JP7363781B2 - 樹脂組成物およびその応用 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂組成物に関する。さらに、前記樹脂組成物を用いた、硬化物、プリプレグ、金属箔張積層板、樹脂シート、プリント配線板、樹脂組成物の製造方法、ならびに、誘電率および/または誘電正接の低下剤に関する。
近年、電子機器や通信機、パーソナルコンピューター等に用いられる半導体の高集積化・微細化はますます加速している。これに伴い、プリント配線板に用いられる半導体パッケージ用積層板(例えば、金属箔張積層板等)に求められる諸特性はますます厳しいものとなっている。求められる特性としては、例えば、低誘電率性、低誘電正接性、低熱膨張性、耐熱性等が挙げられる。中でも誘電率および誘電正接の大きな絶縁体材料では、電気信号が減衰され、信頼性が損なわれるために、誘電率および誘電正接の小さな材料が必要となる。
これらの諸特性が向上したプリント配線板を得るために、プリント配線板の材料として用いられる材料について検討が行われている。例えば、特許文献1には、ワニス保存安定性に優れ、また多層成形性、吸湿後の耐熱性を低下させることなく、電気特性、ピール強度、耐熱分解性が向上した組成物として、特定のポリフェニレンエーテル骨格を含有する2官能性ビニルベンジル化合物と、特定のマレイミド化合物と、特定のシアン酸エステル樹脂と、特定のエポキシ樹脂とを構成成分として、所定の割合で組み合わせたものが開示されている。
一方、特許文献2には、特定の構造を有するビスマレイミド、(b)任意付加的に他の添加物が含まれることもあり得る、1種以上の液体共反応物、並びに(c)構造繊維からなるプリプレグについて記載がある。しかしながら、電気特性等については、何ら記載がない。
特開2010-138364号公報 特開平05-25298号公報
上述のとおり、電気特性に優れたシアン酸エステル化合物とマレイミド化合物を含む樹脂組成物は知られている。しかしながら、近年の技術革新に伴い、さらに電気特性の向上が求められる。また、電気特性に優れていても、他の性能が劣れば、有用性に欠ける。
本発明はかかる課題を解決することを目的とするものであって、シアン酸エステル化合物とマレイミド化合物を含む樹脂組成物であって、耐熱性等の各種性能に優れ、かつ、電気特性に優れた樹脂組成物、ならびに、硬化物、プリプレグ、金属箔張積層板、樹脂シート、プリント配線板、樹脂組成物の製造方法、誘電率および/または誘電正接の低下剤を提供することを目的とする。
前記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、特定の構造を有するビスマレイミド化合物を用いることにより、耐熱性等の各種性能に優れ、かつ、向上した電気特性を有する樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、下記手段<1>により、好ましくは<2>~<18>により、前記課題は解決された。
<1>シアン酸エステル化合物(A)および下記式(1)で表されるビスマレイミド化合物(B)を含有する樹脂組成物;
Figure 0007363781000001
式(1)中、Xは炭素数1~12の有機基を表し、R~Rは、各々独立に水素原子または炭素数1~3のアルキル基を表し、aは各々独立に0~4の整数を表す。
<2>式(1)中、Xは炭素数1~3のアルキレン基であり、R~Rは、各々独立に水素原子、メチル基またはエチル基を表し、aは各々独立に0~2の整数を表す、<1>に記載の樹脂組成物。
<3>前記ビスマレイミド化合物(B)が下記式(2)で表される、<1>に記載の樹脂組成物。
Figure 0007363781000002
<4>さらに溶媒を含有する、<1>~<3>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<5>前記ビスマレイミド化合物(B)の含有量が、樹脂組成物の0.1~30質量%である<4>に記載の樹脂組成物。
<6>前記シアン酸エステル化合物(A)および前記ビスマレイミド化合物(B)の含有割合が、前記ビスマレイミド化合物(B)の不飽和イミド基と前記シアン酸エステル化合物(A)のシアネート基との当量比(不飽和イミド基の当量/シアネート基の当量)で表して、0.01以上1.1未満である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<7>前記ビスマレイミド化合物(B)以外のマレイミド化合物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、オキセタン樹脂、ベンゾオキサジン化合物、重合可能な不飽和基を有する化合物、炭素-炭素不飽和二重結合(マレイミドを除く)を含有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテル、エラストマーおよび活性エステル化合物よりなる群から選択される1種以上をさらに含有する、<1>~<6>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<8>さらに充填材(C)を含有する、<1>~<7>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<9>前記充填材(C)の含有量が、前記樹脂組成物中の樹脂成分の総量100質量部に対して、50~1600質量部である、<8>に記載の樹脂組成物。
<10>低誘電率材料および/または低誘電正接材料である、<1>~<9>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<11><1>~<10>のいずれか1つに記載の樹脂組成物の硬化物。
<12>基材と、<1>~<10>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成されたプリプレグ。
<13>少なくとも1枚の<12>に記載のプリプレグから形成された層と、前記プリプレグから形成された層の片面または両面に配置された金属箔とを含む、金属箔張積層板。
<14>支持体と、前記支持体の表面に配置された<1>~<10>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成された層を含む樹脂シート。
<15>絶縁層と、前記絶縁層の表面に配置された導体層とを含むプリント配線板であって、前記絶縁層が、<1>~<10>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成された層および<12>に記載のプリプレグから形成された層の少なくとも一方を含むプリント配線板。
<16>シアン酸エステル化合物(A)と、下記式(1)で表されるビスマレイミド化合物(B)を含有する樹脂組成物の製造方法であって、シアン酸エステル化合物(A)とビスマレイミド化合物(B)と溶媒を混合することを含み、前記ビスマレイミド化合物(B)の含有量が、樹脂組成物の0.1~30質量%である樹脂組成物の製造方法;
Figure 0007363781000003
式(1)中、Xは炭素数1~12の有機基を表し、R~Rは、各々独立に水素原子または炭素数1~3のアルキル基を表し、aは各々独立に0~4の整数を表す。
<17>さらに、前記ビスマレイミド化合物(B)以外のマレイミド化合物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、オキセタン樹脂、ベンゾオキサジン化合物、重合可能な不飽和基を有する化合物、炭素-炭素不飽和二重結合(マレイミドを除く)を含有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテル、エラストマーおよび活性エステル化合物よりなる群から選択される1種以上を含有する、<16>に記載の樹脂組成物の製造方法。
<18>下記式(1)で表されるビスマレイミド化合物(B)を含む、誘電率および/または誘電正接の低下剤;
Figure 0007363781000004
式(1)中、Xは炭素数1~12の有機基を表し、R~Rは、各々独立に水素原子または炭素数1~3のアルキル基を表し、aは各々独立に0~4の整数を表す。
本発明によれば、シアン酸エステル化合物とマレイミド化合物を含む樹脂組成物であって、耐熱性等の各種性能に優れ、かつ、電気特性に優れた樹脂組成物を提供可能になった。さらに、優れた硬化物、プリプレグ、金属箔張積層板、樹脂シート、プリント配線板、樹脂組成物の製造方法、誘電率および/または誘電正接の低下剤を提供可能になった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。なお、本明細書において「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本発明に係る樹脂組成物は、シアン酸エステル化合物(A)および下記式(1)で表されるビスマレイミド化合物(B)を含有する樹脂組成物であることを特徴とする。
Figure 0007363781000005
式(1)中、Xは炭素数1~12の有機基を表し、R~Rは、各々独立に水素原子または炭素数1~3のアルキル基を表し、aは各々独立に0~4の整数を表す。
シアン酸エステル化合物(A)に、式(1)で表されるビスマレイミド化合物(B)を配合することにより、各種性能(低吸水率、低加熱減量、良好なワニスの外観)を維持しつつ、誘電率(Dk)および誘電正接(Df)を低くすることが可能になる。さらに、プリプレグとしたときの外観や、金属箔張積層板としたときの、ピール強度、耐熱性、難燃性なども高いレベルを維持できる。
以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」ともいう)を例に用いて、本発明について詳細に説明する。
<シアン酸エステル化合物(A)>
本実施形態におけるシアン酸エステル化合物(A)は、シアネート構造を有する化合物である限り、特に定めるものでは無い。
シアン酸エステル化合物(A)としては、例えば、ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物(ナフトールアラルキル型シアネート)、ナフチレンエーテル型シアン酸エステル化合物、キシレン樹脂型シアン酸エステル化合物、トリスフェノールメタン型シアン酸エステル化合物、およびアダマンタン骨格型シアン酸エステル化合物からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも、めっき密着性および低吸水性がより一層向上する観点から、ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物、ナフチレンエーテル型シアン酸エステル化合物、およびキシレン樹脂型シアン酸エステル化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物であることがより好ましい。これらのシアン酸エステル化合物は、公知の方法により調製してもよく、市販品を用いてもよい。なお、ナフトールアラルキル骨格、ナフチレンエーテル骨格、キシレン骨格、トリスフェノールメタン骨格、またはアダマンタン骨格を有するシアン酸エステル化合物は、比較的、官能基当量数が大きく、未反応のシアン酸エステル基が少なくなるため、吸水性がより一層低下する傾向にある。また、芳香族骨格またはアダマンタン骨格を有することに主に起因して、めっき密着性がより一層向上する傾向にある。
シアン酸エステル化合物(A)のシアネート基の当量は、200g/eq以上であることが好ましく、また、400g/eq以下であることが好ましい。複数種のシアン酸エステル化合物(A)を含む場合、樹脂組成物に含まれる各シアン酸エステル化合物の質量を考慮した、加重平均のシアネート基の当量とする。
シアン酸エステル化合物(A)の含有量の下限値は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量100質量部に対し、1質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましく、20質量部以上であることがさらに好ましく、30質量部以上であることが一層好ましく、40質量部以上であってもよい。シアン酸エステル化合物の含有量が1質量部以上、より好ましくは10質量部以上であることにより、耐熱性、耐燃焼性、耐薬品性、低誘電率、低誘電正接、絶縁性が向上する傾向にある。シアン酸エステル化合物の含有量の上限値は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量100質量部に対し、90質量部以下であることが好ましく、80質量部以下であることがより好ましく、70質量部以下であることがさらに好ましく、60質量部以下であることが一層好ましい。
本実施形態における樹脂組成物は、シアン酸エステル化合物を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が前記範囲となることが好ましい。
<式(1)で表されるビスマレイミド化合物(B)>
本実施形態における樹脂組成物は、下記式(1)で表されるビスマレイミド化合物(B)を含有する。
Figure 0007363781000006
式(1)中、Xは炭素数1~12の有機基を表し、R~Rは、各々独立に水素原子または炭素数1~3のアルキル基を表し、aは各々独立に0~4の整数を表す。
式(1)中、Xは炭素数1~12の有機基を表し、炭素数1~3のアルキレン基であることが好ましく、イソプロピレン基がより好ましい。2つのXは同一であってもよいし、異なっていてもよい。好ましくは同一である。
~Rは、各々独立に水素原子または炭素数1~3のアルキル基を表し、水素原子、メチル基またはエチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
aは各々独立に0~2の整数を表すことが好ましく、0または1がより好ましく、0がさらに好ましい。
