JP5086228B2 - 内燃機関の運転制御装置 - Google Patents
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Description
例えば、内燃機関の運転制御装置が、スロットル弁の開度を検出するスロットル弁開度センサと、クランク軸が所定クランク角を回転するのに要した時間を検出する時間検出部と、混合気を形成する混合気形成部として機能する燃料噴射弁から供給される燃料量を設定する空燃比制御部と、を備え、この空燃比制御部が、スロットル弁の開度に基づいて燃料量を設定する制御と、時間検出部により検出された時間から算出された吸入空気量に基づいて燃料量を設定する制御とを、内燃機関の運転域に応じて切り換えて行うものが知られている(例えば特許文献1参照)。
また、燃費の改善およびエミッション性能の向上を図るために、内燃機関の状態を検出する機関状態検出部および排気ガスの成分から空然比を検出する空然比センサ(例えば酸素濃度センサ)を設け、検出された内燃機関の状態に基づいて混合気形成部から供給される燃料供給量の基本量を設定するとともに、検出された空然比に基づいて燃料供給量の該基本量を補正して燃料量を設定する内燃機関の運転制御装置はよく知られている。
また、圧縮行程における負のエネルギー量は、排気行程における負のエネルギーより大きい。このエネルギー量の差は、吸入空気の圧縮に要するエネルギー、すなわち、圧縮抵抗を反映した値となっている。
この結果、クランク軸の角速度は、内燃機関の1サイクルを構成する燃焼行程、排気行程、吸気行程および圧縮行程の各行程で変動することとなる。
ところで、エンジン回転数を同一とした場合、吸入空気量が多いほど、あるいは、内燃機関が発生するトルクが大きいほど、クランク軸の角速度が大きく変動する。
また、エンジン回転数が一定の場合において、角速度の変動量と吸入空気量との間には線形的な強い相関がある。
したがって、エンジン回転数が定まれば、角速度の変動量で吸入空気量を推定することができる。
しかし、空燃比センサに頼らずに制御を行うことを考えた場合に、エンジン回転数がエンジン回転数の検出後に大きく変化した場合には、算出した空気吸入量がずれる可能性があり、より一層空気吸入量の推定精度を向上させることが望まれる。
具体的には、クランク軸の角速度の検出時における実際のエンジン回転数が、演算に用いられるエンジン回転数値に対して大きい場合には、算出される空気吸入量が実際に要求される空気吸入量よりも少なくなってしまう場合がある。この結果、実際に要求される点火タイミングよりも早いタイミングで点火タイミングが設定されてしまうこととなる。
一方、クランク軸の角速度の検出時における実際のエンジン回転数が、演算に用いられるエンジン回転数値に対して小さい場合には、算出される空気吸入量が実際に要求される空気吸入量よりも多くなってしまう場合がある。この結果、実際に要求される点火タイミングよりも遅いタイミングで点火タイミングが設定されてしまうこととなる。
また、従来、リラクタおよびピックアップを用いて、クランク軸の角速度を検出する場合には、検出されたパルス幅に相当するリラクタ電気角として、予め定めた固定値を用いて角速度などを算出するように構成していたため、リラクタあるいはピックアップの誤差(寸法誤差、検出誤差などの量産公差など)によって実際に車両に搭載されたリラクタおよびピックアップにより検出されるリラクタ電気角が制御上、予め定めたリラクタ電気角と等しくなるとは限らず、内燃機関の負荷状態の検出精度の向上の余地がある場合があった。
[1]第1実施形態
図1は、実施形態の内燃機関の運転制御装置の概要構成図である。
運転制御装置を備える内燃機関Eは、単気筒の4ストローク内燃機関であり、機械としての車両、例えば自動二輪車または鞍乗り型車両に搭載される。
内燃機関Eは、ピストン3が往復動可能に嵌合するシリンダブロック1およびシリンダブロック1に結合されるシリンダヘッド2を有する機関本体と、吸入空気を機関本体においてピストン3とシリンダヘッド2との間に形成された燃焼室4に導く吸気通路5aを形成する吸気装置5と、吸入空気に燃料を供給して混合気を形成する混合気形成部としての燃料噴射弁20を備える運転制御装置と、燃焼室4内で混合気が点火栓21aにより点火されて燃焼して発生した燃焼ガスを排気ガスとして内燃機関Eの外部に導く排気通路6aを形成する排気装置6とを備える。
