JP3145038B2 - 形状回復発泡体の施工方法およびこの施工方法に用いる発泡積層体 - Google Patents

形状回復発泡体の施工方法およびこの施工方法に用いる発泡積層体

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JP3145038B2 JP26600396A JP26600396A JP3145038B2 JP 3145038 B2 JP3145038 B2 JP 3145038B2 JP 26600396 A JP26600396 A JP 26600396A JP 26600396 A JP26600396 A JP 26600396A JP 3145038 B2 JP3145038 B2 JP 3145038B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、形状回復発泡体の
施工方法、および、この施工方法に用いる発泡積層体に
関する。
【0002】
【従来の技術】石膏ボードや木質ポネル等の構築資材の
目地や突き合わせ部の隙間などを埋めるシール材とし
て、特公昭48−1903号公報に記載のようなシール
材がある。このシール材は、粘性樹脂質組成物を含浸し
た弾性合成樹脂スポンジのテープ状、棒状又は帯状物
を、一面方向に圧縮した状態で、離型シートを介在せて
めて、渦巻き状に巻回積層あるいは平板状に重ねあわせ
積層してその圧縮状態を維持するよう緊締梱包してな
り、現場で施工時に圧縮状態を解き、離型シートを取り
外して目地などに挿入して使用するようになっている。
【0003】すなわち、このシール材は、粘性樹脂質組
成物が含浸されていて、圧縮状態が解かれても、弾性合
成樹脂スポンジがすぐには元の状態に戻るのではなく、
徐々に弾性回復するため、目地などへの挿入が簡単で、
弾性回復に伴って目地に密に充填され、目地をシールで
きるようになっている。しかし、このシール材の場合、
粘性樹脂質組成物が弾性合成樹脂スポンジの連続気泡内
に充填されていて、連続気泡の一部を塞ぐことよってシ
ール性を確保するようになっているのであるが、弾性合
成樹脂スポンジを大きく弾性回復させると、体積当たり
の粘性樹脂質組成物が希薄になり、十分なシール性が得
られなくなる。したがって、目地の幅等に応じていろい
ろな種類のシール材を用意しなくてはならない。
【0004】また、冬期などの気温の低い時期には、粘
性樹脂質組成物が固化してしまい、加熱しないと、弾性
回復しないなど、作業性も悪かった。
【0005】そこで、本発明の発明者らは、当初樹脂の
弾性限界内で気泡が収縮状態に保持されていて、樹脂の
弾性回復力により気泡の内外圧力と釣り合いながら徐々
にもとの厚さに回復してゆく、独立気泡樹脂発泡体から
なり、形状回復性を有する形状回復発泡体をすでに提案
している(特願平7−299654号等参照)。この形
状回復発泡体は、上述のように、当初、すなわち、施工
時に収縮していて、施工後空気を気泡内に取り込み膨張
し、隙間に密に充填されるようになるため、隙間にでも
容易に施工でき取扱性に優れ、しかも、膨張したのち
は、内部の独立気泡によってシール性、断熱性、緩衝性
等の物性に優れたものとなる。
【0006】したがって、パイプ用断熱材、建材用断熱
材、包装用緩衝材、車輛等の内装用緩衝材、建物用シー
ル材、目地材等の多方面に有効に適用できると言うもの
であった。しかも、独立気泡樹脂発泡体から形成されて
いるため、大きく形状回復してもそのシール性を阻害す
ることがないため、目地等の幅が変化しても1種類の形
状回復発泡体で対応することができ、コストが低減でき
る。また、粘性樹脂質組成物の固化のような問題もな
い。
【0007】しかしながら、この形状回復発泡体の場
合、製造後、長期間放置しておくと、形状が完全に回復
してしまう。したがって、石膏ボードや木質パネルなど
の構築資材を工場から出荷する際に予め、一次施工とし
て上記形状回復発泡体を構築資材の突き合わせ面等に一
体化しておき、現場での施工性を向上させようとして
も、工場かち現場までの輸送時間および温度や荷重など
の条件を予め把握し、その条件を管理した上でタイミン
グよく二次施工しなければならない。
【0008】すなわち、現場での二次施工時に形状回復
発泡体が形状回復してしまって、施工できなくなってし
まう恐れがあり、工程管理が難しい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みて、形状回復発泡体の形状回復時期がコント
ロールできて、現場施工性を向上させることができる形
状回復発泡体の施工方法およびこの施工方法に用いる発
泡積層体を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明にかかる形状回復発泡体の施工方法
は、独立気泡樹脂発泡体からなり、常温において形状回
復性を有する形状回復発泡体を、接着剤を介して構築資
材の一部に予め接着し、形状回復発泡体の接着面と反対
側の面に剥離可能な剥離シートを被覆一体化するととも
に、一端が構築資材の前記形状回復発泡体の被着面近傍
部に固定された緊張部材の他端に、前記剥離シートの周
縁部を固定し、緊張部材の緊張力によって剥離シートの
周縁部を引っ張り剥離シートを緊張状態に保持しておく
ようにした。
【0011】上記本発明の形状回復発泡体の施工方法に
おいて、構築資材の現場施工時またはその直前に剥離シ
ートを除去することが好ましい。なお、本発明におい
て、形状回復発泡体とは、以下の〜のものを言う。
【0012】 炭酸ガスや液化ガス等のガス透過係数
agent が空気のガス透過係数Pai r より大きく、常温
でガスもしくは常温で液化するガスを発泡ガスとして用
いたものであって、気泡内のガス置換による体積収縮に
より自然収縮を起こし、収縮後樹脂の弾性回復力とガス
透過により気泡の内外圧力と釣り合いながら徐々にもと
の厚さに回復してゆくもの。すなわち、Pagent >P
air となるガスを発泡剤として用いた場合、セル膜を通
して独立気泡(セル)内から外界(大気中)へ逃げる
(透過)ガス量の方が、外界から独立気泡内へ入るガス
量よりも多くなり、独立気泡内圧<外界圧(大気圧)と
なる。この時、発泡体には外界圧で圧縮される力F1
それに抵抗する樹脂の弾性力F2 がかかり、F1 とF2
が釣り合う状態まで発泡体が収縮する。収縮が進行する
にしたがって独立気泡内から外界へ逃げるガス量が次第
に減少し、しばらくすると独立気泡内から外界へ逃げる
