JPH10120611A - エーテル結合を有する不飽和化合物及びその製造方法、並びに該化合物を含む組成物 - Google Patents

エーテル結合を有する不飽和化合物及びその製造方法、並びに該化合物を含む組成物

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JPH10120611A
JPH10120611A JP28109096A JP28109096A JPH10120611A JP H10120611 A JPH10120611 A JP H10120611A JP 28109096 A JP28109096 A JP 28109096A JP 28109096 A JP28109096 A JP 28109096A JP H10120611 A JPH10120611 A JP H10120611A
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ether bond
bis
phenyl
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JP28109096A
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Junichi Katagiri
純一 片桐
Akio Takahashi
昭雄 高橋
Akio Nishikawa
昭夫 西川
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エーテル結合を有する新規な不飽和化合物を
提供する。 【解決手段】 一般式〔I〕 【化1】 (式中、R1〜R4は水素、低級アルキル基、低級アルコ
キシ基、ハロゲン又はフルオロアルキル基のいずれかで
あり、互いに同じであっても異なってもよい。R5及び
6は水素、フッ素、低級アルキル基又はフルオロアル
キル基のいずれかであり、互いに同じであっても異なっ
てもよい。また、R7及びR8はアルケニル基又はアルケ
ニルカルボニル基である。)で表されるエーテル結合を
有する不飽和化合物。 【効果】 本発明のエーテル結合を有する不飽和化合物
によれば、耐熱性及び可撓性に優れた樹脂組成物が得ら
れ、その樹脂組成物は、電気絶縁用材料、積層板用材
料、半導体封止用材料又はレジスト用材料に利用するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマーの中間体
として有用なエーテル結合を有する不飽和化合物及びそ
の製造方法、並びに該化合物を含む樹脂組成物、その樹
脂組成物からなる耐熱性、耐熱衝撃性に優れた電気絶縁
用材料、低誘電率特性を有する積層板用材料、半導体封
止用成形材料及びレジスト用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の電気機器の小型軽量化や使用環境
の過酷化等に伴って、回転機器等で使用する電気絶縁用
材料には耐熱性、接着性、耐薬品性等に優れた材料が望
まれるようになった。更に、絶縁処理作業、成形作業等
においては省エネ化、作業の合理化の点から短時間処理
が望まれるようになってきた。これまで知られている不
飽和ポリエステル樹脂、エポキシエステル樹脂及びエポ
キシ樹脂では、耐熱性と加工特性の両者を満足するもの
が得られなかった。
【0003】一方、耐熱性の高い積層板用材料としてポ
リイミド樹脂やビスマレイミド樹脂が知られている。し
かし、これらのイミド系化合物は、耐熱性は良好である
が可撓性を付与することが難しく、またアセトン、トル
エン等の低沸点溶媒に対する溶解性が悪いといった欠点
を有している。これらの欠点に対して、特開昭56-10316
2 号公報に示されるようなエーテルイミド系化合物が知
られているが、この化合物にしても加工特性が不十分で
ある。更には、特開昭62-192406 号公報に開示されてい
るようなポリ(p−ヒドロキシスチレン)誘導体が知ら
れているが、この誘導体であっても可撓性に問題があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、耐熱
性、成形加工特性及び可撓性に優れたポリマーの原料と
して有用な化合物及びその製造方法を提供すると共に、
そのポリマーの用途を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、エーテル結合を有する所定の不
飽和化合物を原料とする樹脂組成物が、優れた耐熱性、
成形加工特性及び可撓性を有するとともに、感光性を有
すること、並びにその樹脂組成物が、耐熱衝撃性に優れ
た電気絶縁用材料、低誘電率特性を有する積層板用材
料、耐湿性、成形性に優れた半導体封止用材料、又は耐
熱性、感光性に優れたレジスト用材料となり得ることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、一般式〔I〕
【0007】
【化3】
【0008】(式中、R1〜R4は水素、低級アルキル
基、低級アルコキシ基、ハロゲン又はフルオロアルキル
基のいずれかであり、互いに同じであっても異なっても
よい。R5及びR6は水素、フッ素、低級アルキル基又は
フルオロアルキル基のいずれかであり、互いに同じであ
っても異なってもよい。また、R7及びR8はアルケニル
基又はアルケニルカルボニル基である。)で表されるエ
ーテル結合を有する不飽和化合物である。
【0009】また、本発明は、一般式〔II〕
【0010】
【化4】
【0011】(式中、R1〜R4は水素、低級アルキル
基、低級アルコキシ基、ハロゲン又はフルオロアルキル
