JP2003184205A - 防耐火目地構造 - Google Patents
防耐火目地構造Info
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Abstract
便な目地構造を提供する。 【解決手段】 防耐火性の外壁パネル1,2のジョイン
ト部となる木口面1a,2aに向けて火災時にその体積
が著しく膨張する耐火膨張層11を形成しえる熱膨張性
耐火部材10を貼付又は挿入している。
Description
部に形成される防火性及び耐火性を備えた防耐火目地構
造に関する。
部材に対して防火性及び耐火性が要求されるようになっ
てきた。これに伴い、外壁の接続部(目地部)に対して
も、従来必要とされてきた水密性に加えて、防火性及び
耐火性(以下、防・耐火性という)が要求されている。
は、JIS A 1304によると、裏面への炎の貫通
がない遮炎性を有すること、目地部が部材で覆われてい
る場合は、その部材の温度が260℃以下となる遮熱性
を有することが求められる。
耐火性を付与する種々の手法が提案されている。たとえ
ば、特開平8−81674号公報によれば加熱により発
泡して形成される炭化層膜が大きな体積膨張を示して、
炎の侵入を抑えることのできる防火性シーリング材(シ
ーラント)が提案され、そのシーリング材は、目地部に
注入又は塗布されて使用されている。
れば、耐火性を有するガスケットを目地部に取り付ける
手法が開示されている。
ング材を注入又は塗布する場合は、注入又は塗布作業に
技術及び施工時間を要し、施工が不十分であると火災時
にシーラントが目地部から脱落し、遮炎効果が不十分と
なり、火災時に目地部から炎が貫通する恐れがある。ま
た、この注入又は塗布施工は、現場にて施工をしなけれ
ばならないという問題もあり、多くの場合には建築物全
体に足場を設けて行われる。
ける手法は、比較的簡易に短時間で施工できるが、そこ
に用いられるガスケット自体が高価であるという問題が
あった。
トを取り付ければ一次防水は行えるが、毛管現象による
水に対応した水密性を保持するには、さらに二次防水が
必要となる。
チルテープなどを貼り付けたうえで発泡ポリエチレンな
どのバックアップ材を嵌め込む手法があるが、この場
合、ブチルテープの貼り付けとバックアップ材の嵌め込
みとが必要で、施工が非常に煩雑になるという問題があ
った。
るためになされたもので、目地部に防耐火性を持たせ、
かつ、施工が簡便な目地構造を提供することを目的とす
る。また、この発明の更なる目的は、目地部に防耐火性
を持たせ、かつ、施工が簡便な目地構造であって、さら
に、水密性の保持された目地構造を提供することにあ
る。
複数の建物ユニットからなるユニット建物の各建物ユニ
ット間の防耐火目地構造であって、防耐火性の外壁パネ
ルのジョイント部となる木口面に向けて火災時にその体
積が著しく膨張する耐火膨張層を形成しうる熱膨張性耐
火部材を貼付又は挿入したことを特徴とする防耐火目地
構造である。
向けての貼付又は挿入は、施工現場にても行えるが、工
場などで建物ユニットなどを組み立てる際に、予め、目
地部を構成する外壁パネルの木口面等にこの熱膨張性耐
火部材を直接又は間接に貼付などにより固定してもよ
い。
付は、従来のシーラントを注入又は塗布する施工に比べ
て技術を要せずに行えるので、請求項1記載の発明によ
れば、熱膨張性耐火材部材は、防耐火性の外壁パネルの
ジョイント部となる木口面等に直接又は間接に貼付又は
挿入するという簡単な施工方法により提供される。
材は、目地部に充満されていてもよいが、必ずしも充満
されずに隙間があってもよい。火災時には、木口面に向
けて熱膨張性耐火部材が膨張して目地部が膨張された耐
火膨張層により充満されれば遮炎が行え、裏面への火炎
の貫通がなくなる。また、この充満された耐火膨張層に
より、目地部を通じた熱の伝搬が抑制され、これにより
外壁パネルの裏面への温度上昇も抑制することができ
る。
で行えば、高品質管理のもとに熱膨張部材を木口面に直
接又は間接に固定することができる。これにより、火災
時にこの熱膨張部材が目地部から脱落したりすることが
なく、確実に遮炎を行うことができる。
えば、50kw/m2 の加熱条件下で30分間加熱した
後の体積膨張倍率が加熱前の体積の3倍以上100倍以
下であるものが好ましい。3倍以上と高倍率のものを選
択することにより、厚みの薄い熱膨張性耐火部材を用い
ることにより、ユニット建物を組み立てた場合の目地間
