JPH10110158A - シール材 - Google Patents

シール材

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JPH10110158A
JPH10110158A JP26600596A JP26600596A JPH10110158A JP H10110158 A JPH10110158 A JP H10110158A JP 26600596 A JP26600596 A JP 26600596A JP 26600596 A JP26600596 A JP 26600596A JP H10110158 A JPH10110158 A JP H10110158A
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JP
Japan
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shape
foam
sheet
resin
recovery
Prior art date
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Pending
Application number
JP26600596A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Shirato
斉 白土
Hiroshi Abe
弘 阿部
Norio Numata
憲男 沼田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP26600596A priority Critical patent/JPH10110158A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単に施工でき、長期間にわたって十分な止水
性を確保することができるシール材を提供することを目
的としている。 【解決手段】 止水性を有するシートを、独立気泡樹脂
発泡体からなり、常温で形状回復性を有する形状回復発
泡体の一側面の幅方向にその両側部をはみ出させるよう
に、形状回復発泡体の一側面に沿って一体化するように
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シール材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、組み立て式住宅などは、図4
に示すように、ポリエチレン発泡体等の独立気泡樹脂発
泡体からなるシール材100をパネル200とパネル2
00との目地300に挿入したのち、図5に示すよう
に、その上部から止水性を有するシート(以下、「止水
シート」と記す)400をパネル200,200間に跨
がるように貼り付けることによって目地300部分の止
水性を確保するようになっている(特開平4−1769
36号公報等参照)。すなわち、シール材100は、止
水シート400が破損した場合の補助防水用として目地
300に挿入されるようになっている。
【0003】しかし、上記のシール材100は、目地3
00の幅が、必ずしも一定ではないため、通常、大きな
幅の目地300にも十分対応できる厚みに設定されてい
る。したがって、特に、小さい幅の目地300に挿入し
ようとした場合、非常に手間がかかると言う問題があっ
た。
【0004】そこで、本発明の発明者らは、既に本発明
の発明者らが提案(特願平7−299654号等参照)
している、当初樹脂の弾性限界内で気泡が収縮状態に保
持されていて、樹脂の弾性回復力により気泡の内外圧力
と釣り合いながら徐々にもとの厚さに回復してゆく、独
立気泡樹脂発泡体からなり、形状回復性を有する形状回
復発泡体を用いれば上記問題が解決できるのではないか
と考えた。
【0005】すなわち、この形状回復発泡体は、上述の
ように当初樹脂の弾性限界内で気泡が収縮状態に保持さ
れているために、目地の幅が小さくても目地の幅よりそ
の厚みが薄く、挿入を簡単に行え、しかも、形状回復に
伴ってシール性を確保できる。
【0006】しかし、この形状回復発泡体の場合、施工
当初、目地の幅より厚みが薄いため、目地内の所定の位
置にこの形状回復発泡体を保持しておくことが難しいと
言う問題があった。また、この形状回復発泡体の場合
も、従来のシール材100の場合も挿入後に止水シート
400を貼り付けると言う作業を別途行わなければなら
ず、作業工程も煩雑であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みて、簡単に施工でき、長期間にわたって十分
な止水性を確保することができるシール材を提供するこ
とを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるシール材
は、このような目的を達成するために、止水性を有する
シートが、独立気泡樹脂発泡体からなり、常温で形状回
復性を有する形状回復発泡体の一側面の幅方向にその両
側部をはみ出させるように、該形状回復発泡体の一側面
に沿って一体化されている構成とした。
【0009】上記本発明のシール材において、形状回復
発泡体とは、以下の〜のものを言う。
【0010】 炭酸ガスや液化ガス等のガス透過係数
agent が空気のガス透過係数Pai r より大きく、常温
でガスもしくは常温で液化するガスを発泡ガスとして用
いたものであって、気泡内のガス置換による体積収縮に
より自然収縮を起こし、収縮後樹脂の弾性回復力とガス
透過により気泡の内外圧力と釣り合いながら徐々にもと
の厚さに回復してゆくもの。すなわち、Pagent >P
air となるガスを発泡剤として用いた場合、セル膜を通
して独立気泡(セル)内から外界(大気中)へ逃げる
(透過)ガス量の方が、外界から独立気泡内へ入るガス
量よりも多くなり、独立気泡内圧<外界圧(大気圧)と
なる。この時、発泡体には外界圧で圧縮される力F1
それに抵抗する樹脂の弾性力F2 がかかり、F1 とF2
が釣り合う状態まで発泡体が収縮する。収縮が進行する
にしたがって独立気泡内から外界へ逃げるガス量が次第
に減少し、しばらくすると独立気泡内から外界へ逃げる
ガス量と外界から独立気泡内に入るガス量が平衡に達し
収縮は停止する。この後、形状回復発泡体は膨張を開始
する。
【0011】 の発泡ガス以外のガスを発泡ガスと