シリンダヘッド2に設けられた吸気ポート2iは、動弁装置23により駆動される吸気弁13の開弁時に開状態とされ、吸気管12を流れた吸入空気は、吸気ポート2iを経て燃焼室4に流入する。
動弁装置23は、機関弁である吸気弁13および排気弁14の弁作動特性である弁リフト量および開閉時期の少なくとも一方を機関状態に応じて変更可能とする弁特性可変機構23aを備える可変動弁装置である。
図2及び図3を併せて参照すると、クランク角センサ25は、クランク軸7に一体に設けられたロータであるフライホイール8に設けられる被検出部としてのリラクタ25a、第2リラクタ25a2と、機関本体に設けられた検出部としてのピックアップ25bとから構成され、その検出信号がECU24に入力される。リラクタ25aは、ピストン3の上死点前のクランク位置に相当する位置を基準とする所定のクランク角度θ(=リラクタ電気角T3に相当)の範囲に設けられる。第2リラクタ25a2は、リラクタ25aから一定角度(例えば、22.5[deg])先行させた位置に設けられている。ピックアップ25bは、クランク軸7の回転方向Rでリラクタ25aの先端および後端をそれぞれ検出したときに立上がりパルスPS12および立下がりパルスP22を出力し、第2リラクタ25a2の先端および後端をそれぞれ検出したときに立上がりパルスPS11および立下がりパルスP21を出力する。
したがって、前記両パルスPS12、PS22間でのクランク軸7の平均角速度である角速度ωは、次式からECU24により算出される。
ω=θ/τ
ここで、τは、両パルスPS12、PS22間の時間である。
また、クランク軸7の角速度ωは、クランク角センサ25の検出信号に基づいてECU24により算出される。
これらの結果、空気吸入量の推定に必要とされる角速度の変動量Δωも、算出された平均エンジン回転数Neおよびクランク軸7の角速度ωに基づいてECU24により算出される。具体的には、変動量Δωは、クランク角センサ25により検出されるクランク軸7の特定のクランク位置での角速度ωと平均エンジン回転数Neとの差として、次式により算出される。
Δω=Ne−ω
再び図2を参照すると、クランク軸7の角速度ωは、内燃機関Eの1サイクルを構成する吸気行程、圧縮行程、燃焼・膨張行程および排気行程の4つの行程の各行程で変動する。具体的には、吸気行程では、吸入抵抗などのポンプ仕事が発生することで角速度ωが減少する。圧縮行程では、燃焼室4内の圧力上昇による圧縮抵抗が発生することでクランク軸7の角速度ωが大きく減少する。燃焼・膨張行程では、燃焼によるエネルギーが発生して燃焼室4内の圧力が上昇することで角速度ωが大きく増加する。排気行程では、燃焼が終了して角速度ωがピークに達した後に摩擦抵抗および排気による排気ガスの排出抵抗が発生することで角速度ωが減少する。
そして、図4に示されるように、平均エンジン回転数Neが一定の場合において、角速度ωの変動量Δωと吸入空気量との間には線形的な強い相関があることから、平均エンジン回転数Ne毎に、変動量Δωに基づいて吸入空気量を推定することができる。
この変動量△ωは、上述したように、平均エンジン回転数Neなどの算出に使用されるクランク角センサ25を利用して検出することができるので、エアフローメータや吸気圧センサを使用することなく、吸入空気量の推定(算出)が可能になるのである。
このように、変動量検出部32が圧縮上死点前での変動量Δωを検出することにより、他のクランク位置に比べて変動量Δωが大きいクランク位置での変動量Δωが検出されるので、より正確な変動量Δωを検出することができる。なお、クランク角センサ25に基づいて算出される角速度ωは、排気上死点のものよりも圧縮上死点のほうが小さいことで、圧縮上死点前の角速度ωが特定される。
エンジン回転数の変動が小さい場合には、実際のエンジン回転数と、検出した平均エンジン回転数Neとは、ほぼ同一であるとみなせるので、平均エンジン回転数Neの算出タイミングとクランク軸7の角速度ωの算出タイミングはそれほど厳密に考慮する必要はなく、各算出タイミングを別行程において行うようにすることが可能であり、並列処理に伴う演算負荷も低減することが可能である。
これは、クランク軸7の角速度ωの算出と、平均エンジン回転数Neの算出と、が異なる行程で行われた場合には、クランク軸7の角速度ωと平均エンジン回転数Neとの不整合が生じ、ひいては空気吸入量も実際に必要とされる空気吸入量とは異なったものとなってしまうからである。
