JP3629848B2 - 刺繍ミシン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工布を保持した刺繍枠を縫針に対して相対的に移動させて加工布に絵、文字などの所定模様の刺繍を形成する刺繍ミシンに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、家庭用のミシンにあっては、絵,文字等の模様に対応する刺繍データに基づいて、加工布に所定模様の刺繍を形成することができるものが供されてきている。このものは、多数(多種類)の模様に対応した刺繍データが内蔵するメモリに予め記憶されたり、メモリカードなどの記憶媒体によって外部から与えられるようになっている。そして、例えばマイコンが所定の刺繍データを読出し、その刺繍データに基づいて、縫針駆動機構や刺繍枠移動機構を制御して加工布に対する刺繍縫い動作を実行するようになっている。
【0003】
このような刺繍縫い動作の実行時には、刺繍枠に保持された加工布は、押え足によりその針落ち部分が適度に押えられるようになっている。この押え足は、使用者の切換え操作により、加工布を押える下降位置と、加工布の着脱時等に邪魔にならないように退避する上昇位置とのいずれかに位置されるようになっている。また、前記刺繍枠としては、複数種類の大きさのものを付替え可能に有しており、例えば比較的大きな刺繍模様を形成させる場合には大枠を装着し、比較的小さい刺繍模様を形成させる場合には小枠を装着するようになっている。
【0004】
このようなミシンにおいては、使用者が刺繍模様を選択すると、縫製動作を実行させるにあたって、例えばミシン本体の前面部に設けられたLCD等の表示装置に選択された模様を表示し、使用者はそれを見て縫製位置を設定したり確認したりすることができるようになっている。
【0005】
この場合、表示装置の画面には、加工布の縫製可能領域、つまり刺繍枠(大枠)の大きさに対応した枠が表示されると共に、その枠内に刺繍模様の形成領域が表示されるようになっている。初期状態(使用者の操作のない状態)においては、刺繍模様の形成位置は、縫製可能領域(枠)の中央に設定されるようになっている。そして、刺繍模様の形成位置を変えたい場合には、使用者が、画面を見ながら移動キーを操作することにより、画面上の縫製可能領域に対する刺繍形成領域が移動し、これに伴い、刺繍枠も移動するようになっている。
【0006】
ところで、前述したように刺繍枠には大枠と小枠とがあり、小枠が取付けられているときに、移動キーを操作して縫製位置を変更させると、小枠に保持された加工布の縫製可能領域を越えて刺繍形成領域が移動する場合がある。もし、このときに押え足が下降位置にあると、押え足が刺繍枠に衝突してしまうことになる。そのため、従来では、押え足が上昇位置にあるか下降位置にあるかを検出するためのリミットスイッチ等を設け、押え足が下降位置にあるときには、装着されている刺繍枠の種類にかかわらず刺繍枠の移動を禁止するようにし、押え足が上昇位置に位置していることを条件に刺繍枠を移動させるようにしていた。
【0007】
しかしながら、刺繍形成位置を微妙に変更させる場合のように数mm程度だけ刺繍枠が移動する場合には、押え足が下降位置にあっても刺繍枠と衝突するおそれはないにもかかわらず、従来のものでは、押え足が下降位置にある場合には刺繍枠の全ての移動が禁止される。このため、使用者が、押え足を一旦上昇させた後刺繍枠を移動させ、この後、再び押え足を下降させてから縫製動作を実行させる必要があり、その分、手間がかかり、使用者の使い勝手が悪かった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、刺繍形成位置の設定等を行うために刺繍枠を移動させる場合において、刺繍枠と押え足との衝突を防止しつつ、使い勝手の向上を図ることができる刺繍ミシンを提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の刺繍ミシンは、押え足の高さ位置を検出する位置検出手段と、縫製動作の停止状態で移動機構により刺繍枠を任意の移動量で縫針に対して相対的に移動させることを指示するための移動指示手段と、この移動指示手段による前記刺繍枠の相対移動量の大小を判断する判断手段と、前記位置検出手段により押え足が下降位置にあることが検出され、且つ前記判断手段により相対移動量が大であると判断された場合には、前記移動指示手段による指示にかかわらず前記刺繍枠の相対的移動を禁止する移動禁止手段とを具備している(請求項1の発明)。
【0010】
また、本発明の請求項2の刺繍ミシンは、移動指示手段による刺繍枠の相対移動量の大小を判断する判断手段を設けることに代えて、移動指示手段により指示される刺繍枠の相対移動量の小さい小移動モードと相対移動量の大きい大移動モードとのどちらかに設定する移動モード設定手段を設け、位置検出手段により押え足が下降位置にあることが検出され、且つ、移動モード設定手段により大移動モードが設定された場合には、移動指示手段による指示にかかわらず刺繍枠の相対的移動を禁止する移動禁止手段を具備する。
【0011】
この場合、前記位置検出手段により押え足が下降位置にあることが検出されているときに、前記判断手段により相対移動量が大であると判断された場合には(請求項3の発明)、或いは、前記移動モード設定手段により大移動モードが設定された場合には(請求項4の発明)、報知手段により刺繍枠の相対的移動が不可能である旨を報知するように構成すると良い。