して用いたものであって、原料となる独立気泡発泡体に
圧縮歪み(樹脂の弾性領域内の歪みが好ましい)を所定
時間以上与えて圧縮され、圧縮を解除すると樹脂の弾性
回復力により気泡の内外圧力と釣り合いながら徐々にも
との厚さに回復してゆく性質を持つもの。すなわち、原
料となる独立気泡発泡体に圧縮歪みを与えた場合、発泡
体を構成する独立気泡の内圧が上昇し、直後に外力を取
り除けば発泡体は瞬時に元の形状に回復するが、所定時
間以上その歪みを保持させれば、樹脂のガス透過性によ
り気泡内のガスが気泡膜から徐々にぬけてゆき内圧と外
圧とが釣り合い、外力を取り除いても瞬間的な形状回復
は起こらず、圧縮を解除すると樹脂の弾性回復力により
気泡の内外圧力と釣り合いながら徐々にもとの厚さに回
復してゆく。
【0012】 の発泡ガス以外のガスを発泡ガスと
して用いたものであって、減圧下で発泡することにより
気泡中のガス圧力は大気圧以下となった状態で冷却固定
した後大気中に取り出した時、形成された発泡体が大気
圧により一旦圧縮され、樹脂の弾性回復力により気泡の
内外圧力と釣り合いながら徐々にもとの厚さに回復して
ゆくもの。
【0013】 冷却すると液化し沸点が成形温度以下
の発泡剤を使用して発泡体を製造したもの。すなわち、
沸点が樹脂の成形温度以下である発泡剤を用いた場合、
発泡体を発泡剤の沸点まで冷却すると、独立気泡内の発
泡剤も冷却されて気体から液体になる。このとき発泡剤
の体積収縮によって独立気泡内圧<外界圧(大気圧)と
なり発泡体が収縮する。その後樹脂の弾性回復力により
気泡の内外圧力と釣り合いながら徐々にもとの厚さに回
復してゆく。
【0014】なお、上記の独立気泡樹脂発泡体を圧縮
する場合、圧縮時の温度は、独立気泡樹脂発泡体を構成
する樹脂の軟化点(非晶性樹脂についてはガラス転移
点、結晶性樹脂については融点を軟化点とする)以下で
ある。すなわち、軟化点以上の温度で圧縮を行った場
合、抜重後の形状回復発泡体の形状回復能がなくなる恐
れがある。
【0015】また、圧縮方法は、特に限定されないが、
たとえば、独立気泡発泡体を所望の間隔で対面して配置
された2つの無端ベルト間に通して無端ベルト間で圧縮
する方法や、2枚のプレス板の間で圧縮して所定時間圧
縮状態を保持する方法等が挙げられる。
【0016】形状回復発泡体の独立気泡率は、形状回復
発泡体自体の必要とする回復量により決まり、おおよそ
5%以上であれば使用することが可能であるが、特に好
ましい範囲は30%〜100%である。形状回復発泡体
を構成する樹脂としては、特に限定されないが、圧縮永
久歪み(JIS K 6767に準拠)が20%以下の
もの、特に10%以下のものが形状回復性に優れ好まし
い。
【0017】このような樹脂としては、以下のような熱
可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0018】〔熱可塑性樹脂〕ポリエチレン,ポリプロ
ピレン,エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−プ
ロピレン−ジエン共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重
合体等のオレフィン系樹脂、ポリメチルアクリレート,
ポリメチルメタクレート,エチレン−エチルアクリレー
ト共重合体等のアクリル系樹脂、ブタジエン−スチレ
ン,アクリロニトリル−スチレン,スチレン,スチレン
−ブタジエン−スチレン,スチレン−イソプレン−スチ
レン,スチレン−アクリル酸等のスチレン系樹脂、アク
リロニトリル−ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニル−エチ
レン等の塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニル,ポリフ
ッ化ビニリデン等のフッ化ビニル系樹脂、6−ナイロ
ン,6・6−ナイロン,12−ナイロン等のアミド樹
脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフ
タレート等の飽和エステル系樹脂、ポリカーボネート、
ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリフェ
ニレンスルフィド、シリコーン樹脂、熱可塑性ウレタン
樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミ
ド、各種エラストマーやこれらの架橋体。
【0019】〔熱硬化性樹脂〕エポキシ系樹脂、フェノ
ール系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、イミド
系樹脂、ユリア系樹脂、シリコーン系樹脂、不飽和ポリ
エステル系樹脂の硬化物等。
【0020】また、上記樹脂の中でも、特に形状回復性
に優れるものとして、オレフィン樹脂、スチレン系樹
脂、アミド系樹脂、アクリル共重合体、軟質ポリウレタ
ン、軟質塩化ビニル樹脂、ポリアセタール、シリコーン
樹脂、各種エラストマーが特に挙げられる。発泡方法
は、プラスチックフォームハンドブックに記載されてい
る方法を含め公知の方法が挙げられ、いずれの方法を用
いても構わない。
【0021】本発明で発泡剤として使用される液化ガス
としては、特に限定されないが、たとえば、ブタン,ペ
ンタン,ヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン,トル
エン,キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン,メチル
エチルケトン等のケトン系炭化水素、メタノール,エタ
ノール,プロパノール等のアルコール系炭化水素、1,
1−ジクロロ−1−フルオロエタン,2・2−ジクロロ
−1・1・1−トリフルオロエタン,1・1・1・2−
テトラフルオロエタン,モノクロロジフルオロメタン等
のハロゲン化炭化水素、水などが挙げられる。また、こ
れらの発泡剤の中でも、常温で液化する発泡剤が好まし
い。
【0022】因に、形状回復発泡体を構成する樹脂がポ
リエチレン(発泡温度100〜110℃)の場合、発泡
剤としてメタノール(沸点64.51℃)、エタノール
(沸点78.32℃)、アセトン(沸点56.5℃)、
ペンタン(沸点36.07℃)、ヘキサン(沸点68.
