JPH10120675A - 2−p−ジオキサノン類の製造方法 - Google Patents

2−p−ジオキサノン類の製造方法

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JPH10120675A
JPH10120675A JP8279313A JP27931396A JPH10120675A JP H10120675 A JPH10120675 A JP H10120675A JP 8279313 A JP8279313 A JP 8279313A JP 27931396 A JP27931396 A JP 27931396A JP H10120675 A JPH10120675 A JP H10120675A
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copper
diethylene glycol
conversion
hydrogen
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JP8279313A
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English (en)
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Norikazu Hattori
憲和 服部
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジエチレングリコール類から2−p−ジオキ
サノン類を高収率で長期間安定して製造する方法を提供
する。 【解決手段】 ジエチレングリコール類と、酸強度
(H0)が1.5より強い酸点の総量が0以上2×10-7当量毎
平方メートル以下の担体、例えばシリカ等に銅を担持さ
せた触媒とを、水素の存在下に接触させることを特徴と
する2−p−ジオキサノン類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジエチレングリコ
ール類を原料とし、特定の触媒を用いて、2−p−ジオ
キサノン類を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】2−p−ジオキサノン類は、ポリマーの
重合原料(単量体)として用いられる。特に2−p−ジ
オキサノンは、生体吸収特性を持つ手術用縫合糸として
用いられているポリ(2−p−ジオキサノン)の重合原
料として有用である。ポリ(2−p−ジオキサノン)
は、加熱下において容易に解重合し、重合原料である2
−p−ジオキサノンをほぼ定量的に且つ高純度で与える
ので、リサイクル性材料としても有用である。プラスチ
ック廃棄物問題に起因して、プラスチック材料のリサイ
クルの必要が認識されてきている。特にポリ(2−p−
ジオキサノン)のような、安全で解重合性を有している
ポリマーは、有効なリサイクル材料として、その開発が
望まれている。
【0003】2−p−ジオキサノン類の製造方法で最も
新しい技術は、米国特許5,310,945号に示されている。
この技術は、気化されたジエチレングリコール類を水素
ガスの存在下に触媒と接触させ、次式に示される脱水素
及び環化反応によって目的物を得るものである。
【0004】
【化1】
【0005】ここで使用される脱水素反応触媒は、アル
ミナに銅と亜鉛、及びカリウム等の塩基性成分を担持し
て成るものであり、還元雰囲気下で加熱処理を施した後
にジエチレングリコール類と接触させて用いる。
【0006】しかしながら、本発明者らが上記米国特許
に開示されている触媒を使用して気相流通式反応を行っ
たところ、初期の転化率及び選択率は高いものの、連続
して反応を行うと、比較的短時間で転化率が低下するこ
とが明らかとなった。具体的には、温度300℃、空間速
度(LHSV)2.0h-1の時、初期転化率は100%であった
が、12時間後は88%だった。即ち、上記米国特許に示さ
れている技術も、未だ触媒寿命の点で充分とは言えず、
更なる改良が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
2−p−ジオキサノン類の製造方法で使用される触媒
は、触媒活性が比較的短期間で経時的に劣化してしまう
という問題があった。従って、本発明の課題は、長期間
に渡って安定に、2−p−ジオキサノン類を高収率(高
転化率かつ高選択率)で製造する方法を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、特定の酸性質を
有する担体を用いて調製した触媒を使用し、水素の共存