前記ビスマレイミド化合物(B)は、式(1-2)で表されることが好ましい。
Figure 0007363781000007
式(1-2)中、Xは炭素数1~12の有機基を表し、R~Rは、各々独立に水素原子または炭素数1~3のアルキル基を表し、aは各々独立に0~4の整数を表す。
式(1-2)における、X、R~Rおよびaは、各々、式(1)におけるX、R~Rおよびaと同義であり、好ましい範囲も同様である。式(1-2)で表されるビスマレイミド化合物を用いることにより、樹脂組成物の電気特性および耐熱性(特に、加熱減量の抑制)がより向上する傾向にある。
式(1)で表されるビスマレイミド化合物(B)は、また、下記式(2)で表されることが好ましい。
Figure 0007363781000008
本実施形態で用いられるビスマレイミド化合物(B)は、以下の何れかであることがより好ましい。
Figure 0007363781000009
ビスマレイミド化合物(B)の不飽和イミド基の当量は、200g/eq以上であることが好ましく、また、400g/eq以下であることが好ましい。複数種のビスマレイミド化合物(B)を含む場合、樹脂組成物に含まれる各ビスマレイミド化合物(B)の質量を考慮した、加重平均の不飽和イミド基の当量とする。
ビスマレイミド化合物(B)の含有量の下限値は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量100質量部に対し、1質量部以上であることが好ましく、3質量部以上であることがより好ましく、5質量部以上であることがさらに好ましく、さらには、8質量部以上、10質量部以上、15質量部以上であってもよい。ビスマレイミド化合物(B)の含有量が1質量部以上であることにより、耐燃性が向上する傾向にある。また、ビスマレイミド化合物(B)の含有量の上限値は、ビスマレイミド化合物(B)を含有する場合、樹脂組成物中の樹脂成分の総量100質量部に対し、90質量部以下であることが好ましく、75質量部以下であることがより好ましく、60質量部以下であることがさらに好ましく、45質量部以下であることが一層好ましく、35質量部以下であることがより一層好ましく、30質量部以下であることがさらに一層好ましい。
また、ビスマレイミド化合物(B)の含有量は、樹脂組成物の0.1~30質量%であることが好ましい。
特に、前記ビスマレイミド化合物(B)の含有量の下限値は、固形分(溶媒以外の成分)に対し、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましい。上限値としては、90質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましい。
また、ビスマレイミド化合物(B)の含有量は、溶媒で希釈した後の樹脂組成物中(溶媒を含む樹脂組成物中)、0.1~30質量%であることが好ましい。前記ビスマレイミド化合物(B)の含有量の下限値は、前記ビスマレイミド化合物(B)の含有量の下限値は、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましい。上限値としては、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、17.5質量%以下であることがさらに好ましい。
このような範囲とすることにより、ワニス外観、さらには、プリプレグとしたときの外観、積層板の電気特性をより向上させることができる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、ビスマレイミド化合物(B)を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が前記範囲となることが好ましい。
本実施形態に係る樹脂組成物は、ビスマレイミド化合物(B)を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が前記範囲となることが好ましい。
本実施形態に係る樹脂組成物における、シアン酸エステル化合物(A)およびビスマレイミド化合物(B)の含有割合は、ビスマレイミド化合物(B)の不飽和イミド基と前記シアン酸エステル化合物(A)のシアネート基との当量比(不飽和イミド基の当量/シアネート基の当量)で表して、0.01以上1.1未満であることが好ましい。前記当量比の下限値は、0.05以上であることがより好ましく、0.1以上であることがさらに好ましく、0.3以上であることが一層好ましい。また、前記当量比の上限値は、0.9以下であることがより好ましく、0.7以下であることがさらに好ましく、0.5以下であることが一層好ましい。このような範囲とすることにより、吸水率、電気特性、熱物性の効果がより効果的に発揮される。
<他の樹脂成分>
本実施形態に係る樹脂組成物は、シアン酸エステル化合物(A)およびビスマレイミド化合物(B)以外の他の樹脂成分を含んでいてもよい。他の樹脂成分としては、ビスマレイミド化合物(B)以外のマレイミド化合物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、オキセタン樹脂、ベンゾオキサジン化合物、重合可能な不飽和基を有する化合物、炭素-炭素不飽和二重結合(マレイミドを除く)を含有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテル、エラストマーおよび活性エステル化合物よりなる群から選択される1種以上が例示され、ビスマレイミド化合物(B)以外のマレイミド化合物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、オキセタン樹脂、ベンゾオキサジン化合物、および重合可能な不飽和基を有する化合物よりなる群から選択される1種以上であることが好ましく、少なくとも、ビスマレイミド化合物(B)以外のマレイミド化合物を含むことがより好ましい。このような他の樹脂成分を配合することにより、前記外観をより向上させつつ、他の特性もより良好なものとすることができる。
<<ビスマレイミド化合物(B)以外のマレイミド化合物>>
ビスマレイミド化合物(B)以外のマレイミド化合物(以下、他のマレイミド化合物ともいう)は、ビスマレイミド化合物(B)以外のマレイミド化合物であって、分子中に2つ以上のマレイミド基を有する化合物であれば特に限定されない。特に、溶媒に対する溶解性の高いマレイミド化合物を用いることにより、電気特性を向上させつつ、ワニスの外観、さらには、ワニスから得られるプリプレグの外観を向上させることができる。本実施形態で用いられる他のマレイミド化合物は、例えば、メチルエチルケトンに対する25℃における溶解度が5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましい。メチルエチルケトンは、沸点が比較的低いため、溶媒を乾燥させる際に乾燥温度を低くでき、乾燥時の樹脂成分の不要な硬化を効果的に抑制できる。
他のマレイミド化合物の一例として、式(1-3)で表されるマレイミド化合物が挙げられる。式(1-3)で表されるマレイミド化合物を用いることにより、プリント配線板用材料(例えば、積層板、金属箔張積層板)等に用いると、優れた耐熱性を付与できるとともに、ピール強度、低吸水性、耐デスミア性、および耐燃性を向上できる。
Figure 0007363781000010
前記式(1-3)中、複数存在するRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基またはフェニル基を表し、nは、平均値であり、1<n≦5を表す。
前記式(1-3)中、複数存在するRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基等)、またはフェニル基を表す。これらの中でも、耐燃性およびピール強度をより一層向上する観点から、水素原子、メチル基、およびフェニル基からなる群より選択される基であることが好ましく、水素原子およびメチル基の一方であることがより好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。
前記式(1-3)中、nは、平均値であり、1<n≦5を示す。nは、溶媒溶解性がより一層優れる観点から、4以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましく、2以下であることがさらに好ましい。nが異なる化合物が2種以上含まれていてもよい。
前記式(1-3)で表されるマレイミド化合物は、公知の方法で調製してもよく、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、日本化薬株式会社製、「MIR-3000」が挙げられる。
また、前記の他、他のマレイミド化合物として、4,ル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド、4-メチル-1,3-フェニレンビスマレイミド、1,6-ビスマレイミド-(2,2,4-トリメチル)ヘキサン、4,4’-ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4’-ジフェニルスルフォンビスマレイミド、1,3-ビス(3-マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-マレイミドフェノキシ)ベンゼン、ポリフェニルメタンマレイミド、およびこれらのプレポリマー、これらのマレイミドとアミンのプレポリマー等が挙げられる。
他のマレイミド化合物の不飽和イミド基の当量は、200g/eq以上であることが好ましく、また、400g/eq以下であることが好ましい。複数種の他のマレイミド化合物を含む場合、樹脂組成物に含まれる各他のマレイミド化合物の質量を考慮した、加重平均の不飽和イミド基の当量とする。
他のマレイミド化合物の含有量の下限値は、他のマレイミド化合物を含有する場合、樹脂組成物中の樹脂成分の総量100質量部に対し、1質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましく、20質量部以上であることがさらに好ましい。他のマレイミド化合物の含有量が1質量部以上であることにより、樹脂組成物の耐燃性が向上する傾向にある。また、他のマレイミド化合物の含有量の上限値は、他のマレイミド化合物を含有する場合、樹脂組成物中の樹脂成分の総量を100質量部としたとき、90質量部以下であることが好ましく、85質量部以下であることがより好ましく、75質量部以下であることがさらに好ましく、70質量部以下であることが一層好ましく、60質量部以下であることがより一層好ましく、55質量部以下であることがさらに一層好ましく、45質量部以下であることが特に一層好ましい。他のマレイミド化合物の含有量が90質量部以下であることにより、ピール強度および低吸水性が向上する傾向にある。
特に、本実施形態における樹脂組成物は、式(1)で表されるビスマレイミド化合物と、式(1-3)で表されるマレイミド化合物の両方を含むことが好ましい。樹脂組成物における、式(1)で表されるビスマレイミド化合物と、式(1-3)で表されるマレイミド化合物の質量比率は、1:0.1~2.0であることが好ましく、1:1.0~2.0であることがより好ましく、1:1.2~1.8であることがさらに好ましく、1:1.4~1.6であることが一層好ましい。このような比率とすることにより、得られるワニスの外観と硬化物の電気特性を高い次元で両立させることができる。
本実施形態における樹脂組成物は、他のマレイミド化合物を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が前記範囲となることが好ましい。
<<エポキシ樹脂>>
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物または樹脂であれば特に限定されない。
エポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、アラルキルノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、多官能フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格変性ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ポリオール型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、グリシジルアミン、グリシジルエステル、ブタジエン等の二重結合をエポキシ化した化合物、水酸基含有シリコーン樹脂類とエピクロロヒドリンとの反応により得られる化合物等が挙げられる。これらの中でも、難燃性および耐熱性をより一層向上する観点から、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、多官能フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂であることが好ましく、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂であることがより好ましい。
エポキシ樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、含有することが好ましい。成形性、密着性の観点から、エポキシ樹脂の含有量の下限値は、エポキシ樹脂を含有する場合、樹脂組成物中の樹脂成分の総量を100質量部としたとき、0.1質量部以上であることが好ましく、1質量部以上であることがより好ましく、2質量部以上であることがさらに好ましい。エポキシ樹脂の含有量が0.1質量部以上であることにより、金属箔(銅箔)ピール強度、靭性が向上する傾向にある。エポキシ樹脂の含有量の上限値は、エポキシ樹脂を含有する場合、樹脂組成物中の樹脂成分の総量を100質量部としたとき、50質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることがさらに好ましく、10質量部以下であることが一層好ましく、8質量部以下であることがより一層好ましい。エポキシ樹脂の含有量が50質量部以下であることにより、電気特性が向上する傾向にある。