に隙間があっても、火災時にはこの熱膨張性耐火部材を
木口面に向けて膨張させて目地間を確実に充満させるこ
とができる。
性材料が内層又は外層に積層されたものを用いれば、こ
の緩衝性材料が緩衝材となり、熱膨張性耐火部材の挿入
が容易となる。
弾性材料が積層されていれば、この熱膨張性耐火部材を
木口面に貼付又は挿入することにより目地部での水密性
も図れる。
熱膨張性耐火材層の一面に緩衝性材料が積層され他面に
水密弾性材料が積層されたもの、熱膨張性耐火材層の一
面に水密弾性材料の層が積層されたものを包含する。
剤層が最外表面に積層されているものを用いれば、木口
面等への貼付が容易かつ確実となる。
度で有ればよい。この場合には、仮止め後、タッカーや
釘などにより固定される。それ故、この粘着剤層は貼付
面の全面にわたっていても、部分的でも、点在されてい
てもよい。
係る目地構造が適用される建物として、工場において予
め組み立てられた箱形の建物ユニットを施工現場へ運搬
し、施工現場において組立施工されるユニット建物の目
地構造の一例を示す図である。
U2が工場から運搬され、施工現場において、下階建物
ユニットU1の上に上階建物ユニットU2が不図示の箇
所でボルト接合などにより接合されてユニット建物Uが
形成されている。これらの上下階建物ユニットU1,U
2には、工場にて予め不図示の間柱などを介して外壁パ
ネル1、2が固定されている。
備えたものであり、不燃材料又は準不燃材料から構成さ
れ、たとえば、石膏ボードや硬質木片セメント板、繊維
混入セメント板、繊維混入アルミナシリケート板、オー
トクレーブ養生軽量気泡コンクリート板(ALC)単体
又は金属フレームなどとの積層板等が好適に用いられ
る。
建物ユニットU2とのジョイント部となる木口面1a、
2aには目地部3を構成する隙間が形成されている。
び外壁パネル2の裏面2bから防水シート6、6がそれ
ぞれ木口1a面上に延設されている。
場にてこの発明で用いるシート状の熱膨張性耐火部材1
0が予め粘着剤や接着剤にて貼付され、不図示のタッカ
ー又は釘打ちにより固定されている。
時にこの熱膨張性耐火部材10が膨張して、図2に示す
ように、外壁パネル1,2のジョイント部となる木口面
1a,2a間(木口2aと防水シート6間)を完全に充
満した耐火膨張層20が形成される。
形成された耐火膨張層20により充満されて遮炎され
る。また、建物内部への火炎の貫通がなくなるととも
に、この充満された耐火膨張層20により、目地部3を
通じた熱の伝搬が抑制され、これにより外壁パネル1,
2の裏面への温度上昇も抑制することができる。
材10の貼付及び固定施工は工場などで行われるので、
施工が楽であり、高品質管理のもとに熱膨張部材10を
木口面2aに確実に固定することができる。これによ
り、長期間にわたって熱膨張部材10が木口面2aから
脱落したりすることがなく、いつ起こるかわからない、
火災に対しても確実に遮炎を行うことができる。また、
図20、図21のように、熱膨張性耐火部材が十分に膨
張することにより目地を閉塞できるものであれば、目地
の外壁木口の一方にのみ貼付されていてもよい。
1に示すように、熱膨張性耐火材料を押出成形などによ
り形成される長手方向に一様に延びる、例えば、フィル
ム状、シート状、板状、棒状(ロッド状)等の形態であ
り、その断面は、方形、円形、楕円形、多角形、自由形
等である。また、熱膨張性耐火部材10は、芯層又は表
層に熱膨張性耐火材料よりなる層(熱膨張性耐火部材
層)11を備え、表層又は芯層として緩衝性材料よりな
る緩衝層13を備えたり、目地部3の木口面1a,2a
等に接する面に水密弾性層14や粘着剤層12を備えて
いてもよい。
は制限がないが、その遮炎すべき目地部3の幅(木口面
1aと木口面2aとの距離)、目地部3の形状、及び熱
膨張性耐火材料の体積膨張率、形状、価格等を考慮して
適宜に設定される。
みは、目地部3の幅に対して、通常、その目地部の幅の
1〜50%程度の範囲のものが好ましく用いられる。こ
の厚みが薄すぎると、目的とする裏面への火炎の貫通を
防止する遮炎性が低下し、一方、厚みが厚ければ厚いほ
ど、耐火性、防水性等には有利であり、また遮炎性など
の性能上の問題はないが、コストが増加する。なお、こ
の幅は、熱膨張性耐火材料から構成される層が複数の場
合には、それらの合計厚みである。
えば、長手方向に亘って均一な隙間を備えた目地部3又
は壁パネルの木口面1a,2aに貼付又は挿入が容易と
なり、木口間の長手方向に対して均一に貼付又は挿入が
行える。
