JPH10120675A - 2−p−ジオキサノン類の製造方法 - Google Patents
2−p−ジオキサノン類の製造方法Info
- Publication number
- JPH10120675A JPH10120675A JP8279313A JP27931396A JPH10120675A JP H10120675 A JPH10120675 A JP H10120675A JP 8279313 A JP8279313 A JP 8279313A JP 27931396 A JP27931396 A JP 27931396A JP H10120675 A JPH10120675 A JP H10120675A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- catalyst
- copper
- diethylene glycol
- conversion
- hydrogen
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ジエチレングリコール類から2−p−ジオキ
サノン類を高収率で長期間安定して製造する方法を提供
する。 【解決手段】 ジエチレングリコール類と、酸強度
(H0)が1.5より強い酸点の総量が0以上2×10-7当量毎
平方メートル以下の担体、例えばシリカ等に銅を担持さ
せた触媒とを、水素の存在下に接触させることを特徴と
する2−p−ジオキサノン類の製造方法。
サノン類を高収率で長期間安定して製造する方法を提供
する。 【解決手段】 ジエチレングリコール類と、酸強度
(H0)が1.5より強い酸点の総量が0以上2×10-7当量毎
平方メートル以下の担体、例えばシリカ等に銅を担持さ
せた触媒とを、水素の存在下に接触させることを特徴と
する2−p−ジオキサノン類の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジエチレングリコ
ール類を原料とし、特定の触媒を用いて、2−p−ジオ
キサノン類を製造する方法に関するものである。
ール類を原料とし、特定の触媒を用いて、2−p−ジオ
キサノン類を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】2−p−ジオキサノン類は、ポリマーの
重合原料(単量体)として用いられる。特に2−p−ジ
オキサノンは、生体吸収特性を持つ手術用縫合糸として
用いられているポリ(2−p−ジオキサノン)の重合原
料として有用である。ポリ(2−p−ジオキサノン)
は、加熱下において容易に解重合し、重合原料である2
−p−ジオキサノンをほぼ定量的に且つ高純度で与える
ので、リサイクル性材料としても有用である。プラスチ
ック廃棄物問題に起因して、プラスチック材料のリサイ
クルの必要が認識されてきている。特にポリ(2−p−
ジオキサノン)のような、安全で解重合性を有している
ポリマーは、有効なリサイクル材料として、その開発が
望まれている。
重合原料(単量体)として用いられる。特に2−p−ジ
オキサノンは、生体吸収特性を持つ手術用縫合糸として
用いられているポリ(2−p−ジオキサノン)の重合原
料として有用である。ポリ(2−p−ジオキサノン)
は、加熱下において容易に解重合し、重合原料である2
−p−ジオキサノンをほぼ定量的に且つ高純度で与える
ので、リサイクル性材料としても有用である。プラスチ
ック廃棄物問題に起因して、プラスチック材料のリサイ
クルの必要が認識されてきている。特にポリ(2−p−
ジオキサノン)のような、安全で解重合性を有している
ポリマーは、有効なリサイクル材料として、その開発が
望まれている。
【0003】2−p−ジオキサノン類の製造方法で最も
新しい技術は、米国特許5,310,945号に示されている。
この技術は、気化されたジエチレングリコール類を水素
ガスの存在下に触媒と接触させ、次式に示される脱水素
及び環化反応によって目的物を得るものである。
新しい技術は、米国特許5,310,945号に示されている。
この技術は、気化されたジエチレングリコール類を水素
ガスの存在下に触媒と接触させ、次式に示される脱水素
及び環化反応によって目的物を得るものである。
【0004】
【化1】
【0005】ここで使用される脱水素反応触媒は、アル
ミナに銅と亜鉛、及びカリウム等の塩基性成分を担持し
て成るものであり、還元雰囲気下で加熱処理を施した後
にジエチレングリコール類と接触させて用いる。
ミナに銅と亜鉛、及びカリウム等の塩基性成分を担持し
て成るものであり、還元雰囲気下で加熱処理を施した後
にジエチレングリコール類と接触させて用いる。
【0006】しかしながら、本発明者らが上記米国特許
に開示されている触媒を使用して気相流通式反応を行っ
たところ、初期の転化率及び選択率は高いものの、連続
して反応を行うと、比較的短時間で転化率が低下するこ
とが明らかとなった。具体的には、温度300℃、空間速
度(LHSV)2.0h-1の時、初期転化率は100%であった
が、12時間後は88%だった。即ち、上記米国特許に示さ
れている技術も、未だ触媒寿命の点で充分とは言えず、
更なる改良が望まれている。
に開示されている触媒を使用して気相流通式反応を行っ
たところ、初期の転化率及び選択率は高いものの、連続
して反応を行うと、比較的短時間で転化率が低下するこ
とが明らかとなった。具体的には、温度300℃、空間速
度(LHSV)2.0h-1の時、初期転化率は100%であった
が、12時間後は88%だった。即ち、上記米国特許に示さ
れている技術も、未だ触媒寿命の点で充分とは言えず、
更なる改良が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
2−p−ジオキサノン類の製造方法で使用される触媒
は、触媒活性が比較的短期間で経時的に劣化してしまう
という問題があった。従って、本発明の課題は、長期間
に渡って安定に、2−p−ジオキサノン類を高収率(高
転化率かつ高選択率)で製造する方法を提供することで
ある。
2−p−ジオキサノン類の製造方法で使用される触媒
は、触媒活性が比較的短期間で経時的に劣化してしまう
という問題があった。従って、本発明の課題は、長期間
