JP2013108065A - 止水シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体と、該支持体上に設けられた粘着剤層と、該粘着剤層上の略中央部に配置された止水層であって、該粘着剤層より小さな面積を有する止水層と、該粘着剤層の上に配された該止水層を覆うように該粘着剤層に積層された剥離フィルム、からなる止水シートであって、前記止水層が基材に末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含浸させてなる層である、止水シート。
【選択図】 なし
Description
また特許文献2には、配管の漏水箇所における補修方法として、漏水箇所に巻きつけるゴムバンドが提案されている。
また特許文献2に示すゴムバンドは、配管に巻きつけて使用するため、漏水箇所が平面である場合には使用できず、またひび割れ等の漏水箇所の形状が複雑であると止水を完全なものとすることができない。さらに同文献に示すゴムバンドは配管への仮止め手段と巻き付けられたゴムバンドの留付手段を必要とするなど、水漏れ箇所の止水に手間がかかる。
本発明は、濡れた状態であっても漏水箇所に貼り付けるだけで容易に止水できる止水シートを提供することを課題とするものである。
すなわち、本発明は、支持体と、
該支持体の表面を被覆する粘着剤層と、
前記支持体の周縁部を除いた部分の全体又は所要の箇所について、該粘着剤層上に設けられた止水層と、
該止水層を内包するように前記粘着剤層の上側に重ね積層された剥離フィルム、
からなる止水シートであって、
前記止水層が繊維質基材に末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含浸させてなる層である、止水シートに関するものである。
また本発明において、前記粘着剤層が、アクリル系粘着剤からなることが好ましい。
さらに本発明において、前記繊維質基材が、坪量が50乃至500g/m2、厚みが1乃至10mmの不織布であり、そして前記止水層が、前記末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを0.05乃至2.0g/cm2の含浸量にて前記繊維質基材に含浸させてなることが望ましい。
そして前記粘着剤層が、一辺が50mm乃至300mmの矩形状をなす平面層であり、前記止水層が、一辺が30乃至200mmの矩形状をなす平面層であることがより好ましい。
また本発明の止水シート製品は、長期間保管後においても、止水性能の劣化が少なく、保存安定性に優れた止水シートを提供できる。
こうした従来の漏水防止材等は、水漏れが今まさに起こっている箇所に対しては、吸水後の重みにより吸水性樹脂が剥がれ落ちてしまったり、漏水箇所への接着・粘着性に欠けてしまったり、或いは、水が漏れているために止水を完了させるのに多くの時間を要するなどの問題のために、適用することが難しい。このため、漏水部分が乾くまで止水処置の実施が難しく、長時間濡れたままの状態が継続することとなる。
さらに本発明者らは、漏水は予告なく起こるものであることを考慮し、製造した止水シートの一定期間以上の保存安定性を検討した。そして、従来、建築現場等で使用する積層シート材に多用されているものの、中に含まれる硬化促進剤によって前記ウレタンプレポ
リマーが反応して保存安定性の劣化の要因となる、ウレタン系粘着剤の使用を制限することが好ましいとする結論に至った。
そして本発明者らは、雨樋や天井といった本発明の止水シートの適用箇所を考慮し、止水シートを貼付してからプレポリマーの接着力が発現するまでの漏水箇所への接着性や、止水シートが漏水箇所から自重により落下するのを防止するための接着性の付与を検討し、止水層が粘着剤層よりも一回り小さく、すなわち止水層の外縁の外側に粘着部が存在する構成を思いついた。
これらを踏まえ、本発明者らは、前記ウレタンプレポリマーを吸水性の繊維質基材に含浸させて止水層とし、これを粘着剤層を介して支持体上に配置してなる止水シートの構成を完成させた。
以下、本発明の止水シートについて詳細に説明する。
[末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー]
本発明で用いられる末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、例えばポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール等の親水性ポリオールと、有機ポリイソシアネートを反応させることにより得ることができる。
ポリエーテルポリオールとしては、2個以上の活性水素原子を有する化合物(たとえば多価アルコール、多価フェノール、アミンなど)にアルキレンオキサイドが付加した構造を有する化合物およびそれらの混合物が挙げられる。