ガス量と外界から独立気泡内に入るガス量が平衡に達し
収縮は停止する。この後、形状回復発泡体は膨張を開始
する。
【0013】 の発泡ガス以外のガスを発泡ガスと
して用いたものであって、原料となる独立気泡発泡体に
圧縮歪み(樹脂の弾性領域内の歪みが好ましい)を所定
時間以上与えて圧縮され、圧縮を解除すると樹脂の弾性
回復力により気泡の内外圧力と釣り合いながら徐々にも
との厚さに回復してゆく性質を持つもの。すなわち、原
料となる独立気泡発泡体に圧縮歪みを与えた場合、発泡
体を構成する独立気泡の内圧が上昇し、直後に外力を取
り除けば発泡体は瞬時に元の形状に回復するが、所定時
間以上その歪みを保持させれば、樹脂のガス透過性によ
り気泡内のガスが気泡膜から徐々にぬけてゆき内圧と外
圧とが釣り合い、外力を取り除いても瞬間的な形状回復
は起こらず、圧縮を解除すると樹脂の弾性回復力により
気泡の内外圧力と釣り合いながら徐々にもとの厚さに回
復してゆく。
【0014】 の発泡ガス以外のガスを発泡ガスと
して用いたものであって、減圧下で発泡することにより
気泡中のガス圧力は大気圧以下となった状態で冷却固定
した後大気中に取り出した時、形成された発泡体が大気
圧により一旦圧縮され、樹脂の弾性回復力により気泡の
内外圧力と釣り合いながら徐々にもとの厚さに回復して
ゆくもの。
【0015】 冷却すると液化し沸点が成形温度以下
の発泡剤を使用して発泡体を製造したもの。すなわち、
沸点が樹脂の成形温度以下である発泡剤を用いた場合、
発泡体を発泡剤の沸点まで冷却すると、独立気泡内の発
泡剤も冷却されて気体から液体になる。このとき発泡剤
の体積収縮によって独立気泡内圧<外界圧(大気圧)と
なり発泡体が収縮する。その後樹脂の弾性回復力により
気泡の内外圧力と釣り合いながら徐々にもとの厚さに回
復してゆく。
【0016】なお、上記の独立気泡樹脂発泡体を圧縮
する場合、圧縮時の温度は、独立気泡樹脂発泡体を構成
する樹脂の軟化点(非晶性樹脂についてはガラス転移
点、結晶性樹脂については融点を軟化点とする)以下で
ある。すなわち、軟化点以上の温度で圧縮を行った場
合、抜重後の形状回復発泡体の形状回復能がなくなる恐
れがある。
【0017】また、圧縮方法は、特に限定されないが、
たとえば、独立気泡発泡体を所望の間隔で対面して配置
された2つの無端ベルト間に通して無端ベルト間で圧縮
する方法や、2枚のプレス板の間で圧縮して所定時間圧
縮状態を保持する方法等が挙げられる。
【0018】形状回復発泡体の独立気泡率は、形状回復
発泡体自体の必要とする回復量により決まり、おおよそ
5%以上であれば使用することが可能であるが、特に好
ましい範囲は60%〜100%である。形状回復発泡体
を構成する樹脂としては、特に限定されないが、圧縮永
久歪み(JIS K 6767に準拠)が20%以下の
もの、特に10%以下のものが形状回復性に優れ好まし
い。
【0019】このような樹脂としては、以下のような熱
可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0020】〔熱可塑性樹脂〕ポリエチレン,ポリプロ
ピレン,エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−プ
ロピレン−ジエン共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重
合体等のオレフィン系樹脂、ポリメチルアクリレート,
ポリメチルメタクレート,エチレン−エチルアクリレー
ト共重合体等のアクリル系樹脂、ブタジエン−スチレ
ン,アクリロニトリル−スチレン,スチレン,スチレン
−ブタジエン−スチレン,スチレン−イソプレン−スチ
レン,スチレン−アクリル酸等のスチレン系樹脂、アク
リロニトリル−ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニル−エチ
レン等の塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニル,ポリフ
ッ化ビニリデン等のフッ化ビニル系樹脂、6−ナイロ
ン,6・6−ナイロン,12−ナイロン等のアミド樹
脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフ
タレート等の飽和エステル系樹脂、ポリカーボネート、
ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリフェ
ニレンスルフィド、シリコーン樹脂、熱可塑性ウレタン
樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミ
ド、各種エラストマーやこれらの架橋体。
【0021】〔熱硬化性樹脂〕エポキシ系樹脂、フェノ
ール系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、イミド
系樹脂、ユリア系樹脂、シリコーン系樹脂、不飽和ポリ
エステル系樹脂の硬化物等。
【0022】また、上記樹脂の中でも、特に形状回復性
に優れるものとして、オレフィン樹脂、スチレン系樹
脂、アミド系樹脂、アクリル共重合体、軟質ポリウレタ
ン、軟質塩化ビニル樹脂、ポリアセタール、シリコーン
樹脂、各種エラストマーが特に挙げられる。発泡方法
は、プラスチックフォームハンドブックに記載されてい
る方法を含め公知の方法が挙げられ、いずれの方法を用
いても構わない。
【0023】本発明で発泡剤として使用される液化ガス
としては、特に限定されないが、たとえば、ブタン,ペ
ンタン,ヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン,トル
エン,キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン,メチル
エチルケトン等のケトン系炭化水素、メタノール,エタ
ノール,プロパノール等のアルコール系炭化水素、1,
1−ジクロロ−1−フルオロエタン,2・2−ジクロロ
−1・1・1−トリフルオロエタン,1・1・1・2−
テトラフルオロエタン,モノクロロジフルオロメタン等
のハロゲン化炭化水素、水などが挙げられる。また、こ
れらの発泡剤の中でも、常温で液化する発泡剤が好まし
い。
【0024】因に、形状回復発泡体を構成する樹脂がポ
リエチレン(発泡温度100〜110℃)の場合、発泡
剤としてメタノール(沸点64.51℃)、エタノール
(沸点78.32℃)、アセトン(沸点56.5℃)、
ペンタン(沸点36.07℃)、ヘキサン(沸点68.
