JPH10114148A - 感圧複写紙用顕色シート及びその製造方法 - Google Patents

感圧複写紙用顕色シート及びその製造方法

Info

Publication number
JPH10114148A
JPH10114148A JP8289197A JP28919796A JPH10114148A JP H10114148 A JPH10114148 A JP H10114148A JP 8289197 A JP8289197 A JP 8289197A JP 28919796 A JP28919796 A JP 28919796A JP H10114148 A JPH10114148 A JP H10114148A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
color developing
sheet
acid
color
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8289197A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuru Kobayashi
満 小林
Hiroshi Kumamoto
熊本寛士
Hiroshi Iwasaki
浩 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Paper Co Ltd
Priority to JP8289197A priority Critical patent/JPH10114148A/ja
Publication of JPH10114148A publication Critical patent/JPH10114148A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Color Printing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 減感印刷時の減感インキ盛り量が少なくとも
減感効果が発現し、発色性に優れた感圧複写紙用顕色シ
ート及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の感圧複写紙用顕色シートでは、
支持体上に、核置換芳香族カルボン酸誘導体の多価金属
塩と顔料及びバインダーを含有する水性塗被液を塗布し
て形成した顕色剤層が設けられており、前記水性塗被液
が、水性媒体中で加熱した際にゲル化を起こすビニル重
合体を含有することを特徴とし、この顕色剤層には硫酸
亜鉛が含有されても良い。本製法では、上述の特性を有
したビニル重合体を、上記の有機顕色剤及び顔料と混合
して顕色剤層塗被液を調製し、この塗被液を支持体上に
塗布して塗布層を設けた後、加熱を行って該塗布層をゲ
ル化、乾燥させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感圧複写紙用顕色
シート、特に減感印刷時の減感インキ盛り量が少なくと
も減感効果が発現し、しかも感圧複写紙としての発色性
に優れ、不本意な圧力による汚れ(こすれ汚れ)を防止
した感圧複写紙用顕色シート、並びにその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】感圧複写紙は、電子供与性発色剤(ロイ
コ染料)を溶解した疎水性芯物質を内包したマイクロカ
プセルを主成分とするマイクロカプセル組成物を支持体
の片面に塗布した上用紙と、支持体の片面には上記発色
剤と接触したとき呈色する電子受容性顕色剤を主成分と
する顕色剤主成分を塗布し、反対面にはマイクロカプセ
ル組成物を塗布した中用紙及び支持体の片面に顕色剤組
成物を塗布した下用紙があり、これら3種類のシートを
上用紙、下用紙或いは上用紙、中用紙、下用紙の順で組
み合わせて複写セットとして実用化されている。また支
持体の同一面上に発色剤と顕色剤を塗布して1枚で感圧
記録可能とした自己発色性感圧複写紙(セルフコンテイ
ンドペーパー)も感圧複写紙の一形態としてよく知られ
ている。
【0003】感圧複写紙は、従来、主として伝票(フォ
ーム)用紙として使われ、伝票のフォーマットは専門印
刷業者により凸版印刷やオフセット印刷方式によって印
刷されることが多かった。しかし、近年、感圧複写紙の
需要は、その用途の拡大に伴い、例えば一般伝票、配送
伝票、契約書類等を中心に多岐に渡っている。伝票の構
成によっては、中用紙、下用紙の顕色剤塗布面に記録不
要部分を設ける場合があり、この様な場合には減感剤を
含む減感インキを印刷機等によって顕色剤塗布面のその
