JPH10118365A - 刺繍ミシンの制御装置 - Google Patents

刺繍ミシンの制御装置

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JPH10118365A
JPH10118365A JP29735496A JP29735496A JPH10118365A JP H10118365 A JPH10118365 A JP H10118365A JP 29735496 A JP29735496 A JP 29735496A JP 29735496 A JP29735496 A JP 29735496A JP H10118365 A JPH10118365 A JP H10118365A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異機種の刺繍ミシン間での刺繍データの流用
を容易にすること。 【解決手段】 本発明の刺繍ミシンの制御装置1は、加
工布に縫目を形成するための刺繍データを外部から入力
する外部入力手段としてディスクドライブ3とファイル
入力処理(ステップS40)とを備えた刺繍ミシンの制
御装置において、ファイル入力手段(ステップS40)
は、前記刺繍データを作成した刺繍ミシン固有の加工条
件として前記刺繍データに付加された固有データを入力
するようにするとともに、該固有データに基づいて前記
刺繍データの使用可否を判別する刺繍データ判別手段
(ステップS50)を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工布に縫目を形
成するための刺繍データを外部記憶装置や通信等によっ
て外部との間で入出力する手段を備えた刺繍ミシンの制
御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】加工布に縫目を形成するための刺繍デー
タは、基本的に加工基準位置を起点とする相対的な針落
下位置データの集合よりなるが、これを用いて実際に刺
繍加工するには加工基準位置の座標であるスタート位置
を決める必要がある。このスタート位置を刺繍加工の都
度繰り返して設定する手間を省くために、これが刺繍デ
ータに含められ、一旦設定されたスタート位置を保持可
能にしていることが多い。例えば特公平5−61955
号公報にはこのような刺繍データを用いる刺繍ミシンが
記載されている。
【0003】この刺繍ミシンは、図16に示すように、
記録媒体155に記録された刺繍データを入力し、記憶
する刺繍データ記憶手段150と、加工布に縫目を形成
する縫目形成手段151と、加工布を保持する保持手段
152と、保持手段152と縫目形成手段151との相
対位置を変化させる駆動手段153と、刺繍データ記憶
手段150によって記憶された刺繍情報に基づいて縫目
形成手段151と駆動手段153とを制御する制御手段
154とを備えることにより同一刺繍模様を繰り返し刺
繍する刺繍ミシンにおいて、制御手段154が、刺繍デ
ータ記憶手段150によって記憶された刺繍データに従
って初回の制御を開始する際の縫目形成手段151と保
持手段152との相対位置を検出するスタート位置検出
部156と、スタート位置検出部156の検出結果を記
憶するスタート位置記憶部157とを備えている。
【0004】従って、スタート位置記憶部157によっ
て記憶されたスタート位置の座標が保持されるため、同
じ刺繍加工を繰り返す場合であれば、作業者はスタート
位置を繰り返し設定する必要がない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、刺繍データ
記憶手段150に記憶可能な刺繍データの数は、刺繍ミ
シンが備えるメモリ容量に制限される。最近のファッシ
ョンの多様化に伴う多品種少量傾向では、頻繁に色々な
刺繍データを記憶させて刺繍をしなければならず、すぐ
に刺繍データ数の制限を越えてしまう。この場合にメモ
リを増設しようとすると、刺繍ミシンのコストが高くな
ってしまう。
【0006】このため、刺繍データ記憶手段150に記
憶された刺繍データを上書きして、別の刺繍データを記
録媒体155から入力する必要があった。しかし、この
ようにして上書きされた刺繍データも再度使用される場
合が多いため、スタート位置を変更した場合には、刺繍
データを上書きする前に記録媒体155に出力しておく
必要があり面倒であった。また、これを忘れた場合は、
再度スタート位置を設定する必要があった。