下反応させることにより、より長期間に渡って高収率で
2−p−ジオキサノン類を製造できることを見出し、本
発明を完成するに到った。
【0009】即ち、本発明は、ジエチレングリコール類
と、酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量が2×10-7
量毎平方メートル以下の担体に銅を担持させた触媒と
を、水素の存在下に接触させることを特徴とする2−p
−ジオキサノン類の製造方法である。
【0010】本発明の方法によれば、2−p−ジオキサ
ノン類を長期間に渡って高収率で製造することが可能と
なる。このような優れた効果が得られる理由は今のとこ
ろ明らかではないが、下記のような理由によるものと推
定している。即ち、副反応の原因及び触媒活性の経時劣
化の原因は、触媒担体の表面上に存在する、酸強度
(H0)が1.5より強い酸点にあると推定している。従っ
て、これらの酸点が少ない担体を使用することにより、
上記のような効果が得られるものと思われる。更に、水
素ガスを共存させることにより、触媒表面に炭素化合物
が付着することを防止できるので、上記効果をより確実
なものにすることができるものと推定している。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明においてジエチレングリコ
ール類とは、下式に示す化学構造を有する化合物を指
す。
【0012】
【化2】
【0013】上記式中、R及びR’は、水素原子または
炭素数1から12のアルキル基である。好ましくは、Rは
水素原子または炭素数1から8のアルキル基であり、R’
は水素原子である。更に好ましくは、Rは水素原子また
は炭素数1から2のアルキル基である。好ましく用いられ
るジエチレングリコール類を例示すれば、ジエチレング
リコール、2,2’−オキシビス(1−プロパノー
ル)、2,2’−オキシビス(1−ブタノール)、2,
2’−オキシビス(1−ペンタノール)、2,2’−オ
キシビス(1−ヘキサノール)等が挙げられる。この
内、最も速やかに反応が進行するものは、ジエチレング
リコールである。本発明においては、上記のジエチレン
グリコール類を使用し、特定の触媒を用いて水素の存在
下に前述式1に示される脱水素及び環化反応を行うこと
により、対応する2−p−ジオキサノン類が得られる。
【0014】本発明においては、酸強度(H0)が1.5よ
り強い酸点の総量が2×10-7当量毎平方メートル(eq/
m2)以下である担体に銅を担持させた触媒を使用するこ
とが重要である。本発明において、酸強度(H0)が1.5
より強い酸点の総量は、「触媒工学講座4;触媒基礎測
定法」(触媒学会編)161頁以降に記載されているアミ
ン滴定法(指示薬法)によって決定される酸点の総数を
意味する。即ち、ベンゼン溶媒中に担体を分散または沈
降させて、指示薬としてpKaが1.5のベンゼンアゾジフェ
ニルアミンを加え、ノルマルブチルアミンで滴定した時
に、担体表面が紫色から黄色に変色するのに要した滴定
量(当量数)を試料として用いた担体の総表面積で除し
た値を意味する。ここで担体の表面積とは、通常のBET
式測定法によって求められた値である。
【0015】酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量が2
×10-7eq/m2以下の担体を使用すれば、選択率は高く、
高収率を維持できる。より好ましい該酸点総量は1×10
-7eq/m2以下である。酸強度(H0)が1.5より強い酸点の
総量が2×10-7eq/m2を超える担体を使用した場合、副反
応である脱水反応が優勢に進行し、副生成物であるジオ
キサン類が多量に生成してしまう。また、炭素化合物が
付着することによる触媒活性劣化が激しく進行し、反応
収率が短時間の内に低下してしまう。
【0016】一般的に用いられる触媒担体としてはアル
ミナ、シリカ、ジルコニア、及びチタニア等の金属酸化
物、ゼオライト、及びシリカ・アルミナ等の複合酸化
物、カオリナイト、及びモンモリロナイト等の粘土類、
及び活性炭等のその他の固体化合物が知られているが、
本発明では、この中で酸強度(H0)が1.5より強い酸点
の総量が2×10-7eq/m2以下である担体が制限なく使用で
きる。一般に、同種の担体でも、製法や処理の違いによ
って酸性質が変化することはよく知られているが、シリ
カ、ジルコニア、及びチタニアは、製法や処理法に関わ
らず上記の酸性質条件を満たす。一方、複合酸化物は、
組成によって酸性質が大きく変化するが、ジルコニア含
有率が85%以上のシリカ・ジルコニアや、アルミナ含有
率が5%以下のシリカ・アルミナは上記の酸性質条件を
満たす。粘土類は、カチオン無置換型であればよい。こ