74℃)、ベンゼン(沸点80.1℃)、エチルエーテ
ル(沸点34.48℃)、水(沸点100℃)を用いる
ことが好ましい。
【0023】また、上記形状回復発泡体には、充填剤、
補強繊維、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤
等を必要に応じて混合されていても構わない。
【0024】充填剤としては、たとえば、炭酸カルシウ
ム、タルク、クレー、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、カ
ーボンブラック、二酸化ケイ素、酸化チタン、ガラス
粉、ガラスビーズ等が挙げられる。補強繊維としては、
たとえば、ガラス繊維、単層繊維等が挙げられる。着色
剤としては、たとえば、酸化チタン等の顔料が挙げられ
る。
【0025】酸化防止剤としては、一般に用いれるもの
であれば、特に限定されず、たとえば、テトラキス〔メ
チレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイ
ドロシンナメート)〕メタン、チオジプロピオン酸ジラ
ウリル、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロ
キシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等が挙げられ
る。
【0026】難燃剤としては、ヘキサブロモフェニルエ
ーテル,デカブロモジフェニルエーテル等の臭素系難燃
剤、ポリリン酸アンモニウム,トリメチルホスフェー
ト,トリエチルホスフェート等の含リン酸系難燃剤、メ
ラミン誘導体、無機系難燃剤等の1種又は2種以上の混
合物が挙げられる。
【0027】形状回復発泡体の形状は、特に限定されな
いが、シート状、ロッド状、チューブ状をしたものなど
が挙げられ、形状回復前の形状と形状回復後の形状とが
非相似となるものが好ましい。また、形状回復発泡体に
は、内部の独立気泡に連通する通気路を一部に設け、そ
の形状回復時間をコントロールすることもできる。
【0028】通気路としては、直線状だけでなく、螺旋
状、円弧状など特にその形状が限定されない。通気路の
断面形状は、特に限定されず、たとえば、円形、三角
形、四角形、星形、線状、波線状等が挙げられる。
【0029】通気路の大きさは、特に限定されないが、
断面積を7mm2 (断面が円形の場合、直径3mm程度)以
下とするが好ましく、その最大(幅)を独立気泡の平均
気泡径以下とすることがより好ましい。すなわち、大き
過ぎると気泡構造が破壊され、元の形状に回復しなくな
る恐れがある。通気路の中心の間隔は、特に限定されな
いが、通気路の断面が気泡径より小さい場合、気泡径の
2倍以上とし、通気路の断面が気泡径より大きい場合、
隣接する通気路の外縁間の距離が気泡径以上とすること
が好ましい。
【0030】通気路の深さは、回復時間により決定さ
れ、特に限定されないが、表面から3つ以上内部の独立
気泡まで達していることが好ましい。さらに、通気路
は、発泡体の表面に対して垂直に設けても構わないし、
表面に対して所定の角度を付けて設けるようにしても構
わない。また、形状回復発泡体の内部に向かって螺旋状
に設けるようにしても構わない。
【0031】通気路を穿設する方法としては、特に限定
されないが、孔状の通気路を設ける場合、針(剣山)、
ドリル、電子ビーム、レーザー光線等を用いる方法が挙
げられ、溝状の通気路を設ける場合、カッター(刃物)
等を用いる方法が挙げられる。なお、上記通気路を穿設
する工程と、原料となる独立気泡樹脂発泡体を収縮させ
る工程とは、いずれの工程が先に行われても構わない
し、同時に並行して行なわれても構わない。
【0032】ただし、ガス透過性の高い気体を発泡剤と
して用いる場合、圧縮状態が保持されている場合、通気
路を裏面側まで貫通させない場合(特に薄物の場合)等
は、通気路を穿設する工程を先に実施することが好まし
い。すなわち、ガス透過性の高い気体を発泡剤として用
いる場合、あるいは、圧縮状態が保持されている場合
は、収縮に際し気泡内から気体を抜かなければならない
ため、先に通気路が形成されている方が収縮に要する時
間が短縮できる。
【0033】また、通気路を裏面側まで貫通させない場
合、先に原料となる独立気泡樹脂発泡体を収縮させて形
状回復発泡体としてから通気路を穿設すると、形状回復
発泡体の厚さが薄いため、針等が貫通してしまう恐れが
ある。
【0034】止水シートとしては、特に限定されない
が、たとえば、アルミニウム,鉛等の金属箔、金属箔を
積層したポリエチレン,ウレタン樹脂等の樹脂複合シー
ト、天然ゴム,イソプレンゴム,ブチルゴム,ブタジエ
ンゴム,クロロプレンゴム,ウレタンゴム,ニトリルゴ
ム,スチレン−ブタジエレンゴム,アクリルゴム,エチ
レン−プロピレンゴム,エピクロルヒドリンゴム,シリ
コーンゴム,フッ素ゴム等の非加硫ゴムシート、エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体,フッ素系樹脂等の吸水
性が小さく、水蒸気透過性がと小さい樹脂シートやこれ
らの複層化したもの等が挙げられ、これらのうち、非加
硫ゴムシートが好ましく、ブチルゴム,ブタジエンゴム
が特に好ましい。
【0035】止水シートの厚みは、材質によって異な
り、たとえば、以下のような厚みにすることが好まし
い。
【0036】 金属箔の場合、10μm〜300μm
が好ましい。すなわち、10μmを下回ると、取扱時に
亀裂が入る恐れがあり、300μmを越えると、可撓性
が不足し取扱性が悪くなる恐れがある。 金属箔と樹脂との複合シートの場合、金属箔の厚み
は金属箔単独の場合と同じで、樹脂層の厚みは取扱性が
よければ、特に限定されないが、30μm〜5mm程度が
好ましい。
【0037】 非加硫ゴムシートの場合、止水性の度
合いによるが、通常0.1mm〜5mmが好ましい。すなわ
ち、0.1mmを下回ると、止水性が不足し、5mm以上で
は、取扱性が悪くなる恐れがある。 樹脂シートの場合、止水性の度合いによるが、通常
