JP2000205035A - エンジンの失火検出装置 - Google Patents

エンジンの失火検出装置

Info

Publication number
JP2000205035A
JP2000205035A JP11002636A JP263699A JP2000205035A JP 2000205035 A JP2000205035 A JP 2000205035A JP 11002636 A JP11002636 A JP 11002636A JP 263699 A JP263699 A JP 263699A JP 2000205035 A JP2000205035 A JP 2000205035A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
misfire
angular velocity
timing
fluctuation amount
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11002636A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3643250B2 (ja
Inventor
Takanori Taga
尊孝 多賀
Mamoru Yoshioka
衛 吉岡
Yukihide Hashiguchi
幸秀 橋口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisan Industry Co Ltd
Original Assignee
Aisan Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisan Industry Co Ltd filed Critical Aisan Industry Co Ltd
Priority to JP00263699A priority Critical patent/JP3643250B2/ja
Publication of JP2000205035A publication Critical patent/JP2000205035A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3643250B2 publication Critical patent/JP3643250B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クランクシャフトの角速度の変動に基づき失
火を判定し、点火時期の違いに応じて失火を判定するも
のにおいて、失火の検出精度を向上させること。 【解決手段】 電子制御装置(ECU)30は、エンジ
ン1の各気筒#1〜#6の点火時期を制御する。ECU
30は、30°CA毎にセンサ24で検出される角速度
に基づいてその30°CA毎の所要時間を算出する。E
CU30は、算出される所要時間に基づき各気筒#1〜
#6の燃焼行程に対応する回転変動量を算出し、今回と
今回以前に算出される二つの回転変動量の偏差を所定の
失火判定値と比較することにより失火を判定する。ここ
で、ECU30は、各気筒#1〜#6の燃焼行程におけ
る所要時間の極大値及び極小値の差を回転変動量として
算出すると共に、所要時間の極小値の算出時期を点火時
期の遅角値に応じて補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、クランクシャフ
トの角速度の変動に基づいてエンジンの失火を検出する
ようにしたエンジンの失火検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの失火(ミスファイヤ)は、エ
ンジンの燃焼室に吸入された混合気が完全に燃焼しない
ことを意味する。このため、失火が発生すると、未燃焼
の混合気が排気ガスと共にエンジンから排出され、エン
ジンの出力低下や回転変動を招くという問題がある。そ
こで、この問題に対処するために、エンジンの失火を検
出するようにした失火検出装置が種々提案されている。
【0003】実開平4−19643号公報は、この種の
失火検出装置の一例を開示する。この失火検出装置は、
ノッキング制御等により点火時期が遅角されるのに伴
い、図6に示すように、最大燃焼圧力の発生時期が実線
で示す状態から1点鎖線で示す状態へ遅角されたとき
に、その遅角の影響を抑え、クランクシャフトの回転角
変動に基づいて行われる失火の判定精度を高めるように
している。そのために、この失火検出装置では、複数気
筒を有するエンジンにおいて、各気筒に対応した基準ク
ランク角位置で基準信号を発するクランク角センサと、
この基準クランク角位置からの回転角度を検出するため
のリングギアセンサとを設けている。そして、コントロ
ールユニットは、基準クランク角位置を基準として計測
が開始される計測開始クランク角位置から計測が終了す
る計測終了クランク角位置までクランクシャフトが回転
するのに要する所要時間を各気筒毎に順次に計測し、そ
れら計測される所要時間の変動に基づいて失火を判定
し、計測開始クランク角位置及び計測終了クランク角位
置を、点火時期の違いに応じて可変的に設定するように
している。
【0004】失火検出のためにコントロールユニットが
行う具体的な処理内容を図8にフローチャートに示す。
即ち、ステップ500では、種々の条件が失火判定の可
能な診断領域内にあるか否かを判断する。診断領域内に
ない場合、ステップ502で、所要時間Tの計測を停止
し、更にステップ513で、後述するTRAVMX等の
値をクリアする。診断領域内にある場合、ステップ50
3で、所要時間Tの計測を開始する。図7に示すよう
に、120°CA毎にクランク角センサから出力される
REF信号が検出された後、リングギアセンサの出力パ
ルスのカウントが開始され、計測開始クランク角位置に
対応する個数(例えばP1個)の歯数が検出された時点
でプリセットカウンタにより第1のトリガが出力され
る。更に、REF信号の検出から計測終了クランク角位
置に対応する個数(例えばP2個)の歯数が検出された
時点でプリセットカウンタにより第2のトリガが出力さ
れる。そして、第1のトリガから第2のトリガまでの期
間が所要時間Tとして計測される。ここでは、エンジン
の気筒数をNとし、最新の所要時間T1、その前の所要
時間T2、更にその前の所要時間T3、・・・所要時間
T(N+1)というように(N+1)個のデータが、順
次更新される形でメモリに保存され、それらが失火判定
のために使用される。その後、ステップ504で、複数
の所要時間T1〜T(N+1)のデータに基づいてラフ