74℃)、ベンゼン(沸点80.1℃)、エチルエーテ
ル(沸点34.48℃)、水(沸点100℃)を用いる
ことが好ましい。
【0025】また、上記形状回復発泡体には、充填剤、
補強繊維、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤
等を必要に応じて混合されていても構わない。
【0026】充填剤としては、たとえば、炭酸カルシウ
ム、タルク、クレー、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、カ
ーボンブラック、二酸化ケイ素、酸化チタン、ガラス
粉、ガラスビーズ等が挙げられる。補強繊維としては、
たとえば、ガラス繊維、単層繊維等が挙げられる。着色
剤としては、たとえば、酸化チタン等の顔料が挙げられ
る。
【0027】酸化防止剤としては、一般に用いれるもの
であれば、特に限定されず、たとえば、テトラキス〔メ
チレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイ
ドロシンナメート)〕メタン、チオジプロピオン酸ジラ
ウリル、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロ
キシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等が挙げられ
る。
【0028】難燃剤としては、ヘキサブロモフェニルエ
ーテル,デカブロモジフェニルエーテル等の臭素系難燃
剤、ポリリン酸アンモニウム,トリメチルホスフェー
ト,トリエチルホスフェート等の含リン酸系難燃剤、メ
ラミン誘導体、無機系難燃剤等の1種又は2種以上の混
合物が挙げられる。
【0029】形状回復発泡体の形状は、特に限定されな
いが、シート状、ロッド状、チューブ状をしたものなど
が挙げられ、形状回復前の形状と形状回復後の形状とが
非相似となるものが好ましい。また、形状回復発泡体に
は、内部の独立気泡に連通する通気路を一部に設け、そ
の形状回復時間をコントロールすることもできる。
【0030】通気路としては、直線状だけでなく、螺旋
状、円弧状など特にその形状が限定されない。通気路の
断面形状は、特に限定されず、たとえば、円形、三角
形、四角形、星形、線状、波線状等が挙げられる。
【0031】通気路の大きさは、特に限定されないが、
断面積を7mm2 (断面が円形の場合、直径3mm程度)以
下とするが好ましく、その最大(幅)を独立気泡の平均
気泡径以下とすることがより好ましい。すなわち、大き
過ぎると気泡構造が破壊され、元の形状に回復しなくな
る恐れがある。通気路の中心の間隔は、特に限定されな
いが、通気路の断面が気泡径より小さい場合、気泡径の
2倍以上とし、通気路の断面が気泡径より大きい場合、
隣接する通気路の外縁間の距離が気泡径以上とすること
が好ましい。
【0032】通気路の深さは、回復時間により決定さ
れ、特に限定されないが、表面から3つ以上内部の独立
気泡まで達していることが好ましい。さらに、通気路
は、発泡体の表面に対して垂直に設けても構わないし、
表面に対して所定の角度を付けて設けるようにしても構
わない。また、形状回復発泡体の内部に向かって螺旋状
に設けるようにしても構わない。
【0033】通気路を穿設する方法としては、特に限定
されないが、孔状の通気路を設ける場合、針(剣山)、
ドリル、電子ビーム、レーザー光線等を用いる方法が挙
げられ、溝状の通気路を設ける場合、カッター(刃物)
等を用いる方法が挙げられる。なお、上記通気路を穿設
する工程と、原料となる独立気泡樹脂発泡体を収縮させ
る工程とは、いずれの工程が先に行われても構わない
し、同時に並行して行なわれても構わない。
【0034】ただし、ガス透過性の高い気体を発泡剤と
して用いる場合、圧縮状態が保持されている場合、通気
路を裏面側まで貫通させない場合(特に薄物の場合)等
は、通気路を穿設する工程を先に実施することが好まし
い。すなわち、ガス透過性の高い気体を発泡剤として用
いる場合、あるいは、圧縮状態が保持されている場合
は、収縮に際し気泡内から気体を抜かなければならない
ため、先に通気路が形成されている方が収縮に要する時
間が短縮できる。
【0035】また、通気路を裏面側まで貫通させない場
合、先に原料となる独立気泡樹脂発泡体を収縮させて形
状回復発泡体としてから通気路を穿設すると、形状回復
発泡体の厚さが薄いため、針等が貫通してしまう恐れが
ある。
【0036】剥離シートとしては、特に限定されない
が、たとえば、紙やポリエチレンテレフタレート(PE
T)シート,ポリエチレン(PE)シートなどの樹脂シ
ートが挙げられる。また、剥離シートの形状回復発泡体
との当設面には、微粘着性を持たせておいても構わな
い。
【0037】緊張部材としては、形状回復発泡体の形状
回復応力を押さえつけるだけの緊張力を剥離シートに付
与できるものであれば、特に限定されないが、剥離シー
トの吸湿による伸び等の形状変化、強度低下を考慮し
て、予め実験をして確認する必要があるが、一つの目安
としては、剥離シートが紙で、長さが1m、形状回復発
泡体の回復力が100g/cm2 であれば、1kg/10mm
幅で十分である。
【0038】緊張部材の形状としては、特に限定されな
いが、テープ状やシート状のものが好ましい。
【0039】緊張部材の材質としては、緊張力によって
切断しないものであれば特に限定されないが、たとえ
ば、セロファンが好ましい。緊張部材の固定手段として
は、特に限定されないが、接着剤を用いることが好まし
い。接着剤としては、剥離シートとの接着性が十分であ
れば、特に限定されないが、予備実験で確認することが