30μm〜5mmが好ましい。すなわち、30μmを下回
ると、止水性が不足し、5mm以上では、取扱性が悪くな
る恐れがある。
【0038】形状回復発泡体と止水シートとを一体化さ
せる方法としては、特に限定されないが、接着剤を用い
る方法が好ましい。さらに、止水シートのパネル等の被
着体への貼着面には予め接着剤を積層しておくことが好
ましい。
【0039】接着剤としては、接着される被着体と止水
性シートおよび形状回復発泡体のそれぞれに対し接着強
度を満足する材料が選定され、たとえは、アクリル系,
ウレタン系,酢酸ビニル系,シリコーン系等の感圧タイ
プの接着剤が挙げられる。また、接着剤層の厚みは、被
着体の表面状態(凹凸差)により決定されるが、たとえ
ば、凹凸差が0.1mmの場合で0.15mm以上、すなわ
ち、凹凸差の1.5倍以上とすることが好ましい。
【0040】形状回復発泡体の形状は、特に限定されな
いが、シート状、ロッド状、チューブ状をしたものなど
が挙げられ、形状回復前の形状と形状回復後の形状とが
非相似となるものが好ましい。
【0041】さらに、上記形状回復発泡体は、特に限定
されないが、必要に応じて、耐火層、防水層、軟質材
層、接着剤層などを積層した発泡積層体としても構わな
い。耐火層としては、特に限定されないが、たとえば、
熱可塑性樹脂または粘着性を有するゴム組成物と、リン
化合物、および、中和処理された熱膨張性黒鉛からなる
群より選ばれた少なくとも1種の耐火材とを含んでいる
耐火性樹脂組成物により形成されたものが好ましい。さ
らに、これらの耐火材に加えて無機充填材を添加しても
よい。
【0042】上記耐火性樹脂組成物を構成する熱可塑性
樹脂としては、特に限定されないが、ポリエチレン系樹
脂,ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、
ポリ(1−)ブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂、ポリ
スチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレン
エーテル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリ塩化ビニル低樹脂等が挙げられ、中でも、ポリオレ
フィン系樹脂が好ましく、ポリエチレン系樹脂がより好
ましい。
【0043】ポリエチレン系樹脂としては、たとえば、
エチレン単独重合体、エチレンを主成分とする共重合
体、これらの混合物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−アクリレート共重合体等が挙げられる。エチ
レンを主成分とする共重合体としては、たとえば、エチ
レン部を主成分とするエチレン−αオレフィン(1−ヘ
キセン、4−メチル−1ペンテン、1−オクテン、1−
ブテン、1−ペンテン等)共重合体が挙げられる。
【0044】ゴム組成物としては、たとえば、天然ゴ
ム、イソプレンゴム(IR)、ブダジエンゴム(B
R)、1・2−ポリブタジエンゴム(1・2−BR)、
スチレン−ブダジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴ
ム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(I
IR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM、EPD
M)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アク
リルゴム(ACM、ANM)、エピクロルヒドリンゴム
(CO、ECO)、多加硫ゴム(T)、シリコーンゴム
(Q)、フッ素ゴム(FKM、FZ)、ウレタンゴム
(U)等が挙げられ、耐火材の添加後に加硫されても構
わないが、非加硫ゴムの方が、接着性を持たせることが
可能であるので、耐火層を接着層として使用することも
可能になり好ましい。
【0045】リン化合物としては、特に限定されない
が、たとえば、赤リン、トリフェニルホスフェート,ト
リクレジルホスフェート,トリキシレニルホスフェー
ト,クレジルジフェニルホスフェート,キシレニルジフ
ェニルホスフェート等の各種リン酸エステル、リン酸ナ
トリウム,リン酸カリウム,リン酸マグネシウム等のリ
ン酸金属塩、ポリリン酸アンモニウム,メラミン変成ポ
リリン酸アンモニウム等のポリリン酸アンモニウム類、
メチルホスホン酸,メチルホスホン酸ジメチル,メチル
ホスホン酸ジエチル,エチルホスホン酸,プロピルホス
ホン酸,ブチルホスホン酸,2−メチルプロピルホスホ
ン酸,2・3−ジメチル−ブチルホスホン酸,オクチル
ホスホン酸,フェニルホスホン酸,ジオクチルフェニル
ホスホネート,ジメチルホスフィン酸,メチルエチルホ
スフィン酸,メチルプロピルホスフィン酸,ジエチルホ
スフィン酸,ジフェニルホスフィン酸,ビス(4−メト
キシフェニル)ホスフィン酸等の下記一般式(1)で表
される化合物などが挙げられる。
【0046】
【化1】
【0047】式中、R1 、R3 は、水素、炭素数1〜1
6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、又は炭素数6
〜16のアリール基をあらわす。R2 は、水酸基、炭素
数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素
数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシル基、
炭素数6〜16のアリール基、または炭素数6〜16の
アリールオキシ基をあらわす。
【0048】また、上記リン化合物は、単独で用いて
も、2種以上を併用しても構わない。中和処理した熱膨
張性黒鉛とは、たとえば、天然鱗状グラファイト,キッ
シュグラファイト等の粉末を濃硫酸,硝酸,セレン酸等
の無機酸と濃硝酸,過塩素酸,過塩素酸塩,過マンガン