【0012】
さらに、前記移動指示手段により刺繍枠の相対的移動が指示された際に、その移動方向に関する前記刺繍枠の内周縁部と前記押え足との間の距離に対応する長さを算出する算出手段を備え、前記算出手段による算出長さが所定長さ以下であるときには、移動量の大小にかかわらず前記刺繍枠の相対的移動が禁止されるようにすることも良い構成である(請求項5の発明)。
【0013】
加えて、刺繍模様を選択するための刺繍模様選択手段を備えてなる刺繍ミシンにおいては、前記移動機構による前記刺繍枠の相対的移動は、前記刺繍模様選択手段による刺繍模様の選択後にのみ可能とするように構成することができる(請求項6の発明)。また、前記刺繍模様選択手段により選択された2個以上の刺繍模様から構成される組合わせ模様の縫製が可能な刺繍ミシンに適用することもできる(請求項7の発明)。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を家庭用の刺繍ミシンに適用した第1の実施の形態(請求項1,3,5,6,7に対応)について図1ないし図9を参照して説明する。
図3は、本実施の形態に係る刺繍ミシンの外観を概略的に示しており、ミシン本体1はミシンベッド2の上方にアーム部3を一体的に有して構成されている。前記アーム部3の先端部には、縫針4を有する針棒5が設けられると共に、前記縫針4が通過するリング状の押え足6が設けられている。この押え足6は、図示しないレバーが操作されることにより、加工布に作用する下降位置と上方へ退避する上昇位置との間で位置切換可能とされている。
【0015】
一方、前記ミシンベッド2の上面には、前記針棒5に対応して針板2aが設けられ、その針板2aの下面部に位置して図示しない釜機構が設けられている。前記針棒5及び釜機構並びに押え足6等は、ミシンモータ7(図4参照)により駆動機構を介して同期駆動され、以て縫製動作を実行するようになっている。
【0016】
前記ミシンベッド2の左端部には、刺繍装置8が着脱可能に装着されている。この刺繍装置8は、加工布(図示せず)を保持するための刺繍枠9と、この刺繍枠9ひいては加工布を水平方向に自在に移動させるための移動機構、この場合刺繍枠移動機構10とから構成されている。前記刺繍枠9は、この場合はほぼ矩形枠状をなし、外枠と内枠とから構成されてそれらの間に加工布を挟み込むことにより、加工布を刺繍枠9の下部(針板2aの上面部分)において枠内部に張渡した状態に保持するようになっている。
【0017】
尚、刺繍枠9には、図3に示す大枠の刺繍枠9の他、例えばポケット等の小さい部分に刺繍を形成させる場合に使用する小枠が用意され、刺繍枠移動機構10に対して付替え可能となっている。また、前記押え足6が下降位置にある状態では、縫針4が加工布に刺さる際に加工布を上方から適度な力で押さえるように構成されている。
【0018】
前記刺繍枠移動機構10は、前記刺繍枠9をY方向駆動モータ11(図4にのみ示す)によりY軸(前後)方向に自在に移動させるように構成された移動体12を、X方向駆動モータ13(図4にのみ示す)によりX軸(左右)方向に自在に移動させるように構成されている。これにて、刺繍枠9に保持された加工布は、刺繍枠移動機構10により、固有のXY座標系に基づく任意の位置に移動されるのである。このように、刺繍枠移動機構10により、針棒5に対して加工布を自在に移動させながら、前記駆動機構により針棒5などを駆動することにより、刺繍縫い動作が実行されるのである。
【0019】
尚、前記アーム部3の先端側の前面部には、スタート・ストップキー14が設けられており、ミシン本体1の右側壁面の下部には、電源スイッチ15が設けられている。また、本実施例の刺繍ミシンは、刺繍のほかにも、一般的な各種の実用縫い(直線縫い、ジグザグ縫い、裁ち目かがり等)を実行できることは勿論である。この場合、前記押え足6は、図示する刺繍縫い用と実用縫い用との交換が可能とされている。さらに、刺繍縫いを行わないときには、ミシンベッド2から前記刺繍装置8部分を取外して一般縫製用の平坦なテーブル(図示せず)に付替えることができるようになっている。
【0020】
さて、前記アーム部3の前面部には、各種の模様やメッセージ等を画面に表示するための表示手段たるLCD16が設けられている。このLCD16には、後述するように使用者が刺繍を実行させるにあたって、模様種類選択画面(図5等参照)や配置編集画面(図7等参照)等が表示されるようになっている。このLCD16の表面には、各種の操作キーを構成するタッチパネル17(図4にのみ示す)が設けられている。このタッチパネル17は、周知のように透明電極を縦横に並べて構成され、このタッチパネル17を使用者が手指で触れた位置を検出することができるようになっている。
【0021】
そして、ミシン本体1内には、図4に示すように、各機構を制御するための制御装置18が設けられている。この制御装置18は、マイクロコンピュータを主体として構成され、入力インターフェース19、出力インターフェース20、CPU21、ROM22及びRAM23をバスライン24により相互に接続して構成されている。
【0022】
