JPH10109373A - 発泡積層体 - Google Patents

発泡積層体

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JPH10109373A
JPH10109373A JP26600296A JP26600296A JPH10109373A JP H10109373 A JPH10109373 A JP H10109373A JP 26600296 A JP26600296 A JP 26600296A JP 26600296 A JP26600296 A JP 26600296A JP H10109373 A JPH10109373 A JP H10109373A
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JP
Japan
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foam
shape
resin
layer
fire
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP26600296A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Abe
弘 阿部
Hitoshi Shirato
斉 白土
Masaki Tono
正樹 戸野
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】取扱性に優れ、狭い空間でも簡単に充填するこ
とができ、断熱性、シール性は勿論のこと、耐火性にも
優れた発泡積層体を提供することを目的としている。 【解決手段】 独立気泡樹脂発泡体からなり、常温で形
状回復性を有する形状回復発泡体に、熱可塑性樹脂また
は粘着性を有するゴム組成物と、リン化合物、中和処理
された熱膨張性黒鉛及び無機充填材からなる群より選ば
れた少なくとも1種の耐火材とを含んでいる耐火性樹脂
組成物の層を積層した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡積層体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】たとえば、特開昭50−37863号公
報や62−189236号公報に開示されている合成ゴ
ム発泡体のような連続気泡タイプの合成樹脂発泡体や、
特開平6−336245号公報に開示されているポリス
チレン発泡体、特公平6−43512号公報に開示され
ているポリプロピレン系樹脂発泡体、特公平6−435
13号公報に開示されているポリエチレン系樹脂発泡体
などのようないろいろな独立気泡タイプの合成樹脂発泡
体は、従来より断熱性や緩衝性等の機能に優れており、
住宅,建築,土木,車輛,家電,文具,雑貨,衣料など
いろいろな分野で断熱材,緩衝材,シール材等として使
用されている。
【0003】しかし、従来の独立気泡タイプの合成樹脂
発泡体は、場合によっては、以下のような問題が発生す
る恐れがあった。 狭い空間に押し込むように充填しようとした場合、
無理に押し込むと発泡体が切れてばらばらになり充填材
としての役目を果たさなくなり、作業性が非常に悪い。
【0004】 チップ状に成形して箱等の容器に充填
し、箱内の内容物を保護しようとした場合、初期に完全
に隙間なく充填させるのが難しいため、箱の輸送中に振
動によって発泡体の再充填化が起こり、隙間が生じて箱
内の内容物を充分に保護しきれず内容物に傷が付いたり
内容物が壊れたりする。 パネルの中空部に液体で注入し、その後発泡させる
注入発泡法(日刊工業新聞社 昭和48年刊 プラスチ
ックフォームハンドブックP.200参照)を用いれ
ば、狭い空間でも問題なく発泡体を充填できるのである
が、液体であるため取扱性に問題があるとともに、注入
口と連続する隙間以外に発泡体を形成させることが難し
いと言う問題もある。
【0005】一方、特開昭50−37863号公報や6
2−189236号公報に開示されている連続気泡タイ
プの発泡体の場合、連続気泡内にアスファルトなどが充
填されているため、圧縮して隙間などに充填しようとす
ると、アスファルトなどが表面に滲みでてくるため、施
工性が悪い。そこで、本発明の発明者らは、当初樹脂の
弾性限界内で気泡が収縮状態に保持されていて、樹脂の
弾性回復力により気泡の内外圧力と釣り合いながら徐々
にもとの厚さに回復してゆく、独立気泡樹脂発泡体から
なり、形状回復性を有する形状回復発泡体をすでに提案
している(特願平7−299654号等参照)。
【0006】この形状回復発泡体は、上述のように、当
初、すなわち、施工時に収縮していて、施工後空気を気
泡内に取り込み膨張し、隙間に密に充填されるようにな
るため、隙間にでも容易に施工でき取扱性に優れ、しか
も、膨張したのちは、内部の独立気泡によってシール
性、断熱性、緩衝性等の物性に優れたものとなる。した
がって、パイプ用断熱材、建材用断熱材、包装用緩衝
材、車輛等の内装用緩衝材、建物用シール材、目地材等
の多方面に有効に適用できると言うものであった。
【0007】しかしながら、この形状回復発泡体は、耐
火性を備えていないため、壁などの目地に充填していた
場合、火災などの際に燃焼して、充填されていた目地部
分に隙間が生じてこの隙間から火が隣室に伝わり、類焼
する恐れがある。
【0008】一方、耐火性を考慮した塗料として、特公
昭62−12268号公報に開示されている発泡防火塗
料が提案されている。この発泡防火塗料は、耐火性を備
えているとともに、内部に発泡剤が分散されていて、火
災などの際に塗布面が高温にさらされると、発泡して断
熱層を形成し、被塗装物を高温から保護するようになっ
ている。
【0009】しかし、この発泡防火塗料の場合、液体で
あり、取扱性が悪く、しかも、平常は発泡していないた
め、隙間などに充填してシール材や断熱材等として用い