多価フェノールとしてはヒドロキノン、レゾルシン、ピロガロール、フロログルシノールなどの単環多価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールスルホンなどのビスフェノール類などが挙げられる。
上記2個以上の活性水素原子を有する化合物は1種を単独で、また2種以上の化合物を混合して使用してもよく、2種以上を混合する場合には3個以上の活性水素原子を有する化合物を少なくともその一部に含むことが養生時間の短縮の点でより好ましい。
中でも、好ましいものは多価フェノールと3価以上の脂肪族アルコールとの併用である。
イドの割合が50質量%以上であれば好ましく、70質量%以上であればより好ましい。
ポリエーテルポリオールの水酸基価は特に限定されないが、適度な親水性が得られる点で3〜50mgKOH/gであれば好ましく、5〜30mgKOH/gであればより好ましい。
ポリエステルポリオールの具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン又はトリメチロールプロパン等のポリオールと、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等の飽和又は不飽和の多価カルボン酸、若しくはこれらの酸無水物との縮合生成物や、ポリカプロラクトンポリオール等が挙げられる。これらポリエステルポリオールは必要に応じ二種以上を混合使用することもできる。この中でも特に重量平均分子量が100〜50,000のポリエステルポリオールを用いることが好ましく、重量平均分子量200〜20,000のものをさらに好ましく使用できる。
有機ポリイソシアネートとしては、例えば、以下に示す芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、そしてこれらポリイソシアネートの変性物などが挙げられる。
・炭素原子数(イソシアネート基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ポリイソシアネート[1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−又は2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート及びクルードMDI];
・炭素原子数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート[エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネートなど];
・炭素原子数8〜15の脂環式ポリイソシアネート[イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアネートエチル)4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレートなど];
炭素原子数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート[キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)など];
・上記ポリイソシアネートの変成物(カーボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基などを含有する変成物)など。
これらの中で、良好な止水性能が得られる点で脂肪族、芳香族または脂環式のポリイソシアネート、特にジイソシアネートが好ましく、中でもHDI、IPDIおよびMDIがより好ましい。
上記ポリオールと有機ポリイソシアネートとの反応は、通常、反応装置にポリオールお
よび有機ポリイソシアネートを仕込んで撹拌し、60〜160℃で反応させて行なうことができる。その際、必要に応じてモノブチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイド、テトラオクチル錫、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ラウリレート、ジオクチル錫ラウリレート等の錫系触媒を使用することができる。
上記ポリオールと有機ポリイソシアネートの反応は、ポリオールの末端OH基と有機ポリイソシアネートの末端NCO基の割合(モル比)が、好ましくは1:1.2〜8、より好ましくは1:1.5〜4となるように反応させることが好ましい。
また、得られる末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーにおいて、好ましくは末端イソシアネート基の含有量は、プレポリマーの分子量に対して0.5〜10質量%となるウレタンプレポリマーが望ましい。末端イソシアネート基含有量が上記範囲内であると、形成された止水シート(止水層)自体の水膨張性、ひいては止水性がより良好となる。
