JPH1010664A - ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法

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JPH1010664A
JPH1010664A JP16120296A JP16120296A JPH1010664A JP H1010664 A JPH1010664 A JP H1010664A JP 16120296 A JP16120296 A JP 16120296A JP 16120296 A JP16120296 A JP 16120296A JP H1010664 A JPH1010664 A JP H1010664A
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membrane
silver halide
emulsion
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JP16120296A
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English (en)
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Masanori Abe
雅則 阿部
Ichizo Totani
市三 戸谷
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸着物質を使用するハロゲン化銀写真感
光材料の製造方法において、該吸着物質に起因する写真
性能上の問題をなくすとともにコスト、効率(特に短時
間で行える点)、再現性の良いハロゲン化銀写真感光材
料の製造方法を提供する。 【解決手段】 上記課題は、ハロゲン化銀写真感光材料
の製造方法において、該感光材料に含まれるハロゲン化
銀乳剤に添加した吸着物質を一部または全部除去する能
力のある膜を用いて吸着物質を透過除去することを特徴
とするハロゲン化銀写真感光材料の製造方法によって解
決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は膜を用いたハロゲン
化銀写真感光材料の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】以前からハロゲン化銀の粒子成長、表面
修飾、化学増感の制御などにハロゲン化銀粒子への吸着
物質を用いている。しかしながら感光材料として残って
しまうことによる問題(増感色素など他の吸着物への吸
着阻害、残色、感光性への阻害など)が多く指摘されて
きた。そのため吸着物質を除去する方法が多く提案され
ている。特開昭61−219948号、同61−219
949号、同62−23035号、同62−24095
1号、同63−40139号、同63−40137号、
特開平1−201651号、特願平2−124725
号、同2−131735号、同2−128589号がそ
れである。しかしながら脱着剤と乳剤の分離に関して
は、バッチ式のものをミクロフィルターでロ過するのみ
であり、生産工程上ハンドリングが不便であった。
【0003】上記問題点を改善する手段として、乳剤を
多孔性樹脂と接触させて吸着物質を吸着除去する方法が
開発されている(特開平5−224325号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】乳剤の吸着物質を除去
する方法は、写真性能に影響を与えることなく処理が行
なえ、再現性のよいハロゲン化銀写真感光材料が得られ
るものではならない。多孔性樹脂で処理する方法はこれ
らの要件を満足するものではあったが、除去効率が不充
分であり、また、吸着物質を吸着した樹脂の再生が必要
であるため、より効率のよい吸着物質除去方法の開発が
望まれていた。
【0005】本発明の目的は、吸着物質を使用するハロ
ゲン化銀写真感光材料の製造方法において、該吸着物質
に起因する写真性能上の問題をなくすとともにコスト、
効率(特に短時間で行える点)、再現性の良いハロゲン
化銀写真感光材料の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、ハロゲン化
銀写真感光材料の製造方法において、該感光材料に含ま
れるハロゲン化銀乳剤に添加した吸着物質を一部または
全部除去する能力のある膜を用いて吸着物質を透過除去
することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の製造
方法によって解決される。
【0007】
【発明の実施の形態】ハロゲン化銀乳剤に用いることの
できるハロゲン化銀としては、臭化銀、沃臭化銀、沃塩
臭化銀、塩臭化銀、塩化銀などいずれのものでもよい。