前記ミシンモータ7や刺繍枠移動機構10のX方向駆動モータ13及びY方向駆動モータ11等並びにLCD16は、出力インターフェース20に接続されて制御装置18により制御されるようになっている。また、入力インターフェース19には、前記タッチパネル17やスタート・ストップキー14が接続されている。さらに前記入力インターフェース19には、前記押え足6の高さ位置(上昇位置にあるか否か)を検出する位置検出手段として例えばリミットスイッチ25が接続されている。このリミットスイッチ25は、たとえば押え足6が上昇位置にあるときにオンするように構成され、その出力信号が前記入力インターフェース19に入力されるようになっている。
【0023】
前記ROM22には、ミシンの刺繍縫い動作や実用縫い動作を制御するための制御プログラム、LCD16の表示制御用の制御プログラム、刺繍データの読出し、編集等の各種のデータ処理を行うためのデータ処理用プログラムなどが記憶されている。前記LCD16の表示制御用の制御プログラムの実行により、制御装置18は、後述するように各種表示を制御する手段として機能している。
【0024】
そして、これと共に、ROM22には、刺繍縫いに関しての多数個の模様の形状を確定する模様データが記憶されている。この場合、ROM22に記憶される模様データとしては、比較的単純な形状の飾り模様や、仮名やアルファベット、数字や記号等の模様とされている。
【0025】
前記模様データは、本実施例においては、刺繍縫い動作に必要な刺繍データ及び各模様をLCD16に表示するために必要な表示データ(ビットマップデータ)、並びに付随するデータ(糸色データ等)を含んでいる。この場合、刺繍データとは、最終的には、一針ごとの加工布のX,Y方向の移動量(針落ち位置)を示すデータとなるが、記憶される刺繍データとしては、模様の外形を示すデータとされ、刺繍縫い動作実行時にそのデータから最終的なデータが演算により作成されるようにしている。また、刺繍データと表示データとを共有したり、一方のみのデータを記憶し、そのデータから他方のデータを作成するようにすることも可能である。
【0026】
さらに、本実施例では、制御装置18には、外部ROMカード26が着脱可能に接続されるようになっている。この外部ROMカード26には、比較的大形で複雑な絵模様に対応した模様データ(刺繍データ及び表示データ並びに付随する色分解等のデータ)が、多数個の模様に関して記憶されている。この外部ROMカード26の制御装置18への接続は、図3に示すように、ミシン本体1の右側壁部に設けられたカード挿入孔27に使用者が外部ROMカード26を差し込むことによって行われるようになっている。
【0027】
これにて、前記制御装置18は、ROM22に記憶されたプログラム及び使用者によるタッチパネル17の選択操作等に基づいて、ミシンの各機構を制御し、刺繍縫い動作や一般の実用縫いを実行させるようになっている。このとき、後の作用説明にて明らかとなるように、制御装置18は、使用者が刺繍を実行させたい模様を選択するモードでは、LCD16の画面に多数個の模様を表示させる各種の模様選択画面(図6及び図7参照)を表示させるようになっている。使用者は、その模様選択画面において、選択操作(タッチパネル17のタッチ操作)を行うことによって、1個以上の模様を選択することができるようになっている。従って、タッチパネル17が、本発明でいう刺繍模様選択手段として機能する。
【0028】
そして、制御装置18は、その模様選択が行われて配置編集のモードに移行されたときには、LCD16の画面に配置編集画面を表示するようになっている。この配置編集画面においては、図8及び図9に示すように、LCD16の画面の図中ほぼ左半部に、加工布の縫製可能領域(刺繍枠9)をイメージしたレイアウト領域Aを枠で囲って表示すると共に、そのレイアウト領域A内に、選択された1個以上の刺繍模様Bを四角い枠で囲って表示するようになっている。この四角い枠が刺繍の占有領域となる。このレイアウト領域Aは、加工布に対する刺繍形成位置の確認や設定をするために設けられるものであり、この場合、刺繍縫い動作を実行する際の縫製可能な最大領域が表示される。従って、装着された刺繍枠9に種類にかかわらず、レイアウト領域Aは大枠での縫製可能領域に対応し、各刺繍模様Bの大きさや刺繍模様Bどうしの間隔はその縫製可能領域に対する相対的な寸法や距離に対応する。
【0029】
尚、模様選択が行われた初期状態では、刺繍模様Bはレイアウト領域Aの中央に来る(加工布の中央に刺繍が形成される)ように設定されている。また、この状態では、刺繍枠9は、その中央が針棒5の真下に来る、つまり縫針4の先端が加工布の中央(刺繍形成位置の中央)を指している状態に停止している。
【0030】
また、この配置編集画面においては、前記レイアウト領域Aの右側に位置して、タッチパネル17の操作位置を操作ボタンのイメージで示す各種のキー表示Cがなされるようになっている。そして、使用者は、タッチパネル17のキー表示C部分をタッチ操作することにより、刺繍模様Bのレイアウト領域A内での移動や90度回転等の編集処理を行うことができ、その操作に応じて刺繍模様Bの表示も移動されるようになる。これにて、レイアウト領域Aにおいては、加工布に刺繍が形成されたときのイメージにあった表示がなされるようになり、使用者はこれを見て、選択した模様の刺繍を形成する際の所望のレイアウトを設定することができるのである。
【0031】