れらの中で、表面積が大きく入手し易い等の理由から、
シリカが最も好ましく用いられる。なお、一般的なアル
ミナの、酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量は、2×
10-7eq/m2をはるかに越えており、担体としてこのよう
なアルミナを使用した場合には、本発明の効果は得られ
ない。
【0017】本発明では、上記の担体に銅を担持したも
のを触媒として用いる。銅の担持量は、触媒総重量に対
して0.1から40重量%であることが好ましい。より好ま
しくは0.5から20重量%である。更に好ましくは1から10
重量%である。銅の担持量が0.1重量%未満の場合、反
応速度は低くなる。また、銅が40重量%を超える量担持
された触媒は、表面積が減少するために、反応速度はか
えって低くなる。
【0018】本発明で使用する触媒の調製方法は、特に
限定されない。最も一般的な方法としては、銅化合物の
溶液に上記の担体を浸積させ、乾燥するという、含浸法
が用いられる。使用される銅化合物としては、硝酸銅、
塩化銅、酢酸銅、炭酸銅、銅アセチルアセトネート錯
体、及び銅カルボニル等が挙げられるが、分解のし易さ
から硝酸銅が最も好ましい。銅化合物を担持した後で、
触媒は酸素存在下、300から800℃で焼成される。焼成に
よって担体上の銅は酸化銅となる。
【0019】担体上には、銅以外に反応を阻害しない金
属成分が存在していても構わない。これらの金属成分を
例示すれば、亜鉛、白金、パラジウム、及びクロム等で
ある。これらは反応の基質や目的に応じて適宜加えても
よい。
【0020】触媒は反応に使用する直前に、還元雰囲気
下で加熱することにより、銅が0価もしくは1価に還元
され、脱水素反応の触媒活性を有するようになる。還元
雰囲気とは、水素、アンモニア、一酸化炭素、あるいは
これらのガスを不活性ガスで希釈した雰囲気を指す。ま
た、加熱の条件は、200℃から600℃が適当である。
【0021】ジエチレングルコール類と、上記のように
して得た触媒とを、水素ガスの存在下に接触させること
により、2−p−ジオキサノン類が製造される。水素が
共存しないと、触媒表面に徐々に炭素化合物が付着し
て、触媒活性劣化の原因となる。この時共存させる水素
の量は特に限定されないが、触媒の長寿命化の効果及び
操作性を勘案すると、ジエチレングリコール類1モルに
対して0.1から20モルとすることが好ましい。より好ま
しくは、0.5から10モルである。なお、水素は窒素等の
不活性ガスによって希釈された状態で供給されてもよ
い。
【0022】ジエチレングリコール類と触媒とを接触さ
せるときの条件は、温度は200から400℃が好ましく、25
0から350℃がより好ましい。200℃未満では転化率が低
く、400℃を超えると副反応がより活発に進行するよう
になるからである。圧力は300mmHgから5気圧の範囲が好
ましく、常圧から2気圧の範囲がより好ましい。300mmHg
未満では転化率が低く、5気圧を超える場合は副反応が
より活発に進行するようになるからである。
【0023】上記の接触は、液相中で行っても気相中で
行っても良いが、生産効率の観点からは、気相流通下で
行うのが好適である。このときの空間速度はLHSV[1時
間当りに供給される標準状態の原料(液体ml)/触媒層
の体積(ml)]は、生成物の異性化防止及び転化率の観
点から、0.1から10h-1の範囲であることが好ましく、0.
1から5h-1がより好ましい。
【0024】本発明で使用される反応装置は、特に限定
されない。例えば固定床気相流通式反応を行う場合、反
応器は縦型でも横型でもよく、縦型ならば反応基質を上
から下へ流通させても下から上へ流通させてもよい。反
応装置の材質は、前述の温度や圧力に耐えられ、反応を
阻害する成分を含まないものであれば特に制限されず、
SUS製やガラス製のものが適宜使用できる。。
【0025】
【発明の効果】従来の方法であるアルミナを担体とする
触媒を用いる方法は、初期収率は高いが、水素を共存さ
せても早期の触媒の活性低下が避けられなかったのに対
し、本発明の製造方法では、2−p−ジオキサノン類を
高収率で製造できるばかりでなく、その収率が長期間に
渡って維持される。
【0026】
【実施例】本発明を実施例によりさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、以下の実施例及び比較例において、「担体の
酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量」は、次のよう
にして測定した。
【0027】(測定方法)20mlの脱水ベンゼンに1gの担
体を投入し、ここにベンゼンアゾジフェニルアミンの0.