酸塩,重クロム酸塩,過酸化水素等の強酸化剤とで処理
してグラファイト層間化合物を形成させたのもで、炭素
の層構造を維持したままの結晶化合物を、更に、アンモ
ニア,脂肪族低級アミン,アルカリ金属化合物,アルカ
リ土類金属化合物等で中和することによって得られる。
【0049】上記脂肪族低級アミンとしては、特に限定
されないが、たとえば、モノメチルアミン,ジメチルア
ミン,トリメチルアミン,エチルアミン,プロピルアミ
ン,ブチルアミン等が挙げられる。アルカリ金属化合物
およびアルカル土類金属化合物としては、たとえば、カ
リウム,ナトリウム,カルシウム,バリウム,マグネシ
ウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩
等が挙げられる。
【0050】中和処理された熱膨張性黒鉛の粒度は、2
0〜200メッシュのものが好ましい。すなわち、粒度
が200メッシュより細かいと、黒鉛の膨張度が小さ
く、臨む耐火断熱効果が得られず、粒度が20メッシュ
より大きいと、膨潤度が大きいという点では効果がある
が、樹脂と混練する際、分散性が悪く物性の低下を招く
恐れがある。
【0051】無機充填材としては、特に限定されない
が、たとえば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、
酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化
鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カ
ルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、
塩基性酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーンナイト、ハイ
ドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏
繊維、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モ
ンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライ
ト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビ
ーズ、シリカ系バルーン、窒化アルミニウム、窒化ほう
素、窒化けい素、カーボンブラック、グラファイト、炭
素繊維、炭素バルーン、木炭粉末、各種金属粉、チタン
酸カリウム、硫酸マグネシウム「MOS」、チタン酸ジ
ルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、
炭化けい素、ステンレス繊維、ほう酸亜鉛、各種磁性
粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げら
れ、なかでも、加熱時に脱水し、吸熱効果のある水酸化
カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム
等の含水無機物を用いることが好ましい。
【0052】なお、熱可塑性樹脂または粘着性を有する
ゴム組成物と、耐火材との配合比は、特に限定されない
が、熱可塑性樹脂または粘着性を有するゴム組成物10
0重量部に対して、リン化合物および中和処理された熱
膨張性黒鉛の合計量が20〜200重量部、無機充填材
が50〜500重量部で、リン化合物および中和処理さ
れた熱膨張性黒鉛の比が9:1〜1:9とすることが好
ましい。
【0053】また、耐火層を構成する熱可塑性樹脂組成
物中には、必要に応じて発泡剤を添加するようにしても
構わない。発泡剤としては、特に限定されないが、たと
えば、メラミン、尿素、ジシアンジアミド、リン酸アン
モニウム、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0054】耐火層の形状回復発泡体への積層方法は、
積層時に接着剤を介して接合したり、加熱し、形状回復
発泡体の樹脂と成形体の樹脂とをその界面で溶融させて
接合する方法が挙げられ、積層の時期は、耐火層となる
耐火性樹脂組成物によって成形された成形体を形状回復
発泡体を製造する前後または同時にのいずれでも構わな
い。
【0055】なお、接着に使用する接着剤としては、形
状回復発泡体の樹脂と成形体の樹脂の両方の樹脂に適し
たものを適宜選択することができる。
【0056】耐火層の成形方法は、特に限定されない
が、たとえば、シート状の場合、押出成形法、カレンダ
ー成形法やキャスティング成形法などが挙げられ、チュ
ーブ状の場合、押出成形法、シートを作ってからチュー
ビィングする方法などが挙げられ、型物の場合、射出成
形法、プレス成形法などが挙げられる。形状回復発泡体
に対する耐火層の積層部位は、形状回復発泡体の全面で
も構わないし、隙間などへの装着時、耐火性を最も発揮
できる部位のみでも構わない。
【0057】たとえば、シート状の形状回復発泡体の場
合、形状回復に寄与する面でも寄与しない面でも構わな
い。なお、形状回復に寄与する面とは、厚み方向のみに
形状回復する形状回復発泡体の場合で言うと、形状回復
発泡体の側周面を言う。
【0058】防湿層は、防湿性および耐水性をさらに強
化する必要がある場合に設けられ、透湿抵抗の大きい材
料で形成される。防湿層を形成する透湿抵抗の大きい材
料としては、特に限定されないが、たとえば、アルミニ
ウム、ステンレス鋼、鉛、鉄、銅、亜鉛、錫等の金属材
料、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂材料などが
挙げられ、これらのうち、経済性を考慮すると、アルミ
ニウムが好ましい。
【0059】防湿層の積層面は、特に限定されず、形状
回復発泡体の形状回復に寄与する面でも形状回復に寄与
しない面でも構わない。防湿層の形状回復発泡体への積
層方法は、特に限定されないが、接着剤を用いて接着す