【0007】また、この刺繍データを記録媒体155を
介して異なる機種の刺繍ミシンに入力して刺繍加工する
場合、機種固有の刺繍面積又は枠サイズの違いによって
は、その刺繍データのスタート位置で刺繍した場合、刺
繍枠からはみ出した位置に刺繍柄が形成されることがあ
る。このため、運転途中で刺繍ができなくなり、不良刺
繍製品を作るという問題があった。
【0008】本発明の目的は、上記課題を解決し、刺繍
データの再利用や、異機種の刺繍ミシン間での刺繍デー
タの流用が容易な刺繍ミシンの制御装置を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の刺繍ミシンの制御装置は、加工布に縫目を
形成するための刺繍データを外部に出力する外部出力手
段を備えた刺繍ミシンの制御装置において、前記外部出
力手段は、他の刺繍ミシンにおいて前記刺繍データの使
用可否を判断可能なように、当該外部出力手段を備える
刺繍ミシン固有の加工条件である固有データを前記刺繍
データに付加して出力するようにした。
【0010】また、本発明の刺繍ミシンの制御装置は、
加工布に縫目を形成するための刺繍データを外部から入
力する外部入力手段を備えた刺繍ミシンの制御装置にお
いて、前記外部入力手段は、前記刺繍データを作成した
刺繍ミシン固有の加工条件として前記刺繍データに付加
された固有データを入力するようにするとともに、該固
有データに基づいて前記刺繍データの使用可否を判別す
る刺繍データ判別手段を備えている。
【0011】また、本発明の刺繍ミシンの制御装置は、
加工布に縫目を形成するための刺繍データを外部から入
力する外部入力手段と、前記刺繍データを記憶する刺繍
データ記憶手段とを備えた刺繍ミシンの制御装置におい
て、前記刺繍データは刺繍加工を実現する一連の動作命
令よりなる縫いデータと、該縫いデータを実行するとき
の条件である条件データとよりなり、前記刺繍データ記
憶手段は、前記縫いデータを記憶可能な縫いデータ記憶
手段と、多数の前記条件データを記憶可能な条件データ
記憶手段とを備えており、前記外部入力手段によって前
記刺繍データが入力されると、前記縫いデータを縫いデ
ータ記憶手段により記憶させるとともに、前記条件デー
タ記憶手段に条件データを追記的に記憶させる刺繍デー
タ格納手段を備えている。
【0012】前記条件データ記憶手段は、記憶された前
記条件データを該条件データに固有の刺繍データ名によ
って識別可能になっており、前記刺繍データ格納手段
は、記憶しようとする前記条件データの前記刺繍データ
名と同じ前記刺繍データ名の前記条件データが既に記憶
されているときは、該記憶されている条件データの内容
を前記記憶しようとする条件データの内容で上書きする
ようにすることもできる。
【0013】なお、「外部に出力する」又は「外部から
入力する」とは、特に限定されないが、例えば次の態様
を挙げることができる。 (1)外部記憶装置によって外部記憶媒体に書き込み
し、又は、外部記憶媒体から読み出しする態様。
【0014】(2)通信によって他の刺繍ミシンの制御
装置に送信し、又は、他の刺繍ミシンの制御装置から受
信する態様。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施した刺繍ミシ
ンの制御装置の第一実施形態について、図1〜図8を参
照して説明する。図2は本刺繍ミシンの制御装置を示
し、本制御装置1は、内蔵するコントローラ2(後述)
により刺繍ミシンの動作を制御する。制御装置1の前面
は、その上側に設けられ操作内容等を表示する表示部6
と、該表示部6の下側に設けられ各種の操作スイッチが
配設された操作盤5と、該操作盤5の下側に設けられフ
ロッピーディスク4との間で刺繍データ19を読み書き
するディスクドライブ3とより構成されている。
【0016】表示部6には、液晶ディスプレー又はCR
T等の表示装置が使用されており、表示部の下部には、
各機能キー25に対応しその機能内容を表示する2つの
ガイド表示部26が設けられている。操作盤5は、2つ
の機能キー25と、該機能キー25の下側に設けられた
刺繍ミシンの電源スイッチ27と、該電源スイッチ27
の右側に設けられ運転操作と柄管理や布押え位置変更等
の補助操作とを切り替える画面切替キー28と、該画面
切替キー28の右側に設けられ画面上のカーソルの位置
を移動させるカーソルキー29と、該カーソルキー29
の右側に設けられ柄番号や布押え位置等の数値を入力す