本実施形態における樹脂組成物は、エポキシ樹脂を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が前記範囲となることが好ましい。
また、本実施形態における樹脂組成物は、エポキシ樹脂を実質的に含まない構成とすることもできる。実質的に含まないとは、エポキシ樹脂の含有量が樹脂組成物中の樹脂成分の総量100質量部に対し、0.1質量部未満であることをいう。
<<フェノール樹脂>>
フェノール樹脂は、1分子中に2個以上のフェノール性のヒドロキシ基を有する化合物または樹脂であれば特に限定されない。
フェノール樹脂は、例えば、ビスフェノールA型フェノール樹脂、ビスフェノールE型フェノール樹脂、ビスフェノールF型フェノール樹脂、ビスフェノールS型フェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック型フェノール樹脂、グリシジルエステル型フェノール樹脂、アラルキルノボラックフェノール樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、クレゾールノボラック型フェノール樹脂、多官能フェノール樹脂、ナフトール樹脂、ナフトールノボラック樹脂、多官能ナフトール樹脂、アントラセン型フェノール樹脂、ナフタレン骨格変性ノボラック型フェノール樹脂、フェノールアラルキル型フェノール樹脂、ナフトールアラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、脂環式フェノール樹脂、ポリオール型フェノール樹脂、リン含有フェノール樹脂、水酸基含有シリコーン樹脂類等が挙げられる。これらの中でも、耐燃性をより一層向上する観点から、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、ナフトールアラルキル型フェノール樹脂、リン含有フェノール樹脂、および水酸基含有シリコーン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
フェノール樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、含有することが好ましい。フェノール樹脂の含有量は、フェノール樹脂を含有する場合、樹脂組成物中の樹脂成分の総量を100質量部としたとき、0.1質量部以上であることが好ましく、50質量部以下であることが好ましい。
本実施形態における樹脂組成物は、フェノール樹脂を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が前記範囲となることが好ましい。
また、本実施形態における樹脂組成物は、フェノール樹脂を実質的に含まない構成とすることもできる。実質的に含まないとは、フェノール樹脂の含有量が樹脂組成物中の樹脂成分の総量100質量部に対し、0.1質量部未満であることをいう。
<<オキセタン樹脂>>
オキセタン樹脂としては、オキセタニル基を2つ以上有する化合物であれば、特に限定されない。
オキセタン樹脂としては、例えば、オキセタン、アルキルオキセタン(例えば、2-メチルオキセタン、2,2-ジメチルオキセタン、3-メチルオキセタン、3,3-ジメチルオキセタン等)、3-メチル-3-メトキシメチルオキセタン、3,3-ジ(トリフルオロメチル)パーフルオキセタン、2-クロロメチルオキセタン、3,3-ビス(クロロメチル)オキセタン、ビフェニル型オキセタン、OXT-101(東亞合成(株)製品)、OXT-121(東亞合成(株)製品)等が挙げられる。
オキセタン樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、含有することが好ましい。オキセタン樹脂の含有量の下限値は、オキセタン樹脂を含有する場合、樹脂組成物中の樹脂成分の総量を100質量部としたとき、0.1質量部以上であることが好ましく、1質量部以上であることがより好ましく、2質量部以上であることがさらに好ましい。オキセタン樹脂の含有量が0.1質量部以上であることにより、金属箔(銅箔)ピール強度および靭性が向上する傾向にある。オキセタン樹脂の含有量の上限値は、オキセタン樹脂を含有する場合、樹脂組成物中の樹脂成分の総量を100質量部としたとき、50質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることがさらに好ましく、10質量部以下であることが一層好ましく、8質量部以下であることがより一層好ましい。オキセタン樹脂の含有量が50質量部以下であることにより、樹脂組成物の電気特性がより向上する傾向にある。
本実施形態における樹脂組成物は、オキセタン樹脂を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が前記範囲となることが好ましい。
また、本実施形態における樹脂組成物は、オキセタン樹脂を実質的に含まない構成とすることもできる。実質的に含まないとは、オキセタン樹脂の含有量が樹脂組成物中の樹脂成分の総量100質量部に対し、0.1質量部未満であることをいう。
<<ベンゾオキサジン化合物>>
ベンゾオキサジン化合物としては、1分子中に2個以上のジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物であれば特に限定されない。
ベンゾオキサジン化合物としては、例えば、ビスフェノールA型ベンゾオキサジンBA-BXZ(小西化学(株)製品)、ビスフェノールF型ベンゾオキサジンBF-BXZ(小西化学(株)製品)、ビスフェノールS型ベンゾオキサジンBS-BXZ(小西化学(株)製品)等が挙げられる。
ベンゾオキサジン化合物は、本発明の効果を損なわない範囲で、含有することが好ましい。ベンゾオキサジン化合物の含有量は、ベンゾオキサジン化合物を含有する場合、樹脂組成物中の樹脂成分の総量を100質量部としたとき、0.1質量部以上であることが好ましく、50質量部以下であることが好ましい。
本実施形態における樹脂組成物は、ベンゾオキサジン化合物を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が前記範囲となることが好ましい。
また、本実施形態における樹脂組成物は、ベンゾオキサジン化合物を実質的に含まない構成とすることもできる。実質的に含まないとは、ベンゾオキサジン化合物の含有量が樹脂組成物中の樹脂成分の総量100質量部に対し、0.1質量部未満であることをいう。
<<重合可能な不飽和基を有する化合物>>
重合可能な不飽和基を有する化合物としては、特に限定されず、重合可能な不飽和基を2つ以上有する化合物であればよい。
重合可能な不飽和基を有する化合物は、例えば、ビニル化合物(例えば、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル等)、アクリレート類(例えば、メチル(メタ)アクリレート等)、モノまたはポリアルコールの(メタ)アクリレート類(例えば、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等)、エポキシ(メタ)アクリレート類(例えば、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート等)、ベンゾシクロベテン樹脂等が挙げられる。
重合可能な不飽和基を有する化合物は、本発明の効果を損なわない範囲で、含有することが好ましい。重合可能な不飽和基を有する化合物の含有量は、同化合物を含有する場合、樹脂組成物中の樹脂成分の総量を100質量部としたとき、0.1質量部以上であることが好ましく、50質量部以下であることが好ましい。
本実施形態における樹脂組成物は、重合可能な不飽和基を有する化合物を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が前記範囲となることが好ましい。
また、本実施形態における樹脂組成物は、重合可能な不飽和基を有する化合物を実質的に含まない構成とすることもできる。実質的に含まないとは、重合可能な不飽和基を有する化合物の含有量が樹脂組成物中の樹脂成分の総量100質量部に対し、0.1質量部未満であることをいう。
<<炭素-炭素不飽和二重結合(マレイミドを除く)を含有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテル>>
炭素-炭素不飽和二重結合(マレイミドを除く)を含有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテルは、例えば、ポリフェニレンエーテルの末端の全部または一部が、炭素-炭素不飽和二重結合を有する置換基により末端変性された変性物である。炭素-炭素不飽和二重結合を有する置換基としては、マレイミド基以外であれば特に限定されるものではないが、例えば、エチレン性不飽和基が挙げられる。エチレン性不飽和基としては、エテニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基およびオクテニル基等のアルケニル基、シクロペンテニル基およびシクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基、ビニルベンジル基およびビニルナフチル基等のアルケニルアリール基が挙げられ、ビニルベンジル基が好ましい。本明細書にいう「ポリフェニレンエーテル」とは、下記式(X1)で表されるフェニレンエーテル骨格を有する化合物をいう。
Figure 0007363781000011
(式(X1)中、R24、R25、R26、およびR27は、同一または異なってもよく、炭素数6以下のアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、または水素原子を表す。)
変性ポリフェニレンエーテルは、式(X2):
Figure 0007363781000012
(式(X2)中、R28、R29、R30、R34、R35は、同一であっても、異なってもよく、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R31、R32、R33は、同一であっても、異なってもよく、水素原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。)
で表される繰り返し単位、および/または、式(X3):
Figure 0007363781000013
(式(X3)中、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43は、同一であっても、異なってもよく、水素原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。-A-は、炭素数20以下の直鎖状、分岐状または環状の2価の炭化水素基である)で表される繰り返し単位をさらに含んでもよい。
変性ポリフェニレンエーテルは、末端の一部が、エポキシ基、アミノ基、水酸基、メルカプト基、カルボキシ基、およびシリル基等で官能基化された変性ポリフェニレンエーテルを用いることもできる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
変性ポリフェニレンエーテルの製造方法は本発明の効果が得られるものであれば特に限定されない。例えば、ビニルベンジル基で官能基化されたものは、2官能フェニレンエーテルオリゴマーとビニルベンジルクロライドを溶媒に溶解させ、加熱撹拌下で塩基を添加して反応させた後、樹脂を固形化することで製造できる。カルボキシ基で官能基化されたものは、例えばラジカル開始剤の存在下または非存在下において、ポリフェニレンエーテルに不飽和カルボン酸やその官能基化された誘導体を溶融混練し、反応させることによって製造される。あるいは、ポリフェニレンエーテルと不飽和カルボン酸やその官能的誘導体とをラジカル開始剤存在下または非存在下で有機溶媒に溶かし、溶液下で反応させることによって製造される。
変性ポリフェニレンエーテルは、両末端にエチレン性不飽和基を有する変性ポリフェニレンエーテル(以下、「変性ポリフェニレンエーテル(g)」ということがある)を含むものであることが好ましい。エチレン性不飽和基としては、エテニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基およびオクテニル基等のアルケニル基、シクロペンテニル基およびシクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基、ビニルベンジル基およびビニルナフチル基等のアルケニルアリール基が挙げられ、ビニルベンジル基が好ましい。両末端の2つのエチレン性不飽和基は、同一の官能基であってもよいし、異なる官能基であってもよい。
末端にエチレン性不飽和基を有する変性ポリフェニレンエーテル(g)(以下単に、変性ポリフェニレンエーテル(g)と称することがある)として式(G1)で表される構造が挙げられる。
Figure 0007363781000014
(式(G1)中、Xは芳香族基を示し、(Y)mはポリフェニレンエーテル部分を示し、RG1、RG2、RG3はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を示し、mは1~100の整数を示し、nは1~6の整数を示し、qは1~4の整数を示す。好ましくは、RG1、RG2、RG3は水素原子である。)
好ましくは、nは1以上4以下の整数であり、さらに好ましくは、nは1または2であり、一層好ましくは、nは1である。また、好ましくは、qは1以上3以下の整数であり、さらに好ましくは、qは1または2であり、一層好ましくはqは2である。