地部分の隙間に応じて設定される。目地部3の幅に対し
て50〜300%程度のものが一般に用いられる。目地
部の幅に対して50%未満の場合には、目的とする目地
部3を充填する際の緩衝機能が不十分となり、また、3
00%を超える場合には、目地部3に充填する際の施工
性が劣る。
されないが、0.1mm〜3mmの範囲内のものが一般
的に用いられる。水密弾性層14の厚みが薄いと、目的
とする防水性を得ることが困難となり、3mmよりも厚
い場合には、熱膨張性耐火部材10自体の難燃性が低下
することがある。
れないが、0.1mm〜2mmの範囲内のものが一般的
に用いられる。粘着剤層の厚みが薄いと、防水性を目的
とする場合にはその防水性が困難となり、2mmよりも
厚い場合には、熱膨張性耐火部材10自体の難燃性が低
下することがある。
張性耐火材料から構成されるシート状(又はテープ状)
の熱膨張性耐火部材層11から構成されている。この熱
膨張性耐火部材10は、ロールなどに巻いた状態で保管
したり提供したりすることができる。
張性耐火部材層11の一方の面に塗布などにより積層さ
れた粘着剤層12が設けられている。
にわたって均一に設けられているが、部分的に設けられ
ていたり、点在されていてもよい。また、この熱膨張性
耐火部材10は、粘着剤層10が付与された面に離型紙
を貼り付ければ、ロールなどに巻いた状態で保管したり
提供したりすることができ便利である。
に平行な一対の熱膨張性耐火部材層11間に略方形の緩
衝性材料からなる緩衝層13がサンドイッチ状に(芯層
として)挟まれた構成である。このような熱膨張性耐火
部材10は、たとえば、押出成形により各部材層を形成
し、接着剤により接合させることにより形成される。
は、円形ロッド状の緩衝層13の周囲に円筒状の熱膨張
性耐火部材層11が積層された形態である。この断面は
円形に限らず、方形など多角形であっても、また、それ
らの角部は面取りされていてもよい。
は、押出成形により円筒状の熱膨張性耐火部材層11を
形成し、その一側面11aを長手方向に切り開き、この
開口に押出成形などにより形成されたロッド状の緩衝層
13を押し込むことにより形成される。もちろん共押出
により成形してもよく、その他の方法により形成されて
いてもよい。
材層11を芯層に用いてもよい。これらの熱膨張性耐火
部材10では、芯層として熱膨張性耐火部材層11が用
いられ表層として緩衝層13が積層されている。なお、
この図7、図8の熱膨張性耐火部材層11は一層である
ので、図5、図6の熱膨張性耐火部材層11よりも層の
厚み又は体積が増大されている。
の中空樹脂発泡体の一側面が符号13aで示すように切
り裂かれて内部に円形ロッド状の熱膨張性耐火部材層1
1が挿嵌されているが、この切り裂き13aはなくても
よい。
材10はいずれも目地部3への挿嵌用の部材であり、目
地部3への圧入できるように、目地間の幅よりも高さが
高く構成され、適度な弾性又は柔軟性を備えている。図
9に示す熱膨張性耐火部材10は、熱膨張性耐火部材層
11のみからなる弾性材料であり、矢印方向に向けて中
央を折り曲げられながら、木口1a,2a間に圧入され
て支持されて弾性により、または適当な粘着剤、接着剤
などにより固定されて支持される。
は、可撓性又は弾性を備えた熱膨張性耐火部材層11の
裏面側に中央部分の厚みが減少され、両側に向かって厚
みが増大された緩衝層13が接着剤などにより固定され
た構成とされている。これにより、中央部分で折り曲げ
て矢印方向に向けて木口1a,2a間に圧入されること
により緩衝層13に支持されて熱膨張性耐火部材10は
目地部3に保持される。
は一方の側面10aから他方の側面10bに向かって幅
が漸減され、両側面10c、10dが不連続に構成され
た楔型の形態である。幅が狭い側面10bから、目地部
3に挿嵌容易に構成されている。このような形態の変形
例は、たとえば、公知の1次止水ガスケットに用いら
れ、たとえば、特開平8−209891号公報の図面に
記載の1次止水ガスケットと同一の形態であってもよ
い。
2、図13に示すように、木口面2a(又は木口面1
a)との間の水密性を維持させるには、これらの木口面
2a等に接する側に水密性弾性材料層14を積層しても
よい。
は、従来から用いられている耐火断熱層(耐火膨張層)
を形成しうる材料であって火災時にその体積が著しく膨
張する熱膨張性耐火材料である。
えば積水化学工業の商品名:フィブロック(ブチルゴム
と熱膨張性黒鉛を含有する樹脂組成物からなるシート材