好ましい。また、接着剤と緊張部材とは、たとえば、セ
ロファンテープのように予め一体になっていても構わな
い。
【0040】緊張部材によって剥離シートを引っ張る方
向は、剥離シートの形状にもよるが、剥離シートの全周
に均等に引っ張る必要はなく、たとえば、剥離シートの
幅が狭い場合、剥離シートの長手側の両端のみを両側に
均等に引っ張るようにすればよい。構築資材としては、
特に限定されないが、たとえば、石膏ボード、木質ボー
ド等の建築資材や配管材等が挙げられる。
【0041】一方、本発明にかかる発泡積層体は、被着
面に接着可能な接着剤層が、独立気泡樹脂発泡体からな
り、常温において形状回復性を有する形状回復発泡体の
一面に沿って設けられ、形状回復発泡体の、この接着剤
層と反対側の面が、剥離シートによって被覆されている
構成とした。
【0042】上記形状回復発泡体へ剥離シートの積層方
法は、特に限定されないが、たとえば、剥離シートの上
る予め微接着性の接着剤をキャスティング等の方法で積
層しておき、形状回復発泡体にこの積層された接着剤を
介してラミネートする方法、形状回復発泡体の1方の面
に接着剤を直接キャスティングし、その後に剥離シート
をラミネートする方法等が挙げられる。
【0043】また、形状回復発泡体になる前の独立気泡
樹脂発泡体の時に予め剥離シートを積層しておいても構
わない。
【0044】さらに、本発明の発泡積層体は、必要に応
じて、耐火層、防湿層、軟質材層などが積層される。耐
火層は、火災などにより高熱に曝された時に、形状回復
発泡体が熱により変形したり、溶けたり、燃えたりする
ことを防止するため、形状回復発泡体の熱に曝されると
予想される部分に設けられる。
【0045】耐火層を形成する材料としては、特に限定
されないが、たとえば、熱可塑性樹脂または粘着性を有
するゴム組成物と、リン化合物、および、中和処理され
た熱膨張性黒鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種
の耐火材とを含んでいる耐火性樹脂組成物が好ましい。
さらに、これらの耐火材に加えて無機充填材を添加して
もよい。
【0046】上記耐火性樹脂組成物を構成する熱可塑性
樹脂としては、特に限定されないが、ポリエチレン系樹
脂,ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、
ポリ(1−)ブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂、ポリ
スチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレン
エーテル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリ塩化ビニル低樹脂等が挙げられ、中でも、ポリオレ
フィン系樹脂が好ましく、ポリエチレン系樹脂がより好
ましい。
【0047】ポリエチレン系樹脂としては、たとえば、
エチレン単独重合体、エチレンを主成分とする共重合
体、これらの混合物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−アクリレート共重合体等が挙げられる。エチ
レンを主成分とする共重合体としては、たとえば、エチ
レン部を主成分とするエチレン−αオレフィン(1−ヘ
キセン、4−メチル−1ペンテン、1−オクテン、1−
ブテン、1−ペンテン等)共重合体が挙げられる。
【0048】ゴム組成物としては、たとえば、天然ゴ
ム、イソプレンゴム(IR)、ブダジエンゴム(B
R)、1・2−ポリブタジエンゴム(1・2−BR)、
スチレン−ブダジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴ
ム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(I
IR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM、EPD
M)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アク
リルゴム(ACM、ANM)、エピクロルヒドリンゴム
(CO、ECO)、多加硫ゴム(T)、シリコーンゴム
(Q)、ふっ素ゴム(FKM、FZ)、ウレタンゴム
(U)等が挙げられ、耐火材の添加後に加硫されても構
わないが、非加硫ゴムの方が、接着性を持たせることが
可能であるので、耐火層を接着層として使用することも
可能になり好ましい。
【0049】リン化合物としては、特に限定されない
が、たとえば、赤リン、トリフェニルホスフェート,ト
リクレジルホスフェート,トリキシレニルホスフェー
ト,クレジルジフェニルホスフェート,キシレニルジフ
ェニルホスフェート等の各種リン酸エステル、リン酸ナ
トリウム,リン酸カリウム,リン酸マグネシウム等のリ
ン酸金属塩、ポリリン酸アンモニウム,メラミン変成ポ
リリン酸アンモニウム等のポリリン酸アンモニウム類、
メチルホスホン酸,メチルホスホン酸ジメチル,メチル
ホスホン酸ジエチル,エチルホスホン酸,プロピルホス
ホン酸,ブチルホスホン酸,2−メチルプロピルホスホ
ン酸,2・3−ジメチル−ブチルホスホン酸,オクチル
ホスホン酸,フェニルホスホン酸,ジオクチルフェニル
ホスホネート,ジメチルホスフィン酸,メチルエチルホ
スフィン酸,メチルプロピルホスフィン酸,ジエチルホ
スフィン酸,ジフェニルホスフィン酸,ビス(4−メト
キシフェニル)ホスフィン酸等の下記一般式(1)で表
される化合物などが挙げられる。
【0050】
【化1】