部分に塗布して減感する方法がとられている。
【0004】ところが、近年、経済的理由より感圧複写
紙の製造において、顕色剤層塗工の高速化と塗工量減が
進むにつれ、減感印刷を施す場合において、多量の減感
インキを盛らなければ減感効果が発現せず、且つ、減感
インキを多量に盛ることにより減感インキの乾燥が遅く
なり、セットオフ汚れ等の印刷トラブルを引き起こすケ
ースが増えてきている。この様なトラブルは、青発色よ
り減感されにくい黒発色の場合、その傾向が顕著であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、感圧複写紙
用顕色シートに関するものであり、特に減感印刷時の減
感インキ盛り量が少なくとも減感効果が発現し、しかも
感圧複写紙としての発色性に優れ、不本意な圧力による
汚れ(こすれ汚れ)を防止した感圧複写紙用顕色シート
を提供することを目的とする。又、本発明は、上述の感
圧複写紙用顕色シートを製造するための方法を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の感圧複写紙用顕
色シートは、支持体上に、核置換芳香族カルボン酸誘導
体の多価金属塩と顔料及びバインダーを含有する水性塗
被液を塗布して形成した顕色剤層が設けられたものにお
いて、前記水性塗被液が、水性媒体中で加熱した際にゲ
ル化を起こすビニル重合体を含有することを特徴とす
る。更に、本発明では、前記ビニル重合体がモルホリン
類のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド1
〜5モル付加物のビニルカルボン酸エステルの重合体で
ある場合に、特に良好な特性を有する製品となる。又、
前記ビニル重合体と硫酸亜鉛を併有する塗被液を塗布し
て形成した顕色剤層が設けられた本発明の感圧複写紙用
顕色シートの場合には、発色性と発色汚れのバランスが
更に向上する。
【0007】又、本発明は、上記感圧複写紙用顕色シー
トを製造するための方法でもあり、この方法は、下記成
分A〜D、 成分A:核置換芳香族カルボン酸誘導体の多価金属塩、 成分B:顔料、 成分C:バインダー、及び 成分D:水性媒体中で加熱した際にゲル化を起こすビニ
ル重合体 を含有する顕色剤層塗被液を調製した後、前記顕色剤層
塗被液を支持体上に塗布して塗布層を設け、その後、加
熱を行って前記塗布層をゲル化、乾燥させることを特徴
とする。
【0008】
【作用】本発明は前述の如く、かかる核置換芳香族カル
ボン酸誘導体の多価金属塩を用いた顕色剤層に、水溶液
又は水懸濁液の状態において加熱した際にゲル化を起こ
すビニル重合体を含有せしめるものである。本発明で
は、顕色剤として核置換芳香族カルボン酸誘導体の多価
金属塩を用いることにより、発色性に優れた感圧複写紙
用顕色シートが得られ、顕色剤層に、水溶液又は水懸濁
液の状態において加熱した際にゲル化を起こすビニル重
合体を含有することにより減感印刷適性を良好にする。
【0009】本発明で使用するビニル重合体としては、
その水溶液又は水懸濁液を一定温度まで加熱するとビニ
ル重合体がシャープにゲル化を起こす、即ち感温ゲル化
現象を示すものである。ビニル重合体としては、ビニル
重合体の中でアニオン形成性基を有するもの、カチオン
形成性基を有するもの、及びノニオン性のいずれかであ
って良い。この例としては、環状アミン又は炭素数5以
上の非環状アミンのアルキレンオキシド付加物のビニル
カルボン酸エステルからなる重合体、N−アルキル、N
−アルキレン又はN−アルコキシメチル(メタ)アクリ
ルアミドからなる重合体、ポリアルキレングリコールモ
ノアルキルエーテルモノ(メタ)アクリレート又はポリ
アルキレングリコールモノフェニルエーテルモノ(メ
タ)アクリレートからなる重合体、ポリエチレングリコ
ールモノアルキルモノビニルエーテルからなる重合体、
ポリエチレングリコールモノフェニルモノビニルエーテ
ルからなる重合体、及びポリエチレングリコールモノア
ルキルエーテルモノ(ビニルフェニル)エーテルからな
る重合体、ポバール(酢酸ビニル−ビニルアルコール共
重合体)等が挙げられる。これらのうち、環状アミン又
は炭素数5以上の非環状アミンのアルキレンオキシド付
加物のビニルカルボン酸エステルからなる重合体が、よ
りシャープな感温ゲル化性を与えるという点で好まし
い。
【0010】環状アミン又は炭素数5以上の非環状アミ
ンのアルキレンオキシド付加物のビニルカルボン酸エス
テルからなる重合体を構成するビニルカルボン酸エステ
ルにおける環状アミンとしては、アルキレンオキシドが
付加するための活性水素を有する環状アミンであれば特