好ましくは、沃臭化銀(I=0〜10モル%)、臭化
銀、塩臭化銀である。AgI分布としては内部高濃度で
あっても外部高濃度であってもよい。
【0008】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の形
態はいかようでもよいが、平板状粒子が好ましい。
【0009】この平板状粒子のアスペクト比は、平板状
粒子個々の粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直
径の平均値と平板状粒子個々の粒子、厚みの平均値との
比で与えられる。
【0010】好ましい粒子形態としてはアスペクト比4
以上20未満、より好ましくは5以上10未満である。
さらに粒子の厚みは0.3μm以下が好ましく、特に
0.2μm以下が好ましい。
【0011】平板状粒子は全粒子の好ましくは80重量
%、より好ましくは90重量%以上存在することが好ま
しい。
【0012】ハロゲン化銀粒子形成または物理熟成の過
程において、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム
塩、イリジウム塩またはその錯塩、ロジウム塩またはそ
の錯塩、鉄塩または鉄錯塩などを存在させてもよい。ま
た、必要により、化学増感することができる。
【0013】化学増感方法としてはいわゆる金化合物に
よる金増感法又はイリジウム、白金、ロジウム、パラジ
ウム等の金属による増感法或いは含硫黄化合物を用いる
硫黄増感法、或いは錯塩類、ポリアミン等による還元増
感法、或いはこれらの2つ以上の組み合わせを用いるこ
とができる。平板状ハロゲン化銀粒子の製法としては、
当業界で知られた方法を適宜、組合せることにより成し
得る。
【0014】平板状ハロゲン化銀乳剤は、特開昭58−
127921号、特開昭58−113927号、特開昭
58−113928号各公報に記載された方法等を参照
すれば容易に調製できる。
【0015】また、pBr1.3以下の比較的低pBr
値の雰囲気中で平板状粒子が重量で40%以上存在する
種晶を形成し、同程度のpBr値に保ちつつ銀及びハロ
ゲン溶液を同時に添加しつつ種晶を成長させることによ
り得られる。
【0016】この粒子成長過程に於いて、新たな結晶核
が発生しないように銀及びハロゲン溶液を添加すること
が望ましい。
【0017】平板状ハロゲン化銀粒子の大きさは、温度
調節、溶剤の種類や量の選択、粒子成長時に用いる銀
塩、及びハロゲン化物の添加速度等をコントロールする
ことにより調整できる。
【0018】本発明の感光材料の銀量としては、好まし
くは0.5g/m2〜5g/m2(片面で)、より好まし
くは1g/m2〜4g/m2(片面で)である。
【0019】迅速処理適正としては5g/m2をこえな
いことが好ましい。
【0020】吸着物質としては例えば増感色素が挙げら
れる。その他に吸着物質としていわゆるハロゲン化銀溶
剤、カプリ防止剤、安定剤が上記の増感色素と同様に使
用することが好ましい。この吸着物質としては、分子量
の大きな(MW≧120)化合物、芳香族環を有する有
機化合物、水への溶解度が低い化合物が好ましい。
【0021】吸着物質の添加位置はハロゲン化銀粒子の
成長の前から化学増感が終了し、塗布する直前までのど
こでも良いが、膜処理を行なう前である。具体的位置と
しては、従来から知られているように粒子成長の段階、
水洗段階、水洗終了後化学増感の前まで、化学増感中な
どが挙げられる。好ましくは化学増感の前までに添加さ
れるのが良い。
【0022】吸着物質を一部または全部除去する能力の
ある膜はポアサイズが0.5〜50nm、好ましくは1
〜10nmのものである。この膜には公知の透析膜、浸
透膜等を利用できる。膜にはセロファン膜、酢酸セルロ
ース膜等も使用できるが、好ましいものは合成高分子膜
であり、エチレン−ビニルアルコール共重合体膜、ポリ
アクリロニトリル膜、アクリロニトリル−メタリルスル
ホン酸ナトリウム共重合体膜、ポリカーボネート−ポリ
エチレングリコールブロック共重合体膜、ポリアミノ酸
膜、等を使用できる。膜の形状は中空系、管状、シート
状等いずれであってもよい。膜面積は乳剤中のハロゲン
化銀1モルに対し0.05〜5m2程度、通常0.1〜1
2程度である。
【0023】膜を装着する装置は市販の透析装置でよ
い。
【0024】膜による透過を行なう方法としては、透過
液には吸着物質を溶解しうるもの、例えばメタノール、
ジメチル硫酸・ジメチルホルムアミド等を用いる。乳剤
側と透過液側の間には、吸着物質の透過液側への移行を
促進するため圧力差を設けることが好ましい。圧力差は
0.01〜5kg・f/cm2程度、好ましくは0.1〜
1kg・f/cm2程度が適当であり、そのために乳剤
側のポンプ重力、タンク圧力や透過液側の減圧等を調節
する。透過温度は35〜70℃、通常は38〜60℃程
度でよい。乳剤の供給方式は所期の目的を達成できれば