本実施形態における変性ポリフェニレンエーテル(g)は、式(G2)で表されることが好ましい。
Figure 0007363781000015
ここで、-(O-X-O)-は、式(G3):
Figure 0007363781000016
(式(G3)中、R、R、R、R10、R11は、同一または異なってもよく、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R、R、Rは、同一または異なってもよく、水素原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。)
および/または式(G4):
Figure 0007363781000017
(式(G4)中、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19は、同一または異なってもよく、水素原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。-A-は、炭素数20以下の直鎖状、分岐状または環状の2価の炭化水素基である。)で表されることが好ましい。
また、-(Y-O)-は、式(G5):
Figure 0007363781000018
(式(G5)中、R22およびR23は、同一または異なってもよく、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R20およびR21は、同一または異なってもよく、水素原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。)で表されることが好ましい。
a、bは、少なくともいずれか一方が0でない、0~100の整数を示す。a、bが2以上の整数の場合、-(Y-O)-aまたは-(Y-O)-bは、1種の式(G5)で表される構造が配列していてもよく、2種以上の式(G5)で表される構造がランダムに配列していてもよい。
式(G4)における-A-としては、例えば、メチレン、エチリデン、1-メチルエチリデン、1,1-プロピリデン、1,4-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)、1,3-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)、シクロヘキシリデン、フェニルメチレン、ナフチルメチレン、1-フェニルエチリデン等の2価の有機基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記変性ポリフェニレンエーテル(g)のなかでは、R、R、R、R10、R11、R20、R21が炭素数3以下のアルキル基であり、R、R、R、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R22、R23が水素原子または炭素数3以下のアルキル基であるポリフェニレンエーテルが好ましく、特に式(G3)または式(G4)で表される-(O-X-O)-が、式(9)、式(10)、および/または式(11)であり、式(G5)で表される-(Y-O)-が、式(12)または式(13)であることが好ましい。a、bが2以上の整数の場合、-(Y-O)-aまたは-(Y-O)-bは、式(12)または式(13)が配列した構造か、あるいは式(12)と式(13)がランダムに配列した構造であることが好ましい。
Figure 0007363781000019
Figure 0007363781000020
(式(10)中、R44、R45、R46、R47は、同一でも異なってもよく、水素原子またはメチル基である。-B-は、炭素数20以下の直鎖状、分岐状または環状の2価の炭化水素基である。)
-B-は、式(G4)における-A-の具体例と同じものが具体例として挙げられる。
Figure 0007363781000021
(式(11)中、-B-は、炭素数20以下の直鎖状、分岐状または環状の2価の炭化水素基である。)
-B-は、式(G4)における-A-の具体例と同じものが具体例として挙げられる。
Figure 0007363781000022
Figure 0007363781000023
変性ポリフェニレンエーテルのGPC法によるポリスチレン換算の数平均分子量は、500以上3000以下であることが好ましい。数平均分子量が500以上であることにより、本実施形態に係る樹脂組成物を塗膜とする際にべたつきがより一層抑制される傾向にある。数平均分子量が3000以下であることにより、溶媒への溶解性がより一層向上する傾向にある。
また、変性ポリフェニレンエーテルのGPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量は、800以上10000以下であることが好ましく、800以上5000以下であることがより好ましい。前記下限値以上とすることにより、誘電率および誘電正接がより低くなる傾向にあり、前記上限値以下とすることにより、溶媒への溶解性、低粘度および成形性がより向上する傾向にある。
さらに、変性ポリフェニレンエーテルの末端の炭素-炭素不飽和二重結合当量は、炭素-炭素不飽和二重結合1つあたり400~5000gであることが好ましく、400g~2500gであることがより好ましい。前記下限値以上とすることにより、誘電率および誘電正接がより低くなる傾向にある。前記上限値以下とすることにより、溶媒への溶解性、低粘度および成形性がより向上する傾向にある。
本実施形態における式(2)で表される変性ポリフェニレンエーテルの調製方法(製造方法)は、特に限定されず、例えば、2官能性フェノール化合物と1官能性フェノール化合物とを酸化カップリングして2官能性フェニレンエーテルオリゴマーを得る工程(酸化カップリング工程)と、得られる2官能性フェニレンエーテルオリゴマーの末端フェノール性水酸基をビニルベンジルエーテル化する工程(ビニルベンジルエーテル化工程)とにより製造できる。また、このような変性ポリフェニレンエーテルとしては、例えば、三菱ガス化学(株)製(OPE-2St1200など)を用いることができる。
酸化カップリング工程では、例えば、2官能性フェノール化合物、1官能性フェノール化合物、および触媒を溶媒に溶解させ、加熱撹拌下で酸素を吹き込むことにより2官能性フェニレンエーテルオリゴマーを得ることができる。2官能性フェノール化合物としては、特に限定されず、例えば、2,2’,3,3’,5,5’-ヘキサメチル-(1,1’-ビフェノール)-4,4’-ジオール、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェノール)、4,4’-ジヒドロキシフェニルメタン、および4,4’-ジヒドロキシ-2,2’-ジフェニルプロパンからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。1官能性フェノール化合物としては、特に限定されず、例えば、2,6-ジメチルフェノール、および/または2,3,6-トリメチルフェノールが挙げられる。触媒としては、特に限定されず、例えば、銅塩類(例えば、CuCl、CuBr、CuI、CuCl、CuBr等)、アミン類(例えば、ジ-n-ブチルアミン、n-ブチルジメチルアミン、N,N’-ジ-t-ブチルエチレンジアミン、ピリジン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、ピペリジン、イミダゾール等)等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されず、例えば、トルエン、メタノール、メチルエチルケトン、およびキシレンからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。
ビニルベンジルエーテル化工程では、例えば、酸化カップリング工程により得られた2官能フェニレンエーテルオリゴマーとビニルベンジルクロライドを溶媒に溶解させ、加熱撹拌下で塩基を添加して反応させた後、樹脂を固形化することにより製造できる。ビニルベンジルクロライドとしては、特に限定されず、例えば、o-ビニルベンジルクロライド、m-ビニルベンジルクロライド、およびp-ビニルベンジルクロライドからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。塩基としては、特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキサイド、およびナトリウムエトキサイドからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。ビニルベンジルエーテル化工程では、反応後に残存した塩基を中和するために酸を用いてもよく、酸としては、特に限定されず、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、および硝酸からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。溶媒としては、特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、塩化メチレン、およびクロロホルムからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。樹脂を固形化する方法としては、例えば、溶媒をエバポレーションして乾固させる方法、反応液を貧溶媒と混合し、再沈殿させる方法等が挙げられる。
変性ポリフェニレンエーテルの含有量の下限値は、変性ポリフェニレンエーテルを含有する場合、樹脂組成物中の樹脂成分の総量を100質量部としたとき、1質量部以上であることが好ましく、5質量部以上であることがより好ましく、10質量部以上であることがさらに好ましく、15質量部以上であることが一層好ましく、20質量部以上であることがより一層好ましく、25質量部以上であることがさらに一層好ましい。変性ポリフェニレンエーテルの含有量の上限値は、変性ポリフェニレンエーテルを含有する場合、樹脂組成物中の樹脂成分の総量を100質量部としたとき、90質量部以下であることが好ましく、85質量部以下であることがより好ましく、70質量部以下であることがさらに好ましく、60質量部以下であることが一層好ましい。変性ポリフェニレンエーテルの含有量が前記範囲であることにより、低誘電正接性および反応性がより一層向上する傾向にある。
本実施形態における樹脂組成物は、変性ポリフェニレンエーテルを1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が前記範囲となることが好ましい。
<<エラストマー>>
エラストマーは、特に限定されず、公知のエラストマーを広く用いることができる。
エラストマーとしては、例えば、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレンブタジエン、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンエチレン、スチレンブタジエンスチレン、スチレンイソプレンスチレン、スチレンエチレンブチレンスチレン、スチレンプロピレンスチレン、スチレンエチレンプロピレンスチレン、フッ素ゴム、シリコーンゴム、それらの水添化合物、それらのアルキル化合物、およびそれらの共重合体からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも、電気特性に優れる観点から、スチレンブタジエン、スチレンブタジエンエチレン、スチレンブタジエンスチレン、スチレンイソプレンスチレン、スチレンエチレンブチレンスチレン、スチレンプロピレンスチレン、スチレンエチレンプロピレンスチレン、それらの水添化合物、それらのアルキル化合物、およびそれらの共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、変性ポリフェニレンエーテルとの相溶性により一層優れる観点から、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、およびイソプレンゴムからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
本実施形態におけるエラストマーは、電気特性に優れる観点から、SP値が9(cal/cm1/2以下であることが好ましい。SP値とは、溶解パラメーターと呼ばれるもので、1cmの液体が蒸発するために必要な状発熱の平方根(cal/cm1/2から計算される。一般にこの値が小さいものほど極性が低く、この値が近いほど2成分間の親和性が高いとされ、エラストマーのSP値が9(cal/cm1/2以下であると、高周波用途のプリント配線板に使用される樹脂組成物により一層適した電気特性が得られる。
本実施形態におけるエラストマーは、GPC法によるポリスチレン換算の重量平均分子量が80000以上であり、かつ25℃で固体であれば、プリント配線板用材料(例えば、積層板、金属箔張積層板)等に用いる際、耐クラック性がより一層向上するため好ましい。一方、GPC法によるポリスチレン換算の重量平均分子量が40000以下であり、かつ25℃で液体であれば、フィルムに塗布したものを基板に張り合わせた時の反りが小さくなるため、プリント配線板のビルドアップ材として特に好適となる。
エラストマーは、本発明の効果を損なわない範囲で含有することが好ましい。エラストマーの含有量の下限値は、エラストマーを含有する場合、樹脂組成物中の樹脂成分の総量100質量部に対し、1質量部以上であることが好ましく、3質量部以上であることがより好ましく、5質量部以上であることがさらに好ましい。エラストマーの含有量が5質量部以上であることにより、電気特性がより向上する傾向にある。エラストマーの含有量の上限値は、エラストマーを含有する場合、樹脂組成物中の樹脂成分の総量100質量部に対し、90質量部以下であることが好ましく、80質量部以下であることがより好ましく、70質量部以下であることがさらに好ましく、60質量部以下であることが一層好ましく、50質量部以下であることがより一層好ましい。エラストマーの含有量が20質量部以下であることにより、耐燃焼性が向上する傾向にある。