に制限はなく、従って、環の内外にアミン性窒素を有し
ていれば良い。活性水素基は、アミノ基から由来しても
よいし、また水酸基、カルボキシル基等、アルキレンオ
キシドが付加し得る基であればいずれから由来していて
も良い。これらの環状アミンのうち、ピペリジン類、モ
ルホリン類が好ましく、モルホリン類が最も好ましい。
【0011】ビニル重合体の重量平均分子量は通常1,
000〜5,000,000、好ましくは10,000
〜2,000,000、特に好ましくは100,000
〜1,000,000である。このビニル重合体は、水
溶液又は水懸濁液の状態で一定温度まで加熱した際にゲ
ル化を起こすが、このゲル化を起こす温度(ゲル化温
度)は、通常15〜100℃、好ましくは40〜80℃
である。尚、ゲル化温度とは、ビニル重合体の1%水溶
液又は水懸濁液を徐々に加温した際に、その系がゲル化
し始める温度をいう。
【0012】本発明においては更に、顕色シートの塗被
液中に、樹脂ラテックスとビニル重合体の両方を含有す
ることがより好ましい。樹脂ラテックスの中でもスチレ
ン−ブタジエン共重合体が特に好ましく、樹脂ラテック
スとビニル重合体の割合は重量に基づいて通常20〜9
9.99:0.01〜80、より好ましくは80〜9
9.5:0.05〜20である。ビニル重合体の割合が
0.01重量%未満であると感温ゲル化効果が十分でな
く、顕色シートの減感適性効果が顕著でない。かかるビ
ニル重合体を顕色剤層塗被液中に含有させることによ
り、塗被液を支持体に塗布する際は塗被液はゲル化しな
いが、支持体上に塗布された塗布面を50〜160℃の
熱風で乾燥させる際、塗布面がゲル化されて均一で嵩高
い顕色剤層面が形成される。その結果、減感インキの浸
透を促進するため少量の減感インキ盛り量で減感効果が
発現し、更にロイコ染料溶解オイルの浸透性も増すため
発色性に優れる顕色シートが得られる。感温ゲル化ラテ
ックスのゲル化温度が30℃未満になると塗被液が室温
でゲル化して塗被液を均一に塗布できない恐れがあり、
100℃を越えると支持体上に塗布された塗布面が乾燥
中ゲル化されない恐れがある。
【0013】ビニル重合体による顕色剤層塗被液のゲル
化効果は、硫酸亜鉛との併用により更に促進される。硫
酸亜鉛の添加率は、顕色剤層の全固形分100重量部に
対して、0.5〜10重量%の範囲で調節される。硫酸
亜鉛の添加率が10%を越えると、ゲル化の促進効果が
過剰となり塗被液が室温でゲル化してしまう。
【0014】本発明において用いられる顕色剤としては
例えば、サリチル酸、3−フェニルサリチル酸、3−シ
クロヘキシルサリチル酸、3−tert−ブチル−5−メチ
ルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、
3−メチル−5−ベンジルサリチル酸、3−フェニル−
5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−シ
クロヘキシル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリ
チル酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)−5−メチ
ルサリチル酸、3,5−ジ−シクロヘキシルサリチル
酸、3,5−ジ−(α−メチルベンジル)サリチル酸、
3,5−ジ−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル
酸、3−(α−メチルベンジル)−5−(α,α−ジメ
チルベンジル)サリチル酸、4−メチル−5−シクロヘ
キシルサリチル酸、2−ヒドロキシ−1−ベンジル−3
−ナフトエ酸、1−ベンゾイル−2−ヒドロキシ−3−
ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−5−シクロヘキシル−2
−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−4−〔(4−カルボキ
シ−5−ヒドロキシ)フェニル〕−1−ナフトエ酸、3
−メチル−5−(イソ)ノニルサリチル酸、3−メチル
−5−(イソ)ドデシルサリチル酸、3−メチル−5−
(イソ)ペンタデシルサリチル酸、3−メチル−5−
(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−メチル−5−
(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ
−sec −ブチルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチル
−6−メチルサリチル酸、3−tert−ブチル−5−フェ
ニルサリチル酸、3,5−ジ−tert−アミルサリチル
酸、3−シクロトキシル−5−(イソ)ノニルサリチル
酸、3−フェニル−5−(イソ)ノニルサリチル酸、3
−(α−メチルベンジル)−5−(イソ)ノニルサリチ
ル酸、3−イソプロピル−5−(イソ)ノニルサリチル
酸、3−(イソ)ノニルサリチル酸、3−(イソ)ノニ
ル−5−メチルサリチル酸、3−(イソ)ノニル−5−
シクロヘキシルサリチル酸、3−(イソ)ノニル−5−
フェニルサリチル酸、3−(イソ)ノニル−5−(α−
メチルベンジル)サリチル酸、3−(イソ)ノニル−5
−(4,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−(イ
ソ)ノニル−5−(α,α−ジメチルドンジル)サリチ
ル酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)−5−(イ
ソ)ノニルサリチル酸、5−(イソ)ノニルサリチル
酸、3−(イソ)ノニル−6−メチルサリチル酸、3−
tert−ブチル−5−(イソ)ノニルサリチル酸、3,5
−ジ(イソ)ノニルサリチル酸、3−(イソ)ドデシル
サリチル酸、3−(イソ)ドデシル−5−メチルサリチ
ル酸、3−(イソ)ドデシル−6−メチルサリチル酸、
3−イソプロピル−5−(イソ)ドデシルサリチル酸、
3−(イソ)ドデシル−5−エチルサリチル酸、5−
(イソ)ドデシルサリチル酸、3−(イソ)ペンタデシ
ルサリチル酸、3−(イソ)ペンタデシル−5−メチル
サリチル酸、3−(イソ)ペンタデシル−6−メチルサ
リチル酸、5−(イソ)ペンタデシルサリチル酸、3−
シクロヘキシル−5−(α−メチルベンジル)サリチル
酸、3−フェニル−5−(α−メチルベンジル)サリチ
ル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−
(α−メチルベンジル)−5−メチルサリチル酸、3−
(α−メチルベンジル)−6−メチルサリチル酸、3−
(α−メチルベンジル)−5−フェニルサリチル酸、3
−(α−メチルベンジル)−5−ブロモサリチル酸、3
−(α,4−ジメチルベンジル)−5−メチルサリチル
酸、3,5−ジ(α,4−ジメチルベンジル)サリチル
酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)−6−メチルサ
リチル酸、3,5−ジ(α,α−ジメチルベンジル)サ
リチル酸、5−(4−メシチルメチルベンジル)サリチ
ル酸、ベンジル化スチレン化サリチル酸、2−ヒドロキ
シ−3−(α,α−ジメチルベンジル)−1−ナフトエ
酸又は3−ヒドロキシ−7−(α,α−ジメチルベンジ
ル)−2−ナフトエ酸などの芳香族カルボン酸及びその
多価金属塩が挙げられる。多価金属の具体的な例として
は、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、
鉄、コバルト、ニッケル等が挙げられる。これらは単独
で、又は混合して使用される。
【0015】尚、(イソ)アルキルは、イソアルキルま
たはノルマルアルキルを示す。またイソノニル基、イソ
ドデシル基及びイソペンタデシル基は、それぞれプロピ
レン三量体、プロピレン四量体又は1−ブテン三量体及
びプロピレン五量体が付加して生じた置換基として定義
する。
【0016】また、顔料としては炭酸カルシウムの他
に、例えば酸化亜鉛、酸化マグネシウム、二酸化チタ
ン、水酸化アルミニウム、カオリン、クレー、焼成カオ
リン、デラミナーテッドカオリン、構造化カオリン、硫
酸マグネシウム、硫酸カルシウム等の無機顔料およびポ
リスチレン樹脂微粒子、尿素ホルマリン樹脂微粒子、微
小中空粒子等の有機顔料(プラスチックピグメント)が
本発明の効果を阻害しない範囲で適宜使用される。
【0017】バインダーとしては、例えば澱粉、カゼイ
ン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、カル
ボキシ変性ポリビニルアルコール、スチレン・ブタジエ
ン共重合体ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス等が配
合されても良い。
【0018】顕色シートを形成するための塗被液の調製
方法については特に限定されず、適宜調製される。例え
ば有機顕色剤を無機顔料、バインダー、分散剤その他の
添加剤と共に機械的に水に分散して得られる塗液を支持
体に塗布する方法や、顕色剤を有機溶媒に溶解して水中
乳化せしめ、水蒸気蒸留等の方法で有機溶媒を留去した