【0051】式中、R1 、R3 は、水素、炭素数1〜1
6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、又は炭素数6
〜16のアリール基をあらわす。R2 は、水酸基、炭素
数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素
数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシル基、
炭素数6〜16のアリール基、または炭素数6〜16の
アリールオキシ基をあらわす。
【0052】また、上記リン化合物は、単独で用いて
も、2種以上を併用しても構わない。中和処理した熱膨
張性黒鉛とは、たとえば、天然鱗状グラファイト,キッ
シュグラファイト等の粉末を濃硫酸,硝酸,セレン酸等
の無機酸と濃硝酸,過塩素酸,過塩素酸塩,過マンガン
酸塩,重クロム酸塩,過酸化水素等の強酸化剤とで処理
してグラファイト層間化合物を生計させたのもで、炭素
の層構造を維持したままの結晶化合物を、更に、アンモ
ニア,脂肪族低級アミン,アルカリ金属化合物,アルカ
リ土類金属化合物等で中和することによって得られる。
【0053】上記脂肪族低級アミンとしては、特に限定
されないが、たとえば、モノメチルアミン,ジメチルア
ミン,トリメチルアミン,エチルアミン,プロピルアミ
ン,ブチルアミン等が挙げられる。アルカリ金属化合物
およびアルカル土類金属化合物としては、たとえば、カ
リウム,ナトリウム,カルシウム,バリウム,マグネシ
ウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩
等が挙げられる。
【0054】中和処理された熱膨張性黒鉛の粒度は、2
0〜200メッシュのものが好ましい。すなわち、粒度
が200メッシュより細かいと、黒鉛の膨張度が小さ
く、臨む耐火断熱効果が得られず、粒度が20メッシュ
より大きいと、膨潤度が大きいという点では効果がある
が、樹脂と混練する際、分散性が悪く物性の低下を招く
恐れがある。
【0055】無機充填材としては、特に限定されない
が、たとえば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、
酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化
鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カ
ルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、
塩基性酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーンナイト、ハイ
ドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏
繊維、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モ
ンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライ
ト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビ
ーズ、シリカ系バルーン、窒化アルミニウム、窒化ほう
素、窒化けい素、カーボンブラック、グラファイト、炭
素繊維、炭素バルーン、木炭粉末、各種金属粉、チタン
酸カリウム、硫酸マグネシウム「MOS」、チタン酸ジ
ルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、
炭化けい素、ステンレス繊維、ほう酸亜鉛、各種磁性
粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げら
れ、なかでも、加熱時に脱水し、吸熱効果のある水酸化
カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム
等の含水無機物を用いることが好ましい。
【0056】なお、熱可塑性樹脂または粘着性を有する
ゴム組成物と、耐火材との配合比は、特に限定されない
が、熱可塑性樹脂または粘着性を有するゴム組成物10
0重量部に対して、リン化合物および中和処理された熱
膨張性黒鉛の合計量が20〜200重量部、無機充填剤
が50〜500重量部で、リン化合物および中和処理さ
れた熱膨張性黒鉛の比が9:1〜1:9とすることが好
ましい。
【0057】また、耐火層を構成する熱可塑性樹脂組成
物中には、必要に応じて発泡剤を添加するようにしても
構わない。発泡剤としては、特に限定されないが、たと
えば、メラミン、尿素、ジシアンジアミド、リン酸アン
モニウム、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0058】耐火層の形状回復発泡体への積層方法は、
積層時に接着剤を介して接合したり、加熱し、形状回復
発泡体の樹脂と成形体の樹脂とをその界面で溶融させて
接合する方法が挙げられ、積層の時期は、耐火層となる
耐火性樹脂組成物によって成形された成形体を形状回復
発泡体を製造する前後または同時にのいずれでも構わな
い。
【0059】なお、接着に使用する接着剤としては、形
状回復発泡体の樹脂と成形体の樹脂の両方の樹脂に適し
たものを適宜選択することができる。
【0060】耐火層の成形方法は、特に限定されない
が、たとえば、シート状の場合、押出成形法、カレンダ
ー成形法やキャスティング成形法などが挙げられ、チュ
ーブ状の場合、押出成形法、シートを作ってからチュー