ネス度ROを逐次演算する。ラフネス度ROは、所要時
間Tの偏差を所要時間Tの平均値で除したものである。
ラフネス度ROは、所要時間Tが計測される度、即ちR
EF信号が出力される度に演算される。従って、個々の
気筒番号nのREF信号について演算されたラフネス度
ROは各気筒のラフネス度RO(n)として定義され、
点火順序に従ったラフネス度RO(n)が順次求められ
る。ラフネス度ROは、クランクシャフトの角速度に変
動が全く無ければ「0」となる。失火があれば、対応す
る気筒のラフネス度ROは負の値を示し、その他の気筒
のラフネス度ROは相対的に正の値を示すことになる。
次に、ステップ505で、ラフネス度RO(n)の絶対
値の移動平均TRAVLUを、REF信号が出力される
度に演算する。次に、ステップ506で、移動平均TR
AVLUをデータ収集期間中の過去の最大値TRAVM
Xと比較し、これを上回った場合には、新たな最大値T
RAVMXとしてメモリ内容を更新する。その後、ステ
ップ507で、各気筒nの正負規則性を示す指標FU
(n)を演算する。即ち、ある気筒nのラフネス度RO
(n)が正であれば指標FU(n)をインクリメント
し、負であれば指標FU(n)はデクリメントする。あ
る気筒nで失火が繰り返し起こるときには、その気筒n
の指標FU(n)は負側に大きく減少することになる。
次に、ステップ508で、リングギアの欠け歯を検出す
る。更に、ステップ509で、演算された移動平均TR
AVLUの値が所定の基準値TRAVCO以上であるか
否かを判断する。この判断が肯定の場合のみ、ステップ
510で、第1のパラメータMMF1の値をインクリメ
ントする。そして、ステップ511で、所定のデータ収
集期間が経過したか否かを判断する。このデータ収集期
間が経過する場合のみ、ステップ512で、故障判定、
即ち失火判定を行う。この判定は、前述したラフネス度
ROから求められる移動平均TRAVLUの最大値TR
AVMX及び指標FU(n)の値に基づいて行われる。
その後、ステップ513で、TRAVMX等の値をクリ
アし、その後の処理を一旦終了する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の失火検出装置では、失火判定を行うために、ラフネ
ス度ROが参照される。このラフネス度ROが、第1の
トリガから第2のトリガまでの所要時間Tにつき、今回
の所要時間Tとその1サイクル前(720°CA前)の
前回の所要時間Tとの偏差を所要時間Tの平均値で除し
たものとして各気筒毎に定義される。従って、ラフネス
度ROにつき、正常時の値と失火時の値との間で区別が
つき難く、これにより、ラフネス度ROから求められる
最大値TRAVMX及び指標FU(n)についても正常
時の値と失火時の値との間で区別がつき難くなる傾向に
あった。このため、失火の判定精度が低下するおそれが
あった。
【0006】この発明は上記事情に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、クランクシャフトの角速度の変
動に基づいて失火を判定すると共に点火時期の違いに応
じて失火を判定するものにおいて、失火の検出精度を向
上させることを可能にしたエンジンの失火検出装置を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、点火時期が制御される複
数気筒を有するエンジンのクランクシャフトの角速度を
所定の回転角度毎に検出するための角速度検出手段と、
所定の回転角度毎に検出される角速度に基づいて各気筒
の燃焼行程に対応する回転変動量を算出するための回転
変動量算出手段と、今回算出される回転変動量と今回以
前に算出された回転変動量との偏差を所定の判定値と比
較することにより各気筒の燃焼行程に対応する失火を判
定するための失火判定手段とを備えたエンジンの失火検
出装置において、回転変動量算出手段は、各気筒の燃焼
行程において異なる二つの時期に検出される角速度の差
を回転変動量として算出することと、異なる二つの角速
度が検出される時期の少なくとも一方を制御される点火
時期の違いに応じて補正するための時期補正手段とを備
えたことを趣旨とする。
【0008】上記の発明の構成によれば、点火時期が制
御されることにより、各気筒の燃焼行程における燃焼圧
力の極大時期が変わる。ここで、角速度検出手段により
検出される個々の角速度に基づいて各気筒の燃焼行程に
対応する回転変動量が回転変動量算出手段により算出さ
れる。そして、今回算出される回転変動量と今回以前に
算出された回転変動量との偏差が所定の判定値と比較さ
れることにより、各気筒の燃焼行程に対応する失火が失
火判定手段により判定される。例えば、今回算出される
回転変動量が正常時のものであり、今回以前に算出され
た回転変動量も正常時のものである場合には、回転変動
量の偏差が相対的に小さくなり、正常判定がなされるこ
とになる。一方、今回算出される回転変動量が失火時の
ものであり、今回以前に算出された回転変動量が正常時
のものである場合には、回転変動量の偏差が相対的に大
きくなり、失火判定がなされることになる。特に、この
発明では、各気筒の燃焼行程において異なる二つの時期
に検出される角速度の差が回転変動量として回転変動量
算出手段により算出される。そして、上記異なる二つの
角速度が検出される時期の少なくとも一方が点火時期の
違いに応じて時期補正手段により補正される。従って、
この発明では、各気筒に対応して算出される回転変動量
が、異なる二つの角速度の差によって明確に定義される
ことになる。しかも、各気筒に対応した回転変動量を算
出するために参照される異なる二つの角速度が検出され
る時期の少なくとも一方が、点火時期の違いに応じて補
正される。例えば、点火時期が遅角されるか否かにより
角速度の検出時期が補正される。このため、それら二つ
の角速度が検出される時期が、点火時期の違いにより変
わる燃焼圧力の極大時期に応じて補正され、各気筒の間
で均質に定義された回転変動量が失火判定のために使わ
れることになる。
【0009】上記目的を達成するために、請求項2に記
載の発明は請求項1に記載の発明の失火検出装置におい
て、異なる二つの角速度が検出される時期は、角転速度
が極小となる時期及び極大となる時期であることと、時
期補正手段により補正される時期は、角速度が極大とな
る方の時期であることとを備えたことを趣旨とする。
【0010】上記の発明の構成によれば、請求項1の作
用に加え、極小の角速度と極大の角速度とにより回転変
動量が算出され、その極大の角速度が検出される時期
が、点火時期の違いに応じて補正されることになる。従
って、各気筒に対応して算出される回転変動量が、極小