ることができない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みて、取扱性に優れ、狭い空間でも簡単に充填
することができ、断熱性、シール性は勿論のこと、耐火
性にも優れた発泡積層体を提供することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる発泡積層
体は、このような目的を達成するために、常温で形状回
復性を有する独立気泡樹脂発泡体層と、耐火性樹脂組成
物からなる耐火層とを備えている構成とした。
【0012】上記本発明の発泡積層体において、形状回
復発泡体とは、以下の〜のものを言う。
【0013】 炭酸ガスや液化ガス等のガス透過係数
agent が空気のガス透過係数Pai r より大きく、常温
でガスもしくは常温で液化するガスを発泡ガスとして用
いたものであって、気泡内のガス置換による体積収縮に
より自然収縮を起こし、収縮後樹脂の弾性回復力とガス
透過により気泡の内外圧力と釣り合いながら徐々にもと
の厚さに回復してゆくもの。すなわち、Pagent >P
air となるガスを発泡剤として用いた場合、セル膜を通
して独立気泡(セル)内から外界(大気中)へ逃げる
(透過)ガス量の方が、外界から独立気泡内へ入るガス
量よりも多くなり、独立気泡内圧<外界圧(大気圧)と
なる。この時、発泡体には外界圧で圧縮される力F1
それに抵抗する樹脂の弾性力F2 がかかり、F1 とF2
が釣り合う状態まで発泡体が収縮する。収縮が進行する
にしたがって独立気泡内から外界へ逃げるガス量が次第
に減少し、しばらくすると独立気泡内から外界へ逃げる
ガス量と外界から独立気泡内に入るガス量が平衡に達し
収縮は停止する。この後、形状回復発泡体は膨張を開始
する。
【0014】 の発泡ガス以外のガスを発泡ガスと
して用いたものであって、原料となる独立気泡発泡体に
圧縮歪み(樹脂の弾性領域内の歪みが好ましい)を所定
時間以上与えて圧縮され、圧縮を解除すると樹脂の弾性
回復力により気泡の内外圧力と釣り合いながら徐々にも
との厚さに回復してゆく性質を持つもの。すなわち、原
料となる独立気泡発泡体に圧縮歪みを与えた場合、発泡
体を構成する独立気泡の内圧が上昇し、直後に外力を取
り除けば発泡体は瞬時に元の形状に回復するが、所定時
間以上その歪みを保持させれば、樹脂のガス透過性によ
り気泡内のガスが気泡膜から徐々にぬけてゆき内圧と外
圧とが釣り合い、外力を取り除いても瞬間的な形状回復
は起こらず、圧縮を解除すると樹脂の弾性回復力により
気泡の内外圧力と釣り合いながら徐々にもとの厚さに回
復してゆく。
【0015】 の発泡ガス以外のガスを発泡ガスと
して用いたものであって、減圧下で発泡することにより
気泡中のガス圧力は大気圧以下となった状態で冷却固定
した後大気中に取り出した時、形成された発泡体が大気
圧により一旦圧縮され、樹脂の弾性回復力により気泡の
内外圧力と釣り合いながら徐々にもとの厚さに回復して
ゆくもの。
【0016】 冷却すると液化し沸点が成形温度以下
の発泡剤を使用して発泡体を製造したもの。すなわち、
沸点が樹脂の成形温度以下である発泡剤を用いた場合、
発泡体を発泡剤の沸点まで冷却すると、独立気泡内の発
泡剤も冷却されて気体から液体になる。このとき発泡剤
の体積収縮によって独立気泡内圧<外界圧(大気圧)と
なり発泡体が収縮する。その後樹脂の弾性回復力により
気泡の内外圧力と釣り合いながら徐々にもとの厚さに回
復してゆく。
【0017】なお、上記の独立気泡樹脂発泡体を圧縮
する場合、圧縮時の温度は、独立気泡樹脂発泡体を構成
する樹脂の軟化点(非晶性樹脂についてはガラス転移
点、結晶性樹脂については融点を軟化点とする)以下で
ある。すなわち、軟化点以上の温度で圧縮を行った場
合、抜重後の形状回復発泡体の形状回復能がなくなる恐
れがある。
【0018】また、圧縮方法は、特に限定されないが、
たとえば、独立気泡発泡体を所望の間隔で対面して配置
された2つの無端ベルト間に通して無端ベルト間で圧縮
する方法や、2枚のプレス板の間で圧縮して所定時間圧
縮状態を保持する方法等が挙げられる。
【0019】形状回復発泡体の独立気泡率は、形状回復
発泡体自体の必要とする回復量により決まり、おおよそ
5%以上であれば使用することが可能であるが、特に好
ましい範囲は30%〜100%である。形状回復発泡体
を構成する樹脂としては、特に限定されないが、圧縮永
久歪み(JIS K 6767に準拠)が20%以下の
もの、特に10%以下のものが形状回復性に優れ好まし
い。
【0020】このような樹脂としては、以下のような熱
可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0021】〔熱可塑性樹脂〕ポリエチレン,ポリプロ
ピレン,エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−プ
ロピレン−ジエン共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重
合体等のオレフィン系樹脂、ポリメチルアクリレート,
ポリメチルメタクレート,エチレン−エチルアクリレー
ト共重合体等のアクリル系樹脂、ブタジエン−スチレ
ン,アクリロニトリル−スチレン,スチレン,スチレン
−ブタジエン−スチレン,スチレン−イソプレン−スチ
レン,スチレン−アクリル酸等のスチレン系樹脂、アク
リロニトリル−ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニル−エチ
レン等の塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニル,ポリフ
ッ化ビニリデン等のフッ化ビニル系樹脂、6−ナイロ
ン,6・6−ナイロン,12−ナイロン等のアミド樹
脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフ
タレート等の飽和エステル系樹脂、ポリカーボネート、
ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリフェ
ニレンスルフィド、シリコーン樹脂、熱可塑性ウレタン
樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミ
ド、各種エラストマーやこれらの架橋体。
【0022】〔熱硬化性樹脂〕エポキシ系樹脂、フェノ
ール系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、イミド
系樹脂、ユリア系樹脂、シリコーン系樹脂、不飽和ポリ
エステル系樹脂の硬化物等。
【0023】また、上記樹脂の中でも、特に形状回復性
に優れるものとして、オレフィン樹脂、スチレン系樹
脂、アミド系樹脂、アクリル共重合体、軟質ポリウレタ
ン、軟質塩化ビニル樹脂、ポリアセタール、シリコーン
樹脂、各種エラストマーが特に挙げられる。発泡方法
は、プラスチックフォームハンドブックに記載されてい
る方法を含め公知の方法が挙げられ、いずれの方法を用
いても構わない。
【0024】本発明で発泡剤として使用される液化ガス
としては、特に限定されないが、たとえば、ブタン,ペ
ンタン,ヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン,トル
エン,キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン,メチル
エチルケトン等のケトン系炭化水素、メタノール,エタ
ノール,プロパノール等のアルコール系炭化水素、1,
1−ジクロロ−1−フルオロエタン,2・2−ジクロロ
−1・1・1−トリフルオロエタン,1・1・1・2−
テトラフルオロエタン,モノクロロジフルオロメタン等
のハロゲン化炭化水素、水などが挙げられる。また、こ
れらの発泡剤の中でも、常温で液化する発泡剤が好まし
い。
【0025】因に、形状回復発泡体を構成する樹脂がポ
リエチレン(発泡温度100〜110℃)の場合、発泡
剤としてメタノール(沸点64.51℃)、エタノール
(沸点78.32℃)、アセトン(沸点56.5℃)、
ペンタン(沸点36.07℃)、ヘキサン(沸点68.
74℃)、ベンゼン(沸点80.1℃)、エチルエーテ
ル(沸点34.48℃)、水(沸点100℃)を用いる
ことが好ましい。
【0026】また、上記形状回復発泡体には、充填剤、
補強繊維、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤
等を必要に応じて混合されていても構わない。
【0027】充填剤としては、たとえば、炭酸カルシウ
ム、タルク、クレー、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、カ
ーボンブラック、二酸化ケイ素、酸化チタン、ガラス
粉、ガラスビーズ等が挙げられる。補強繊維としては、
たとえば、ガラス繊維、単層繊維等が挙げられる。着色
剤としては、たとえば、酸化チタン等の顔料が挙げられ
る。
【0028】酸化防止剤としては、一般に用いれるもの
であれば、特に限定されず、たとえば、テトラキス〔メ
チレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイ
ドロシンナメート)〕メタン、チオジプロピオン酸ジラ
ウリル、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロ
キシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等が挙げられ
る。
【0029】難燃剤としては、ヘキサブロモフェニルエ
ーテル,デカブロモジフェニルエーテル等の臭素系難燃
剤、ポリリン酸アンモニウム,トリメチルホスフェー
ト,トリエチルホスフェート等の含リン酸系難燃剤、メ
ラミン誘導体、無機系難燃剤等の1種又は2種以上の混
合物が挙げられる。
【0030】形状回復発泡体の形状は、特に限定されな
いが、シート状、ロッド状、チューブ状をしたものなど
が挙げられ、形状回復前の形状と形状回復後の形状とが
非相似となるものが好ましい。また、形状回復発泡体に
は、内部の独立気泡に連通する通気路を一部に設け、そ
の形状回復時間をコントロールすることもできる。
【0031】通気路としては、直線状だけでなく、螺旋
状、円弧状など特にその形状が限定されない。通気路の
断面形状は、特に限定されず、たとえば、円形、三角
形、四角形、星形、線状、波線状等が挙げられる。
【0032】通気路の大きさは、特に限定されないが、
断面積を7mm2 (断面が円形の場合、直径3mm程度)以
下とするが好ましく、その最大(幅)を独立気泡の平均
気泡径以下とすることがより好ましい。すなわち、大き
過ぎると気泡構造が破壊され、元の形状に回復しなくな
る恐れがある。通気路の中心の間隔は、特に限定されな
いが、通気路の断面が気泡径より小さい場合、気泡径の
2倍以上とし、通気路の断面が気泡径より大きい場合、
隣接する通気路の外縁間の距離が気泡径以上とすること
が好ましい。
【0033】通気路の深さは、回復時間により決定さ
れ、特に限定されないが、表面から3つ以上内部の独立
気泡まで達していることが好ましい。さらに、通気路
は、発泡体の表面に対して垂直に設けても構わないし、
表面に対して所定の角度を付けて設けるようにしても構
わない。また、形状回復発泡体の内部に向かって螺旋状
に設けるようにしても構わない。
【0034】通気路を穿設する方法としては、特に限定
されないが、孔状の通気路を設ける場合、針(剣山)、
ドリル、電子ビーム、レーザー光線等を用いる方法が挙
げられ、溝状の通気路を設ける場合、カッター(刃物)
等を用いる方法が挙げられる。なお、上記通気路を穿設
