−9は、(n−
1)−8を意味する)。
n-1 −ωn )は、相異なる2つの気筒同士の回転変動を
表す基本項に相当し、同じく後項{(ωn-9 −ωn-1 )
/8}は、1燃焼サイクルだけ離れた同一気筒同士の回
転変動を表す補正項に相当する。このとき、基本項(ω
n-1 −ωn )は、失火の発生によりn番気筒が前回の気
筒(n−1番気筒)に対してどれだけ回転変動している
かを示す。また、補正項{(ωn-9 −ωn-1 )/8}
は、主に加速又は減速時により同一気筒間でどれだけ回
転変動しているかを示し、これは失火検出にとって回転
変動要素の誤差分になりうるものとなっている。
角速度変動量Δωと所定の失火判定値Kとを比較し、Δ
ω>Kであれば、ステップ160に進む。つまり、CP
U9aは、該当気筒に失火が発生していると判断し、ス
テップ160で失火検出フラグXMFに「1」をセット
する。
ステップ170に進む。つまり、CPU9aは、該当気
筒に失火が発生していないと判断し、ステップ170で
失火検出フラグXMFを「0」にクリアする。なおここ
で、失火検出フラグXMFを気筒毎に設け、どの気筒が
失火しているかを識別できるようにしておいてもよい。
セットされた場合には、エミッション悪化や触媒の損傷
等の不具合が発生しうるとして、前記警告ランプ12の
点灯制御等を通じてその旨を運転者に警報する。
aは、ステップ180で前記RAM9cに格納されてい
るクランク角速度データに対し、ωn-9 →廃棄、ωn-8
→ωn-9 、ωn-7 →ωn-8 、ωn-6 →ωn-7 、ωn-5 →
ωn-6 、ωn-4 →ωn-5 、ωn-3 →ωn-4 、ωn-2 →ω
n-3 、ωn-1 →ωn-2 、ωn→ωn-1 といったかたちで
更新処理を実施し、その後本ルーチンを終了する。
ーチンのステップ130の処理が請求項記載の回転速度
算出手段に相当し、ステップ140,150の処理が請
求項記載の回転変動基本項算出手段、回転変動補正項算
出手段及び失火検出手段に相当する。
び図4を用いてより具体的に説明する。なお、これらの
図は、いずれも車両減速時におけるクランク角速度ωの
推移を第1〜第8の気筒毎に示すものであって、図3
は、単一気筒の失火発生時におけるクランク角速度ωの
推移を、図4は、特定気筒連続の失火発生時におけるク
ランク角速度ωの推移を示す。但し、上記各図におい
て、気筒間の個体差による回転バラツキは微小であるも
のとして、ここではそれを無視している。
2気筒(#2)が失火気筒であるとしており、この第2
気筒(#2)をn番気筒とすれば、その直前の第1気筒
(#1)はn−1番気筒となり、第1気筒(#1)の7
20°CA前の同じく第1気筒(#1)はn−9番気筒
となっている。
た数式、 Δω=(ωn-1 −ωn )−(ωn-9 −ωn-1 )/8 ・・・(4) を用いることにより、あらゆる失火パターンをも精度良
く失火の有無が検出できることを立証するものであり、
以下図3及び図4の説明では、上記(4)式を参照しつ
つ失火検出動作を説明する。
略一定幅で下降していれば、失火が発生していなくて
も、前記(4)式の基本項(ωn-1 −ωn )には減速に
よる気筒間の回転変動要素が含まれ(ωn-1 −ωn >K
となり)、失火有りと誤検出されるおそれがある。しか
し、上記(4)式を用いれば、減速による気筒間の回転
変動要素が前記(4)式の補正項{(ωn-9 −ωn-1 )
/8}により相殺される。つまり、図3(a)では、 ωn-1 −ωn =(ωn-9 −ωn-1 )/8 が成立し、角速度変動量Δωは略「0」となる。従っ
て、失火有りの旨が検出されることはなく、失火の誤検
出が防止できる。
発生していれば、前記(4)式の基本項(ωn-1 −ωn
)には、減速による気筒間の回転変動要素と失火によ
る回転変動要素とが含まれ、他方、前記(4)式の補正
項{(ωn-9 −ωn-1 )/8}には失火による回転変動
要素が含まれない。つまり、図3(b)では、 ωn-1 −ωn >(ωn-9 −ωn-1 )/8 となり、角速度変動量Δωは前記図2のルーチンにおけ
る失火判定値Kを超えることとなる。従って、上記
(4)式を用いることで当該失火による回転変動分のみ
がΔωとして抽出され、正確な失火検出が実施できる。
行)されていれば、ωn-9 ≒ωn-1 となるため、前記補