本実施形態における樹脂組成物は、エラストマーを1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が前記範囲となることが好ましい。
また、本実施形態における樹脂組成物は、エラストマーを実質的に含まない構成とすることもできる。実質的に含まないとは、エラストマーの含有量が樹脂組成物中の樹脂成分の総量100質量部に対し、1質量部未満であることをいう。
<<活性エステル化合物>>
活性エステル化合物は、特に限定されず、例えば、1分子中に2個以上の活性エステル基を有する化合物が挙げられる。
活性エステル化合物は、直鎖状若しくは分岐状または環状の化合物であってもよい。これらの中でも、耐熱性を一層向上させる点から、カルボン酸化合物および/またはチオカルボン酸化合物と、ヒドロキシ化合物および/またはチオール化合物とを反応させることにより得られる活性エステル化合物が好ましく、カルボン酸化合物と、フェノール化合物、ナフトール化合物、およびチオール化合物からなる群より選択される1種以上の化合物とを反応させることにより得られる活性エステル化合物がより好ましく、カルボン酸化合物とフェノール性水酸基を有する芳香族化合物とを反応させることにより得られ、1分子中に2個以上の活性エステル基を有する芳香族化合物がさらに好ましく、2個以上のカルボン酸を1分子中に有する化合物と、フェノール性水酸基を有する芳香族化合物とを反応させることにより得られ、1分子中に2個以上の活性エステル基を有する芳香族化合物が特に好ましい。前記のカルボン酸化合物としては、安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびピロメリット酸からなる群より選ばれる1種以上が挙げられ、これらの中でも、耐熱性をより一層向上させる観点から、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、およびテレフタル酸からなる群より選ばれる1種以上が好ましく、イソフタル酸およびテレフタル酸からなる群より選ばれる1種以上がより好ましい。前記のチオカルボン酸化合物としては、チオ酢酸およびチオ安息香酸からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。前記のフェノール化合物またはナフトール化合物としては、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、カテコール、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフェノール、およびフェノールノボラックからなる群より選ばれる1種以上が挙げられ、耐熱性および溶媒溶解性をより一層向上させる観点から、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、カテコール、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラックが好ましく、カテコール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフェノール、およびフェノールノボラックからなる群より選ばれる1種以上がより好ましく、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ジシクロペンタジエニルジフェノール、およびフェノールノボラックからなる群より選ばれる1種以上がさらに好ましく、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ジシクロペンタジエニルジフェノール、およびフェノールノボラックからなる群より選ばれる1種以上(好ましくジシクロペンタジエニルジフェノールおよびフェノールノボラックからなる群より選ばれる1種以上、より好ましくはジシクロペンタジエニルジフェノール)であることが特に好ましい。前記のチオール化合物としては、ベンゼンジチオールおよびトリアジンジチオールからなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。また、活性エステル化合物は、エポキシ樹脂との相溶性を一層向上させる観点から、2個以上のカルボン酸を1分子中に有し、かつ脂肪族鎖を含む化合物であることが好ましく、耐熱性を一層向上させる観点から、芳香族環を有する化合物であることが好ましい。より具体的な活性エステル化合物としては、特開2004-277460号公報に記載の活性エステル化合物が挙げられる。
活性エステル化合物は市販品を用いてもよく、公知の方法により調製してもよい。市販品としては、ジシクロペンタジエニルジフェノール構造を含有する化合物(例えば、EXB9451、EXB9460、EXB9460S、HPC-8000-65T(いずれもDIC(株)製品)等)、フェノールノボラックのアセチル化物(例えば、DC808(三菱ケミカル(株)製品))、およびフェノールノボラックのベンゾイル化物(例えば、YLH1026、YLH1030、YLH1048(いずれも三菱ケミカル(株)製品))が挙げられ。ワニスの保存安定性、硬化物の低熱膨張率をより一層向上させる観点から、EXB9460Sが好ましい。
活性エステル化合物の調製方法は、公知の方法により調製でき、例えば、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物との縮合反応によって得ることができる。具体例としては、(a)カルボン酸化合物またはそのハライド、(b)ヒドロキシ化合物、(c)芳香族モノヒドロキシ化合物を、(a)のカルボキシ基または酸ハライド基1モルに対して、(b)のフェノール性水酸基0.05~0.75モル、(c)0.25~0.95モルの割合で反応させる方法が挙げられる。
活性エステル化合物は、本発明の効果を損なわない範囲で、含有することが好ましい。活性エステル化合物の含有量は、活性エステル化合物を含有する場合、樹脂組成物中の樹脂成分の総量100質量部に対し、1質量部以上であることが好ましく、90質量部以下であることが好ましい。
本実施形態における樹脂組成物は、活性エステル化合物を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が前記範囲となることが好ましい。
また、本実施形態における樹脂組成物は、活性エステル化合物を実質的に含まない構成とすることもできる。実質的に含まないとは、活性エステル化合物の含有量が樹脂組成物中の樹脂成分の総量100質量部に対し、1質量部未満であることをいう。
本実施形態における樹脂組成物が、後述する充填材(C)を含まない場合あるいは実質的に含まない場合、樹脂成分の合計量は、樹脂組成物の溶媒を除いた成分の70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
本実施形態における樹脂組成物が、後述する充填材(C)を含む場合、樹脂成分の合計量は、樹脂組成物の溶媒を除いた成分の30質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。上限としては、70質量%以下であることが好ましく、65質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましい。
前記いずれの場合においても、樹脂成分の90質量%以上が、シアン酸エステル化合物(A)と、式(1)で表されるビスマレイミド化合物(B)と、他のマレイミド化合物から構成されることが好ましい。
<充填材(C)>
本実施形態に係る樹脂組成物は、低誘電率性、低誘電正接性、耐燃性および低熱膨張性の向上のため、充填材(C)を含むことが好ましい。本実施形態で使用される充填材(C)としては、公知のものを適宜使用することができ、その種類は特に限定されず、当業界において一般に使用されているものを好適に用いることができる。具体的には、天然シリカ、溶融シリカ、合成シリカ、アモルファスシリカ、アエロジル、中空シリカ等のシリカ類、ホワイトカーボン、チタンホワイト、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、凝集窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム加熱処理品(水酸化アルミニウムを加熱処理し、結晶水の一部を減じたもの)、ベーマイト、水酸化マグネシウム等の金属水和物、酸化モリブデンやモリブデン酸亜鉛等のモリブデン化合物、ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛、アルミナ、クレー、カオリン、タルク、焼成クレー、焼成カオリン、焼成タルク、マイカ、E-ガラス、A-ガラス、NE-ガラス、C-ガラス、L-ガラス、D-ガラス、S-ガラス、M-ガラスG20、ガラス短繊維(Eガラス、Tガラス、Dガラス、Sガラス、Qガラス等のガラス微粉末類を含む。)、中空ガラス、球状ガラスなど無機系の充填材の他、スチレン型、ブタジエン型、アクリル型などのゴムパウダー、コアシェル型のゴムパウダー、シリコーンレジンパウダー、シリコーンゴムパウダー、シリコーン複合パウダーなど有機系の充填材などが挙げられる。
これらの中でも、シリカ、水酸化アルミニウム、ベーマイト、酸化マグネシウムおよび水酸化マグネシウムからなる群から選択される1種または2種以上が好適であり、シリカがより好ましい。シリカは、球状のシリカが好ましい。球状シリカは、また、中空シリカであってもよい。
これらの充填材(C)を使用することで、樹脂組成物の熱膨張特性、寸法安定性、難燃性などの特性が向上する。
本実施形態に係る樹脂組成物における充填材(C)の含有量は、所望する特性に応じて適宜設定することができ、特に限定されないが、樹脂組成物中の樹脂成分の総量を100質量部とした場合、10質量部以上であることが好ましく、20質量部以上であることがより好ましく、30質量部以上であることがさらに好ましく、50質量部以上であることが一層好ましく、75質量部以上であることがより一層好ましい。上限値としては、1600質量部以下であることが好ましく、1200質量部以下であることがより好ましく、1000質量部以下であることがさらに好ましく、750質量部以下であることが一層好ましく、500質量部以下であることがより一層好ましく、300質量部以下であることがさらに一層好ましく、250質量部以下であることがよりさらに一層好ましく、200質量部以下であってもよい。
本実施形態における樹脂組成物は、充填材(C)を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が前記範囲となることが好ましい。
一方、本実施形態では、樹脂組成物が、前記充填材(C)を実質的に含まない構成であってもよい。実質的に含まないとは、充填材(C)の含有量が、樹脂成分の含有量の1質量%未満であることをいい、0.1質量%以下であることが好ましい。
ここで充填材(C)を使用するにあたり、シランカップリング剤および/または湿潤分散剤を併用することが好ましい。シランカップリング剤としては、一般に無機物の表面処理に使用されているものを好適に用いることができ、その種類は特に限定されない。具体的には、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン系、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシシラン系、γ-メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルートリ(β-メトキシエトキシ)シランなどのビニルシラン系、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩などのカチオニックシラン系、フェニルシラン系などが挙げられる。シランカップリング剤は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、湿潤分散剤としては、一般に塗料用に使用されているものを好適に用いることができ、その種類は特に限定されない。好ましくは、共重合体ベースの湿潤分散剤が使用され、その具体例としては、ビックケミー・ジャパン(株)製のDisperbyk-110、111、161、180、2009、2152、BYK-W996、BYK-W9010、BYK-W903、BYK-W940などが挙げられる。湿潤分散剤は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤の含有量は、特に限定されず、樹脂組成物中の樹脂成分の総量100質量部に対して、1~5質量部程度であってもよい。分散剤(特に湿潤分散剤)の含有量は、特に限定されず、樹脂組成物中の樹脂成分の総量100質量部に対して、例えば、0.5~5質量部程度であってもよい。
<硬化促進剤>
本実施形態に係る樹脂組成物は、硬化促進剤をさらに含んでもよい。硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、トリフェニルイミダゾール等のイミダゾール類;過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、ジ-tert-ブチル-ジ-パーフタレートなどの有機過酸化物;アゾビスニトリルなどのアゾ化合物;N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジメチルトルイジン、2-N-エチルアニリノエタノール、トリ-n-ブチルアミン、ピリジン、キノリン、N-メチルモルホリン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、テトラメチルブタンジアミン、N-メチルピペリジンなどの第3級アミン類;フェノール、キシレノール、クレゾール、レゾルシン、カテコールなどのフェノール類;ナフテン酸鉛、ステアリン酸鉛、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、オクチル酸マンガン、オレイン酸錫、ジブチル錫マレート、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸コバルト、アセチルアセトン鉄などの有機金属塩;これら有機金属塩をフェノール、ビスフェノールなどの水酸基含有化合物に溶解してなるもの;塩化錫、塩化亜鉛、塩化アルミニウムなどの無機金属塩;ジオクチル錫オキサイド、その他のアルキル錫、アルキル錫オキサイドなどの有機錫化合物;などが挙げられる。