の角速度と極大の角速度との差によって明確に定義され
ることになる。しかも、その極大の角速度が点火時期の
違いに応じて補正される。このため、極大の角速度が検
出される時期が、点火時期の違いにより変わる燃焼圧力
の極大時期に応じて補正されることになり、各気筒の間
で均質に定義された回転変動量が失火判定のために使わ
れることになる。
【0011】上記目的を達成するために、請求項3に記
載の発明の失火検出装置は、点火時期が制御される複数
気筒を有するエンジンのクランクシャフトの角速度を所
定の回転角度毎に検出するための角速度検出手段と、各
気筒の燃焼行程に対応して所定の回転角度毎に検出され
る角速度が極小となる時期の角速度と、検出される角速
度が制御される点火時期の違いに応じて極大となる時期
の角速度との差を回転変動量として算出するための回転
変動量算出手段と、回転変動量算出手段により各気筒の
燃焼行程に対応して今回算出される回転変動量と、今回
以前に算出される回転変動量との偏差を所定の判定値と
比較することにより前記各気筒の燃焼行程に対応した失
火を判定するための失火判定手段とを備えたことを趣旨
とする。
【0012】上記の発明の構成によれば、請求項1及び
請求項2の発明の作用と異なり、各気筒に対応して算出
される回転変動量が、極小の角速度と極大の角速度との
差によって明確に定義されることになる。しかも、各気
筒に対応した回転変動量を算出するのに参照される極大
の角速度が点火時期の違いに応じて検出されることにな
り、各気筒の間で均質に定義された回転変動量が失火判
定のために使われることになる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明(請求項1〜3に係
る発明)のエンジンの失火検出装置を具体化した一実施
の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0014】図1には、自動車に搭載されたエンジンシ
ステムに係る概略構成を示す。エンジン1は周知の構造
を有する多気筒タイプのものであり、この実施の形態で
は、1番気筒#1〜6番気筒#6の6つの気筒を有する
ものである。エンジン1は、吸気通路2を通じて供給さ
れる燃料及び空気、即ち可燃混合気を、各気筒#1〜#
6の燃焼室で爆発・燃焼させ、その燃焼後の排気ガスを
排気通路3を通じて排出させることにより、ピストン
(図示しない)を駆動させクランクシャフト4を回転さ
せて動力を得るものである。
【0015】吸気通路2に設けられたスロットルバルブ
5は、同通路2を流れて各気筒#1〜#6に吸入される
空気量(吸気量)Qaを調節するために開閉されるもの
である。このバルブ5は、運転席に設けられたアクセル
ペダル6の操作に連動して作動するものである。スロッ
トルバルブ5に対して設けられたスロットルセンサ21
は、このバルブ5の開度(スロットル開度)TAを検出
し、その検出値に応じた電気信号を出力するものであ
る。吸気通路2に設けられた吸気圧センサ22は、スロ
ットルバルブ5より下流の吸気通路2における吸気圧力
PMを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する
ものである。
【0016】各気筒#1〜#6に対応する吸気ポートに
設けられた複数のインジェクタ7は、各気筒#1〜#6
に対応して燃料を噴射供給するためのものである。これ
らインジェクタ7は、共通するデリバリパイプ8に設け
られる。デリバリパイプ8は、燃料タンク9から圧送さ
れる燃料を、各インジェクタ7へ分配するためのもので
ある。
【0017】各気筒#1〜#6に対応してエンジン1に
設けられた複数の点火プラグ10は、ディストリビュー
タ11から分配される点火信号を受けて作動する。ディ
ストリビュータ11は、イグナイタ12から出力される
高電圧をクランクシャフト4の回転角、即ち「クランク
角(°CA)」の変化に対応して各点火プラグ10へ分
配するものである。各点火プラグ10の作動時期、即ち
点火時期は、イグナイタ12から出力される高電圧の出
力タイミングにより決定される。従って、イグナイタ1
2を制御することにより、各気筒#1〜#6における各
点火プラグ13による点火時期が制御される。
【0018】排気通路3に設けられた酸素センサ23
は、各気筒#1〜#6から同通路3へ排出される排気ガ
ス中の酸素濃度Oxを検出し、その検出値に応じた電気
信号を出力するものである。
【0019】ディストリビュータ11に設けられた回転
速度センサ24は、クランクシャフト4の角速度、即
ち、エンジン回転速度NEを検出し、その検出値に応じ
た電気信号を出力するものである。ディストリビュータ
11には、クランクシャフト4の回転に連動して回転す
ると共に外周に複数の歯を有するロータ(図示しない)
が内蔵される。回転速度センサ24は、このロータと、
ロータの外周に対向配置された電磁ピックアップ(図示
しない)とを備える。このロータの回転に伴って電磁ピ
ックアップが各歯の通過を検出する毎に、回転速度セン
サ24からは一つのパルス信号が出力される。この実施
の形態では、クランク角が30°CA進む毎に、回転速
度センサ24から一つのパルス信号が出力されることに
なる。この実施の形態では、回転速度センサ24によ
り、クランクシャフト4の角速度を所定の回転角度毎、
即ち「30°CA」毎に検出するための角速度検出手段
が構成される。同じく、ディストリビュータ11には、
ロータの回転に応じてクランク角の変化を所定の割合で
検出するための気筒判別センサ25が設けられる。この
実施の形態では、1番気筒#1〜6番気筒#6の全てが
順次に燃焼行程を終了するまでにクランクシャフト4が
2回転するものとして、720°CA毎の割合で、気筒
判別センサ25から基準位置信号GSとしての一つのパ
ルス信号が出力されるようになっている。エンジン1に
設けられ水温センサ26は、エンジン1の内部を流れる
冷却水の温度(冷却水温)THWを検出し、その検出値
に応じた電気信号を出力するものである。
【0020】この実施の形態において、上記のスロット
ルセンサ21、吸気圧センサ22、酸素センサ23、回
転速度センサ24、気筒判別センサ25及び水温センサ
26等は、エンジン1の運転状態を検出するための運転
状態検出手段を構成する。
【0021】前述した各インジェクタ7、デリバリパイ
プ8及び燃料タンク9等は燃料供給装置を構成する。燃
料タンク9はガソリン等の燃料を貯留するものである。
燃料タンク9に内蔵された電動式の燃料ポンプ13は、
同タンク9内の燃料を汲み上げ、吐出するものである。
燃料ポンプ13の吐出ポート側に接続された燃料パイプ