この場合、刺繍模様Bを移動させるためのキーとしては、刺繍模様Bを上下(前後)左右及び斜め四方向のいずれかに移動させるための八方移動キーC1及び刺繍模様Bを中央に移動させるためのセンターキーC2が設定される。そのうち八方移動キーC1の1回の押圧操作がなされることにより、刺繍模様Bの形成位置は、キーの向きに応じた方向に数mmずつ移動し、押圧し続けると連続して移動するようになっている。また、センターキーC2の1回の押圧操作がなされると、刺繍模様Bはレイアウト領域Aの中央に戻るようになっている。
【0032】
このとき、制御装置18は、刺繍模様Bの位置の移動が指示されたときには、レイアウト領域A内の刺繍模様Bの表示位置を変更させるようになっていると共に、それに応じて刺繍枠9を移動させるようになっている。即ち、常に、縫針4の先端が加工布のうち刺繍形成位置の中央を指しているように、刺繍枠9を移動させるようになっているのである。これにて、使用者は、LCD16の表示及び現在の刺繍枠9と縫針4との位置関係を見て加工布のどの位置に刺繍が形成されるかを容易に理解することができるのである。尚、この場合、設定の変更により、縫針4を刺繍形成位置の左下角部に位置させるようにすることも可能とされている。
【0033】
さらに、タッチパネル17のキー表示Cには、「ためし」キーC3が設定されている。この「ためし」キーC3は、使用者が実際の加工布上における刺繍形成位置を確認するためのもので、タッチ操作されると、制御装置18は、縫針6の先端が指す位置が刺繍形成位置の外形(表示される四角枠に対応)をなぞるように、刺繍枠9を順に移動させるようになっている。従って、タッチパネル17上に設定されるキー表示Cが、本発明でいう移動指示手段として機能する。
【0034】
尚、詳しい説明は省略するが、タッチパネル17の操作により刺繍模様Bの回転や大きさの変更(拡大・縮小)といった他の編集作業も行うことができるが、この場合、刺繍模様Bの中心位置は変化しないので、このような編集処理には、刺繍枠9の移動が伴わないようになっている。
【0035】
そして、前記制御装置18は、使用者がLCD16の配置編集画面において前記刺繍枠9の移動を伴う編集処理の操作(タッチパネル17のタッチ操作)、つまり移動の指示が行われたとき、その移動量の大小を判断するようになっている。ここで、刺繍枠9の移動量の大小の判断は、タッチ操作されたキー表示C部分に基づいて行われ、本実施例においては、キー表示Cのうちの八方移動キーC1がタッチ操作された場合には移動量は小であると判断され、センターキーC2及び「ためし」キーC3がタッチ操作された場合には移動量は大であると判断されるようになっている。
【0036】
さらに、前記制御装置18は、刺繍枠9の移動量が大であると判断されたときに、前述のリミットスイッチ25により押え足6が下降位置にあることが検出された場合には、使用者の指示にかかわらず刺繍枠9の移動を禁止するようになっている。
【0037】
加えて、制御装置18は、刺繍枠9の移動量が小であると判断されたときには、その移動方向に関する刺繍枠9の内周縁部と押え足6との間の距離に対応する長さ、この場合、レイアウト領域Aにおける刺繍模様B(占有領域)の移動方向側の余白に対応(正比例)した距離を算出し、その算出距離が所定長さ以下の場合にも刺繍枠9の移動を禁止するようになっている。この場合、所定の長さは、刺繍模様の移動方向により異なるように設定しても良く、或いは同一長さに設定しても良い。ここで、レイアウト領域Aにおける刺繍模様Bの移動方向側の余白の距離は、レイアウト領域Aの4つの角部と占有領域の4つの角部の各XY座標から周知の方法で算出される。
【0038】
尚、刺繍枠9の内周縁部と押え足6との間に対応する距離は、上記した余白の距離に限らず、刺繍枠9の内周縁部と押え足6との直接的な距離を算出するようにしても良く、また、この場合には押え足6の大きさ(加工布を押さえる部分の幅や長さ)を考慮した距離を算出することができる。
【0039】
そして、上記刺繍枠9の移動が禁止された場合には、制御装置18は、LCD16の配置編集画面のうちの前記レイアウト領域A及びキー表示部分Cの下部に位置するメッセージ表示部Dに、刺繍枠9の移動が不可能である旨、この場合「押え足を上げて下さい。」というメッセージを表示させる(図9参照)と共に、刺繍枠9の移動を禁止するようになっている。従って、制御装置18は、本発明でいう判断手段及び移動禁止手段並びに算出手段として機能し、また、LCD16は報知手段として機能する。尚、刺繍枠9の移動が禁止されるときは、それに対応して、LCD16の配置編集画面に表示された刺繍模様Bの移動もなされないようになっている。
【0040】
次に、上記構成の作用について、図1及び図2も参照して述べる。図2のフローチャートは、模様選択から縫製までの制御装置18が実行する処理の手順を示しており、まず、この図2を参照しながら刺繍縫い実行時の全概略について述べる。
【0041】
まず、ミシン本体1の電源スイッチ15がオンされると、各種イニシャル操作が実行されて、LCD16に、初期画面であるメニュー選択画面が表示される(ステップS1)。このメニュー選択画面にあっては、まず図5に示すように、多数個の模様を種別に大分類(8種類)した模様種類あるいは実用縫いを選ぶ画面が現れる。ここで、使用者が刺繍縫い動作を実行させたい場合には、タッチパネル17を操作して刺繍縫い動作に係る模様(「実用」以外の模様の項目)の項目を選択する。尚、ここでは、図8に示すように、「象」の絵模様と、「HAPPY」の文字模様を組合わせた刺繍模様を、加工布に刺繍する場合を具体例として挙げながら説明する。