ビィングする方法などが挙げられ、型物の場合、射出成
形法、プレス成形法などが挙げられる。形状回復発泡体
に対する耐火層の積層部位は、形状回復発泡体の全面で
も構わないし、隙間などへの装着時、耐火性を最も発揮
できる部位のみでも構わない。
【0061】防湿層は、防湿性および耐水性をさらに強
化する必要がある場合に設けられ、透湿抵抗の大きい材
料で形成される。防湿層を形成する透湿抵抗の大きい材
料としては、特に限定されないが、たとえば、アルミニ
ウム、ステンレス鋼、鉛、鉄、銅、亜鉛、錫等の金属材
料、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂材料などが
挙げられ、これらのうち、経済性を考慮すると、請求項
2のようにアルミニウムが好ましい。
【0062】防湿層の積層面は、特に限定されず、形状
回復発泡体の形状回復をする面でも形状回復しない面で
も構わない。防湿層の形状回復発泡体への積層方法は、
特に限定されないが、接着剤を用いて接着する方法が一
般的である。接着する時期は、独立気泡樹脂発泡体から
形状回復発泡体を製造する前でも製造した後でも構わな
い。
【0063】接着に用いる接着剤としては、特に限定さ
れないが、たとえば、クロロプレン系やアクリル系のも
の等が好適に用いられる。防湿層の厚さは、防湿層を構
成する材料の透湿抵抗、要求される気密性、断熱性等の
性能に応じて適宜決定されるが、防湿層を設ける面およ
び防湿層の材質によって以下のように厚さにすることが
好ましい。
【0064】〔形状回復しない面に防湿層を設け、防湿
層を金属材料で形成した場合〕防湿層の厚さは、0.0
1〜300μm程度が好ましく、1〜100μm程度が
より好ましい。すなわち、あまり薄くし過ぎると防湿層
にピンホールが発生し、充分な防湿性能が得られなくな
る恐れがあり、あまり厚くしすぎると、重く、追従性が
悪く、コストが高くなる恐れがある。
【0065】〔形状回復する面に防湿層を設け、防湿層
を金属材料で形成した場合〕防湿層の厚さは、0.01
〜100μm程度が好ましく、1〜50μm程度がより
好ましい。すなわち、あまり薄くし過ぎると防湿層にピ
ンホールが発生し、充分な防湿性能が得られなくなる恐
れがあり、あまり厚くしすぎると、独立気泡樹脂発泡体
に防湿層を積層後、独立気泡樹脂発泡体を圧縮すること
で形状回復発泡体を製造しようとした時、厚さ方向の圧
縮時に防湿層が剥がれやすいとともに、たとえば、斜め
に変形するなど思う方向に圧縮できなくなる恐れがあ
る。
【0066】〔形状回復しない面に防湿層を設け、防湿
層を樹脂材料で形成した場合〕防湿層の厚さは、1〜1
000μm程度が好ましく、10〜300μm程度がよ
り好ましい。すなわち、あまり薄くし過ぎると防湿層に
ピンホールが発生し、充分な防湿性能が得られなくなる
恐れがあり、あまり厚くしすぎると、重いので、取扱い
性が悪い。また、コストが高くなる。
【0067】〔形状回復する面に防湿層を設け、防湿層
を樹脂材料で形成した場合〕防湿層の厚さは、1〜50
0μm程度が好ましく、10〜100μm程度がより好
ましい。すなわち、あまり薄くし過ぎると防湿層にピン
ホールが発生し、充分な防湿性能が得られなくなる恐れ
があり、あまり厚くしすぎると、独立気泡樹脂発泡体に
防湿層を積層後、独立気泡樹脂発泡体を圧縮することで
形状回復発泡体を製造しようとした時、厚さ方向の圧縮
時に防湿層が剥がれやすいとともに、たとえば、斜めに
変形するなど思う方向に圧縮できなくなる恐れがある。
【0068】また、防湿層が耐腐食性に乏しい材料で形
成されている場合、防湿層の表面を耐腐食材によって被
覆しておくことが好ましい。耐腐食材としては、ポリエ
チレンやポリプロピレンなどの合成樹脂が挙げられる。
【0069】接着剤層は、発泡積層体を装着部に固定す
る場合に用いられ、発泡積層体の用途に応じて適宜選択
できるが、たとえば、アクリル系、エチレン−酢酸ビニ
ル系、ウレタン系、ゴム系、スチレン−ブタジエン系、
スチレン−イソプレン系等の感圧タイプの接着剤、ホッ
トメルト接着剤が挙げられ、また、保管性がよければ、
反応タイプの接着剤を用いるようにしても構わない。
【0070】軟質材層は、発泡積層体の装着面が凹凸面
である場合に設けることが好ましく、軟質材層を形成す
る材料としては、特に限定されないが、たとえば、塩化
ビニル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポ
リエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマ
ー、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム等が挙げら
れる。
【0071】軟質材層の厚さは、シール性およびガス透
過率によりその適性範囲が決められ、シールする部分の
表面凹凸に追従するよう、たとえば、表面凹凸の差の1
/2から5倍になるように厚さを設計することが好まし
く、ガス透過によって形状回復が図られるので、形状回
復に必要な時間によって最適な厚さに設定される。な
お、軟質材の種類によってもガス透過率が異なるため、
実際の最適な厚さについては発泡積層体を試験的に作製
し、検討するのが好ましいが、概ね30μmから3mm
の範囲が好ましい。すなわち、30μmを下回ると凹凸
表面への追従性が悪くシール性に劣り、3mmを越える
と、ガス透過性が悪く回復までに相当の時間がかかる恐
れがある。
【0072】軟質材層の積層方法は、特に限定されない
が、原料となる独立気泡樹脂発泡体を製造した直後に行
う方法と、独立気泡樹脂発泡体を収縮させて形状回復発