する工程と、原料となる独立気泡樹脂発泡体を収縮させ
る工程とは、いずれの工程が先に行われても構わない
し、同時に並行して行なわれても構わない。
【0035】ただし、ガス透過性の高い気体を発泡剤と
して用いる場合、圧縮状態が保持されている場合、通気
路を裏面側まで貫通させない場合(特に薄物の場合)等
は、通気路を穿設する工程を先に実施することが好まし
い。すなわち、ガス透過性の高い気体を発泡剤として用
いる場合、あるいは、圧縮状態が保持されている場合
は、収縮に際し気泡内から気体を抜かなければならない
ため、先に通気路が形成されている方が収縮に要する時
間が短縮できる。
【0036】また、通気路を裏面側まで貫通させない場
合、先に原料となる独立気泡樹脂発泡体を収縮させて形
状回復発泡体としてから通気路を穿設すると、形状回復
発泡体の厚さが薄いため、針等が貫通してしまう恐れが
ある。
【0037】耐火層を形成する耐火性樹脂組成物として
は、特に限定されないが、たとえば、請求項2のよう
に、熱可塑性樹脂または粘着性を有するゴム組成物と、
リン化合物、および、中和処理された熱膨張性黒鉛から
なる群より選ばれた少なくとも1種の耐火材とを含んで
いるものが好ましい。さらに、これらの耐火材に加えて
無機充填材を添加してもよい。
【0038】上記耐火性樹脂組成物を構成する熱可塑性
樹脂としては、特に限定されないが、ポリエチレン系樹
脂,ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、
ポリ(1−)ブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂、ポリ
スチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレン
エーテル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリ塩化ビニル低樹脂等が挙げられ、中でも、ポリオレ
フィン系樹脂が好ましく、ポリエチレン系樹脂がより好
ましい。
【0039】ポリエチレン系樹脂としては、たとえば、
エチレン単独重合体、エチレンを主成分とする共重合
体、これらの混合物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−アクリレート共重合体等が挙げられる。エチ
レンを主成分とする共重合体としては、たとえば、エチ
レン部を主成分とするエチレン−αオレフィン(1−ヘ
キセン、4−メチル−1ペンテン、1−オクテン、1−
ブテン、1−ペンテン等)共重合体が挙げられる。
【0040】ゴム組成物としては、たとえば、天然ゴ
ム、イソプレンゴム(IR)、ブダジエンゴム(B
R)、1・2−ポリブタジエンゴム(1・2−BR)、
スチレン−ブダジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴ
ム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(I
IR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM、EPD
M)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アク
リルゴム(ACM、ANM)、エピクロルヒドリンゴム
(CO、ECO)、多加硫ゴム(T)、シリコーンゴム
(Q)、ふっ素ゴム(FKM、FZ)、ウレタンゴム
(U)等が挙げられ、耐火材の添加後に加硫されても構
わないが、非加硫ゴムの方が、接着性を持たせることが
可能であるので、耐火層を接着層として使用することも
可能になり好ましい。
【0041】リン化合物としては、特に限定されない
が、たとえば、赤リン、トリフェニルホスフェート,ト
リクレジルホスフェート,トリキシレニルホスフェー
ト,クレジルジフェニルホスフェート,キシレニルジフ
ェニルホスフェート等の各種リン酸エステル、リン酸ナ
トリウム,リン酸カリウム,リン酸マグネシウム等のリ
ン酸金属塩、ポリリン酸アンモニウム,メラミン変成ポ
リリン酸アンモニウム等のポリリン酸アンモニウム類、
メチルホスホン酸,メチルホスホン酸ジメチル,メチル
ホスホン酸ジエチル,エチルホスホン酸,プロピルホス
ホン酸,ブチルホスホン酸,2−メチルプロピルホスホ
ン酸,2・3−ジメチル−ブチルホスホン酸,オクチル
ホスホン酸,フェニルホスホン酸,ジオクチルフェニル
ホスホネート,ジメチルホスフィン酸,メチルエチルホ
スフィン酸,メチルプロピルホスフィン酸,ジエチルホ
スフィン酸,ジフェニルホスフィン酸,ビス(4−メト
キシフェニル)ホスフィン酸等の下記一般式(1)で表
される化合物などが挙げられる。
【0042】
【化1】
【0043】式中、R1 、R3 は、水素、炭素数1〜1
6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、又は炭素数6
〜16のアリール基をあらわす。R2 は、水酸基、炭素
数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素
数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシル基、
炭素数6〜16のアリール基、または炭素数6〜16の
アリールオキシ基をあらわす。
【0044】また、上記リン化合物は、単独で用いて
も、2種以上を併用しても構わない。中和処理した熱膨
張性黒鉛とは、たとえば、天然鱗状グラファイト,キッ
シュグラファイト等の粉末を濃硫酸,硝酸,セレン酸等
の無機酸と濃硝酸,過塩素酸,過塩素酸塩,過マンガン
酸塩,重クロム酸塩,過酸化水素等の強酸化剤とで処理
してグラファイト層間化合物を生計させたのもで、炭素
の層構造を維持したままの結晶化合物を、更に、アンモ
ニア,脂肪族低級アミン,アルカリ金属化合物,アルカ