基のいずれかであり、互いに同じであっても異なっても
よい。R5及びR6は水素、フッ素、低級アルキル基又は
フルオロアルキル基のいずれかであり、互いに同じであ
っても異なってもよい。)で表されるエーテル結合を有
するビスフェノール化合物と、一般式:R−X(式中、
Rはアルケニル基又はアルケニルカルボニル基であり、
Xはハロゲンである。)で表される化合物とを反応させ
ることを特徴とする請求項1記載のエーテル結合を有す
る不飽和化合物の製造方法である。
【0012】さらに、本発明は、上記エーテル結合を有
する不飽和化合物と、重合性化合物及び/又は芳香族マ
レイミド化合物とを含むことを特徴とする樹脂組成物で
ある。さらに、本発明は、上記エーテル結合を有する不
飽和化合物を含むことを特徴とする電気絶縁用材料、積
層板用材料、半導体封止用成形材料又はレジスト用材料
である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のエーテル結合を有する不
飽和化合物(以下、化合物〔I〕という場合がある。)
は、一般式〔I〕
【0014】
【化5】
【0015】(式中、R1〜R4は水素、低級アルキル
基、低級アルコキシ基、ハロゲン又はフルオロアルキル
基のいずれかであり、互いに同じであっても異なっても
よい。R5及びR6は水素、フッ素、低級アルキル基又は
フルオロアルキル基のいずれかであり、互いに同じであ
っても異なってもよい。また、R7及びR8はアルケニル
基又はアルケニルカルボニル基である。)で表され、一
般式〔II〕
【0016】
【化6】
【0017】(式中、R1〜R4は水素、低級アルキル
基、低級アルコキシ基、ハロゲン又はフルオロアルキル
基のいずれかであり、互いに同じであっても異なっても
よい。R5及びR6は水素、フッ素、低級アルキル基又は
フルオロアルキル基のいずれかであり、互いに同じであ
っても異なってもよい。)で表されるエーテル結合を有
するビスフェノール化合物(以下、化合物〔II〕という
場合がある。)と、一般式:R−X(式中、Rはアルケ
ニル基又はアルケニルカルボニル基であり、Xはハロゲ
ンである。)で表される化合物(以下、化合物〔III〕
という場合がある。)とを反応させることにより得られ
る。
【0018】ここで、化合物〔I〕〔II〕中、R1〜R4
の低級アルキル基又は低級アルコキシ基の炭素数は1〜
5であり、フルオロアルキル基の炭素数は好ましくは1
〜3である。低級アルキル基としては、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、低級アルコキ
シ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基等が挙げられ、フルオロアルキル基としては、例
えば−CF3 、−C25、−C37等が挙げられる。ハ
ロゲンとしては、臭素、フッ素、塩素等が挙げられる。
【0019】化合物〔I〕〔II〕中、R5又はR6の低級
アルキル基の炭素数は1〜3であり、フルオロアルキル
基の炭素数は、好ましくは1〜3である。低級アルキル
基としては、例えばメチル基、エチル基等が挙げられ、
フルオロアルキル基としては、例えば−CF3 、−C2
5、−C37等が挙げられる。化合物〔I〕中、R7
はR8のアルケニル基の炭素数は、好ましくは2〜6で
あり、アルケニルカルボニル基の炭素数(カルボニルの
炭素を含む)は好ましくは3〜6である。アルケニル基
としては、例えばビニル基、アリル基、ブテニル基等が
挙げられ、ブテニル基における二重結合の位置は特に限
定はされない。また、アルケニルカルボニル基として
は、例えばアクリノイル基、メタクリノイル基等が挙げ
られる。
【0020】化合物〔II〕としては、例えば、2,2−
ビス〔4−(4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル〕プ
ロパン、2,2−ビス〔3−メチル−4−(4−ヒドロ
キシフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス
〔3−クロロ−4−(4−ヒドロキシフェノキシ)フェ
ニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−ブロモ−4−(4
−ヒドロキシフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2
−ビス〔3−エチル−4−(4−ヒドロキシフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−プロピル
−4−(4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、2,2−ビス〔3−イソプロピル−4−(4−ヒド
ロキシフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス
〔3−ブチル−4−(4−ヒドロキシフェノキシ)フェ
ニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−sec−ブチル−
4−(4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、2,2−ビス〔3−メトキシ−4−(4−ヒドロキ
シフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1−ビス〔4
−(4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル〕エタン、
1,1−ビス〔3−メチル−4−(4−ヒドロキシフェ
ノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔3−クロロ
−4−(4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル〕エタ
ン、1,1−ビス〔3−ブロモ−4−(4−ヒドロキシ
フェノキシ)フェニル〕エタン、ビス〔4−(4−ヒド
ロキシフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−メチ
ル−4−(4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル〕メタ
ン、ビス〔3−クロロ−4−(4−ヒドロキシフェノキ
シ)フェニル〕メタン、ビス〔3−ブロモ−4−(4−
ヒドロキシフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔4−
(4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル〕プロパン、
1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロ−2,2−ビス
〔4−(4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、3,3−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェノキシ)
フェニル〕ペンタン、1,1−ビス〔4−(4−ヒドロ
キシフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,
3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔3,5−
ジメチル−4−(4−ヒドロキシフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオ
ロ−2,2−ビス〔3,5−ジブロモ−4−(4−ヒド
ロキシフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,
3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔3−メチ
ル−4−(4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル〕プロ
パンなどが挙げられる。
【0021】化合物〔III〕としては、例えばアクリル
酸クロライド、アクリル酸ブロマイド、メタクリル酸ク
ロライド、メタクリル酸ブロマイド、アリルクロライ
ド、アリルブロマイド、ビニルクロライド、エポキシメ
タクリル酸クロライド等があり、各々単独で使用しても
よいし、2種以上を適宜組み合わせてもよい。化合物
〔II〕から本発明の化合物〔I〕を得る方法としては、
特に限定されるものではないが、例えば特開平1-96202
号公報に記載の方法を用いることができる。一般的に
は、まず一般式〔II〕のビスフェノール化合物を有機溶
剤に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液を撹拌しながら添
加してナトリウム塩を得る。次に、化合物〔III〕を徐
々に加えてナトリウム塩と反応させた後、反応物を水溶
液から分離、濃縮、精製して化合物〔I〕を得る。有機
溶剤としては、例えば塩化メチレン、ジクロロエタン、
クロロホルム、ベンゼン、酢酸エステル、アセトン、メ
チルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、テトラヒド
ロフランの中から適宜選択して使用することができる。
ビスフェノール化合物のナトリウム塩と化合物〔III〕
との反応は、0〜30℃の温度で行うのが好ましく、1〜
10時間反応させるのが好ましい。
【0022】このように化合物〔II〕と化合物〔III〕
とから合成される本発明のエーテル結合を有する不飽和
化合物は、その赤外線吸収(IR)スペクトルとして12
30cm-1にエーテル結合に基づく特性吸収が、980 cm-1
二重結合に基づく特性吸収が認められることから、上記
一般式〔I〕で表される化学構造を有するものであるこ
とが分かる。本発明の化合物〔I〕を含む樹脂組成物
は、優れた耐熱性、可撓性及び機械的特性を示すが、こ
れらの性質は、化合物〔I〕が柔軟なエーテル結合と反
応性に富むエチレン結合とを有することによるものと推
定される。
【0023】化合物〔I〕と重合性化合物とを混合する
ことにより、注型含浸用途や成形加工に優れた本発明の
樹脂組成物を得ることができる。ここで、重合性化合物
としては、エチレン結合を有する化合物などが挙げら
れ、例えばスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチ
レン、ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、シクロ
ヘキシルアクリレート、ジシクロペンタジエンアクリレ
ート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリ
ルイソフタレート、ジアリルフタレートプレポリマー、
クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロムスチレン、
ジブロムスチレン、ジアリルベンゼンホスホネート、ジ
アリルホスフィン酸エステル、アクリル酸、メタクリル
酸エステル、エチレングリコールジアクリレート、ポリ
エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレング
リコールジアクリレート、グリシジルメタクリレート、
2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)
フェニル〕プロパン、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルシアヌレートプレポリマー、トリアクリ
ロキシエチルフォスフェート、トリブロモフェノールア
リルエーテルなどがあり、これらを単独で使用すること
もできるし、2種以上を併用することもできる。
【0024】重合性化合物の配合量は、化合物〔I〕10
0 重量部に対して、30〜150 重量部であるのが好まし
い。化合物〔I〕及び重合性化合物に不飽和ポリエステ
ル組成物を加えることにより、得られる樹脂組成物を硬
化前に変性することができる。ここで不飽和ポリエステ
ル組成物とは、不飽和二塩基酸、飽和二塩基酸若しくは
その無水物又はそれらの低級アルキルエステル誘導体等
と、ジオール若しくはアルキレンモノオキサイド又はそ
れらの誘導体等とから、触媒の存在下又は不存在下でエ
ステル化、エステル交換等の反応を利用して縮合又は付
加重合することによって合成された不飽和基を含有する
ポリエステル樹脂母体と、エチレン系(例えばビニル
基、アリル基等)の重合性化合物と、過酸化物触媒との
混合物からなるものを例示することができる。
【0025】この他に、ビスフェノールA型、ノボラッ
ク型等のエポキシ化合物と、メタクリル酸又はアクリル
酸とを反応させて得られるビニルエステル系樹脂も有用
である。また、必要に応じ、本発明の目的を損なわない
範囲で、3官能以上の多塩基酸又は多価アルコールを併
用してもよい。これら添加物の配合量は、化合物〔I〕
100 重量部に対して、30〜150 重量部であるのが好まし
い。
【0026】また、ポリブタジエン化合物を添加するこ
とにより、より可撓性に優れた硬化物を得ることができ
る。ポリブタジエン化合物としては、1,2−ポリブタ
ジエン、1,4−ポリブタジエン、環化ポリブタジエ
ン、末端エポキシ化ポリブタジエン、ポリブタジエング
リコール、ポリブタジエンカルボン酸、ウレタン変性ポ
リブタジエン、マレイン化ポリブタジエン、末端アクリ
ル変性ポリブタジエン、末端エステル変性ポリブタジエ
ン、アクリロニトリル変性ポリブタジエン、エポキシ変
性ポリブタジエンなどが挙げられる。ポリブタジエン化
合物の配合量は、化合物〔I〕100 重量部に対して、5
〜100 重量部であるのが好ましい。
【0027】一方、化合物〔I〕を芳香族マレイミド化
合物と反応させることにより、より耐熱性や可撓性に優
れた本発明の樹脂組成物を得ることができる。芳香族マ
レイミド化合物としては、例えば2,2−ビス(4−マ
レイミドフェニル)プロパン、2,2−ビス〔4−(4
−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2
−ビス〔3−メチル−4−(4−マレイミドフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−ブロモ−
4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、1,1−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)
フェニル〕エタン、ビス〔4−(4−マレイミドフェノ
キシ)フェニル〕メタン、1,1,1,3,3,3−ヘ
キサフルオロ−2,2−ビス〔4−(4−マレイミドフ
ェノキシ)フェニル〕プロパン、N,N’−p−フェニ
レンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニル
スルホンビスマレイミド、2,7−ビス(4−マレイミ
ドフェノキシ)ナフタレンなどが有用である。芳香族マ
レイミド化合物の配合量は、化合物〔I〕100 重量部に
対して50〜200 重量部であるのが好ましいが、特に限定
されるものではない。
【0028】上記重合性化合物と芳香族マレイミド化合
物とは、併用することもできる。このように、化合物
〔I〕、重合性化合物及び芳香族マレイミド化合物を含
有する本発明の樹脂組成物は、特に耐熱性や可撓性に優
れるとともに、成形加工特性に優れたものとなる。以上
のようにして得られる本発明の樹脂組成物には、硬化触
媒を添加するのが好ましい。硬化触媒の添加により、短
時間の加熱によって組成物の硬化を完了させることがで
きる。
【0029】このような硬化触媒としては、ベンゾイル
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、メチルエチ
ルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサ
イド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイ
ドロパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,
5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサ
イド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジ
イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾ
エート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチル
パーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバ
レート、アセチルパーオキサイド、オクタノイルパーオ
キサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート
等のラジカル重合開始剤や、ベンゾフェノン、ベンジル
ジメチルケタール、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフ
ェニルエタン−1−オン、2,4−ジエチルチオキサン
トン、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステ
ル、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケト
ン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モンフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル
−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニ
ル)−ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1
−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチ
ルベンゾイルジフェニル−ホスフィンオキサイド、1−
〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル〕−2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6-ジフルオロ
−3−(ピル−1−イル)チタニウム〕ビスアミルホス
フィンオキサイド、4,4’−ジエチルアミノベンゾフ
ェノン、2,4−ジエチルチオキサントン、フェノチア
ジン等の光重合開始剤があり、これら1種又は2種以上
を適宜用いることができる。
【0030】また、メルカプタン類、サルファイト類、
β−ジケトン類、金属キレート類など公知の促進剤を併
用することも可能である。さらには、得られる樹脂組成
物の室温における貯蔵安定性を良好にするために、ベン
ゾキノン、ナフトキノン、フェナントラキノンなどのキ
ノン類、ハイドロキノン、p−t−ブチルカテコール、
2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノンなどのフェノール
類やニトロ化合物、金属塩類など公知の重合禁止剤を用
途に応じて使用することもできる。
【0031】本発明の樹脂組成物には、その用途に応じ
て種々の材料が配合され得る。例えば、樹脂組成物の用
途がワニスの場合、溶剤としてトルエン、キシレン、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、3−メトキシプロパノール、プロピレングリコール
メチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテ
ル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリ
コールメチルエーテル、エチレングリコールブチルエー
テル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテー
ト、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、シク
ロヘキサノン、ジオキサン、N,N’−ジメチルホルム
アミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホ
キシド、トリクロロエチレンなどを配合することがで
き、それぞれ単独で又は2種以上混合して使用すること
ができる。
【0032】また、用途が積層板用材料の場合、Eガラ
ス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、Qガラ
ス等の無機繊維からなる各種ガラスクロス、アラミド繊
維、カーボン繊維、ポリエステル繊維等の有機繊維、ア
ラミド、芳香族ポリエステル等からなる不織布などを配
合することができる。用途が成形材料の場合、ジルコ
ン、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、炭酸カル
シウム、クレー、カオリン、タルク、珪砂、溶融石英ガ
ラス、アスベスト、マイカ、各種ウイスカー、カーボン
ブラック、二硫化モリブデン等の充填材、高級脂肪酸、
ワックス等の離型剤、エポキシシラン、ビニルシラン、
アルコキシチタネート化合物等のカップリング剤などを
配合することができる。
【0033】また、必要に応じて含ハロゲン系化合物、
酸化アンチモン、リン系化合物等の難燃性付与剤などを
用いることもできる。本発明の樹脂組成物には、以上の
ようにワニス、積層板用材料、成形材料などの用途があ
るが、その他にも電気絶縁用材料、半導体封止用材料、
レジスト用材料として使用することができる。本発明の
樹脂組成物を電気絶縁用材料として用いると、耐熱衝撃
性に優れたものが得られ、積層板用材料として用いる
と、低誘電率特性を有するものが得られ、半導体封止用
材料として用いると、耐湿性、成形性に優れたものが得
られ、レジスト用材料として用いると、耐熱性、感光性
に優れたものが得られる。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定され