14は、燃料フィルタ15を介してデリバリパイプ8に
接続される。ここで、燃料ポンプ13が作動することに
より、燃料タンク9内の燃料は、同ポンプ13から燃料
パイプ14へと吐出され、燃料フィルタ15で異物が除
去された後、デリバリパイプ8へと圧送され、各インジ
ェクタ7へ分配される。各インジェクタ7に圧送された
燃料は、それらインジェクタ7の作動に伴い吸気ポート
へと噴射さ、各気筒#1〜#6へと供給される。
【0022】運転席に設けられた警告ランプ16は、エ
ンジン1に異常が発生した場合に点灯してその異常の発
生を運転者に警告するためのものである。
【0023】この実施の形態で、電子制御装置(EC
U)30は、前述したスロットルセンサ21、吸気圧セ
ンサ22、酸素センサ23、回転速度センサ24、気筒
判別センサ25及び水温センサ26等から出力される各
種信号を入力する。ECU30は、これらの入力信号に
基づき、空燃比制御を含む燃料噴射制御、点火時期制御
及びエンジン1の失火検出等を実行するために、各イン
ジェクタ7、イグナイタ12及び警告ランプ16等をそ
れぞれ制御する。
【0024】ここで、燃料噴射制御とは、エンジン1の
運転状態に応じて各インジェクタ7から噴射される燃料
量(燃料噴射量)及びその噴射タイミングを制御するこ
とである。空燃比制御とは、少なくとも酸素センサ23
の検出値に基づいてエンジン1における空燃比をフィー
ドバック制御することである。点火時期制御とは、エン
ジン1の運転状態に応じてイグナイタ12を制御するこ
とにより、各点火プラグ10による点火時期を制御する
ことである。この実施の形態では、例えば、ノッキング
制御等において点火時期が遅角されるようになってい
る。この点火時期の遅角により、各気筒#1〜#6の燃
焼行程で燃焼圧力が極大となる時期が遅角されることに
なり、これに伴い各気筒#1〜#6におけるクランクシ
ャフト4の角速度の周期的な変動に係る位相が遅角され
ることになる。失火検出とは、クランクシャフト4の角
速度の変動に基づいてエンジン1の失火を検出すること
である。
【0025】この実施の形態で、ECU30は、本発明
の回転変動量算出手段、失火判定手段及び時期補正手段
に相当する。このECU30は中央処理装置(CP
U)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセ
スメモリ(RAM)及びバックアップRAM等よりなる
周知の構成を備えたものである。ROMは、前述した各
種制御に係る所定の制御プログラムを予め記憶してい
る。ECU(CPU)30は、これらの制御プログラム
に従って前述した各種制御等を実行する。
【0026】次に、ECU30が実行する各種制御のう
ち、エンジン1の失火検出のための処理内容について説
明する。図2に失火検出に関する「30°CA割り込み
ルーチン」のフローチャートを示す。図3に失火検出に
おけるクランク角、カウント値CCRNK、所要時間T
30、回転変動量の偏差DLTMFL及び燃焼圧力の挙
動をそれぞれ示す。図4に図3の一部を拡大して示す。
【0027】ECU30は、このルーチンを回転速度セ
ンサ24からのパルス信号に基づいて30°CA毎の割
り込みにより実行する。
【0028】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ100で、ECU30は、回転速度センサ24及
び気筒判別センサ25からの信号に基づき、エンジン回
転速度NEのパルス信号、基準位置信号GSのパルス信
号をそれぞれ読み込む。
【0029】次に、ステップ101で、ECU30は、
前回の30°CAの割り込みから今回の30°CAの割
り込みまでの所要時間T30を算出する。この所要時間
T30は、回転速度センサ24により30°CA毎に検
出されるクランクシャフト4の微小角速度に相当するも
のであり、角速度が高いときに小さくなり、角速度が低
いときに大きくなるものである。つまり、この所要時間
T30は、個々の角速度の逆数に比例するものである。
この実施の形態では、30°CA毎の所要時間T30が
30°CA毎の角速度に相当するものとして、30°C
A毎の角速度を、大小の関係は逆になるものの、30°
CA毎の所要時間T30に置き換えて表すものとする。
【0030】その後、ステップ102で、ECU30
は、気筒判別フラグYGが「1」であるか否かを判断す
る。この気筒判別フラグYGは、気筒判別センサ25が
720°CA毎のタイミングで基準位置信号GSを出力
するときに「1」にセットされるものである。従って、
ここでは回転速度センサ24から出力されるパルス信号
による今回の30°CAの割り込みと、気筒判別センサ
25から720°CA毎に出力される基準位置信号GS
とが一致しているか否かが判断されることになる。
【0031】そして、ステップ102で、気筒判別フラ
グYGが「1」である場合、ステップ103で、ECU
30はクランク角の進度を段階的に表すカウント値CC
RNKを「0」にリセットする。この実施の形態では、
図3に示すように、1番気筒#1のピストンが上死点
(TDC)となるタイミングをクランク角で「0°C
A」と定義し、そのタイミングに対応するカウント値C
CRNKを「0」と表すようにしている。そして、最終
的に6番気筒#6の燃焼行程が終了するタイミングをク
ランク角で「720°CA」と定義し、そのタイミング
に対応するカウント値CCRNKを「23」と表すよう
にしている。
【0032】一方、ステップ102で、気筒判別フラグ
YGが「0」である場合、ECU30は、ステップ10
4で、カウント値CCRNKを「1」だけインクリメン
トし、ステップ105で、そのカウント値CCRNKが
「23」よりも大きいか否かを判断する。図3(a),
(b)に示すように、全ての気筒#1〜#6が連続的に
燃焼行程を終了するまでに、即ちクランクシャフト4が
2回転(720°CA)するまでに回転速度センサ24
から30°CA毎のパルス信号が24個出力されること
になる。従って、ステップ105では、6番気筒#6の
燃焼行程が終了して次の1番気筒#1の燃焼行程へ移行
するタイミングであるか否かが判断されることになる。
ここで、カウント値CCRNKが「23」よりも大きい
場合、ECU30は処理をステップ103へ移行する。
カウント値CCRNKが「23」よりも大きくない場
合、ECU30は処理をステップ106へ移行する。
【0033】ステップ103又はステップ105から移
行してステップ106において、ECU30は、別途実
行される点火時期制御で算出される点火時期に関する遅
角値を読み込む。即ち、ECU30は、ノッキング制御
等のために点火時期が遅角された場合の遅角値を読み込
