JP3617152B2 - 刺繍データ作成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工布に絵,文字等の所定模様の刺繍を形成する縫製装置における刺繍形成動作に必要な刺繍データを作成するための刺繍データ作成装置に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、文字や記号等の模様の刺繍を加工布に対して自動的に実行する刺繍ミシンにあっては、ステッチを形成するための針落ち点(一針毎の加工布のX,Y方向移動量)等を指定する刺繍データ(ステッチデータ)に基づいて動作するようになっている。かかる刺繍ミシンにおける刺繍データの作成は、ミシン本体とは独立して構成された、或いはミシン本体に内蔵された刺繍データ作成装置により実行されるようになっている。
【0003】
この刺繍データ作成装置は、模様の形状を確定する基本データが多数(多種類)の模様に対応して、内蔵するROMに予め記憶されたり、メモリカード等の記憶媒体によって外部から与えられるようになっている。
【0004】
この場合、基本データとしては、模様の輪郭を刺繍の進行方向に連続する複数の四角形等のブロックに分割してその各頂点の座標等から構成されるブロックデータを用いることが行われている。そして、例えば使用者がタッチパネル等で模様を選択すると、マイクロコンピュータはその模様のブロックデータを読み込み、各ブロックの主辺部を等分割して針落ち点(ステッチデータ)を求める一針展開を行い、以て、刺繍データが作成されるのである。
【0005】
作成された刺繍データは、例えばRAMの刺繍データ記憶領域に格納される。尚、例えば複数の文字を組み合わせて構成された刺繍(「HAPPY」等)を加工布に施したい場合には、複数の文字の選択を順次行い、全ての文字の選択が終了した後、これら組合わせ文字の拡大率や縮小率、或いは糸密度を指定し、新たな刺繍データが作成されるようになっている。
【0006】
而して、一の刺繍データにより加工布に形成される刺繍は、そのデータに応じた所定の大きさとなっており、また所定の糸密度(刺繍進行方向の一定長さに占める糸の本数)になっている。これに対し、特に模様が例えば文字の場合には、同一の模様(文字)であっても大きさや糸密度を種々に変更した刺繍を形成したい場合がある。
【0007】
このため、刺繍データ作成装置には、拡大,縮小や糸密度の変更といった編集の機能が設けられ、基準となる刺繍に対し、拡大率或いは縮小率及び糸密度を使用者が指定することにより、それに応じた刺繍データを作成することができるようになっている。
【0008】
ところで、刺繍データのデータ容量は、針落ち点数によって略決まるため、同一形状の模様であっても、大きさが大きいほどデータ容量は大きくなり、又、糸密度が大きいほどデータ容量は大きくなる。さらには、例えば、アルファベットの文字模様に関しても、「B」,「M」,「W」等は、「I」,「J」等と比べて針落ち点が多くなるため、刺繍データのデータ容量が大きくなる。
【0009】
ところが、上記のようにして刺繍データの作成を行う場合、特に、模様が複数の文字を組合わせて構成されるものであるときには、次のような不具合が生じていた。
【0010】
即ち、模様(文字)の選択操作の終了後に刺繍データが作成されるようになっているため、選択された文字の数により、或いは文字の形状により、刺繍データのデータ容量がRAMの記憶可能容量をオーバーしてしまうことがあった。この場合、刺繍データの作成が途中で不可能となってしまい、ひいては使用者が再び文字を選択し直さなければならず、非常に不便であった。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、使用者が選択した模様についての刺繍データの作成が途中で不可能となってしまうことを未然に防止することができる刺繍データ作成装置を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の刺繍データ作成装置は、模様の形状を確定する基本データを多数個の模様に関して記憶する基本データ記憶手段と、前記基本データ記憶手段に記憶された模様を選択するための選択手段と、前記選択された模様に関する刺繍データ容量の増加を伴う刺繍条件を設定する設定手段と、前記選択手段による選択が行われる都度、選択されている模様に関する前記設定手段による最もデータ容量が多くなるときの刺繍データの最大データ容量を求める最大データ容量検出手段と、前記基本データ及び刺繍条件に基づいて刺繍データを作成する刺繍データ作成手段と、この刺繍データ作成手段により作成される刺繍データを記憶する刺繍データ記憶手段と、前記最大データ容量と刺繍データ記憶手段の記憶可能容量とに基づき模様選択或いは刺繍条件設定に関わる報知をする報知手段とを具備している。