に渡って安定に、2−p−ジオキサノン類を高収率(高
転化率かつ高選択率)で製造する方法を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、特定の酸性質を
有する担体を用いて調製した触媒を使用し、水素の共存
下反応させることにより、より長期間に渡って高収率で
2−p−ジオキサノン類を製造できることを見出し、本
発明を完成するに到った。
を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、特定の酸性質を
有する担体を用いて調製した触媒を使用し、水素の共存
下反応させることにより、より長期間に渡って高収率で
2−p−ジオキサノン類を製造できることを見出し、本
発明を完成するに到った。
【0009】即ち、本発明は、ジエチレングリコール類
と、酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量が2×10-7当
量毎平方メートル以下の担体に銅を担持させた触媒と
を、水素の存在下に接触させることを特徴とする2−p
−ジオキサノン類の製造方法である。
と、酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量が2×10-7当
量毎平方メートル以下の担体に銅を担持させた触媒と
を、水素の存在下に接触させることを特徴とする2−p
−ジオキサノン類の製造方法である。
【0010】本発明の方法によれば、2−p−ジオキサ
ノン類を長期間に渡って高収率で製造することが可能と
なる。このような優れた効果が得られる理由は今のとこ
ろ明らかではないが、下記のような理由によるものと推
定している。即ち、副反応の原因及び触媒活性の経時劣
化の原因は、触媒担体の表面上に存在する、酸強度
(H0)が1.5より強い酸点にあると推定している。従っ
て、これらの酸点が少ない担体を使用することにより、
上記のような効果が得られるものと思われる。更に、水
素ガスを共存させることにより、触媒表面に炭素化合物
が付着することを防止できるので、上記効果をより確実
なものにすることができるものと推定している。
ノン類を長期間に渡って高収率で製造することが可能と
なる。このような優れた効果が得られる理由は今のとこ
ろ明らかではないが、下記のような理由によるものと推
定している。即ち、副反応の原因及び触媒活性の経時劣
化の原因は、触媒担体の表面上に存在する、酸強度
(H0)が1.5より強い酸点にあると推定している。従っ
て、これらの酸点が少ない担体を使用することにより、
上記のような効果が得られるものと思われる。更に、水
素ガスを共存させることにより、触媒表面に炭素化合物
が付着することを防止できるので、上記効果をより確実
なものにすることができるものと推定している。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明においてジエチレングリコ
ール類とは、下式に示す化学構造を有する化合物を指
す。
ール類とは、下式に示す化学構造を有する化合物を指
す。
【0012】
【化2】
【0013】上記式中、R及びR’は、水素原子または
炭素数1から12のアルキル基である。好ましくは、Rは
水素原子または炭素数1から8のアルキル基であり、R’
は水素原子である。更に好ましくは、Rは水素原子また
は炭素数1から2のアルキル基である。好ましく用いられ
るジエチレングリコール類を例示すれば、ジエチレング
リコール、2,2’−オキシビス(1−プロパノー
ル)、2,2’−オキシビス(1−ブタノール)、2,
2’−オキシビス(1−ペンタノール)、2,2’−オ
キシビス(1−ヘキサノール)等が挙げられる。この
内、最も速やかに反応が進行するものは、ジエチレング
リコールである。本発明においては、上記のジエチレン
グリコール類を使用し、特定の触媒を用いて水素の存在
下に前述式1に示される脱水素及び環化反応を行うこと
により、対応する2−p−ジオキサノン類が得られる。
炭素数1から12のアルキル基である。好ましくは、Rは
水素原子または炭素数1から8のアルキル基であり、R’
は水素原子である。更に好ましくは、Rは水素原子また
は炭素数1から2のアルキル基である。好ましく用いられ
るジエチレングリコール類を例示すれば、ジエチレング
リコール、2,2’−オキシビス(1−プロパノー
ル)、2,2’−オキシビス(1−ブタノール)、2,
2’−オキシビス(1−ペンタノール)、2,2’−オ
キシビス(1−ヘキサノール)等が挙げられる。この
内、最も速やかに反応が進行するものは、ジエチレング
リコールである。本発明においては、上記のジエチレン
グリコール類を使用し、特定の触媒を用いて水素の存在
下に前述式1に示される脱水素及び環化反応を行うこと
により、対応する2−p−ジオキサノン類が得られる。
【0014】本発明においては、酸強度(H0)が1.5よ
り強い酸点の総量が2×10-7当量毎平方メートル(eq/
m2)以下である担体に銅を担持させた触媒を使用するこ
とが重要である。本発明において、酸強度(H0)が1.5
より強い酸点の総量は、「触媒工学講座4;触媒基礎測
定法」(触媒学会編)161頁以降に記載されているアミ
ン滴定法(指示薬法)によって決定される酸点の総数を
意味する。即ち、ベンゼン溶媒中に担体を分散または沈
降させて、指示薬としてpKaが1.5のベンゼンアゾジフェ
ニルアミンを加え、ノルマルブチルアミンで滴定した時
に、担体表面が紫色から黄色に変色するのに要した滴定
量(当量数)を試料として用いた担体の総表面積で除し
た値を意味する。ここで担体の表面積とは、通常のBET
式測定法によって求められた値である。
り強い酸点の総量が2×10-7当量毎平方メートル(eq/
m2)以下である担体に銅を担持させた触媒を使用するこ
とが重要である。本発明において、酸強度(H0)が1.5
より強い酸点の総量は、「触媒工学講座4;触媒基礎測
定法」(触媒学会編)161頁以降に記載されているアミ
ン滴定法(指示薬法)によって決定される酸点の総数を
意味する。即ち、ベンゼン溶媒中に担体を分散または沈
降させて、指示薬としてpKaが1.5のベンゼンアゾジフェ
ニルアミンを加え、ノルマルブチルアミンで滴定した時