好ましい硬化促進剤は、イミダゾール類および有機金属塩であり、イミダゾール類および有機金属塩の両方を組み合わせて用いることがより好ましい。
硬化促進剤の含有量は、硬化促進剤を含有する場合、その下限値は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量100質量部に対し、0.005質量部以上であることが好ましく、0.01質量部以上であることがより好ましく、0.1質量部以上であることがさらに好ましい。また、前記硬化促進剤の含有量の上限値は、樹脂組成物中の樹脂成分の総量100質量部に対し、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、2質量部以下であることがさらに好ましい。
硬化促進剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上用いる場合は、合計量が前記範囲となる。
<溶媒>
本実施形態に係る樹脂組成物は、溶媒を含有してもよく、有機溶媒を含有することが好ましい。この場合、本実施形態に係る樹脂組成物は、上述した各種樹脂成分の少なくとも一部、好ましくは全部が溶媒に溶解または相溶した形態(溶液またはワニス)である。溶媒としては、上述した各種樹脂成分の少なくとも一部、好ましくは全部を溶解または相溶可能な極性有機溶媒または無極性有機溶媒であれば特に限定されず、極性有機溶媒としては、例えば、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、セロソルブ類(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等)、エステル類(例えば、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、ヒドロキシイソ酪酸メチル等)アミド類(例えば、ジメトキシアセトアミド、ジメチルホルムアミド類等)が挙げられ、無極性有機溶媒としては、芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレン等)が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂組成物が溶媒を含有する場合、その含有量は特に定めるものではないが、例えば、樹脂組成物の1質量%以上とすることができ、10質量%以上であってもよく、30質量%以上、40質量%以上であってもよい。また、上限値としては、99質量%以下とすることができ、80質量%以下であってもよく、70質量%以下、60質量%以下であってもよい。
溶媒は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上用いる場合は、合計量が前記範囲となる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、樹脂組成物中の固形分量が10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましく、30質量%以上であることが一層好ましく、40質量%以上、50質量%以上であってもよい。また、前記孤影分量の上限は、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることがさらに好ましく、60質量%以下であってもよい。
尚、固形分とは、樹脂組成物中、溶媒を除いた成分をいう。
<その他の成分>
本実施形態に係る樹脂組成物は、前記の成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲で、熱可塑性樹脂、およびそのオリゴマー等の種々の高分子化合物、各種添加剤を含有してもよい。添加剤としては、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤、光増感剤、染料、顔料、増粘剤、流動調整剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、光沢剤、重合禁止剤等が挙げられる。これらの添加剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本実施形態に係る樹脂組成物は、難燃剤を実質的に含まない構成とすることもできる。実質的に含まないとは、難燃剤の含有量が、樹脂組成物の総量100質量部に対して0.01質量部未満であることをいい、0質量部であることが好ましい。本実施形態における樹脂組成物は、難燃剤を実質的に含まない構成としても、高い難燃性を維持できる点で価値がある。具体的には、本実施形態における樹脂組成物は、UL(Underwriters Laboratories Inc.)規格における、0.8mm(さらには0.4mm)の厚さに成形した材料(プリント配線板など)の難燃性をV-0とすることができる。難燃性は、後述する実施例の記載に従って測定される。
<樹脂組成物の具体的な形態>
以下に、本実施形態のより具体的な形態を述べる。本実施形態はこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。
本実施形態に係る樹脂組成物の第一の具体例は、樹脂組成物中の固形分が、90質量%以上(好ましくは95質量%以上)の樹脂成分を含む形態である。本実施形態において、樹脂成分は、シアン酸エステル化合物(A)と、式(1)で表されるビスマレイミド化合物(B)と、他のマレイミド化合物を含むことが好ましい。
第一の具体例の樹脂組成物は、0.8mm厚に成形した試験片の10GHzにおける誘電率(Dk)を3.0以下とすることができ、2.8以下とすることもできる。前記誘電率の下限値は、0が理想であるが、2.0以上が実際的である。また、第一の具体例の樹脂組成物は、0.8mm厚に成形した試験片の10GHzにおける誘電正接(Df)を0.0050以下とすることができ、0.0045未満とすることもでき、0.0044以下とすることもできる。前記誘電率の下限値は、0が理想であるが、0.0020以上が実際的である。誘電率および誘電正接は、後述する実施例に記載の方法で測定される。
第一の具体例の樹脂組成物は、0.8mm厚に成形した試験片の1%質量減少温度を370℃以上とすることができ、380℃以上とすることもできる。前記1%質量減少温度の上限値は、特に定めるものではないが、420℃以下が実際的である。
第一の具体例の樹脂組成物は、0.8mm厚に成形した試験片の450℃における質量減少率を19.0%以下とすることができ、18.0%以下とすることもできる。前記450℃における質量減少率の下限値は、0%が理想であるが、10%以上が実際的である。
本実施形態に係る樹脂組成物の第二の具体例は、樹脂組成物中の固形分が、5~70質量%(好ましくは20~60質量%)の樹脂成分と、95~30質量%(好ましくは80~40質量%)の充填材を含む形態である。本実施形態において、樹脂成分は、シアン酸エステル化合物(A)と、式(1)で表されるビスマレイミド化合物(B)と、他のマレイミド化合物を含むことが好ましい。充填材は、球状シリカが好ましい。
<樹脂組成物の製造方法>
本実施形態に係る樹脂組成物の製造方法は、シアン酸エステル化合物(A)と、式(1)で表されるビスマレイミド化合物(B)を含有する樹脂組成物の製造方法であって、シアン酸エステル化合物(A)とビスマレイミド化合物(B)と溶媒を混合することを含み、前記ビスマレイミド化合物(B)の含有量が、樹脂組成物の0.1~30質量%(好ましくは、0.1~20質量%)である。
このように、ビスマレイミド化合物(B)の含有量を前記範囲とすることにより、適切に溶媒に溶解させることが可能となり、ワニスの外観、さらには、プリプレグとしたときの外観をより向上させることが可能になる。特に、式(1)で表されるビスマレイミド化合物として、上述の式(1-2)で表されるビスマレイミド化合物を用いることにより、前記外観をより向上させることができる。
さらに、本実施形態に係る樹脂組成物の製造方法は、ビスマレイミド化合物(B)以外のマレイミド化合物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、オキセタン樹脂、ベンゾオキサジン化合物、重合可能な不飽和基を有する化合物、炭素-炭素不飽和二重結合(マレイミドを除く)を含有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテル、エラストマーおよび活性エステル化合物よりなる群から選択される1種以上をさらに含有することが好ましく、ビスマレイミド化合物(B)以外のマレイミド化合物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、オキセタン樹脂、ベンゾオキサジン化合物、および重合可能な不飽和基を有する化合物よりなる群から選択される1種以上をさらに含有することがより好ましい。このような他の樹脂成分を配合することにより、前記外観をより向上させつつ、他の特性もより良好なものとすることができる。
<用途>
本実施形態に係る樹脂組成物は、硬化物として用いられる。具体的には、本実施形態に係る樹脂組成物は、低誘電率材料および/または低誘電正接材料として、プリント配線板の絶縁層、半導体パッケージ用材料として好適に用いることができる。本実施形態に係る樹脂組成物は、プリプレグ、プリプレグを用いた金属箔張積層板、樹脂シート、およびプリント配線板を構成する材料として好適に用いることができる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、プリント配線板の絶縁層、プリプレグ、樹脂シート等の層状(フィルム状、シート状等を含む趣旨である)の成形品の材料として用いられるが、かかる層状の成形品としたとき、その厚さは、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。成形品の厚さの上限値としては、200μm以下であることが好ましく、180μm以下であることがより好ましい。尚、前記層状の成形品の厚さは、例えば、本実施形態に係る樹脂組成物をガラスクロス等の基材に含浸させたものである場合、基材を含む厚さを意味する。
本実施形態に係る樹脂組成物から形成される材料は、露光現像してパターンを形成する用途に用いてもよいし、露光現像しない用途に用いてもよい。特に、露光現像しない用途に適している。
<<プリプレグ>>
本実施形態のプリプレグは、基材(プリプレグ基材)と、本実施形態に係る樹脂組成物から形成される。本実施形態のプリプレグは、例えば、本実施形態に係る樹脂組成物を基材に適用(例えば、含浸または塗布)させた後、加熱(例えば、120~220℃で2~15分乾燥させる方法等)によって半硬化させることにより得られる。この場合、基材に対する樹脂組成物(樹脂組成物の硬化物も含む)の付着量、すなわち半硬化後のプリプレグの総量に対する樹脂組成物量(充填材を含む)は、20~99質量%の範囲であることが好ましい。
基材としては、各種プリント配線板材料に用いられている基材であれば特に限定されない。基材の材質としては、例えば、ガラス繊維(例えば、Eガラス、Dガラス、Lガラス、Sガラス、Tガラス、Qガラス、UNガラス、NEガラス、球状ガラス等)ガラス以外の無機繊維(例えば、クォーツ等)、有機繊維(例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、液晶ポリエステル等)が挙げられる。基材の形態としては、特に限定されず、織布、不織布、ロービング、チョップドストランドマット、サーフェシングマット等の層状の繊維から構成される基材が挙げられる。特に、ガラスクロス等の長繊維から構成される基材が好ましい。ここで、長繊維とは、例えば、数平均繊維長が6mm以上のものをいう。これらの基材は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの基材の中でも、寸法安定性の観点から、超開繊処理、目詰め処理を施した織布が好ましく、吸湿耐熱性の観点から、エポキシシラン処理、アミノシラン処理などのシランカップリング剤等により表面処理したガラス織布が好ましく、電気特性の観点から、L-ガラスやNE-ガラス、Q-ガラス等の低誘電率性、低誘電正接性を示すガラス繊維からなる、低誘電ガラスクロスが好ましい。基材の厚みは、特に限定されず、例えば、0.01~0.19mm程度であってもよい。
<<金属箔張積層板>>
