JPH09166836A - 高塩化物ハロゲン化銀乳剤及びその調製方法 - Google Patents

高塩化物ハロゲン化銀乳剤及びその調製方法

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JPH09166836A
JPH09166836A JP8288208A JP28820896A JPH09166836A JP H09166836 A JPH09166836 A JP H09166836A JP 8288208 A JP8288208 A JP 8288208A JP 28820896 A JP28820896 A JP 28820896A JP H09166836 A JPH09166836 A JP H09166836A
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James Lawrence Edwards
ローレンス エドワーズ ジェームズ
Benjamin Teh-Kung Chen
テー−カン チェン ベンジャミン
Eric L Bell
レスリー ベル エリック
Roger Lok
ロック ロジャー
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた特性を有する写真プリント要素に適し
た乳剤を提供する。 【解決手段】 (i) 単分散高塩化物ハロゲン化銀乳剤を
用意すること、(ii)臭化銀添加、イリジウムドーパント
導入及びカブリ防止剤添加を組み合わせて、前記高塩化
物ハロゲン化銀乳剤の性能特性を改良することを含んで
成る写真用途の乳剤の調製方法であって、(a) 工程(i)
で用意する高塩化物ハロゲン化銀乳剤が、1.3 未満の平
均アスペクト比を有し、総銀に基準で0.05〜3 モル%の
ヨウ化物を含有し、最大ヨウ化物濃度がその中心よりも
ホスト部分の表面近くに配置されているヨウ塩化銀粒子
から成り、そして(b) カブリ防止剤添加前に、総銀に基
準で0.1 〜5.0 モル%の量の臭化銀を前記高塩化物ハロ
ゲン化銀乳剤に添加して、導入されるイリジウムドーパ
ントの存在下で前記ヨウ塩化銀粒子上に付着させること
を特徴とする高塩化物ハロゲン化銀乳剤の調製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線感受性写真
乳剤及びその調製方法に向けられている。
【0002】
【従来の技術】従来技術を説明する前に、本願明細書に
おいて使用する用語を定義する。ハロゲン化銀粒子及び
乳剤を示す「高塩化物」の用語は、総銀に基づいて少な
くとも90モル%の全体的な塩化物濃度を示すのに用い
る。二種類以上のハロゲン化物を含有する粒子及び乳剤
を呼ぶ場合、濃度が高くなる順にそのハロゲン化物を命
名する。
【0003】「アスペクト比」の用語を、粒子厚み
(t)に対する粒子の平均等価円直径ECDの比として
定義する。粒子の「ECD」は、粒子の投影面積と等し
い面積を有する円の直径である。一つの{100}結晶
面が立方体粒子の総投影面積を与えるように向けられた
立方体粒子のアスペクト比は、1.13である。James
のThe Theory of the Photographic Process、4 版、Ma
cmillan, New York, 1977,図3.12, 102 ページには、ア
スペクト比(ECD/t)を決定することができる、粒
子ECDの決定並びに影長及び公知の影角度(shadow a
ngle)に基づく粒子厚(t)の計算を目的とするタイプ
の典型的な電子顕微鏡写真が示されている。
【0004】「平板状粒子」の用語は、粒子のアスペク
ト比が少なくとも2である粒子構造を示すのに用いる。
「平板状粒子乳剤」の用語は、総粒子投影面積の少なく
とも35%が平板状粒子によって占められている乳剤を
いう。単分散粒子集団及び乳剤とは、粒子サイズの変動
係数(COV)が35%未満であるものである。COV
を、粒子ECDを平均粒子ECDで割った標準偏差の1
00倍として定義する。
【0005】特に断らない限りは、本明細書では写真ス
ピードを濃度1.0のところで測定する。スピードを相
対log単位で報告する。例えば、30相対log単位
のスピード差は、0.30logE(Eはルクス秒で表
す露光量)である。コントラスト(γ)を、スピードポ
イント(特性曲線が1.0の濃度を表す点)より上0.
3logE及びスピードポイントより下0.3logE
の特性曲線の点から測定する。±0.30logEの特
性曲線ポイントでの濃度差を、0.3logEで割って
コントラストを得る。
【0006】その多くの一般的な実施形態では、ハロゲ
ン化銀写真は、カメラ中で撮影フィルムを用い、写真処
理すると、透明フィルム支持体上にネガ像を生成する。
撮影フィルムのネガ像を通して、反射白色支持体に塗布
された一層以上のハロゲン化銀乳剤層を有する写真プリ
ント要素を露光して、写真的に処理して、目で見るポジ
画像を生成する。最近では、種々のネガ像情報を、走査
して引き出して、写真プリント要素の乳剤層を像様露光
するために用いる。
【0007】塩化銀乳剤は、写真プリント要素に早くか
ら選定されている。他のハロゲン化物組成の写真乳剤と
比べた塩化銀乳剤の二つの主要な利点は、(1)非常に
速い写真処理速度、並びに(2)少ない処理廃液量及び
処理廃液の環境適合性である。実際、最小濃度(3)、
写真スピード(4)及びコントラスト(5)、潜像保持
(LIK)特性(6)、並びに相反則特性(7)を含む
その他の写真性能の問題は、写真プリント要素に用いる
高塩化物立方粒子乳剤の種々の形態について研究されて
いる。
【0008】写真プリント要素は、非常に低レベルの最
小濃度(一般的に、0.1未満)を要求する。最小濃度
の要件は、高塩化物乳剤及び乳剤中のカブリ防止剤の使
用の賢明な選定によって一般的に充足されている。達成
可能な写真スピードは限られており、全体的な画像の質
を著しく落とさないより速い写真スピードは、写真プリ
ント要素において継続的に改善が求められているものの
典型例である。
【0009】写真コントラストは、主として、単分散乳
剤を用いることによって、容認できるレベルに維持され
ている。潜像保持(LIK)性能は、像様露光と処理と
の間の時間の遅れの関数として、観察される写真スピー
ドの変動に関して一般的に測定される。達成可能な最小
のスピード変動は、二番目の継続的な要求の典型であ
る。
【0010】相反則特性(通常、相反則不軌と呼ばれ
る)を、写真相反則の法則からの背反に関して測定す
る。写真要素の露光量(E)は、露光強度(I)と露光
時間(t)との積である E=I×t 写真の相反則によれば、写真要素は、たとえ露光強度と
時間が変化しても、同じ露光量で同じ像を生じなければ
ならない。例えば、選択された強度での1秒間の露光量
は、105 の係数によって増加した強度での10-5の露
光量と正確に同じ結果を生じるべきである。
【0011】写真プリント用途の高塩化物乳剤を検査し
て最も一般的に観察されることは、同じ露光量のところ
で露光の強度が増加するにつれてスピードが逸脱すると
いうことである。同じ露光量の場合、1秒の露光時間と
比較した10-5秒以下の露光時間(典型的に、写真プリ
ント要素の露光時間)のスピード差を、通常、高照度相
反則不軌(HIRF)と呼ぶが、実際には、それはスピ
ードだけの高照度相反則不軌(HIRFs )である。
【0012】同じ露光量のところで露光の強度が増加す
るにつれてコントラストの変動を測定することが同様に
可能である。同じ露光量の場合、1秒の露光時間と比較
した10-5秒以下の露光時間(典型的に、写真プリント
要素の露光時間)のコントラスト差を、本明細書中で
は、コントラスト高照度相反則不軌(HIRFC )と呼
ぶ。露光強度の増加の作用としてのコントラストの減少
は、写真プリント要素の望ましくない特性である。
【0013】次のものは、当該技術分野の先行技術文献
の例である。Hasebeの米国特許第4,865,962号
明細書には、(a)少なくとも50モル%(好ましく
は、少なくとも90モル%)の塩化物であるレギュラー
粒子を用意し、(b)当該粒子表面に有機化合物を吸着
させ、そして(c)臭化物を導入し、それによって選択
された粒子面部位のところにハロゲン化物転換を達成す
ることが記載されている。
【0014】Asami のEPO0295439号明細書に
は、ハロゲン化物転換の前に有している、高塩化物濃度
を有する粒子表面部を備えた層化構造を、臭塩化銀粒子
の表面のところでハロゲン化転換を達成するために、臭
化物を添加することが記載されている。好ましくはこの
粒子は単分散体である。Suzumoto等の米国特許第5,2
52,454号明細書は、塩化物含量が95モル%(好
ましくは、97モル%)以上である臭塩化銀乳剤が記載
されている。この粒子は、その粒子の表面のところに好
ましくはエピタキシャル形成された少なくとも20モル
%の臭化物濃度を有する局在化相を有する。好ましくは
この粒子は単分散体である。
【0015】Ohshima 等の米国特許第5,252,45
6号明細書には、より大きなホスト粒子(好ましくは立