に、担体表面が紫色から黄色に変色するのに要した滴定
量(当量数)を試料として用いた担体の総表面積で除し
た値を意味する。ここで担体の表面積とは、通常のBET
式測定法によって求められた値である。
【0015】酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量が2
×10-7eq/m2以下の担体を使用すれば、選択率は高く、
高収率を維持できる。より好ましい該酸点総量は1×10
-7eq/m2以下である。酸強度(H0)が1.5より強い酸点の
総量が2×10-7eq/m2を超える担体を使用した場合、副反
応である脱水反応が優勢に進行し、副生成物であるジオ
キサン類が多量に生成してしまう。また、炭素化合物が
付着することによる触媒活性劣化が激しく進行し、反応
収率が短時間の内に低下してしまう。
×10-7eq/m2以下の担体を使用すれば、選択率は高く、
高収率を維持できる。より好ましい該酸点総量は1×10
-7eq/m2以下である。酸強度(H0)が1.5より強い酸点の
総量が2×10-7eq/m2を超える担体を使用した場合、副反
応である脱水反応が優勢に進行し、副生成物であるジオ
キサン類が多量に生成してしまう。また、炭素化合物が
付着することによる触媒活性劣化が激しく進行し、反応
収率が短時間の内に低下してしまう。
【0016】一般的に用いられる触媒担体としてはアル
ミナ、シリカ、ジルコニア、及びチタニア等の金属酸化
物、ゼオライト、及びシリカ・アルミナ等の複合酸化
物、カオリナイト、及びモンモリロナイト等の粘土類、
及び活性炭等のその他の固体化合物が知られているが、
本発明では、この中で酸強度(H0)が1.5より強い酸点
の総量が2×10-7eq/m2以下である担体が制限なく使用で
きる。一般に、同種の担体でも、製法や処理の違いによ
って酸性質が変化することはよく知られているが、シリ
カ、ジルコニア、及びチタニアは、製法や処理法に関わ
らず上記の酸性質条件を満たす。一方、複合酸化物は、
組成によって酸性質が大きく変化するが、ジルコニア含
有率が85%以上のシリカ・ジルコニアや、アルミナ含有
率が5%以下のシリカ・アルミナは上記の酸性質条件を
満たす。粘土類は、カチオン無置換型であればよい。こ
れらの中で、表面積が大きく入手し易い等の理由から、
シリカが最も好ましく用いられる。なお、一般的なアル
ミナの、酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量は、2×
10-7eq/m2をはるかに越えており、担体としてこのよう
なアルミナを使用した場合には、本発明の効果は得られ
ない。
ミナ、シリカ、ジルコニア、及びチタニア等の金属酸化
物、ゼオライト、及びシリカ・アルミナ等の複合酸化
物、カオリナイト、及びモンモリロナイト等の粘土類、
及び活性炭等のその他の固体化合物が知られているが、
本発明では、この中で酸強度(H0)が1.5より強い酸点
の総量が2×10-7eq/m2以下である担体が制限なく使用で
きる。一般に、同種の担体でも、製法や処理の違いによ
って酸性質が変化することはよく知られているが、シリ
カ、ジルコニア、及びチタニアは、製法や処理法に関わ
らず上記の酸性質条件を満たす。一方、複合酸化物は、
組成によって酸性質が大きく変化するが、ジルコニア含
有率が85%以上のシリカ・ジルコニアや、アルミナ含有
率が5%以下のシリカ・アルミナは上記の酸性質条件を
満たす。粘土類は、カチオン無置換型であればよい。こ
れらの中で、表面積が大きく入手し易い等の理由から、
シリカが最も好ましく用いられる。なお、一般的なアル
ミナの、酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量は、2×
10-7eq/m2をはるかに越えており、担体としてこのよう
なアルミナを使用した場合には、本発明の効果は得られ
ない。
【0017】本発明では、上記の担体に銅を担持したも
のを触媒として用いる。銅の担持量は、触媒総重量に対
して0.1から40重量%であることが好ましい。より好ま
しくは0.5から20重量%である。更に好ましくは1から10
重量%である。銅の担持量が0.1重量%未満の場合、反
応速度は低くなる。また、銅が40重量%を超える量担持
された触媒は、表面積が減少するために、反応速度はか
えって低くなる。
のを触媒として用いる。銅の担持量は、触媒総重量に対
して0.1から40重量%であることが好ましい。より好ま
しくは0.5から20重量%である。更に好ましくは1から10
重量%である。銅の担持量が0.1重量%未満の場合、反
応速度は低くなる。また、銅が40重量%を超える量担持
された触媒は、表面積が減少するために、反応速度はか
えって低くなる。
【0018】本発明で使用する触媒の調製方法は、特に
限定されない。最も一般的な方法としては、銅化合物の
溶液に上記の担体を浸積させ、乾燥するという、含浸法
が用いられる。使用される銅化合物としては、硝酸銅、
塩化銅、酢酸銅、炭酸銅、銅アセチルアセトネート錯
体、及び銅カルボニル等が挙げられるが、分解のし易さ
から硝酸銅が最も好ましい。銅化合物を担持した後で、
触媒は酸素存在下、300から800℃で焼成される。焼成に
よって担体上の銅は酸化銅となる。
限定されない。最も一般的な方法としては、銅化合物の
溶液に上記の担体を浸積させ、乾燥するという、含浸法
が用いられる。使用される銅化合物としては、硝酸銅、
塩化銅、酢酸銅、炭酸銅、銅アセチルアセトネート錯
体、及び銅カルボニル等が挙げられるが、分解のし易さ
から硝酸銅が最も好ましい。銅化合物を担持した後で、
触媒は酸素存在下、300から800℃で焼成される。焼成に
よって担体上の銅は酸化銅となる。
【0019】担体上には、銅以外に反応を阻害しない金
属成分が存在していても構わない。これらの金属成分を
例示すれば、亜鉛、白金、パラジウム、及びクロム等で
ある。これらは反応の基質や目的に応じて適宜加えても
よい。
属成分が存在していても構わない。これらの金属成分を
例示すれば、亜鉛、白金、パラジウム、及びクロム等で
ある。これらは反応の基質や目的に応じて適宜加えても
よい。
【0020】触媒は反応に使用する直前に、還元雰囲気
