JPH10110059A - 形状回復発泡体 - Google Patents

形状回復発泡体

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JPH10110059A
JPH10110059A JP8268637A JP26863796A JPH10110059A JP H10110059 A JPH10110059 A JP H10110059A JP 8268637 A JP8268637 A JP 8268637A JP 26863796 A JP26863796 A JP 26863796A JP H10110059 A JPH10110059 A JP H10110059A
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JP
Japan
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foam
resin
shape
thickness
recovery
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Application number
JP8268637A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Abe
弘 阿部
Hitoshi Shirato
斉 白土
Eiji Okada
英治 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】気密性だけでなく水密性に優れ、形状回復時に
挿入部の部材の変形を防止することができる形状回復発
泡体を提供することを目的としている。 【解決手段】原料となる独立気泡樹脂発泡体を樹脂の弾
性変形領域以上の歪み、 0.05<(c−b)/(a−b)<0.7・・・
(1) (但し、式中、aは原料となる独立気泡樹脂発泡体の厚
み、bは収縮時の発泡体の厚み、cは形状回復後の発泡
体の厚みである。)を満足するプラトー領域から緻密化
の前までの歪みで収縮させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、形状回復発泡体に
関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、特開昭50−37863号公
報や62−189236号公報に開示されている合成ゴ
ム発泡体のような連続気泡タイプの合成樹脂発泡体や、
特開平6−336245号公報に開示されているポリス
チレン発泡体、特公平6−43512号公報に開示され
ているポリプロピレン系樹脂発泡体、特公平6−435
13号公報に開示されているポリエチレン系樹脂発泡体
などのようないろいろな独立気泡タイプの合成樹脂発泡
体は、従来より断熱性や緩衝性等の機能に優れており、
住宅,建築,土木,車輛,家電,文具,雑貨,衣料など
いろいろな分野で断熱材,緩衝材,シール材等として使
用されている。
【0003】しかし、従来の独立気泡タイプの合成樹脂
発泡体は、場合によっては、以下のような問題が発生す
る恐れがあった。 狭い空間に押し込むように充填しようとした場合、
無理に押し込むと発泡体が切れてばらばらになり充填材
としての役目を果たさなくなり、作業性が非常に悪い。
【0004】 チップ状に成形して箱等の容器に充填
し、箱内の内容物を保護しようとした場合、初期に完全
に隙間なく充填させるのが難しいため、箱の輸送中に振
動によって発泡体の再充填化が起こり、隙間が生じて箱
内の内容物を充分に保護しきれず内容物に傷が付いたり
内容物が壊れたりする。 パネルの中空部に液体で注入し、その後発泡させる
注入発泡法(日刊工業新聞社 昭和48年刊 プラスチ
ックフォームハンドブックP.200参照)を用いれ
ば、狭い空間でも問題なく発泡体を充填できるのである
が、液体であるため取扱性に問題があるとともに、注入
口と連続する隙間以外に発泡体を形成させることが難し
いと言う問題もある。
【0005】一方、特開昭50−37863号公報や6
2−189236号公報に開示されている連続気泡タイ
プの発泡体の場合、連続気泡内にアスファルトなどが充
填されているため、圧縮して隙間などに充填しようとす
ると、アスファルトなどが表面に滲みでてくるため、施
工性が悪い。そこで、本発明の発明者らは、通常の独立
気泡樹脂発泡体を圧縮などの方法により樹脂の弾性限界
内で収縮させた形状回復発泡体を先に提案している(特
願平7−299654号等参照)。
【0006】すなわち、この形状回復発泡体は、樹脂の
弾性回復力により気泡の内外圧力と釣り合いながら徐々
にもとの厚さに形状回復してゆくようになっているた
め、施工当初厚みが薄く、狭い隙間にでも容易に挿入す
ることができ施工性がよい。しかも、施工後、徐々に空
気を気泡内に取り込み膨張し、隙間に密に充填されるよ
うになるため、膨張したのちは、内部の独立気泡によっ
てシール性、断熱性、緩衝性等の物性に優れたものとな
る。
【0007】したがって、パイプ用断熱材、建材用断熱
材、包装用緩衝材、車輛等の内装用緩衝材、建物用シー
ル材、目地材等の多方面に有効に適用できると言うもの