本実施形態の金属箔張積層板は、少なくとも1枚の本実施形態のプリプレグから形成された層と、前記プリプレグから形成された層の片面または両面に配置された金属箔とを含む。本実施形態の金属箔張積層板は、例えば、本実施形態のプリプレグを少なくとも1枚配置し(好ましくは2枚以上重ね)、その片面または両面に金属箔を配置して積層成形する方法で作製できる。より詳細には、プリプレグの片面または両面に銅、アルミニウム等の金属箔を配置して積層成形することにより作製できる。プリプレグの枚数としては、1~10枚が好ましく、2~10枚がより好ましく、2~7枚がさらに好ましい。金属箔としては、プリント配線板用材料に用いられるものであれば特に限定されないが、例えば、圧延銅箔、電解銅箔等の銅箔が挙げられる。金属箔(銅箔)の厚さは、特に限定されず、1.5μm以上、さらには、2~70μm程度であってもよい。成形方法としては、プリント配線板用積層板および多層板を成形する際に通常用いられる方法が挙げられ、より詳細には多段プレス機、多段真空プレス機、連続成形機、オートクレーブ成形機等を使用して、温度180~350℃程度、加熱時間100~300分程度、面圧20~100kg/cm程度で積層成形する方法が挙げられる。また、本実施形態のプリプレグと、別途作製した内層用の配線板(内層回路板ともいう)とを組み合わせて積層成形することにより、多層板とすることもできる。多層板の製造方法としては、例えば、本実施形態のプリプレグ1枚の両面に35μm程度の金属箔(銅箔)を配置し、前記の成形方法にて積層形成した後、内層回路を形成し、この回路に黒化処理を実施して内層回路板を形成し、この後、この内層回路板と本実施形態のプリプレグとを交互に1枚ずつ配置し、さらに最外層に金属箔(銅箔)を配置して、前記条件にて好ましくは真空下で積層成形することにより、多層板を作製することができる。本実施形態の金属箔張積層板は、プリント配線板として好適に使用することができる。
<<プリント配線板>>
本実施形態のプリント配線板は、絶縁層と、前記絶縁層の表面に配置された導体層とを含むプリント配線板であって、前記絶縁層が、本実施形態に係る樹脂組成物から形成された層および本実施形態のプリプレグから形成された層の少なくとも一方を含む。このようなプリント配線板は、常法に従って製造でき、その製造方法は特に限定されない。以下、プリント配線板の製造方法の一例を示す。まず上述した銅箔張積層板等の金属箔張積層板を用意する。次に、金属箔張積層板の表面にエッチング処理を施して内層回路の形成を行い、内層基板を作製する。この内層基板の内層回路表面に、必要に応じて接着強度を高めるための表面処理を行い、次いでその内層回路表面に上述したプリプレグを所要枚数重ね、さらにその外側に外層回路用の金属箔を積層し、加熱加圧して一体成形する。このようにして、内層回路と外層回路用の金属箔との間に、基材および熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる絶縁層が形成された多層の積層板が製造される。次いで、この多層の積層板にスルーホールやバイアホール用の穴あけ加工を施した後、この穴の壁面に内層回路と外層回路用の金属箔とを導通させるめっき金属皮膜を形成し、さらに外層回路用の金属箔にエッチング処理を施して外層回路を形成することで、プリント配線板が製造される。
前記の製造例で得られるプリント配線板は、絶縁層と、この絶縁層の表面に形成された導体層とを有し、絶縁層が上述した本実施形態に係る樹脂組成物を含む構成となる。すなわち、上述した本実施形態のプリプレグ(例えば、基材およびこれに含浸または塗布された本実施形態に係る樹脂組成物から形成されたプリプレグ)、上述した本実施形態に係る金属箔張積層板における、樹脂組成物から形成された層が、本実施形態の絶縁層となる。
<<樹脂シート>>
本実施形態の樹脂シートは、支持体と、前記支持体の表面に配置された本実施形態に係る樹脂組成物から形成された層を含む。樹脂シートは、ビルドアップ用フィルムまたはドライフィルムソルダーレジストとして使用することができる。樹脂シートの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、前記の本実施形態に係る樹脂組成物を溶媒に溶解させた溶液を支持体に塗布(塗工)し乾燥することで樹脂シートを得る方法が挙げられる。
ここで用いる支持体としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体フィルム、並びにこれらのフィルムの表面に離型剤を塗布した離型フィルム、ポリイミドフィルム等の有機系のフィルム基材、銅箔、アルミ箔等の導体箔、ガラス板、SUS板、FRP等の板状のものが挙げられるが、特に限定されるものではない。
塗布方法(塗工方法)としては、例えば、本実施形態に係る樹脂組成物を溶媒に溶解させた溶液を、バーコーター、ダイコーター、ドクターブレード、ベーカーアプリケーター等で支持体上に塗布する方法が挙げられる。また、乾燥後に、支持体と樹脂組成物が積層された樹脂シートから支持体を剥離またはエッチングすることで、単層シートとすることもできる。なお、前記本実施形態に係る樹脂組成物を溶媒に溶解させた溶液を、シート状のキャビティを有する金型内に供給し乾燥する等してシート状に成形することで、支持体を用いることなく単層シートを得ることもできる。
なお、本実施形態の単層シートまたは樹脂シートの作製において、溶媒を除去する際の乾燥条件は、特に限定されないが、低温であると樹脂組成物中に溶媒が残り易く、高温であると樹脂組成物の硬化が進行することから、20℃~200℃の温度で1~90分間が好ましい。また、単層シートまたは樹脂シートにおいて、樹脂組成物は溶媒を乾燥しただけの未硬化の状態で使用することもできるし、必要に応じて半硬化(Bステージ化)の状態にして使用することもできる。さらに、本実施形態の単層または樹脂シートの樹脂層の厚みは、本実施形態に係る樹脂組成物の溶液の濃度と塗布厚みにより調整することができ、特に限定されないが、一般的には塗布厚みが厚くなると乾燥時に溶媒が残り易くなることから、0.1~500μmが好ましい。
<誘電率および/または誘電正接の低下剤>
本実施形態の誘電率および/または誘電正接の低下剤は、式(1)で表されるビスマレイミド化合物(B)を含む。式(1)で表されるビスマレイミド化合物を、シアン酸エステル化合物(A)やビスマレイミド化合物(B)以外のマレイミド化合物、その他の樹脂成分に配合することにより、樹脂組成物の誘電率および/または誘電正接を低下することが可能になる。特に、本実施形態の誘電率および/または誘電正接の低下剤は、誘電正接低下剤として効果的である。式(1)で表されるビスマレイミド化合物の好ましい範囲は、上述と同様である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
<合成例1 ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物(SNCN)の合成>
1-ナフトールアラルキル樹脂(新日鉄住金化学株式会社製)300g(OH基換算1.28mol)およびトリエチルアミン194.6g(1.92mol)(ヒドロキシ基1molに対して1.5mol)をジクロロメタン1800gに溶解させ、これを溶液1とした。
塩化シアン125.9g(2.05mol)(ヒドロキシ基1molに対して1.6mol)、ジクロロメタン293.8g、36%塩酸194.5g(1.92mol)(ヒドロキシ基1モルに対して1.5モル)、水1205.9gを、撹拌下、液温-2~-0.5℃に保ちながら、溶液1を30分かけて注下した。溶液1注下終了後、同温度にて30分撹拌した後、トリエチルアミン65g(0.64mol)(ヒドロキシ基1molに対して0.5mol)をジクロロメタン65gに溶解させた溶液(溶液2)を10分かけて注下した。溶液2注下終了後、同温度にて30分撹拌して反応を完結させた。
その後反応液を静置して有機相と水相を分離した。得られた有機相を水1300gで5回洗浄した。水洗5回目の廃水の電気伝導度は5μS/cmであり、水による洗浄により、除けるイオン性化合物は十分に除けられたことを確認した。
水洗後の有機相を減圧下で濃縮し、最終的に90℃で1時間濃縮乾固させて目的とするナフトールアラルキル型のシアン酸エステル化合物(SNCN)(橙色粘性物)を331g得た。得られたSNCNの質量平均分子量は600であった。また、SNCNのIRスペクトルは2250cm-1(シアン酸エステル基)の吸収を示し、且つ、ヒドロキシ基の吸収は示さなかった。得られたSNCNのシアネート基の当量は、256g/eqであった。
<合成例2 ビスマレイミド化合物(BMI-Bisanilin-M)の合成>
撹拌機、窒素導入管、ディーンスターク、冷却器および温度計を備えたフラスコに、17.23g(50.0mmol)の東京化成工業社製の1,3-ビス[2-(4-アミノフェニル)-2-プロピル]ベンゼン、および溶媒としてN,N-ジメチルホルムアミド120.0gを装入し、窒素ガスを通じながら撹拌溶解した。この溶液に、10.8g(110mmol)の無水マレイン酸を加え、室温にて一晩撹拌した。その後、触媒としてp-トルエンスルホン酸一水和物0.951g(5.00mmol)および脱水共沸溶媒としてトルエン60gを装入し、共沸撹拌を6時間実施した。この際、トルエンと水との蒸発が生じ、それらの一部は冷却器にて凝縮した。ディーンスタークにトラップされた水とトルエンとを分離した後、トルエンのみ系内に還流し、一部は窒素ガスの流通により、冷却管上部から系外へ留去した。
反応混合物を冷却後、エバポレーターにてトルエンを留去した。その後、得られた溶液を1質量%重曹水に投入して過剰に用いた無水マレイン酸およびp-トルエンスルホン酸を除去した。得られた粗生成物をN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、メタノールを加えて再沈殿させ、析出物を濾取・乾燥した。この操作を3回繰り返し、4,4’-ビスマレイミドジフェニルエーテルを得た(収率70%)。
得られたBMI-Bisanilin-Mのマレイミド基の当量は、252.3g/eqであった。
Figure 0007363781000024
<合成例3 ビスマレイミド化合物(BMI-Bisanilin-P)の合成>
撹拌機、窒素導入管、ディーンスターク、冷却器および温度計を備えたフラスコに、17.23g(50.0mmol)の東京化成工業社製の1,4-ビス[2-(4-アミノフェニル)-2-プロピル]ベンゼン、および溶媒としてN,N-ジメチルホルムアミド120.0gを装入し、窒素ガスを通じながら撹拌溶解した。この溶液に、10.8g(110mmol)の無水マレイン酸を加え、室温にて一晩撹拌した。その後、触媒としてp-トルエンスルホン酸一水和物0.951g(5.00mmol)および脱水共沸溶媒としてトルエン60gを装入し、共沸撹拌を6時間実施した。この際、トルエンと水との蒸発が生じ、それらの一部は冷却器にて凝縮した。ディーンスタークにトラップされた水とトルエンとを分離した後、トルエンのみ系内に還流し、一部は窒素ガスの流通により、冷却管上部から系外へ留去した。
反応混合物を冷却後、エバポレーターにてトルエンを留去した。その後、得られた溶液を1質量%重曹水に投入して過剰に用いた無水マレイン酸およびp-トルエンスルホン酸を除去した。得られた粗生成物をN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、メタノールを加えて再沈殿させ、析出物を濾取・乾燥した。この操作を3回繰り返し、4,4’-ビスマレイミドジフェニルエーテルを得た(収率70%)。
得られたBMI-Bisanilin-Pの官能基当量は、252.3g/eqであった。
Figure 0007363781000025
<実施例1>
合成例1で得られたSNCN50質量部、合成例2で得られたBMI-Bisanilin-M20質量部、ビフェニルアラルキル型ポリマレイミド化合物(「MIR-3000」、日本化薬社製、マレイミド基の当量は275g/eq)30質量部、TPIZ(2,4,5-トリフェニルイミダゾール、硬化促進剤)0.5質量部、オクチル酸亜鉛(「Oct-Zn」、日本化学産業社製、硬化促進剤)0.10質量部を、メチルエチルケトンを溶媒として用いて、固形分濃度50質量%となるよう溶解させて混合し、ワニスを得た。なお、前記各成分の含有量は、固形分量を示す。得られたワニスの外観を後述の方法に従って評価した。
得られたワニスからメチルエチルケトンを蒸発留去することで混合樹脂粉末を得た。混合樹脂粉末を1辺100mm、厚さ0.8mmの型に充填し、圧力40kg/cm、温度230℃で120分間真空プレスを行い、1辺100mm、厚さ0.8mmの硬化物の試験片を得た。
得られた0.8mm厚の試験片について、以下の方法に従って吸水率、電気特性(DkおよびDf)、加熱減量を測定した。
<<ワニス外観>>
得られたワニスについて、外観を目視にて以下の通り評価した。評価A~Cが実用レベルである。
A:均一で析出物が認められなかった。
B:均一で殆ど析出物が認められなかった。
C:やや不均一であり、析出物が多少認められた。
D:不均一であり、析出物が多く認められた。
<<吸水率>>
得られた0.8mm厚の試験片を用い、JIS C6481に準じて、プレッシャークッカー(PCT)試験機を用いて、120℃、0.1MPa、5時間水蒸気処理した後の重量変化から、吸水率を算出した。ただし、JIS C6481において、サンプルサイズは、0.8mm厚の試験片を30mm×30mmに変更した。
プレッシャークッカー試験機は、平山製作所(株)製品、PC-3型を用いた。
結果を下記表1に示す。
<<電気特性(DkおよびDf)>>
得られた0.8mm厚の試験片について、摂動法空洞共振器を用いて、10GHzにおける誘電率(Dk)および誘電正接(Df)を測定した。
摂動法空洞共振器は、アジレントテクノロジー(株)製品、Agilent8722ESを用いた。
結果を下記表1に示す。
<<加熱減量>>
熱重量測定装置を用いて、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分の条件で硬化物の熱重量分析を行った。
熱重量測定装置は、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製「TGA5200」を用いた。
結果を下記表1に示す。
<実施例2>
実施例1において、BMI-Bisanilin-Mを、等量の合成例3で得られたBMI-Bisanilin-Pに変更し、他は同様に行った。結果を下記表1に示す。
<比較例1>
実施例1において、BMI-Bisanilin-Mを使用せず、MIR-3000の含有量を50質量部とした他は、同様に行った。結果を下記表1に示す。