泡体を得た後に行う方法とが挙げられる。前者の方法
は、独立気泡樹脂発泡体と軟質材層となる高分子材料シ
ートとを熱融着により積層する場合に使用され、後者の
方法は接着剤を介して接着して積層する場合によく用い
られるが、熱融着により積層することが好ましい。
【0073】なお、熱融着は、たとえば、発泡体および
高分子材料薄膜となる高分子材料シートとを重ね合わせ
高周波加熱等によって両者又は少なくとも一方の界面を
加熱した状態で圧力を加えることによって得ることがで
きる。また、熱融着温度としては、発泡体が収縮した状
態で融着させる場合、発泡体の表面だけが軟化点以上に
なるのが好ましく、製造直後の収縮していない状態にお
いては発泡体全体が融点以上でも構わない。
【0074】但し、軟質材層は、形状回復発泡体の形状
回復しない面に沿って設けることが好ましい。
【0075】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
図面を参照しつつ詳しく説明する。図1は、本発明にか
かる形状回復発泡体の施工方法およびこの施工方法に用
いる発泡積層体の実施の形態をあらわしている。
【0076】この形状回復発泡体の施工方法は、図1に
示すように、工場などで予め形状回復発泡体1を接着剤
2を介して構築資材としての木質ボード3の他の木質ボ
ード3との突き合わせ面31に沿って接着固定するとと
もに、形状回復発泡体1の上面に剥離シート4を被せた
状態にする。そして、この剥離シート4の周縁部に緊張
部材としてのセロファンテープ5の一端を接着固定する
とともに、セロファンテープ5を緊張させつつ、セロフ
ァンテープ5の他端を木質ボード3の発泡積層体1被着
部近傍に接着固定しておく。すなわち、セロファンテー
プ5による緊張によって剥離シート4が全面に渡って緊
張状態となり、下側の形状回復発泡体1が圧縮状態に保
持される。
【0077】そして、現場施工時には、図2(a)に示
すように、木質ボード3を他の木質ボード3と所定の突
き合わせ幅となるように組み立て施工するとともに、セ
ロファンテープ5および剥離シート4を取り除くように
する。すなわち、この施工方法によれば、工場などで予
め形状回復発泡体1が予め木質ボード3の突き合わせ面
31に沿って一体に設けられているため、現場施工時に
は、突き合わせ部に生じる隙間にシール材を詰め込むな
どの作業が不要となり、作業効率が改善される。
【0078】しかも、剥離シート4の周縁部にセロファ
ンテープ5の一端を接着固定するとともに、セロファン
テープ5を緊張させつつ、セロファンテープ5の他端を
木質ボード3の発泡積層体1被着部近傍に接着固定して
いるため、施工時には、形状回復発泡体1が収縮状態に
保たれている。したがって、目地の間隔が狭い場合で
も、スムーズに施工することができる。そして、施工
後、形状回復発泡体1が徐々に形状回復して図2(b)
に示すように、目地一杯に充満し、シール性および断熱
性が確保される。
【0079】すなわち、施工のタイミングを気にする必
要がなく、施工作業性等が向上する。
【0080】図3および図4は、本発明にかかる発泡積
層体6の実施の形態をあらわしている。図3および図4
に示すように、この発泡積層体6は、長尺の形状回復発
泡体7の一方の面に沿って接着剤層8が積層されてい
て、形状回復発泡体7の他方の面に沿って長尺の剥離シ
ート9が積層され、形状回復発泡体7が形状回復しない
ように所定の張力をかけながらロール状に巻回されてい
る。
【0081】すなわち、この発泡積層体6によれば、所
定の長さに切取り、接着剤層8の接着力によって木質ボ
ード等の構築資材の目地形成面等へ接着固定すれば、上
記本発明の施工方法を簡単に実施できるようになる。
【0082】
【実施例】以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と
ともに詳しく説明する。
【0083】(実施例1)低密度ポリエチレン(三菱化
学社製、LF440HB、Tm=112.5℃)100
重量部、発泡剤としてのアゾジカルボンアミド(大塚化
学社製 SO−L)15重量部、発泡助剤としてのステ
アリン酸亜鉛1重量部、過酸化物としてのジクミルパー
オキサイド0.5重量部をロールで練り(140℃×5
分)、プレス(140℃×100kg/cm2 ×5分)して
150×150×3mmの原料シートを作成した。
【0084】この原料シートを230℃のオーブン内に
5分間投入し、発泡させた。この発泡によって得られた
独立気泡樹脂発泡体は、発泡倍率が32.1倍、厚さが
10.3mm、独立気泡率が95%であった。この独立気
泡樹脂発泡体をプレス板に挟み、厚さが3mmになるまで
圧縮し、この状態で1日間保持した。1日後プレス板を
外すと厚さ3mmのシート状の形状回復発泡体となってい
た。
【0085】また、接着剤としてのブチルゴム(ムーニ
ー粘度(100℃)=47、不飽和度=2.0のイソブ
チレン・イソプレンゴム)を予め押出でシート化し、両
面に離型性を有する離型紙を積層した。つぎに、上記形
状回復発泡体の一方の面に接着剤(綜研化学社製、SK
ダイン1131P)をキャスティングによって5μmの
厚さで、接着剤層を積層形成したのち、上記ブチルゴム
シートから一方の離型紙を剥がし、ブチルゴムシートを
介して残った離型紙を形状回復発泡体の他方の面に積層
し、シート状の発泡積層体を得た。
【0086】この発泡積層体を150mm×30mmの大き
さに切断し、接着剤層を介して木質パネルに貼り付けた
のち、発泡積層体の長手方向の両端面にセロファンテー
プ(積水化学工業社製、10mm×40mm)の一端をそれ
ぞれ固定するとともに、セロファンテープの他端を木質