【0013】
この場合、前記最大データ容量検出手段により求められた最大データ容量の積算値と前記刺繍データ記憶手段の記憶可能容量とを比較する比較手段を具備すると共に、前記報知手段は、前記積算値が前記記憶可能容量を越えたときにその旨を報知するように構成することができ(請求項2)、さらに、前記報知手段による報知後も、模様の選択操作の続行が可能となるように構成しても良い(請求項3)。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例(請求項1,2に対応)について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施例は、本発明を家庭用の刺繍ミシンに適用したものであり、この刺繍ミシンが、本発明にいう縫製装置及び刺繍データ作成装置の双方を兼ね備えたものとなっている。
【0015】
図3は、本実施例にかかる刺繍ミシンの外観を概略的に示しており、ミシン本体1はミシンベッド2の上方にアーム部3を一体的に有して構成されている。前記アーム部3の先端部には、針4を有する針棒5が設けられ、また前記針4が通過するリング状の布押え6が設けられている。一方、前記ミシンベッド2の上面には、前記針棒5に対応して針板7が設けられ、その針板7の下面部に位置して図示しない釜機構が設けられている。図示はしないが、前記針棒5及び釜機構並びに布押え6等は、ミシンモータにより駆動機構を介して同期駆動され、以て縫製動作を実行するようになっている。
【0016】
前記ミシンベッド2には、刺繍縫い動作時に加工布を保持するための刺繍枠8が設けられていると共に、その刺繍枠8ひいては加工布をミシンベッド2上を水平方向に自在に移動させるための水平移動機構9が設けられている。前記刺繍枠8は、この場合ほぼ矩形枠状をなし、外枠と内枠とから構成されてそれらの間に加工布を挟み込むことにより、加工布を枠内部に張渡した状態に保持するようになっている。
【0017】
詳しい説明は省略するが、前記水平移動機構9は、前記刺繍枠8を図示しないY軸モータによりY軸(前後)方向に自在に移動させるように構成された移動体10を、図示しないX軸モータにより、X軸(左右)方向に自在に移動させるように構成されている。これにて、刺繍枠8に保持された加工布は、水平移動機構9により、固有のXY座標系に基づく任意の位置に移動されるのである。このような水平移動機構9により加工布を移動させながら、前記駆動機構により針棒5などを駆動することにより、刺繍縫い動作が実行されるのである。
【0018】
尚、前記アーム部3の先端側の前面部には、スタート・ストップキー11が設けられており、ミシン本体1の右側壁面の下部には、電源スイッチ12が設けられている。また、本実施例の刺繍ミシンは、刺繍の他にも、一般的な各種の実用縫い(直線縫い、ジグザグ縫い、裁ち目かがりなど)を実行することができることは勿論である。この場合、前記布押え6は、図示する刺繍縫い用と実用縫い用との交換が可能とされており、さらに、前記水平移動機構9部分は、ミシンベッド2に対して着脱可能に装着されていて、刺繍縫いを行わないときには、この部分を刺繍枠8と共に取外して一般縫製用の平坦なテーブルに付替えることができるようになっている。
【0019】
さて、前記アーム部3の前面部には、各種の模様やメッセージなどを画面に表示するための表示手段たるLCD13が設けられている。このLCD13には、後述するように使用者が刺繍を実行させるにあたって、模様選択画面(図6〜図8参照)や編集画面等が表示されるようになっている。さらに、このLCD13の表面には、選択操作部を構成するタッチパネル14(図4にのみ図示)が設けられている。このタッチパネル14は、周知のように、透明電極を縦横に並べて構成され、このタッチパネル14の使用者が手指で触れた位置を検出することができ、選択手段及び設定手段として機能するようになっている。
【0020】