料)、3M社の商品名:ファイアバリア(クロロプレン
ゴムとバーミキュライトを含有する樹脂組成物からなる
シート材料)、三井金属塗料の商品名:メジヒカット
(ポリウレタン樹脂と熱膨張性黒鉛を含有する樹脂組成
物からなるシート材料)等の熱膨張性シート材料が挙げ
られる。
性樹脂及び/又はゴム物質、又はエポキシ樹脂と、加熱
時に膨張する層状無機物を含有する無機充填材とからな
る材料であってもよい。
は、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン系樹
脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ(1−)ブテン系樹脂、
ポリペンテン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリス
チレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエ
ーテル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リ塩化ビニル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン
系樹脂、ブチルゴム、ポリブテン、ポリイソブチレン、
ポリブタジエンゴム、ポリクロロプレン、ニトリルゴ
ム、水素添加石油樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑
性樹脂及び/又はゴム物質は、単独で用いても、2種以
上を併用してもよい。樹脂の溶融粘度、柔軟性、粘着性
等の調整のため、2種以上の樹脂をブレンドしたものを
ベース樹脂として用いてもよい。上記熱可塑性樹脂及び
/又はゴム物質の中でも、ハロゲン化されたものは、そ
れ自体難燃性が高く、熱による脱ハロゲン化反応によ
り、架橋が起こり、加熱後の残渣の強度が向上する点に
おいて好ましい。また、これらの樹脂の中で、柔軟でゴ
ム的性質を持っているものが好ましく、無機充填剤を高
充填することが可能であり、得られる樹脂組成物が柔軟
でフレキシブルなものとなる。より柔軟でフレキシブル
な樹脂組成物を得るためには、非加硫ゴムやポリエチレ
ン系樹脂が好適に用いられる。
耐火膨張層20が架橋構造をとるため、形状保持性に優
れており、材料の厚みを薄くして発泡倍率を上げても、
好適に遮炎を行うことができる。これらのエポキシ樹脂
としては、特には限定されないが、基本的にはエポキシ
基をもつモノマーと硬化剤とを反応させることにより得
られる。
えば、2官能のグリシジルエーテル型、グリシジルエス
テル型、多官能のグリシジルエーテル型などが挙げられ
る。
は、ポリエチレングリコール型、ポリプロピレングリコ
ール型、ネオペンチルグリコール型、1,6−ヘキサン
ジオール型、トリメチロールプロパン型、プロピレンオ
キサイド−ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA
型等が挙げられる。
キサヒドロ無水フタル酸型、テトラヒドロ無水フタル酸
型、ダイマー酸型、p−オキシ安息香酸型等があげら
れ、多官能のグリシジルエーテル型としては、フェノー
ルノボラック型、オルトクレゾールノボラック型、DP
P(ジフェニル−p−フェノール)ノボラック型、ジシ
クロペンタジエン・フェノール型などが挙げられる。
てもよい。
媒型であってもよく、これらのエポキシ樹脂の硬化方法
は限定されない。重付加型としては、ポリアミン、酸無
水物、ポリフェノール、ポリメルカプタン等が例示さ
れ、触媒型としては、3級アミン、イミダゾール類、ル
イス酸錯体などが挙げられる。
珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシ
ウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチ
モン、フェライト類、水酸化カルシウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭
酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸
カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、珪酸カルシウ
ム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベン
トナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セ
リサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バル
ン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、カーボ
ンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木
炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシ
ウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、
硫化モリブデン、炭化珪素、ステンレス繊維、硼酸亜
鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、無機系
リン化合物などが挙げられる。これらは、単独でも2種
以上を混合して用いてもよい。
酸カルシウム、炭酸亜鉛で代表される金属炭酸塩や含水
無機物が好ましい。水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウムで代表される含水無機物は骨材的役割に加えて加
熱時に吸熱効果を付与することができる。
に好適に用いられ、たとえば、赤リン;リン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金
属塩;ポリリン酸アンモニウム類等が挙げられる。これ
らの中で、ポリリン酸アンモニウム類が好ましい。
は、特に限定されないが、バーミキュライト、カオリ
ン、マイカ、熱膨張性黒鉛等が挙げられる。これらの中
で、膨張開始温度が低いことから、熱膨張性黒鉛がこの
発明の熱膨張性耐火部材を形成する材料として好適に用
いられる。
200メッシュの範囲にあるのが好ましい。この粒度が
200メッシュより小さくなると黒鉛の膨張度が小さく
なり、十分な耐火断熱層を得ることが困難となる。一
方、この粒度が20メッシュよりも大きくなると黒鉛の
膨張度が大きくなるという利点はあるが、樹脂と混練す
る際の黒鉛の分散性が劣り、物性が低下する場合があ
る。
り、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッ
シュグラファイト等の粉末を濃硫酸、硝酸、セレン酸等
の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガ
ン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処
理してグラファイト層間化合物を生成させたもので、炭
素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。
黒鉛は、さらにアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカ
リ金属化合物、アルカリ土類金属化合物などの中和剤に
より中和したものを使用するのがよい。
ノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、
エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げ
られる。また、アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金
属化合物としては、カリウム、ナトリウム、カルシウ
ム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭
酸塩、硫酸鉛、有機酸塩等が挙げられる。
体例としては、例えば、UCAR CARBON社製の商品名GRAF
GUARD 、東ソー社製の商品名GREP-EG 等が挙げられる。
エポキシ樹脂の樹脂100重量部に対し、加熱時に膨張
する層状無機物が20〜350重量部の範囲で含有する
無機充填材を50〜400重量部含有するのが好まし
い。
膨張倍率が不足して十分な遮炎効果を得ることが困難と
なる。また、350重量部を超えると、凝集力が不足す
るため、成形品としての形態保持性(強度)が得られに
くい。
材の充填量が少ないと、燃焼後の残渣量が減少するた
め、十分な耐火断熱層が得られない。また、可燃物の比
率が増加するため、難燃性が低下する。一方、無機充填