よく、透過膜に循環させてもよく、ワンパスであっても
よい。後者の場合、透過膜装置を2以上直列に配置して
もよい。透過の進行に伴い乳剤の分散媒液体(通常は
水)が減少するので、必要により適宜補充する。
【0025】この膜による透過は化学増感が終了した後
に行なうのが良い。その場合、塗布直前までに脱着させ
た増感色素と同じ種類のものを加えても良いし、別の種
類のものでも良い。好ましくは脱着される前吸着してい
た増感色素の量よりも少ないかまたは添加するときの温
度が低いことが良い。
【0026】本発明において吸着物質として、あるいは
分光増感のため用いられる増感色素としては、シアニン
色素、メロシアニン色素、混合シアニン色素、ホロポー
ラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素お
よびヘミオキソノール色素などである。特に有用な色素
としては、シアニン色素、メロシアニン色素、および複
合メロシアニン色素に属する色素を挙げることができ
る。
【0027】これらの色素類には、塩基性異節環核とし
てシアニン色素類に通常利用される核のいずれをも適用
できる。すなわち、ピロリン核、オキサゾリン核、チア
ゾリン核、ピロール核、オキサゾール核、チアゾール
核、セレナゾール核、イミダゾール核、テトラゾール
核、ピリジン核など;これらの核に脂環式炭化水素環が
融合した核;およびこれらの核に芳香族炭化水素環が融
合した核、すなわち、インドレニン核、ベンズインドレ
ニン核、インドール核、ベンズオキサドール核、ナフト
オキサゾール核、ベンズチアゾール核、ナフトチアゾー
ル核、ベンゾセレナゾール核、ベンゾイミダゾール核、
キノリン核などが適用できる。これらの核は炭素原子上
に置換されていてもよい。
【0028】メロシアニン色素または複合メロシアニン
色素にはケトメチレン構造を有する核としてピラゾリン
−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾ
リジン−2,4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−ジ
オン核、ローダニン核、チオバルビツール酸核などの5
〜6員異節環核を適用することができる。
【0029】例えばリサーチ・ディスクロージャー17
643項、第23項IV項(1978年12月)に記載
された化合物または引用された文献に記載された化合物
を用いることができる。
【0030】より具体的には以下の化合物を用いること
ができる。 5,5’−ジクロロ−3,3’−ジエチルチアシアニン臭
化物 5,5’−ジクロロ−3,3’−ジ(4−スルホブチル)−
チアシアニンNa塩 5−メトキシ−4,5−ベンゾ−3,3’−ジ(3−スル
ホプロピル)チアシアニンNa塩 5,5’−ジクロロ−3,3’−ジエチルセレナシアニン
沃化物 5,5’−ジクロロ−9−エチル−3,3’−ジ(3−ス
ルホプロピル)チアカルボシアニンピリジニウム塩 アンヒドロ−5,5'−ジクロロ−9−エチル−3−(4
−スルホブチル)−3’−エチル水酸化物 1,1−ジエチル−2,2’−シアニン臭化物 1,1−ジペンチル−2,2’−シアニン過塩素酸 9−メチル−3,3’−ジ(4−スルホブチル)−チアカ
ルボシアニンピリジニウム塩 5,5’−ジフェニル−9−エチル−3,3’−ジ(2−
スルホエチル)−オキサカルボシアニンNa塩 5−クロロ−5’−フェニル−9−エチル−3−(3−
スルホプロピル)−3’−(2−スルホエチル)オキサ
カルボシアニンNa塩 5,5’−ジクロロ−9−エチル−3,3’−ジ(3−ス
ルホプロピル)−オキサカルボシアニンNa塩 5,5'−ジクロロ−6,6'−ジクロロ−1,1'−ジエチ
ル−3,3'−ジ(3−スルホプロピル)イミダカルボシ
アニンNa塩 5,5’−ジフェニル−9−エチル−3,3’−ジ(3−
スルホプロピル)チアカルボシアニンNa塩
【0031】本発明に用いられる増感色素を乳剤に添加
する時期は、乳剤を適当な支持体上に塗布される前が一
般的だが、化学増感工程あるいはハロゲン化銀粒子形成
工程であってもよい。
【0032】本発明に用いられる写真乳剤には、吸着物
質として、あるいは感光材料の製造工程、保存中あるい
は写真処理中のカブリを防止しあるいは写真性能を安定
化させる目的で、種々の化合物を含有させることができ
る。すなわちアゾール類たとえばベンゾチアゾタウム
塩、ニトロインダゾール類、ニトロベンズイミダゾール
類、クロロベンズイミダゾール類、ブロモベンズイミダ
ゾール類、ミノトリアゾール類、ベンゾトリアゾール
類、ニトロベンゾトリアゾール類、アザインデン類、た
とえばトリアザインデン類、テトラアザインデン類(特
に4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,7)テトラザイ