そして、ミシン本体1内には、図4に示すように、各機構を制御するための制御装置15が設けられている。この制御装置15は、マイクロコンピュータを主体として構成され、CPU16、ROM17、RAM18、コントローラ19及び入出力インターフェース20を、バス21により相互に接続して構成されている。前記ミシンモータ(駆動機構)や水平移動機構9のX軸モータ,Y軸モータ等は、前記コントローラ19を介して制御装置15により制御されるようになっている。また、前記入出力インターフェース20には、前記LCD13及びタッチパネル14が接続されている。
【0021】
尚、本実施例では、制御装置15には、外部ROMカード22が着脱可能に接続されるようになっている。この外部ROMカード22には、比較的複雑な絵模様に対応した模様データ(刺繍データ及び表示データ並びに付随する色分解等のデータ)が、多数個の模様に関して記憶されている。この外部ROMカード22の制御装置15への接続は、図3に示すように、ミシン本体1の右側壁部に設けられたカード挿入孔23に使用者が外部ROMカード22を着脱可能に差し込むことによって行われるようになっている。
【0022】
前記ROM17には、ミシンの刺繍縫い動作や実用縫い動作を制御するための制御プログラム、LCD13の表示制御用の制御プログラム、後述する刺繍データの作成等の各種のデータ処理を行うためのデータ処理用プログラムなどが記憶されている。そして、これと共に、ROM17には、刺繍縫いに関しての多数個の模様に対応する模様データが記憶されている。この場合、ROM17に記憶される模様データとしては、例えば仮名やアルファベット,数字などの文字や記号の模様、比較的単純な形状の飾り模様等とされている。尚、ROM17には、ティーチング用の表示データ等、刺繍に係る模様以外の表示データも記憶されている。
【0023】
前記模様データは、刺繍データ作成に必要な基本データ及び各模様をLCD13に表示するために必要な表示データ(例えばビットマップデータ)並びに付随するデータを含んでいる。ここで、刺繍縫い動作を実行させるため、最終的には、一針毎の加工布のX,Y方向の移動量(針落ち位置)等を示す刺繍データが必要となるが、ROM17に記憶されるデータとしては、模様の形状を確定する基本データ(ブロックデータ)とされている。この基本データは、今、例えば模様Aが図10に示される文字「Y」の場合、模様Aの輪郭は刺繍の進行方向に延びる一対の主辺部1−3及び2−4とそれと隣り合う一対の副辺部1−2及び3−4とで囲まれる複数の四角形等のブロックKに分割され(図11参照)、得られた各ブロックKの頂点1,2,3,4の座標の集合等から構成されるブロックデータとされている。従って、本実施例においては、ROM17が基本データ記憶手段として機能する。
【0024】
また、RAM18には、図5に示すように、選択された模様に関する基本データを記憶する基本データエリア18a、指定された刺繍条件を記憶する刺繍条件エリア18b、前記基本データ,刺繍条件に基づき刺繍データ作成用プログラムによって得られた刺繍データを記憶する刺繍データエリア18cが、ワーキングエリア等と共に設けられている。従って、本実施例では、RAM18(刺繍データエリア18a)が刺繍データ記憶手段として機能するようになっている。
【0025】
さて、詳しくは後の作用説明にて明らかとなるように、制御装置15は、そのソフトウェア構成により、使用者が刺繍縫い動作を実行させたい場合に、まず、前記LCD13の画面に模様選択画面(図6〜図8参照)を表示させるようになっている。使用者は、この模様選択画面を見て、前記タッチパネル14を操作することにより、刺繍したい所望の模様を選択することができる。この場合、1個の模様の選択はもちろん、複数の模様を順次選択することもできる。このとき、制御装置15は、使用者により選択された模様に関する基本データを前記ROM17(或いは外部ROMカード22)から読出して前記RAM18の基本データエリア18aに書込むようになっている。
【0026】
また、制御装置15は、上記模様選択が終了すると、LCD13に図示しない編集画面を表示させるようになっている。使用者は、この編集画面を見て、模様のレイアウトや基準の大きさに対する拡大・縮小率、糸密度(そのブロックKの中心線lを単位長さ当りステッチSが何本横切るか)等の刺繍条件を、タッチパネル14を操作することにより、設定することができるようになっている。
【0027】
尚、前記拡大・縮小率及び糸密度に関しては、実使用に適切な上限値,下限値が予め設定されており、その範囲内で任意の設定が可能とされる。また、この刺繍条件は、前記RAM18の刺繍条件エリア18bに書き込まれるようになっている。
【0028】