る方法が一般的である。接着する時期は、独立気泡樹脂
発泡体から形状回復発泡体を製造する前でも製造した後
でも構わない。
【0060】接着に用いる接着剤としては、特に限定さ
れないが、たとえば、クロロプレン系やアクリル系のも
の等が好適に用いられる。防湿層の厚さは、防湿層を構
成する材料の透湿抵抗、要求される気密性、断熱性等の
性能に応じて適宜決定されるが、防湿層を設ける面およ
び防湿層の材質によって以下のように厚さにすることが
好ましい。
【0061】〔形状回復しない面に防湿層を設け、防湿
層を金属材料で形成した場合〕防湿層の厚さは、0.0
1〜300μm程度が好ましく、1〜100μm程度が
より好ましい。すなわち、あまり薄くし過ぎると防湿層
にピンホールが発生し、充分な防湿性能が得られなくな
る恐れがあり、あまり厚くしすぎると、重く、追従性が
悪く、コストが高くなる恐れがある。
【0062】〔形状回復する面に防湿層を設け、防湿層
を金属材料で形成した場合〕防湿層の厚さは、0.01
〜100μm程度が好ましく、1〜50μm程度がより
好ましい。すなわち、あまり薄くし過ぎると防湿層にピ
ンホールが発生し、充分な防湿性能が得られなくなる恐
れがあり、あまり厚くしすぎると、独立気泡樹脂発泡体
に防湿層を積層後、独立気泡樹脂発泡体を圧縮すること
で形状回復発泡体を製造しようとした時、厚さ方向の圧
縮時に防湿層が剥がれやすいとともに、たとえば、斜め
に変形するなど思う方向に圧縮できなくなる恐れがあ
る。
【0063】〔形状回復しない面に防湿層を設け、防湿
層を樹脂材料で形成した場合〕防湿層の厚さは、1〜1
000μm程度が好ましく、10〜300μm程度がよ
り好ましい。すなわち、あまり薄くし過ぎると防湿層に
ピンホールが発生し、充分な防湿性能が得られなくなる
恐れがあり、あまり厚くしすぎると、重いので、取扱い
性が悪い。また、コストが高くなる。
【0064】〔形状回復する面に防湿層を設け、防湿層
を樹脂材料で形成した場合〕防湿層の厚さは、1〜50
0μm程度が好ましく、10〜100μm程度がより好
ましい。すなわち、あまり薄くし過ぎると防湿層にピン
ホールが発生し、充分な防湿性能が得られなくなる恐れ
があり、あまり厚くしすぎると、独立気泡樹脂発泡体に
防湿層を積層後、独立気泡樹脂発泡体を圧縮することで
形状回復発泡体を製造しようとした時、厚さ方向の圧縮
時に防湿層が剥がれやすいとともに、たとえば、斜めに
変形するなど思う方向に圧縮できなくなる恐れがある。
【0065】また、防湿層が耐腐食性に乏しい材料で形
成されている場合、防湿層の表面を耐腐食材によって被
覆しておくことが好ましい。耐腐食材としては、ポリエ
チレンやポリプロピレンなどの合成樹脂が挙げられる。
【0066】接着剤層は、発泡積層体を装着部に固定す
る場合に用いられ、発泡積層体の用途に応じて適宜選択
できるが、たとえば、アクリル系、エチレン−酢酸ビニ
ル系、ウレタン系、ゴム系、スチレン−ブタジエン系、
スチレン−イソプレン系等の感圧タイプの接着剤、ホッ
トメルト接着剤が挙げられ、また、保管性がよければ、
反応タイプの接着剤を用いるようにしても構わない。
【0067】軟質材層は、発泡積層体の装着面が凹凸面
である場合に設けることが好ましく、軟質材層を形成す
る材料としては、特に限定されないが、たとえば、塩化
ビニル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポ
リエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマ
ー、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム等が挙げら
れる。
【0068】軟質材層の厚さは、シール性およびガス透
過率によりその適性範囲が決められ、シールする部分の
表面凹凸に追従するよう、たとえば、表面凹凸の差の1
/2から5倍になるように厚さを設計することが好まし
く、ガス透過によって形状回復が図られるので、形状回
復に必要な時間によって最適な厚さに設定される。な
お、軟質材の種類によってもガス透過率が異なるため、
実際の最適な厚さについては発泡積層体を試験的に作製
し、検討するのが好ましいが、概ね30μmから3mm
の範囲が好ましい。すなわち、30μmを下回ると凹凸
表面への追従性が悪くシール性に劣り、3mmを越える
と、ガス透過性が悪く回復までに相当の時間がかかる恐
れがある。
【0069】軟質材層の積層方法は、特に限定されない
が、原料となる独立気泡樹脂発泡体を製造した直後に行
う方法と、独立気泡樹脂発泡体を収縮させて形状回復発
泡体を得た後に行う方法とが挙げられる。前者の方法
は、独立気泡樹脂発泡体と軟質材層となる高分子材料シ
ートとを熱融着により積層する場合に使用され、後者の
方法は接着剤を介して接着して積層する場合によく用い
られるが、熱融着により積層することが好ましい。
【0070】なお、熱融着は、たとえば、発泡体および
高分子材料薄膜となる高分子材料シートとを重ね合わせ
高周波加熱等によって両者又は少なくとも一方の界面を
加熱した状態で圧力を加えることによって得ることがで
きる。また、熱融着温度としては、発泡体が収縮した状
態で融着させる場合、発泡体の表面だけが軟化点以上に
なるのが好ましく、製造直後の収縮していない状態にお
いては発泡体全体が融点以上でも構わない。
【0071】但し、軟質材層は、形状回復発泡体の形状
回復しない面に沿って設けることが好ましい。
【0072】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面を参照しつつ詳しく説明する。図1は、本発明にかか
るシール材の実施の形態をあらわしている。
【0073】図1(a)に示すように、このシール材1
aは、一側面に接着剤31を積層した止水シート3がそ
の両側を、シート状の形状回復発泡体2の一側面の幅方
向の両端からはみ出すように接着剤31を介して形状回
復発泡体2の一側面に沿って接着一体化されている。こ
のシール材1aは、以上のようになっているので、図1