方体もしくは十四面体)乳剤と微小粒子乳剤とを配合
し、オストワルド熟成することによって、粒子の表面の
ところに形成された少なくとも10モル%臭化物を含有
する臭化物リッチ相を備えた、塩化物含量が少なくとも
80モル%(好ましくは、95モル%以上)である臭塩
化銀乳剤が記載されている。少なくとも二つのシアノリ
ガンドを有するイリジウム配位錯体を用いて、スピード
を増加し相反則不軌を小さくする。
【0016】Hasebe等、Asami 、Suzumoto等及びOhshim
a 等を通して流れている共通の主題は、ヨウ化物を混和
することによって演じられるべき構成上の役割が無いこ
とである。Asami の特許明細書の次の記載が代表的であ
る:『本発明で、「ヨウ化銀を実質的に含まない」と
は、ヨウ化銀含量が総銀量の2モル%以下であることを
意味する。好ましくは、ヨウ化銀含量は、0.2モル%
以下であり、最も望ましくは、ヨウ化銀は完全に存在し
ない。』 引用される教示はいずれも、低レベルのヨウ化物が良い
という名ばかりの認識を超えるものではない。
【0017】ヨウ塩化銀乳剤の存在が広く認識されてお
り、「ヨウ塩化銀」は理論的に可能なハロゲン化銀組成
のリストにしばしば出現するが、実際、ヨウ塩化銀乳剤
は、認識されている実用的な用途をほとんど有さず、上
記引用の教示に示されるように、一般的に回避されてい
る粒子組成である。化学的に興味のある事象は、House
等の米国特許第5,320,938号明細書によって報
告されている、ヨウ化物の存在下で粒子沈殿を行うと、
{100}主結晶面によって仕切られる平板状粒子(ア
スペクト比2以上)のかなりの集団を含んで高塩化物乳
剤を沈殿することができるという発見であった。House
等は、当該粒子が平板状粒子、立方体粒子及びロッドの
混合物を含むと認識している。さらに、この平板状粒子
それ自体は著しい大きさの変動を示す。House 等は、い
ずれの単分散乳剤も記載していない。
【0018】Maskaskyの米国特許第5,264,337
号及び同5,292,632号明細書(以下、Maskasky
I及びIIという)は、粒子核生成の場で内部にヨウ化物
を含まないが、沈殿の後の段階でヨウ化物を許容できる
高塩化物{100}平板状粒子乳剤の調製を報告する。
平板状構造を得るためには、吸着される有機抑制剤を用
いなければならない。この吸着される抑制剤は、乳剤調
製を面倒にし、もちろん、後のこの乳剤の写真的な実用
性を減じ、そして/もしくは悪くする。House、Maskask
y I及びIIでは同様に異なる粒子形状の混合物を沈殿
し、いずれの単分散乳剤も開示していない。
【0019】Budz等の米国特許第5,451,490号
明細書には、House 並びにMaskaskyI及びIIに記載され
るタイプの乳剤を含有する写真プリント要素をピクセル
毎に露光する電子印刷方法が記載されている。Maskasky
の米国特許第5,275,930号明細書(以下、Mask
asky IIIという)には、その平板状粒子のコーナー上に
エピタキシャル付着することによってHouse 等並びにMa
skasky I及びIIの乳剤を化学増感することが記載されて
いる。Maskasky IIIには、臭化物イオンもしくは臭化物
イオンと低割合のヨウ化物イオンの組合せを沈殿時に添
加すると、ホスト平板状粒子のコーナーのところに好ま
しいハロゲン化銀エピタキシャル付着を生成することが
できると記載されている。Brust 等の米国特許第5,3
14,798号明細書は、House 並びにMaskaskyI及びI
Iにに教示されるような平板状粒子乳剤であるが、その
上にバンドが沈殿するコアよりも高いヨウ化物レベルを
有するバンドを含んでいる乳剤の調製を記載する。この
バンド構造は平板状粒子を形成する銀の最大30%を含
むことができる。
【0020】House 等、Maskasky I、II及びIII 、Budz
等並びにBrust 等は全て、求める平板状粒子に加えて種
々の粒子形状を有する乳剤を作成する。さらに、平板状
粒子それ自体は、かなり変動する粒子サイズを示す。単
分散乳剤は記載されていない。ハロゲン化銀乳剤では、
ヨウ化物は有用であるとして知られており、高臭化物
(総銀に対して50モル%を超える)ハロゲン化銀乳剤
では広く用いられている。沈殿時にヨウ化物を均一にも
しくは不均一にハロゲン化銀粒子中に導入する場合、二
種類の一般的な技法がある。最も一般的な技法では、ヨ
ウ化物イオンをアルカリもしくはアルカリ土類ヨウ化物
塩のような溶解性塩の形で添加する。別のヨウ化物イオ
ン源として、微小ヨウ化銀粒子のリップマン乳剤を熟成
することができる。さらに最近提唱されている(Takada
等の米国特許第5,389,508号明細書に具体的に
説明されている)別法としては、ハロゲン化銀乳剤の分
散媒体に存在する有機分子からヨウ化物イオンを開裂さ
せることである。残念なことに、Takada等の特許明細書
に教示されるヨウ化物イオンを開裂させる条件は、高塩
化物乳剤のカブリを著しく増加させる。
【0021】ヨウ化物及びヨウ化物配置を含むハロゲン
化銀粒子組成物を教示する一般的な概要は、リサーチデ
ィスクロージャー、365 巻、1994年9 月、アイテム3654
4 、I.「乳剤粒子及びその調製」、A.「粒子ハロゲ
ン化物組成」に記載されている。マーケットが受けいれ
るための最小限の容認できる性能基準を満たすことがで
きるヨウ化物及びヨウ化物配置を含むハロゲン化銀粒子
組成物は、特定の写真用途に従って広範に変わる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これまで達
成されたよりも優れた特性の組合せを提供する写真プリ
ント要素に適した乳剤に向けられている。特に本発明
は、(1)高臭化物(総銀に対して50モル%を超え
る)乳剤に比較してより速い写真処理速度、(2)高臭
化物乳剤に比較して処理排水が少なくよりよい環境適合
性、(3)容認可能な最小濃度、(4)従来入手可能な
高塩化物乳剤に比較して改良された写真スピード、
(5)容認可能なコントラスト、(6)容認可能な潜像
保持(LIK)特性、(7a)制限されたスピード高照
度相反則不軌(HIRFS )、ある場合では、より高い
露光強度での制限されたスピード増加、並びに(7b)
より高い露光強度で高められたコントラストをもたらす
有利なコントラスト高照度相反則不軌(HIRFC )の
優れた組合せ提供する。
【0023】
【課題を解決するための手段】一つの態様では、本発明
は、 (i)単分散高塩化物ハロゲン化銀乳剤を用意するこ
と、 (ii)臭化銀添加、イリジウムドーパント導入及びカ
ブリ防止剤添加を組み合わせて、前記高塩化物ハロゲン
化銀乳剤の性能特性を改良することを含んで成る写真用
途の高塩化物ハロゲン化銀乳剤の調製方法であって、
(a)工程(i)で用意する高塩化物ハロゲン化銀乳剤
が、1.3未満の平均アスペクト比を有し、そして総銀
に基づいて0.05〜3モル%のヨウ化物を含有し、最
大ヨウ化物濃度がその中心よりもホスト部分の表面近く
に配置されているヨウ塩化銀粒子から本質的に成り、そ
して(b)カブリ防止剤添加前に、総銀に基づいて0.
1〜5.0モル%の量の臭化銀を前記高塩化物ハロゲン
化銀乳剤に添加して、導入されるイリジウムドーパント
の存在下で前記ヨウ塩化銀粒子上に付着させる、ことを
特徴とする高塩化物ハロゲン化銀乳剤の調製方法に向け
られている。
【0024】もう一つの態様では、本発明は、分散媒
体、並びにホスト及びエピタキシャル付着部分並びにイ
リジウムドーパントを含むイリジウムドープ複合高塩化
物ハロゲン化銀粒子を含んで成る放射線感受性乳剤であ
って、前記ホスト部分が1.3未満の平均アスペクト比
を有し、そしてホスト部分を形成する総銀に基づいて
0.05〜3モル%のヨウ化物を含有する単分散ヨウ塩
化銀粒子から本質的に成り、最大ヨウ化物濃度が粒子中
心よりもホスト部分の表面近くに配置されており、エピ
タキシャル付着部分がイリジウムドーパント及び当該複
合粒子を形成する総銀の0.1〜5モル%を占める臭化
銀を含有する、ことを特徴とする放射線感受性乳剤。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の乳剤は、ホスト粒子を形
成する総銀に基づいて0.05〜3モル%のヨウ化物を
含有し、最大ヨウ化物濃度が粒子の中心よりもホスト粒
子の表面近くに配置されており、イリジウムドーパント
及び当該複合粒子を形成する総銀の0.1〜5モル%を
占める臭化銀を含有するエピタキシーと組合わさる、単
分散の、低アスペクト比(非平板状)ヨウ塩化銀ホスト
粒子を含有する。
【0026】通常の高塩化物乳剤と比較した本発明の乳
剤のスピード増強は、ホスト粒子内のヨウ化物の意図的
な封入及び特定の配置に主として帰することができる。
写真プリント要素に用いるための高塩化物乳剤内の意図
的なヨウ化物導入は、そのような用途を目的とする高塩
化物乳剤は実質的にヨウ化物を当然含まないとする当該
技術分野における一般的なコンセンサスに反する。
【0027】今まで達成されていないレベルの感度を、
不均一に分布した、ホスト粒子内の総銀に基づいて0.