材の充填量が400重量部よりも多いと、樹脂バインダ
ーの配合比率が減少するため、粘着力が不足する。
わない範囲で、難燃剤、酸化防止剤、金属害防止剤、帯
電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料等が添
加されてもよい。また、成形物に粘着性を付与するため
に粘着付与剤が添加されてもよい。
二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、
二本ロール等従来公知の混練装置に供給して溶融混練さ
れた後、押出成形、カレンダー成形等、従来公知の成形
方法によってシート状等自由な形状とすることができ
る。
は、熱膨張性耐火部材層11の厚みが、50kw/m2
の加熱条件下で30分間加熱した後の体積膨張倍率で加
熱前の体積の3倍以上100倍以下であるものが好まし
く、特にこの条件下での厚み方向の膨張が3倍以上であ
ることが好ましい。
することにより、厚みの薄い熱膨張性耐火部材を用いる
ことにより、ユニット建物を組み立てた場合の目地間に
隙間があっても、火災時にはこの熱膨張性耐火部材を木
口面に向けて膨張させて目地間を確実に充満させること
ができる。また、体積膨張が小さい材料を用いると、分
厚い熱膨張性耐火部材が必要となり、コストが上昇す
る。
まり倍率が高いと、膨張後に形成される熱膨張性耐火部
材層の機械的強力が弱くなり、良好な遮炎効果を得るこ
とが困難となり、一般的には100倍以下である。
としては、樹脂発泡体又は不織布又は織布が用いられ
る。
100倍程度のものが好ましく用いられ、ポリエチレン
系発泡体、ポリプロピレン系発泡体、ポリオレフィン系
発泡体、ポリスチレン系発泡体、ポリウレタン系発泡
体、フェノール樹脂系発泡体、イソシアネート系発泡体
等の発泡体が例示され、これらの樹脂発泡体は独立気泡
性発泡体であるのがよい。
ル不織布、ポリプロピレン不織布、アクリル樹脂系不織
布などの有機繊維系不織布はもちろんのこと、セラミッ
クブランケット、ロックウール、グラスウール等の無機
系不織布が好適に用いられる。
どの樹脂フィルムで包まれることにより、水密性弾性材
料などの他の材料を積層する際の接着性が高められる。
織布、ポリプロピレン織布、アクリル樹脂系織布などの
有機繊維系織布や無機系織布が用いられる。
ては、ゴムや独立気泡性熱可塑性樹脂発泡体などが用い
られる。
然ゴムや合成ゴムなどをそのまま用いることができる。
この合成ゴムとしては、たとえば、ブチルゴム、ポリク
ロロプレンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレン
ゴム、ポリイソブチレンゴム、スチレンブタジエンゴ
ム、ブタジエンアクリロニトリルゴム、ニトリルゴム、
シリコーンゴム等が挙げられる。これらは、単独でも2
種以上併用されていてもよい。
ては、たとえば、ポリエチレン系発泡体、ポリプロピレ
ン系発泡体、ポリオレフィン系発泡体、ポリスチレン系
発泡体、ポリウレタン系発泡体、フェノール樹脂系発泡
体、イソシアネート系発泡体等の独立気泡性発泡体が好
適なものとして例示され、その発泡倍率は、5〜100
倍の範囲が好ましい。また、この水密弾性材料が独立気
泡性熱可塑性樹脂発泡体である場合には、防水性が劣る
場合があるので、通常、粘着剤層が積層される。
る公知の粘着剤を用いることができる。たとえば、アク
リル系粘着剤、ブチルゴムなどが適当な粘着付与剤であ
り、石油系樹脂等を適宜添加したものが用いられてい
る。
いれば、粘着剤層と兼用することができ、また、上述の
緩衝層が木口面に形成される場合であって、緩衝層を形
成する材料が水密性と弾性を保持する材料から選択され
る場合には、緩衝層と兼用することができる。
物を例とした目地構造の他の例を説明する。図1と同一
乃至は均等な部位部材については詳細な説明は省略す
る。
置する2つの防水シート6,6の間に、アルミ積層紙1
6が積層された熱膨張性耐火部材10が固定されてい
る。この熱膨張性耐火部材10は、図3又は図4に示す
ものと略同一であり、粘着剤又は接着剤により仮固定さ
れたのち、タッカーや釘打ち(不図示)により木口面1
aに固定されている。
建物ユニット2の大梁5との間に水密性を維持するため
の二次防水材7が挿嵌され、目地部3を覆い隠すよう
に、胴差しなどの化粧部材8が外壁パネル1に釘打ちな
どにより固定されている。
ば、熱膨張性耐火部材10、10間の隙間は胴差し8に
より覆われて外部からは視認されない。また、二次防水