1%ベンゼン溶液を2ml加えて振ると、担体表面は紫色に
着色した。これを、ノルマルブチルアミンの0.1規定ベ
ンゼン溶液で滴定した。担体表面が紫色から黄色に変化
する点を終点とした。終点に到るまでに要したノルマル
ブチルアミンの当量数を、別途BET法によって求めた担
体の表面積で除することにより、担体の単位表面積当り
に存在する「酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量」
を求めた。
【0028】実施例1 酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量が0.1×10-7eq/m
2、表面積が450m2/gである球状シリカを、硝酸銅水溶液
に浸積し、120℃で乾燥した。これを600℃の電気炉内で
空気雰囲気下において2時間焼成することにより、銅が
シリカに5.04重量%担持された触媒を調製した。この触
媒12mlを内径20mmのガラス製反応管に充填し、反応管上
部より、窒素と水素が容量比5:1で混合されたガスを300
ml/minで流通しつつ、300℃まで昇温した。ここに、ジ
エチレングリコールを0.2ml/minで供給した(LHSV=1.0h
-1、ジエチレングリコール:水素=モル比1:1)。反応管
下部から排出される液体を回収し、ガスクロマトグラフ
ィーによって分析した結果、ジエチレングリコールの転
化率100%、2−p−ジオキサノンの選択率96%であっ
た。副生成物の大部分はジオキセンだった。反応を長時
間連続して行っても、転化率は殆ど低下せず、連続100
時間後の転化率は92%だった。
【0029】実施例2 酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量が0.2×10-7eq/m
2、表面積が350m2/gである破砕状シリカを、銅カルボニ
ルのアセトン溶液に浸積し、120℃で乾燥することによ
って、銅がシリカに2.01重量%担持された触媒を調製し
た。この触媒12mlを、内径20mmのガラス製反応管に充填
し、反応管上部より乾燥空気を100ml/minで流通しつ
つ、400℃まで昇温し、3時間その温度を維持した。一旦
室温まで冷却した後、窒素と水素が容量比3:1で混合さ
れたガスを600ml/minで流通しつつ、350℃まで昇温し
た。ここに、ジエチレングリコールを0.2ml/minで供給
した(LHSV=1.0h-1、ジエチレングリコール:水素=モル
比1:3)。反応管下部から排出される液体を回収し、ガ
スクロマトグラフィーによって分析した結果、ジエチレ
ングリコールの転化率100%、2−p−ジオキサノンの
選択率98%であった。副生成物の大部分はジオキセンだ
った。反応を長時間連続して行っても、転化率は殆ど低
下せず、連続100時間後の転化率は90%だった。
【0030】実施例3 酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量が0.1×10-7eq/m
2、表面積が500m2/gである球状シリカを、硝酸銅水溶液
に浸積し、120℃で乾燥した。これを600℃の電気炉内で
空気雰囲気下において2時間焼成することにより、銅が
シリカに8.02重量%担持された触媒を調製した。この触
媒12mlを内径20mmのガラス製反応管に充填し、反応管上
部より窒素と水素が容量比5:1で混合されたガスを300ml
/minで流通しつつ、250℃まで昇温した。ここに、ジエ
チレングリコールを0.4ml/minで供給した(LHSV=2.0
h-1、ジエチレングリコール:水素=モル比1:0.5)。反
応管下部から排出される液体を回収し、ガスクロマトグ
ラフィーによって分析した結果、ジエチレングリコール
の転化率100%、2−p−ジオキサノンの選択率95%で
あった。副生成物の大部分はジオキセンだった。反応を
長時間連続して行っても、転化率は殆ど低下せず、連続
100時間後の転化率は88%だった。
【0031】比較例1 酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量が6.0×10-7eq/m
2、表面積が200m2/gであるアルミナを、硝酸カリウム水
溶液に浸漬し、120℃で乾燥した。さらにこのアルミナ
を硝酸銅水溶液に浸積し、120℃で乾燥した。これを600
℃の電気炉内で空気雰囲気下において2時間焼成するこ
とにより、カリウムと銅がシリカにそれぞれ4.12重量%
及び8.05重量%担持された触媒を調製した。この触媒12
mlを内径20mmのガラス製反応管に充填し、実施例3と同
様の方法で反応を行った(LHSV=2.0h- 1、ジエチレング