下で加熱することにより、銅が0価もしくは1価に還元
され、脱水素反応の触媒活性を有するようになる。還元
雰囲気とは、水素、アンモニア、一酸化炭素、あるいは
これらのガスを不活性ガスで希釈した雰囲気を指す。ま
た、加熱の条件は、200℃から600℃が適当である。
下で加熱することにより、銅が0価もしくは1価に還元
され、脱水素反応の触媒活性を有するようになる。還元
雰囲気とは、水素、アンモニア、一酸化炭素、あるいは
これらのガスを不活性ガスで希釈した雰囲気を指す。ま
た、加熱の条件は、200℃から600℃が適当である。
【0021】ジエチレングルコール類と、上記のように
して得た触媒とを、水素ガスの存在下に接触させること
により、2−p−ジオキサノン類が製造される。水素が
共存しないと、触媒表面に徐々に炭素化合物が付着し
て、触媒活性劣化の原因となる。この時共存させる水素
の量は特に限定されないが、触媒の長寿命化の効果及び
操作性を勘案すると、ジエチレングリコール類1モルに
対して0.1から20モルとすることが好ましい。より好ま
しくは、0.5から10モルである。なお、水素は窒素等の
不活性ガスによって希釈された状態で供給されてもよ
い。
して得た触媒とを、水素ガスの存在下に接触させること
により、2−p−ジオキサノン類が製造される。水素が
共存しないと、触媒表面に徐々に炭素化合物が付着し
て、触媒活性劣化の原因となる。この時共存させる水素
の量は特に限定されないが、触媒の長寿命化の効果及び
操作性を勘案すると、ジエチレングリコール類1モルに
対して0.1から20モルとすることが好ましい。より好ま
しくは、0.5から10モルである。なお、水素は窒素等の
不活性ガスによって希釈された状態で供給されてもよ
い。
【0022】ジエチレングリコール類と触媒とを接触さ
せるときの条件は、温度は200から400℃が好ましく、25
0から350℃がより好ましい。200℃未満では転化率が低
く、400℃を超えると副反応がより活発に進行するよう
になるからである。圧力は300mmHgから5気圧の範囲が好
ましく、常圧から2気圧の範囲がより好ましい。300mmHg
未満では転化率が低く、5気圧を超える場合は副反応が
より活発に進行するようになるからである。
せるときの条件は、温度は200から400℃が好ましく、25
0から350℃がより好ましい。200℃未満では転化率が低
く、400℃を超えると副反応がより活発に進行するよう
になるからである。圧力は300mmHgから5気圧の範囲が好
ましく、常圧から2気圧の範囲がより好ましい。300mmHg
未満では転化率が低く、5気圧を超える場合は副反応が
より活発に進行するようになるからである。
【0023】上記の接触は、液相中で行っても気相中で
行っても良いが、生産効率の観点からは、気相流通下で
行うのが好適である。このときの空間速度はLHSV[1時
間当りに供給される標準状態の原料(液体ml)/触媒層
の体積(ml)]は、生成物の異性化防止及び転化率の観
点から、0.1から10h-1の範囲であることが好ましく、0.
1から5h-1がより好ましい。
行っても良いが、生産効率の観点からは、気相流通下で
行うのが好適である。このときの空間速度はLHSV[1時
間当りに供給される標準状態の原料(液体ml)/触媒層
の体積(ml)]は、生成物の異性化防止及び転化率の観
点から、0.1から10h-1の範囲であることが好ましく、0.
1から5h-1がより好ましい。
【0024】本発明で使用される反応装置は、特に限定
されない。例えば固定床気相流通式反応を行う場合、反
応器は縦型でも横型でもよく、縦型ならば反応基質を上
から下へ流通させても下から上へ流通させてもよい。反
応装置の材質は、前述の温度や圧力に耐えられ、反応を
阻害する成分を含まないものであれば特に制限されず、
SUS製やガラス製のものが適宜使用できる。。
されない。例えば固定床気相流通式反応を行う場合、反
応器は縦型でも横型でもよく、縦型ならば反応基質を上
から下へ流通させても下から上へ流通させてもよい。反
応装置の材質は、前述の温度や圧力に耐えられ、反応を
阻害する成分を含まないものであれば特に制限されず、
SUS製やガラス製のものが適宜使用できる。。
【0025】
【発明の効果】従来の方法であるアルミナを担体とする
触媒を用いる方法は、初期収率は高いが、水素を共存さ
せても早期の触媒の活性低下が避けられなかったのに対
し、本発明の製造方法では、2−p−ジオキサノン類を
高収率で製造できるばかりでなく、その収率が長期間に
渡って維持される。
触媒を用いる方法は、初期収率は高いが、水素を共存さ
せても早期の触媒の活性低下が避けられなかったのに対
し、本発明の製造方法では、2−p−ジオキサノン類を
高収率で製造できるばかりでなく、その収率が長期間に
渡って維持される。
【0026】
【実施例】本発明を実施例によりさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、以下の実施例及び比較例において、「担体の
酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量」は、次のよう
にして測定した。
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、以下の実施例及び比較例において、「担体の
酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量」は、次のよう
にして測定した。
【0027】(測定方法)20mlの脱水ベンゼンに1gの担
体を投入し、ここにベンゼンアゾジフェニルアミンの0.
1%ベンゼン溶液を2ml加えて振ると、担体表面は紫色に
着色した。これを、ノルマルブチルアミンの0.1規定ベ
ンゼン溶液で滴定した。担体表面が紫色から黄色に変化
する点を終点とした。終点に到るまでに要したノルマル
ブチルアミンの当量数を、別途BET法によって求めた担
体の表面積で除することにより、担体の単位表面積当り
に存在する「酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量」
を求めた。
体を投入し、ここにベンゼンアゾジフェニルアミンの0.