後述する支持体上に積層され、前述の末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含浸させる繊維質基材としては、該プレポリマーを含浸させることができる材料であれば特に限定されるものではないが、綿布、スフ布等の織布;ポリエステル系不織布、レーヨン系不織布、セルロース系不織布、ビニロン系不織布、及びこれら混合繊維からなる不織布等;クラフト紙、クレープ紙、和紙等の紙等が挙げられる。またポリウレタン、ポリクロロプレンゴム、ポリエチレン等を発泡させてなる発泡体シート等も基材として使用可能である。また、漏水箇所の形状が平坦でない場合でも貼り付けることができるため、繊維質基材は後述する支持体とともに柔軟な素材であることが好ましい。
繊維質基材として不織布を使用する場合の坪量・厚みは、選択する不織布の種類にもよるが、およそ坪量が50乃至500g/m2、好ましくは100乃至300g/m2、より好ましくは150乃至250g/m2であり、また厚みは1乃至10mm、好ましくは2乃至5mmである。
本発明の止水シートに用いる支持体としては、適度に耐水性がある材質であれば特に限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン又はスチレン−イソプレンを主体とするブロック共重合樹脂、ブタジエン−スチレン−メタクリル酸メチル共重合樹脂、ナイロン等のポリアミド、ポリウレタン、ポリウレタン・塩化ビニル共重合体、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート共重合体、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、レーヨン等のセルロース誘導体などの合成樹脂、綿、麻、パルプ(紙)及びアルミニウム等からなる、フィルム・箔、織布、編布、不織布が挙げられる。特に、PET、ポリエチレンナフタレート、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル等の樹脂フィルム、アルミ箔、紙が好ましく使用さ
れる。止水シートの強度や耐久性、防湿性を増すために、必要に応じてこれらの2種以上を併用してもよい。また、漏水箇所の形状が平坦でない場合でも貼り付けることができるため、前記繊維質基材と同様に柔軟な素材であることが好ましい。
本発明の止水シートにおいて、前記支持体の表面を被覆する粘着剤層に使用する粘着剤は限定されないが、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等を用いることができる。なお、例えばウレタン系粘着剤は、その中に含まれる硬化促進剤が止水層に含まれるウレタンプレポリマーと反応して長期間保管後に止水性能の劣化を引き起こす虞があることから、好ましくは該粘着剤層はそのような虞のないアクリル系粘着剤からなることが望ましい。
ここで使用可能なアクリル系粘着剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1種又は2種以上を40質量%以上の割合で重合した重合体を挙げることができる。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルにおけるアルキル基としては、炭素原子数4〜12の直鎖又は分岐鎖状アルキル基が好ましく、具体的には、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお本明細書において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとは、アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸エステルの両方をいう。
また、上述の<支持体>に挙げた材料に、上記粘着剤が塗布されてなる市販のテープ材料を、<支持体>及び<粘着剤層>として使用することもできる。
本発明の止水シートに使用する剥離フィルムとしては、防湿性のある材質であれば特に限定されるものはないが、無延伸ポリプロピレン(CPP)、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンなどの合成樹脂からなるフィルム、紙や合成紙、またこれらと前述の合成樹脂をラミネートして複合させたフィルム又はシート、アルミ箔、蒸着フィルムと上記素材(合成樹脂、紙等)をラミネートして複合化させたフィルム又はシート、及び上記単一素材又は複合素材において表面をシリコン加工やエンボス加工、更には印刷又は着色を施したものを用いることができる。