るテンキー30とより構成されている。
【0017】コントローラ2には、図1に示すように、
ディスクドライブ3、操作盤5、枠の位置を検出するエ
ンコーダ7等の入出力装置と、表示部6、針を駆動する
主軸モータ8、刺繍枠を駆動する枠駆動機構9等の出力
装置とが、それぞれインターフェース(図示略)を介し
て接続されている。
【0018】コントローラ2は、CPU(図示略)、読
書き可能なメモリ(図示略)等によって実現されてお
り、該メモリには刺繍データ19を記憶する刺繍データ
記憶手段である刺繍データメモリ11と、一時的な作業
用データを記憶するワークメモリ12とが設けられてい
る。
【0019】刺繍データメモリ11へ刺繍データ19を
外部から入力する外部入力手段は、ディスクドライブ3
とファイル入力処理(ステップS40、後述)とからな
り、フロッピーディスク4に格納された刺繍データ19
は、ファイル入力処理(ステップS40)によってディ
スクドライブ3を介して入力され、刺繍データメモリ1
1に格納される。このとき、刺繍データ19は、一旦ワ
ークメモリ12に格納され、刺繍データ判別処理(ステ
ップS50、後述)によって刺繍データ19の互換性が
チェックされるようになっている。
【0020】また、刺繍データメモリ11から刺繍デー
タ19を外部へ出力する外部出力手段は、ディスクドラ
イブ3とファイル出力処理(ステップS60、後述)と
からなり、刺繍データメモリ11に格納された刺繍デー
タ19は、ファイル出力処理(ステップS60)によっ
てディスクドライブ3を介してフロッピーディスク4に
出力されるようになっている。
【0021】刺繍データメモリ11は、図3に示すよう
に、ディレクトリ部15と、刺繍データ部17とからな
る。
【0022】刺繍データ部17は、4つの刺繍データ1
9を記憶可能になっており、該刺繍データ部17内に
は、刺繍データ19を記憶するときに、その刺繍データ
19のサイズに応じて刺繍データエリア18が確保さ
れ、それ以外の部分は空きエリア24となっている。刺
繍データ19は、それを識別するための刺繍データ名2
0と、縫いデータ23の加工基準位置の座標であるスタ
ート位置21と、刺繍面積や刺繍枠のサイズ等の当該刺
繍データ19を作成した刺繍ミシンに固有な情報である
固有データ22と、加工基準位置を起点とする相対的な
針落下位置データの集合よりなる縫いデータ23とから
なっている。なお、刺繍データ名20は、フロッピーデ
ィスク4に記憶されるときに、ファイル名として使用さ
れる。
【0023】ディレクトリ部15は、配列構造の4つの
刺繍データアドレス16を備え、4つの刺繍データ19
が登録可能になっている。そして、該配列のインデック
ス番号(1〜4)を指定して、刺繍データ部17に格納
された刺繍データ19を取り出すことができるようにな
っている。各刺繍データアドレス16は、刺繍データ1
9が記憶されるときに確保された刺繍データエリア18
の先頭アドレスと最終アドレスが格納されており、刺繍
データ19が格納されていない場合は、0が格納されて
いる。図3は、4つの刺繍データ19が既に格納された
状態を示している。
【0024】次に、ファイル入力処理(ステップS4
0)について、図4のフローチャートを参照しながら説
明する。本処理はフロッピーディスク4上のファイルに
記憶されている刺繍データ19を刺繍データメモリ11
に入力するものであり、図2に示す画面において、作業
者によりガイド表示部26に「FD入力」と示された機
能キー25aが押されると、コントローラ2は本処理を
実行する。まず、コントローラ2はディスクドライブ3
を用いて、フロッピーディスク4に記憶された全ファイ
ルのファイル名及びサイズを入力し(ステップS4
1)、それを、図7に示すように、一覧表にして表示部
6に画面表示する(ステップS42)。
【0025】図7において、表示部6の略中央には、フ
ロッピーディスク4に格納された各ファイルの情報が表
示されており、各ファイルごとに、ファイルの識別番号
と、ファイル名と、ファイルのサイズとが表示されてい
る。識別番号が「05」の行にはカーソル(ハッチン
グ)が表示されており、この行のファイルが入力対象と
なっていることを示している。カーソルを移動するに
は、上下方向のカーソルキー29を押下する。
【0026】画面の左上側において、フロッピーディス
クの図形の右側にはカーソルが表示されたファイルの識
別番号(「05」)が表示されており、カーソルが移動