この刺繍条件の設定が終了すると、制御装置15は前記基本データおよび刺繍条件に基づいて刺繍データを作成するようになっている。この刺繍データの作成は、模様Aの基本データ及び指定された刺繍条件から、各ブロックKの主辺部1−3及び2−4を等分割して針落ち点a〜f(図11(b)参照)を演算により求めることにより行われるようになっている。従って、本実施例では、制御装置15が刺繍データ作成手段として機能する。
【0029】
そして、前記制御装置15は、使用者がLCD13の模様選択画面(図6参照)にて模様の選択操作しているときに、その模様に関する刺繍データの最大容量を求めるように構成されている。この場合、複数の模様の組合わせから構成される刺繍を加工布に施す場合は、まず、複数の模様を順次選択することになるが、制御装置15は、模様の選択の都度それまでに選択された全ての模様に関する刺繍データの最大データ容量を求めるようになっている。ここで、刺繍データの最大データ容量とは、選択された模様について、最大の拡大率且つ最大の糸密度において得られる刺繍データのデータ容量をいう。
【0030】
さらに、制御装置15は、前記刺繍データの最大データ容量と、前記RAM18の刺繍データエリア18cの記憶可能容量とを比較し、最大データ容量が刺繍データエリア18cの記憶可能容量を越えると、LCD13に表示されていた模様選択画面に代わって、前記最大データ容量が前記記憶可能容量を越えた旨、この場合「データ容量が制限を越えました。」というメッセージを表示させるようになっている(図9参照)。従って、制御装置15は、本発明でいう最大データ容量検出手段及び比較手段として機能し、又、LCD13は報知手段として機能する。
【0031】
次に、上記構成の作用について、図1、図2及び図7並びに図8も参照して述べる。図1のフローチャートは、模様選択から縫製までの制御装置15が実行する処理の手順を示しており、まずこの図1を参照しながら、刺繍縫い実行時の全体の概略について述べる。
【0032】
まず、ミシン本体1の電源スイッチ12がオンされると、各種イニシャル操作が実行されて、LCD13に、図示しない初期画面(メニュー選択画面)が表示される(ステップS1)。ここで、使用者が刺繍縫い動作を実行させたい場合には、タッチパネル14を操作して刺繍模様選択の項目を選択する。すると、LCD13の画面に模様選択画面が表示される(ステップS2)。図6は、文字模様、この場合アルファベットの大文字の選択に係る一つの模様選択画面を示しており、ここでは、前記ROM17に記憶された表示データに基づいて、一画面に「A」,「B」,「C」…の26個のアルファベットが四角形の枠によって囲まれた形態で表示されている。
【0033】
使用者は、模様選択画面をみて、刺繍を形成したい文字模様を選択する(ステップS3)ことになる。この選択は、LCD13の画面(タッチパネル14)の選択したい文字模様が表示されている部分を直接手指で触れることにより行われる。今、使用者が、「HAPPY」という刺繍を加工布に施したい場合には、まず、文字模様「H」を選択する。この選択が行われると(ステップS3にてYes)、図7に示すように、LCD13に表示されている模様選択画面の上部の領域に「H」が表示される(ステップS4)。
【0034】
続いて、ステップS5では、選択模様の基本データ(ブロックデータ)がROM17から読み込まれてRAM18の基本データエリア18aに記憶されると共に選択模様に関する刺繍データの最大データ容量の計算が実行される。この最大データ容量の計算処理は、図10に示すように模様「H」の基本データと刺繍条件(この場合、糸密度及び縮小・拡大率)とに基づいて演算されるのであるが、その詳細については後述する。
【0035】
この最大データ容量の計算処理の後、制御装置15により最大データ容量とRAM18の刺繍データエリア18c記憶可能容量との比較がなされ、最大データ容量が記憶可能容量以下である場合には(ステップS6でYes)、再び、模様選択操作を繰り返す(ステップS7でNo)。
【0036】
ここで、図2のフローチャートは、上記図1のステップS5の選択模様の刺繍データの最大データ容量計算の処理の詳細を示しており、以下、この処理について述べる。この容量計算の作業は、選択された模様の基本データ及び編集モードにて指定される刺繍条件から形成される刺繍データのデータ容量は、模様の形状によって異なり、また、糸密度や縮小・拡大率により異なることから、最もデータ容量が大きくなる場合を想定して行われる。具体的には、拡大率及び糸密度を共に最高に設定し、これら拡大率及び糸密度と基本データとから演算により求められる刺繍データのデータ容量である。