るものではない。 〔実施例1〕2,2−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェ
ノキシ)フェニル〕プロパン25重量部をクロロホルム20
0 gに溶解し、この溶液にメタクリル酸クロライド12g
を添加した。温度を10℃に維持して、これにトリエチル
アミン25gを滴下した後、30℃で1時間反応を進めた。
次いで、反応混合物を2リットルの水の中に投入して重
合体を沈殿させ、これに35%塩酸水溶液1gを添加し、
濾過、水洗、乾燥してエーテル結合を有するメタクリル
酸化合物(a) を得た。
【0035】この化合物(a) のIRスペクトルを測定し
た結果、1230cm-1にエーテル結合、1750cm-1にカルボニ
ル基、1130cm-1にカルボニルオキシ、930 cm-1に二重結
合に由来する特性吸収がそれぞれ認められた。 〔実施例2〕2,2−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェ
ノキシ)フェニル〕プロパン25重量部の代わりに2,2
−ビス〔3−ブロモ−4−(4−ヒドロキシフェノキ
シ)フェニル〕プロパン40重量部を用い、メタクリル酸
クロライドの代わりにアクリル酸クロライドを用いたほ
かは、実施例1と同様にしてエーテル結合を有するアク
リル酸化合物(b) を得た。
【0036】IRスペクトルを測定した結果、1230cm-1
にエーテル結合、1750cm-1にカルボニル基、1130cm-1
カルボニルオキシ、930 cm-1に二重結合に由来する特性
吸収がそれぞれ認められた。 〔実施例3〕2,2−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェ
ノキシ)フェニル〕プロパン25重量部の代わりにビス
〔3−メチル−4−(4−ヒドロキシフェノキシ)フェ
ニル〕プロパン40重量部を用い、メタクリル酸クロライ
ドの代わりにアリルブロマイドを用いたほかは、実施例
1と同様にしてエーテル結合を有するアリル化合物(c)
を得た。
【0037】IRスペクトルを測定した結果、1230cm-1
にエーテル結合、1260cm-1にエーテル基、930 cm-1に二
重結合に由来する特性吸収がそれぞれ認められた。 〔実施例4〜7,比較例1〕実施例1で得られたエーテ
ル結合を有するメタクリル酸化合物(a) 又は実施例2で
得られたエーテル結合を有するアクリル酸化合物(b)
と、重合性化合物としてのスチレン、ジアリルフタレー
ト又は不飽和ポリエステル(日立化成社製:PS−51
8)と、硬化触媒としてのジクミルパーオキサイド又は
ベンゾフェノンと、溶剤としてのメチルエチルケトンと
を、表1に示す割合(重量部)でそれぞれ配合し、4種
類の樹脂組成物(硬化物)を得た(実施例4〜7)。比
較として、化合物(a) 又は(b) の代わりに不飽和ポリエ
ステルを用いた例を示す(比較例1)。
【0038】各硬化物について、以下の試験方法により
接着力、耐熱性及び耐熱衝撃性を測定した。表1に各硬
化物の特性を示す。試験方法 (1)接着力 イミド変性ポリエステル線(日立電線社製,PEW−
H,直径1mm)を用い、JIS C2105に準じてヘ
リカルコイルを作製した。このヘリカルコイルを各樹脂
組成物に浸漬した後、室温で10分間風乾して、次いで15
0 ℃で2時間硬化させた。なお、実施例7の樹脂組成物
については、風乾後、80℃、20分間の溶剤除去を行って
から、高圧水銀灯を用いて紫外線を3分間照射し、次い
で150 ℃で30分間硬化させた。
【0039】得られたヘリカルコイルについて、島津製
作所製オートグラフDSS5000を用いて(支点間:
50mm,速度:100 mm/mim)室温及び130 ℃における曲げ
試験を行い、破断強度を求め、これを接着力とした。 (2)耐熱性 (1) で得られた試験片を155 ℃で5日間及び180 ℃で10
日間加熱劣化させた後、室温下での接着力を(1) と同様
にして測定し、耐熱性の判断基準とした。
【0040】(3)耐熱衝撃性 イミド変性ポリエステル線(日立電線社製,PEW−
H,直径1mm)2本を長さ100 mmで5ターン巻付けし、
さらに2回撚りしてコイルとした。このコイルの形状を
図1に示す。得られたコイルに対して(1) と同様にして
絶縁処理を施し、試験片を得た。この試験片についてヒ
ートサイクル試験を行い、クラックが発生した低温側の
温度を測定した。
【0041】ヒートサイクル試験は、120 ℃で1.5 時間
及び低温で1.5 時間を1サイクルとし、低温は0℃から
始め、3サイクル行ってクラックが発生しなければ10℃
ずつ低くするようにして行った。表1から明らかなよう
に、本発明の樹脂組成物(硬化物)は、室温下であって
も高温下であっても接着性に優れるとともに、耐熱性及
び耐熱衝撃性に優れるものであった。
【0042】
【表1】
【0043】〔実施例8〕実施例3で得られたエーテル
結合を有するアリル化合物(c) 100 重量部と、2,2−
ビス〔4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニ
ル〕プロパン150 重量部と、光重合開始剤としての2,
2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン
3重量部とを混合してワニスとし、これを電気絶縁用材
料として使用した。
【0044】0.75kW用の電動機用固定子(直径0.8 mmの
イミド変性ポリエステルエナメル線を使用)を約30回転
/分で回転させながら、上記ワニスを固定子巻線部に滴
下した。その後、高圧水銀灯を用いて紫外線を2分間照
射し、次いで150 ℃で30分間硬化させ、固定子巻線の絶