されると、それに伴って該番号表示も変更されるように
なっている。フロッピーディスクの図形の下方であっ
て、下向きの矢印図形の先には「#」とともに数字「0
1」が表示されており、該数字は刺繍データ19の入力
先である刺繍データメモリ11のディレクトリ部15の
インデックス番号を示している。該インデックス番号を
変更するには、テンキー30の「#」を押下した後、変
更しようとするインデックス番号を入力する(ステップ
S43)。
【0027】作業者によってガイド表示部26に「実
行」と表示された機能キー25aが押されると(ステッ
プS44)、コントローラ2は指定された刺繍データ1
9をフロッピーディスク4から入力し、一旦ワークメモ
リ12に格納する(ステップS45)。また、ガイド表
示部26に「中止」とガイド表示された機能キー25b
が押されると(ステップS44)、すぐに読出処理を終
了する(ステップS49)。
【0028】ワークメモリ12に読み込まれた刺繍デー
タ19は、固有データ22に基づいて刺繍データ19の
使用可否を判別する刺繍データ判別手段である刺繍デー
タ判別処理(ステップS50、後述)によって当該刺繍
ミシンと互換性がある刺繍ミシンによって作成されたも
のかどうかがチェックされる(ステップS46)。その
結果、互換性がなく、作業者から入力の中止が指示され
た場合は(ステップS47)、コントローラ2はすぐに
処理を終了し(ステップS49)、そうでない場合は
(ステップS47)、ワークメモリ12に格納された刺
繍データ19を刺繍データメモリ11に格納して(ステ
ップS48)、処理を終了する(ステップS49)。
【0029】刺繍データ判別処理(ステップS50)に
ついて、図5に示すフローチャートを参照しながら説明
すると、コントローラ2はワークメモリ12に読み込ま
れた刺繍データ19の固有データ22を参照し、当該刺
繍ミシンと互換性のある刺繍ミシンによって作成された
ものかをチェックする(ステップS51)。
【0030】互換性がある刺繍ミシンによって作成され
た刺繍データ19であれば、処理結果として「互換性あ
り」を格納し(ステップS52)、本処理の呼出元にリ
ターンする(ステップS56)。互換性のない刺繍ミシ
ンによって作成された刺繍データ19であれば、図8に
示すように、その旨の警告を表示部6に表示し(ステッ
プS53)、作業者に刺繍データ19の入力を続行する
かどうかの確認を求める(ステップS54)。作業者が
ガイド表示部26に「はい」とガイド表示された機能キ
ー25aか、又は「いいえ」とガイド表示された機能キ
ー25bを押下すると、その押下された確認内容を処理
結果として格納し(ステップS55)、本処理の呼出元
にリターンするようになっている(ステップS56)。
【0031】次に、ファイル出力処理(ステップS6
0)について、図6に示すフローチャートを参照しなが
ら説明すると、図2において、作業者によりガイド表示
部26に「FD出力」と表示された機能キー25bが押
されると、コントローラ2は本処理を実行し、出力対象
の刺繍データ19及び出力先のファイルを指定する入力
画面を表示して(ステップS61)、作業者にそれらを
指定させる(ステップS62)。そして、作業者の指定
内容に従って固有データ22を含む刺繍データ19をフ
ロッピーディスク4に出力し(ステップS63)、処理
を終了する(ステップS64)。
【0032】このように構成された刺繍ミシンによれ
ば、刺繍データ19に固有データ22を付加しているの
で、異なる機種の刺繍ミシンによって作成された刺繍デ
ータ19の使用可否が容易に判断できる。従って、刺繍
データ19を通信や外部記録媒体を介して異なる機種の
刺繍ミシンに入力して刺繍加工する場合に、機種固有の
刺繍面積又は枠サイズの違いによって運転途中で刺繍が
できなくなり、不良刺繍製品を作ってしまうという問題
は生じない。
【0033】次に、図9〜図15は、第二実施形態に係
る刺繍ミシンの制御装置を示している。本実施形態は次
の点においてのみ第一実施形態と相違している。
【0034】本実施形態においては、刺繍データ19
は、刺繍データ名20、スタート位置21及び固有デー
タ22からなる条件データ91と、縫いデータ23とに
分離されて管理される。刺繍データメモリ81は図10
に示すように、ディレクトリ部82と、条件データ91
を記憶する条件データ記憶手段である条件データ記憶部
84と、縫いデータ23を記憶する縫いデータ記憶手段
である縫いデータ記憶部86とからなる。