リ土類金属化合物等で中和することによって得られる。
【0045】上記脂肪族低級アミンとしては、特に限定
されないが、たとえば、モノメチルアミン,ジメチルア
ミン,トリメチルアミン,エチルアミン,プロピルアミ
ン,ブチルアミン等が挙げられる。アルカリ金属化合物
およびアルカル土類金属化合物としては、たとえば、カ
リウム,ナトリウム,カルシウム,バリウム,マグネシ
ウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩
等が挙げられる。
【0046】中和処理された熱膨張性黒鉛の粒度は、2
0〜200メッシュのものが好ましい。すなわち、粒度
が200メッシュより細かいと、黒鉛の膨張度が小さ
く、臨む耐火断熱効果が得られず、粒度が20メッシュ
より大きいと、膨潤度が大きいという点では効果がある
が、樹脂と混練する際、分散性が悪く物性の低下を招く
恐れがある。
【0047】無機充填材としては、特に限定されない
が、たとえば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、
酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化
鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カ
ルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、
塩基性酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーンナイト、ハイ
ドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏
繊維、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モ
ンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライ
ト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビ
ーズ、シリカ系バルーン、窒化アルミニウム、窒化ほう
素、窒化けい素、カーボンブラック、グラファイト、炭
素繊維、炭素バルーン、木炭粉末、各種金属粉、チタン
酸カリウム、硫酸マグネシウム「MOS」、チタン酸ジ
ルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、
炭化けい素、ステンレス繊維、ほう酸亜鉛、各種磁性
粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げら
れ、なかでも、加熱時に脱水し、吸熱効果のある水酸化
カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム
等の含水無機物を用いることが好ましい。
【0048】なお、熱可塑性樹脂または粘着性を有する
ゴム組成物と、耐火材との配合比は、特に限定されない
が、熱可塑性樹脂または粘着性を有するゴム組成物10
0重量部に対して、リン化合物および中和処理された熱
膨張性黒鉛の合計量が20〜200重量部、無機充填剤
が50〜500重量部で、リン化合物および中和処理さ
れた熱膨張性黒鉛の比が9:1〜1:9とすることが好
ましい。
【0049】また、耐火層を構成する熱可塑性樹脂組成
物中には、必要に応じて発泡剤を添加するようにしても
構わない。発泡剤としては、特に限定されないが、たと
えば、メラミン、尿素、ジシアンジアミド、リン酸アン
モニウム、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0050】耐火層の形状回復発泡体への積層方法は、
積層時に接着剤を介して接合したり、加熱し、形状回復
発泡体の樹脂と成形体の樹脂とをその界面で溶融させて
接合する方法が挙げられ、積層の時期は、耐火層となる
耐火性樹脂組成物によって成形された成形体を形状回復
発泡体を製造する前後または同時にのいずれでも構わな
い。
【0051】なお、接着に使用する接着剤としては、形
状回復発泡体の樹脂と成形体の樹脂の両方の樹脂に適し
たものを適宜選択することができる。
【0052】耐火層の成形方法は、特に限定されない
が、たとえば、シート状の場合、押出成形法、カレンダ
ー成形法やキャスティング成形法などが挙げられ、チュ
ーブ状の場合、押出成形法、シートを作ってからチュー
ビィングする方法などが挙げられ、型物の場合、射出成
形法、プレス成形法などが挙げられる。形状回復発泡体
に対する耐火層の積層部位は、形状回復発泡体の全面で
も構わないし、隙間などへの装着時、耐火性を最も発揮
できる部位のみでも構わない。
【0053】たとえば、シート状の形状回復発泡体の場
合、形状回復に寄与する面でも寄与しない面でも構わな
い。なお、形状回復に寄与する面とは、厚み方向のみに
形状回復する形状回復発泡体の場合で言うと、形状回復
発泡体の側周面を言う。
【0054】さらに、本発明の発泡積層体は、必要に応
じて、防湿層、接着剤層、軟質材層などが積層される。
防湿層は、防湿性および耐水性をさらに強化する必要が
ある場合に設けられ、透湿抵抗の大きい材料で形成され
る。
【0055】防湿層を形成する透湿抵抗の大きい材料と
しては、特に限定されないが、たとえば、アルミニウ
ム、ステンレス鋼、鉛、鉄、銅、亜鉛、錫等の金属材
料、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂材料などが
挙げられ、これらのうち、経済性を考慮すると、請求項
2のようにアルミニウムが好ましい。防湿層の積層面
は、特に限定されず、形状回復発泡体の形状回復に寄与
する面でも形状回復に寄与しない面でも構わない。
【0056】防湿層の形状回復発泡体への積層方法は、