1%ベンゼン溶液を2ml加えて振ると、担体表面は紫色に
着色した。これを、ノルマルブチルアミンの0.1規定ベ
ンゼン溶液で滴定した。担体表面が紫色から黄色に変化
する点を終点とした。終点に到るまでに要したノルマル
ブチルアミンの当量数を、別途BET法によって求めた担
体の表面積で除することにより、担体の単位表面積当り
に存在する「酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量」
を求めた。
【0028】実施例1 酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量が0.1×10-7eq/m
2、表面積が450m2/gである球状シリカを、硝酸銅水溶液
に浸積し、120℃で乾燥した。これを600℃の電気炉内で
空気雰囲気下において2時間焼成することにより、銅が
シリカに5.04重量%担持された触媒を調製した。この触
媒12mlを内径20mmのガラス製反応管に充填し、反応管上
部より、窒素と水素が容量比5:1で混合されたガスを300
ml/minで流通しつつ、300℃まで昇温した。ここに、ジ
エチレングリコールを0.2ml/minで供給した(LHSV=1.0h
-1、ジエチレングリコール:水素=モル比1:1)。反応管
下部から排出される液体を回収し、ガスクロマトグラフ
ィーによって分析した結果、ジエチレングリコールの転
化率100%、2−p−ジオキサノンの選択率96%であっ
た。副生成物の大部分はジオキセンだった。反応を長時
間連続して行っても、転化率は殆ど低下せず、連続100
時間後の転化率は92%だった。
2、表面積が450m2/gである球状シリカを、硝酸銅水溶液
に浸積し、120℃で乾燥した。これを600℃の電気炉内で
空気雰囲気下において2時間焼成することにより、銅が
シリカに5.04重量%担持された触媒を調製した。この触
媒12mlを内径20mmのガラス製反応管に充填し、反応管上
部より、窒素と水素が容量比5:1で混合されたガスを300
ml/minで流通しつつ、300℃まで昇温した。ここに、ジ
エチレングリコールを0.2ml/minで供給した(LHSV=1.0h
-1、ジエチレングリコール:水素=モル比1:1)。反応管
下部から排出される液体を回収し、ガスクロマトグラフ
ィーによって分析した結果、ジエチレングリコールの転
化率100%、2−p−ジオキサノンの選択率96%であっ
た。副生成物の大部分はジオキセンだった。反応を長時
間連続して行っても、転化率は殆ど低下せず、連続100
時間後の転化率は92%だった。
【0029】実施例2 酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量が0.2×10-7eq/m
2、表面積が350m2/gである破砕状シリカを、銅カルボニ
ルのアセトン溶液に浸積し、120℃で乾燥することによ
って、銅がシリカに2.01重量%担持された触媒を調製し
た。この触媒12mlを、内径20mmのガラス製反応管に充填
し、反応管上部より乾燥空気を100ml/minで流通しつ
つ、400℃まで昇温し、3時間その温度を維持した。一旦
室温まで冷却した後、窒素と水素が容量比3:1で混合さ
れたガスを600ml/minで流通しつつ、350℃まで昇温し
た。ここに、ジエチレングリコールを0.2ml/minで供給
した(LHSV=1.0h-1、ジエチレングリコール:水素=モル
比1:3)。反応管下部から排出される液体を回収し、ガ
スクロマトグラフィーによって分析した結果、ジエチレ
ングリコールの転化率100%、2−p−ジオキサノンの
選択率98%であった。副生成物の大部分はジオキセンだ
った。反応を長時間連続して行っても、転化率は殆ど低
下せず、連続100時間後の転化率は90%だった。
2、表面積が350m2/gである破砕状シリカを、銅カルボニ
ルのアセトン溶液に浸積し、120℃で乾燥することによ
って、銅がシリカに2.01重量%担持された触媒を調製し
た。この触媒12mlを、内径20mmのガラス製反応管に充填
し、反応管上部より乾燥空気を100ml/minで流通しつ
つ、400℃まで昇温し、3時間その温度を維持した。一旦
室温まで冷却した後、窒素と水素が容量比3:1で混合さ
れたガスを600ml/minで流通しつつ、350℃まで昇温し
た。ここに、ジエチレングリコールを0.2ml/minで供給
した(LHSV=1.0h-1、ジエチレングリコール:水素=モル
比1:3)。反応管下部から排出される液体を回収し、ガ
スクロマトグラフィーによって分析した結果、ジエチレ
ングリコールの転化率100%、2−p−ジオキサノンの
選択率98%であった。副生成物の大部分はジオキセンだ
った。反応を長時間連続して行っても、転化率は殆ど低
下せず、連続100時間後の転化率は90%だった。
【0030】実施例3 酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量が0.1×10-7eq/m
2、表面積が500m2/gである球状シリカを、硝酸銅水溶液
に浸積し、120℃で乾燥した。これを600℃の電気炉内で
空気雰囲気下において2時間焼成することにより、銅が
シリカに8.02重量%担持された触媒を調製した。この触
媒12mlを内径20mmのガラス製反応管に充填し、反応管上
部より窒素と水素が容量比5:1で混合されたガスを300ml
/minで流通しつつ、250℃まで昇温した。ここに、ジエ
チレングリコールを0.4ml/minで供給した(LHSV=2.0
h-1、ジエチレングリコール:水素=モル比1:0.5)。反
応管下部から排出される液体を回収し、ガスクロマトグ
ラフィーによって分析した結果、ジエチレングリコール
の転化率100%、2−p−ジオキサノンの選択率95%で
あった。副生成物の大部分はジオキセンだった。反応を
長時間連続して行っても、転化率は殆ど低下せず、連続
100時間後の転化率は88%だった。
2、表面積が500m2/gである球状シリカを、硝酸銅水溶液
に浸積し、120℃で乾燥した。これを600℃の電気炉内で
空気雰囲気下において2時間焼成することにより、銅が
シリカに8.02重量%担持された触媒を調製した。この触
媒12mlを内径20mmのガラス製反応管に充填し、反応管上
部より窒素と水素が容量比5:1で混合されたガスを300ml
/minで流通しつつ、250℃まで昇温した。ここに、ジエ
チレングリコールを0.4ml/minで供給した(LHSV=2.0
h-1、ジエチレングリコール:水素=モル比1:0.5)。反
応管下部から排出される液体を回収し、ガスクロマトグ
ラフィーによって分析した結果、ジエチレングリコール
の転化率100%、2−p−ジオキサノンの選択率95%で
あった。副生成物の大部分はジオキセンだった。反応を
長時間連続して行っても、転化率は殆ど低下せず、連続
100時間後の転化率は88%だった。
【0031】比較例1 酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量が6.0×10-7eq/m
2、表面積が200m2/gであるアルミナを、硝酸カリウム水
溶液に浸漬し、120℃で乾燥した。さらにこのアルミナ
を硝酸銅水溶液に浸積し、120℃で乾燥した。これを600
℃の電気炉内で空気雰囲気下において2時間焼成するこ
とにより、カリウムと銅がシリカにそれぞれ4.12重量%
及び8.05重量%担持された触媒を調製した。この触媒12
mlを内径20mmのガラス製反応管に充填し、実施例3と同
様の方法で反応を行った(LHSV=2.0h- 1、ジエチレング
リコール:水素=モル比1:0.5)。反応管下部から排出さ
れる液体を回収し、ガスクロマトグラフィーによって分
析した結果、ジエチレングリコールの転化率100%、2
−p−ジオキサノンの選択率94%であった。副生成物の
大部分はジオキサンだった。反応を連続して長時間行う
ことにより、転化率は次第に低下し、反応開始から12時
間後の転化率は88%であり、100時間後の転化率は22%
だった。従って、実施例3の触媒の方が、長時間に渡っ
て高い収率を維持できることが明らかである。
2、表面積が200m2/gであるアルミナを、硝酸カリウム水