正項{(ωn-9 −ωn-1 )/8}が略「0」となり、基
本項(ωn-1 −ωn)に基づいて失火の有無が検出でき
る。
2)の連続失火が発生した場合、当該失火気筒での補正
項{(ωn-9 −ωn-1 )/8}は、機関回転速度の変化
にのみ対応したものとなる。すなわち、当該補正項は、
車両の加減速時には機関回転速度の変化による回転変動
要素に対応する(但し、定速走行時には「0」とな
る)。そのため、失火による回転変動要素は、前記基本
項(ωn-1 −ωn )に含まれ、且つ当該基本項(ωn-1
−ωn )から前記補正項{(ωn-9 −ωn-1 )/8}を
減算したものに合致し、それにより上記(4)式では、
気筒毎の失火の有無に応じたデータとして前記Δω値が
算出できる。つまり、前記基本項から前記補正項を減算
することにより、車両速度変化に伴う回転変動要素が除
かれ、失火による回転変動要素のみが抽出されることに
なる。従って、特定気筒の連続失火の発生に際しても、
その失火検出が可能となる。
一気筒の連続失火の他に、対向気筒の連続失火時や隣接
する気筒の連続失火時にも、その失火発生の旨が上記と
同様に検出できることをここに追記しておく。
る失火検出装置によれば、以下に示す優れた効果が得ら
れる。 (a)本実施の形態では、特定気筒の連続失火(同一気
筒の連続失火や対向気筒の連続失火等)が検出できない
等といった従来の問題が解消でき、内燃機関に発生する
あらゆる失火パターンを精度良く検出することができ
る。
項の算出に際し、連続する2つの気筒についてクランク
角速度ωの変化量を算出するようにした(変化量=ωn-
1 −ωn )。この場合、失火による気筒間の回転変動要
素を確実に検出でき、失火検出結果の信頼性をより一層
高めることができる。
正項の算出に際し、720°CAだけ離れた同一気筒同
士で、すなわち1燃焼サイクルだけ離れた同一気筒同士
でクランク角速度ωの変化量を算出するようにした(変
化量=ωn-9 −ωn-1 )。この場合、前記RAM9cに
格納されているクランク角速度データが全気筒数分+1
だけでよく、燃焼サイクルが2以上離れた同一気筒同士
でクランク角速度ωの変化量を算出するような場合と比
べて、メモリ容量が軽減できる。
次の形態にて実現可能である。 (1)上記実施の形態では、失火検出装置を8気筒内燃
機関に適用した。その際、角速度変動量Δωを算出する
ための基本式である、 Δω=(ωn-m −ωn )−(ωn-m-N*s −ωn-m )/
(N*s/m) に対し、全気筒数Nを「8」,回転変動基本項を求める
ためのm値を「1」,回転変動補正に用いるs値を
「1」としたが、これら各値を変更して具体化してもよ
い。
において、m=1,s=2とした場合、上記基本式は、 Δω=(ωn-1 −ωn )−(ωn-17−ωn-1 )/16 となる。
おいて、m=2,s=1とした場合、上記基本式は、 Δω=(ωn-2 −ωn )−(ωn-10−ωn-2 )/4 となる。また上記組み合わせに限らず、m,sを適宜設
定することも可能である。
或いは4気筒内燃機関(N=4)において、m=1,s
=1とした場合、上記基本式は、 Δω=(ωn-1 −ωn )−(ωn-7−ωn-1 )/6 Δω=(ωn-1 −ωn )−(ωn-5−ωn-1 )/4 となる。
同様に、内燃機関1に発生するあらゆる失火パターンを
精度良く検出することができる。要は、上記基本式から
得られる角速度変動量Δωに基づいて失火の有無を検出
する構成、すなわち、爆発行程がm回離れた相異なる2
つの気筒について算出した回転変動基本項と、燃焼サイ
クルがs回離れた同一気筒について気筒別回転速度の変
動量を「全気筒数*s/m」値で割った値から算出した
回転変動補正項と、に基づいて内燃機関の失火の有無を
検出する構成をとるものであれば、本発明の目的が達せ
られることとなる。
を比較し、△ω>Kあれば、失火数を計数する失火カウ
ンタを「1」ずつインクリメントする。そして、点火数
が所定点火数(例えば、500)に達した際に、前記失
火カウンタと所定の判定値(例えば、100)とを比較
し、当該カウント値が判定値を越えていれば、失火検出
フラグXMFに「1」をセットするようにしてもよい。
少なくとも1燃焼サイクル(720°CA)内では定常
走行時や加減速時に機関の回転脈動が殆どないものと