05〜3モル%(好ましくは、0.1〜1モル%、最も
好ましくは、0.1〜0.6モル%)の範囲の低レベル
のヨウ化物によって実現することができることが、初め
て認められた。特に、最大ヨウ化物濃度を、粒子の中心
よりも粒子の表面により近いホスト粒子内に配置する。
好ましくは、粒子を形成する総銀の50%(最も好まし
くは、85%)を沈殿させてヨウ塩化銀ホスト粒子のコ
ア部分を形成した後、最大ヨウ化物濃度含有シェルをそ
のコア上に配置し、そして追加のヨウ化物添加無しにさ
らに銀及び塩化物イオンを沈殿させて下位表面に変え
る。このヨウ化物を含まない表面シェルは、好ましく
は、2.5nm(25オングストローム)より厚く、最
も好ましくは、5nm(50オングストローム)より厚
い、厚みを有する。
【0028】ホスト粒子内の全部のヨウ化物濃度を限定
することが、高塩化物乳剤の既知の急速処理速度及び環
境適合性を維持する。粒子内の局部的なヨウ化物濃度を
最大にすると結晶格子変化が最大になる。ヨウ化物イオ
ンが塩化物イオンよりもはるかに大きいので、ヨウ化銀
の結晶セル寸法は、塩化銀よりもはるかに大きい。例え
ば、ヨウ化銀の結晶格子定数は、塩化銀が0.36nm
(3.6オングストローム)であるのに対して0.50
nm(5.0オングストローム)である。したがって、
粒子内のヨウ化物濃度が局部的に増加すると、結晶格子
変化が局部的に増加し、そしてこの結晶格子変化が適当
に配置されている限りは写真スピードが増加する。
【0029】高塩化物粒子構造の既知の利点を維持する
ために、全体のヨウ化物濃度は制限されなければならな
いので、ヨウ化物の全てを最大ヨウ化物濃度が生じる粒
子構造の範囲に配置することが好ましい。おおざっぱに
言って、ヨウ化物は、沈殿する総銀基準でホスト粒子構
造の最後に沈殿した50%(即ち、外側部)に限定する
ことができる。好ましくは、ヨウ化物は、沈殿する総銀
基準で粒子構造の外側15%に限定される。
【0030】最大ヨウ化物濃度は、ホスト粒子の表面に
近接して生じることができるが、最小濃度を減少させる
ためには、ホスト粒子の内部に最大ヨウ化物濃度を配置
することが好ましい。写真感度を高めるヨウ化物配置を
有するホスト粒子ヨウ塩化銀乳剤の調製は、最大ヨウ化
物濃度の領域の沈殿前(即ち、銀沈殿の少なくとも最初
の50%(好ましくは、少なくとも最初の85%))
は、任意の適当な通常の高塩化物単分散非平板状粒子沈
殿法を用いることにより行うことができる。最初に形成
される高塩化物非平板状粒子は、次にさらなる粒子成長
のホストとしての役割を果たす。これらの粒子は、35
%未満、好ましくは25%未満の変動係数を有し、1.
3未満の平均アスペクト比を示す。一つの具体的に意図
される好ましい形態では、最初に形成される乳剤は、単
分散塩化銀立方体粒子乳剤である。また、粒子の全体組
成要件と矛盾しない低レベルのヨウ化物が、ホスト粒子
内に存在してもよい。この最初に形成される粒子は、十
四面体形態等の他の非平板状形態を含むことができ、全
体の平均アスペクト比及び単分散基準が満足される限り
は、少しの平板状粒子も許容することができる。
【0031】沈殿プロセスの最初に形成される粒子要件
を満足する乳剤を形成する方法は、当該技術分野におい
て周知である。例えば、粒子の最大ヨウ化物濃度領域の
成長前に、Atwellの米国特許第4,269,927号明
細書、TanakaのEPO第0080905号明細書、Hase
be等の米国特許第4,865,962号明細書、Asami
のEPO第0295439号明細書、Suzumoto等の米国
特許第5,252,454号明細書もしくはOhshima 等
の米国特許第5,252,456号明細書記載の沈殿法
を用いることができるが、粒子の表面もしくは表面付近
に臭化物を配置する沈殿法の部分(存在する時には)は
除かれる。言い換えれば、調製する粒子の最高塩化物濃
度の沈殿を通して、上記の引用文献により教示されてい
る沈殿法を用いて、このホスト粒子を調製できる。
【0032】ホスト粒子の総銀の少なくとも50%(好
ましくは少なくとも85%)を占める最初に形成される
粒子集団がいったん調製されると、増加した濃度のヨウ
化物が乳剤に導入されて、最大ヨウ化物濃度を含有する
粒子領域が形成される。ヨウ化物イオンは、アンモニウ
ムもしくはアルカリ金属ヨウ化物塩等の可溶性塩とし導
入されるのが好ましい。ヨウ化物イオンを、銀及び/も
しくは塩化物イオンの添加と同時に導入してもよい。別
法として、ヨウ化物イオンを単独で導入後、直ちに追加
の塩化物イオンを導入するか又はせずに、銀イオンを導
入できる。ホスト粒子の表面に近接した塩化物イオンを
置換することにより排他的に最大ヨウ化物濃度領域を導
入することよりもむしろ、ホスト粒子の表面上の最大ヨ
ウ化物濃度領域を成長させることが好ましい。
【0033】ヨウ化物導入により生じる結晶格子変化の
局在化を最大にするために、ヨウ化物イオンはできるだ
け迅速に導入することが好ましい。即ち、粒子の最大ヨ
ウ化物濃度領域を形成するヨウ化物イオンを、30秒未
満、最適には10秒未満内に導入するのが好ましい。ヨ
ウ化物をもっとゆっくりと導入する場合は、より迅速な
ヨウ化物導入により得られるのと等しいスピード増加を
達成するために、幾分より高量のヨウ化物(しかしまだ
上記した範囲内)を必要とし、最小濃度レベルは幾分高
くなる。よりゆっくりとヨウ化物を添加すると、操作性
はより簡単であり、特に、より大きなバッチサイズ乳剤
調製において達成することができる。したがって、少な
くとも1分間(好ましくは少なくとも2分間)、好まし
くは銀の同時導入中にヨウ化物を添加することが、特に
考えられる。
【0034】よりゆっくりと、好ましくは少なくとも1
分(より好ましくは、少なくとも2分)を越えて、且つ
同時に添加する銀の濃度に基づいて5モル%を越える濃
度で、ヨウ化物を添加する場合、乳剤での粒子−粒子変
化を小さくする利点を達成できることが分かった。例え
ば、ヨウ化物をよりゆっくりと導入し上述の濃度レベル
を維持すると、明確に規定される14面体粒子が調製さ
れた。5モル%を越える濃度でヨウ化物が、{111}
結晶面の発生を促進するように作用すると信じられる。
最大、塩化銀中のヨウ化物レベルの飽和(一般的には、
約13モル%)までの任意のヨウ化物レベルを用いるこ
とができる。塩化銀中のその飽和レベルを越えてヨウ化
物濃度を高めることは、分離したヨウ化銀相が沈殿する
危険を犯すことになる。Maskaskyの米国特許第5,28
8,603号明細書では、塩化銀中のヨウ化物飽和レベ
ルが議論されている。
【0035】最大ヨウ化物濃度領域の沈殿に続く追加の
粒子成長は必須ではないが、上記で示したように、最大
ヨウ化物領域を粒子表面から分離するのが好ましい。ヨ
ウ化物を含有する粒子上への成長は、ホスト粒子沈殿に
ついて利用できる常法のいずれか一つを用いて行うこと
ができる。この粒子の最大ヨウ化物濃度領域の成長によ
り生じる局在化した結晶格子変化は、たとえ最初に形成
される粒子を慎重に選択して単分散立方体粒子であるよ
うにした場合でも、十分に成長したホスト粒子が立方形
状をとるのを妨げる。そのかわり、このホスト粒子は、
非平板状であり低アスペクト比(1.3未満、より一般
的には、1.2未満)を有するが、通常、完全な立方体
ではない。即ち、粒子は、{100}結晶面によって部
分的に仕切られているだけである。粒子の最大ヨウ化物
濃度領域を、分散媒体を効率的に攪拌しながら(即ち、
ヨウ化物イオンの均質入手性)成長させると、十四面体
粒子から実質的に構成される粒子集団が観察される。し
かしながら、ヨウ化物分布の同一の均一性が達成できな
い大容量の沈殿では、立方体形状から外れて変化したも
のを含む粒子が観察される。通常、十四面体の1〜8の
{111}結晶面にわたる形状変化が観察された。
【0036】ヨウ塩化銀乳剤の変化形態の性能を調べた
後、これらの乳剤の増強されたスピードは、主として導
入されるヨウ化物のレベル及び配置によって決定される
と推断された。写真プリント要素の用途に容認できるコ
ントラストを、単分散粒子集団を用いて実現する。すな
わち、十分に形成されたヨウ塩化銀ホスト粒子は、35
%未満、最適には25%未満の粒子サイズ変動係数を示
す。非常に小さい粒子サイズ変動係数も実現可能である
が、分散度を最小にすると、実現される利点の増分が累
進的に小さくなる。
【0037】ヨウ塩化銀ホスト粒子乳剤を、通常通り、
化学増感及び分光増感し、写真プリント要素に用いるた
めにカブリ防止剤を組み合わせて、上記検討の申し分の
ない写真特性(1)〜(6)及び(7a)を、比較する
通常の高塩化物乳剤よりも優れたスピード特性(4)と
併せて実現する。好ましいコントラスト高照度相反則不
軌(HIRFC )特性を、ホスト粒子及びイリジウムド
ーパントを含む臭化銀エピタキシーのような、上記した
ヨウ塩化銀粒子を含有する複合粒子の形成によって与え
ることができることが、本発明の特に注目する点であ
る。特に、短時間、高照度露光の顕著なコントラスト増
加が注目される。
【0038】本発明の乳剤に到達するまでに、多くの密
接に関連した乳剤調製技法の変法を調べて、それらが好
ましいHIRFC 特性を与えないことがわかった。具体
的には、それらの結果は、増加した露光強度の作用とし
てのコントラストのほんの僅かかもしくは取るに足りな