<比較例2>
実施例1において、SNCNおよびMIR-3000を使用せず、BMI-Bisanilin-Mの含有量を100質量部とした他は、同様に行った。結果を下記表1に示す。
<比較例3>
実施例1において、SNCN、MIR-3000およびBMI-Bisanilin-Mを使用せず、BMI-Bisanilin-Pの含有量を100質量部とした他は、同様に行った。結果を下記表1に示す。
Figure 0007363781000026
前記結果から明らかなとおり、実施例1および2の樹脂組成物は、比較例1と同等の、良好なワニス外観、低吸水率を維持しつつ、さらに、比較例1と比較して、加熱減量が少なくなり、さらに、電気特性が向上した。特に、Dfが顕著に低下していた。比較例2および比較例3では、ワニス外観がDとなり、実用上使用できない結果となった。
<実施例3>
合成例1で得られたSNCN50質量部、合成例2で得られたBMI-Bisanilin-M20質量部、ビフェニルアラルキル型ポリマレイミド化合物(「MIR-3000」、日本化薬社製)30質量部、球状シリカ(SC2050-MB、(株)アドマテックス製、平均粒子径0.5μm)100質量部、TPIZ(2,4,5-トリフェニルイミダゾール、硬化促進剤)0.5質量部、オクチル酸亜鉛(「Oct-Zn」、日本化学産業社製、硬化促進剤)0.10質量部を、メチルエチルケトンを溶媒に用いて固形分濃度50質量%となるように溶解させて混合し、ワニスを得た。なお、前記の各含有量は、固形分量を示す。得られたワニスの外観を後述の方法に従って評価した。
この得られたワニスを厚さ0.1mmのEガラスクロスに含浸塗工し、乾燥機(耐圧防爆型スチーム乾燥機、(株)高杉製作所製))を用いて165℃、5分加熱乾燥し、樹脂組成物50質量%、ガラスクロス50質量%のプリプレグを得た。得られたプリプレグの外観を後述の方法に従って評価した。
得られたプリプレグを4枚または8枚重ねた状態で、両面に12μm銅箔(3EC-M3-VLP、三井金属鉱業(株)製)を配置し、圧力40kg/cm、温度220℃で120分間真空プレスを行い、厚さ0.4mmおよび0.8mmの銅箔張積層板を得た。
得られた銅箔張積層板について、ピール強度、曲げ物性、吸水率、電気特性(DkおよびDf)、ガラス転移温度、難燃性、熱膨張率、加熱減量および熱伝導率を測定した。
<<ワニス外観>>
得られたワニスについて、外観を目視にて以下の通り評価した。評価A~Cが実用レベルである。
A:均一で析出物が認められなかった。
B:均一で殆ど析出物が認められなかった。
C:やや不均一であり、析出物が多少認められた。
D:不均一であり、析出物が多く認められた。
<<プリプレグ外観>>
得られたプリプレグについて、外観を目視にて以下の通り評価した。評価A~Cが実用レベルである。
A:均一で析出物が認められなかった。
B:均一で殆ど析出物が認められなかった。
C:やや不均一であり、析出物が多少認められた。
D:不均一であり、析出物が多く認められた。
<<ピール強度>>
前記で得られた0.8mm厚の銅箔張積層板をカットした試験片(30mm×150mm×厚さ0.8mm)を用い、JIS C6481のプリント配線板用銅張積層板試験方法(5.7 引き剥がし強さ参照。)に準じて、銅箔の引き剥がし強度を3回測定し、下限値の平均値を測定値とした。結果を表2に示す。
<<曲げ物性>>
前記で得られた0.8mm厚の銅箔張積層板の表層にある銅箔をエッチングにより除去し、JIS K6911に準じてオートグラフ試験機を用いて、試験片の両端部分を支点で支えて両端支持ばりとし、その中央部に上部から集中荷重を加えたときの最大曲げ応力を測定し、曲げ強度を得た。
また、銅箔張積層板の銅箔を除去した試験片を使用し、JIS K6911に準じてオートグラフ試験機を用いて、弾性限度内の荷重たわみ曲線の直線部における曲げ応力に対する試験片の変形抵抗度を単位ひずみ当たりの曲げ応力で測定し、曲げ弾性率を得た。
オートグラフ試験機は、(株)島津製作所製AG-Xplusを用いた。
結果を表2に示す。
<<吸水率>>
得られた0.8mm厚の銅箔張積層板を30mm×30mmにカットしたサンプルを、JIS C6481に準拠して、プレッシャークッカー(PCT)試験機を用いて、120℃、0.1MPa、5時間処理した後の重量変化から、吸水率を算出した。
プレッシャークッカー試験機は、平山製作所(株)製品、PC-3型を用いた。
結果を表2に示す。
<<電気特性>>
得られた厚さ0.4mm厚および0.8mmm厚の銅箔張積層板の銅箔をエッチングにより除去したサンプルを用いて、2GHzおよび10GHzにおける誘電率(Dk)および誘電正接(Df)をそれぞれ測定した。
摂動法空洞共振器は、アジレントテクノロジー(株)製品、Agilent8722ESを用いた。
結果を表2に示す。
<<ガラス転移温度>>
ガラス転移温度(Tg)は、得られた0.8mm厚の銅箔張積層板の両面の銅箔をエッチングにより除去した後に、JIS C6481に準拠して動的粘弾性分析装置でDMA(Dynamic Mechanical Analysis)法により測定した。下記表2において、E''は、損失弾性率を、tanδは損失正接を示す。
動的粘弾性分析装置は、TAインスツルメント製のものを用いた。
結果を表2に示す。
<<難燃性>>
各実施例および比較例で得られた金属箔張積層板の両面の銅箔をエッチングにより除去した。次に両面の銅箔を除去した試料を用いて、UL94垂直燃焼試験法に準拠して難燃性試験を実施した。
結果を表2に示す。
<<熱膨張率>>
得られた厚さ0.8mmの銅箔張積層板の銅箔をエッチングにより除去したサンプルを用いて、JlS C 6481に規定されるTMA法(Thermo-mechanical analysis)により積層板の絶縁層についてガラスクロスの熱膨張率(x方向、y方向およびz方向)を測定し、その値を求めた。具体的には、前記で得られた銅箔張積層板の両面の銅箔をエッチングにより除去した後に、4.5mm×16mmの評価基板を作製し、熱機械分析装置(TAインスツルメント製)で40℃から340℃まで毎分10℃で昇温し、60℃から120℃における、x方向、y方向およびz方向の熱膨張率(ppm/K)をそれぞれ測定した。
結果を表2に示す。
<<加熱減量>>
熱重量測定装置を用いて、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分の条件で、得られた厚さ0.8mmの銅箔張積層板の銅箔をエッチングにより除去したサンプルの熱重量分析を行った。
熱重量測定装置は、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製「TGA5200」を用いた。
結果を表2に示す。
<<熱伝導率>>
各実施例および比較例で得られた銅箔張積層板の密度および比熱を測定した。
比熱は、TAインスツルメント製品のQ100型DSCにより測定した。
また、前記の銅箔張積層板の厚さ方向における銅箔張積層板の熱拡散率を測定した。
熱拡散率は、キセノンフラッシュアナライザ(Bruker:LFA447Nanoflash)により測定した。熱伝導率は下記式により算出した。
熱伝導率(W/m・K)
=密度(kg/m)×比熱(kJ/kg・K)×熱拡散率(m/S)×1000
結果を表2に示す。
<実施例4>
実施例3において、BMI-Bisanilin-Mを、等量の合成例3で得られたBMI-Bisanilin-Pに変更し、他は同様に行った。結果を下記表2に示す。
<比較例4>
実施例3において、BMI-Bisanilin-Mを使用せず、MIR-3000の含有量を50質量部とした他は、同様に行った。結果を下記表2に示す。
Figure 0007363781000027
前記結果から明らかなとおり、実施例3および4の銅箔張積層板は、比較例4と同等の良好なワニス外観、良好なプリプレグ外観、高いピール強度、高い曲げ物性、低吸水率、低熱膨張率、および熱伝導率を維持しつつ、比較例4と比較して、より高いTgおよびより少ない加熱減量を達成し、さらに、電気特性(低Dk化および低Df化)も向上していた。

Claims (16)

  1. シアン酸エステル化合物(A)および
    下記式(1)で表されるビスマレイミド化合物(B)
    を含有する樹脂組成物であって、
    前記シアン酸エステル化合物(A)が、ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物、ナフチレンエーテル型シアン酸エステル化合物、トリスフェノールメタン型シアン酸エステル化合物、およびアダマンタン骨格型シアン酸エステル化合物からなる群より選択される少なくとも1種である、樹脂組成物
    Figure 0007363781000028
    式(1)中、Xは炭素数1~3のアルキレン基であり、R1 またはR 2 は、各々独立に水素原子、メチル基またはエチル基を表し、 3 は、各々独立に、メチル基またはエチル基を表し、aは、各々独立に0~の整数を表す。
  2. 前記ビスマレイミド化合物(B)が下記式(2)で表される、請求項1に記載の樹脂組成物。
    Figure 0007363781000029
  3. さらに溶媒を含有する、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記ビスマレイミド化合物(B)の含有量が、樹脂組成物の0.1~30質量%である請求項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記シアン酸エステル化合物(A)および前記ビスマレイミド化合物(B)の含有割合が、前記ビスマレイミド化合物(B)の不飽和イミド基と前記シアン酸エステル化合物(A)のシアネート基との当量比(不飽和イミド基の当量/シアネート基の当量)で表して、0.01以上1.1未満である、請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記ビスマレイミド化合物(B)以外のマレイミド化合物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、オキセタン樹脂、ベンゾオキサジン化合物、重合可能な不飽和基を有する化合物、炭素-炭素不飽和二重結合(マレイミドを除く)を含有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテル、エラストマーおよび活性エステル化合物よりなる群から選択される1種以上をさらに含有する、請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. さらに充填材(C)を含有する、請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 前記充填材(C)の含有量が、前記樹脂組成物中の樹脂成分の総量100質量部に対して、50~1600質量部である、請求項に記載の樹脂組成物。
  9. 低誘電率材料および/または低誘電正接材料である、請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  10. 請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物。
  11. 基材と、請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成されたプリプレグ。
  12. 少なくとも1枚の請求項11に記載のプリプレグから形成された層と、前記プリプレグから形成された層の片面または両面に配置された金属箔とを含む、金属箔張積層板。
  13. 支持体と、前記支持体の表面に配置された請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成された層を含む樹脂シート。
  14. 絶縁層と、前記絶縁層の表面に配置された導体層とを含むプリント配線板であって、
    前記絶縁層が、請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成された層および請求項12に記載のプリプレグから形成された層の少なくとも一方を含むプリント配線板。
  15. シアン酸エステル化合物(A)と、下記式(1)で表されるビスマレイミド化合物(B)を含有する樹脂組成物の製造方法であって、
    シアン酸エステル化合物(A)とビスマレイミド化合物(B)と溶媒を混合することを含み、前記ビスマレイミド化合物(B)の含有量が、樹脂組成物の0.1~30質量%であり、
    前記シアン酸エステル化合物(A)が、ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物、ナフチレンエーテル型シアン酸エステル化合物、トリスフェノールメタン型シアン酸エステル化合物、およびアダマンタン骨格型シアン酸エステル化合物からなる群より選択される少なくとも1種である、樹脂組成物の製造方法;
    Figure 0007363781000030
    式(1)中、Xは炭素数1~3のアルキレン基であり、R1またはR 2 は、各々独立に水素原子またはメチル基またはエチル基を表し、 3 は、各々独立に、メチル基またはエチル基を表し、aは各々独立に0~の整数を表す。
  16. さらに、前記ビスマレイミド化合物(B)以外のマレイミド化合物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、オキセタン樹脂、ベンゾオキサジン化合物、重合可能な不飽和基を有する化合物、炭素-炭素不飽和二重結合(マレイミドを除く)を含有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテル、エラストマーおよび活性エステル化合物よりなる群から選択される1種以上を含有する、請求項15に記載の樹脂組成物の製造方法。
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