【0042】
使用者がタッチパネル17のタッチ操作により、刺繍模様の項目のうちの上段の絵模様を選ぶと(ステップS2にてYes)、制御装置18は、そのタッチ部分に基づいて模様選択処理,模様判別処理を行い、LCD16の画面を、図6に示すような絵模様の選択に係る模様選択画面に切替える(ステップS3〜S5)。ここでは、前記外部ROMカード26に記憶された表示データに基づいて、画面に「パンダ」,「象」,「キリン」…等の多数個の絵模様が表示される。
【0043】
使用者は、この模様選択画面を見て、刺繍を形成したい模様(この場合「象」の模様)を選択する(ステップS6)。この選択は、LCD16の画面(タッチパネル17)の選択したい模様が表示されている部分を直接手指でタッチ操作することにより行われる。尚、この絵模様にかかる模様選択画面は複数ページに渡って存在しており、表示されているページに所望の模様が存在しない場合には、使用者はページ送りをタッチ操作するようにする。
【0044】
そして、使用者による模様選択が行われると(ステップS6にてYes)、選択された模様に関する刺繍データがRAM23に記憶され(ステップS7)、模様サイズデータが読込まれる(ステップS8)。制御装置18は、この模様サイズデータに基づいて、刺繍枠9のうちの大枠縫製可能エリアに収まるか否かを判断する(ステップS9)。そして、選択された模様のサイズが大枠縫製可能エリアに収まる場合であって(ステップS9にてYes)、未だ全ての模様の選択が完了していない場合には、次の模様の選択を待つ。このとき、模様の種類がLCDに表示されている模様選択画面の模様種類とは異なる場合には、再びステップS1の初期画面に戻り(ステップS12にてYes)、LCD16の表示は図5に示すものに戻る。
【0045】
次に「HAPPY」の模様を選択したい場合には、使用者は、「ABC」(字体の異なる2種類のうちのいずれか)を選ぶ(ステップS2)。すると、LCD16には、図7に示すような模様選択画面が表示され(ステップS3〜S5)、ここで、使用者が「H」,「A」,「P」,「P」,「Y」の文字模様を順に選択指定する(ステップS6)。この場合、各文字模様が選択指定されると、その都度、すでに選択された模様に新たに選択された模様を組合わせた刺繍模様全体のサイズが演算され、大枠縫製可能エリアに収まるか否かの判断がなされる。このとき、選択された模様のサイズが大枠縫製可能エリアに収まらない場合には(ステップS9にてNo)、直前に選択された模様の選択を取消し(ステップS10)、選択された模様の模様サイズがエリアオーバーである旨の表示をする(ステップS11)。
【0046】
このように「HAPPY」の文字模様の選択が終了し(ステップS12にてNo,ステップS6にてNo)、タッチパネル17をタッチ操作して「レイアウト」の項目を選択すると(ステップS13にてYes)、ステップS14にてLCD16に配置編集画面が表示される。図8に示すように、この配置編集画面では、レイアウト領域A内に、選択された絵模様の「象」と字模様の「HAPPY」とが組合わされた刺繍模様の占有領域Bが枠で囲まれた状態で表示される。
【0047】
使用者は、この配置編集画面を見て、キー表示Cに基づいてタッチパネル17をタッチ操作することにより、刺繍模様の回転や、縫製位置の移動等の処理を行うことができ、その操作に応じてレイアウト領域A内の占有領域Bが移動したり回転したりするようになる。
【0048】
ここで、使用者により、刺繍枠9の移動を伴う処理が選択操作されると(ステップS15にてYes)、制御装置18は、ステップS16にて、その操作に対応する刺繍枠9の移動量の大小や、押え足6の高さ位置、或いは刺繍枠9の内周縁部と押え足6との距離に基づいて編集処理を実行し、それと同時に刺繍装置8のX及びY方向駆動モータ13及び11を駆動して刺繍枠9を移動させるようになっており(ステップS16)、以下、この処理について述べる。
【0049】
図1のフローチャートは、枠移動サブルーチンの内容を示しており、ここで、まず、使用者により、八方移動キーC1のうちのいずれかがタッチ操作されると(ステップS161にてYes)、制御装置18は、レイアウト領域Aにおける刺繍模様の刺繍模様B(占有領域を示す四角枠)周辺の余白のうち、タッチされた八方移動キーC1に対応する矢印方向側の余白の距離を算出する(ステップS162)。続いて、算出距離が所定長さ以上の場合には(ステップS162にてYes)、制御装置18は、X方向駆動モータ13及びY方向駆動モータ11を駆動制御して刺繍枠9を移動する(ステップS163)と共に、配置編集画面のレイアウト領域Aにおける刺繍模様Bの配置を変更する(ステップS164)。これに対して、算出距離が所定長さより小さい場合には(ステップS162にてNo)、刺繍枠9の移動が不可能であるため、その旨をLCD16画面のメッセージ表示部Dに表示する(ステップS165)。
【0050】