【0035】ディレクトリ部82は配列構造の4つの刺
繍データエントリ83を備え、4つの刺繍データ19が
登録可能になっている。刺繍データエントリ83は、後
述する条件データ91の格納先アドレスである条件デー
タアドレス89と、後述する縫いデータ23が格納され
た縫いデータエリア87の先頭アドレスと最終アドレス
からなる縫いデータアドレス90から構成されている。
【0036】条件データ記憶部84は配列構造の条件デ
ータエリア85を20個備え、20個の条件データ91
を格納可能になっている。該条件データ91は、刺繍デ
ータ19を識別するための刺繍データ名20と、縫いデ
ータ23の加工基準位置の座標であるスタート位置21
と、刺繍面積や刺繍枠のサイズ等の当該刺繍データ19
を作成した刺繍ミシンに固有な情報である固有データ2
2とからなる。
【0037】縫いデータ記憶部86は、加工基準位置を
起点とする相対的な針落下位置データの集合である縫い
データ23を4つ格納可能になっている。
【0038】ファイル入力処理(ステップS40)のス
テップS48においては、本実施形態の刺繍データ格納
手段である刺繍データ格納処理(ステップS110)が
実行される。該処理を図11を参照して説明すると、ま
ず、入力対象の刺繍データ19のファイル名をキーにし
て条件データ記憶部84に格納された各条件データ91
の刺繍データ名20を検索する(ステップS111)。
【0039】条件データ記憶部84に既に入力対象のフ
ァイル名と同一名の刺繍データ名20が格納されていれ
ば(ステップS112)、その条件データ91が格納さ
れた条件データエリア85のアドレスを入力先の刺繍デ
ータエントリ83に設定し(ステップS113)、該条
件データエリア85に既に格納されている条件データを
上書きするかどうかを作業者に問い合わせる画面(図1
2)を表示する(ステップS114)。作業者が、ガイ
ド表示部26に「はい」が表示された機能キー25aを
押下すると、ワークメモリ12に格納された条件データ
91を条件データエリア85に上書きして格納し(ステ
ップS116)、「いいえ」が表示された機能キー25
bを押下すると、条件データエリア85を上書きしない
(ステップS115)。
【0040】条件データ記憶部84に入力対象のファイ
ル名と同一名の刺繍データ名20が格納されていなけれ
ば(ステップS112)、条件データエリア85のう
ち、未使用のものが確保される。このとき、未使用のも
のがなければ、いずれの条件データアドレス89からも
参照されていない条件データエリア85のうちから公知
の追い出しアルゴリズムによっていずれかの条件データ
エリア85が選択(確保)される(ステップS11
7)。そして、確保した条件データエリア85のアドレ
スを入力先の刺繍データエントリ83に設定し(ステッ
プS118)、該条件データエリア85にワークメモリ
に格納された条件データ91を格納する(ステップS1
19)。
【0041】最後に縫いデータ記憶部86に縫いデータ
エリア87を確保し、該縫いデータエリア87のアドレ
スを入力先の刺繍データエントリ83に設定する。そし
て、その縫いデータエリア87に縫いデータ23を格納
し(ステップS120)、処理を終了する(ステップS
121)。
【0042】次に、刺繍データ格納処理(ステップS1
10)における動作について具体例に基づいて詳述す
る。図13は、4つの刺繍データ19が格納されている
状態を示している。格納されている各刺繍データ19の
刺繍データ名20は、「CLOVER」、「DIAMO
ND」、「SPADE」、「HEART」である(以
下、単にこれら刺繍データ名20のみを示しているとき
は刺繍データ19を示すものとする)。
【0043】この状態で、新たに「LINE」を「CL
OVER」に上書きして刺繍データメモリ11に格納す
ることを作業者から指示されると、刺繍データ格納処理
(ステップS110)において、刺繍データ名20が
「LINE」となっている条件データ91が検索される
(ステップS111)。しかし、そのような条件データ
91がないため(ステップS112)、新たに条件デー
タエリア85eが確保され(ステップS117)、その
アドレスが刺繍データエントリ83aに格納される(ス
テップS118)。そして、条件データ91がその条件
データエリア85eに格納され(ステップS119)、
処理が終了される(ステップS121)。このときの状
態を、図14に示す。このように、縫いデータエリア8