い変化であり、多くの場合は、増加した露光強度の作用
としてコントラストが急激に低下した。
【0039】以下の調製順序の変法を実施した: (i)上記のような単分散高塩化物ホスト粒子乳剤を用
意する; (ii)化学増感及び分光増感の前もしくは後のいずれ
かで、臭化物イオン源を添加する;そして (iii)カブリ防止剤を添加する。
【0040】カブリ防止剤の後にイリジウムを添加して
も、顕著なHIRFC 改善は見られなかった。臭化物イ
オン導入の後にイリジウムを添加しても(その後に、カ
ブリ防止剤添加を行っても)、顕著なHIRFC 改善は
見られなかった。臭化物イオンを可溶性臭化物塩(例え
ば、臭化カリウム)の形で添加した場合、写真スピード
が悪化し、HIRFC は好ましくなく、固定した全露光
量で露光強度を増加するとコントラストが低下した。
【0041】臭化銀がヨウ塩化銀ホスト粒子上にエピタ
キシャル付着するのを可能にする微粒子乳剤の形態で臭
化物イオンを添加すると、スピード低下は見られず、好
ましいHIRFC が観察された。イリジウムを添加しな
いで、臭化銀を加えると、スピードもHIRFC も著し
い改善は観察されなかった。臭化銀含有微小粒子添加の
後、イリジウムを加えてもHIRFC の著しい改善は見
られなかった。
【0042】測定される他の性能に著しく悪い影響を与
えることのない、最も好ましいHIRFC 改善(より高
い露光強度でのコントラストの増加)は、イリジウムを
前記の微粒子乳剤の添加前もしくは添加中で、且つカブ
リ防止剤の添加前に加えると観察された。この手順を続
けると、性能特性(1)から(6)、(7a)及び(7
b)の最良の組合せが観察された。
【0043】これらの研究の多くの観察の中で、予期し
ない、且つ驚くべきことは、可溶性塩として臭化物イオ
ンを導入することに比べて、臭化銀含有微小粒子を用い
ることによって、優れた性能が実現されるという現実で
あった。臭化カリウムのような可溶性臭化物塩を導入す
ると、ヨウ塩化銀ホスト粒子の表面のところで開始する
ハロゲン化物変換を後に達成する臭化物イオンを放出す
るが、微小臭化銀粒子の導入に続くオストワルド熟成
は、ヨウ塩化銀ホスト粒子の表面上に別の臭化物含有ハ
ロゲン化銀相のエピタキシャル付着を生じる。
【0044】ハロゲン化物変換及びエピタキシャル付着
による臭化物導入は両方とも、ホスト粒子のコーナー及
びエッジのところにより高い臭化物濃度を生成しようと
するが、主たる違いは、ハロゲン化物変換によって生成
される複合粒子では最も高い臭化物濃度と最も低い臭化
物濃度の粒子領域間は臭化物濃度が連続して徐々に変化
するが、エピタキシャル付着によって生成される複合粒
子では臭化物イオンがより広くそのエピタキシーに閉じ
こめられている点にある。しかし構造におけるこの差
は、エピタキシャル付着の場合に観察される利点を説明
しない。さらに、当該技術分野では、Hasebe等の米国特
許第4,865,962号、Suzumotoの同5,252,
454号、Ohshima 等の同5,252,456号、及び
Asami のEPO第0295439号明細書の教示によっ
て説明されるように、高塩化物粒子中に臭化物を導入す
るために、互換可能にハロゲン化物変換及びエピタキシ
ーを用いることができるので、粒子中への臭化物導入す
る二つの方法が異なる結果を生じることは驚きである。
【0045】イリジウムドーパントを、HIRFを減ら
すために知られているいずれの通常の形態及び量で導入
することができる。イリジウムをヘキサ配位錯体として
導入するのが好ましい。一般的に、HIRFのみの改良
をイリジウム導入によって得ようとする場合、ヘキサハ
ロ配位錯体としてイリジウムを導入することが最も好都
合である。しかし、式IIに示されるように、多様な配
位リガンド選定が知られている。
【0046】(II) [IrL6n (式中、Irは、+3価状態のイオンであり、L6 は、
6個の配位錯体リガンドを表し、独立して選定すること
ができるがそれらのリガンドの少なくとも4個はアニオ
ン性リガンドであり、そしてnは、−1、−2もしくは
−3である) 説明のために、ドーパントとして導入されたIrは、そ
の+3価状態以外の他の価の状態では決して観察されな
いことを注記する。しかし、Ir+3を含む錯体よりもこ
れらの錯体が安定であるので、その+4価状態のイリジ
ウムを含有する錯体をしばしば用いてイリジウムを導入
する。この事は、Leubner 等の米国特許第4,902,
611号明細書に記載されている。配位錯体の正味の負
電荷は、結晶構造中へのその封入を容易にする。
【0047】ハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物
及び/もしくはヨウ化物)リガンドに加えて、擬似ハロ
ゲン化物(例えば、シアノ、シアネート、チオシアネー
ト、及び/もしくはセレノシアネート)リガンドを用い
ることができる。アニオン性リガンド要件を条件とし
て、種々の電荷中性リガンド、例えば、アクオ及びカル
ボニルリガンドを用いることも可能である。Olm 等の米
国特許第5,360,712号明細書に記載される種々
のタイプの有機リガンドを用いることもさらに考えられ
る。
【0048】浅い電子トラップ(SET)として作用
し、それによって追加的にスピード増加に寄与するよう
に、イリジウム配位錯体のリガンドを選択することが可
能である。SETドーパントとして追加的に作用するイ
リジウム配位錯体の場合、少なくとも一つ(好ましく
は、少なくとも3、最適には少なくとも4つ)のリガン
ドがハロゲン化物リガンドのいずれよりも電気的陰性で
あることが必要である。イリジウム錯体を含むSETド
ーパントのリガンド選択の詳しい説明は、リサーチディ
スクロージャー、367 巻、1994年11月、アイテム36736
に記載されている。
【0049】次のものは、本発明の実施に有用な具体的
なイリジウム配位錯体の例である: D−1 [IrCl6-3 D−2 [IrBr6-3 D−3 [Ir(CN)6-3 D−4 [Ir(CN)5 Cl]-3 D−5 [Ir(CN)5 Br]-3 D−6 [Ir(CN)5 I]-3 D−7 [Ir(CN)4 Cl2-3 D−8 [Ir(CN)4 Br2-3 D−9 [Ir(CN)5 (HOH)]-2 D−10 [Ir(CN)5 (N3 )]-3 D−11 [Ir(CN)4 (オキサレート)]-3 D−12 [IrCl4 (en)]-1 D−13 [IrCl4 (en)]-1 D−14 [IrCl4 (MeCN)2-1 D−15 [IrCl5 (MeCN)]-1 D−16 [IrCl4 (MeSCH2 CH2 SMe)]-1 D−17 [IrCl5 (pyz)]-2 D−18 [IrCl4 (pyz)2-1 D−19 [IrCl3 (pyz)3-1 D−20 [Ir2 Cl5 (pym)]-2 D−21 [IrCl5 (py)]-2 D−22 [IrCl4 (py)2-1 D−23 [IrCl3 (py)(C24 )]-2 D−24 [IrCl4 (C24 )]-3 D−25 [IrCl5 (チアゾール)]-2 D−26 [IrCl5 (pyz)Fe(CN)5-5 en =エチレンジアミン Me =メチル py =ピリジン pym=ピリミジン pyz=ピラジン イリジウム配位錯体は、複合粒子を形成する総銀に基づ
いて1×10-9モル/Agモルを超える濃度で、HIR
C を改良するのに有効である。この配位錯体をSET
として作用するようにリガンド選択する場合以外は、1
×10-4モル/Agモルを超えるイリジウム濃度は、ス
ピード低下の原因となり、好ましくない。配位錯体のリ
ガンドをSETとして作用するように選択する場合、1
×10-7〜5×10-4モル/Agモルのイリジウム配位
錯体の濃度が好ましい。
【0050】複合粒子の臭化物濃度を不必要に増加する
と、(1)及び(2)の利点を減じるので、イリジウム
の導入を達成するのに用いる臭化銀濃度を限定するのが
好ましい。HIRFC の利点、及び必要に応じてさらに
スピードの増加の達成に必要なイリジウムの量が非常に
少ないことから、明らかに、複合粒子に混ぜるのに必要
な臭化物イオンの量はほんの僅かである。複合粒子中の
臭化物濃度が、複合粒子の総銀に基づいて0.3〜5
(最も好ましくは、0.5〜3)モル%であるのが一般
的に好ましい。臭化物の最低量(0.5モル%未満)で
は、最小のイリジウムドーパント濃度よりも幾分高い濃
度がHIRFC の利点を実現するために必要である。
【0051】イリジウムは本発明の実施に必要な唯一の
ドーパントであるが、他の通常のドーパントを追加的に
複合粒子に導入することも認められる。例えば、複合粒
子の沈殿中いつでも、イリジウム以外の金属を用いるS
ETドーパントをドーパントとして導入することができ
る。SETドーパントは、上記リサーチディスクロージ
ャー、アイテム36736 に広く記載されている。他の通常
の粒子ドーパントは、リサーチディスクロージャー、36
5 巻、1994年9 月、アイテム36544 、I.「乳剤粒子及
びその調製」、D.「粒子改良条件及び調整」に記載さ
れている。イリジウム以外のSETドーパントを、ヨウ
塩化銀ホスト粒子中で、ホスト粒子を形成する銀の少な
くとも5モル%粒子の表面から離れて配置するのが好ま
しい。