縁、固着を行った。この固定子を、アルミダイキャスト
製法で作製した冷却用フィン等を有するアルミニウム製
固定子枠に固定した。さらに、回転子を組み込むととも
にエンドブラケットをネジ止めして、電動機を完成させ
た。
【0045】〔実施例9〜12,比較例2〜3〕実施例
2で得られたアクリル酸化合物(b) を用いて、表2に示
す組成(重量部)のワニスを調製した。このワニスをガ
ラスクロス(厚さ0.1 mm)に含浸塗布し、60〜80℃で10
〜20分間乾燥させ、タックフリーのプリプレグを得た。
次に、このプリプレグを10枚重ねて、30kgf/cm2の圧力
で、130 ℃の温度で30分間、さらに150 ℃の温度で2時
間プレスを行い、積層板を作製した(実施例9〜1
2)。
【0046】得られた積層板について、以下のようにし
て比誘電率、熱膨張係数、半田耐熱性及び難燃性の測定
・試験を行った。結果を表2に示す。試験方法 (1)比誘電率 銀ペーストを用いて100 mm角の積層板に直径40mmの電極
を形成し、JIS C6281に従い、LCRインピー
ダンスアナライザ 4192A(Hewlett Packard 社
製)で積層板の静電容量を測定し、周波数1MHz の比誘
電率を求めた。
【0047】(2)熱膨張係数 熱物理試験装置TMA−1500(真空理工社製)を用
い、6×6mmに切断した積層板について加重5g、昇温
速度5℃/min の条件で熱膨張係数を測定した。 (3)半田耐熱性 25mm角に切断した積層板を300 ℃の半田層に5分間浮か
べ、膨れ、剥離の有無を目視により調べた。膨れ、剥離
がないものを○、膨れ、剥離が発生したものを×で表示
した。
【0048】(4)難燃性 UL−94規格、垂直法に従い、127 ×12.7mmの積層板
5枚のそれぞれに対して10秒間ずつ2回炎をあて、その
炎が消えるまでの時間を測定した。10回の合計時間が50
秒以内のものをV−0、250 秒以内のものをV−1の評
価とした。比較として、上記ワニスの代わりにポリイミ
ド樹脂又はエポキシ樹脂を用いて作製したポリイミド樹
脂積層板及びエポキシ樹脂積層板についても、上記と同
様にして測定・試験を行った(比較例2〜3)。結果を
併せて表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】表2から明らかなように、本発明の積層板
用材料は、低い比誘電率及び小さい熱膨張係数を有し、
半田耐性及び難燃性に優れるものであった。 (実施例13)実施例2で得られたアクリル酸化合物
(b) 100 重量部と、2,2−ビス〔4−(メタクリロキ
シ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン100 重量部と、
液状ポリブタジエン(CTBN1300×8:宇部興産製)1
0重量部と、シリカ粉(平均粒径20μm)70重量%(全
量に対して)と、光重合開始剤としての2,2−ジメト
キシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン6重量部と
を混合し、これを埋込剤とした。
【0051】一方、エポキシ銅張積層板(基材厚:0.1m
m,銅箔厚:0.07mm)をパターン加工して、内層回路板を
得た。この内層回路板の銅表面を黒化処理した後、上記
埋込剤を0.08mmの厚さになるようにロールコータで塗布
した。その後、高圧水銀灯により約2J/cm2の光を照射
し、次いで接着剤付き銅箔をラミネートした。これを17
0 ℃で30分間加熱硬化し、多層プリント板とした。
【0052】(実施例14〜16)実施例1で得られた
エーテル結合を有するメタクリル酸化合物(a) 又は実施
例3で得られたエーテル結合を有するアリル化合物(c)
と、ジアリルイソフタレートと、ビニルエステル樹脂又
は芳香族マレイミド化合物(芳香族マレイミド化合物と
しては、2,2−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキ
シ)フェニル〕プロパンを使用した。)とを、表3に示
す割合(重量部)でそれぞれ配合し、3種類の樹脂組成
物を得た(実施例14〜16)。
【0053】これら樹脂組成物に、充填材としてシリカ
粉(平均粒径10μm)70重量%(全量に対して)、離型
剤としてステアリン酸2重量部、シランカップリング剤
(信越化学製,KBM503)1重量部及び着色剤とし
てカーボンブラック1重量部を配合するとともに、硬化
触媒としてジクミルパーオキサイドを1重量部添加し
た。
【0054】各配合物を60〜80℃で5分間ロール混練し
た後、冷却、粉砕して、半導体封止用成形材料として用
いることのできる組成物を得た。得られた組成物を、17
0 ℃,70kg/cm2,3分間の条件でトランスファ成形して
13×5×120 mmの曲げ試験片とするとともに、図1に示
すコイルをモールドして耐熱衝撃性用試験片とした。こ
れら試験片について、曲げ強さ、貯蔵安定性及び耐熱衝
撃性を測定した。曲げ強さは、試験片を25×50mmに切断
し、支点間距離80mm、曲げ速度1mm/min の条件の下、
180 ℃で測定した。貯蔵安定性は、試験片を200 ℃で30
日間放置した後、上記と同様にして曲げ強さを測定し、
初期の曲げ強さに対する割合(保持率)で表した。耐熱
衝撃性は、実施例4〜7と同様にして測定した。結果を
表3に示す。
【0055】比較として、エポキシ樹脂封止材料(RM
004:日立化成製)について同様の測定を行った(比
較例1)。結果を表3に併せて示す。
【0056】
【表3】
【0057】(実施例17)実施例1で得られたエーテ