7aに格納された「CLOVER」の縫いデータ23
は、「LINE」の縫いデータ23によって上書きされ
るが、「CLOVER」の条件データ91は刺繍データ
メモリ81上の条件データエリア85aに記憶されたま
まになっている。
【0044】作業者から、再度「CLOVER」を刺繍
データメモリ81に記憶するように指示されると、刺繍
データ格納処理(ステップS110)において、刺繍デ
ータ名20が「LINE」となっている条件データ91
が検索される(ステップS111)。そして、刺繍デー
タ名「CLOVER」の条件データ91が条件データエ
リア85aに記憶されているため(ステップS11
2)、該条件データエリア85aのアドレスが刺繍デー
タエントリ83aに格納され(ステップS113)、条
件データエリア85aに記憶された既存の条件データ9
1を上書きするかどうかを問い合わせる画面が表示され
る(ステップS114)。作業者が既存の条件データ9
1を使用するために「いいえ」を選択すると、条件デー
タエリア85aの内容は変更されずに(ステップS11
5)、縫いデータ23のみが縫いデータエリア87aに
格納されて(ステップS120)、処理が終了される
(ステップS121)。このときの状態を、図15に示
す。
【0045】このように、「CLOVER」が「LIN
E」によって上書きされても、「CLOVER」の条件
データ91は、条件データ記憶部84に記憶されたまま
になっているため、再度「CLOVER」をファイルか
ら入力したときに、条件データ記憶部84に記憶された
ままになっている条件データ91を再度使用することが
できる。従って、例えば、スタート位置21を変更した
「CLOVER」の内容をファイルに保存し忘れたとき
でも、刺繍データメモリ11上に記憶されたままの条件
データを使用できるため、スタート位置21を設定し直
す手間がかからない。
【0046】なお、刺繍データメモリ11に記憶された
刺繍データ19を削除するときは、刺繍データ削除処理
96が実行され、該処理は縫いデータ23を削除し、刺
繍データエントリ83の内容を消去するが、条件データ
エリア85の内容は削除しないようになっている。従っ
て、一旦削除した刺繍データ19を再度ファイルから入
力するときは、条件データ91が刺繍データメモリ11
上に記憶されたままになっているため、作業者の選択に
より(ステップS115)、刺繍データメモリ11上に
記憶された条件データ91を使用することができる。
【0047】このように構成された刺繍ミシンの制御装
置1によれば、刺繍データ19を条件データ91と縫い
データ23に分離し、刺繍データ19が上書き又は削除
される場合でも、条件データ91を可能な限り刺繍デー
タメモリ81に記憶したままにするようにしている。従
って、変更した条件データ91の内容をフロッピーディ
スク4に出力し忘れた場合でも、刺繍データ格納処理
(ステップS110)において、刺繍データメモリ81
に記憶したままになっている条件データ91を再利用す
ることができ、条件データ91を設定し直さなくても済
む。
【0048】なお、本発明は前記実施形態の構成に限定
されず、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しな
い範囲で適宜変更して具体化することもできる。 (1)入出力をディスクドライブでなく、通信により行
なうように変更すること。 (2)入力時のみならず、刺繍加工時においても、固有
条件に基づいて刺繍加工の可否を判断する手段を設ける
こと。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1及び2の
発明に係る刺繍ミシンの制御装置によれば、異機種の刺
繍ミシン間で容易に刺繍データを流用することができ
る。
【0050】また、請求項3及び4の発明に係る刺繍ミ
シンの制御装置によれば、刺繍データを容易に再利用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第一実施形態の刺繍ミシン
の制御装置の制御ブロック図である。
【図2】同制御装置の正面図である。
【図3】同制御装置の刺繍データメモリのメモリマップ
である。
【図4】同制御装置のファイル入力処理の流れを示すフ
ローチャートである。
【図5】同制御装置の刺繍データ判別処理の流れを示す
フローチャートである。
【図6】同制御装置のファイル出力処理の流れを示すフ
ローチャートである。