本発明の止水シートの製造方法は特に限定されないが、例えば、前記支持体の表面を被覆するように粘着剤を塗布し粘着剤層を形成し、ここに前記止水層となる基材を貼付した後、末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを該基材に含浸させて止水層とし、その後前記剥離フィルムで該粘着剤層の上に配された該止水層を覆うように粘着剤層を被覆することにより、製造できる。或いは、末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを基材に含浸させて得られた止水層を、支持体上に形成された粘着剤層の上に貼付し、その後該剥離フィルムで該粘着剤層の上に配された該止水層を覆うように粘着剤層を被覆することにより製造できる。
してなる。これにより、止水シートを貼付してからプレポリマーの接着力が発現するまでの漏水箇所周辺に粘着部が接着することができ、したがって漏水箇所に短時間で簡便に貼付可能であり、また、漏水箇所と止水シートの隙間から漏水することを防止でき、さらに、止水シートが漏水箇所から自重により落下するのを粘着部の接着性によって防止することができる。
さらに保存性を高めるために、保存時の包装材内に湿気吸収剤(乾燥剤)を封入するか、或いは乾燥空気を封入してもよい。
なお、本発明の止水シートを、アルミラミネート包装材内に、湿気吸収剤とともに密封してなる、止水シート製品も本発明の対象である。
特に本発明の止水シートは、幅が1cm程度のひび割れ、或いは最大径が5cm程度の穴からの漏水に対して好適に適用できる。また、長さが20cm以上のひび割れに対しても、止水シートを重ねて貼り付けることで適用することができる。
レゾルシンのエチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック付加物(付加させた全アルキレンオキサイドの総質量に基いてエチレンオキサイド含量80質量%、水酸基価11)60g及びグリセリンのエチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック付加物(同エチレンオキサイド含量80質量%、水酸基価19)50gに、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート20gを反応させ、末端NCO基含量がプレポリマーの分子量に対して4質量%のウレタンプレポリマーaを得た。
グリセリンのエチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック付加物のかわりに、ジグリセリンのエチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック付加物(付加させた全アルキレンオキサイドの総質量に基いてエチレンオキサイド含量80質量%、水酸基価28)50gを用いた以外は合成例1と同様にして末端NCO基含量がプレポリマーの分子量に対して4質量%のウレタンプレポリマーbを得た。
粘着剤層としてアクリル系粘着剤を使用したアルミテープ(170×100mm)(粘着剤層+支持体)を使用し、該テープの粘着剤層上に、基材としてレーヨン/PET=65/35の混合繊維からなる不織布(150mm×75mm×2mm、坪量210g/m2)を貼付し、外縁に幅約10mmの粘着部を有するシートを得た。次に、基材部分に合成例1又は合成例2で得たウレタンプレポリマーをそれぞれ18g塗布して止水層とし、止水層全体にポリエチレンフィルムを被せて、実施例1(ウレタンプレポリマーa使用)又は実施例2(ウレタンプレポリマーb使用)の止水シートを作製した。
内径55mm、高さ1100mmの塩化ビニル製竪樋に1000mmの高さまで水を充填し、下部に3mm径の穴を開けて漏水させた。製造直後の止水シート、包装容器に入れ、常温保管(2ヶ月、4ヶ月)した止水シートについて、それぞれポリエチレンフィルムを剥離して漏水部に貼り付け、圧着した。止水施工後、1ヶ月以上止水性を保持したものを合格(○)とした。評価結果を表1に示す。
厚み0.8mmのカラーGL鋼板からなる重ね折板ルーフデッキを屋根材に、幅120mmの塩ビ軒樋、直径50mmの塩ビ竪樋及び同エルボ部を備えた仮設屋根を作製し、折板屋根の凹部(幅50mm)及び樋部分に毎分4リットル程度の水を流して、各条件で屋根裏側に漏水させた。各漏水箇所に、上記ウレタンプレポリマーaを使用した実施例1の止水シートにて止水施工を実施した。
また、折板の重ね部分に使用した接合ボルトに、毎分4リットル程度の水をかけて屋根裏側に漏水させ、漏水箇所に止水シートを貼り付け以下の基準にて止水性、施工性及び耐久性を評価した。評価結果を表2に示す。
<止水性>
○:止水施工後、1ヶ月以上止水性を保持。
<施工性>
◎:シートをそのままの形状で貼付け止水施工が出来る。
○:シートを漏水部分の形状に合わせる工夫、もしくはシート圧着時間が数分必要。<耐久性>