後、無機顔料、バインダー、その他の添加剤を添加して
得られる塗液を支持体に塗布する方法、或いは両者を混
合させた塗液を支持体に塗布する方法が用いられる。
【0019】尚、顕色剤の乳化分散に用いる有機溶媒と
しては、沸点200℃以下のハロゲン化炭化水素、芳香
族炭化水素、エステル類、ケトン類、エーテル類、アミ
ド類、ニトリル類が好ましい。これらの中でも常温での
水への溶解度が5以下のものがより好ましい。有機溶媒
の具体例としては、クロロホルム、メチルクロロホル
ム、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、
酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルアセト
アミド等が挙げられる。
【0020】また、乳化に際して使用する水溶性高分子
としては、ポリビニルアルコール、無水マレイン酸−イ
ソブチレン共重合体、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリ
アクリル酸、アクリルアミド−アルキルアクリレート共
重合体、エーテル変性ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルピロリドン、デンプン、カゼイン、アラビアゴム、ゼ
ラチン等の合成または天然高分子が挙げられる。
【0021】本発明においては、顕色剤層塗被液の調製
方法として特に限定されるものではない。更に、顕色剤
層塗被液中には必要に応じて耐水化剤、硬化剤、架橋
剤、消泡剤、着色剤、濡れ剤、流動変性剤、防腐剤等の
各種助剤が適宜添加される。
【0022】かくして調製された顕色シート用塗液は、
紙、合成紙、フィルム等の支持体にエアーナイフコータ
ー、ブレードコーター、ロッドブレードコーター、ロー
ルコーター、バーコーター、サイズプレスコーター、ビ
ルブレードコーター、カーテンコーター、ショートドウ
ェルコーター等の通常の塗布装置よって塗布され感圧複
写紙用顕色シートとして仕上げられる。
【0023】支持体への塗被量は、特に限定されないが
乾燥重量で3〜10g/m2 、好ましくは、4〜7g/
2 である。かくして得られた感圧複写紙用顕色シート
は、オン或いはオフのスーパーキャレンダーやソフトニ
ップキャレンダー等に通紙して加圧平滑化仕上すること
も可能である。
【0024】
【実施例】以下に、本発明の効果を一層明確にするた
め、実施例及び比較例を記載するが、本発明はこれらに
限定されるものではない。また、例中の「部」及び
「%」は特に断らない限りそれぞれ「重量部」及び「重
量%」を表わす。
【0025】実施例1 〔顕色剤層塗被液の調製〕3,5−ジ(α−メチルベン
ジル)サリチル酸の亜鉛塩10部をトルエン10部に7
0℃で溶解してトルエン溶液を、重合度1700、鹸化
度98%のポリビニルアルコール0.6部を含む水30
部中にホモミキサーを用いて乳化し、その後トルエンを
水蒸気蒸留して留去し顕色剤微粒子の水分散液を得た。
この水分散液に軽質炭酸カルシウム(タマパールTP−
121;奥多摩工業製)90部、酸化変性澱粉の25%
水溶液20部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテック
ス14部、ポリビニルアルコール(PVA−105;ク
ラレ製)5部、及び2−モルホリノエチルメタクリレー
ト(モルホリンのエチレンオキシド1モル付加物とメタ
クリル酸とのエステル)10部と2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.01部から得
られた固形分濃度40%の重合体(ゲル化温度70℃)
0.07部を混合して顕色剤層塗被液(固形分濃度;4
3%)を調製した。
【0026】〔感圧複写紙用顕色シートの製造〕坪量4
0g/m2 の原紙の表面に前記顕色剤層塗被液をブレー
ドコーターにより乾燥塗布量が6g/m2 になるように
塗布し、150℃の熱風で乾燥して感圧複写紙用顕色シ
ートを得た。
【0027】実施例2 実施例1において、2−モルホリノエチルメタクリレー
ト(モルホリンのエチレンオキシド1モル付加物とメタ
クリル酸とのエステル)10部と2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.01部から得
られた固形分濃度40%の重合体の代わりに、2−(2
−モルホリノエトキシ)エチルメタクリレート(モルホ
リンのエチレンオキシド2モル付加物、メタクリル酸と
のエステル)9部とエチルメタクリレート10部、及び