一方、使用者により、「センター」キーC2或いは「ためし」キーC3がタッチ操作されると(ステップS161にてNo)、制御装置18はリミットスイッチ25からの検出信号に基づいて押え足6が下降位置にあるか否かを判断し(ステップS166)、押え足6が下降位置にあるときには(ステップS166にてYes)、図8に示すように、メッセージ表示部Dに、「押え足を上げてください」というメッセージを表示して、刺繍枠9の移動が不可能である旨を報知する(ステップS167)。このとき、刺繍模様Bも移動されないため、LCD16の画面には、レイアウト領域Aの中央に刺繍模様Bが配置された状態のまま表示される(ステップS164)。
【0051】
尚、詳しい説明は省略するが、上記のような模様の選択及び配置編集が終了すると(ステップS15にてNo)、制御装置18により、それに基づいて最終的な刺繍データが生成され、使用者が刺繍枠(大枠)9に加工布をセットした状態で、スタート・ストップキー14を操作することにより、刺繍縫い動作が実行される(ステップS18にてYes、ステップS19)。このとき、加工布には、レイアウト領域A内の表示のイメージ通りの刺繍が形成されるのである。
【0052】
このように本実施の形態によれば、使用者により刺繍枠9の移動を伴う編集処理が選択され、刺繍枠9の移動の指示がなされた場合には、その刺繍枠9の移動量の大小を判断すると共に、押え足6の位置を検出するように構成し、刺繍枠9の移動量が大であって、且つ押え足6が下降位置にある場合には、刺繍枠9の移動を禁止し、刺繍枠9の移動量が小である場合には、押え足6の位置にかかわらず、刺繍枠9の移動を可能とした。そのため、使用者が、小枠の刺繍枠9を装着していることを知らずに、誤って刺繍枠9の移動を伴う編集処理を行った場合でも、押え足6が刺繍枠9に衝突することを未然に防止することができる。しかも、加工布に対する刺繍模様Bの形成位置を微妙に変更させたい場合には、押え足6が下降位置にあっても、従来のように、一旦、押え足6を上昇位置にしてから移動処理を行い、処理終了後に再び押え足6を下降位置にするという面倒な作業を行う必要がないので、使い勝手が良くなる。
【0053】
さらに、本実施の形態では、使用者により移動量が大である刺繍枠9の移動が指示された場合に、押え足6が下降位置にあるときには、「押え足を上げてください」というメッセージをメッセージ表示部Dに表示するようにした。そのため、使用者は、刺繍枠9の移動が不可能であることを確実に知ることができると共に、そのメッセージを見てどのような操作をすれば刺繍形成位置の移動処理を行うことができるかを判断することができる。
【0054】
ところで、本実施の形態では、八方移動キーC1により刺繍枠9の移動を指示する場合、タッチパネルが1回だけタッチ操作されると、刺繍枠9は数mmしか移動しないが、連続してタッチ操作されると、刺繍枠9の移動も連続して行われるように構成されている。基本的には、八方移動キーC1をタッチ操作した場合における刺繍枠9の移動速度は遅く、また、タッチ操作を行っているという使用者の意思に基づく移動であるため、刺繍枠9の縫製可能領域を越えて刺繍形成位置が移動される、言い換えると、押え足6が刺繍枠9の外側に位置するように移動されることはあまり考えられないが、誤って、押え足6が刺繍枠9を越えるような移動の指示がなされる場合がある。また、八方移動キーC1により刺繍枠9の移動が指示された場合には、押え足6の位置に関わらず刺繍枠9の移動が可能であるため、上述したような場合に押え足6が下降位置にあると、刺繍枠9と押え足6とが衝突してしまう。
【0055】
しかしながら、本実施の形態においては、刺繍枠9の移動量が小の場合には、レイアウト領域Aにおける刺繍模様Bの移動方向側の余白の距離を算出するように構成し、その算出距離が所定長さ以下の場合には、刺繍枠9の移動を禁止すると共に、その旨を表示するようにした。そのため、刺繍形成位置の移動が刺繍枠9(大枠)の縫製可能領域を越えて行われることがなく、また、押え足6が下降位置にある場合でも、刺繍枠9と押え足6とが衝突することを防止できる。
【0056】
尚、上記実施の形態では、刺繍枠9の移動が不可能である場合にはその旨をメッセージ表示部Dに表示するようにしたが、ブザー音や音声にて報知するようにしても良い。
【0057】
次に本発明の第2の実施の形態(請求項2,4に対応)を図10及び図11を参照して説明する。本実施の形態においては、制御装置18は、模様選択が完了した後、「レイアウト」のモードに移行されたときには、その処理内容ごとに複数種類の編集モード画面をLCDの画面に表示するようになっている。この場合、各編集モード画面のうちの左半部には、上記第1の実施の形態と同様にレイアウト領域Aが表示されると共に、そのレイアウト領域Aの中央に選択された刺繍模様Bが表示されるようになっている。これに対して、レイアウト領域Aの右側に位置して表示されるキー表示C部分は、それぞれの編集モードに対応して表示されるようになっている。
【0058】
例えば、刺繍枠9の移動を伴わない編集処理モードの場合には、キー表示C部分には回転キーや拡大・縮小キーなどが表示される(図示せず)。一方、刺繍枠9の移動を伴う編集処理モードの場合には、さらに、その移動量が小さい小移動モードと移動量が大きい大移動モードとが設けられ、小移動モードの場合には、図10に示すように、キー表示C部分には、八方移動キーC1が表示され、大移動モードの場合には、図11に示すように、キー表示C部分には、センターキーC2及び「ためし」キーC3が表示されるようになっている。尚、表示されている編集モードを変更させる場合には、使用者がページ送りをタッチ操作するようにする。従って、タッチパネル17が、本発明でいう移動モード設定手段として機能する。