リコール:水素=モル比1:0.5)。反応管下部から排出さ
れる液体を回収し、ガスクロマトグラフィーによって分
析した結果、ジエチレングリコールの転化率100%、2
−p−ジオキサノンの選択率94%であった。副生成物の
大部分はジオキサンだった。反応を連続して長時間行う
ことにより、転化率は次第に低下し、反応開始から12時
間後の転化率は88%であり、100時間後の転化率は22%
だった。従って、実施例3の触媒の方が、長時間に渡っ
て高い収率を維持できることが明らかである。
【0032】比較例2 実施例3で使用した触媒12mlを内径20mmのガラス製反応
管に充填し、反応管上部より窒素と水素が容量比5:1で
混合されたガスを300ml/minで流通しつつ、250℃まで昇
温した。その後水素ガスの流通を止め、窒素のみが300m
l/minで流通する状態とした。ここに、ジエチレングリ
コールを0.4ml/minで供給した(LHSV=2.0h-1、水素な
し)。反応管下部から排出される液体を回収し、ガスク
ロマトグラフィーによって分析した結果、ジエチレング
リコールの転化率95%、2−p−ジオキサノンの選択率
89%であった。副生成物の大部分はジオキセンだった。
反応を連続して長時間行うことにより、転化率は次第に
低下し、反応開始から44時間後の転化率は88%であり、
100時間後の転化率は67%だった。従って、実施例3の
水素が共存する製造方法の方が、長時間に渡って高い収
率を維持できることが明らかである。
【0033】実施例4 酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量が1.67×10-7eq/
m2、表面積が523m2/gであるシリカアルミナ(アルミナ
含有率5%)を、硝酸銅水溶液に浸積し、120℃で乾燥し
た。これを600℃の電気炉内で空気雰囲気下において2時
間焼成することにより、銅がシリカに8.00重量%担持さ
れた触媒を調製した。この触媒12mlを内径20mmのガラス
製反応管に充填し、反応管上部より窒素と水素が容量比
5:1で混合されたガスを300ml/minで流通しつつ、250℃
まで昇温した。ここに、ジエチレングリコールを0.4ml/
minで供給した(LHSV=2.0h-1、ジエチレングリコール:
水素=モル比1:0.5)。反応管下部から排出される液体を
回収し、ガスクロマトグラフィーによって分析した結
果、ジエチレングリコールの転化率100%、2−p−ジ
オキサノンの選択率90%であった。副生成物の大部分は
ジオキサンだった。反応を長時間連続して行っても、転
化率は殆ど低下せず、連続100時間後の転化率は81%だ
った。
【0034】比較例3 酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量が2.49×10-7eq/
m2、表面積が575m2/gであるシリカアルミナ(アルミナ
含有率10%)を、硝酸銅水溶液に浸積し、120℃で乾燥
した。これを600℃の電気炉内で空気雰囲気下において2
時間焼成することにより、銅がシリカに8.01重量%担持
された触媒を調製した。この触媒12mlを内径20mmのガラ
ス製反応管に充填し、反応管上部より窒素と水素が容量
比5:1で混合されたガスを300ml/minで流通しつつ、250
℃まで昇温した。ここに、ジエチレングリコールを0.4m
l/minで供給した(LHSV=2.0h-1、ジエチレングリコー
ル:水素=モル比1:0.5)。反応管下部から排出される液
体を回収し、ガスクロマトグラフィーによって分析した
結果、ジエチレングリコールの転化率100%、2−p−
ジオキサノンの選択率64%であった。副生成物の大部分
はジオキサンだった。反応を連続して長時間行うことに
より、転化率は次第に低下し、反応開始から24時間後の
転化率は81%であり、100時間後の転化率は56%だっ
た。従って、実施例6の触媒の方が、長時間に渡って高
い収率を維持できることが明らかである。
【0035】実施例5 酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量が0.02×10-7eq/
m2、表面積が12m2/gであるジルコニアを、硝酸銅水溶液
に浸積し、120℃で乾燥した。これを600℃の電気炉内で
空気雰囲気下において2時間焼成することにより、銅が
ジルコニアに1.05重量%担持された触媒を調製した。こ
の触媒12mlを内径20mmのガラス製反応管に充填し、反応
管上部より窒素と水素が容量比5:1で混合されたガスを3
00ml/minで流通しつつ、250℃まで昇温した。ここに、
ジエチレングリコールを0.1ml/minで供給した(LHSV=0.