ンデン類)、ペンタアザインデン類など:ベンゼンチオ
スルフォン酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフ
ォン酸アミド等のようなカブリ防止剤または安定剤とし
て知られた多くの化合物を加えることができる。
【0033】本発明の写真感光材料に用いられる各種添
加剤等については特に制限は無く例えば、前記の他にも
以下の該当箇所に記載のものを用いる事が出来る。
【0034】 項 目 該 当 個 所 1)ハロゲン化銀乳剤とその製法:特開平2−68539号公報第8頁右下欄下 から6行目から同第10頁右上欄12行目、同3−24537号公報第2頁右下 欄10行目ないし第6頁右上欄1行目、同第10頁左上欄16行目ないし第11 頁左下欄19行目、特願平4−107442号公報。 2)化学増感方法:特開平2−68539号公報第10頁右上欄13行目から同 左上欄16行目、特願平5−313282号公報。 3)カブリ防止剤・安定剤:特開平2−68539号公報第10頁左下欄17行 目から同第11頁左上欄7行目及び同第3頁左下欄2行目から同第4頁左上欄。 4)色調改良剤:特開昭62−276539号公報第2頁左下欄7行目から同第 10頁左下欄20行目、特開平3−94249号公報第6頁左下欄15行目から 第11頁右上欄19行目。 5)分光増感色素:特開平2−68539号公報第4頁右上欄4行目から同第8 頁右下欄。 6)界面活性剤・帯電防止剤:特開平2−68539号公報第11頁左上欄14 行目から同第12頁左上欄9行目。 7)マット剤・滑り剤・可塑剤:特開平2−68539号公報第12頁左上欄1 0行目から同右上欄10行目、同第14頁左下欄10行目から同右下欄1行目。 8)親水性コロイド:特開平2−68539号公報第12頁右上欄11行目から 同左下欄16行目。 9)硬膜剤:特開平2−68539号公報第12頁左下欄17行目から同第13 頁右上欄6行目。 10)支持体:特開平2−68539号公報第13頁右上欄7行目から20行目 。 11)クロスオーバーカット法:特開平2−264944号公報第4頁右上欄2 0行目から同第14頁右上欄。 12)染料、媒染剤:特開平2−68539号公報第13頁左下欄1行目から同 第14頁左下欄9行目。同3−24537号公報第14頁左下欄から同第16頁 右下欄。 13)ポリヒドロキシベンゼン類:特開昭3−39948号公報第11頁左上欄 から同第12頁左下欄、EP特許第452772A号公報。 14)層構成:特開平3−198041号公報。 15)現像処理方法:特開平2−103037号公報第16頁右上欄7行目から 同第19頁左下欄15行目、及び特開平2−115837号公報第3頁右下欄5 行目から同第6頁右上欄10行目。
【0035】以下に実施例を示し、本願をさらに説明す
る。
【0036】
【実施例】
実施例 平板状粒子の調製 水1リットル中に臭化カリウム6g、平均分子量1万5
千の低分子量ゼラチン7gを添加し、55℃に保った容
器中へ攪拌しながら硝酸銀水溶液37cc(硝酸銀4.
00g)と臭化カリウム5.9gを含む水溶液38cc
をダブルジェット法により37秒間で添加した。つぎ
に、ゼラチン18.6gを添加した後、70℃に昇温し
て硝酸銀水溶液89cc(硝酸銀9.8g)を22分間
かけて添加した。ここで25%のアンモニア水溶液7c
cを添加、そのままの温度で10分間物理熟成した後、
100%酢酸溶液を6.5cc添加した。引き続いて硝
酸銀153gの水溶液と臭化カリウムの水溶液をpAg
8.5に保ちながらコントロールダブルジェット法で3
5分かけて添加した。次に2Nのチオシアン酸カリウム
溶液15ccを添加した。5分間そのままの温度で物理
熟成した後、35℃に温度を下げた。平均投影面積直径
1.10μm、厚み0.145μm、直径の変動係数1
8.5%の単分散純臭化銀平板状粒子を得た。
【0037】この後、凝集沈降法により可溶性塩類を除
去した。再び40℃に昇温してゼラチン30gとフェノ
キシエタノール2.35gおよび増粘剤としてポリスチ
レンスルホン酸ナトリウム0.8gを添加し、苛性ソー
ダと硝酸銀溶液でpH5.90、pAg8.00に調整
した。
【0038】この乳剤を攪拌しながら56℃に保った状
態で化学増感を施した。まず、C25SO2SNa(チオ
スルフォン酸化合物−I)を1×10-5モル/モルAg
添加し、つぎにAgI微粒子を0.1モル%添加し、さ
らに二酸化チオ尿素0.043mgを添加し、22分間
そのまま保持して還元増感を施した。つぎに、4−ヒド
ロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザイン
デン20mgと下記の増感色素−I
【0039】
【化1】 を400mgを添加した。さらに塩化カルシウム0.8
3gを添加した。引き続きチオ硫酸ナトリウム1.3m
gと下記のセレン化合物−I 1.9mgと塩化金酸2.