であった。
【0008】しかしながら、この形状回復発泡体は、局
所的にごく一部が塑性変形しているものの大部分は弾性
変形領域内の歪み幅で原料となる独立気泡樹脂発泡体を
収縮させたものであり、形状回復率が高い。したがっ
て、形状回復後の発泡体の発泡倍率も高いものとなり、
気体を止めることには問題がないが、水や油等の粒体を
止める、たとえば、止水性が不足することがある。ま
た、回復率が高いものを回復の途中で停止すると、残存
回復力により、発泡体を挿入した部分の部材(たとえ
ば、樹脂や薄い金属等)を変形させ、結果として、気密
性、水密性が不十分となる恐れがあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みて、気密性だけでなく水密性に優れ、形状回
復時に挿入部の部材の変形を防止することができる形状
回復発泡体を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる形状回復
発泡体は、このような目的を達成するために、原料とな
る独立気泡樹脂発泡体が樹脂の弾性変形領域以上の歪み
で収縮していて、常温にて形状回復性を有する構成とし
た。上記構成において、少なくとも一方向に、かつ、形
状回復前と非相似形に形状回復可能とされていることが
好ましい。
【0011】また、独立気泡樹脂発泡体に与える弾性変
形領域以上の歪みとしては、プラトー領域から緻密化の
前までの歪みであって、式(1) 0.05<(c−b)/(a−b)<0.7・・・(1) (但し、式中、aは原料となる独立気泡樹脂発泡体の厚
み、bは収縮時の発泡体の厚み、cは形状回復後の発泡
体の厚みである。)を満足する歪みが好ましい。
【0012】上記本発明の形状回復発泡体とは、以下の
〜のものを言う。
【0013】 炭酸ガスや液化ガス等のガス透過係数
agent が空気のガス透過係数Pai r より大きく、常温
でガスもしくは常温で液化するガスを発泡ガスとして用
いたものであって、気泡内のガス置換による体積収縮に
より自然収縮を起こし、収縮後樹脂の弾性回復力とガス
透過により気泡の内外圧力と釣り合いながら徐々に厚み
が回復してゆくもの。すなわち、Pagent >Pair とな
るガスを発泡剤として用いた場合、セル膜を通して独立
気泡(セル)内から外界(大気中)へ逃げる(透過)ガ
ス量の方が、外界から独立気泡内へ入るガス量よりも多
くなり、独立気泡内圧<外界圧(大気圧)となる。この
時、発泡体には外界圧で圧縮される力F 1 とそれに抵抗
する樹脂の弾性力F2 がかかり、F1 とF2 が釣り合う
状態まで発泡体が収縮する。収縮が進行するにしたがっ
て独立気泡内から外界へ逃げるガス量が次第に減少し、
しばらくすると独立気泡内から外界へ逃げるガス量と外
界から独立気泡内に入るガス量が平衡に達し収縮は停止
する。この後、形状回復発泡体は膨張を開始する。
【0014】 の発泡ガス以外のガスを発泡ガスと
して用いたものであって、原料となる独立気泡発泡体に
圧縮歪みを所定時間以上与えて圧縮され、圧縮を解除す
ると樹脂の弾性回復力により気泡の内外圧力と釣り合い
ながら徐々に厚みが回復してゆく性質を持つもの。すな
わち、原料となる独立気泡発泡体に圧縮歪みを与えた場
合、気泡内のガスが気泡膜から徐々にぬけてゆき内圧と
外圧とが釣り合い、外力を取り除いても瞬間的な形状回
復は起こらず、圧縮を解除すると樹脂の弾性回復力によ
り気泡の内外圧力と釣り合いながら徐々に厚みが回復し
てゆく。
【0015】 の発泡ガス以外のガスを発泡ガスと
して用いたものであって、減圧下で発泡することにより
気泡中のガス圧力は大気圧以下となった状態で冷却固定
した後大気中に取り出した時、形成された発泡体が大気
圧により一旦圧縮され、樹脂の弾性回復力により気泡の
内外圧力と釣り合いながら徐々に厚みが回復してゆくも
の。
【0016】 冷却すると液化し沸点が成形温度以下
の発泡剤を使用して発泡体を製造したもの。すなわち、
沸点が樹脂の成形温度以下である発泡剤を用いた場合、
発泡体を発泡剤の沸点まで冷却すると、独立気泡内の発
泡剤も冷却されて気体から液体になる。このとき発泡剤
の体積収縮によって独立気泡内圧<外界圧(大気圧)と
なり発泡体が収縮する。その後樹脂の弾性回復力により
気泡の内外圧力と釣り合いながら徐々に厚みが回復して
ゆく。
【0017】なお、上記の独立気泡樹脂発泡体を圧縮
する場合、圧縮時の温度は、独立気泡樹脂発泡体を構成
する樹脂の軟化点(非晶性樹脂についてはガラス転移
点、結晶性樹脂については融点を軟化点とする)以下で
ある。すなわち、軟化点以上の温度で圧縮を行った場
合、抜重後の形状回復発泡体の形状回復能がなくなる恐
れがある。
【0018】形状回復発泡体の独立気泡率は、形状回復
発泡体自体の必要とする回復量により決まり、おおよそ
5%以上であれば使用することが可能であるが、特に好
ましい範囲は30%〜100%である。
【0019】形状回復発泡体を構成する樹脂としては、
特に限定されず、以下のような熱可塑性樹脂あるいは熱
硬化性樹脂が挙げられる。
【0020】〔熱可塑性樹脂〕ポリエチレン,ポリプロ
ピレン,エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−プ
ロピレン−ジエン共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重
合体等のオレフィン系樹脂、ポリメチルアクリレート,
ポリメチルメタクレート,エチレン−エチルアクリレー
ト共重合体等のアクリル系樹脂、ブタジエン−スチレ
ン,アクリロニトリル−スチレン,スチレン,スチレン
−ブタジエン−スチレン,スチレン−イソプレン−スチ
レン,スチレン−アクリル酸等のスチレン系樹脂、アク
リロニトリル−ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニル−エチ
レン等の塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニル,ポリフ
ッ化ビニリデン等のフッ化ビニル系樹脂、6−ナイロ
ン,6・6−ナイロン,12−ナイロン等のアミド樹
脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフ
タレート等の飽和エステル系樹脂、ポリカーボネート、
ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリフェ
ニレンスルフィド、シリコーン樹脂、熱可塑性ウレタン
樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミ
ド、各種エラストマーやこれらの架橋体。
【0021】〔熱硬化性樹脂〕エポキシ系樹脂、フェノ
ール系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、イミド
系樹脂、ユリア系樹脂、シリコーン系樹脂、不飽和ポリ
エステル系樹脂の硬化物等。
【0022】また、上記発泡体には、充填剤、補強繊
維、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤等を必
要に応じて混合されていても構わない。
【0023】充填剤としては、たとえば、炭酸カルシウ
ム、タルク、クレー、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、カ
ーボンブラック、二酸化ケイ素、酸化チタン、ガラス
粉、ガラスビーズ等が挙げられる。補強繊維としては、
たとえば、ガラス繊維、単層繊維等が挙げられる。着色
剤としては、たとえば、酸化チタン等の顔料が挙げられ
る。
【0024】酸化防止剤としては、一般に用いれるもの
であれば、特に限定されず、たとえば、テトラキス〔メ
チレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイ
ドロシンナメート)〕メタン、チオジプロピオン酸ジラ
ウリル、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロ
キシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等が挙げられ
る。
【0025】難燃剤としては、ヘキサブロモフェニルエ
ーテル,デカブロモジフェニルエーテル等の臭素系難燃
剤、ポリリン酸アンモニウム,トリメチルホスフェー
ト,トリエチルホスフェート等の含リン酸系難燃剤、メ
ラミン誘導体、無機系難燃剤等の1種又は2種以上の混
合物が挙げられる。
【0026】形状回復発泡体の形状は、特に限定されな
いが、シート状、ロッド状、チューブ状をしたものなど
が挙げられ、少なくとも一方向からの圧縮によって収縮
し、形状回復前の形状と形状回復後の形状とが非相似と
なるものが好ましい。また、原料となる独立気泡樹脂発
泡体を収縮させる方法としては、特に限定されないが、
圧縮する方法が一般的である。
【0027】圧縮方法は、特に限定されないが、たとえ
ば、独立気泡発泡体を所望の間隔で対面して配置された
2つの無端ベルト間に通して無端ベルト間で圧縮する方
法や、2枚のプレス板の間で圧縮して所定時間圧縮状態
を保持する方法等が挙げられる。
【0028】また、この発泡体には、必要に応じて、耐
火層、防湿層、接着剤層、軟質材層などを積層するよう
にしても構わない。すなわち、耐火層を設けるようにす
れば、本発明の発泡体によってシールする部分が火災な
どの炎で熱せられた時でも耐火層によって保護されて発
泡体が溶けたり、燃えたりすることがなく、シール性を
確保することができる。防湿層を設けるようにすれば、
防湿性を向上させることができる。接着剤層を設けれ
ば、この接着材層によって発泡体を発泡体の設置部に簡
単に固定することができる。軟質材層を設ければ、発泡
体の形状回復に伴い、軟質材層が発泡体の設置部の壁面
に沿って変形し、気密性や止水性をより確実に発揮する
ことができる。
【0029】耐火層を形成する耐火性樹脂組成物として
は、特に限定されないが、たとえば、請求項2のよう
に、熱可塑性樹脂または粘着性を有するゴム組成物と、
リン化合物、および、中和処理された熱膨張性黒鉛から
なる群より選ばれた少なくとも1種の耐火材とを含んで
いるものが好ましい。さらに、これら耐火材に加えて無
機充填材を添加するようにしてもよい。
【0030】上記耐火性樹脂組成物を構成する熱可塑性
樹脂としては、特に限定されないが、ポリエチレン系樹
脂,ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、
ポリ(1−)ブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂、ポリ
スチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレン
エーテル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリ塩化ビニル低樹脂等が挙げられ、中でも、ポリオレ
フィン系樹脂が好ましく、ポリエチレン系樹脂がより好
ましい。
【0031】ポリエチレン系樹脂としては、たとえば、
エチレン単独重合体、エチレンを主成分とする共重合
体、これらの混合物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−アクリレート共重合体等が挙げられる。エチ
レンを主成分とする共重合体としては、たとえば、エチ
レン部を主成分とするエチレン−αオレフィン(1−ヘ
キセン、4−メチル−1ペンテン、1−オクテン、1−
ブテン、1−ペンテン等)共重合体が挙げられる。
【0032】ゴム組成物としては、たとえば、天然ゴ
ム、イソプレンゴム(IR)、ブダジエンゴム(B
R)、1・2−ポリブタジエンゴム(1・2−BR)、
スチレン−ブダジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴ
ム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(I
IR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM、EPD
M)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アク
リルゴム(ACM、ANM)、エピクロルヒドリンゴム
(CO、ECO)、多加硫ゴム(T)、シリコーンゴム
(Q)、ふっ素ゴム(FKM、FZ)、ウレタンゴム
(U)等が挙げられ、耐火材の添加後に加硫されても構
わないが、非加硫ゴムの方が、接着性を持たせることが
可能であるので、耐火層を接着層として使用することも
可能になり好ましい。
【0033】リン化合物としては、特に限定されない
が、たとえば、赤リン、トリフェニルホスフェート,ト
リクレジルホスフェート,トリキシレニルホスフェー
ト,クレジルジフェニルホスフェート,キシレニルジフ
ェニルホスフェート等の各種リン酸エステル、リン酸ナ
トリウム,リン酸カリウム,リン酸マグネシウム等のリ
ン酸金属塩、ポリリン酸アンモニウム,メラミン変成ポ
リリン酸アンモニウム等のポリリン酸アンモニウム類、
メチルホスホン酸,メチルホスホン酸ジメチル,メチル
ホスホン酸ジエチル,エチルホスホン酸,プロピルホス
ホン酸,ブチルホスホン酸,2−メチルプロピルホスホ
ン酸,2・3−ジメチル−ブチルホスホン酸,オクチル
ホスホン酸,フェニルホスホン酸,ジオクチルフェニル
ホスホネート,ジメチルホスフィン酸,メチルエチルホ
スフィン酸,メチルプロピルホスフィン酸,ジエチルホ
スフィン酸,ジフェニルホスフィン酸,ビス(4−メト
キシフェニル)ホスフィン酸等の下記一般式(1)で表
される化合物などが挙げられる。
【0034】
【化1】
【0035】式中、R1 、R3 は、水素、炭素数1〜1
6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、又は炭素数6
〜16のアリール基をあらわす。R2 は、水酸基、炭素
数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素
数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシル基、
炭素数6〜16のアリール基、または炭素数6〜16の
アリールオキシ基をあらわす。
【0036】また、上記リン化合物は、単独で用いて
も、2種以上を併用しても構わない。中和処理した熱膨
張性黒鉛とは、たとえば、天然鱗状グラファイト,キッ
シュグラファイト等の粉末を濃硫酸,硝酸,セレン酸等
の無機酸と濃硝酸,過塩素酸,過塩素酸塩,過マンガン
酸塩,重クロム酸塩,過酸化水素等の強酸化剤とで処理
してグラファイト層間化合物を生計させたのもで、炭素
の層構造を維持したままの結晶化合物を、更に、アンモ
ニア,脂肪族低級アミン,アルカリ金属化合物,アルカ
リ土類金属化合物等で中和することによって得られる。
【0037】上記脂肪族低級アミンとしては、特に限定
されないが、たとえば、モノメチルアミン,ジメチルア
ミン,トリメチルアミン,エチルアミン,プロピルアミ
ン,ブチルアミン等が挙げられる。アルカリ金属化合物
およびアルカル土類金属化合物としては、たとえば、カ
リウム,ナトリウム,カルシウム,バリウム,マグネシ
ウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩
等が挙げられる。
【0038】中和処理された熱膨張性黒鉛の粒度は、2
0〜200メッシュのものが好ましい。すなわち、粒度
が200メッシュより細かいと、黒鉛の膨張度が小さ
く、臨む耐火断熱効果が得られず、粒度が20メッシュ
より大きいと、膨潤度が大きいという点では効果がある
が、樹脂と混練する際、分散性が悪く物性の低下を招く
恐れがある。
【0039】無機充填材としては、特に限定されない
が、たとえば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、
酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化
鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カ
ルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、
塩基性酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーンナイト、ハイ
ドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏
繊維、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モ
ンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライ
ト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビ
ーズ、シリカ系バルーン、窒化アルミニウム、窒化ほう
素、窒化けい素、カーボンブラック、グラファイト、炭
素繊維、炭素バルーン、木炭粉末、各種金属粉、チタン
酸カリウム、硫酸マグネシウム「MOS」、チタン酸ジ
ルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、
炭化けい素、ステンレス繊維、ほう酸亜鉛、各種磁性
粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げら
れ、なかでも、加熱時に脱水し、吸熱効果のある水酸化
カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム
等の含水無機物を用いることが好ましい。
【0040】なお、熱可塑性樹脂または粘着性を有する
ゴム組成物と、耐火材との配合比は、特に限定されない
が、熱可塑性樹脂または粘着性を有するゴム組成物10
0重量部に対して、リン化合物および中和処理された熱
膨張性黒鉛の合計量が20〜200重量部、無機充填剤
が50〜500重量部で、リン化合物および中和処理さ
れた熱膨張性黒鉛の比が9:1〜1:9とすることが好
ましい。
【0041】また、耐火層を構成する熱可塑性樹脂組成
物中には、必要に応じて発泡剤を添加するようにしても
構わない。発泡剤としては、特に限定されないが、たと
えば、メラミン、尿素、ジシアンジアミド、リン酸アン
モニウム、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0042】耐火層の形状回復発泡体への積層方法は、
積層時に接着剤を介して接合したり、加熱し、形状回復
発泡体の樹脂と成形体の樹脂とをその界面で溶融させて
接合する方法が挙げられ、積層の時期は、耐火層となる
耐火性樹脂組成物によって成形された成形体を形状回復
発泡体を製造する前後または同時にのいずれでも構わな
い。
【0043】なお、接着に使用する接着剤としては、形
状回復発泡体の樹脂と成形体の樹脂の両方の樹脂に適し
たものを適宜選択することができる。
【0044】耐火層の成形方法は、特に限定されない
が、たとえば、シート状の場合、押出成形法、カレンダ
ー成形法やキャスティング成形法などが挙げられ、チュ
ーブ状の場合、押出成形法、シートを作ってからチュー
ビィングする方法などが挙げられ、型物の場合、射出成
形法、プレス成形法などが挙げられる。
【0045】形状回復発泡体に対する耐火層の積層部位
は、形状回復発泡体の全面でも構わないし、隙間などへ
の装着時、耐火性を最も発揮できる部位のみでも構わな
い。たとえば、シート状の形状回復発泡体の場合、形状
回復に寄与する面でも寄与しない面でも構わない。な
お、形状回復に寄与する面とは、厚み方向のみに形状回
復する形状回復発泡体の場合で言うと、形状回復発泡体
の側周面を言う。
【0046】防湿層を形成する透湿抵抗の大きい材料と
しては、特に限定されないが、たとえば、アルミニウ
ム、ステンレス鋼、鉛、鉄、銅、亜鉛、錫等の金属材
料、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂材料などが
挙げられ、これらのうち、経済性を考慮すると、請求項
2のようにアルミニウムが好ましい。防湿層の積層面
は、特に限定されず、形状回復発泡体の形状回復に寄与
する面でも形状回復に寄与しない面でも構わない。
【0047】防湿層の形状回復発泡体への積層方法は、
特に限定されないが、接着剤を用いて接着する方法が一
般的である。接着する時期は、独立気泡樹脂発泡体から
形状回復発泡体を製造する前でも製造した後でも構わな
い。接着に用いる接着剤としては、特に限定されない
が、たとえば、クロロプレン系やアクリル系のもの等が
好適に用いられる。
【0048】防湿層の厚さは、防湿層を構成する材料の
透湿抵抗、要求される気密性、断熱性等の性能に応じて
適宜決定されるが、防湿層を設ける面および防湿層の材
質によって以下のように厚さにすることが好ましい。
【0049】〔形状回復しない面に防湿層を設け、防湿
層を金属材料で形成した場合〕防湿層の厚さは、0.0
1〜300μm程度が好ましく、1〜100μm程度が
より好ましい。すなわち、あまり薄くし過ぎると防湿層
にピンホールが発生し、充分な防湿性能が得られなくな
る恐れがあり、あまり厚くしすぎると、重く、追従性が
悪く、コストが高くなる恐れがある。
【0050】〔形状回復する面に防湿層を設け、防湿層
を金属材料で形成した場合〕防湿層の厚さは、0.01
〜100μm程度が好ましく、1〜50μm程度がより
好ましい。すなわち、あまり薄くし過ぎると防湿層にピ
ンホールが発生し、充分な防湿性能が得られなくなる恐
れがあり、あまり厚くしすぎると、独立気泡樹脂発泡体
に防湿層を積層後、独立気泡樹脂発泡体を圧縮すること
で形状回復発泡体を製造しようとした時、厚さ方向の圧
縮時に防湿層が剥がれやすいとともに、たとえば、斜め
に変形するなど思う方向に圧縮できなくなる恐れがあ
る。
【0051】〔形状回復しない面に防湿層を設け、防湿
層を樹脂材料で形成した場合〕防湿層の厚さは、1〜1
000μm程度が好ましく、10〜300μm程度がよ
り好ましい。すなわち、あまり薄くし過ぎると防湿層に
ピンホールが発生し、充分な防湿性能が得られなくなる
恐れがあり、あまり厚くしすぎると、重いので取扱い性
が悪い。また、コストが高くなる。
【0052】〔形状回復する面に防湿層を設け、防湿層
を樹脂材料で形成した場合〕防湿層の厚さは、1〜50
0μm程度が好ましく、10〜100μm程度がより好
ましい。すなわち、あまり薄くし過ぎると防湿層にピン
ホールが発生し、充分な防湿性能が得られなくなる恐れ
があり、あまり厚くしすぎると、独立気泡樹脂発泡体に
防湿層を積層後、独立気泡樹脂発泡体を圧縮することで
形状回復発泡体を製造しようとした時、厚さ方向の圧縮
時に防湿層が剥がれやすいとともに、たとえば、斜めに
変形するなど思う方向に圧縮できなくなる恐れがある。
【0053】また、防湿層が耐腐食性に乏しい材料で形
成されている場合、防湿層の表面を耐腐食材によって被
覆しておくことが好ましい。耐腐食材としては、ポリエ
チレンやポリプロピレンなどの合成樹脂が挙げられる。
【0054】接着剤層は、発泡積層体を装着部に固定す
る場合に用いられ、発泡積層体の用途に応じて適宜選択
できるが、たとえば、アクリル系、エチレン−酢酸ビニ
ル系、ウレタン系、ゴム系、スチレン−ブタジエン系、
スチレン−イソプレン系等の感圧タイプの接着剤、ホッ
トメルト接着剤が挙げられ、また、保管性がよければ、
反応タイプの接着剤を用いるようにしても構わない。
【0055】軟質材層は、発泡積層体の装着面が凹凸面
である場合に設けることが好ましく、軟質材層を形成す
る材料としては、特に限定されないが、たとえば、塩化
ビニル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポ
リエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマ
ー、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム等が挙げら
れる。
【0056】軟質材層の厚さは、シール性およびガス透
過率によりその適性範囲が決められ、シールする部分の
表面凹凸に追従するよう、たとえば、表面凹凸の差の1
/2から5倍になるように厚さを設計することが好まし
く、ガス透過によって形状回復が図られるので、形状回
復に必要な時間によって最適な厚さに設定される。な
お、軟質材の種類によってもガス透過率が異なるため、
実際の最適な厚さについては発泡積層体を試験的に作製
し、検討するのが好ましいが、概ね30μmから3mm
の範囲が好ましい。すなわち、30μmを下回ると凹凸
表面への追従性が悪くシール性に劣り、3mmを越える
と、ガス透過性が悪く回復までに相当の時間がかかる恐
れがある。
【0057】軟質材層の積層方法は、特に限定されない
が、原料となる独立気泡樹脂発泡体を製造した直後に行
う方法と、独立気泡樹脂発泡体を収縮させて形状回復発
泡体を得た後に行う方法とが挙げられる。前者の方法
は、独立気泡樹脂発泡体と軟質材層となる高分子材料シ
ートとを熱融着により積層する場合に使用され、後者の
方法は接着剤を介して接着して積層する場合によく用い
られるが、熱融着により積層することが好ましい。
【0058】なお、熱融着は、たとえば、発泡体および
高分子材料薄膜となる高分子材料シートとを重ね合わせ
高周波加熱等によって両者又は少なくとも一方の界面を
加熱した状態で圧力を加えることによって得ることがで
きる。また、熱融着温度としては、発泡体が収縮した状
態で融着させる場合、発泡体の表面だけが軟化点以上に
なるのが好ましく、製造直後の収縮していない状態にお
いては発泡体全体が融点以上でも構わない。
【0059】但し、軟質材層は、形状回復発泡体の形状