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)0.01部から得られた固形分濃度40%の重合体
(ゲル化温度70℃)を用いた以外は、実施例1と同様
にして感圧複写紙用顕色シートを得た。
【0028】実施例3 実施例1において、2−モルホリノエチルメタクリレー
ト(モルホリンのエチレンオキシド1モル付加物とメタ
クリル酸とのエステル)10部と2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.01部から得
られた固形分濃度40%の重合体の代わりに、2−モル
ホリノプロピルメタクリレート(モルホリンのプロピレ
ンオキシド1モル付加物とメタクリル酸とのエステル)
8部、スチレン0.5部、メチルメタクリレート1部、
ヒドロキシエチルメタクリレート0.5部、及び2,
2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
0.01部から得られた固形分濃度40%の重合体(ゲ
ル化温度65℃)を用いた以外は、実施例1と同様にし
て感圧複写紙用顕色シートを得た。
【0029】実施例4 実施例1において、硫酸亜鉛の10%水溶液20部を添
加した以外は実施例1と同様にして感圧複写紙用顕色シ
ートを得た。
【0030】比較例1 実施例1において、ビニル重合体を入れないで調製した
以外は、実施例1と同様にして感圧複写紙用顕色シート
を得た。
【0031】比較例2 比較例1において、硫酸亜鉛の10%水溶液20部を添
加した以外は比較例1と同様にして感圧複写紙用顕色シ
ートを得た。
【0032】〔性能比較テスト〕上記の如くして得られ
た実施例1〜4及び比較例1及び2の感圧複写紙用顕色
シート6種類について、以下の方法により評価テストを
行い、表1にその結果を示した。
【0033】(1)感圧複写発色性 顕色シートと市販の上用紙(KSコピー・ブライト/黒
発色、N−40/新王子製紙製)を塗布面同士が対向す
る様に重ね合わせ、線圧を10kg /cmに設定したスー
パーカレンダーに通紙して発色させ、1時間後に発色濃
度をマクベス濃度計RD−941(マクベス社製)で測
定した。
【0034】(2)減感効果 RI印刷適性試験機(明製作所製)を用いて市販の減感
インキ(減感インキJEP6−3;新王子製紙製)を顕
色シートの顕色剤塗布面に印刷した後、市販の上用紙
(KSコピー・ブライト/黒発色、N−40/新王子製
紙製)を印刷面と塗布面が対向する様に重ね合わせ、タ
イプライターで印字した。完全に発色しないインキ盛り
量を重量法で測定した。
【0035】(3)コスレ汚れ 顕色シートの顕色剤塗布面と市販の上用紙(KSコピー
・ブライト/黒発色、N−40/新王子製紙製)のマイ
クロカプセル塗布面が対向するように重ね合わせ、4k
g /cm2 の荷重をかけた状態で5回こすり合わせ、顕色
剤塗布面の発色汚れの程度を下記の5段階評価基準で官
能的に評価した。 「評価基準」 5:汚れは全く認められない。 4:僅かに汚れが認められる。 3:汚れが認められるが実用上問題がない。 2:汚れが認められ実用上問題がある。 1:汚れが著しい。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】表1より明らかな様に、本発明の実施例
で得られた感圧複写紙用顕色シートは、減感印刷時の減
感インキ盛り量が少なくとも減感効果が発現し、しかも
感圧複写紙としての発色性に優れた感圧複写紙用顕色シ
ートであった。また、感温ゲル化効果を有するビニル重
合体と硫酸亜鉛の両方を含有した顕色シートは、減感イ
ンキ盛り量が減少するだけでなく、発色性も向上した。
上記実施例から、本発明の製法を用いることにより、減
感印刷時の減感インキ盛り量が少なくとも減感効果が発
現し、しかも感圧複写紙としての発色性に優れ、不本意
な圧力による汚れ(こすれ汚れ)を防止した感圧複写紙
用顕色シートが製造できることが確認された。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、核置換芳香族カルボン酸誘導
    体の多価金属塩と顔料及びバインダーを含有する水性塗
    被液を塗布して形成した顕色剤層が設けられた感圧複写
    紙用顕色シートにおいて、前記水性塗被液が、水性媒体
    中で加熱した際にゲル化を起こすビニル重合体を含有す
    ることを特徴とする感圧複写紙用顕色シート。
  2. 【請求項2】前記ビニル重合体が、モルホリン類のエチ
    レンオキシド及び/又はプロピレンオキシド1〜5モル
    付加物のビニルカルボン酸エステルの重合体であること
    を特徴とする請求項1記載の感圧複写紙用顕色シート。