し、失火による回転変動のみを抽出するようにしてい
る。そのため、急加速時や急減速時等、過渡運転時等、
1燃焼サイクル内における回転脈動が生ずる際には、既
述した失火検出処理を一時的に中断することが望まし
い。具体的には、単位時間当たりのスロットル開度の変
化量や吸入空気量の変化量が所定レベルを超えた際に
は、失火検出を中断するようにすればよい。
度としてクランク角速度ωを用いたが、これを変更して
もよい。例えば連続する2つの気筒のTDC間に要する
時間を気筒別回転速度として用いたり、当該時間の逆数
を気筒別回転速度として用いてもよい。
クアップ式の回転角センサ5が生じる気筒間のクランク
角速度偏差をなくすべく、学習処理を実施してもよい。
つまり、回転角センサ5は、 ・ロータ被検出部の製造公差や、 ・ロータ被検出部と電磁ピックアップとの間のエアギャ
ップのばらつき、 といった要因から気筒間で検出誤差を生じる。
M、回転信号NE、及び基準位置信号CYLに基づいて
気筒間のクランク角偏差(公差)を学習制御する。それ
を略述すれば、上記8つの気筒のうち、第1気筒(#
1)に対する第2〜第8気筒(#2〜#8)のクランク
角偏差を学習するものとし、大きくは、次の(イ)及び
(ロ)の処理を実行する。 (イ)上記クランク軸が90°CA回転するのに要した
時間T90iに基づいて上記第1気筒(#1)に対する
第2〜第8気筒(#2〜#8)のクランク角偏差Δθn
(n=2〜8)を気筒別に、且つ内燃機関1の運転条件
の別に所定数ずつ積算する。 (ロ)内燃機関1が正常点火されていることを条件に、
上記クランク角偏差Δθnの気筒別、且つ運転条件別の
積算値を平均すると共に、その平均値に更になまし処理
(徐変処理)を施して、これを同クランク角偏差につい
ての学習値ΔθnLとする。
ク角速度ωnの算出に際して、クランク軸が90°CA
回転するのに要した時間T90i及び前記学習値Δθn
Lを用い、 ωn=(KDSOMG−ΔθnL)/T90i といった態様で、当該クランク角速度ωnを算出する。
このΔθnL値は、逐次更新され、バックアップRAM
9d内に気筒別に各々登録される。こうした学習処理に
より、失火検出の精度がより一層高められる。
クサイクル式内燃機関を対象として失火検出装置を具現
化したが、2ストロークサイクル式内燃機関にも本発明
を適用することができる。この場合には、1燃焼サイク
ルに要するクランク角が360°CAとして取り扱われ
る。
を示す構成図。
フローチャート。
の推移を示す特性線図。
速度の推移を示す特性線図。
ンサ、9…ECU(電子制御装置)、9a…回転速度算
出手段,回転変動基本項算出手段,回転変動補正項算出
手段,失火検出手段を構成するCPU、9b…ROM、
9c…RAM、9d…バックアップRAM。
Claims (3)
- 【請求項1】複数気筒からなる内燃機関に発生した失火
を検出する内燃機関の失火検出装置であって、 前記内燃機関の出力軸の回転に応じた回転信号を出力す
る回転信号出力手段と、 前記回転信号に基づき、同機関出力軸の気筒別回転速度
を算出する回転速度算出手段と、 爆発行程がm回離れた相異なる2つの気筒について、前
記気筒別回転速度の変動量を回転変動基本項として算出
する回転変動基本項算出手段と、 燃焼サイクルがs回離れた同一気筒について、前記気筒
別回転速度の変動量を「全気筒数*s/m」値で割った
値を回転変動補正項として算出する回転変動補正項算出
手段と、 前記回転変動基本項を前記回転変動補正項にて補正し、
該補正後の値に基づいて前記内燃機関の失火の有無を検
出する失火検出手段と、を備えることを特徴とする内燃
機関の失火検出装置。 - 【請求項2】前記回転変動基本項の算出に際し、爆発行
程が連続する2つの気筒について気筒別回転速度の変動
量を算出する請求項1に記載の内燃機関の失火検出装
置。 - 【請求項3】前記回転変動補正項の算出に際し、燃焼サ
イクルが1回だけ離れた同一気筒について前記気筒別回
転速度の変動量を「全気筒数/m」で割った値を、当該
補正項とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の
失火検出装置。
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