【0052】本発明の複合粒子乳剤を含有する写真要素
のコントラストを、ニトロシルもしくはチオニトロシル
リガンドを含有するヘキサ配位錯体でこの粒子をドーピ
ングすることによってさらに高めることができる。この
種類の好ましい配位錯体は、次の式によって表される: (III) [TE4 (NZ)E’]r (式中、Tは、遷移金属であり;Eは、橋かけリガンド
であり;E’は、EもしくはNZであり;rは、0、−
1、−2もしくは−3であり;そしてZは、酸素もしく
はイオウである)。
【0053】前記Eリガンドは上記のIr及びSETド
ーパントにおいて見受けられる任意の形態をとることが
できる。式IIIを満足する適合する配位錯体の例は、
米国特許第4,933,272号(McDugle 等)明細書
に記載されている。コントラスト増加ドーパント(以
下、「NZドーパント」ともいう)を、粒子構造に任意
の都合のよい位置に導入することができる。しかし、N
Zドーパントが粒子の表面に存在する場合は、粒子の感
度を減らす可能性がある。従って、ヨウ塩化銀粒子を形
成する全体の銀沈殿の少なくとも1%(最も好ましくは
少なくとも3%)まで、NZドーパントが粒子表面から
離れるように、ヨウ塩化銀ホスト粒子中に配置すること
が好ましい。NZドーパントの好ましいコントラスト増
強濃度は、銀1モル当たり1×10-11 〜4×10-8
ルの範囲であり、特に好ましい濃度は、銀1モル当たり
10-10 〜10-8モルの範囲である。
【0054】種々のIr、SET及びNZドーパントの
一般的に好ましい濃度範囲は上記の範囲であるが、これ
らの一般的な範囲内で、特定用途のための具体的な最適
濃度範囲を通常の試験によって明確にできることが認め
られる。非IrのSET及びNZドーパントを単独もし
くは組み合わせて用いることが特に考えられる。例え
ば、Ir及び非IrのSETドーパントの組み合わせを
含有する粒子も具体的に考えられる。同様に、Ir及び
NZドーパントを組み合わせて用いることができる。ま
た、Ir、非IrのSETドーパントNZドーパントを
組み合わせて用いることができる。沈殿に関しては、用
いるNZドーパント及び非IrのSETドーパントを、
ヨウ塩化銀ホスト粒子に順に導入することが最も都合が
良く、その後必然的に、記載したようにエピタキシャル
付着時にイリジウムドーパントを導入する。
【0055】ヨウ塩化銀ホスト粒子上へ微小粒子をオス
トワルド熟成させる条件下で、臭化銀を含有する相対的
に微小粒子乳剤(ヨウ塩化銀粒子のECDよりも小さい
平均ECDを有するもの)をホスト粒子乳剤中に導入す
ることによって、ホスト粒子の形成後にイリジウムドー
パント(及び、必要に応じて、他のドーパント)の導入
を達成する。オストワルド熟成を促進するために、0.
1μm未満の平均粒径を有する微小粒子を用いることが
考えられる。小さいサイズの臭化銀含有粒子を選定し
て、単位体積当たりの有効粒子表面積を最大にし、乳剤
が配合されるときの臭化銀の分配を改善する。
【0056】好ましい形態では、臭化銀含有乳剤はリッ
プマン乳剤である。最小で約3nm(30オングストロ
ーム)の平均粒径を有するリップマン乳剤が報告されて
いるが、リップマン乳剤の一般的な平均粒径は約0.0
5μmである。臭化銀は、ヨウ塩化銀ホスト粒子上への
オストワルド熟成のために加えられる粒子の単一のハロ
ゲン化銀組成物となることができる。これにより、複合
粒子全体に必要とされる臭化物濃度達成するためにホス
ト粒子上にオストワルド熟成しなければならないハロゲ
ン化銀量を最小にする。オストワルド熟成によって、付
着させなければならない全部の銀の全量を増加させる場
合以外は、微小粒子中の塩化銀を包含させることは好ま
しくない。高(50モル%以上)臭化物乳剤が好まし
い。この微小粒子中の少量のヨウ化物(微小粒子乳剤の
総銀の、最大約1モル%)は許容できるが、複合粒子の
ヨウ化物含量はホスト粒子によって全部提供されること
が望ましい。
【0057】この微小粒子の沈殿時に、イリジウム(及
び、必要に応じて他のドーパント)を用いてそれをドー
プすることも特に考えられる。イリジウムと臭化銀の両
方を一つの添加工程でホスト粒子乳剤に加えることがで
きるので、このことは複合粒子調製を簡単にする。臭化
物含有微小粒子中にイリジウムを含んでいない場合、そ
の臭化物含有微小粒子に遅れないで(即ち、微小粒子の
添加前もしくは添加と同時)にホスト粒子乳剤にそれを
添加する。
【0058】沈殿後且つ化学増感前に、任意の都合の良
い通常の技法でこの乳剤を洗浄することができる。通常
の洗浄技法は、上記引用のリサーチディスクロージャ
ー、アイテム36544 、セクションIII「乳剤洗浄」に
開示されている。この乳剤を写真プリント要素に有用で
あるとして知られているいずれの平均粒径にも調製する
ことができる。0.15〜2.5μmの範囲の平均粒径
が一般的であり、0.2〜2.0μmの範囲の平均粒径
が一般的に好ましい。
【0059】この複合粒子乳剤を、活性ゼラチン(T.
H. James のThe Theory of the Photographic Process
第4版, Macmillan, 1977, 67-76頁に説明されている)
又は中間カルコゲン(イオウ、セレンもしくはテル
ル)、金、プラチナ金属(プラチナ、パラジウム、ロジ
ウム、ルテニウム、イリジウム及びオスミウム)、レニ
ウムもしくは燐増感剤、又はこれら増感剤の組合せを用
いて、例えば、5〜10のpAgレベル、5〜8のpH
レベル及び30〜80℃の温度で、リサーチ ディスク
ロージャー, 120 巻, 1974年 4月, アイテム12008 、リ
サーチ ディスクロージャー,134巻, 1975年 6月, アイ
テム13452 、米国特許第1,623,499号(Sheppa
rd等)明細書、米国特許第1,673,522号(Matt
hies等)明細書、米国特許第2,399,083号(Wa
ller等)明細書、米国特許第2,448,060号(Sm
ith 等)明細書、米国特許第2,642,361号(Da
mschroder 等)明細書、米国特許第3,297,447
号(McVeigh )明細書、米国特許第3,297,446
号(Dunn)明細書、英国特許第1,315,755号
(McBride )明細書、米国特許第3,772,031号
(Berry 等)明細書、米国特許第3,761,267号
(Gilman等)明細書、米国特許第3,857,711号
(Ohi 等)明細書、米国特許第3,565,633号
(Klinger 等)明細書、米国特許第3,901,714
号及び同3,904,415号(Oftedahl)明細書、並
びに英国特許第1,396,696号(Simons)明細書
によって説明されるように化学増感することができ、必
要に応じて、化学増感は、米国特許第2,642,36
1号(Damschroder )明細書に記載されるチオシアネー
ト誘導体、米国特許第2,521,926号(Lowe等)
明細書、米国特許第3,021,215号(Williams
等)明細書及び米国特許第4,054,457号(Bige
low )明細書に記載されるチオエーテル化合物、並びに
米国特許第3,411,914号(Dostes)明細書、米
国特許第3,554,757号(Kuwabara等)明細書、
米国特許第3,565,631号(Oguchi等)明細書及
び米国特許第3,901,714号(Oftedahl)明細
書、米国特許第4,897,342号(Kajiwara等)明
細書、米国特許第4,968,595号(Yamada等)明
細書、米国特許第5,114,838号(Yamada)明細
書、米国特許第5,118,600号(Yamada等)明細
書、米国特許第5,176,991号(Jones 等)明細
書、Toya等の米国特許第5,190,855号及びEP
O第0554856号明細書に記載されるアザインデ
ン、アザピリダジン、並びにアザピリミジン、Miyoshi
等の公開されたEPO第294149号及びTanaka等の
公開されたEPO第297804号明細書に記載される
元素のイオウ、そしてNishikawa 等の公開されたEPO
第293917号に記載されるチオスルホネートの存在
下で実施される。
【0060】追加的にもしくは別に、この乳剤を、米国
特許第2,983,609号(Allen等)明細書、Ofted
ahl等のリサーチ ディスクロージャー,.136 巻, 1975
年8 月, アイテム13654 、米国特許第2,518,69
8号及び同2,739,060号(Lowe等)明細書、米
国特許第2,743,182号及び同2,743,18
3号(Roberts 等)明細書、米国特許第3,026,2
03号(Chambers等)明細書並びに米国特許第3,36
1,564号(Bigelow 等)明細書、Yamasita等の米国
特許第5,254,456号明細書、EPO第0407
576及び同0552650号明細書に説明されている
ように、例えば、低pAg(例えば、5より低い)、高
pH(例えば、8より高い)処理によって、もしくは、
塩化第一錫、二酸化チオ尿素、ポリアミン及びアミンボ
ランのような還元剤を使用して、還元増感することがで
きる。
【0061】イオウ増感の詳細な説明は、米国特許第
4,276,374号(Mifune等)明細書、同4,74