5h-1、ジエチレングリコール:水素=モル比1:2)。反応
管下部から排出される液体を回収し、ガスクロマトグラ
フィーによって分析した結果、ジエチレングリコールの
転化率98%、2−p−ジオキサノンの選択率93%であっ
た。副生成物の大部分はジオキセンだった。反応を長時
間連続して行っても、転化率は殆ど低下せず、連続100
時間後の転化率は82%だった。
【0036】実施例6 酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量が0.94×10-7eq/
m2、表面積が55m2/gであるチタニアを、硝酸銅水溶液に
浸積し、120℃で乾燥した。これを600℃の電気炉内で空
気雰囲気下において2時間焼成することにより、銅がチ
タニアに1.00重量%担持された触媒を調製した。この触
媒12mlを内径20mmのガラス製反応管に充填し、反応管上
部より窒素と水素が容量比5:1で混合されたガスを300ml
/minで流通しつつ、250℃まで昇温した。ここに、ジエ
チレングリコールを0.1ml/minで供給した(LHSV=0.5
h-1、ジエチレングリコール:水素=モル比1:2)。反応
管下部から排出される液体を回収し、ガスクロマトグラ
フィーによって分析した結果、ジエチレングリコールの
転化率87%、2−p−ジオキサノンの選択率94%であっ
た。副生成物の大部分はジオキセンだった。反応を長時
間連続して行っても、転化率は殆ど低下せず、連続100
時間後の転化率は85%だった。
【0037】実施例7 酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量が0.1×10-7eq/m
2、表面積が450m2/gである球状シリカを、硝酸銅水溶液
に浸積し、120℃で乾燥した。これを600℃の電気炉内で
空気雰囲気下において2時間焼成することにより、銅が
シリカに5.04重量%担持された触媒を調製した。この触
媒12mlを内径20mmのガラス製反応管に充填し、反応管上
部より、窒素と水素が容量比5:1で混合されたガスを300
ml/minで流通しつつ、300℃まで昇温した。ここに、
2,2’−オキシビス(1−プロパノール)[以降、ジ
プロピレングリコールと称す]を0.2ml/minで供給した
(LHSV=1.0h-1、ジプロピレングリコール:水素=モル比
1:1)。反応管下部から排出される液体を回収し、ガス
クロマトグラフィーによって分析した結果、ジプロピレ
ングリコールの転化率95%、3,5−ジメチル−2−p
−ジオキサノンの選択率94%であった。反応を長時間連
続して行っても、転化率は殆ど低下せず、連続100時間
後の転化率は91%だった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジエチレングリコール類と、酸強度
    (H0)が1.5より強い酸点の総量が2×10-7当量毎平方メ
    ートル以下の担体に銅を担持させた触媒とを、水素の存
    在下に接触させることを特徴とする2−p−ジオキサノ
    ン類の製造方法。
  2. 【請求項2】 担体がシリカである請求項1記載の2−
    p−ジオキサノン類の製造方法。
JP8279313A 1996-10-22 1996-10-22 2−p−ジオキサノン類の製造方法 Pending JPH10120675A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1325162C (zh) * 2005-07-01 2007-07-11 四川大学 一种用于制备对二氧环己酮的催化剂
KR100821619B1 (ko) 2006-04-05 2008-04-11 학교법인 한국산업기술대학 초고순도 파라-디옥사논 제조방법
KR100821566B1 (ko) * 2005-05-17 2008-04-15 한국화학연구원 디에틸렌글리콜의 탈수소 반응에 사용되는 구리/실리카계나노복합체 촉매의 제조방법
KR100915840B1 (ko) 2007-10-19 2009-09-07 한국화학연구원 디에틸렌글리콜의 탈수소 반응에 사용되는구리/코발트/실리카계 복합 촉매

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