(b)に示すように、パネル4とパネル4との目地5に
形状回復発泡体2全体を挿入するとともに、止水シート
3をパネル4とパネル4とに跨がるように配置し、接着
剤31を介して両パネル4,4の表面に止水シート3の
両端をそれぞれ接着固定することによって目地5を簡単
にかつ確実に外部からシールすることができる。
【0074】そして、時間の経過とともに、形状回復発
泡体2が徐々に形状回復し、最終的に図1(c)に示す
ように、目地5内に密に充満する。したがって、止水シ
ート3が破損したりしても形状回復した形状回復発泡体
2によってシール性が確保でき、長期間にわたって目地
5部分のシール性を保つことができる。
【0075】しかも、形状回復発泡体2と接着剤31が
積層されたシール材3とが予め一体化されているので、
止水シート3を貼り付けると言う作業だけで、目地5の
シール作業が完了し、作業工程が非常に簡略化できる。
【0076】図2は、本発明にかかるシール材の他の実
施の形態をあらわしている。図2(a)に示すように、
このシール材1bは、一端部を折り曲げて略L字形にさ
れたシート状の形状回復発泡体2が、非加硫ゴム製の止
水シート6にL字の横辺部21全体を止水シート6自体
の接着力によって止水シート6に接着固定されている以
外は、上述のシール材1aと同様になっている。
【0077】したがって、このシール材1bは、図2
(b)に示すように、目地5に形状回復発泡体2のL字
の縦辺部22を挿入するとともに、止水シート6をパネ
ル4とパネル4とに跨がるように配置し、止水シート6
自体の接着力によって両パネル4,4の表面に止水シー
ト3の両端をそれぞれ接着固定することによって目地5
を簡単にかつ確実に外部からシールすることができる。
【0078】そして、時間の経過とともに、形状回復発
泡体2が徐々に形状回復し、最終的に図2(c)に示す
ように、形状回復した形状回復発泡体2の縦辺部22が
目地5内に密に充満し、シール材1aと同様に形状回復
発泡体2によって目地5を内側からシールすることがで
きる。
【0079】しかも、このシール材1bの場合、止水シ
ート6自体が接着力を有する材質で形成されているた
め、止水シート6に接着剤を積層するという工程が不要
になり、より生産性に優れている。
【0080】図3は、本発明にかかるシール材の他の実
施の形態をあらわしている。図3(a)に示すように、
このシール材1cは、一端部を折り曲げて略L字形にさ
れた2片のシート状の形状回復発泡体2,2 が、一端
部を残して接着剤23を介して接着一体化されていて、
非接着部24,24が外側にそれぞれ折り曲げられて略
T字形の積層タイプの形状回復発泡体7が用いられてい
て、この形状回復発泡体7のT字の横辺部71が止水シ
ール6に接着一体化されている以外は、上記シール材1
bと同様になっている。
【0081】したがって、このシール材1cは、図3
(b)に示すように、目地5に形状回復発泡体7のT字
の縦辺部72を挿入するとともに、止水シート3をパネ
ル4とパネル4とに跨がるように配置し、接着剤31を
介して両パネル4,4の表面に止水シート6の両端をそ
れぞれ接着固定することによって目地5を簡単にかつ確
実に外部からシールすることができる。
【0082】そして、時間の経過とともに、形状回復発
泡体7が徐々に形状回復し、最終的に図3(c)に示す
ように、形状回復した形状回復発泡体7の縦辺部72が
目地5内に密に充満し、シール材1a,1bと同様に形
状回復発泡体7によって目地5を内側からシールするこ
とができる。
【0083】本発明にかかるシール材は、上記の実施の
形態に限定されない。たとえば、上記のシール材の目地
内に挿入される形状回復発泡体部分の表面に接着剤の層
を設けておくようにしても構わない。すなわち、このよ
うにすれば、形状回復発泡体が形状回復してその表面が
目地形成面に接すると、接着剤によって形状回復発泡体
が目地形成面にしっかりと接着される。
【0084】
【実施例】以下に、本発明の実施例をより詳しく説明す
る。
【0085】(実施例1)低密度ポリエチレン(三菱化
学社製、LF440HB、Tm=112.5℃)100
重量部、発泡剤としてのアゾジカルボンアミド(大塚化
学社製 SO−L)15重量部、発泡助剤としてのステ
アリン酸亜鉛1重量部、過酸化物としてのジクミルパー
オキサイド0.5重量部をロールで練り(140℃×5
分)、プレス(140℃×100kg/cm2 ×5分)して
150×150×3mmの原料シートを作成した。
【0086】この原料シートを230℃のオーブン内に
5分間投入し、発泡させた。この発泡によって得られた
独立気泡樹脂発泡体は、発泡倍率が30.5倍、厚さが
9.8mm、独立気泡率が85%であった。
【0087】そして、この独立気泡樹脂発泡体をプレス
板に挟み、厚さが3mmになるまで圧縮し、この状態で1
日間保持したのち、プレス板を外したところ、3mmの厚
さの形状回復発泡体が得られた。そして、厚さ40μm
のアルミニウム箔と厚さ100μmの低密度ポリエチレ
ン(三菱化学社製、LF440HB、Tm=112.5
℃)シートと30μm厚の接着剤(綜研化学社製、SK
ダイン1131P)を介して積層した止水シートの被着
体側の面に150μmの厚さの接着剤(綜研化学社製、
SKダイン1131P)層を設け、この接着剤層を介し
て上記形状回復発泡体を接着一体化して図1に示すよう
なシール材を得た。
【0088】(実施例2)ジクミルパーオキサイドを添
加しなかった以外は、実施例1と同様にして150×1
50×1.5mmのシートを作成したのち、このシートの
両面に500kv×6Mradの電子線を照射し原料シートを
得た。そして、この原料シートを230℃のオーブン内
に5分間投入し、発泡させて独立気泡樹脂発泡体を得
た。この独立気泡樹脂発泡体は、発泡倍率が32.1
倍、厚さが5.2mm、独立気泡率が95%であった。
【0089】つぎに、この独立気泡樹脂発泡体をプレス
板に挟み、厚さが1.5mmになるまで圧縮し、この状態
で1日間保持したのち、プレス板を外したところ、1.