6,603号(Yamashita 等)明細書、同4,749,
646号(Herz等)及び同4,810,626号明細書
並びにこれらのチオ尿素の低級アルキルの同族体、同
4,786,588号(Ogawa )明細書、同4,84
7,187号(Ono 等)明細書、同4,863,844
号(Okumura 等)明細書、同4,923,793号(Sh
ibahara 等)明細書、同4,962,016号(Chino
等)明細書、同5,002,866号(Kashi 等)明細
書、同5,004,680号(Yagi等)明細書、同5,
116,723号(Kajiwara等)明細書、同5,16
8,035号(Lushingyon等)明細書、同5,198,
331号(Takiguchi 等)明細書、同5,229,26
4号(Patzold 等)明細書、同5,244,782号
(Mifune等)明細書、東ドイツ国特許第281264号
A5明細書、ドイツ国特許4,118,542号A1明
細書、EPO第0302251号、同0363527
号、同0371338号、同0447105号、及び同
0495253号各明細書に記載されている。
【0062】イリジウム増感の説明は、米国特許第4,
693,965号(Ihama 等)明細書、同4,746,
603号(Yamashita 等)明細書、同4,897,34
2号(Kajiwara等)及び同4,902,611号(Leub
ner 等)明細書、同4,997,751号(Kim )明細
書、同5,164,292号(Johnson 等)明細書、同
5,238,807号(Sasaki等)明細書及びEPO第
0513748号A1明細書に記載されている。
【0063】テルル増感の説明は、米国特許第4,92
3,794号(Sasaki等)明細書、同5,004,67
9号(Mifue 等)明細書、同5,215,880号(Ko
jima等)明細書、EPO第0541104号明細書及び
同0567151号に記載されている。セレン増感の説
明は、米国特許第5,028,522号(Kojima等)明
細書、同5,141,845号(Brugger 等)明細書、
同5,158,892号(Sasaki等)明細書、同5,2
36,821号(Yagihara等)明細書、同5,240,
827号(Lewis )明細書、EPO第0428041号
明細書、同0443453号明細書、同0454149
号明細書、同0458278号明細書、同050600
9号明細書、同0512496号明細書、及び同056
3708号明細書に記載されている。
【0064】ロジウム増感の説明は、米国特許第4,8
47,191号(Grzeskowiak )明細書、及び欧州特許
第0514675号に記載されている。パラジウム増感
の説明は、米国特許第5,112,733号(Ihama )
明細書、同5,169,751号(Sziics)明細書、東
ドイツ国特許第298321号明細書及びEPO第03
68304号明細書に記載されている。
【0065】金増感の説明は、米国特許第4,906,
558号(Mucke 等)明細書、同4,914,016号
(Miyoshi 等)明細書、同4,914,017号(Mifu
ne)明細書、同4,962,015号(Aida等)明細
書、同5,001,042号(Hasebe)明細書、同5,
024,932号(Tanji 等)明細書、同5,049,
484号(Deaton)及び同5,049,485号明細
書、同5,096,804号(Ikenoue 等)明細書、E
PO第0439069号、同0446899号、同04
54069号、及び同0564910号各明細書に記載
されている。
【0066】仕上げ時のキレート剤の使用は、米国特許
第5,219,721号(Kraus 等)明細書、同5,2
21,604号(Mifune等)明細書、EPO第0521
612号、及び同0541104号各明細書に記載され
ている。化学増感は、米国特許第3,628,960号
(Philippaerts等)明細書、米国特許第4,439,5
20号(Kofron等)明細書、米国特許第4,520,0
98号(Dickerson )明細書、米国特許第4,693,
965号(Maskasky)明細書、米国特許第4,791,
053号(Ogawa )明細書、及び同4,639,411
号(Daubendiek等)明細書、同4,925,783号
(Metoki等)明細書、同5,077,183号(Reuss
等)明細書、同5,130,212号(Morimoto等)明
細書、同5,141,846号(Fickie等)明細書、同
5,192,652号(Kajiwara等)明細書、同5,2
30,995号(Asami )明細書、同5,238,80
6号(Hashi )明細書、東ドイツ国特許第298696
号明細書、EPO第0354798号、同050951
9号、同0533033号、同0556413号、及び
同0562476号各明細書に記載されるように分光増
感色素の存在下で行うことができる。
【0067】Haugh 等の英国特許第2,038,792
号明細書、米国特許第4,439,520号(Maskask
y)明細書及びMifune等のEPO第0302528号明
細書に記載されるように、化学増感を、ハロゲン化銀粒
子上の特定の部位もしくは結晶面に向けることができ
る。米国特許第3,917,485号(Morugan )明細
書、米国特許第3,966,476号(Becker)明細書
及びリサーチ ディスクロージャー, 181 巻, 1979年5
月, アイテム18155 に記載されるように、化学増感に由
来する感光中心を、ツインジェット添加もしくは銀及び
ハロゲン化物塩の交互添加を用いるpAg循環のような
手段を使用するハロゲン化銀の追加層の沈澱によって部
分的にもしくは全体的に塞ぐことができる。また、上記
のMorganの特許明細書によって記載されるよう
に、化学増感剤を、追加のハロゲン化銀形成の前にもし
くは同時に加えることができる。
【0068】米国特許第4,810,626号(Burgma
ier 等)明細書及び同5,210,002号(Adin)明
細書に説明されるように、仕上げ時に尿素化合物を添加
することができる。仕上げにN−メチルホルムアミドを
用いることが、Reber のEPO第0423982号明細
書に記載されている。アスコルビン酸及び窒素含有複素
環の使用が、Nishikawa のEPO第0378841号明
細書に記載されている。仕上げに過酸化水素を用いるこ
とが米国特許第4,681,838号(Mifune等)明細
書に記載されている。
【0069】VandenabeeleのEPO第0528476号
明細書にあるように銀対ゼラチンの比をコントロールす
るか、もしくはBerndtの東ドイツ国特許第298319
号明細書にあるように増感の前に加熱することによっ
て、増感を達成することができる。この乳剤を任意の都
合のよい通常の方法で分光増感することができる。分光
増感及び具体的な増感色素の選定は、例えば、上記リサ
ーチディスクロージャー、アイテム36544 、セクション
V.「分光増感及び減感」に記載されている。
【0070】本発明に用いる乳剤を、シアニン類、メロ
シアニン類、シアニン類及びメロシアニン類の複合体
(例えば、トリ、テトラ及び多核性のシアニン類並びに
メロシアニン類)、スチリル類、メロスチリル類、スト
レプトシアニン類、ヘミシアニン類、アリーリデン類、
アロポラー(allopolar )シアニン類、及びエナミンシ
アニン類を包含するポリメチン色素クラスを含む種々の
クラスに由来する色素で分光増感することができる。
【0071】シアニン分光増感色素には、メチン結合に
よって接続されている、二塩基性複素環核、例えば、キ
ノリニウム、ピリジニウム、イソキノリニウム、3H−
インドリウム、ベンゾインドリウム、オキサゾリウム、
チアゾリウム、セレナゾリウム、イミダゾリウム、ベン
ゾオキサゾリウム、ベンゾチアゾリウム、ベンゾセレナ
ゾリウム、ベンゾテルラゾリウム、ベンゾイミダゾリウ
ム、ナフトオキサゾリウム、ナフトチアゾリウム、ナフ
トセレナゾリウム、ナフトテルラゾリウム、チアゾリニ
ウム、ジヒドロナフトチアゾリウム、ピリリウム、及び
イミダゾピラジニウム第四級塩から誘導されるものが含
まれる。
【0072】メロシアニン分光増感色素は、メチン結合
によって接続されている、シアニン色素型の塩基性複素
環核、並びに酸性核、例えば、バルビツール酸、2−チ
オバルビツール酸、ローダニン、ヒダントイン、2−チ
オヒダントイン、4−チオヒダントイン、2−ピラゾリ
ン−5−オン、2−イソキサゾリン−5オン、インダン
−1,3−ジオン、シクロヘキサン−1,3−ジオン、
1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、ピラゾリン−
3,5−ジオン、ペンタン−2,4−ジオン、アルキル
スルホニルアセトニトリル、ベンゾイルアセトニトリ
ル、マローノニトリル、マロンアミド、イソキノリン−
4−オン、クロマン−2,4−ジオン、5H−フラン−
2−オン、5H−3−ピロリン−2−オン、1,1,3
−トリシアノプロペン及びテルラシクロヘキサンジオン
から誘導可能なものを包含する。
【0073】一種類以上の分光増感色素を用いることが
可能である。可視及び赤外スペクトルに渡る波長に増感
最大を持つ色素、並びに多種多様の分光感度曲線形状を