溶液に浸漬し、120℃で乾燥した。さらにこのアルミナ
を硝酸銅水溶液に浸積し、120℃で乾燥した。これを600
℃の電気炉内で空気雰囲気下において2時間焼成するこ
とにより、カリウムと銅がシリカにそれぞれ4.12重量%
及び8.05重量%担持された触媒を調製した。この触媒12
mlを内径20mmのガラス製反応管に充填し、実施例3と同
様の方法で反応を行った(LHSV=2.0h- 1、ジエチレング
リコール:水素=モル比1:0.5)。反応管下部から排出さ
れる液体を回収し、ガスクロマトグラフィーによって分
析した結果、ジエチレングリコールの転化率100%、2
−p−ジオキサノンの選択率94%であった。副生成物の
大部分はジオキサンだった。反応を連続して長時間行う
ことにより、転化率は次第に低下し、反応開始から12時
間後の転化率は88%であり、100時間後の転化率は22%
だった。従って、実施例3の触媒の方が、長時間に渡っ
て高い収率を維持できることが明らかである。
【0032】比較例2 実施例3で使用した触媒12mlを内径20mmのガラス製反応
管に充填し、反応管上部より窒素と水素が容量比5:1で
混合されたガスを300ml/minで流通しつつ、250℃まで昇
温した。その後水素ガスの流通を止め、窒素のみが300m
l/minで流通する状態とした。ここに、ジエチレングリ
コールを0.4ml/minで供給した(LHSV=2.0h-1、水素な
し)。反応管下部から排出される液体を回収し、ガスク
ロマトグラフィーによって分析した結果、ジエチレング
リコールの転化率95%、2−p−ジオキサノンの選択率
89%であった。副生成物の大部分はジオキセンだった。
反応を連続して長時間行うことにより、転化率は次第に
低下し、反応開始から44時間後の転化率は88%であり、
100時間後の転化率は67%だった。従って、実施例3の
水素が共存する製造方法の方が、長時間に渡って高い収
率を維持できることが明らかである。
管に充填し、反応管上部より窒素と水素が容量比5:1で
混合されたガスを300ml/minで流通しつつ、250℃まで昇
温した。その後水素ガスの流通を止め、窒素のみが300m
l/minで流通する状態とした。ここに、ジエチレングリ
コールを0.4ml/minで供給した(LHSV=2.0h-1、水素な
し)。反応管下部から排出される液体を回収し、ガスク
ロマトグラフィーによって分析した結果、ジエチレング
リコールの転化率95%、2−p−ジオキサノンの選択率
89%であった。副生成物の大部分はジオキセンだった。
反応を連続して長時間行うことにより、転化率は次第に
低下し、反応開始から44時間後の転化率は88%であり、
100時間後の転化率は67%だった。従って、実施例3の
水素が共存する製造方法の方が、長時間に渡って高い収
率を維持できることが明らかである。
【0033】実施例4 酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量が1.67×10-7eq/
m2、表面積が523m2/gであるシリカアルミナ(アルミナ
含有率5%)を、硝酸銅水溶液に浸積し、120℃で乾燥し
た。これを600℃の電気炉内で空気雰囲気下において2時
間焼成することにより、銅がシリカに8.00重量%担持さ
れた触媒を調製した。この触媒12mlを内径20mmのガラス
製反応管に充填し、反応管上部より窒素と水素が容量比
5:1で混合されたガスを300ml/minで流通しつつ、250℃
まで昇温した。ここに、ジエチレングリコールを0.4ml/
minで供給した(LHSV=2.0h-1、ジエチレングリコール:
水素=モル比1:0.5)。反応管下部から排出される液体を
回収し、ガスクロマトグラフィーによって分析した結
果、ジエチレングリコールの転化率100%、2−p−ジ
オキサノンの選択率90%であった。副生成物の大部分は
ジオキサンだった。反応を長時間連続して行っても、転
化率は殆ど低下せず、連続100時間後の転化率は81%だ
った。
m2、表面積が523m2/gであるシリカアルミナ(アルミナ
含有率5%)を、硝酸銅水溶液に浸積し、120℃で乾燥し
た。これを600℃の電気炉内で空気雰囲気下において2時
間焼成することにより、銅がシリカに8.00重量%担持さ
れた触媒を調製した。この触媒12mlを内径20mmのガラス
製反応管に充填し、反応管上部より窒素と水素が容量比
5:1で混合されたガスを300ml/minで流通しつつ、250℃
まで昇温した。ここに、ジエチレングリコールを0.4ml/
minで供給した(LHSV=2.0h-1、ジエチレングリコール:
水素=モル比1:0.5)。反応管下部から排出される液体を
回収し、ガスクロマトグラフィーによって分析した結
果、ジエチレングリコールの転化率100%、2−p−ジ
オキサノンの選択率90%であった。副生成物の大部分は
ジオキサンだった。反応を長時間連続して行っても、転
化率は殆ど低下せず、連続100時間後の転化率は81%だ
った。
【0034】比較例3 酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量が2.49×10-7eq/
m2、表面積が575m2/gであるシリカアルミナ(アルミナ
含有率10%)を、硝酸銅水溶液に浸積し、120℃で乾燥
した。これを600℃の電気炉内で空気雰囲気下において2
時間焼成することにより、銅がシリカに8.01重量%担持
された触媒を調製した。この触媒12mlを内径20mmのガラ
ス製反応管に充填し、反応管上部より窒素と水素が容量
比5:1で混合されたガスを300ml/minで流通しつつ、250
℃まで昇温した。ここに、ジエチレングリコールを0.4m
l/minで供給した(LHSV=2.0h-1、ジエチレングリコー
ル:水素=モル比1:0.5)。反応管下部から排出される液
体を回収し、ガスクロマトグラフィーによって分析した
結果、ジエチレングリコールの転化率100%、2−p−
ジオキサノンの選択率64%であった。副生成物の大部分
はジオキサンだった。反応を連続して長時間行うことに
より、転化率は次第に低下し、反応開始から24時間後の
転化率は81%であり、100時間後の転化率は56%だっ
た。従って、実施例6の触媒の方が、長時間に渡って高
い収率を維持できることが明らかである。
m2、表面積が575m2/gであるシリカアルミナ(アルミナ
含有率10%)を、硝酸銅水溶液に浸積し、120℃で乾燥
した。これを600℃の電気炉内で空気雰囲気下において2
時間焼成することにより、銅がシリカに8.01重量%担持
された触媒を調製した。この触媒12mlを内径20mmのガラ
ス製反応管に充填し、反応管上部より窒素と水素が容量
比5:1で混合されたガスを300ml/minで流通しつつ、250
℃まで昇温した。ここに、ジエチレングリコールを0.4m
l/minで供給した(LHSV=2.0h-1、ジエチレングリコー
ル:水素=モル比1:0.5)。反応管下部から排出される液
体を回収し、ガスクロマトグラフィーによって分析した
結果、ジエチレングリコールの転化率100%、2−p−
ジオキサノンの選択率64%であった。副生成物の大部分
はジオキサンだった。反応を連続して長時間行うことに
より、転化率は次第に低下し、反応開始から24時間後の
転化率は81%であり、100時間後の転化率は56%だっ
た。従って、実施例6の触媒の方が、長時間に渡って高
い収率を維持できることが明らかである。
【0035】実施例5 酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量が0.02×10-7eq/
m2、表面積が12m2/gであるジルコニアを、硝酸銅水溶液
に浸積し、120℃で乾燥した。これを600℃の電気炉内で
空気雰囲気下において2時間焼成することにより、銅が
ジルコニアに1.05重量%担持された触媒を調製した。こ
の触媒12mlを内径20mmのガラス製反応管に充填し、反応
管上部より窒素と水素が容量比5:1で混合されたガスを3
00ml/minで流通しつつ、250℃まで昇温した。ここに、
ジエチレングリコールを0.1ml/minで供給した(LHSV=0.