材7が上下階のユニット建物U1、U2間に介在されて
いるので、水密性も保持される。
ニット建物U2の施工前に、下階のユニット建物U1の
目地部3の防水シート6上に固定され、その後、上階の
ユニット建物U2が施工されて熱膨張性耐火部材10上
に上階のユニット建物U2の防水シート6が配置される
が、熱膨張性耐火部材10の固定が容易であるととも
に、防水シート6により外気から遮断されるので雨水や
太陽光による劣化の影響が少なく、火災時の熱膨張性耐
火部材10の膨張を確実なものとすることができる。
外壁パネル1の木口面1aの前面にガスケット9を保持
した取付金具9aが固定され、上階建物ユニットU2を
組み立てた状態で、このガスケット9を受けるガスケッ
ト受け金具9bが外壁パネル2の裏面2bに固定されて
いる。このガスケット受け金具9bの前面には、アルミ
箔17が積層された熱膨張性耐火部材10が施工現場で
目地部3の木口面1a側に貼付されている。尚、ガスケ
ット9は、図14における上階の建物ユニットU2の防
水シート6の代りに用いられるもので、このガスケット
9により目地部3の防水性を確保でき、また、上階の建
物ユニットU2の防水シート6を建物ユニットU1との
間に取り回す作業が不要になるものである。
ば、熱膨張性耐火部材10は、上階の建物ユニットU2
の施工後に外側から配置固定することができ、さらに、
アルミ箔17が積層されているので、雨水や太陽光によ
る劣化の影響が少なく、火災時の熱膨張性耐火部材10
の膨張を確実なものとすることができる。
り形成された耐火膨張層20により充満されて遮炎され
る。また、建物内部への火炎の貫通がなくなるととも
に、この充満された耐火膨張層20により、目地部3を
通じた熱の伝搬が抑制され、これにより外壁パネル1,
2の裏面への温度上昇も抑制することができる。
するが、この発明はこの実施例には限定されない。
張倍率及び熱伝導率は次のようにして測定された。 [厚み方向の膨張倍率]ATLAS社製のコーンカロリ
ーメーター(CONE2)を用いて、膨張後の耐火断熱
材の作製を行った。
mのシート状の熱膨張性耐火部材層単層からなる熱膨張
性耐火部材10を照射サンプルとした。
条件に相当する)照射熱量50kW/m2 に設定したコ
ーンカロリーメーターで30分間、加熱、燃焼させて、
膨張後の耐火膨張層20の厚み(t´mm)を測定し、
次式により厚み方向の膨張倍率を算出した。
る場合には、粘着剤の塗布された熱膨張性耐火部材10
が用いられ、この熱膨張性耐火部材10は、内寸、幅1
00mm×長さ100mm×高さ30mmの四方を囲ん
だ鉄板やアルミ箔の箱の底に粘着剤により固定して測定
された。
C−073を用いて、25℃の条件下での熱伝導率が測
定された。
た。 耐火材A:メタロセンPE(ダウケミカル社製 EG8
200)の100重量部と熱膨張性黒煙(東ソー社製
フレームカットGREP−EG)の50重量部と炭酸カ
ルシウム(備北粉化社製 ホワイトンBF−300)の
100重量部。
を覆うように耐火材Aを厚み1mmとなるように押出成
形した後、さらにその表面にブチルゴム(エクソン社製
ブチル#065)14を貼り付けて図12に示すよう
な熱膨張性耐火部材10を得た。
2倍、熱伝導率は0.11kcal/m・h・℃(0.
46kJ/m・h・℃)であった。
層13としての発泡ポリエチレンと、その外層に被覆さ
れた厚み1mmの熱膨張性耐火部材層11と、最外周に
被覆された水密弾性層14としてのブチルゴムとから構
成されている。この熱膨張性耐火部材10は、図示のと
おり、隣接する外壁パネル1,2間の目地部3に充填さ
れた。 実施例2 厚み2.5mmのシート状の耐火材B[3M社製 ファ
イアバリア(膨張倍率:3倍、熱伝導率:0.20kc
al/m・h・℃(0.84kJ/m・h・℃))]の
一面にクロロプレン系接着剤を塗布して緩衝層13とし
ての発泡ポリエチレンを接着した。さらに、この表面に
水密弾性材料としてのブチルゴム(エクソン社製 ブチ
ル#065)を貼り付けて、図13に示す形状の熱膨張
性耐火部材10を得た。この熱膨張性耐火部材10は、
熱膨張性耐火部材層11,緩衝層13,水密弾性層14
が積層された3層構造である。得られた熱膨張性耐火部
材10の中央を図示の通り折り曲げ、両方の木口面1
a,2aに水密弾性材層14が接するように挿嵌して施
工した。 実施例3 厚み2mmのシート状の耐火材C[三井金属塗料社製
メジヒカット(膨張倍率:4倍、熱伝導率:0.21k