む。
【0034】そして、ステップ107で、ECU30
は、後述する回転変動量の偏差DLTMFLを算出する
タイミングを、読み込まれた遅角値に応じて補正する。
即ち、この実施の形態では、各気筒#1〜#6の燃焼行
程に対応して、点火時期が遅角されていない場合には、
カウント値CCRNKが「3,7,11,15,19,
23」となるときを各気筒#1〜#6に対応した偏差D
LTMFLの算出タイミングとするようにしている。こ
れに対して、点火時期が遅角されている場合には、カウ
ント値CCRNKが「4,8,12,16,20,1」
となるときを各気筒#1〜#6に対応した偏差DLTM
FLの算出タイミングとして補正するようにしている。
【0035】その後、ステップ108で、ECU30は
偏差DLTMFLの算出タイミングであるか否かを判断
する。即ち、カウント値CCRNKが、点火時期に遅角
補正がない場合の「3,7,11,15,19,23」
であるか、或いは、点火時期に遅角補正がある場合の
「4,8,12,16,20,1」であるか否かを判断
する。この判断が否定である場合、ECU30は後述す
るステップ114で、所要時間T30からメモリに置き
換えられる所要時間T31を、それ以前の所要時間T3
2としてメモリに置き換えたり、所要時間T32を、そ
れ以前の所要時間T33としてメモリに置き換えたりす
る。その後、ステップ114で、ECU30は今回の所
要時間T30を前回の所要時間T31としてメモリに置
き換え、その後の処理を一旦終了する。
【0036】一方、ステップ108の判断が肯定である
場合、ECU30はステップ110で偏差DLTMFL
を算出する。即ち、この実施の形態では、点火時期に遅
角補正がない場合に、図3(c),(e)及び図4に実
線で示すように、各気筒#1〜#6の燃焼行程に対応し
た燃焼圧力の極大値がATDC30°CAのタイミング
で発生することから、そのとに極小となる所要時間を
「T30」と定義し、それよりも60°CA前の所要時
間T32との回転変動量tDT3XDを算出する(次式
(1)参照)。そして、今回の回転変動量tDT3XD
とその3点火前(360°CA前)の回転変動量tDT
3XD(i−1)との差を回転変動量tDT3XDの偏
差DLTMFLとして算出する(次式(2)参照)。 tDT3XD=T30−T32 …(1) DLTMFL=tDT3XD−tDT3XD(i−1) …(2) しかし、点火時期が遅角補正された場合には、図3,4
に二点鎖線で示すように、燃焼圧力の極大値がATDC
30°CAからATDC60°CAまで遅れることにな
る。そこで、この実施の形態では、点火時期に遅角補正
がある場合に、図3(c),(e)及び図4に二点差線
で示すように、燃焼圧力が極大となるATDC60°C
Aのときに極小となる所要時間を「T30」と定義し、
それよりも90°CA前の所要時間T33との回転変動
量tDT3XDを算出する(次式(3)参照)。そし
て、今回の回転変動量tDT3XDとその3点火前(3
60°CA前)の回転変動量tDT3XD(i−1)と
の差を回転変動量tDT3XDの偏差DLTMFLとし
て算出する(次式(4)参照)。 tDT3XD=T30−T33 …(3) DLTMFL=tDT3XD−tDT3XD(i−1) …(4)
【0037】その後、ステップ111で、ECU30
は、算出された偏差DLTMFLの値が所定の失火判定
値LVLMFLよりも大きいか否かを判断する。ここ
で、偏差DLTMFLが失火判定値LVLMFLよりも
大きくない場合、ステップ112で、ECU30はエン
ジン1に失火が発生していないものとして正常判定処理
を実行する。例えば、その処理として、ECU30は、
警告ランプ16を消灯させたり、正常判定コードをバッ
クアップRAMに記憶させたりする。そして、ECU3
0は、ステップ114で所要時間T30を所要時間T3
1に置き換え、その後の処理を一旦終了する。一方、偏
差DLTMFLが失火判定値LVLMFLよりも大きい
場合、ステップ113で、ECU30はエンジン1に失
火が発生しているものとして失火判定処理を実行する。
例えば、その処理として、ECU30は、警告ランプ1
6を点灯させたり、失火判定コードをバックアップRA
Mに記憶させたりする。この失火判定コードは、必要に
応じてバックアップRAMより読み出されることによ
り、点検に供されることになる。そして、ECU30
は、ステップ114で所要時間T30を所要時間T31
に置き換え、その後の処理を一旦終了する。
【0038】上記のように「30°CA割り込みルーチ
ン」がECU30により実行される。即ち、ECU30
は、点火時期の遅角補正に応じて所要時間T30の回転
変動量tDT3XDの偏差DLTMFLの算出タイミン
グを補正することにより、失火を判定する。
【0039】以上説明したように、この実施の形態の失
火検出装置によれば、点火時期が制御されることによ
り、図3(e)及び図4(b)に示すように、各気筒#
1〜#6の燃焼行程における燃焼圧力が極大となる時期
が変わる。ここで、回転速度センサ24で検出される3
0°CA毎の角速度により算出される個々の所要時間T
30に基づいて各気筒#1〜#6の燃焼行程に対応する
回転変動量tDT3XDがECU30により算出され
る。そして、その算出される回転変動量tDT3XDに
基づいて各気筒#1〜#6の燃焼行程に対応する失火の
有無がECU30により判定される。
【0040】特に、この実施の形態では、各気筒#1〜
#6の燃焼行程において異なる二つの時期に算出される
所要時間T30の差が回転変動量tDT3XDとしてE
CU30により算出される。ここで、回転変動量tDT
3XDを算出するために参照される異なる二つの所要時
間T30の算出時期の少なくとも一方が、点火時期の違
いに応じて、即ち遅角補正の有無に応じてECU30に
より補正される。そして、今回算出される回転変動量t
DT3XDと今回以前、即ち3点火前(360°CA
前)に算出された回転変動量tDT3XD(i−1)と
の偏差DLTMFLが所定の失火判定値LVLMFLと
比較されることにより、ECU30により失火が判定さ
れることになる。即ち、図3(c)に実線及び波線で示
すように、時刻t2において今回算出される回転変動量
tDT3XDが正常時のものであり、その3点火前の時
刻t1に算出された回転変動量tDT3XD(i−1)
も正常時のものである場合には、回転変動量tDT3X
Dの偏差DLTMFLが相対的に小さくなり、正常判定
がなされることになる。一方、今回算出される回転変動
量tDT3XDが失火時のものであり、その3点火前に
算出された回転変動量tDT3XD(i−1)が正常時