具体的には、クランク軸7の角速度ωの検出時における実際のエンジン回転数が検出時の平均エンジン回転数Neに対して、大きく増加した場合には、見かけ上、エンジン回転数が小さく検出された場合と等価となる。
この結果、次式で示すように、Δωの値は、負の値を採ることとなる。
Δω=Ne−ω<0
したがって、推定(算出)される空気吸入量が実際に要求される空気吸入量よりも少なくなってしまうこととなる。したがって、点火タイミングは、好適な点火タイミングよりも早いタイミングに設定されることとなる。
一方、クランク軸7の角速度ωの検出時における実際のエンジン回転数が検出時の平均エンジン回転数Neに対して、大きく減少した場合には、見かけ上、エンジン回転数が大きく検出された場合と等価となる。
この結果、Δω(=Ne−ω)の値は、正しい値よりも大きくなり、推定(算出)される空気吸入量が実際に要求される空気吸入量よりも多くなってしまう。したがって、点火タイミングは、好適な点火タイミングよりも遅いタイミングに設定されることとなる。
これらの結果、いずれの場合も、実際に要求される空気吸入量とは異なることとなり、点火タイミングも好適なタイミングからずれることとなる。
これらの算出を同時に行うことにより、各算出時におけるエンジン状態は同一であるとみなせ、より理想的な空気吸入量を算出することができるのである。
より好ましくは、点火を予定している行程の直前の圧縮行程にて、平均エンジン回転数Neを算出する期間内においてクランク軸7の角速度ωを同時に算出すれば、より実際の点火タイミングに近いエンジン状態で算出を行うことができる。
このように、機関状態検出部の一部である回転数検出部31および変動量検出部32、さらに、後で詳述する暖機状態検出部33および異常検出部34は、それぞれECU24の機能として実現されている。
また、O2センサ(酸素濃度センサ)は、排気ガス中の酸素濃度(すなわち空燃比)をリニアに検出するLAFセンサであってもよい。この場合、目標空燃比が希薄空然比に設定されることにで、燃費の改善が可能になる。
図5に示されるように、内燃機関Eが冷機状態、すなわち暖機が完了前の状態にある運転時などで、O2センサ27が不活性状態にあるときは、リッチ信号およびリーン信号の振れ幅が小さく、正確な空然比を検出できない。そして、内燃機関Eの暖機が進んで、検出素子27aの温度が上昇するにつれてリッチ信号およびリーン信号間の振幅が大きくなり、内燃機関Eの暖機が完了した時点では、検出素子27aが所定温度に迫して、空燃比を正確に反映したリッチ信号およびリーン信号がそれぞれほぼ一定値となる出力を発生する。このため、ECU24は、暖機状態検出部33として機能し、O2センサ27が出力する検出信号S0を利用して、内燃機関Eの暖機状態を検出することができる。
次に、図6を参照して、空燃比制御部40により、所定時間毎に実行される燃料量Qの制御について説明する。
まず、ECU24は、異常検出部34の検出信号Sa(図1参照)に基づいてスロットル弁開度センサ26またはO2センサ27が異常であるか否かを判断する(ステップS1)。
ステップS1およびステップS2の判断に基づいて、異常検出部34によりスロットル弁開度センサ26およびO2センサ27が異常であることが検出されず、かつ、O2センサ27が活性状態にあるとき、内燃機関Eは通常の機関状態で運転されている。この通常運転時には、ステップS3,S4の処理が実行されて、空燃比制御部40は、活性状態のO2センサ27からの検出信号S0であるリッチ信号およびリーン信号に基づいて、目標空燃比としての理論空燃比の混合気が形成されるように空燃比を制御するためのフィードバック制御を通常時制御として行う。
これにより、内燃機関Eがエアフローセンサおよび吸気圧センサを備えることなく、吸入空気量に応じた点火時期、排気ガス還流量および弁作動特性による内燃機関Eの運転制御が行われ、吸入空気量に応じた商い精度の空燃比制御を行うことができて、エミッション性能の向上および燃費の改善に寄与する。
以上の説明では、空燃比センサが設けられている場合のものであったが、空燃比センサを有しない場合であっても同様に適用が可能である。
本第2実施形態は、平均エンジン回転数Neの算出期間の設定に関する実施形態である。本第2実施形態おいて、装置構成については、図1を参照するものとする。
図7は、第2実施形態における内燃機関の各行程と、リラクタ、パルスおよびクランク軸の角速度との関係を示す詳細説明図である。