6mgおよびチオシアン酸カリウム90mgを添加し、
40分後に35℃に冷却した。
【0040】こうして平板状粒子T−Iの乳剤を調製完
了した。
【0041】
【化2】
【0042】色素脱着処理 本発明法 処理液タンク1、膜モジュール2及び送液ポンプ3より
なる図1に示す装置を用いた。膜には膜面積が1.9m2
でポアサイズが20nmのポリアクリロニトリル膜を用
いた。処理液タンク1に上記の平板状粒子T−Iの乳剤
3リットルを入れ、乳剤、系とも56℃に保ったまま1
50cc/分の流速で送液して膜濾過した。透過側の液
にはメタノールを用い、150cc/分で通液した。乳
剤側圧力0.3kg・f/cm2、溶剤側圧力0・2k
g・f/cm2の条件にて膜濾過開始後5分毎に処理液
タンクよりサンプリングを行ない、日立307型カラー
アナライザーで乳剤の反射スペクトルを測定し、色素に
基づく550nmの吸収強度から色素脱着率を算出し
た。
【0043】 表A:色素脱着率の時間依存性 時 間 脱 着 率 5′ 40.2% 15′ 100 %
【0044】従来法 特開平5−224325号公報記載の方法で細孔を水で
置換した多孔性樹脂(「HP21」,三菱化成)300
mlをφ40mmのカラム(本発明法の膜モジュールと
ほぼ同じ大きさ)に充填した。乳剤、系とも56℃に保
ちながら90cc/分の流速でカラムに通液した。樹脂
と接触した乳剤がカラムから流出しはじめてから5分毎
にサンプリングして、上記の本発明法と同様にして色素
脱着率を求めた。
【0045】 表B:色素脱着率の時間依存性 時 間 乳剤の総処理量 脱着率 10′ 750ml(900g) 100% 20′ 1500ml(1800g) 100% 30′ 2250ml(2700g) 88%
【0046】上記のように、従来法では樹脂300ml
で乳剤を処理するのに処理時間30分を要しても2.2
5リットル以下しか処理できなかったが、本発明法では
15分間の処理で3リットルの乳剤を処理することがで
きた。
【0047】塗布試料の調製 上記の本発明法で色素脱着処理したT−Iのハロゲン化
銀1モルあたり下記の薬品を添加して塗布液とした塗布
試料を作製した。
【0048】 ・ゼラチン(乳剤中のGelも含め) 108g ・トリメチロールプロパン 9g ・デキストラン(平均分子量3.9万) 18.5g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 1.8g ・硬膜剤 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミドエタン膨潤率が230 %の値になるように添加量を調整 ・化合物−I 34mg ・化合物−II 4.8g ・化合物−III 15mg
【0049】化合物−I
【化3】
【0050】化合物−II
【化4】
【0051】化合物−III
【化5】
【0052】上記塗布液に対し、染料−Iが片面あたり
10mg/m2となるように下記の染料乳化物Aを添加
した。
【0053】染料−I
【化6】
【0054】(1) 染料乳化物Aの調製 上記染料−I 60gおよび下記高沸点有機溶媒−I 6
2.8g、−II 62.8gおよび酢酸エチル333g
を60℃で溶解した。つぎにドデシルスルホン酸ナトリ
ウムの5%水溶液65ccとゼラチン94gと水581
ccを添加し、ディゾルバーにて60℃、30分間乳化
分散した。つぎに、下記化合物−IV2gおよび水6リ
ットルを加え、40℃に降温した。つぎに、旭化成製限
外濾過ラボモジュールACP1050を用いて、全量が
2kgとなるまで濃縮し、前記化合物−IVを1g加え
て染料乳化物Aとした。
【0055】高沸点有機溶媒−I
【化7】
【0056】高沸点有機溶媒−II
【化8】
【0057】化合物−IV
【化9】
【0058】表面保護層は各成分が下記の塗布量となる
ように調製準備した。
【0059】 ・ゼラチン 0.78g/m2 ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 0.080g/m2 ・4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン 0.015g/m2 ・塗布助剤−I 0.013g/m2 ・塗布助剤−II 0.045g/m2 ・塗布助剤−III 0.0065g/m2 ・塗布助剤−IV 0.003g/m2 ・塗布助剤−V 0.001g/m2 ・化合物−V 1.7mg/m2 ・化合物−VI 100mg/m2 ・ポリメチルメタクリレート(平均粒径3.7μm) 0.087g/m2 ・プロキセル(NaOHでpH7.4に調整) 0.0005g/m2
【0060】塗布助剤−I
【化10】
【0061】塗布助剤−II
【化11】
【0062】塗布助剤−III
【化12】
【0063】塗布助剤−IV
【化13】
【0064】塗布助剤−V
【化14】
【0065】化合物−V
【化15】
【0066】化合物−VI
【化16】
【0067】支持体の調製 (1) 下塗層用染料分散物Bの調製 下記の染料−IIを特開昭63−197943号に記載
の方法でボールミル処理した。
【0068】染料−II
【化17】
【0069】水434mlおよびTriton X−2
00界面活性剤(TX−200)の6.7水溶液791
mlとを2リットルのボールミルに入れた。染料20g
をこの溶液に添加した。酸化ジルコニウム(ZrO2)の
ビーズ400ml(2mm径)を添加し、内容物を4日
間粉砕した。この後、12.5%ゼラチン160gを添
加した。脱泡したのち、濾過によりZrO2ビーズを除
去した。得られた染料分散物を観察したところ、粉砕さ
れた染料の粒径は直径0.05〜1.15μmにかけて
の広い分野を有していて、平均粒径は0.37μmであ
った。
【0070】さらに、遠心分離操作をおこなうことで
0.9μm以上の大きさの染料粒子を除去した。
【0071】こうして染料分散物Dを得た。
【0072】(2) 支持体の調製 二軸延伸された厚さ175μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルム上にコロナ放電処理をおこない、下記の
組成より成る第1下塗液を塗布量が4.9cc/m2
なるようにワイヤーバーコーターにより塗布し、185
℃にて1分間乾燥した。
【0073】次に反対面にも同様にして第1下塗層を設
けた。使用したポリエチレンテレフタレートには染料−
Iが0.04wt%含有されているものを用いた。
【0074】 ・ブタジエン−スチレン共重合体ラテックス溶液 (固形分40%ブタジエン/スチレン重量比=31/69) 158cc ・2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩4%溶液 41cc ・蒸留水 801cc *ラテックス溶液中には、乳化分散剤として下記化合物をラテックス固形分 に対し0.4wt%含有
【0075】乳化分散剤
【化18】
【0076】上記の両面の第1下塗層上に下記の組成か
らなる第2の下塗層を塗布量が下記に記載の量となるよ
うに片側ずつ、両面にワイヤー・バーコーター方式によ
り155℃で塗布、乾燥した。
【0077】 ・ゼラチン 80mg/m2 ・染料分散物B(染料固形分として) 8mg/m2 ・塗布助剤−VI 1.8mg/m2 ・化合物−VII 0.27mg/m2 ・マット剤 平均粒径2.5μmのポリメチルメタクリレート 2.5mg/m2
【0078】塗布助剤−VI
【化19】
【0079】化合物−VII
【化20】
【0080】写真材料の調製 準備した支持体上に先の乳剤層と表面保護層を同時押し
出し法により両面に塗布した。片面当りの塗布銀量は
1.75g/m2とした。
【0081】
【発明の効果】本発明により、短時間で効率よく処理が
行なえ、装置をコンパクトにできた、系内の圧力損出を
小さくすることができた、低コストで処理が行なえるよ
うになった、樹脂で行なう再生操作を行なわなくてもよ
いため、工程数を減らすことができた、透過液に溶解し
た吸着物質をリサイクルすることができ、コストを下げ
ることができた、等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例で使用した装置の構成図であ
る。
【図2】 透過装置2基を直列に配置した例を示す図で
ある。
【符号の説明】
1、1’…処理液タンク 2、2’…膜モジュール 3、3’…送液ポンプ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法に
    おいて、該感光材料に含まれるハロゲン化銀乳剤に添加
    した吸着物質を一部または全部除去する能力のある膜を
    用いて吸着物質を透過除去することを特徴とするハロゲ
    ン化銀写真感光材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 膜のポアサイズが0.5〜50nmであ
    ることを特徴とする請求項1のハロゲン化銀写真感光材
    料の製造方法。
JP16120296A 1996-06-21 1996-06-21 ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法 Pending JPH1010664A (ja)

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