○:シート剥がれ等の大きな外観変化なく、ウレタンプレポリマーの柔軟性を維持して漏水部変形等への追従性を1ヶ月以上保持している。
また、シート施工部分を1ヶ月以上放置しても、施工箇所での再漏水やシート外観の変形、ウレタン樹脂の硬化は見られず、良好な止水性能・耐久性能・躯体追従性能を示した。
上記[実施例1及び実施例2]において、合成例1又は合成例2で得たウレタンプレポリマーの代わりに、ポリアクリル酸塩(架橋ポリアクリル酸ナトリウムゲル:SAP)gを使用した以外は、同様の手順にて比較例1の止水シートを作製した。
製造直後の実施例1の止水シートと比較例1の止水シートを用い、上記[試験例1]と同様の手順にて、各止水シートの止水性能試験を実施した。
漏水部に貼り付け圧着後(初期止水性)と、圧着後1日経過後(経時後止水性)において、漏水部において止水性を保持していたものを○、漏水部から止水シートが剥がれたものを×として評価した。評価結果を表3に示す。
粘着剤層としてウレタン系粘着剤を使用したアルミテープ(170×100mm)を使
用し、該テープの粘着剤層上に、基材としてレーヨン/PET=65/35の混合繊維からなる不織布(150mm×75mm×2mm、坪量210g/m2)を貼付し、外縁に幅約10mmの粘着部を有するシートを得た。次に、基材部分に合成例1で得たウレタンプレポリマーaを18g塗布して止水層とし、止水層全体にポリエチレンフィルムを被せて、実施例3の止水シートを作製した。
実施例1及び実施例3の止水シート包装容器に入れ、常温保管(4ヶ月、7ヶ月、12ヶ月)し、これらを[試験例1]の手順に倣い漏水部に貼り付け、圧着した。止水施工後1ヶ月以上止水性を保持したものを○、止水性を1ヶ月保持出来なかったものを×として評価した。評価結果を表4に示す。
止水層に含まれるウレタンプレポリマーの種類、特にポリエーテルポリオールの種類を平均官能基数(OH数)とエチレンオキサイド/プロピレンオキサイドの付加比率(質量%)とを種々変更した以外は、[実施例1]と同様の手順及び材料にて止水シートを製造した。
各実施例及び比較例において使用したポリエーテルポリオールの種類を表5に示す。
製造直後の実施例4〜実施例8の止水シートを用い、上記[試験例1]と同様の手順にて、各止水シートの止水性能試験を実施した。
漏水部に貼り付け、圧着後に止水性を発現していたものについて初期止水性を○とした。また養生後の止水性として、5分間手を添えて養生後に止水性を発現していたものを○、10分間手を添えて養生後に止水性を発現していたものを△、10分間養生後も止水性を発現しなかったものを×として評価した。評価結果を表5に示す。
またポリエーテルポリオールのエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(EO/PO)の付加比率においてエチレンオキサイドを50質量%以上(実施例4乃至実施例8)とすることにより、5分後の止水性が向上した。
Claims (8)
- 支持体と、
該支持体の表面を被覆する粘着剤層と、
前記支持体の周縁部を除いた部分の全体又は所要の箇所について、該粘着剤層上に設けられた止水層と、
該止水層を内包するように前記粘着剤層の上側に重ね積層された剥離フィルム、
からなる止水シートであって、
前記止水層が繊維質基材に末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含浸させてなる層である、止水シート。 - 前記末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーが、ポリエーテルポリオールと有機ポリイソシアネートを反応させることにより得られるプレポリマーである、請求項1に記載の止水シート。
- 前記ポリエーテルポリオールが、多価フェノールのアルキレンオキサイド付加物である、請求項2に記載の止水シート。
- 前記粘着剤層が、アクリル系粘着剤からなる、請求項1記載の止水シート。
- 前記繊維質基材が、坪量が50乃至500g/m2、厚みが1乃至10mmの不織布である、請求項1記載の止水シート。
- 前記止水層が、前記末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを0.05乃至2.0g/cm2の含浸量にて前記繊維質基材に含浸させてなる、請求項5記載の止水シート。
- 前記粘着剤層が、一辺が50mm乃至300mmの矩形状をなす平面層であり、前記止水層が、一辺が30乃至200mmの矩形状をなす平面層である、請求項1記載の止水シート。
- 請求項1乃至請求項7のうち何れか一項に記載の止水シートを、アルミラミネート包装材内に、湿気吸収剤とともに密封してなる、止水シート製品。
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