ところで、実際には、急加速時あるいは急減速時においては、平均エンジン回転数Neの変化量は一定ではない。例えば、急加速時の圧縮行程においては、圧縮上死点の直前に設定される点火タイミングで点火がなされると、燃焼によるエネルギーが発生して燃焼室4内の圧力が上昇し、エンジン回転数が大きく変化することとなる。このエンジン回転数の大きな変化は、図7に示すように、点火直後に現れ、その後は、徐々に変化(図7では増加)することとなる。
そして、この平均エンジン回転数Neを算出する期間内において角速度ωの算出を同時に行い、クランク軸、すなわちリラクタ25aが一回転する期間を平均エンジン回転数Neの算出期間とする場合に、リラクタ25aの通過による立上がりパルスPS12の立ち上がりタイミングから圧縮上死点までの期間を含むクランク軸が一回転する期間としては、以下の3通りの期間が考えられる。
(2) 圧縮行程における立ち下がりパルスPS21の立ち下がりタイミングから排気行程における立ち下がりパルスPS21の立ち上がりタイミングまでの期間。
(3) 圧縮行程における立ち上がりパルスPS12の立ち上がりタイミングから排気行程における立ち上がりパルスPS12の立ち上がりタイミングまでの期間。
これらのうち、より制御に適した期間としては、クランク軸7の回転速度変動、すなわち、平均エンジン回転数Neの変動があった後の最も新しい平均エンジン回転数Neを取得する事が可能な(3)の期間となる。しかしながら、実際的には、(1)あるいは(2)の期間としてもよい。
本第3実施形態は、リラクタの周方向の長さ(リラクタ幅)の誤差(例えば、量産公差)を考慮して、角速度を検出することにより、より高精度で角速度を検出して運転制御を行う場合の実施形態である。本第3実施形態において、装置構成については、図1を参照し、内燃機関の各行程と、リラクタ、パルスおよびクランク軸の角速度との関係については、図7を参照するものとする。
従来、リラクタおよびピックアップを用いて、クランク軸の角速度を検出する場合には、検出されたパルス幅に相当するリラクタ電気角として、予め定めた固定値を用いて、角速度などを算出するように構成していた。
そこで、本第3実施形態は、リラクタあるいはピックアップの量産時の公差などの誤差の影響を低減し、内燃機関の負荷状態の検出精度を向上して、運転制御を行うことを目的としている。
図8は、リラクタ及び第2リラクタの取り付け位置の具体例説明図である。
リラクタ25aおよび第2リラクタ25a2は、図8に示すように、第2リラクタ25a2の前端は、フライホイール8におけるピストン3の上死点位置に相当する位置より82.5[deg]前となる位置に取り付けられ、リラクタ25aの後端は、ピストン3の上死点位置に相当する位置より15[deg]前となる位置に取り付けられている。また、リラクタ幅に相当する所定のクランク角度θ=45[deg]であり、リラクタ25aの前端は、ピストン3の上死点位置に相当する位置より60[deg]前となる位置となっている。
これらの結果、第2リラクタ25a2の前端は、リラクタ25aの前端に対して、一定角度=22.5[deg]先行した離間位置に配置されている。
図9は、第3実施形態の原理説明図である。
クランク軸の角速度が一次関数(直線的に変化)とみなせるような条件下、例えば、連続した排気行程及び吸気行程(=クランク軸回転角度360[deg]に相当)においては、角速度は直線的に変化(増加あるいは減少)しているとして取り扱うことが可能である。
したがって、角速度が直線的に変化しているとみなせる期間における角速度変化を一次関数としての直線で近似し、リラクタの検出期間における角速度の時間積分であるリラクタ通過検出時(期間)におけるクランク軸の回転角度と、リラクタ通過非検出時(期間)における角速度の時間積分であるリラクタの非検出期間におけるクランク軸の回転角度と、を算出できれば、リラクタの検出期間におけるクランク軸の回転角度、すなわち、実際のリラクタ電気角T3を算出することができるのである。
本第3実施形態においては、リラクタ通過検出時の角速度ωxと通過検出時間Txとに基づいて、リラクタ角度Dxを求めるとともに、リラクタ通過非検出時の角速度ωyと通過非検出時間Tyとに基づいて、リラクタ角度Dx以外の角度Dyを求め、次式により、リラクタ電気角T3を算出している。
T3={Dx/(Dx+Dy)}×360 [deg]