特に限定されないが、接着剤を用いて接着する方法が一
般的である。接着する時期は、独立気泡樹脂発泡体から
形状回復発泡体を製造する前でも製造した後でも構わな
い。接着に用いる接着剤としては、特に限定されない
が、たとえば、クロロプレン系やアクリル系のもの等が
好適に用いられる。
【0057】防湿層の厚さは、防湿層を構成する材料の
透湿抵抗、要求される気密性、断熱性等の性能に応じて
適宜決定されるが、防湿層を設ける面および防湿層の材
質によって以下のように厚さにすることが好ましい。
【0058】〔形状回復しない面に防湿層を設け、防湿
層を金属材料で形成した場合〕防湿層の厚さは、0.0
1〜300μm程度が好ましく、1〜100μm程度が
より好ましい。すなわち、あまり薄くし過ぎると防湿層
にピンホールが発生し、充分な防湿性能が得られなくな
る恐れがあり、あまり厚くしすぎると、重く、追従性が
悪く、コストが高くなる恐れがある。
【0059】〔形状回復する面に防湿層を設け、防湿層
を金属材料で形成した場合〕防湿層の厚さは、0.01
〜100μm程度が好ましく、1〜50μm程度がより
好ましい。すなわち、あまり薄くし過ぎると防湿層にピ
ンホールが発生し、充分な防湿性能が得られなくなる恐
れがあり、あまり厚くしすぎると、独立気泡樹脂発泡体
に防湿層を積層後、独立気泡樹脂発泡体を圧縮すること
で形状回復発泡体を製造しようとした時、厚さ方向の圧
縮時に防湿層が剥がれやすいとともに、たとえば、斜め
に変形するなど思う方向に圧縮できなくなる恐れがあ
る。
【0060】〔形状回復しない面に防湿層を設け、防湿
層を樹脂材料で形成した場合〕防湿層の厚さは、1〜1
000μm程度が好ましく、10〜300μm程度がよ
り好ましい。すなわち、あまり薄くし過ぎると防湿層に
ピンホールが発生し、充分な防湿性能が得られなくなる
恐れがあり、あまり厚くしすぎると、重いので取扱い性
が悪い。また、コストが高くなる。
【0061】〔形状回復する面に防湿層を設け、防湿層
を樹脂材料で形成した場合〕防湿層の厚さは、1〜50
0μm程度が好ましく、10〜100μm程度がより好
ましい。すなわち、あまり薄くし過ぎると防湿層にピン
ホールが発生し、充分な防湿性能が得られなくなる恐れ
があり、あまり厚くしすぎると、独立気泡樹脂発泡体に
防湿層を積層後、独立気泡樹脂発泡体を圧縮することで
形状回復発泡体を製造しようとした時、厚さ方向の圧縮
時に防湿層が剥がれやすいとともに、たとえば、斜めに
変形するなど思う方向に圧縮できなくなる恐れがある。
【0062】また、防湿層が耐腐食性に乏しい材料で形
成されている場合、防湿層の表面を耐腐食材によって被
覆しておくことが好ましい。耐腐食材としては、ポリエ
チレンやポリプロピレンなどの合成樹脂が挙げられる。
接着剤層は、発泡積層体を装着部に固定する場合に用い
られ、発泡積層体の用途に応じて適宜選択できるが、た
とえば、アクリル系、エチレン−酢酸ビニル系、ウレタ
ン系、ゴム系、スチレン−ブタジエン系、スチレン−イ
ソプレン系等の感圧タイプの接着剤、ホットメルト接着
剤が挙げられ、また、保管性がよければ、反応タイプの
接着剤を用いるようにしても構わない。
【0063】軟質材層は、発泡積層体の装着面が凹凸面
である場合に設けることが好ましく、軟質材層を形成す
る材料としては、特に限定されないが、たとえば、塩化
ビニル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポ
リエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマ
ー、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム等が挙げら
れる。
【0064】軟質材層の厚さは、シール性およびガス透
過率によりその適性範囲が決められ、シールする部分の
表面凹凸に追従するよう、たとえば、表面凹凸の差の1
/2から5倍になるように厚さを設計することが好まし
く、ガス透過によって形状回復が図られるので、形状回
復に必要な時間によって最適な厚さに設定される。な
お、軟質材の種類によってもガス透過率が異なるため、
実際の最適な厚さについては発泡積層体を試験的に作製
し、検討するのが好ましいが、概ね30μmから3mm
の範囲が好ましい。すなわち、30μmを下回ると凹凸
表面への追従性が悪くシール性に劣り、3mmを越える
と、ガス透過性が悪く回復までに相当の時間がかかる恐
れがある。
【0065】軟質材層の積層方法は、特に限定されない
が、原料となる独立気泡樹脂発泡体を製造した直後に行
う方法と、独立気泡樹脂発泡体を収縮させて形状回復発
泡体を得た後に行う方法とが挙げられる。前者の方法
は、独立気泡樹脂発泡体と軟質材層となる高分子材料シ
ートとを熱融着により積層する場合に使用され、後者の
方法は接着剤を介して接着して積層する場合によく用い
られるが、熱融着により積層することが好ましい。
【0066】なお、熱融着は、たとえば、発泡体および
高分子材料薄膜となる高分子材料シートとを重ね合わせ
高周波加熱等によって両者又は少なくとも一方の界面を
加熱した状態で圧力を加えることによって得ることがで
きる。また、熱融着温度としては、発泡体が収縮した状
態で融着させる場合、発泡体の表面だけが軟化点以上に
なるのが好ましく、製造直後の収縮していない状態にお
いては発泡体全体が融点以上でも構わない。
【0067】但し、軟質材層は、形状回復発泡体の形状
回復しない面に沿って設けることが好ましい。
【0068】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面を参照しつつ詳しく説明する。図1は、本発明にかか
る積層体の実施の形態をあらわしている。図1に示すよ
うに、この発泡積層体1aは、形状回復発泡体層2aと
耐火層3aとを備えている。
【0069】形状回復発泡体層2aは、チューブ状の形
状回復発泡体から形成されていて、チューブの肉厚方向
にのみ形状回復するようになっている。耐火層3aは、
粘着性を有するゴム組成物と、耐火材とからなり、形状
回復発泡体層2aを外側から全面に渡って囲繞するよう
に設けられている。
【0070】この発泡積層体1aは、たとえば、図2に
示すように、この発泡積層体1aの形状回復発泡体層2
aの内側に給湯管6を挿入したのち、給湯管6ととも
に、発泡積層体1aを建築物の壁5に設けられた発泡積
層体1aの外径より少し大きい配管挿通孔51に挿通だ
けで、壁5の内外を完全に隔絶した状態に簡単に給湯配
管を行うことができる。
【0071】すなわち、発泡積層体1aは、配管挿通孔
51へ挿通時には、配管挿通孔51の内径より、発泡積
層体1aの外径が小径のため、スムーズに配管挿通孔5
1への挿通することができる。そして、挿入された発泡
積層体1aは、形状回復発泡体層2aが徐々に形状回復
し、元の独立気泡樹脂発泡体に戻るとともに、形状回復
により大径化するため、発泡積層体1aの外周面、すな
わち、耐火層3の外周面が配管挿通孔51の内周面に密
着する。したがって、壁5の内外が発泡積層体1aによ
って隔絶されるようになる。
【0072】また、発泡積層体1aは、形状回復発泡体
層2aが独立気泡樹脂発泡体から形成されているので、
断熱性に優れている。しかも、表面に耐火層3aが設け
られているので、火災が起こって高熱に曝されても、形
状回復発泡体層2aが耐火層3aによって保護され、断
熱性が確保されるとともに、壁5の内外のシール性も確
保できる。
【0073】図3は本発明にかかる発泡積層体の他の実
施の形態をあらわしている。図3に示すように、この発
泡積層体1bは、シート状の形状回復発泡体層2bの形
状回復する面21に沿って耐火層3bが設けられている
以外は、発泡積層体1aと同様になっている。
【0074】この発泡積層体1bは、図4(a)に示す
ように、たとえば、建築物の壁面を構成する耐火ボード
7と耐火ボード7との目地71に充填される目地材とし
て使用される。すなわち、まず、図4(b)に示すよう
に、目地71の幅より少し狭い幅の発泡積層体1bを耐
火層3b側を前面側にして目地71に挿入すれば、挿入
後、形状回復発泡体層2が徐々に幅方向に形状回復し、
目地71内に密に充填されたようになる。しかも、表面
側に耐火層3bが設けられているため、火災などによっ
て形状回復発泡体層2が溶融したり、焼けたりすること
がない。
【0075】したがって、目地71部分から壁を越えて
炎が入り込んだりすることがなくなり、類焼などが防止
できる。勿論、形状回復発泡体層2が独立気泡樹脂発泡
体から形成されているため、シール性にも優れている。
【0076】本発明にかかる発泡積層体は、上記の実施
の形態に限定されない。たとえば、用途に応じて、図5
(a)に示す発泡積層体1cのように、チューブ状の形
状回復発泡体2cの内部に耐火層3cを設けたり、図5
(b)に示す発泡積層体1dように、円柱状の形状回復
発泡体2dの外周面の一部に耐火層3dを設けたり、図
5(c)に示す発泡積層体1eのように、板状の形状回
復発泡体2eの3方を囲むように耐火層3eを設けた
り、図5(d)に示す発泡積層体1fのように、異形の
形状回復発泡体2fの一部に耐火層3fを設けたりする
こともできる。
【0077】
【実施例】以下に、本発明の実施例をより詳しく説明す
る。まず、つぎのようにして形状回復発泡体A,B、耐
火性樹脂組成物シート〜、被着体との接着に使用す
る接着剤層となる接着剤I,II および、形状回復発泡
体と耐火性樹脂組成物シートとの積層に用いる接着剤II
I を用意した。
【0078】〔形状回復発泡体A〕低密度ポリエチレン
(三菱化学社製、LF440HB、Tm=112.5
℃)100重量部、発泡剤としてのアゾジカルボンアミ
ド(大塚化学社製 SO−L)15重量部、発泡助剤と
してのステアリン酸亜鉛1重量部、過酸化物としてのジ
クミルパーオキサイド0.5重量部をロールで練り(1
40℃×5分)、プレス(140℃×100kg/cm2 ×
5分)して150×150×3mmの原料シートを作製
し、この原料シートを230℃のオーブン内に5分間投
入して発泡させ、独立気泡樹脂発泡体を得た。そして、
この独立気泡発泡体をプレス板に挟み、厚さが3mmにな
るまで圧縮し、この状態で1日間保持したのち、プレス
板を外して形状回復発泡体を得た。なお、独立気泡樹脂
発泡体は、発泡倍率が30.5倍、厚さが9.8mm、独
立気泡率が85%であった。
【0079】〔形状回復発泡体B〕ジクミルパーオキサ
イドを使用しなかった以外は、形状回復発泡体Aと同様
にして原料シートを得たのち、この原料シートの両面に
500kv×6Mradの電子線を照射した。そして、この原
料シートを230℃のオーブン内に5分間投入し、発泡
させて得られた独立気泡樹脂発泡体をプレス板に挟み、
厚さが3mmになるまで圧縮し、この状態で1日間保持し
たのち、プレス板を外して形状回復発泡体を得た。
【0080】なお、独立気泡樹脂発泡体は、、発泡倍率
が32.1倍、厚さが10.3mm、独立気泡率が95%
であった。
【0081】〔耐火性樹脂組成物シート〕熱可塑性樹
脂としてのアクリル樹脂(三菱レーヨン社製、ダイヤナ
ールBR−64、Tg=55℃)100重量部、酢酸エ
チル300重量部、炭酸カルシウム80重量部、ジシア
ンジアミド8重量部、タルク20重量部からなる組成物
溶液をキャスティング生計して50μmの厚さのシート
を得た。
【0082】〔耐火性樹脂組成物シート〕熱可塑性樹
脂としての低密度ポリエチレン(三井石油化学社製、ミ
ラソン16P、Tm=111℃)100重量部、中和さ
れた熱膨張性黒鉛(日本化成社製、CA−60S50重
量部、ポリリン酸アンモニウム(住友化学社製、スミセ
ーフP)35重量部、水酸化アルミニウム(日本軽金属
社製、B703S)70重量部をロールで混練し、その