【0059】
そして、本実施の形態においては、使用者により模様選択が終了し、「レイアウト」の項目が選択されて(図2のステップS13に対応(ステップS13にてYes))LCDに配置編集画面のうちの大移動モード画面(図11)が表示されると、制御装置18は、リミットスイッチ25からの検出信号に基づいて押え足6の高さ位置を判断するようになっている。そして、押え足6の高さ位置が下降位置である場合には、メッセージ表示D部分に「押え足を上げてください」というメッセージを表示し、押え足6を上昇させなければ刺繍枠9の移動ができない旨を報知すると共に、使用者によりキー表示C部分がタッチ操作されても刺繍模様Bの移動処理及び刺繍枠9の移動を行わないようになっている。これに対して、押え足6が上昇位置にある場合には、キー表示Cに基づいてタッチパネル17をタッチ操作することにより、刺繍枠9が移動され、それと同時にレイアウト領域Aにおける刺繍模様Bの配置が変更される。
【0060】
また、LCD16に小移動モード画面(図10)が表示されている場合には、上記第1の実施の形態と同様に、制御装置18は、タッチ操作されたタッチパネル17のキー表示C(八方移動キーC1)に対応する方向の刺繍枠9の内周縁部と押え足6と間に対応する距離を算出し、その算出距離が所定長さ以上であれば刺繍枠9を移動し、所定長さより小さければ刺繍枠9の移動を禁止すると共に、その旨をLCD16画面のメッセージ表示部Dに表示する。
【0061】
このように本実施の形態においては、八方移動キーC1により刺繍枠9の移動が指示される小移動モードと、センターキーC2及び「ためし」キーC3により刺繍枠9の移動が指示される大移動モードとを設け、制御装置18は、大移動モードにおいて刺繍枠9の移動が指示された場合には、刺繍枠9の移動量が大であると判断し、小移動モードにおいて刺繍枠9の移動が指示された場合には、刺繍枠の移動量が小であると判断するようにした。従って、本実施の形態においても上記第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0062】
尚、本発明は上記し且つ図面に示した実施の形態にのみ限定されるものではなく、次のような拡張或いは変更が可能である。
上記実施の形態においては、センターキーC2及び「ためし」キーC3による編集処理が選択されたときに伴う刺繍枠9の移動量を大移動とし、これらのキーのいずれかがタッチ操作されたときに押え足6が下降位置にあるときには刺繍枠9の移動を禁止するように構成した。しかしながら、センターキーC2による刺繍枠9の移動は、レイアウト領域Aの中央に戻るような移動であるため、押え足6が下降位置にあっても、刺繍枠9と押え足6とが衝突することはない。従って、センターキーC2による編集処理が選択された場合にも、刺繍枠9の移動を可能とするように構成しても良い。
【0063】
上記実施の形態においては、本発明を家庭用の刺繍ミシンに適用したが、例えば、特開昭60−119981号公報に示されるような工業用ミシンに適用することができる。また、本発明は、移動機構により刺繍枠を移動させるものに限らず、刺繍枠を固定して針棒側を移動させるものや、刺繍枠と針棒との双方を移動させる刺繍ミシンに適用することも可能である。
【0064】
【発明の効果】
以上の説明にて明らかなように、本発明の請求項1の刺繍ミシンによれば、押え足が下降位置にあり、且つ刺繍枠の相対移動量が大であるときには、刺繍枠の相対的移動を禁止するようにしたので、刺繍枠と押え足との衝突を極力防止することができ、また、押え足が下降位置にあっても相対移動量が小である場合には刺繍枠を相対的に移動させることができるので、例えば、刺繍枠と押え足とが衝突しない程度に刺繍模様の縫製位置を微妙に移動させたい場合に、一旦、押え足を上昇位置にする必要がなく、使い勝手が良い。
【0065】
また、請求項2の刺繍ミシンは、判断手段により刺繍枠の相対移動量の大小を判断することに代えて、移動モード設定手段により設定された移動モードにより刺繍枠の相対移動量の大小を判断するようにした。従って、この場合も、刺繍枠と押え足との衝突を防止しつつ、使い勝手の向上を図ることができる。
【0066】
このとき、押え足が下降位置にあって、且つ移動指示手段により指示される相対移動量が大である場合には、報知手段により刺繍枠の相対的移動が不可能である旨を報知するようにすれば(請求項3或いは4の発明)、使用者に対して、刺繍枠の相対的移動が不可能であることを確実に知らせることができる。
【0067】
さらに、前記移動指示手段により刺繍枠の相対的移動が指示された際に、その移動方向に関する前記刺繍枠の内周縁部と前記押え足との間に対応する距離が所定長さ以下であるときには、相対移動量の大小にかかわらず前記刺繍枠の相対的移動を禁止するようにすると(請求項5の発明)、押え足が刺繍枠に保持された加工布の縫製可能領域を越えるような不必要な刺繍枠の相対的移動が行われることがなく、また、移動指示手段により指示された刺繍枠の相対移動量が小のときであって押え足が下降位置にある場合にも、刺繍枠と押え足との衝突を確実に防止することができる。