パネルの発泡積層体の被着面近傍に1.0kg/10mmの
張力をかかるように固定した。
【0087】この状態で2週間放置したが、形状回復発
泡体は形状回復していなかった。そして、2週間後、セ
ロファンテープおよび離型紙を剥がし、木質パネルを他
の木質パネルと6mmの突き合わせ幅で突き合わせたとこ
ろ、スムーズに突き合わせ施工することができ、その後
形状回復発泡体が良好な形状回復を示し、突き合わせ部
の隙間を完全にシールすることができた。
【0088】(実施例2)ジクミルパーオキサイドを使
用しなかった以外は、実施例1と同様にして原料シート
を得たのち、この原料シートの両面に500kv×6Mrad
の電子線を照射した。そして、この原料シートを230
℃のオーブン内に5分間投入し、発泡させた。この発泡
によって得られた独立気泡樹脂発泡体は、発泡倍率が3
2.1倍、厚さが10.3mm、独立気泡率が95%であ
った。
【0089】この独立気泡樹脂発泡体をプレス板に挟
み、厚さが3mmになるまで圧縮し、この状態で1日間保
持した。1日後プレス板を外すと厚さ3mmのシート状の
形状回復発泡体となっていた。この形状回復発泡体を用
いて実施例1と同様にしてシート状の発泡積層体を得
た。
【0090】この発泡積層体を150mm×30mmの大き
さに切断し、接着剤層を介して木質パネルに貼り付けた
のち、発泡積層体の長手方向の両端面にセロファンテー
プ(積水化学工業社製、12mm×30mm)の一端をそれ
ぞれ固定するとともに、セロファンテープの他端を木質
パネルの発泡積層体の被着面近傍に1.5kg/12mmの
張力をかかるように固定した。
【0091】この状態で2週間放置したが、形状回復発
泡体は形状回復していなかった。そして、2週間後、セ
ロファンテープおよび離型紙を剥がし、木質パネルを他
の木質パネルと6mmの突き合わせ幅で突き合わせたとこ
ろ、スムーズに突き合わせ施工することができ、その後
形状回復発泡体が良好な形状回復を示し、目地を完全に
シールすることができた。
【0092】(比較例1)実施例1および実施例2と同
様にして成形したブチルゴムシートを、実施例2と同様
の形状回復発泡体の一方の面に積層し、発泡積層体を得
た。この発泡積層体を150mm×30mmの大きさに切断
し、ブチルゴムシート層を介して木質パネルに接着固定
した。そして、2週間そのまま放置したところ、形状回
復発泡体が6mmの厚さまで形状回復しており、実施例
1,2と6mmの突き合わせ幅では、木質パネルどうしの
突き合わせ施工ができなかった。
【0093】
【発明の効果】本発明にかかる形状回復発泡体の施工方
法は、以上のように構成されているので、形状回復発泡
体の形状回復時期がコントロールできて、現場施工性を
向上させることができる。また、本発明にかかる発泡積
層体は、本発明の形状回復発泡体の施工方法を簡単に実
施できる。勿論、断熱性、シール性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる形状回復発泡体の施工方法の実
施の形態をあらわし、その形状回復発泡体を木質ボード
の突き合わせ面に接着した状態の断面図である。
【図2】図1の木質ボードを他の木質ボードとの突き合
わせ施工を説明する説明図である。
【図3】本発明にかかる発泡積層体の実施の形態をあら
わす斜視図である。
【図4】図3の一部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 形状回復発泡体 2 接着剤 3 木質ボード(構築資材) 4 剥離シート 5 セロファンテープ(緊張部材) 6 発泡積層体 7 形状回復発泡体 8 接着剤層 9 剥離シート
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−24511(JP,A) 特開 昭62−139739(JP,A) 特開 平8−199697(JP,A) 特開 昭58−113695(JP,A) 実開 昭63−3707(JP,U) 実開 昭51−64516(JP,U) 実開 昭57−125806(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 E04B 1/66 - 1/68

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】独立気泡樹脂発泡体からなり、常温におい
    て形状回復性を有する形状回復発泡体を、接着剤を介し
    て構築資材の一部に予め接着し、形状回復発泡体の接着
    面と反対側の面に剥離可能な剥離シートを被覆一体化す
    るとともに、一端が構築資材の前記形状回復発泡体の被
    着面近傍部に固定された緊張部材の他端に、前記剥離シ
    ートの周縁部を固定し、緊張部材の緊張力によって剥離
    シートの周縁部を引っ張り剥離シートを緊張状態に保持
    しておく形状回復発泡体の施工方法。
  2. 【請求項2】構築資材の現場施工時またはその直前に剥
    離シートを除去する請求項1に記載の形状回復発泡体の
    施工方法。
  3. 【請求項3】被着面に接着可能な接着剤層が、独立気泡
    樹脂発泡体からなり、常温において形状回復性を有する
    形状回復発泡体の一面に沿って設けられ、形状回復発泡
    体の、この接着剤層と反対側の面が、剥離シートによっ
    て被覆されている請求項1または請求項2に記載の形状
    回復発泡体の施工方法に用いる発泡積層体。
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