後140℃でプレスして1000μmの厚さのシートを
得た。
【0083】〔耐火性樹脂組成物シート〕ブタジエン
ゴム(ムーニー粘度(100℃)=43、シス1.4含
有量=94%)100重量部、ポリブテン(出光石油化
学社製、ポリブテン100R)80重量部、粘着付与樹
脂(エクソン社製、エスコレッツ♯5320)20重量
部、中和された熱膨張性黒鉛(日本化成社製、CA−6
0S)150重量部、ポリリン酸アンモニウム(住友化
学社製、スミセープP)140重量部、水酸化マグネシ
ウム(協和化学社製、キスマ5B)100重量部をロー
ルで混練し、その後30℃でプレスして300μmの厚
さのシートを得た。
【0084】〔接着剤I〕 綜研化学社製 SKダイン1131P 〔接着剤II〕ブチルゴム(ムーニー粘度(100℃)=
47、不飽和度=2.0のイソプチレン・イソプレンゴ
ム)
【0085】(実施例1〜6、比較例1)上記形状回復
発泡体A,B、耐火性樹脂組成物シート〜、およ
び、接着剤I〜III を用いて表1に示す層構成の発泡積
層体をそれぞれ得た。なお、形状回復発泡体と耐火性樹
脂組成物シートの積層は、接着剤として積水化学工業社
製、Sダイン280Hを用いたドライラミネート法によ
った。
【0086】そして、上記実施例1〜6および比較例1
で得た発泡積層体のそれぞれについて、気密性の評価、
耐火性の評価を行うとともに、熱伝導率および形状回復
発泡体の回復時間を測定し、その結果を表1に併せて示
した。なお、気密性の評価、耐火性の評価、熱伝導率お
よび形状回復発泡体の回復時間の測定は、以下のように
して行った。
【0087】〔気密性の評価〕図6に示すように、上下
にφ10mmの孔a,aが穿設され、幅X100mm、高さ
H7mm、奥行きY20mmの隙間bを有する直方体の測定
具cに厚さ3mm×10mm×20mmに切断した発泡積層体
1を挿入し、1ヶ月後に一方の孔aから0.01kgf /
cm2 の圧力をかけ、他方のa側へ抜ける空気の流量を計
測した。
【0088】〔耐火性の評価〕2枚の厚さ8mmの石膏ボ
ード(永大産業社製、タフボードデラックス)を7mmの
隙間をあけて施工するとともに、この隙間に各発泡積層
体を充填し1ヶ月放置し、形状回復発泡体が形状回復し
た状態で石膏ボードの1方の面側からバーナー(800
℃、照射熱量20kw/m2)で5分間加熱し、反対側の面
でバーナーの火が観察されるかどうかで行った。なお、
照射熱量は、コーンカロリメータ(アトラス社製、CO
NE2A)を用いて計測した。
【0089】〔熱伝導率〕シール材が7mmの厚さまで形
状回復した状態での熱伝導率をJIS A 1412に
準拠して計測した。また、独立気泡率は、東京サイエン
ス社製,空気比較式比重計1000型を用い、1〜1/
2〜1気圧法によって測定した。
【0090】
【表1】
【0091】表1から本発明の発泡積層体が耐火性に優
れるとともに、断熱性、気密性にも優れていることがよ
くわかる。
【0092】
【発明の効果】本発明にかかる発泡積層体は、以上のよ
うに構成されているので、取扱性に優れ、狭い空間でも
簡単に充填することができ、断熱性、気密性は勿論のこ
と、耐火性にも優れている。したがって、多用途に用い
ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる発泡積層体の実施の形態をあら
わす断面図である。
【図2】図1の発泡積層体の使用状態の説明図である。
【図3】本発明にかかる発泡積層体の他の実施の形態を
あらわす断面図である。
【図4】図2の発泡積層体の使用状態の説明図である。
【図5】本発明にかかる発泡積層体のさらに他の実施の
形態をあらわす断面図である。
【図6】気密性評価の方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 発泡積層体 1a 発泡積層体 1b 発泡積層体 1c 発泡積層体 1d 発泡積層体 1e 発泡積層体 1f 発泡積層体 2a 形状回復発泡体層 2b 形状回復発泡体層 2c 形状回復発泡体層 2d 形状回復発泡体層 2e 形状回復発泡体層 2f 形状回復発泡体層 3a 耐火層 3b 耐火層 3c 耐火層 3d 耐火層 3e 耐火層 3f 耐火層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】独立気泡樹脂発泡体からなり、常温で形状
    回復性を有する形状回復発泡体層と、耐火性樹脂組成物
    からなる耐火層とを備えている発泡積層体。
  2. 【請求項2】耐火性樹脂組成物が、熱可塑性樹脂または
    粘着性を有するゴム組成物と、リン化合物、中和処理さ
    れた熱膨張性黒鉛及び無機充填材からなる群より選ばれ
    た少なくとも1種の耐火材とを含んでいる請求項1に記
    載の発泡積層体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006328805A (ja) * 2005-05-26 2006-12-07 Jsd:Kk プレキャストコンクリート体を用いる外断熱プレストレスト建物の構築方法
JP2007224665A (ja) * 2006-02-24 2007-09-06 Inoac Corp 貫通部用防火処理具及び建築物における貫通部の防火処理構造
JP2008521646A (ja) * 2004-11-24 2008-06-26 ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド 改善されたastme−84延焼指数及び煙蔓延指数を有する積層ポリイソシアヌレート発泡構造体
WO2018047974A1 (ja) * 2016-09-12 2018-03-15 積水化学工業株式会社 樹脂積層体

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