のものである場合には、回転変動量tDT3XDの偏差
DLTMFLが相対的に大きくなり、失火判定がなされ
ることになる。従って、各気筒#1〜#6に対応して算
出される回転変動量tDT3XDが、異なる二つの角速
度に対応する所要時間T30,T32(T30,T3
3)の差、即ち、所要時間T30が極大及び極小となる
時期に検出される二つ所要時間T30,T32(T3
0,T33)の差によって明確に定義されることにな
る。これにより、各気筒#1〜#6の間で均質に定義さ
れた回転変動量tDT3XDが失火判定のために使われ
ることになる。しかも、上記異なる二つの所要時間T3
0,T32(T30,T33)の検出時期の一方、即
ち、所要時間T30が極小となる方の時期が点火時期が
遅角されるか否かによって補正される。この結果、点火
時期の違いに応じて失火を判定する場合において、正常
時及び失火時のそれぞれで点火時期を遅角させたことに
起因する誤検出を防止することができ、失火の検出精度
を向上させることができるようになる。即ち、図3
(c),(d)に二点鎖線で示すように、時刻t3にお
いて、遅角された点火時期に応じて偏差DLTMFLが
正確に算出され、その偏差DLTMFLの値が失火判定
値LVLMFLを上回わることになり、失火の発生を精
度よく検出することができる。これに対して、図3
(c),(d)に示す二点鎖線において、通常の点火時
期と同様、時刻t2で偏差DLTMFLが算出された場
合には、その偏差DLTMFLの値が失火判定値LVL
MFLを下回ることもあり、失火が発生しているにも拘
わらず、その失火を検出することができなくなるおそれ
がある。この点で本実施の形態の失火検出装置の優位性
は明らかである。
【0041】この実施の形態の失火検出装置の別の側面
として、ECU30は、各気筒#1〜#6の燃焼行程に
対応して30°CA毎に算出される所要時間T30が極
大となる時期の所要時間T30と、算出される所要時間
T30が点火時期の遅角補正の違いに応じて極小となる
時期の所要時間T30との差を回転変動量tDT3XD
として算出している。そして、ECU30は、各気筒#
1〜#6の燃焼行程に対応して今回算出される回転変動
量tDT3XDと、その3点火前に算出される回転変動
量tDT3XD(i−1)との偏差DLTMFLを所定
の失火判定値LVLMFLと比較することにより、各気
筒#1〜#6の燃焼行程に対応した失火を判定すること
になる。従って、この側面においても、各気筒#1〜#
6に対応して算出される回転変動量tDT3XDが、極
大となる時期の所要時間T30と極小となる時期の所要
時間T30との差によって明確に定義されることにな
り、回転変動量tDT3XDが各気筒#1〜#6の間で
均質に定義され、失火の判定に使われることになる。こ
の結果、上記と同様に正常時及び失火時のそれぞれで点
火時期を遅角させたことに起因する誤検出を防止するこ
とができ、失火の検出精度を向上させることができるよ
うになる。
【0042】尚、この発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲
で以下のように実施することもできる。
【0043】(1)前記実施の形態では、各気筒#1〜
#6の燃焼行程に対応して、点火時期が遅角されていな
い場合には、カウント値CCRNKが「3,7,11,
15,19,23」となるときを各気筒#1〜#6に対
応した偏差DLTMFLの算出タイミングとし、点火時
期が遅角される場合には、カウント値CCRNKが
「4,8,12,16,20,1」となるときを各気筒
#1〜#6に対応した偏差DLTMFLの算出タイミン
グとすることにより、偏差DLTMFLの算出タイミン
グを補正するようにしている。これに対し、図5に示す
ような関数データを参照することにより、点火時期の遅
角値の違いに応じた算出タイミング(ATDCにおける
クランク角)を決定し、その決定された算出タイミング
により、偏差DLTMFLの算出タイミングを補正する
ようにしてもよい。
【0044】(2)前記実施の形態では、各気筒#1〜
#6の燃焼行程に対応して今回算出される回転変動量t
DT3XDと、その3点火前に算出される回転変動量t
DT3XD(i−1)とにより偏差DLTMFLを算出
するようにした。これに対し、各気筒#1〜#6の燃焼
行程に対応して今回算出される回転変動量tDT3XD
と、その1点火前、2点火前、4点火前、5点火前、6
点火前又は同一気筒#1〜#6における前回の燃焼行程
で算出される回転変動量tDT3XD(i−1)とによ
り偏差DLTMFLを算出するようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】請求項1に記載の発明の構成によれば、
各気筒の燃焼行程において異なる二つの時期に検出され
る角速度の差を回転変動量として算出し、それら異なる
二つの角速度が検出される時期の少なくとも一方を制御
される点火時期の違いに応じて補正するようにしてい
る。従って、各気筒に対応して算出される回転変動量が
異なる二つの角速度の差によって明確に定義され、それ
ら角速度の検出時期の少なくとも一方が点火時期の違い
により変わる燃焼圧力の極大時期に応じて補正されるこ
とになり、各気筒の間で均質に定義された回転変動量が
失火の判定に使われることになる。この結果、クランク
シャフトの角速度の変動に基づいて失火を判定すると共
に点火時期の違いに応じて失火を判定するものにおい
て、失火の誤検出を防止して失火の検出精度を向上させ
ることができるという効果を発揮する。
【0046】請求項2に記載の発明の構成によれば、請
求項1に記載の発明の構成において、異なる二つの角速
度が検出される時期を、角速度が極小となる時期及び極
大となる時期とし、それらのうち角速度が極大となる方
の時期を点火時期に応じて補正するようにしている。従
って、この発明においても、請求項1に記載の発明と同
様、クランクシャフトの角速度の変動に基づいて失火を
判定すると共に点火時期の違いに応じて失火を判定する
ものにおいて、失火の誤検出を防止して失火の検出精度
を向上させることができるという効果を発揮する。
【0047】請求項3に記載の発明の構成によれば、各
気筒の燃焼行程に対応して所定の回転角度毎に検出され
る角速度が極小となる時期の角速度と、検出される角速
度が制御される点火時期の違いに応じて極大となる時期
の角速度との差を回転変動量として算出し、各気筒の燃
焼行程に対応して今回算出される回転変動量と、今回以
前に算出される回転変動量との偏差を所定の判定値と比
較することにより各気筒の燃焼行程に対応した失火を判
定するようにしている。従って、この発明においても、