5h-1、ジエチレングリコール:水素=モル比1:2)。反応
管下部から排出される液体を回収し、ガスクロマトグラ
フィーによって分析した結果、ジエチレングリコールの
転化率98%、2−p−ジオキサノンの選択率93%であっ
た。副生成物の大部分はジオキセンだった。反応を長時
間連続して行っても、転化率は殆ど低下せず、連続100
時間後の転化率は82%だった。
m2、表面積が12m2/gであるジルコニアを、硝酸銅水溶液
に浸積し、120℃で乾燥した。これを600℃の電気炉内で
空気雰囲気下において2時間焼成することにより、銅が
ジルコニアに1.05重量%担持された触媒を調製した。こ
の触媒12mlを内径20mmのガラス製反応管に充填し、反応
管上部より窒素と水素が容量比5:1で混合されたガスを3
00ml/minで流通しつつ、250℃まで昇温した。ここに、
ジエチレングリコールを0.1ml/minで供給した(LHSV=0.
5h-1、ジエチレングリコール:水素=モル比1:2)。反応
管下部から排出される液体を回収し、ガスクロマトグラ
フィーによって分析した結果、ジエチレングリコールの
転化率98%、2−p−ジオキサノンの選択率93%であっ
た。副生成物の大部分はジオキセンだった。反応を長時
間連続して行っても、転化率は殆ど低下せず、連続100
時間後の転化率は82%だった。
【0036】実施例6 酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量が0.94×10-7eq/
m2、表面積が55m2/gであるチタニアを、硝酸銅水溶液に
浸積し、120℃で乾燥した。これを600℃の電気炉内で空
気雰囲気下において2時間焼成することにより、銅がチ
タニアに1.00重量%担持された触媒を調製した。この触
媒12mlを内径20mmのガラス製反応管に充填し、反応管上
部より窒素と水素が容量比5:1で混合されたガスを300ml
/minで流通しつつ、250℃まで昇温した。ここに、ジエ
チレングリコールを0.1ml/minで供給した(LHSV=0.5
h-1、ジエチレングリコール:水素=モル比1:2)。反応
管下部から排出される液体を回収し、ガスクロマトグラ
フィーによって分析した結果、ジエチレングリコールの
転化率87%、2−p−ジオキサノンの選択率94%であっ
た。副生成物の大部分はジオキセンだった。反応を長時
間連続して行っても、転化率は殆ど低下せず、連続100
時間後の転化率は85%だった。
m2、表面積が55m2/gであるチタニアを、硝酸銅水溶液に
浸積し、120℃で乾燥した。これを600℃の電気炉内で空
気雰囲気下において2時間焼成することにより、銅がチ
タニアに1.00重量%担持された触媒を調製した。この触
媒12mlを内径20mmのガラス製反応管に充填し、反応管上
部より窒素と水素が容量比5:1で混合されたガスを300ml
/minで流通しつつ、250℃まで昇温した。ここに、ジエ
チレングリコールを0.1ml/minで供給した(LHSV=0.5
h-1、ジエチレングリコール:水素=モル比1:2)。反応
管下部から排出される液体を回収し、ガスクロマトグラ
フィーによって分析した結果、ジエチレングリコールの
転化率87%、2−p−ジオキサノンの選択率94%であっ
た。副生成物の大部分はジオキセンだった。反応を長時
間連続して行っても、転化率は殆ど低下せず、連続100
時間後の転化率は85%だった。
【0037】実施例7 酸強度(H0)が1.5より強い酸点の総量が0.1×10-7eq/m
2、表面積が450m2/gである球状シリカを、硝酸銅水溶液
に浸積し、120℃で乾燥した。これを600℃の電気炉内で
空気雰囲気下において2時間焼成することにより、銅が
シリカに5.04重量%担持された触媒を調製した。この触
媒12mlを内径20mmのガラス製反応管に充填し、反応管上
部より、窒素と水素が容量比5:1で混合されたガスを300
ml/minで流通しつつ、300℃まで昇温した。ここに、
2,2’−オキシビス(1−プロパノール)[以降、ジ
プロピレングリコールと称す]を0.2ml/minで供給した
(LHSV=1.0h-1、ジプロピレングリコール:水素=モル比
1:1)。反応管下部から排出される液体を回収し、ガス
クロマトグラフィーによって分析した結果、ジプロピレ
ングリコールの転化率95%、3,5−ジメチル−2−p
−ジオキサノンの選択率94%であった。反応を長時間連
続して行っても、転化率は殆ど低下せず、連続100時間
後の転化率は91%だった。
2、表面積が450m2/gである球状シリカを、硝酸銅水溶液
に浸積し、120℃で乾燥した。これを600℃の電気炉内で
空気雰囲気下において2時間焼成することにより、銅が
シリカに5.04重量%担持された触媒を調製した。この触
媒12mlを内径20mmのガラス製反応管に充填し、反応管上
部より、窒素と水素が容量比5:1で混合されたガスを300
ml/minで流通しつつ、300℃まで昇温した。ここに、
2,2’−オキシビス(1−プロパノール)[以降、ジ
プロピレングリコールと称す]を0.2ml/minで供給した
(LHSV=1.0h-1、ジプロピレングリコール:水素=モル比
1:1)。反応管下部から排出される液体を回収し、ガス
クロマトグラフィーによって分析した結果、ジプロピレ
ングリコールの転化率95%、3,5−ジメチル−2−p
−ジオキサノンの選択率94%であった。反応を長時間連
続して行っても、転化率は殆ど低下せず、連続100時間
後の転化率は91%だった。
Claims (2)
- 【請求項1】 ジエチレングリコール類と、酸強度
(H0)が1.5より強い酸点の総量が2×10-7当量毎平方メ
ートル以下の担体に銅を担持させた触媒とを、水素の存
在下に接触させることを特徴とする2−p−ジオキサノ
ン類の製造方法。 - 【請求項2】 担体がシリカである請求項1記載の2−
p−ジオキサノン類の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8279313A JPH10120675A (ja) | 1996-10-22 | 1996-10-22 | 2−p−ジオキサノン類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8279313A JPH10120675A (ja) | 1996-10-22 | 1996-10-22 | 2−p−ジオキサノン類の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10120675A true JPH10120675A (ja) | 1998-05-12 |
Family
ID=17609434