持つ色素が公知である。色素類の選択及び相対的な割合
は、所望する感度のスペクトル領域に依存し、所望する
分光増感曲線形状に依存する。赤外スペクトルに感度が
ある材料の例は、米国特許第4,619,892号(Si
mpson 等)明細書に示されており、赤外スペクトルの三
種類の領域の露光の作用としてシアン、マゼンタ及びイ
エロー色素を生成する(「偽」増感と呼ぶことがある)
材料を記載する。オーバーラップする分光感度曲線を持
つ色素は、しばしばオーバーラップ領域のそれぞれの波
長で感度がおおよそ個々の色素の感度の合計と等しくな
る組合さった曲線を生じる。従って、最大の異なる色素
の組合せを用いて、個々の色素の増感最大の中間の最大
を持つ分光感度曲線を達成することが可能である。
【0074】強色増感(即ち、あるスペクトル領域にお
ける分光増感が、複数の色素の中の色素単独のいずれの
濃度に由来する増感もしくは複数色素の相加効果に由来
する増感よりも大きい)を生じる分光増感色素の組合せ
を使用することができる。強色増感を、分光増感色素及
びその他の添加物(例えば、安定剤及びカブリ防止剤、
現像促進剤もしくは抑制剤、塗布助剤、蛍光増白剤並び
に帯電防止剤)の選択された組合せを用いて達成するこ
とができる。いくつかのメカニズムのいずれか一つ、並
びに強色増感を確実にする化合物は、Gilmanの、Photog
raphic Scienceand Engineering,18 巻, 1974年, 418-4
30 頁に検討されている。
【0075】分光増感色素はまた、他の方法で乳剤に作
用することができる。例えば、分光増感色素は、本来的
に感度を持つスペクトル領域内の写真スピードを増加す
ることができる。分光増感色素は、米国特許第2,13
1,038号(Brooker 等)明細書、米国特許第3,5
01,310号(Illingsworth等)明細書、米国特許第
3,630,749号(Webster 等)明細書、米国特許
第3,718,470号(Spence等)明細書及び米国特
許第3,930,860号(Shiba 等)明細書に開示さ
れるように、分光増感色素はまた、カブリ防止剤もしく
は安定剤、現像促進もしくは抑制剤、還元もしくは核形
成剤、及びハロゲン受容体もしくは電子受容体として作
用することもできる。
【0076】特に、本明細書に記載する乳剤を増感する
有用な分光増感色素は、英国特許第742,112号明
細書、Brooker の米国特許第1,846,300号、同
1,846,301号、同1,846,302号、同
1,846,303号、同1,846,304号、同
2,078,233号及び同2,089,729号明細
書、Brooker 等の米国特許第2,165,338号、同
2,213,238号、同2,493,747号、同
2,493,748号、同2,526,632号、同
2,739,964号、(再発行特許第24、392
号)、同2,778,823号、同2,917,516
号、同3,352,857号、同3,411,916号
及び同3,431,111号明細書、米国特許第2,5
03,776号(Sprague )明細書、米国特許第3,2
82,933号(Nys 等)明細書、米国特許第3,66
0,102号(Riester 等)明細書、米国特許第3,6
60,103号(Kampfer 等)明細書、Taber 等の米国
特許第3,335,010号、同3,352,680号
及び同3,384,486号明細書、米国特許第3,3
97,981号(Lincoln 等)明細書、Fumia 等の米国
特許第3,482,978号及び同3,623,881
号明細書、米国特許第3,718,470号(Spence
等)明細書並びに米国特許第4,025,349号(Me
e )明細書に見出されるものである。
【0077】有用な強色増感色素組合せ、強色増感剤と
して作用する非光吸収添加物もしくは有用な色素組合せ
の例は、米国特許第2,933,390号(McFall等)
明細書、米国特許第2,937,089号(Jones 等)
明細書、米国特許第3,506,443号(Motter)明
細書、及び米国特許第3,672,898号(Schwan
等)明細書に見受けられる。
【0078】分光増感色素を、乳剤調製時のいずれの段
階においても添加することができる。Wallの、Photogra
phic Emulsions, American Photographic Publishing C
o.,Boston, 1929, 65頁、米国特許第2,735,76
6号(Hill)明細書、米国特許第3,628,960号
(Philippaerts等)明細書、米国特許第4,183,7
56号(Locker)明細書、米国特許第4,225,66
6号(Locker等)明細書及びリサーチ ディスクロージ
ャー,181巻, 1979年5 月、アイテム18155 、並びにTani
等の公開された欧州特許出願第301508号に記載さ
れるように、沈澱の開始時もしくは沈澱の間に、それ等
を添加することができる。
【0079】米国特許第4,439,520号(Kofron
等)明細書、米国特許第4,520,098号(Dicker
son )明細書、米国特許第4,435,501号(Mask
asky)明細書及びPhilippaerts等の上記引用の特許明細
書に記載されるように、化学増感の前もしくは化学増感
中に、それらを加えることができる。Asami 等の公開さ
れた欧州特許出願第287100号明細書及びMetoki等
の公開された欧州特許出願第291399号明細書に記
載されるように、乳剤洗浄の前もしくは乳剤洗浄中に、
それらを加えることができる。米国特許第2,912,
343号(Collins 等)明細書に記載されるように、増
感色素を塗布前に直接混合することができる。
【0080】Dickerson の上記引用の特許明細書に記載
されるように、少量の沃化物を、乳剤粒子に吸着させ、
凝集及び分光増感色素の吸着を促進することができる。
Dickerson の特許明細書に記載されるように、微細な高
沃化物粒子が色素を加えられた乳剤層に接近することに
よって、処理後の色素汚れを少なくすることができる。
それらの溶解性に従い、分光増感色素を、水、又はメタ
ノール、エタノール、アセトンもしくはピリジンのよう
な溶剤の溶液として、米国特許第3,822,135号
(Sakai 等)明細書に記載されるように界面活性剤溶液
に溶解して、又は米国特許第3,469,987号(Ow
ens 等)明細書及び特開昭46−24185号に記載さ
れるように分散体として、乳剤に加えることができる。
【0081】Mifune等の公開された欧州特許出願第30
2528号に記載されるように、他の結晶面に化学増感
中心を限定する手段として、乳剤粒子の特定の結晶面に
色素を選択的に吸着させることができる。Miyasaka等の
公開された欧州特許出願第270,079号、同27
0,082号及び同278,510号に記載されるよう
に、分光増感色素を不十分に吸着された発光色素と共に
用いることができる。
【0082】具体的な分光増感色素を次に記載する: SS−1 アンヒドロ−5’−クロロ−3,3’−ビス(3−スル
ホプロピル)ナフト[1,2−d]−チアゾロチアシア
ニンヒドロキシド,トリエチルアンモニウム塩 SS−2 アンヒドロ−5’−クロロ−3,3’−ビス(3−スル
ホプロピル)ナフト[1,2−d]−オキサゾロチアシ
アニンヒドロキシド,ナトリウム塩 SS−3 アンヒドロ−4,5−ベンゾ−3’−メチル−4’−フ
ェニル−1−(3−スルホプロピル)ナフト[1,2−
d]−チアゾロチアゾロシアニンヒドロキシド
【0083】SS−4 1,1’−ジエチルナフト[1,2−d]チアゾロ−
2’−シアニンブロミド SS−5 アンヒドロ−1,1’−ジメチル−5,5’−ビス(ト
リフルオロメチル)−3−(4−スルホブチル)−3’
−(2,2,2−トリフルオロエチル)ベンゾイミダゾ
ーロカルボシアニンヒドロキシド SS−6 アンヒドロ−3,3’−ビス(2−メトキシエチル)−
5,5’−ジフェニル−9−エチルオキサカルボシアニ
ン,ナトリウム塩 SS−7 アンヒドロ−1,1’−ビス(3−スルホプロピル)−
11−エチルナフト[1,2−d]−オキサゾロカルボ
シアニンヒドロキシド,ナトリウム塩 SS−8 アンヒドロ−5,5’−ジクロロ−9−エチル−3,
3’−ビス(3−スルホプロピル)−オキサセレナカル
ボシアニンヒドロキシド,ナトリウム塩
【0084】SS−9 5,6−ジクロロ−3’,3’−ジメチル−1,1’,
3−トリエチルベンゾイミダゾーロ−3H−インドロカ
ルボシアニンブロミド SS−10 アンヒドロ−5,6−ジクロロ−1,1−ジエチル−3
−(3−スルホプロピルベンゾイミダゾーロオキサカル
ボシアニンヒドロキシド SS−11 アンヒドロ−5,5’−ジクロロ−9−エチル−3,
3’−ビス(2−スルホエチル−カルバモイルメチル)
チアカルボシアニンヒドロキシド,ナトリウム塩 SS−12 アンヒドロ−5’,6’−ジメトキシ−9−エチル−5
−フェニル−3−(3−スルホブチル)−3’−(3−
スルホプロピル)−オキサチアカルボシアニンヒドロキ
シド,ナトリウム塩 SS−13 アンヒドロ−5,5’−ジクロロ−9−エチル−3−
(3−ホスホノプロピル)−3’−(3−スルホプロピ
ル)チアカルボシアニンヒドロキシド