ル結合を有するメタクリル酸化合物(a) 50重量部と、ビ
ニルエステル樹脂(溶剤40重量%)80重量部と、アクリ
ルモノマー5重量部と、エポキシ変性ポリブタジエン40
重量部とを混合し、溶剤(プロピレングリコールメチル
エーテルアセテート)で固形分が70重量%となるように
調整した。さらに、炭酸カルシウム35重量部、ベンジル
ジメチルケタール3重量部、顔料(TY503203:
東洋インキ製)4重量部及び消泡剤(SC5570:東
レシリコーン製)5重量部を加え、レジスト用材料とし
ての溶液を得た。
【0058】得られた溶液を、銅箔表面を黒化還元処理
したエポキシ銅張積層板(基材厚:0.1mm,銅箔厚:0.07m
m)に塗布し、室温で20分、次いで70℃で30分乾燥し
て、厚さ40μmの感光層を形成した。次に、ネガマスク
を通して、超高圧水銀灯により300 mJ/cm2で露光した。
露光後、ジエチレングリコールモノメチルエーテル30%
水溶液を用いて、30℃で60秒間スプレー現像した。さら
に、1J/cm2 の光を照射し、150 ℃で30分間加熱硬化を
行った。
【0059】この感光層の解像度は、ライン/スペース
で100 μm/100 μmであった。また、積層板の半田耐
熱性を実施例9〜12と同様にして測定したところ、28
0 ℃,60秒以上であった。さらに、感光層と銅箔との接
着力をJIS C6481に従って測定した。具体的に
は、塗膜面を補強板となるエポキシ基板に接着した後、
1cm幅の銅箔を垂直に引き剥がした時の強さを測定し
た。その結果、感光層と銅箔との接着力は1.0 kgf/cm2
であった。
【0060】
【発明の効果】本発明により、エーテル結合を有する新
規な不飽和化合物が提供できた。本発明のエーテル結合
を有する不飽和化合物によれば、耐熱性及び可撓性に優
れた樹脂組成物が得られ、その樹脂組成物は、電気絶縁
用材料、積層板用材料、半導体封止用材料又はレジスト
用材料に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4〜7及び14〜16において、耐熱衝
撃性の測定を行う際に使用したコイルの形状を示す図で
ある。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔I〕 【化1】 (式中、R1〜R4は水素、低級アルキル基、低級アルコ
    キシ基、ハロゲン又はフルオロアルキル基のいずれかで
    あり、互いに同じであっても異なってもよい。R5及び
    6は水素、フッ素、低級アルキル基又はフルオロアル
    キル基のいずれかであり、互いに同じであっても異なっ
    てもよい。また、R7及びR8はアルケニル基又はアルケ
    ニルカルボニル基である。)で表されるエーテル結合を
    有する不飽和化合物。
  2. 【請求項2】 一般式〔II〕 【化2】 (式中、R1〜R4は水素、低級アルキル基、低級アルコ
    キシ基、ハロゲン又はフルオロアルキル基のいずれかで
    あり、互いに同じであっても異なってもよい。R5及び
    6は水素、フッ素、低級アルキル基又はフルオロアル
    キル基のいずれかであり、互いに同じであっても異なっ
    てもよい。)で表されるエーテル結合を有するビスフェ
    ノール化合物と、一般式:R−X(式中、Rはアルケニ
    ル基又はアルケニルカルボニル基であり、Xはハロゲン
    である。)で表される化合物とを反応させることを特徴
    とする請求項1記載のエーテル結合を有する不飽和化合
    物の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のエーテル結合を有する不
    飽和化合物と、重合性化合物及び/又は芳香族マレイミ
    ド化合物とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のエーテル結合を有する不
    飽和化合物を含むことを特徴とする電気絶縁用材料。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のエーテル結合を有する不
    飽和化合物を含むことを特徴とする積層板用材料。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のエーテル結合を有する不
    飽和化合物を含むことを特徴とする半導体封止用成形材
    料。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のエーテル結合を有する不
    飽和化合物を含むことを特徴とするレジスト用材料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6835785B2 (en) * 2002-01-28 2004-12-28 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Polyphenylene ether oligomer compound, derivatives thereof and use thereof
JP2012519224A (ja) * 2009-02-26 2012-08-23 コーニング インコーポレイテッド 電気的絶縁性高分子組成物
US9978479B2 (en) 2009-02-26 2018-05-22 Corning Incorporated Electrically isolating polymer composition

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