【0037】
まず、ステップS21では、選択された模様の基本データがRAM18の基本データエリア18aに記憶される。続いて、縮小・拡大率及び糸密度が、それぞれ編集モードにて選択可能な最大値に設定される(ステップS22,S23)。そして、上記基本データ及び刺繍条件から演算により針落ち点が求められて刺繍データが作成され(ステップS24)、刺繍データのデータ容量が計算される(ステップS25)。この場合、選択される模様が複数個あるときは、模様が選択される都度、上述の作業が繰り返されることになり、従って、最終的に得られるデータ容量は、複数個の模様に関する最大データ容量の積算値となる。
【0038】
図1のフローチャートに戻って、「H」に続く文字「A」,「P」,「P」,「Y」の選択操作が、上述の選択手順に従って繰り返されて、模様選択画面の上部の領域に「HAPPY」が表示される(図8)。「Y」までの選択が終わっても、最大データ容量が記憶可能容量を越えない場合には(ステップS6にてYes)、使用者は選択操作の終了を指定操作する。すると、編集モードに移行し(ステップS7にてYes)、LCD13の画面は図示しない編集画面に切替えられる。
【0039】
ここで、使用者によるタッチパネル14の操作により、模様のレイアウトや回転、拡大・縮小率等が指定されると(ステップS8でYes)、その内容がRAM18の刺繍条件エリア18bに記憶される(ステップS9)。同様に、模様の糸密度が指定されると(ステップS10にてYes)、その内容がRAM18の刺繍条件エリア18bに記憶される(ステップS11)。
【0040】
そして、制御装置15は、これらRAM18の刺繍条件エリア18bに記憶された刺繍条件と、RAM18に記憶されている基本データとに基づいて、選択された全ての文字について刺繍データを形成する(ステップS12)。この刺繍データはRAM18の刺繍データエリア18cに記憶される(ステップS13)。
【0041】
このとき、前記ステップS5,S6にて、選択された模様の刺繍データの最大データ容量が、RAM18(刺繍データエリア18c)の記憶可能容量を越えないことが判っているので、刺繍データ作成が途中でとぎれることなく、全体の刺繍データが作成され、記憶されるのである。
【0042】
このように刺繍データを作成した後、使用者は縫製作業を選択し(ステップS14)、縫製作業を開始させる(ステップS15)と、制御装置15は、この刺繍データ及びROM17に記憶されたプログラムに基づいて、ミシンの各機構を制御し、刺繍縫い動作を実行させる。
【0043】
一方、使用者が例えば「HAPPY BIRTHDAY」の文字模様を刺繍したいと考え、「B」の文字を選択したところで、最大データ容量の計算処理の結果、最大データ容量が記憶可能容量を上回っていたとする(ステップS6でNo)。すると、図9に示すように、模様選択画面に「データ容量が制限を越えました」というエラーメッセージが表示され、それまで模様選択画面の上部の領域に表示されていた文字「HAPPYB」のうち「B」が消去される(ステップS16及びS17)。
【0044】
このとき、使用者が、とりあえず「HAPPY」の刺繍のみ実行することを考え、エラーメッセージと共にLCD13に表示されている「確認」キーを押圧操作すると(ステップS18でYes)、エラーメッセージが消えて模様選択画面に戻る。そして、使用者による選択操作によって上述のように編集モードに移行させることができる(ステップS7でYes)。このとき、使用者が「HAPPY BIRTHDAY」という刺繍を変更することを考え、続行の指定(「確認」キーの押圧操作)をしなかった場合には、それまでに選択された全ての文字がキャンセルされて終了する(ステップS18でNo)。
【0045】
従って、刺繍データの容量が、RAM18の記憶可能容量を越える虞があるときには、そのまま刺繍データの作成を行ってしまうことが未然に防止されるのである。
【0046】
このように本実施例によれば、刺繍条件に基づいて基本データを加工し刺繍データを作成するにあたり、まず、模様を選択操作しているときに、使用者により選択された全ての模様に関して刺繍データ容量の最大値が計算されるようになっている。この最大データ容量は、編集モードで刺繍条件を設定した場合にこの刺繍データと基本データとに基づいて作成される刺繍データのデータ容量が最も大きくなる場合を想定して求められる。
【0047】