請求項1及び請求項2に記載の発明と同様、クランクシ
ャフトの角速度の変動に基づいて失火を判定すると共に
点火時期の違いに応じて失火を判定するものにおいて、
失火の誤検出を防止して失火の検出精度を向上させるこ
とができるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態に係り、エンジンシステムを示す
概略構成図である。
【図2】同じく、「30°CA割り込みルーチン」を示
すフローチャートである。
【図3】同じく、失火検出に係る各種パラメータの挙動
を示すタイムチャートである。
【図4】同じく、図3の一部を拡大して示すタイムチャ
ートである。
【図5】別の実施の形態に係り、関数データを示すグラ
フである。
【図6】従来の失火検出装置に係り、燃焼圧力の挙動を
示すグラフである。
【図7】同じく、失火検出に係る各種パラメータの挙動
を示すタイムチャートである。
【図8】同じく、失火検出の内容を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
1 エンジン 4 クランクシャフト 30 ECU(回転変動量算出手段、失火判定
手段及び時期補正手段) #1〜#6 1番気筒〜6番気筒 T30 所要時間(角速度に相当する。) tDT3XD 回転変動量 DLTMFL 偏差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋口 幸秀 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G084 AA03 BA17 EA05 EA07 EA11 EB22 EB26 EC01 EC03 FA24 FA34 FA38 FA39

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 点火時期が制御される複数気筒を有する
    エンジンのクランクシャフトの角速度を所定の回転角度
    毎に検出するための角速度検出手段と、 前記所定の回転角度毎に検出される角速度に基づいて前
    記各気筒の燃焼行程に対応する回転変動量を算出するた
    めの回転変動量算出手段と、 今回算出される回転変動量と今回以前に算出された回転
    変動量との偏差を所定の判定値と比較することにより前
    記各気筒の燃焼行程に対応する失火を判定するための失
    火判定手段とを備えたエンジンの失火検出装置におい
    て、 前記回転変動量算出手段は、前記各気筒の燃焼行程にお
    いて異なる二つの時期に検出される角速度の差を回転変
    動量として算出することと、 前記異なる二つの角速度が検出される時期の少なくとも
    一方を前記制御される点火時期の違いに応じて補正する
    ための時期補正手段とを備えたことを特徴とするエンジ
    ンの失火検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のエンジンの失火検出装
    置において、 前記異なる二つの角速度が検出される時期は、前記角速
    度が極小となる時期及び極大となる時期であることと、 前記時期補正手段により補正される時期は、前記角速度
    が極大となる方の時期であることとを備えたことを特徴
    とするエンジンの失火検出装置。
  3. 【請求項3】 点火時期が制御される複数気筒を有する
    エンジンのクランクシャフトの角速度を所定の回転角度
    毎に検出するための角速度検出手段と、 前記各気筒の燃焼行程に対応して前記所定の回転角度毎
    に検出される角速度が極小となる時期の角速度と、前記
    検出される角速度が前記制御される点火時期の違いに応
    じて極大となる時期の角速度との差を回転変動量として
    算出するための回転変動量算出手段と、 前記回転変動量算出手段により前記各気筒の燃焼行程に
    対応して今回算出される回転変動量と、今回以前に算出
    される回転変動量との偏差を所定の判定値と比較するこ
    とにより前記各気筒の燃焼行程に対応した失火を判定す
    るための失火判定手段とを備えたことを特徴とするエン
    ジンの失火検出装置。
JP00263699A 1999-01-08 1999-01-08 エンジンの失火検出装置 Expired - Fee Related JP3643250B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00263699A JP3643250B2 (ja) 1999-01-08 1999-01-08 エンジンの失火検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00263699A JP3643250B2 (ja) 1999-01-08 1999-01-08 エンジンの失火検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000205035A true JP2000205035A (ja) 2000-07-25
JP3643250B2 JP3643250B2 (ja) 2005-04-27

Family

ID=11534881

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00263699A Expired - Fee Related JP3643250B2 (ja) 1999-01-08 1999-01-08 エンジンの失火検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3643250B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020087150A (ko) * 2001-05-14 2002-11-22 기아자동차주식회사 회전각속도 변동량에 의한 엔진 실화 검출시 보상 방법
KR20030050141A (ko) * 2001-12-18 2003-06-25 현대자동차주식회사 디젤 엔진의 연료 분사량 보정장치 및 방법
US7136739B2 (en) 2004-04-12 2006-11-14 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Engine control device
US7197916B2 (en) 2004-04-05 2007-04-03 Denso Corporation Misfire detector using linear detection of crankshaft angular speed