【図7】同制御装置のファイル入力処理におけるファイ
ル一覧表示画面を示す図である。
【図8】同制御装置の刺繍データ判別処理における警告
画面表示を示す図である。
【図9】本発明を具体化した第二実施形態の刺繍ミシン
の制御装置の制御ブロック図である。
【図10】同制御装置の刺繍データメモリのメモリマッ
プである。
【図11】同制御装置の刺繍データ格納処理の流れを示
すフローチャートである。
【図12】同刺繍データ格納処理における警告画面表示
を示す図である。
【図13】同刺繍データ格納処理の動作例における刺繍
データメモリの初期状態を示すメモリマップである。
【図14】同刺繍データ格納処理の動作例における刺繍
データメモリの状態を示すメモリマップである。
【図15】同刺繍データ格納処理の動作例における刺繍
データメモリの別の状態を示すメモリマップである。
【図16】従来の刺繍ミシン基本構成を示すブロック図
である。
【符号の説明】
1 制御装置 3 ディスクドライブ 4 フロッピーディスク 11 刺繍データメモリ 19 刺繍データ 22 固有データ 23 縫いデータ S40 ファイル入力処理 S50 刺繍データ判別処理 S60 ファイル出力処理 81 刺繍データメモリ 84 条件データ記憶部 86 縫いデータ記憶部 91 条件データ S110 刺繍データ格納処理

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工布に縫目を形成するための刺繍デー
    タを外部に出力する外部出力手段を備えた刺繍ミシンの
    制御装置において、 前記外部出力手段は、他の刺繍ミシンにおいて前記刺繍
    データの使用可否を判断可能なように、当該外部出力手
    段を備える刺繍ミシン固有の加工条件である固有データ
    を前記刺繍データに付加して出力するようにしたことを
    特徴とする刺繍ミシンの制御装置。
  2. 【請求項2】 加工布に縫目を形成するための刺繍デー
    タを外部から入力する外部入力手段を備えた刺繍ミシン
    の制御装置において、 前記外部入力手段は、前記刺繍データを作成した刺繍ミ
    シン固有の加工条件として前記刺繍データに付加された
    固有データを入力するようにするとともに、 該固有データに基づいて前記刺繍データの使用可否を判
    別する刺繍データ判別手段を備えたことを特徴とする刺
    繍ミシンの制御装置。
  3. 【請求項3】 加工布に縫目を形成するための刺繍デー
    タを外部から入力する外部入力手段と、前記刺繍データ
    を記憶する刺繍データ記憶手段とを備えた刺繍ミシンの
    制御装置において、 前記刺繍データは刺繍加工を実現する一連の動作命令よ
    りなる縫いデータと、該縫いデータを実行するときの条
    件である条件データとよりなり、 前記刺繍データ記憶手段は、前記縫いデータを記憶可能
    な縫いデータ記憶手段と、多数の前記条件データを記憶
    可能な条件データ記憶手段とを備えており、 前記外部入力手段によって前記刺繍データが入力される
    と、前記縫いデータを縫いデータ記憶手段により記憶さ
    せるとともに、前記条件データ記憶手段に条件データを
    追記的に記憶させる刺繍データ格納手段を備えたことを
    特徴とする刺繍ミシンの制御装置。
  4. 【請求項4】 前記条件データ記憶手段は、記憶された
    前記条件データを該条件データに固有の刺繍データ名に
    よって識別可能になっており、 前記刺繍データ格納手段は、記憶しようとする前記条件
    データの前記刺繍データ名と同じ前記刺繍データ名の前
    記条件データが既に記憶されているときは、該記憶され
    ている条件データの内容を前記記憶しようとする条件デ
    ータの内容で上書きする請求項3記載の刺繍ミシンの制
    御装置。
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JP2006043038A (ja) * 2004-08-03 2006-02-16 Brother Ind Ltd ミシン
JP2010136822A (ja) * 2008-12-10 2010-06-24 Brother Ind Ltd 刺繍データ提供システム、刺繍データ提供装置、刺繍データ提供プログラムおよびミシン

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