cal/m・h・℃(0.88kJ/m・h・℃))]
の一面にウレタン系接着剤を塗布して緩衝層13として
の発泡ポリエチレンを接着し、ついで、その表面に水密
弾性材料としてのブチルゴム(エクソン社製 ブチル#
065)を貼り付け、図13に示す3層構造の熱膨張性
耐火部材10を得た。この熱膨張性耐火部材10の中央
を折り曲げ、両方の木口面1a,2aに水密弾性材層1
4が接するように挿嵌して施工した。 比較例1 隣接する外壁パネル1,2の目地部3に筒状の発泡ポリ
エチレンを挿嵌して施工した。 比較例2 隣接する外壁パネル1,2の目地部3にロックウールを
施工した。 [耐火性試験]縦150mm×横1000mm×厚さ1
7mmの繊維混入アルミナシリケート板(積水化学工業
社製)を外壁パネル1,2として、それぞれをC型鋼1
50×50×厚み3.2mm、材質SS41に目地部3
の間隔が32.5mmとなるようにコンクリートビスで
固定した。
の耐火試験方法)に準拠して、一時間加熱した。加熱し
た際の表面温度(鋼管の表面温度)を測定し、裏面温度
が260℃を超えるか否かで判定を行った。
〜3では、いずれも照射によりガスケットの脱落などは
観察されたが、熱膨張性耐火部材10が膨張して得られ
た熱膨張性耐火部材層20は、目地部を充満し、十分に
遮炎が行われた。この結果、裏面温度が260℃に達し
たものはなかった。
れの場合にも360℃となり、判定基準である260℃
を大きく超えた。 [防水試験]実施例の内、水密弾性層14を含むものと
比較例1,2について防水性試験を行ったところ、実施
例に従う場合は、裏面への防水は認められなかったが、
比較例ではいずれの場合にも裏面への防水が認められ
た。
の外壁パネルのジョイント部となる木口面に向けて火災
時にその体積が著しく膨張する耐火膨張層を形成しうる
熱膨張性耐火部材を貼付又は挿入したので、従来のシー
ラントを注入又は塗布する施工に比べて技術を要せずに
施工できる。
火部材として50kw/m2 の加熱条件下で30分間加
熱した後の体積膨張倍率が加熱前の体積の3倍以上10
0倍以下であるものが選択されるので、厚みの薄い熱膨
張性耐火部材を用いることにより、ユニット建物を組み
立てた場合の目地間に隙間があっても、火災時にはこの
熱膨張性耐火部材を木口面に向けて膨張させて目地間を
確実に充満させることができる。
火部材として、緩衝性材料が内層又は外層に積層された
ものを用いているので、この緩衝性材料が緩衝材とな
り、熱膨張性耐火部材の挿入が容易となる。
性耐火部材として、水密弾性材料が外層に積層されてい
るので、この熱膨張性耐火部材を木口面に貼付又は挿入
することにより目地部での水密性も図れる。
最外層に積層されているので、熱膨張性耐火部材を木口
面に貼り付ける施工が容易となる。
面図である。
状況を模式により説明する断面図である。
す部分斜視図である。
す部分斜視図である。
す部分斜視図である。
す部分斜視図である。
す部分斜視図である。
す部分斜視図である。
の施工状況を模式的に説明する断面図である。
その施工状況を模式的に説明する断面図である。
示す部分斜視図である。
その施工状況を模式的に説明する断面図である。
その施工状況を模式的に説明する断面図である。
断面図である。
断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】複数の建物ユニットからなるユニット建物
の各建物ユニット間の防耐火目地構造であって、防耐火
性の外壁パネルのジョイント部となる木口面に向けて火
災時にその体積が著しく膨張する耐火膨張層を形成しう
る熱膨張性耐火部材を貼付又は挿入したことを特徴とす
る防耐火目地構造。 - 【請求項2】前記熱膨張性耐火部材は、50kw/m2
の加熱条件下で30分間加熱した後の体積膨張倍率が加
熱前の体積の3倍以上100倍以下であることを特徴と
する請求項1記載の防耐火目地構造。 - 【請求項3】前記熱膨張性耐火部材は、緩衝性材料が内
層又は外層に積層されたものであることを特徴とする請
求項1又は2記載の防耐火目地構造。 - 【請求項4】前記熱膨張性耐火部材は、水密弾性材料が
外層に積層されていることを特徴とする請求項1〜3の
いずれかに記載の防耐火目地構造。 - 【請求項5】前記熱膨張性耐火部材は、粘着剤層が最外
層に積層されていることを特徴とする請求項1〜4のい
ずれかに記載の防耐火目地構造。
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