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8279313A Pending JPH10120675A (ja) | 1996-10-22 | 1996-10-22 | 2−p−ジオキサノン類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10120675A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1325162C (zh) * | 2005-07-01 | 2007-07-11 | 四川大学 | 一种用于制备对二氧环己酮的催化剂 |
KR100821619B1 (ko) | 2006-04-05 | 2008-04-11 | 학교법인 한국산업기술대학 | 초고순도 파라-디옥사논 제조방법 |
KR100821566B1 (ko) * | 2005-05-17 | 2008-04-15 | 한국화학연구원 | 디에틸렌글리콜의 탈수소 반응에 사용되는 구리/실리카계나노복합체 촉매의 제조방법 |
KR100915840B1 (ko) | 2007-10-19 | 2009-09-07 | 한국화학연구원 | 디에틸렌글리콜의 탈수소 반응에 사용되는구리/코발트/실리카계 복합 촉매 |
-
1996
- 1996-10-22 JP JP8279313A patent/JPH10120675A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100821566B1 (ko) * | 2005-05-17 | 2008-04-15 | 한국화학연구원 | 디에틸렌글리콜의 탈수소 반응에 사용되는 구리/실리카계나노복합체 촉매의 제조방법 |
CN1325162C (zh) * | 2005-07-01 | 2007-07-11 | 四川大学 | 一种用于制备对二氧环己酮的催化剂 |
KR100821619B1 (ko) | 2006-04-05 | 2008-04-11 | 학교법인 한국산업기술대학 | 초고순도 파라-디옥사논 제조방법 |
KR100915840B1 (ko) | 2007-10-19 | 2009-09-07 | 한국화학연구원 | 디에틸렌글리콜의 탈수소 반응에 사용되는구리/코발트/실리카계 복합 촉매 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2198869C2 (ru) | Способ селективного получения уксусной кислоты и используемый катализатор | |
US9861965B2 (en) | Process for preparing modified V—Ti—P catalysts for synthesis of 2,3-unsaturated carboxylic acids | |
JPH0242032A (ja) | メタクリル酸および/またはメタクロレインの製造法 | |
RU2189969C2 (ru) | Способ селективного получения уксусной кислоты и катализатор для селективного окисления этана и/или этилена в уксусную кислоту | |
US6048987A (en) | Process for producing coated catalysts for the synthesis of maleic anhydride by gas-phase oxidation | |
JPH10120675A (ja) | 2−p−ジオキサノン類の製造方法 | |
EP0013578B1 (en) | Process for producing methacrylic acid | |
US4052417A (en) | Vapor phase oxidation of butane producing maleic anhydride and acetic acid | |
KR100636570B1 (ko) | 알코올 및/또는 케톤의 제조방법 | |
JPH11169716A (ja) | 不飽和ニトリルおよび/または不飽和カルボン酸を製造するための触媒 | |
JPS615036A (ja) | アルコ−ルの製造法 | |
JP2000351775A (ja) | 2−p−ジオキサノン類の製造方法 | |
US5334789A (en) | Oxychlorination catalyst process for preparing the catalyst and method of oxychlorination with use of the catalyst | |
US4280959A (en) | Oxidative dehydrogenation of alkenes or alkadienes to furan compounds | |
JP3036938B2 (ja) | 飽和炭化水素の酸化方法 | |
JP2903073B2 (ja) | エチレンの製造方法 | |
JPH0929095A (ja) | 水素の選択的酸化触媒、水素の選択的酸化方法、及び炭化水素の脱水素方法 | |
JP3801352B2 (ja) | 酸化触媒の製造方法及び酸化触媒並びに炭化水素の脱水素方法 | |
EP3721996A1 (en) | Catalyst for oxidative dehydrogenation reaction, and method for producing same | |
JPS6113695B2 (ja) | ||
JP2694179B2 (ja) | レニウム担持触媒を用いるt―ブタノールからのメチル―t―ブチルエーテルの一段階合成方法 | |
JP2001334149A (ja) | 酢酸製造用触媒、該触媒の製造方法及び該触媒を用いた酢酸の製造方法 | |
JP2001172222A (ja) | カルボン酸の製造方法 | |
JPS5919735B2 (ja) | カルボン酸エステル製造用触媒 | |
JPH0242034A (ja) | メタクリル酸および/またはメタクロレインの製法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060523 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060529 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061002 |