JP2008241708A (ja) * 2007-03-15 2008-10-09 Delphi Technologies Inc 車両診断装置および方法
US7503208B2 (en) 2005-02-24 2009-03-17 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Engine misfire detection apparatus for internal combustion engine and engine misfire detection method
JP2014148898A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Daihatsu Motor Co Ltd 内燃機関
JP2015117654A (ja) * 2013-12-19 2015-06-25 本田技研工業株式会社 汎用エンジンの点火制御装置
KR102153484B1 (ko) * 2019-07-25 2020-09-08 현대오트론 주식회사 다기통 엔진의 실화 진단 방법 및 장치
KR102202723B1 (ko) * 2019-07-25 2021-01-13 주식회사 현대케피코 다기통 엔진의 실화 진단 방법 및 장치

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020087150A (ko) * 2001-05-14 2002-11-22 기아자동차주식회사 회전각속도 변동량에 의한 엔진 실화 검출시 보상 방법
KR20030050141A (ko) * 2001-12-18 2003-06-25 현대자동차주식회사 디젤 엔진의 연료 분사량 보정장치 및 방법
US7197916B2 (en) 2004-04-05 2007-04-03 Denso Corporation Misfire detector using linear detection of crankshaft angular speed
US7136739B2 (en) 2004-04-12 2006-11-14 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Engine control device
DE102005016571B4 (de) * 2004-04-12 2009-09-24 Mitsubishi Jidosha Kogyo K.K. Motorsteuervorrichtung
US7503208B2 (en) 2005-02-24 2009-03-17 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Engine misfire detection apparatus for internal combustion engine and engine misfire detection method
JP2008241708A (ja) * 2007-03-15 2008-10-09 Delphi Technologies Inc 車両診断装置および方法
JP2014148898A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Daihatsu Motor Co Ltd 内燃機関
JP2015117654A (ja) * 2013-12-19 2015-06-25 本田技研工業株式会社 汎用エンジンの点火制御装置
KR102153484B1 (ko) * 2019-07-25 2020-09-08 현대오트론 주식회사 다기통 엔진의 실화 진단 방법 및 장치
KR102202723B1 (ko) * 2019-07-25 2021-01-13 주식회사 현대케피코 다기통 엔진의 실화 진단 방법 및 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP3643250B2 (ja) 2005-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3743073B2 (ja) 内燃機関の失火検出装置
JP4461586B2 (ja) 内燃機関用失火検出装置
JP2009121303A (ja) 内燃機関の失火検出装置
JP3643250B2 (ja) エンジンの失火検出装置
JP4120276B2 (ja) 内燃機関の失火検出装置
US11359556B2 (en) Device and method for detecting misfire in internal combustion engine
JPH0249955A (ja) 内燃機関の気筒異常検出装置
JP4827022B2 (ja) 内燃機関の失火検出装置
JPH0518311A (ja) 異常検出装置
JP4260830B2 (ja) 内燃機関制御装置
JP3961745B2 (ja) 内燃機関の失火検出装置
JP3963984B2 (ja) エンジン回転数算出装置及びエンジンの気筒別失火検出装置
JP2009293580A (ja) 可変バルブタイミング制御システムの異常診断装置
JP2000120488A (ja) 失火検出装置
JP3397698B2 (ja) エンジンの点火制御装置
JPH0347471A (ja) 内燃機関の点火制御装置
JPS60190866A (ja) 回転速度異常検出装置
JP6742470B1 (ja) 内燃機関の制御装置
JPH09166041A (ja) 内燃機関の失火検出装置
JP3120720B2 (ja) 内燃機関の失火検出装置
JP2008138523A (ja) エンジンの燃焼状態診断装置
JP2009174361A (ja) 内燃機関の失火検出装置
JP2000064901A (ja) 内燃機関の失火検出装置
JP2007056767A (ja) 燃料供給装置の異常判定装置
JP2023108088A (ja) エンジン制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040928

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050118

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050127

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees