JPH06289514A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH06289514A
JPH06289514A JP7423493A JP7423493A JPH06289514A JP H06289514 A JPH06289514 A JP H06289514A JP 7423493 A JP7423493 A JP 7423493A JP 7423493 A JP7423493 A JP 7423493A JP H06289514 A JPH06289514 A JP H06289514A
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silver halide
emulsion
resin
page
nucleus
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JP7423493A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Asanuma
浩之 浅沼
Ichizo Totani
市三 戸谷
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】化学増感性能、色増感性能及び保存性の向上し
たハロゲン化銀感材を提供する。 【構成】乳剤層を構成する少なくとも1つの乳剤がイオ
ン交換基を持たない有機合成樹脂で処理される乳剤であ
るハロゲン化銀写真感光材料において、該有機合成樹脂
で処理する前の乳剤に添加された化合物から選ばれる少
なくとも1つの化合物で該有機合成樹脂を前処理する事
を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料に関するものであり、ハロゲン化銀の粒子形成後あ
るいは化学増感を行なった後、不要となった物質の一部
あるいは全部を選択的に除去することで化学増感性能、
色増感性能、保存性などを向上させたハロゲン化銀写真
感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀乳剤は、必要な感度、性能
を出すために、さまざまな写真用添加剤が用いられる。
これらの写真用添加剤は、一度それが必要とされる工程
が終了すると不要になり、乳剤中に存在しているとさま
ざまな弊害を引き起こすことが問題となっていた。この
問題を解決するためにこれら写真用添加剤がその役割を
終えた後に乳剤から除去する方法として固形吸着剤を用
いた手法が開発された。特開平5−45760号、同5
−11391号、特願平3−140712号、同3−2
97961号等には、粒子形成に用いた溶剤、化学増感
に用いた増感色素をその役割が終えた後に、多孔性有機
合成樹脂等の固形吸着剤と接触させることで写真用添加
剤が除去されることが示されている。しかし例えば化学
増感の停止あるいは化学増感と色素の配列を同時に制御
するための添加剤は、固形吸着剤処理後も乳剤中に全て
残存していることが好ましい。イオン交換基を持たない
多孔性有機合成樹脂は、極性および細孔径分布を制御す
ることである程度選択的な除去が可能であるが、分子量
の近い有機化合物を選択的に除去することは難しかっ
た。そのため乳剤中に残存する必要のある添加剤も除去
されてしまうことがあった。そこで乳剤から除去したい
添加剤のみを選択的に吸着除去する技術の開発が望まれ
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、固形
吸着剤を用いて乳剤から除去したい添加剤のみを選択的
に吸着除去することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような課題は下記の
本発明によって達成される。すなわち本発明は、支持体
上に少なくとも一層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロ
ゲン化銀写真感光材料であり、該乳剤層を構成する少な
くとも1つの乳剤がイオン交換基を持たない有機合成樹
脂で処理される乳剤であるハロゲン化銀写真感光材料に
おいて、該有機合成樹脂で処理する前の乳剤に添加され
た化合物から選ばれる化合物で該有機合成樹脂を前処理
する事を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。一部の
含窒素複素環化合物は化学増感を制御し更に色素の配列
も制御するため樹脂処理により除去されるのは好ましく
なかった。また一部の化学増感補助剤は、化学増感の停
止も兼ねている場合もあり、使用する添加剤が固形吸着
剤処理で除かれた場合、固形吸着剤処理中に化学増感が
進行しカブリが発生してしまうなどの弊害があった。カ
ラムに樹脂を充填し、乳剤を流通させる方式(吸着塔方
式)で行った場合、最終的に残存してほしい添加剤の取
れ方に吸着塔から最初に出てくる分と、後に出てくる分
で差が生じるため、均質な乳剤が得にくかった。本発明
では、これら樹脂処理によって除かれたくない添加剤で
予め前処理を行ったイオン交換基を持たない多孔性有機
合成樹脂を用いて、ハロゲン化銀乳剤の処理を行う。
【0005】本発明の好ましい実施形態は以下の通りで
ある。 1)最終的に乳剤中に残存してほしい添加剤(A)と化
学増感時にのみ必要な添加剤(B)の存在下で化学増感
を行った後のハロゲン化銀乳剤を、Aの水溶液で浸漬処
理したイオン交換基を持たない有機合成樹脂で処理した
ハロゲン化銀乳剤を少なくとも一つ有するハロゲン化銀
写真感光材料 2)最終的に乳剤中に残存してほしい添加剤(A)と化
学増感時にのみ必要な添加剤(B)の存在下で化学増感
を行った後のハロゲン化銀乳剤を、Aの水溶液で浸漬処
理したイオン交換基を持たない有機合成樹脂で処理した
後、増感色素を吸着させることで分光増感したハロゲン
化銀乳剤を少なくとも一つ有するハロゲン化銀写真感光
材料 3)1)及び2)におけるBが、増感色素であるハロゲ
ン化銀写真感光材料 4)1)及び2)におけるAとBがそれぞれ含窒素複素
環化合物および増感色素であるハロゲン化銀写真感光材
【0006】Aとしては、例えば被り抑制能力のある4
−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラ
ザインデン、Bとしては、例えば化学増感補助剤として
用いるオキサカルボシアニンを挙げることが出来る。上
記において樹脂を浸漬処理する際、イオン交換基を持た
ない多孔性有機合成樹脂へのAの飽和吸着量の10倍以
下の量の水溶液を用いることが好ましく、より好ましく
は0.1倍以上から2倍以下、もっとも好ましいのは
0.2倍以上1倍以下である。樹脂と水溶液との浸漬時
間は、樹脂へのAの吸着が平衡に達する時間ならばどれ
くらいでもよいが、好ましくは30秒以上2時間以下、
より好ましくは1分以上30分以下、最も好ましくは2
分以上20分以下である。浸漬処理は、バッチ式でも、
樹脂をカラムに充填し溶液を通液するいわゆるカラム式
でもどちらでもかまわない。浸漬温度は0℃から樹脂の
耐用温度までならば何度でもかまわないが、好ましくは
25℃から50℃の間である。上記A水溶液で浸漬処理
後、蒸留水あるいはイオン交換水で更に樹脂を洗浄する
ことが好ましい。というのは、樹脂の細孔等に若干残っ
ている水溶液に含まれているAが、ハロゲン化銀乳剤処
理の際に遊離し、乳剤に混入する恐れがあるからであ
る。乳剤中に残したい物質Aが2種類以上ある場合は、
上記の手法に準じて、残したい複数の有機物の溶液で処
理すれば良い。
【0007】本発明でいうイオン交換能を持たない有機
合成樹脂とは、 1)平均細孔径が500nm以下、好ましくは100n
m以下、より好ましくは1〜50nmのマクロポアーを
有し、 2)0.1m2/g以上の比表面積を有しており 3)0.1ml/g以上、好ましくは0.5〜1.5ml/
gの細孔容積を有しており 4)乾燥樹脂1gあたりの総イオン交換容量が、0.1
mmol以下、好ましくはゼロである有機合成樹脂を示す。
1)で規定している細孔径は、水銀圧入式ポロシメータ
ーあるいは窒素吸着法により測定可能な値であり、比表
面積は窒素吸着法により測定される。細孔容積も、細孔
径分布と同様水銀圧入式ポロシメーターあるいは窒素吸
着法で測定できる。有機合成樹脂の好ましい比表面積は
1m2/g以上であり、より好ましくは10m2/g以上で
ある。有機合成樹脂の好ましい細孔容積は、0.2ml/
g以上であり、より好ましくは0.5ml/g以上であ
る。
【0008】総イオン交換容量は、本田雅健、垣花秀
武、吉野輸吉著「イオン交換樹脂−基本操作と応用−」
(1955年、廣川書店)p.20〜p.40に記載の
手法を用いて測定することが可能である。有機合成樹脂
は、上記の1)から4)の性質を持つものならば任意の
樹脂を吸着剤として用いることができ、任意の物質を吸
着対象とすることができるが、吸着除去したい物質に応
じて適宜最適の樹脂を選択することが好ましい。特に本
発明の有機合成樹脂が吸着除去の対象とする物質は、好
ましくは分子量100以上かつ炭素原子を少なくとも5
つ有する有機分子、あるいは芳香族環を有する有機分子
である。以下に吸着除去したい物質と好ましい有機合成
樹脂の組み合わせを記す。樹脂の吸着物質に対する選択
性は主に、細孔径分布と樹脂を構成する単位(単量体)
の極性で制御されるので、吸着物質の大きさ−分子量−
と極性−双極子モーメント−から最適な樹脂を選ぶこと
が望ましい。例えば分子量の大きい化合物の吸着には平
均細孔径の大きな樹脂を用いるのが好ましく、また吸着
物質の双極子モーメントになるべく近い有機合成樹脂を
用いることが好ましい。実際の系では乳剤に含まれてい
る化合物の組成と吸着除去したい物質から適宜好ましい
樹脂を選択すれば良い。
【0009】多孔性有機合成樹脂の具体例は、スチレン
−ジビニルベンゼン共重合体、クロロメチルスチレン−
ジビニルベンゼン共重合体、メトキシメチロール−ジビ
ニルベンゼン共重合体、エチレン−ジビニルベンゼン共
重合体、メチルメタクリレート−ジビニルベンゼン共重
合体、メチルアクリレート−ジビニルベンゼン共重合
体、メタクリル酸エステル等であるが、これらに限られ
るものではない。その具体的な構造を下記に示す。
【0010】
【化1】
【0011】
【化2】
【0012】多孔性有機合成樹脂の合成法は、北条舒正
著「キレート樹脂・イオン交換樹脂」(講談社、197
6年)第2章(p.127〜)に記載されている様に線
状重合物添加法、沈澱剤添加法などが知られているが、
いかなる方法で合成してもかまわない。また上記多孔性
有機合成樹脂の一部は市販されており、目的用途に応じ
て容易に入手することができる。市販樹脂の具体例を下
記の表に示す。
【0013】 三菱化成社製 HPシリーズ 商品名 樹脂母体 比表面積 細孔容量 最頻半径 m2/g-HP ml/g-HP (オングストローム) HP10 スチレン系 501.3 0.890 334.4 HP20 スチレン系 718.0 1.077 262.8 HP21 スチレン系 566.7 1.120 80.9 HP30 スチレン系 570.0 0.990 − HP40 スチレン系 704.7 0.687 136.3 HP50 スチレン系 589.8 0.874 −
【0014】 SPシリーズ 商品名 樹脂母体 比表面積 細孔容量 最頻半径 m2/g-SP ml/g-SP オングストローム SP875 スチレン系 933.3 0.877 24.5 SP850 スチレン系 994.7 1.200 38.1 SP825 スチレン系 1051.1 1.604 57.4 SP800 スチレン系 819.0 1.220 69.9 SP207 スチレン系 627.0 1.080 105.2 SP206 スチレン系 556.0 1.020 299.9 SP205 スチレン系 551.0 0.750 10.4
【0015】 メタクリル系合成吸着剤HPMGシリーズ 商品名 樹脂母体 比表面積 細孔容量 最頻半径 m2/g-HP ml/g-HP オングストローム HP1MG メタクリル酸 333.0 1.180 302.8 エステル系 HP2MG メタクリル酸 473.0 1.200 173.3 エステル系
【0016】 小粒径HP、SPシリーズ 商品名 樹脂母体 比表面積 細孔容量 m2/g ml/g HP20SS スチレン系 499 1.313 HP21SS スチレン系 645 1.319 SP206SS スチレン系 439 0.844 SP207SS スチレン系 605 0.918 SP800SS スチレン系 − − SP20SS スチレン系 − −
【0017】 MCI Gelシリーズ 商品名 樹脂母体 粒径 比表面積 μm m2/g CHP20P スチレン系 37〜75 500〜700 CHP20P スチレン系 75〜150 500〜700 CHP20P スチレン系 150〜300 500〜700
【0018】 ロームアンドハース(Rohm & Haas)社製 商品名 樹脂母体 比表面積 細孔容量 平均孔径 双極子モーメント m2/g ml/g オングストローム デバイ単位 XAD 1 スチレン系 100 - 205 2 スチレン系 300 0.6 90 0.3 4 スチレン系 784 1.1 50 0.3 7 アクリル系 450 0.8 90 1.8 8 アクリル系 140 0.5 235 1.8 9 スルホキシド系 69 - 366 3.9 10 アミド系 69 - 352 12 N-O 極性基 22 - 1300 4.5
【0019】以上列挙した固形吸着剤は、粒状、粉末
状、膜状等さまざまな形態のものがあり、その用途によ
って使い分けることができるが、バッチ式処理あるいは
吸着塔を用いた連続処理のためには、粒状、粉状のもの
が好ましい。また大きさはハロゲン化銀乳剤に用いるハ
ロゲン化銀粒子よりも大きいのが好ましい。というの
は、ハロゲン化銀乳剤を本発明の吸着剤で処理した後、
乳剤中にこれらが残留することが多く、残留しても弊害
のないものもあるが、一般には濾過するなどして固形吸
着剤を乳剤から除去するのが好ましい。
【0020】本発明で用いる硫黄増感剤に関しては、P.
Grafkides著、Chimie et PhysiquePhotographique(Pau
l Montel 社刊、1977年 第4版)、T. H. James
著、The Theory of the Photographic Process ( Macmi
llian 社刊、1997年第4版)、H. Frieser著、Die
Grunlagen der Photographischen Prozesse mit Silver
halogeniden(Akademishe Verlagsgeselfshaft,196
8)、に加え、より具体的には、米国特許第15749
44号、同第1623449号、同第2278947
号、同第2410689号、同第2440206号、同
第2449153号、同第2728668号、同第31
89458号、同第3501313号、同第36569
55号、同第4030928号、同第4054457
号、同第4067740号、同第4266018号、同
第4810626号、ドイツ特許第1422869号、
同第1572260号、同第971436号、同第22
8658号、同第235929号、英国特許第1129
356号、同第997031号、同第1403980
号、欧州特許第61446号、同第138622号、特
開昭63−5335号、同63−5336号、同58−
80634号、特開平1−114839号、同1−22
7140号、特公昭58−30570号、同60−24
457号、同62−17216号、Research Disclosur
e 誌176巻 No.17643(1978.12月)、同
187巻 No.18716(1979.11月)等に記載
されている。具体的な化合物としては、チオ硫酸塩(例
えば、チオ硫酸ナトリウム、p−トルエンチオスルフォ
ネート等)、チオ尿素類(例えば、アリルチオ尿素、ジ
フェニルチオ尿素、トリエチルチオ尿素、アセチルチオ
尿素、N−エチル−N' −(4−メチルチアゾリル−
2)チオ尿素、カルボキシメチルトリメチルチオ尿素、
N−アリル−N' −ヒドロキシエチルチオ尿素等)、チ
オアミド類(例えば、チオアセトアミド等)、ローダニ
ン類(例えば、ローダニン、N−エチルローダニン、5
−ベンジリデン−N−エチルローダニン、ジエチルロー
ダニン等)、ジスルフィドやポリスルフィド類(例え
ば、ジモルホリノジスルフィド、1,2,3,5,6−
ペンタチアシクロヘプテン、ヘキサチオカン−チオン、
シスチン、リポ酸等)、チオスルフォン酸類(例えば、
ベンゼンチオ硫酸ナトリウム等)、メルカプト化合物
(例えば、システイン等)、ポリチオン酸塩、元素状硫
黄(α−硫黄)、硫化物(例えば、硫化ナトリウム)等
の多種多様の不安定硫黄を含む化合物を用いることがで
きる。これらのうち、好ましいのは、チオ硫酸塩、チオ
尿素類、ローダニン類、チオアミド類、ジ又はポリスル
フィド類、チオスルフォン酸類である。
【0021】本発明で用いるセレン増感剤としては、米
国特許第1574944号、同第1602592号、同
第1623499号、同第3297446号、同第32
97447号、同第3320069号、同第34081
96号、同第3408197号、同第3442653
号、同第3420670号、同第3591385号、フ
ランス特許第2693038号、同第2093209
号、特公昭52−34491号、同52−34492
号、同53−295号、同57−22090号、特開昭
59−180536号、同59−185330号、同5
9−181337号、同59−187338号、同59
−192241号、同60−150046号、同60−
151637号、同61−246738号、英国特許第
255846号、同第861984号及び、H. E. Spen
cer ら著、Journal of Photographic Science 誌、31
巻、158〜169ページ(1983年)等に記載の化
合物等を用いることができる。特に特願平3−1838
63に記載のセレン増感剤1〜38を好ましく用いるこ
とができる。
【0022】特に、水溶液中で硝酸銀と反応して銀セレ
ナイドの沈澱を作りうる不安定型セレン化合物が好まし
く用いられる。例えば、米国特許第1574944号、
同1602592、同1623499号、及び同329
7446号に記載のセレン化合物が好ましい。より具体
的には、イソセレノシアネート類(例えば、アリルイソ
セレノシアネート等)、セレノ尿素類(例えば、セレノ
尿素;N,N−ジメチルセレノ尿素、N,N−ジエチル
セレノ尿素、等の脂肪族セレノ尿素;フェニル基等の芳
香族やピリジル基等の複素環基をもつ置換セレノ尿素、
等)、セレノケトン類(例えば、セレノアセトン、セレ
ノアセトフェノン等)、セレノアミド類(例えば、セレ
ノアセトアミド等)、セレノカルボン酸およびエステル
類(例えば、2−セレノプロピオン酸、メチル3−セレ
ノブチレート等)、セレナイド類(例えば、ジエチルセ
レナイド、ジエチルセレナイド、トリフェニルフォスフ
ィンセレナイド等)、セレノフォスフェート類(例え
ば、トリ−p−トリルセレノフォスフェート等) セレン増感剤の使用量は、使用するセレン化合物、ハロ
ゲン化銀粒子、化学熟成条件等により変わるが、一般に
ハロゲン化銀1モル当り10-8〜10-4モル、好ましく
は10-7〜10-5モル程度を用いる。
【0023】本発明で用いられるテルル増感剤として
は、米国特許第1,623,499号、同3,320,
069号、同3,772,031号、英国特許第235
211号、同1121496号、同1295462号、
同1396696号、カナダ特許第800958号、ジ
ャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー・ケミカル
コミニュケーション(J. Chem. Soc. Chem. Commun.)6
35(1980)、ibid1102(1979)、ibid6
45(1979)、ジャーナル・オブ・ケミカルソサイ
アティー・パーキン・トランザクション(J. Chem. So
c. Perkin Trans.)1、2191(1980)等に記載
の化合物を用いることができる。以下に本発明で用いら
れるテルル増感剤の具体例を示すが本発明はこれらに限
定されるものではない。コロイド状テルル、テルロ尿素
類(例えばアリルテルロ尿素、N,N−ジメチルテルロ
尿素、テトラメチルテルロ尿素、N−カルボキシエチル
−N' ,N' −ジメチルテルロ尿素、N,N' −ジメチ
ルエチレンテルロ尿素、N,N' −ジフェニルエチレン
テルロ尿素)、イソテルロシアナート類(例えばアリル
イソテルロシアナート)、テルロケトン類(例えばテル
ロアセトン、テルロアセトフェノン)、テルロアミド類
(例えば、テルロアセトアミド、N,N−ジメチルテル
ロベンズアミド)、テルロヒドラジド類(例えばN,N
' ,N' −トリメチルテルロベンズヒドラジド)、テル
ロエステル(例えば、t−ブチル−t−ヘキシルテルロ
エステル)、及び特願平3−232528号の化合物例
IV−1〜IV−22及びV−1〜V−16。本発明で粒子
形成中あるいは、化学増感中に用いる添加剤とは、化学
増感補助剤、ハロゲン化銀溶剤および増感色素である。
【0024】本発明において化学増感補助剤は例えばハ
ロゲン化銀粒子表面に吸着しうる含窒素複素環化合物で
あり、リサーチ・ディスクロージャー誌第307巻86
6頁、869頁(1989年)に記載されている。より
具体的には該化合物の含窒素複素環としては、例えば、
ピラゾール環、ピリミジン環、1,2,4−トリアゾー
ル環、1,2,3−トリアゾール環、1,3,4−チア
ジアゾール環、1,2,3−チアジアゾール環、1,
2,4−チアジアゾール環、1,2,5−チアジアゾー
ル環、1,2,3,4−テトラゾール環、ピリダジン
環、1,2,3−トリアジン環、1,2,4−トリアジ
ン環、1,3,5−トリアジン環、ベンゾトリアゾール
環、ベンツイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、キノ
リン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾセレナゾール
環、ナフトチアゾール環、ナフトイミダゾール環、ロー
ダニン環、チオヒダントイン環、オキサゾール環、チオ
ゾール環、オキサジアゾール環、セレナジアゾール環、
ナフトオキサゾール環、オキサゾリジンジオン環、トリ
アゾロトリアゾール環、アザインデン環、(例えば、ジ
アザインデン環、トリアザインデン環、テトラザインデ
ン環、ペンタザインデン環)、フタラジン環、インダゾ
ール環などを挙げることができる。
【0025】これらの中で好ましいのはアザインデン環
を有する化合物であり、置換基としてヒドロキシ基を有
するアザインデン化合物、とくに、ヒドロキシテトラア
ザインデン化合物等が好ましい。複素環にはヒドロキシ
基以外の置換基を有してもよい。置換基としては、例え
ば、アルキル基、アルキルチオ基、アミノ基、ヒドロキ
シアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、
アリールアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボ
ニル基、ハロゲン原子、アシルアミノ基、シアノ基、メ
ルカプト基などを有してもよい。以下に本発明に係わる
含窒素複素環化合物の具体例を列記するが、これらに限
定されるものではない。
【0026】1.4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3a,7−テトラザインデン 2.4−ヒドロキシ−6−t−ブチル−1,3,3a,
7−テトラザインデン 3.4−ヒドロキシ−6−フェニル−1,3,3a,7
−テトラザインデン 4.4−ヒドロキシ−1,3,3a,7−テトラザイン
デン 5.4−メチル−6−ヒドロキシ−1,3,3a,7−
テトラザインデン 6.2−メチルチオ−4−ヒドロキシ−6−メチル−
1,3,3a,7−テトラザインデン 7.4−ヒドロキシ−5−ブロム−6−メチル−1,
3,3a,7−テトラザインデン 8.4−ヒドロキシ−6−メチル−1,2,3a,7−
テトラザインデン 9.4−ヒドロキシ−6−エチル−1,2,3a,7−
テトラザインデン 10. 2,4−ジヒドロキシ−6−フェニル−1,3a,
7−トリアザインデン 11. 4−ヒドロキシ−6−フェニル−1,2,3,3
a,7−ペンタザインデン 12. アデニン 13. グアニン 14. ベンゾトリアゾール 15. 5−メチルベンゾトリアゾール 16. 5−ニトロ−ベンゾイミダゾール 17. 5−(m−シアノフェニル)テトラゾール 18. 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 19. 1−(m−スルホフェニル)−5−メルカプトテト
ラゾール 20. 1−(3,5−ジカルボキシフェニル)−5−メル
カプトテトラゾール 21. 1−エチル−5−メルカプトテトラゾール 22. 1−メチル−2−メルカプト−1,3,5−トリア
ゾール 23. 1−フェニル−2−メルカプト−イミダゾール 24. 2−メルカプト−5−スルホベンゾチアゾール 25. 2−メルカプト−5−メチルベンゾイミダゾール 26. 1−メルカプト−3−メチルチオチアジアゾール 27. 2−エチル−3−メチル−β−ナフトチアゾリウム
p−トルエンスルホネート
【0027】これら化学増感補助剤の添加量は有効量用
いればよいが、ハロゲン化銀1モル当り10-5モル〜1
-1モル、好ましくは10-4モル〜3×10-2モル、よ
り好ましくは2×10-4モル〜10-2モルであり、化学
熟成開始前から途中のいずれの次期に加えてもよいが、
開始前に添加されていることが望ましい。本発明におい
てハロゲン化銀溶剤とは、チオシアン酸塩(例えば、チ
オシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウム等)、
チオエーテル化合物(a)例えば、米国特許3,02
1,215号、同第4,276,374号等に記載の化
合物)チオン化合物(b)(例えば、特公昭59−11
892号、同60−11341号、米国特許第4,22
1,863号、等に記載の化合物)等が挙げられ
(a)、(b)の具体的化合物を以下に列挙する。
【0028】
【化3】
【0029】本発明で用いる晶相制御剤あるいは化学増
感補助剤としての色素とは、シアニン色素、メロシアニ
ン色素、複合シアニン色素、ホロポーラーシアニン色
素、ヘミシアニン色素、スチリル色素およびヘミオキソ
ノール色素などである。特に有用な色素は、シアニン色
素、メロシアニン色素、および複合メロシアニン色素に
属する色素を挙げることができる。
【0030】これらの色素類には、塩基性異節環核とし
てシアニン色素類に通常利用される核のいずれをも適用
できる。すなわち、ピロリン核、オキサゾリン核、チア
ゾリン核、ピロール核、オキサゾール核、チアゾール
核、セレナゾール核、イミダゾール核、テトラゾール
核、ピリジン核など;これらの核に脂環式炭化水素環が
融合した核;およびこれらの核に芳香族炭化水素環が融
合した核、すなわち、インドレニン核、ベンズインドレ
ニン核、インドール核、ベンズオキサドール核、ナフト
オキサゾール核、ベンズチアゾール核、ナフトチアゾー
ル核、ベンゾセレナゾール核、ベンゾイミダゾール核、
キノリン核などが適用できる。これらの核は炭素原子上
に置換されていてもよい。
【0031】メロシアニン色素または複合メロシアニン
色素にはケトメチレン構造を有する核としてピラゾリン
−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾ
リジン−2,4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−ジ
オン核、ローダニン核、チオバルビツール酸核などの5
〜6員異節環核を適用することができる。
【0032】例えばリサーチ・ディスクロージャー17
643項、第23頁IV項(1978年12月)に記載さ
れた化合物または引用された文献に記載された化合物を
用いることができる。より具体的には以下の化合物を用
いることができる。5,5’−ジクロロ−3,3’−ジ
エチルチアシアニン臭化物、5,5’−ジクロロ−3,
3’−ジ(4−スルホブチル)−チアシアニンNa塩、
5−メトキシ4,5−ベンゾ−3,3’−ジ(3−スル
ホプロピル)チアシアニンNa塩、5,5’−ジクロロ
−3,3’−ジエチルセレナシアニン沃化物、5,5’
−ジクロロ−9−エチル−3,3’−ジ(3−スルホプ
ロピル)チアカルボシアニンピリジニウム塩、アンヒド
ロ−5,5’−ジクロロ−9−エチル−3−(4−スル
ホブチル)−3’−エチル水酸化物、1,1−ジエチル
−2,2’−シアニン臭化物、1,1−ジペンチル−
2,2’−シアニン過塩素酸、9−メチル−3,3’−
ジ(4−スルホブチル)−チアカルボシアニンピリジニ
ウム塩、5,5’−ジフェニル−9−エチル−3,3’
−ジ(2−スルホエチル)−オキサカルボシアニンNa
塩、5−クロロ−5’−フェニル−9−エチル−3−
(3−スルホプロピル)−3’−(2−スルホエチル)
オキサカルボシアニンNa塩、5,5’−ジクロロ−9
−エチル−3,3’−ジ(3−スルホプロピル)オキサ
カルボシアニンNa塩、5,5’−ジクロロ−6,6’
−ジクロロ−1,1’−ジエチル−3,3’−ジ(3−
スルホプロピル)イミダカルボシアニンNa塩、5,
5’−ジフェニル−9−エチル−3,3’−ジ(3−ス
ルホプロピル)チアカルボシアニンNa塩、このような
色素の添加量は、例えばハロゲン化銀1モル当たり、4
×10-6〜8×10-3モルで用いることができるが、よ
り好ましいハロゲン化銀サイズ0.2〜1.2μmの場
合は約5×10-5〜2×10-3モルがより有効である。
本発明でいうハロゲン化銀乳剤を本発明の多孔樹脂で処
理するとは、ハロゲン化銀乳剤に多孔樹脂をバッチ式に
添加し攪拌混合した後、多孔樹脂を濾過して除去する工
程、あるいは、多孔樹脂を連続式に吸着床や吸着筒に充
填しておいて、そこにハロゲン化銀乳剤を通過させる工
程などをさし、本発明ではいずれの工程をも用いること
ができる。多孔樹脂の使用量は、樹脂の性能(例えば、
総吸着容量、細孔容量)や形状(粒度、有効表面積)
と、対象とするハロゲン化銀乳剤の内容(例えば、化学
増感補助剤、色素の種類)により適宜選択することがで
きる。例えば、バッチ式の場合にはハロゲン化銀乳剤1
kg当たり、0.1ないし700gの添加量の範囲で用い
ることができ、連続式の場合には通過するハロゲン化銀
乳剤の総量に対する多孔樹脂の量と考えればバッチ式と
同様の範囲で用いることができる。また、処理温度はハ
ロゲン化銀乳剤が液化する温度(約30℃)から多孔樹
脂の耐用温度までの間の温度範囲とすればよく、処理時
間は、バッチ式、連続式とも1分以上の適当な時間とす
ればよい。
【0033】本発明における有機合成樹脂での処理期間
は、目的に応じて適宜選択できる。ハロゲン化銀溶剤の
存在下で粒子形成を行ない、該ハロゲン化銀溶剤の除去
を目的とする場合は、粒子形成後に行なうことが好まし
い。またハロゲン化銀溶剤をそのまま化学増感補助剤と
して用いる場合は、化学増感終了後ないし塗布直前まで
に行なうのが好ましく、化学増感終了直後に行なうのが
より好ましい。化学増感補助剤および/または未反応の
化学増感剤の除去を目的とする場合は、化学増感終了後
ないし塗布直前までに行なうのが好ましく、化学増感終
了直後がより好ましい。又、分光増感を目的として色素
を添加する場合は、その色素の添加開始までに上記有機
合成樹脂処理が終了している必要がある。
【0034】分光増感剤として用いる色素には、シアニ
ン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、ホロポ
ーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素
及びヘミオキソノール色素が包含される。特に有用な色
素は、シアニン色素、メロシアニン色素、及び複合メロ
シアニン色素に属する色素である。これらの色素類に
は、塩基性異節環核としてシアニン色素類に通常利用さ
れる核のいずれをも適用できる。すなわち、ピロリン
核、オキサゾリン核、チアゾリン核、ピロール核、オキ
サゾール核、チアゾール核、セレナゾール核、イミダゾ
ール核、テトラゾール核、ピリジン核など;これらの核
に芳香族炭化水素環が融合した核すなわち、インドレニ
ン核、ベンズインドレニン核、インドール核、ベンズオ
キサゾール核、ナフトオキサゾール核、ベンズチアゾー
ル核、ナフトチアゾール核、ベンゾセレナゾール核、ベ
ンゾイミダゾール核、キノリン核などが適用できる。こ
れらの核は炭素原子上に置換されていてもよい。
【0035】メロシアニン色素または複合メロシアニン
色素にはケトメチレン構造を有する核としてピラゾリン
−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾ
リジン−2,4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−ジ
オン核、ローダニン核、チオバルビツール酸核などの5
〜6員異節環核を適用することができる。
【0036】例えばリサーチ・ディスクロージャー(RE
SEARCH DISCLOSURE) Item.17643、第23頁IV項
(1978年12月)に記載された化合物または引用さ
れた文献に記載された化合物を用いることができる。添
加量は、ハロゲン化銀1モル当たり、4×10-6〜8×
10-3モルで用いることができるが、より好ましいハロ
ゲン化銀粒子サイズ0.2×1.2μmの場合は約5×
10-5〜2×10-3モルがより有効である。本発明の写
真感光材料に用いられる各種添加剤等については前記以
外にも特に制限は無く例えば、以下の該当箇所に記載の
ものを用いる事が出来る。 項 目 該 当 箇 所 1)ハロゲン化銀乳剤と 特開平2−68539号公報第8頁右下欄から6行 その製法 目から同第10頁右上欄12行目、同3−2453 7号公報第2頁右下欄10行目ないし第6頁右上欄 1行目、同3−161745号公報第29頁ないし 第30頁、同第10頁左上欄16行目ないし第11 頁左下欄19行目、特願平2−225637号。 2)化学増感方法 特開平2−68539号公報第10頁右上欄13行 目から同左上欄16行目、特願平3−105035 号。 3)カブリ防止剤、 特開平2−68539号公報第10頁左下欄17行 安定剤 目から同第11頁左上欄7行目及び同第3頁左下欄 2行目から同第4頁左下欄。 4)色調改良剤 特開昭62−276539号公報第2頁左下欄7行 目から同第10頁左下欄20行目、特開平3−94 249号公報第6頁左下欄15行目から第11頁右 上欄19行目。 5)分光増感色素 特開平2−68539号公報第4頁右下欄4行目か ら同第8頁右下欄。 6)界面活性剤 特開平2−68539号公報第11頁左上欄14行 帯電防止剤 目から同第12頁左上欄9行目。 7)マット剤、滑り剤 特開平2−68539号公報第12頁左上欄10行 可塑剤 目から同右上欄10行目、同第14頁左下欄10行 目から同右下欄1行目。
【0037】 8)親水性コロイド 特開平2−68539号公報第12頁右上欄11行 目から同左下欄16行目。 9)硬膜剤 特開平2−68539号公報第12頁左下欄17行 目から同第13頁右上欄6行目。 10)支持体 特開平2−68539号公報第13頁右上欄7行目 から20行目。同3−161745号第32頁左下 欄。 11)クロスオーバー 特開平2−264944号公報第4頁右上欄20行 カット法 目から同第14頁右上欄。 12)染料、媒染剤 特開平2−68539号公報第13頁左下欄1行目 から同第14頁左下欄9行目。同3−24537号 公報第14頁左下欄から同第16頁右下欄。 13)ポリヒドロキシ 特開平3−39948号公報第11頁左上欄から同 ベンゼン類 第12頁左下欄、EP特許第452772A号公報 。 14)層構成 特開平3−198041号公報、同3−16174 5号公報、第28頁左下欄〜29頁右上欄。 15)現像処理方法 特開平2−103037号公報第16頁右上欄7行 目から同第19頁左下欄15行目、及び特開平2− 115837号公報第3頁右下欄5行目から同第6 頁右上欄10行目。同3−161745号公報第3 2頁から第35頁。
【0038】 16)イエローカプラー:特開平3−161745号の第30頁右下欄5行目〜 11行目 17)マゼンタカプラー:同第30頁右下欄12行目〜第31頁3行目 18)シアンカプラー:同第31頁左上欄4行目〜16行目 19)ポリマーカプラー:同第31頁左上欄17行目〜右上欄1行目 20)機能性カプラー:同第31頁右上欄2行目〜右下欄5行目 21)防腐・防黴剤:同第32頁右上欄10行目〜17行目 22)ホルマリンスカベンジャー:同第30頁左下欄16行目〜20行目 以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明する。
【0039】
【実施例】
実施例1 平板状粒子の調製 水1リットル中に臭化カリウム6g、平均分子量1万5
千の低分子量ゼラチン7gを添加し、55℃に保った容
器中へ攪拌しながら硝酸銀水溶液37cc(硝酸銀4.0
0g)と臭化カリウム5.9gを含む水溶液38ccをダ
ブルジェット法により37秒間で添加した。つぎに、ゼ
ラチン18.6gを添加した後、70℃に昇温して硝酸
銀水溶液89cc(硝酸銀9.8g)を22分間かけて添
加した。ここで25%のアンモニア水溶液7ccを添加、
そのままの温度で10分間物理熟成した後、100%酢
酸溶液を6.5cc添加した。引き続いて硝酸銀153g
の水溶液と臭化カリウムの水溶液をpAg8.5に保ち
ながらコントロールダブルジェット法で35分かけて添
加した。次に2Nのチオシアン酸カリウム溶液15ccを
添加した。5分間そのままの温度で物理熟成した後、3
5℃に温度を下げた。平均投影面積直径1.10μm、
厚み0.145μm、直径の変動係数18.5%の単分
散純臭化銀平板状粒子を得た。この後、凝集沈降法によ
り可溶性塩類を除去した。再び40℃に昇温してゼラチ
ン30gとフェノキシエタノール2.35gおよび増粘
剤としてポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.8gを
添加し、苛性ソーダと硝酸銀溶液でpH5.90、pA
g8.00に調整した。この乳剤を攪拌しながら56℃
に保った状態で化学増感を施した。まず、チオスルフォ
ン酸化合物−I
【0040】
【化4】
【0041】を1×10-5モル/モルAg添加し、つぎ
にAgI微粒子を0.1モル%添加し、さらに二酸化チ
オ尿素0.043mgを添加し、22分間そのまま保持し
て還元増感を施した。つぎに、4−ヒドロキシ−6−メ
チル−1,3,3a,7−テトラザインデン60mgと化
学増感補助剤として増感色素−I
【0042】
【化5】
【0043】を600mgを添加した。引き続きチオ硫酸
ナトリウム1.3mgとセレン化合物−I 1.9mgと塩
化金酸2.6mgおよびチオシアン酸カリウム90mgを添
加し、40分後に35℃に冷却した。こうして平板状粒
子T−1を調製完了した。
【0044】
【化6】
【0045】次に多孔性架橋ポリスチレン樹脂(三菱化
成製ダイヤイオン)をメタノールで洗浄し続いて水で洗
浄することで、A処理樹脂を得た。このA処理樹脂50
0mlを4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7
−テトラザインデン0.05%水溶液2.5リットルに
添加し40℃で1時間した後ろ過により樹脂を分離し、
更に2.5リットルのイオン交換水で2回洗浄すること
で、本発明のB処理樹脂を得た。乳剤T−1に先ほどの
A処理またはB処理樹脂を適量添加し、56℃20分で
マグネティックスターラーを用いて500rpmで攪拌
することにより化学増感補助剤として用いた増感色素I
を脱着した。この後ただちにミクロフィルターでろ過
し、乳剤と樹脂を分離した。色素脱着量は、日立カラー
アナライザー307型を用いて乳剤の反射スペクトルを
測定し、色素に基づく吸収波長の反射率から Kubelka-M
unk の式より算出した。
【0046】塗布試料の調製 T−1のハロゲン化銀1モルあたり下記の薬品を添加し
て塗布液とした塗布試料を作製した。 ・塩化カルシウム 0.83g ・増感色素I 400mg ・ゼラチン(乳剤中のGelも含め) 108g ・トリメチロールプロパン 9g ・デキストラン(平均分子量3.9万) 18.5g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 1.8g ・硬膜剤 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 膨潤率が230%の値になる ように添加量を調整 ・化合物−I 34mg ・化合物−II 4.8g ・化合物−III 15mg
【0047】
【化7】
【0048】
【化8】
【0049】上記塗布液に対し、染料−Iが片面あたり
10mg/m2となるように染料乳化物Aを添加した。
【0050】
【化9】
【0051】(1)染料乳化物Aの調製 上記染料−I 60gおよび下記高沸点有機溶媒−I
62.8g、−II 62.8gおよび酢酸エチル333
gを60℃で溶解した。つぎにドデシルスルホン酸ナト
リウムの5%水溶液65ccとゼラチン94gと水581
ccを添加し、ディゾルバーにて60℃、30分間乳化分
散した。つぎに、下記化合物−IV 2gおよび水6リッ
トルを加え、40℃に降温した。つぎに、旭化成製限外
濾過ラボモジュールACP1050を用いて、全量が2
kgとなるまで濃縮し、前記化合物−IVを1g加えて染料
乳化物Aとした。
【0052】
【化10】
【0053】表面保護層は各成分が下記の塗布量となる
ように調製準備した。 ・ゼラチン 0.78g/m2 ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 0.080g/m2 ・4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7 −テトラザインデン 0.015g/m2 ・塗布助剤−I 0.013g/m2 ・塗布助剤−II 0.045g/m2 ・塗布助剤−III 0.0065g/m2 ・塗布助剤−IV 0.003g/m2 ・塗布助剤−V 0.001g/m2 ・化合物−V 1.7mg/m2 ・化合物−VI 100mg/m2 ・ポリメチルメタクリレート(平均粒径3.7μm) 0.087g/m2 ・プロキセル(NaOHでpH7.4に調整) 0.0005g/m2
【0054】
【化11】
【0055】支持体の調製 (1)下塗層用染料分散物Bの調製 下記の染料−IIを特開昭63−197943号に記載の
方法でボールミル処理した。
【0056】
【化12】
【0057】水 434mlおよび Triton X−200界
面活性剤(TX−200)の6.7%水溶液791mlと
を2リットルのボールミルに入れた。染料20gをこの
溶液に添加した。酸化ジルコニウム(ZrO2 )のビー
ズ400ml(2mm径)を添加し、内容物を4日間粉砕し
た。この後、12.5%ゼラチン160gを添加した。
脱泡したのち、濾過によりZrO2 ビーズを除去した。
得られた染料分散物を観察したところ、粉砕された染料
の粒径は直径0.05〜1.15μmにかけての広い分
野を有していて、平均粒径は0.37μmであった。さ
らに、遠心分離操作をおこなうことで0.9μm以上の
大きさの染料粒子を除去した。こうして染料分散物Dを
得た。 (2)支持体の調製 二軸延伸された厚さ175μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルム上にコロナ放電処理をおこない、下記の
組成より成る第1下塗液を塗布量が4.9cc/m2となる
ようにワイヤーバーコーターにより塗布し、185℃に
て1分間乾燥した。次に反対面にも同様にして第1下塗
層を設けた。使用したポリエチレンテレフタレートには
染料−Iが0.04wt%含有されているものを用い
た。 ・ブタジエン−スチレン共重合体ラテックス溶液 (固形分40%ブタジエン/スチレン重量比=31/69) 158cc ・2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン ナトリウム塩4%溶液 41cc ・蒸留水 801cc *ラテックス溶液中には、乳化分散剤として下記化合物
をラテックス固形分に対し0.4wt%含有
【0058】
【化13】
【0059】上記の両面の第1下塗層上に下記の組成か
らなる第2の下塗層を塗布量が下記に記載の量となるよ
うに片側ずつ、両面にワイヤー・バーコーター方式によ
り155℃で塗布、乾燥した。 ・ゼラチン 80mg/m2 ・染料分散物B(染料固形分として) 8mg/m2 ・塗布助剤−VI 1.8mg/m2 ・化合物−VII 0.27mg/m2 ・マット剤 平均粒径2.5μmのポリメチル メタクリレート 2.5mg/m2
【0060】
【化14】
【0061】写真材料の調製 準備した支持体上に先の乳剤層と表面保護層を同時押し
出し法により両面に塗布した。片面当りの塗布銀量は
1.75g/m2とした。
【0062】写真性能の評価 写真材料の各試料を富士写真フイルム(株)製のXレイ
オルソスクリーンHR−4を使用して両側から0.05
秒の露光を与え、感度の評価をおこなった。露光後、以
下の処理をおこなった。感度は写真材料として濃度1.
0を与える露光量の比を逆数で写真材料1−1および2
−1を100として示した。上記露光条件における最低
濃度をカブリとして示した。 〔処理〕この実験に用いた自現機は、富士写真フイルム
社製自現機FPM−9000型を改造して速度加変とし
たものであり、その処理工程は下記表1の通りである。
【0063】
【表1】
【0064】処理液およびその補充については次の通り
である。
【0065】現像処理 濃縮液の調製
【0066】 <現像液> パーツ剤A 水酸化カリウム 330g 亜硫酸カリウム 630g 亜硫酸ナトリウム 255g 炭酸カリウム 90g ホウ酸 45g ジエチレングリコール 180g ジエチレントリアミン五酢酸 30g 1−(N,N−ジエチルアミノ)エチル−5−メルカプト テトラゾール 0.75g ハイドロキノン 450g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−3
−ピラゾリドン以上に水を加えて4125mlとした。
【0067】 パーツ剤B ジエチレングリコール 525g 3,3′−ジチオビスヒドロ桂皮酸 3g 氷酢酸 102.6g 5−ニトロインダゾール 3.75g 水を加えて 750ml
【0068】 パーツ剤C グルタールアルデヒド(50wt/wt%) 150g 臭化カリウム 15g メタ重亜硫酸カリウム 105g 水を加えて 750ml
【0069】 <定着液> チオ硫酸アンモニウム(70wt/Vol%) 3000ml エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム・二水塩 0.45g 亜硫酸ナトリウム 225g ホウ酸 60g 1−(N,N−ジメチルアミノ)−エチル−5−メルカプト テトラゾール 15g 酒石酸 48g 氷酢酸 675g 水酸化ナトリウム 225g 硫酸(36N) 58.5g 硫酸アルミニウム 150g 水を加えて 6000ml pH 4.68
【0070】処理液の調製 上記現像液濃縮液を下記の容器に各パーツ剤毎に充填し
た。この容器はパーツ剤A、B、Cの各部分容器が容器
自身によって一つに連結されているものである。
【0071】また、上記定着液濃縮液も同種の容器に充
填した。
【0072】まず、現像槽内にスターターとして、酢酸
54gと臭化カリウム55.5gを含む水溶液300ml
を添加した。上記処理剤入容器に逆さにして自現機の側
面に装着されている処理液ストックタンクの穿孔刃にさ
しこんで、キャップの封止膜を破り、容器内の各処理剤
をストックタンクに充填した。これらの各処理剤を下記
の割合で自現機の現像槽、定着槽に、それぞれ自現機に
設置されているポンプを作動して満たした。また、感材
が四切サイズ換算で8枚処理される毎にも、この割合
で、処理剤原液と水とを混合して自現機の処理槽に補充
した。
【0073】 現像液 パーツ剤A 55ml パーツ剤B 10ml パーツ剤C 10ml 水 125ml pH 10.50
【0074】 定着液 濃縮液 80ml 水 120ml pH 4.62
【0075】水洗槽には水道水を満たした。一方、定着
タンク内には、定着補充液をオーバーフローする寸前ま
で満たした。四切サイズ1枚当たり現像補充液は45m
l、定着補充液は60ml補充した。水洗槽には水道水を
満たし、現像処理中は、水洗水を毎分5リットル(四切
サイズ1枚当たり0.65リットル)補充した。表2に
示すように、本発明にしたがうB処理樹脂を用いた場合
は従来のA処理樹脂の場合よりも高感度で被りも低いこ
とがわかった。
【0076】
【表2】
【0077】実施例2 実施例1と同様にして乳剤T−1、A処理樹脂およびB
処理樹脂を調製した。樹脂300mlを高さ10センチメ
ートルの56℃に保温したカラムに充填し、乳剤を56
ml/min の速度で流通することで色素を剥離した。所定
の時間ごとに乳剤を採取し、実施例1と同様に塗布試料
を調製した。写真性は実施例1にしたがって評価した。
表3に示すようにA処理樹脂を使用した場合、最初の数
分以内に流出する乳剤はそれ以降に流出する乳剤よりも
感度が低く被りも高い。一方本発明のB処理樹脂を使用
した場合は、どの時間に流出した乳剤も同等に高感度で
被りも低かった。すなわち本発明により、高感度で低被
りの均質な乳剤を得ることができた。
【0078】
【表3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料であり、該
    乳剤層を構成する少なくとも1つの乳剤がイオン交換基
    を持たない有機合成樹脂で処理される乳剤であるハロゲ
    ン化銀写真感光材料において、該有機合成樹脂で処理す
    る前の乳剤に添加された化合物から選ばれる少なくとも
    1つの化合物で該有機合成樹脂を前処理する事を特徴と
    するハロゲン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 有機合成樹脂処理後の該ハロゲン化銀乳
    剤を、増感色素を吸着させることにより分光増感するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀写真感光
    材料。
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