【0068】
この場合、刺繍ミシンとしては、刺繍模様を選択するための刺繍模様選択手段を備えてなるものであって、前記移動機構による前記刺繍枠の相対的移動は、前記刺繍模様選択手段による刺繍模様の選択後にのみ可能とするように構成することができる(請求項6の発明)。また、前記刺繍模様選択手段により選択された2個以上の刺繍模様から構成される組合わせ模様の縫製が可能な刺繍ミシンに適用することができる(請求項7の発明)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すもので、刺繍枠移動処理の手順を示すフローチャート
【図2】制御装置の制御内容を示し、模様選択及び編集処理の処理手順を示すフローチャート
【図3】刺繍ミシンの外観を示す斜視図
【図4】制御装置を中心とした電気的構成を示すブロック図
【図5】模様種類選択画面の一例を示す図
【図6】絵模様の選択画面の一例を示す図
【図7】文字模様の選択画面の一例を示す図
【図8】配置編集画面の一例を示す図(その1)
【図9】配置編集画面の一例を示す図(その2)
【図10】本発明の第2の実施の形態を示すもので小移動モードの画面の一例を示す図
【図11】大移動モードの画面の一例を示す図
【符号の説明】
図中、1はミシン本体、4は縫針、6は押え足、8は刺繍装置、9は刺繍枠、10は刺繍枠移動機構(移動機構)、16はLCD(報知手段)、17はタッチパネル(刺繍模様選択手段,移動指示手段)、18は制御装置(判断手段、移動禁止手段、算出手段)、25はリミットスイッチ(位置検出手段)を示す。

Claims (7)

  1. 加工布を保持する刺繍枠を、移動機構によって縫針に対して相対的に移動させながら、前記加工布に対する縫製動作を実行する刺繍ミシンにおいて、
    前記加工布のうちの針落ち部分を押える下降位置と該加工布に作用しない上昇位置との間を上下動可能な押え足と、
    この押え足の高さ位置を検出する位置検出手段と、
    縫製動作の停止状態で前記移動機構により前記刺繍枠を任意の移動量で相対的に移動させることを指示するための移動指示手段と、
    この移動指示手段による前記刺繍枠の相対移動量の大小を判断する判断手段と、
    前記位置検出手段により押え足が下降位置にあることが検出され、且つ、前記判断手段により移動量が大であると判断された場合には、前記移動指示手段による指示にかかわらず前記刺繍枠の相対的移動を禁止する移動禁止手段とを具備することを特徴とする刺繍ミシン。
  2. 加工布を保持する刺繍枠を、移動機構によって縫針に対して相対的に移動させながら、前記加工布に対する縫製動作を実行する刺繍ミシンにおいて、
    前記加工布のうちの針落ち部分を押える下降位置と該加工布に作用しない上昇位置との間を上下動可能な押え足と、
    この押え足の高さ位置を検出する位置検出手段と、
    縫製動作の停止状態で前記移動機構により前記刺繍枠を相対的に移動させることを指示するための移動指示手段と、
    この移動指示手段により指示される前記刺繍枠の相対移動量を、移動量の小さい小移動モードと移動量の大きい大移動モードとのどちらかに設定する移動モード設定手段と、
    前記位置検出手段により押え足が下降位置にあることが検出され、且つ、前記移動モード設定手段により大移動モードが設定された場合には、前記移動指示手段による指示にかかわらず前記刺繍枠の相対的移動を禁止する移動禁止手段とを具備することを特徴とする刺繍ミシン。
  3. 前記位置検出手段により押え足が下降位置にあることが検出されているときに、前記判断手段により移動量が大であると判断された場合には、前記刺繍枠の相対的移動が不可能である旨を報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の刺繍ミシン。
  4. 前記位置検出手段により押え足が下降位置にあることが検出されているときに、前記移動モード設定手段により大移動モードが設定された場合には、前記刺繍枠の相対的移動が不可能である旨を報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の刺繍ミシン。
  5. 前記移動指示手段により刺繍枠の相対的移動が指示された際に、その移動方向に関する前記刺繍枠の内周縁部と前記押え足との間の距離に対応する長さを算出する算出手段を備え、
    前記算出手段による算出長さが所定長さ以下であるときには、移動量の大小にかかわらず前記刺繍枠の相対的移動が禁止されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の刺繍ミシン。
  6. 刺繍模様を選択するための刺繍模様選択手段を備えてなるものであって、
    前記移動機構による前記刺繍枠の相対的移動は、前記刺繍模様選択手段による刺繍模様の選択後にのみ可能とされることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の刺繍ミシン。
  7. 前記刺繍模様選択手段により選択された2個以上の刺繍模様から構成される組合わせ模様の縫製が可能であることを特徴とする請求項6記載の刺繍ミシン。
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