  3. 【請求項3】前記顕色剤層が硫酸亜鉛を含有することを
    特徴とする請求項1又は請求項2記載の感圧複写紙用顕
    色シート。
  4. 【請求項4】下記の成分A〜D、 成分A:核置換芳香族カルボン酸誘導体の多価金属塩、 成分B:顔料、 成分C:バインダー、及び 成分D:水性媒体中で加熱した際にゲル化を起こすビニ
    ル重合体 を含有する顕色剤層塗被液を調製した後、前記顕色剤層
    塗被液を支持体上に塗布して塗布層を設け、その後、加
    熱を行って前記塗布層をゲル化、乾燥させることを特徴
    とする、感圧複写紙用顕色シートの製造方法。
JP8289197A 1996-10-09 1996-10-09 感圧複写紙用顕色シート及びその製造方法 Pending JPH10114148A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8289197A JPH10114148A (ja) 1996-10-09 1996-10-09 感圧複写紙用顕色シート及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8289197A JPH10114148A (ja) 1996-10-09 1996-10-09 感圧複写紙用顕色シート及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10114148A true JPH10114148A (ja) 1998-05-06

Family

ID=17740043

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8289197A Pending JPH10114148A (ja) 1996-10-09 1996-10-09 感圧複写紙用顕色シート及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10114148A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006095700A (ja) * 2004-09-28 2006-04-13 Dainippon Printing Co Ltd 耐水ノーカーボン式配送伝票
JP2016159590A (ja) * 2015-03-04 2016-09-05 日本製紙株式会社 感圧複写紙

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006095700A (ja) * 2004-09-28 2006-04-13 Dainippon Printing Co Ltd 耐水ノーカーボン式配送伝票
JP2016159590A (ja) * 2015-03-04 2016-09-05 日本製紙株式会社 感圧複写紙

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6392489A (ja) 感熱記録材料
JPH10114148A (ja) 感圧複写紙用顕色シート及びその製造方法
JPH0151353B2 (ja)
JPS5825988A (ja) 感熱記録材料
JP3026065B2 (ja) 感熱記録体用バインダー組成物及び感熱記録体
JPH09263046A (ja) 感圧複写紙用顕色シート
JPH0470999B2 (ja)
JPH09263045A (ja) 感圧複写紙用顕色シート
JPH09202038A (ja) 感圧複写紙用顕色シート
JP2824343B2 (ja) 顕色剤組成物、その水分散液の製造方法及び感圧複写紙
JPS58136493A (ja) 感熱記録紙
JP2725099B2 (ja) 感圧記録紙用顕色剤シートの製造方法
JP2627224B2 (ja) 感圧記録紙用顕色剤分散液の製造方法
JP3012349B2 (ja) 顕色剤組成物及び感圧記録紙
JP2756613B2 (ja) 感圧記録紙用顕色剤分散液の製造方法
JPH05193251A (ja) 顕色インキ
JPH03128280A (ja) 感熱記録材料
JPH1178229A (ja) 感圧複写紙用顕色シート
JPH04185482A (ja) 記録材料
JPH0454597B2 (ja)
JPH029958B2 (ja)
JPH04224992A (ja) 顕色剤組成物、その水分散液の製造方法及び感圧複写紙
JPH0777830B2 (ja) 感熱記録シート
JPH01174486A (ja) 感熱感圧記録材料
JPH0367687A (ja) 感熱記録紙