回復しない面に沿って設けることが好ましい。
【0060】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面を参照しつつ詳しく説明する。図1は、本発明にかか
る形状回復発泡体の実施の形態をあらわしている。
【0061】図1に示すように、この形状回復発泡体1
は、原料としての独立気泡樹脂発泡体2が、2枚のプレ
ス板(図示せず)によって挟まれ、下式(1) 0.05<(c−b)/(a−b)<0.7・・・(1) (但し、式(1)中、aは原料となる独立気泡樹脂発泡
体の厚み、bは収縮時の形状回復発泡体の厚み、cは形
状回復後の発泡体の厚みである。)を満足するプラトー
領域から緻密化の前までの歪みを持った状態で所定時間
保持され、独立気泡樹脂発泡体が厚さ方向に収縮した状
態になっている。
【0062】すなわち、この形状回復発泡体1は、従来
の形状回復発泡体と同様に樹脂の弾性力によって徐々に
形状回復していくが、独立気泡樹脂発泡体2が弾性限界
を越えた歪みを持つように収縮されているため、従来の
形状回復発泡体と比べ、その形状回復の割合が小さくな
る。したがって、最終的に形状回復し飽和状態になった
時の発泡倍率が小さくなり、気密性だけでなく、水密性
を確保することができるとともに、形状回復時に挿入部
の部材の変形を防止することができる
【0063】
【実施例】以下に、本発明のより具体的な実施例を比較
例と対比させつつ詳しく説明する。 (実施例1)低密度ポリエチレン(三菱化学社製、LF
440HB、Tm=112.5℃)100重量部、発泡
剤としてのアゾジカルボンアミド(大塚化学社製 SO
−L)15重量部、過酸化物としてのジクミルパーオキ
サイド0.5重量部をロールで練り(140℃×5
分)、プレス(140℃×100kg/cm2 ×5分)して
500×500×3mmの原料シートを作成した。
【0064】この原料シートを230℃のオーブン内に
5分間投入し、発泡させて原料となる独立気泡樹脂発泡
体を得た。得られた独立気泡樹脂発泡体は、発泡倍率が
30.5倍、厚さが9.8mm、独立気泡率が85%であ
った。この独立気泡樹脂発泡体をプレス板に挟み、厚さ
が1.2mmになるまで圧縮し、この状態で3日間保持し
たのち、プレス板を外し発泡体を得た。
【0065】得られた発泡体は、厚さ1.4mmで、90
日後、4.8mmまで形状回復し、回復が飽和した。
【0066】(実施例2)実施例1と同様の独立気泡樹
脂発泡体をプレス板に挟み、厚さが2.5mmになるまで
圧縮し、この状態で2日間保持したのち、プレス板を外
した以外は、実施例1と同様にして発泡体を得た。得ら
れた発泡体は、厚さ2.6mmで、90日後6.0mmまで
形状回復し、回復が飽和した。
【0067】(実施例3)低密度ポリエチレン(三井石
油化学社製、ミラソン50、Tm=109℃)100重
量部、発泡剤としてのアゾジカルボンアミド(大塚化学
社製 SO−L)15重量部、発泡助剤としてのステア
リン酸亜鉛1重量部をロールで練り(140℃×5
分)、プレス(140℃×100kg/cm2 ×5分)して
500×500×3mmの原料シートを作成した。そし
て、この原料シートの両面に500kv×6Mradの電子線
を照射したのち、230℃のオーブン内に5分間投入
し、発泡させて独立気泡樹脂発泡体を得た。この発泡に
よって得られた独立気泡樹脂発泡体は、発泡倍率が3
2.1倍、厚さが10.3mm、独立気泡率が95%であ
った。
【0068】この独立気泡樹脂発泡体をプレス板に挟
み、厚さが2.1mmになるまで圧縮し、この状態で2日
間保持したのち、プレス板を外し発泡体を得た。
【0069】得られた発泡体は、厚さ2.4mmで、90
日後、6.1mmまで形状回復し、回復が飽和した。
【0070】(実施例4)実施例3と同様の独立気泡樹
脂発泡体をプレス板に挟み、厚さが1.0mmになるまで
圧縮し、この状態で2日間保持したのち、プレス板を外
した以外は、実施例3と同様にして発泡体を得た。得ら
れた発泡体は、厚さ1.3mmで、90日後3.6mmまで
形状回復し、回復が飽和した。
【0071】(実施例5)実施例1で得られた発泡体の
表面(縦横方向面)に20μmの厚さの接着剤としての
ブチルゴム(ムーニー粘度(100℃)=47、不飽和
度=2.0のイソブチレン・イソプレンゴム)を介して
30μmのアルミ箔を防湿層として積層するとともに、
発泡体の裏面にアクリル系感圧タイプ接着剤(綜研化学
社製、SKダイン1131P)により接着剤層を形成
し、防湿シートを得た。
【0072】(実施例6)実施例4で得られた発泡体を
用いて、実施例5と同様にして防湿シートを得た。 (実施例7)接着剤としてのブチルゴム(ムーニー粘度
(100℃)=47、不飽和度=2.0のイソブチレン
・イソプレンゴム)を用いて実施例2で得られた発泡体
の片面に100μmの厚さの接着剤層を形成し、発泡積
層体を得た。
【0073】(実施例8)接着剤としてのブチルゴム
(ムーニー粘度(100℃)=47、不飽和度=2.0
のイソブチレン・イソプレンゴム)を用いて実施例3で
得られた発泡体の片面に120μmの厚さの接着剤層を
形成し、発泡積層体を得た。
【0074】(実施例9)実施例1で得られた発泡体の
表面(縦横方向面)に30μmの厚さのアクリル系感圧
タイプ接着剤(綜研化学社製、SKダイン1131P)
層を介して、スチレン系エラストマー(旭化成工業社
製、タフテックスS2274、硬度70(JIS K
6301))からなる200μmの厚さの軟質材層を積
層するとともに、発泡体の裏面に接着剤としてのブチル
ゴム(ムーニー粘度(100℃)=47、不飽和度=
2.0のイソブチレン・イソプレンゴム)を用いて10
0μmの厚さの接着剤層を形成し、発泡積層体を得た。
【0075】(実施例10)実施例4で得られた発泡体
を用いた以外は、実施例9と同様にして発泡積層体を得
た。
【0076】(比較例1)実施例1で得られた独立気泡
樹脂発泡体をプレス板に挟み、厚さが4.0mmになるま
で圧縮し、この状態で1日間保持したのち、プレス板を
外し発泡体を得た。得られた発泡体は、厚さ4.1mm
で、60日後、9.2mmまで形状回復し、回復が飽和し
た。
【0077】(比較例2)実施例3で得られた独立気泡
樹脂発泡体をプレス板に挟み、厚さが4.0mmになるま
で圧縮し、この状態で1日間保持したのち、プレス板を
外し発泡体を得た。得られた発泡体は、厚さ4.2mm
で、70日後、9.9mmまで形状回復し、回復が飽和し
た。
【0078】上記実施例1〜10、比較例1,2で得ら
れた発泡体、防湿シート,発泡積層体のそれぞれについ
て、気密性、水密性の評価を行い、その結果を式(1)
の結果と併せて表1に示した。なお、気密性の評価、耐
火性の評価、以下のようにして行った。
【0079】〔気密性の評価〕各発泡体、防湿シートお
よび発泡積層体を幅200mmの表1に示す厚さの隙間
に、奥行き20mmで施工し、3ヶ月放置後に0.01kg
f/cm2 の圧力をかけ、空気の流量を計測した。 〔水密性の評価A〕図2に示すように、各発泡体、防湿
シートおよび発泡積層体の試験片7をU字形に曲げ、縦
150mm×横200mmの表面が平滑な1mm厚の2枚のア
クリル樹脂板8a,8bに粘着加工せずに挟み込んで、
U字の内部に水9を溜めて水漏れを調べた。
【0080】〔水密性の評価B〕水密製の評価Aで用い
た2枚のアクリル樹脂板のうち1枚を0.1mmの凹凸が
5個/cm2 の割合で表面に設けられたアクリル樹脂板に
交換し、このアクリル樹脂板の凹凸面を試験片7側に向
けて他方の平滑なアクリル樹脂と間で試験片7を挟み込
むようにした以外は、上記評価Aと同様にして水漏れを
調べた。 〔水密性の評価C〕縦500mm×横1000mmの表面が
平滑な2mm厚の2枚のアクリル樹脂板を用いた以外は、
上記評価Aと同様にして水漏れを調べた。
【0081】
【表1】
【0082】表1から本発明の形状回復発泡体が気密性
だけでなく十分な水密性を備えていることが明らかであ
る。
【0083】
【発明の効果】本発明にかかる形状回復発泡体は、以上
のように構成されているので、取扱性に優れ、狭い空間
でも簡単に充填することができ、断熱性、気密性は勿論
のこと、水密性にも優れている。しかも、余分な形状回
復力がなくなるため、強度的に弱い材質の部材の隙間に
も充填することができる。したがって、住宅、雑貨、文
具や玩具等の隙間のシール材としても好適に使用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる形状回復発泡体の実施の形態を
あらわす断面図である。
【図2】水密性の評価方法を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 形状回復発泡体 2 独立気泡樹脂発泡体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料となる独立気泡樹脂発泡体が樹脂の弾
    性変形領域以上の歪みで収縮していて、常温にて形状回
    復性を有する形状回復発泡体。
  2. 【請求項2】少なくとも一方向に、かつ、形状回復前と
    非相似形に形状回復可能とされている請求項1に記載の
    形状回復発泡体。
  3. 【請求項3】プラトー領域から緻密化の前までの歪みで
    あって、下式(1) 0.05<(c−b)/(a−b)<0.7・・・(1) (但し、式(1)中、aは原料となる独立気泡樹脂発泡
    体の厚み、bは収縮時の発泡体の厚み、cは形状回復後
    の発泡体の厚みである。)を満足する歪みで収縮してい
    る請求項1または2に記載の形状回復発泡体。
JP8268637A 1996-10-09 1996-10-09 形状回復発泡体 Pending JPH10110059A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6817441B2 (en) 2000-02-14 2004-11-16 Nichias Corporation Shape memory foam member and method of producing the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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