同様に今回の第2リラクタ25a2に対応するパルスPSA1の立ち上がりタイミングからリラクタ25aに対応するパルスPSA2の立ち上がりタイミングまでの期間に相当する時間Tbを検出することにより、次式により当該期間における平均の角速度ωBが算出される。
また、排気行程におけるリラクタ25aに対応するパルスPSA2が“H”レベルにある期間、すなわち、リラクタ通過検出期間におけるクランク軸の回転角度であるリラクタ角度Dxは、台形の面積を算出する次式により表される。
(ω1+ωc)/2=ωx
である。
(ωc+ω0)/2=ωy
である。
次に排気行程における第2リラクタに対応するパルスPSA2の立ち上がりタイミングにおける角速度ω1、排気行程における第2リラクタに対応するパルスPSA2の立ち下がりタイミングにおける角速度ωc、次回の圧縮行程における第2リラクタに対応するパルスPSA2の立ち下がりタイミングにおける角速度ω0を演算により算出する。
次に実車において、リラクタ検出期間に対応するクランク軸の回転角度を算出し、利用する場合の概要手順について説明する。
スタータ(セルモータあるいはキック)により、エンジンの始動操作がなされると、ECU24は、適宜のタイミングでリラクタ25aに対応するパルスPSA2の立下がりタイミングを検出し、当該タイミングに基づいて点火タイミングを設定してエンジンを始動する。
これと並行して、ECU24は、時間Ta、通過検出時間Tx、通過非検出時間Ty及び時間Tbを検出する。
そして、上述した各式に基づいて、リラクタ電気角T3を算出し、RAMなどの揮発性メモリに算出したリラクタ電気角T3を記憶し、以後は、このリラクタ電気角T3に基づいてエンジンの負荷状態を検出し、負荷状態に応じた運転制御を行うこととなる。
以上の説明では、エンジン始動時にリラクタ電気角T3を用いずに、始動を行っていたが、予め設定したリラクタ電気角の固定値を用いて始動を行い、リラクタ電気角T3の算出後は算出値を用いて制御を行うように構成することも可能である。
また、クランク軸7の角速度ωの変動量Δωは、前記実施形態ではクランク軸7の角速度ωをクランク軸7に連結されたフライホイール8を介して、直接的に検出した検出値に基づくものであったが、クランク軸7と同期して回転する回転軸(例えば、動弁装置23のカム軸または内燃機関Eの補機の駆動軸)の角速度ωを検出することにより、クランク軸7の角速度ωを間接的に検出した検出値に基づくものであってもよい。
また、変動量Δωは、1サイクルの圧縮行程以外の行程におけるものであってもよい。
また、内燃機関Eは、車両以外の機械に搭載されてもよい。
8 フライホイール
21 点火装置
24 ECU(制御部)
25 クランク角センサ
25a リラクタ
25a2 第2リラクタ
25b ピックアップ(回転検出手段)
27 O2センサ
31 回転数検出部
32 変動量検出部
40 空燃比制御部
41 点火制御部
E 内燃機関(エンジン)
Ne 平均エンジン回転数
P0、P1 圧縮行程
T3 リラクタ電気角
ω 角速度
Δω 変動量
Claims (1)
- クランク軸(7)に連結されるフライホイール(8)と、前記フライホイール(8)に連結され、前記クランク軸(7)の回転被検出部としてのリラクタ(25a)と、前記リラクタ(25a)の通過を検出する回転検出手段(25b)と、前記回転検出手段(25b)による検出結果から、所定期間内における平均回転数Neと、前記クランク軸(7)の前記リラクタ幅に相当する部分的なクランク角速度ωとを算出し、これら算出結果に基づいて、点火時期を決定する制御部(24)と、を備えた内燃機関の運転制御装置において、
前記制御部(24)は、点火を予定している圧縮行程の直前の圧縮行程にて、前記平均回転数Neを算出する期間内において前記クランク角速度ωの算出を同時に行い、
前記クランク角速度ωは、リラクタ(25a)の前端から後端までの角度θをリラクタ(25a)の前端を検出してから後端を検出するまでの時間τで除すことで求められ、
前記圧縮工程での前記クランク角速度ωの変動量Δωは、前記平均回転数Neから前記クランク角速度ωを減ずることで求められ、
前記平均回転数Ne毎のクランク角速度ωの変動量Δωと吸入空気量との関係から、前記変動量Δωを用いて吸入空気量を算出し、この吸入空気量から前記点火時期が設定されることを特徴とする内燃機関の運転制御装置。
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