従って、模様の選択操作が終了するまでLCD13に何等メッセージが表示されなければ、選択した模様の最大データ容量がRAM18の刺繍データエリア18aの記憶可能容量を越えていないことになるので、続いて行う模様の編集処理においては、どの様な刺繍条件でも設定することができる。
【0048】
また、模様の選択操作の途中で最大データ容量が記憶可能容量を越えた場合には、その旨が報知されるので、使用者は、その時点で、選択された模様をキャンセルして異なる模様の選択を実行するか、或いは、使用者の所望する刺繍のうち既に選択した模様についてまず、刺繍データを作成するか判断することができる。従って、使用者が選択した全ての模様について、必ず刺繍データを作成することができるので、従来のように模様の選択が全て終了した段階で刺繍データの作成が不可能であることが判明し、模様の選択操作をやり直さなければならない、という不具合を未然に防止できるのである。
【0049】
ところで、上述した説明では、複数の模様を組合わせたデータ容量が記憶可能容量を越えた場合について説明したが、1つの模様が選択されたときであっても、その模様のデータ容量が記憶可能容量を越えると、上述したような報知が自動的に実行される。基本的には、1つの模様の拡大率及び糸密度を最高にしても記憶可能容量を越えることはないが、刺繍ミシンの多機種化に伴いその記憶可能容量も多様化するにつれて、1つの模様のデータ容量が記憶可能容量を越える場合がある。また、刺繍データを作成する装置が一般に普及し始めたことから、作られた模様データの共用化が望まれているが、記憶可能容量の多様化が進むにつれて必ずしもすべての刺繍ミシンの記憶可能容量を越えないデータが作られるとは限らない。一方、最も容量の少ない記憶可能容量を有するミシンに合わせてデータを作成するのでは、模様作成の自由度が阻害されてしまう。
【0050】
その結果、1つの模様であっても、その面積が広かったり、重複して縫製される部分が多いために針落ち点の数が多い場合には記憶可能容量を越える可能性が生じる。また、1つの縫目の長さが長く針落ち点の数自体は少ないが、1つの縫目の長さが所定の長さを越えると、例えば、所定の長さ以下の距離は1バイトでデータが構成されるが、その所定の長さを越える距離を表すデータは2バイトで構成されるという場合にも、1つの模様であっても記憶可能容量を越える可能性がある。しかし、上述した構成であれば、1つの模様が選択されたときから最大データ容量の計算が成されているので、模様を組合わせる前に、作業者は組合わせ不可能であるなどの不具合を知ることができる。
【0051】
尚、上記実施例では、最大データ容量が、RAM18の記憶可能容量を越えた場合には、そのときの模様の選択を不可能とした。しかしながら、必ずしも使用者は刺繍データのデータ容量が最大となる刺繍条件を設定することを望んでいるとは限らないため、刺繍条件としてデータ容量が大きくならないもの(例えば糸密度を最も小さくする)を指定する場合には、続いて編集モードへ移行することを可能に構成しても良い。
【0052】
また、本実施例では最大データ容量の計算は、ただ1つの模様が選択されたときから実行されるようにしたが、2以上のある所定の数の模様が選択された場合に実行されるようにしても良い。
【0053】
その他、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の拡張、変更が可能である。例えば上記実施例では、本発明を家庭用のミシンに適用したが、工業用の縫製装置に適用しても良く、また、例えばパソコン(ノートパソコン)等を用いて、ミシンとは独立して刺繍データの処理を行う処理装置に適用することも可能である。
【0054】
また、上記実施例では、刺繍枠8により針4に対して加工布側を移動させる構成としたが、針(針棒)側を加工布に対して移動させながら刺繍模様を形成するものや、針と加工布との双方を移動させながら刺繍模様を形成するものにも適用でき、刺繍枠を用いずに、針振り及び送り歯による加工布の前後左右の移動によって刺繍を形成するものにも適用できる。
【0055】
さらには、記憶手段としてはROM及び外部ROMカードに限らず、ROMのみで済ませたり、或いはRAMを用いたり、磁気ディスク、光ディスクなど読み書き可能なものも含めて各種の記憶媒体を記憶手段として用いることができる。また、表示手段としてもLCDに限らず、CRTディスプレイ等であっても良い。そして、選択手段としては別途のスイッチやキーボードを用いても良く、表示内容なども適宜変更することが可能である。
【0056】
【発明の効果】