5mmの厚さの形状回復発泡体が得られた。この形状回復
発泡体を2枚用意し、一端部で10mmの長さを残して3
0μmの厚さの接着剤(綜研化学社製、SKダイン11
31P)層を介して両形状回復発泡体を接着一体化した
のち、この2枚の形状回復発泡体の非接着部を外側に折
り曲げ略T字形にして止水シートとしての厚さ200μ
mのブチルゴムシート(ムーニー粘度(100℃)=4
7、不飽和度=2.0のイソプチレン・イソプレンゴ
ム)にブチルゴムシート自体の接着力によって接着一体
化して図3に示すようなシール材を得た。
【0090】(実施例3)実施例2と同様にして150
×150×3.0mmのシートを作成したのち、このシー
トの両面に500kv×6Mradの電子線を照射し原料シー
トを得た。そして、この原料シートを230℃のオーブ
ン内に5分間投入し、発泡させて独立気泡樹脂発泡体を
得た。この独立気泡樹脂発泡体は、発泡倍率が32.1
倍、厚さが10.3mm、独立気泡率が95%であった。
【0091】この独立気泡樹脂発泡体をプレス板に挟
み、厚さが6.0mmになるまで圧縮し、この状態で1日
間保持したのち、プレス板を外したところ、6.0mmの
厚さの形状回復発泡体が得られた。この形状回復発泡体
を一端から10mmの部分で折り曲げL字形にして止水シ
ートとしての厚さ200μmのブチルゴムシート(ムー
ニー粘度(100℃)=47、不飽和度=2.0のイソ
プチレン・イソプレンゴム)に接着一体化して図2に示
すようなシール材を得た。
【0092】2枚の厚み50mmのモルタル製パネルを目
地幅8mmで配置したのち、上記実施例1〜3で得たシー
ル材を用いそれぞれ目地をシールするとともに、比較例
1として、実施例1に用いた止水シートのみを用いて、
目地をシールした。そして、パネルを屋外に6ヶ月間放
置したのちの止水シートの外観、止水状態を調べ、その
結果を形状回復発泡体の形状回復時間と併せて表1に示
した。
【0093】なお、止水状態は、水漏れの有無を目視で
判断した。また、独立気泡率は、東京サイエンス社製の
空気比較式比重計1000型を用いた1〜1/2〜1気
圧法によって測定した。
【0094】
【表1】
【0095】表1から本発明のシール材が長期間にわた
り止水性に優れていることがよくわかる。
【0096】
【発明の効果】本発明にかかるシール材は、以上のよう
に構成されているので、長期間にわたり止水性に優れ、
住宅の外壁や風呂回り等や建築・土木の隙間シールに適
している。しかも、作業工数も低減でき、作業時間の短
縮を図ることができる。請求項2のシール材のように、
特に止水シートとして、非加硫ゴムで形成されたものを
用いれば、止水シート自体に接着性を備えているため、
止水シートに接着剤を積層しなくてもよく、生産性が向
上する。
【0097】請求項3のシール材のように、シートの貼
着面に予め接着剤を積層しておけば、シートの接着時に
接着剤を塗布すると言う手間が省け作業性がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるシール材の実施の形態をあらわ
し、その使用方法を説明する説明図である。
【図2】本発明にかかるシール材の他の実施の形態をあ
らわし、その使用方法を説明する説明図である。
【図3】本発明にかかるシール材の他の実施の形態をあ
らわし、その使用方法を説明する説明図である。
【図4】従来のシール材の使用状態を説明する斜視図で
ある。
【図5】従来のシール材の使用状態を説明する断面図で
ある。
【符号の説明】
1a シール材 1b シール材 1c シール材 2 形状回復発泡体 3 止水シート 6 止水シート 7 形状回復発泡体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】止水性を有するシートが、独立気泡樹脂発
    泡体からなり、常温で形状回復性を有する形状回復発泡
    体の一側面の幅方向にその両側部をはみ出させるよう
    に、該形状回復発泡体の一側面に沿って一体化されてい
    るシール材。
  2. 【請求項2】シートが非加硫ゴムで形成されている請求
    項1に記載のシール材。
  3. 【請求項3】シートの貼着面には、接着剤が予め積層さ
    れている請求項1または2に記載のシール材。
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