以上の説明にて明らかなように、本発明の請求項1の刺繍データ作成装置によれば、選択手段により模様が選択される都度、その模様に関する刺繍データの最大データ容量が最大データ容量検出手段により求められ、報知手段により、最大データ容量と、刺繍データ記憶手段の記憶可能容量とに基づき模様選或いは刺繍条件設定に関わる報知がなされるようになっているので、使用者は模様を選択している段階で、その選択された模様の刺繍データを作成することができるということがわかる。従って、従来のように、使用者の所望する模様が刺繍データを作成可能かどうか不明のまま、模様を選択し、続いて刺繍条件の設定の段階で刺繍データの作成が不可能となってしまうという不具合をなくすことができる。
【0057】
このとき、複数の模様に関する刺繍データの最大データ容量の積算値と記憶可能容量とが比較手段により比較され、前記積算値が記憶可能容量を上回っている場合には、その旨が報知されるようになっていると、使用者は選択模様を変更しなければならないことを確実に知ることができる(請求項2)。
【0058】
しかも、報知手段による報知後も、模様の選択操作の続行が可能とすると、使用者の判断により、模様の変更や、複数の模様を部分的に修正することなどが可能となり、また、報知手段により報知される前に選択された模様のみについて刺繍縫い動作を実行させることができる(請求項3)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、模様選択から縫製までの手順を示すフローチャート
【図2】最大データ容量の計算処理手順を示すフローチャート
【図3】刺繍ミシンの外観を示す斜視図
【図4】制御装置を中心とした電気的構成を示すブロック図
【図5】RAMの内容を示す図
【図6】模様選択画面の一例を示す図
【図7】模様「H」が選択されたときの模様選択画面を示す図
【図8】模様「HAPPY」が選択されたときの模様選択画面を示す図
【図9】エラーメッセージが表示されたときの様子を示す図
【図10】模様の基本データの一例を示す図
【図11】ブロックの一針展開の方法を説明するための図
【符号の説明】
図面中、1はミシン本体(縫製装置)、4は針、14はタッチパネル(選択手段,設定手段)、15は制御装置(刺繍データ作成手段,最大データ容量検出手段)、17はROM(基本データ記憶手段)、18はRAM(刺繍データ記憶手段)を示す。
Claims (3)
- 針と加工布とを相対的に移動させながら前記加工布に絵、文字等の所定模様の刺繍を形成する縫製装置のための、刺繍縫い動作に必要な刺繍データを作成するための装置であって、
模様の形状を確定する基本データを多数個の模様に関して記憶する基本データ記憶手段と、
前記基本データ記憶手段に記憶された模様を選択するための選択手段と、
前記選択された模様に関する刺繍データ容量の増加を伴う刺繍条件を設定する設定手段と、
前記選択手段による選択が行われる都度、選択されている模様に関する前記設定手段による最もデータ容量が多くなるときの刺繍データの最大データ容量を求める最大データ容量検出手段と、
前記基本データ及び刺繍条件に基づいて刺繍データを作成する刺繍データ作成手段と、
この刺繍データ作成手段により作成される刺繍データを記憶する刺繍データ記憶手段と、
前記最大データ容量と刺繍データ記憶手段の記憶可能容量とに基づき模様選択或いは刺繍条件設定に関わる報知をする報知手段とを具備することを特徴とする刺繍データ作成装置。 - 前記最大データ容量検出手段により求められた最大データ容量の積算値と前記刺繍データ記憶手段の記憶可能容量とを比較する比較手段を具備すると共に、前記報知手段は、前記積算値が前記記憶可能容量を越えたときにその旨を報知することを特徴とする請求項1記載の刺繍データ作成装置。
- 前記報知手段による報知後も、模様の選択操作の続行が可能とされていることを特徴とする請求項2記載の刺繍データ作成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30169395A JP3617152B2 (ja) | 1995-11-20 | 1995-11-20 | 刺繍データ作成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30169395A JP3617152B2 (ja) | 1995-11-20 | 1995-11-20 | 刺繍データ作成装置 |
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