【0085】SS−14 アンヒドロ−3,3’−ビス(2−カルボキシエチル)
−5,5’−ジクロロ−9−エチルチアカルボシアニン
ブロミド SS−15 アンヒドロ−5,5’−ジクロロ−3−(2−カルボキ
シエチル)−3’−(3−スルホプロピル)チアシアニ
ン,ナトリウム塩 SS−16 9−(5−バルビツール酸)−3,5−ジメチル−3’
−エチルテルラチアカルボシアニンブロミド SS−17 アンヒドロ−5,6−メチレンジオキシ−9−エチル−
3−メチル−3’−(3−スルホプロピル)テルラチア
カルボシアニンヒドロキシド SS−18 3−エチル−6,6’−ジメチル−3’−ペンチル−
9,11−ネオペンチレンチアジカルボシアニンブロミ
【0086】SS−19 アンヒドロ−3−エチル−9,11−ネオペンチレン−
3’−(3−スルホプロピル)−チアジカルボシアニン
ヒドロキシド SS−20 アンヒドロ−3−エチル−11,13−ネオペンチレン
−3’−(3−スルホプロピル)−オキサチアトリカル
ボシアニンヒドロキシド,ナトリウム塩 SS−21 アンヒドロ−5−クロロ−9−エチル−5’−フェニル
−3’−(3−スルホブチル)−3−(3−スルホプロ
ピル)オキサカルボシアニンヒドロキシド,ナトリウム
塩 SS−22 アンヒドロ−5,5’−ジフェニル−3,3’−ビス
(3−スルホブチル)−9−エチル−オキサカルボシア
ニンヒドロキシド,ナトリウム塩 SS−23 アンヒドロ−5,5’−ジクロロ−3,3’−ビス(3
−スルホプロピル)−9−エチル−チアカルボシアニン
ヒドロキシド,トリエチルアンモニウム塩 SS−24 アンヒドロ−5,5’−ジメチル−3,3’−ビス(3
−スルホプロピル)−9−エチル−チアカルボシアニン
ヒドロキシド,ナトリウム塩 SS−25 アンヒドロ−5,6−ジクロロ−1−エチル−3−(3
−スルホブチル)−1’−(3−スルホプロピル)ベン
ゾイミダゾーロナフト[1,2−d]チアゾロカルボシ
アニンヒドロキシド,トリエチルアンモニウム塩
【0087】SS−26 アンヒドロ−1,1’−ビス(3−スルホプロピル)−
11−エチルナフト[1,2−d]オキサゾーロカルボ
シアニンヒドロキシド,ナトリウム塩 SS−27 アンヒドロ−3,9−ジエチル−3’−メチルスルホニ
ルカルバモイルメチル−5−フェニルオキサチアカルボ
シアニン p−トルエンスルホネート SS−28 アンヒドロ−6,6’−ジクロロ−1,1’−ジエチル
−3,3’−ビス(3−スルホプロピル)−5,5’−
ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイミダゾーロカルボ
シアニンヒドロキシド,ナトリウム塩 SS−29 アンヒドロ−5’−クロロ−5−フェニル−3,3’−
ビス(3−スルホプロピル)オキサチアシアニンヒドロ
キシド,トリエチルアンモニウム塩 SS−30 アンヒドロ−5,5’−ジクロロ−3,3’−ビス(3
−スルホプロピル)チアシアニンヒドロキシド,ナトリ
ウム塩 SS−31 3−エチル−5−[1,4−ジヒドロ−1−(4−スル
ホブチル)ピリジン−4−イリデン]ローダンニン,ト
リエチルアンモニウム塩 SS−32 1−カルボキシエチル−5−[2−(3−エチルベンゾ
オキサゾリン−2−イリデン)−エチリデン]−3−フ
ェニルチオヒダントイン
【0088】SS−33 4−[2−((1,4−ジヒドロ−1−ドデシルピリジ
ニリデン)エチリデン]−3−フェニル−2−イソキサ
ゾリン−5−オン SS−34 5−(3−エチルベンゾオキサゾリン−2−イリデン)
−3−フェニルローダニン SS−35 1,3−ジエチル−5−{[1−エチル−3−(3−ス
ルホプロピル)ベンゾイミダゾリン−2−イリデン]エ
チリデン}−2−チオバルビツール酸 SS−36 5−[2−(3−エチルベンゾオキサゾリン−2−イリ
デン)エチリデン]−1−メチル−2−ジメチルアミノ
−4−オキソ−3−フェニルイミダゾリニウムp−トル
エンスルホネート SS−37 5−[2−(5−カルボキシ−3−メチルベンゾオキサ
ゾリン−2−イリデン)エチリデン]−3−シアノ−4
−フェニル−1−(4−メチルスルホンアミド−3−ピ
ロリン−5−オン SS−38 2−[4−(ヘキシルスルホンアミド)ベンゾイルシア
ノメチン]−2−〔2−{3−(2−メトキシエチル)
−5−[(2−メトキシエチル)スルホンアミド]−ベ
ンゾオキサゾリン−2−イリデン}エチリデン〕アセト
ニトリル SS−39 3−メチル−4−[2−(3−エチル−5,6−ジメチ
ルベンゾテルラゾリン−2−イリデン)エチリデン]−
1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン
【0089】SS−40 3−ヘプチル−1−フェニル−5−{4−[3−(3−
スルホブチル)−ナフト[1,2−d]チアゾリン]−
2−ブテニリデン}−2−チオヒダントイン SS−41 1,4−フェニレン−ビス(2−アミノビニル−3−メ
チル−2−チアゾリニウム)ジクロリド SS−42 アンヒドロ−4−{2−[3−(3−スルホプロピル)
チアゾリン−2−イリデン]−エチリデン}−2−{3
−[3−(3−スルホプロピル)チアゾリン−2−イリ
デン]プロペニル−5−オキサゾリウム,ヒドロキシ
ド,ナトリウム塩 SS−43 3−カルボキシメチル−5−{3−カルボキシメチル−
4−オキソ−5−メチル−1,3,4−チアジアゾリン
−2−イリデン)エチリデン]チアゾリン−2−イリデ
ン}ローダニン,二カリウム塩 SS−44 1,3−ジエチル−5−[1−メチル−2−(3,5−
ジメチルベンゾテルラゾリン−2−イリデン)エチリデ
ン]−2−チオバルビツール酸 SS−45 3−メチル−4−[2−(3−エチル−5,6−ジメチ
ルベンゾテルラゾリン−2−イリデン)−1−メチルエ
チリデン]−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン SS−46 1,3−ジエチル−5−(1−エチル−2−(3−エチ
ル−5,6−ジメトキシベンゾテルラゾリン−2−イリ
デン)エチリデン]−2−チオバルビツール酸 SS−47 3−エチル−5−{[(エチルベンゾチアゾリン−2−
イリデン)−メチル][(1,5−ジメチルナフト
[1,2−d]セレナゾリン−2−イリデン)メチル]
メチレン}ローダニン SS−48 5−{ビス[(3−エチル−5,6−ジメチルベンゾチ
アゾリン−2−イリデン)−メチル]メチレン}−1,
3−ジエチル−バルビツール酸 SS−49 3−エチル−5−{[(3−エチル−5−メチルベンゾ
テルラゾリン−2−イリデン)−メチル][1−エチル
ナフト[1,2−d]−テルラゾリン−2−イリデン)
メチル]メチレン}ローダニン
【0090】SS−50 アンヒドロ−5,5’−ジフェニル−3,3’−ビス
(3−スルホプロピル)チアシアニンヒドロキシド,ト
リエチルアンモニウム塩 SS−51 アンヒドロ−5−クロロ−5’−フェニル−3,3’−
ビス(3−スルホプロピル)オキサチアシアニンヒドロ
キシド,トリエチルアンモニウム塩 SS−52 アンヒドロ−5−クロロ−5’−ピローロ−3,3’−
ビス(3−スルホプロピル)チアシアニンヒドロキシ
ド,トリエチルアンモニウム塩。
【0091】前記分光増感色素とともに使用するに好ま
しい強色増感化合物は、4,4’−ビス(1,3,5−
トリアジニルアミノ)スチルベン−2,2’−ビス(ス
ルホネート)である。複合粒子乳剤を、熟成時のカブリ
変化から保護するのが好ましい。好ましいカブリ防止剤
は、以下のグループから選択できる: A.複素環系の隣接窒素原子に連結している炭素原子に
結合されているメルカプト基を含有するメルカプト複素
環式窒素化合物、 B.カルコゲンがイオウ、セレンもしくはテルルである
ことを特徴とする第四級芳香族カルコゲンアゾリウム
塩、 C.複素環系の窒素原子に結合されたイオン化性水素を
含有するトリアゾールもしくはテトラゾール、 D.各Xが二価のイオウ、セレンもしくはテルルである
ことを特徴とする炭素原子間に−X−X−を含んでなる
ジカルコゲニド化合物。
【0092】本発明の実施に用いられるグループA写真
カブリ防止剤は、メルカプト基を、複素環系の隣接窒素
原子に連結した炭素原子に結合したメルカプト基を含有
しているメルカプト複素環式窒素化合物である。典型的
なグループAカブリ防止剤は、メルカプトテトラゾール
等の複素環式メルカプタン、例えば5−メルカプトテト
ラゾール、より詳細には、フェニル5−メルカプトテト
ラゾール等のアリール5−メルカプトテトラゾールであ
る。用いるのに適したグループAカブリ防止剤は、以下
の書類、米国特許に記載されている:米国特許第2,4
03,927号(Kendall )、米国特許第3,266,
897号(Kennard 等)明細書、リサーチディスクロー
ジャー、第116 巻、1973年12月、アイテム11684 、米国
特許第3,397,987号(Luckey等)、米国特許第
3,708,303号(Salesin)明細書に例示されて
いるようなメルカプトテトラゾール類、−トリアゾール
類及び−ジアゾール類並びに米国特許第2,319,0
90号(Sheppard等)明細書に例示されているようなプ
リン類である。
【0093】グループAカブリ防止剤の複素環系は、複
素環原子(即ち、窒素、酸素、イオウ、セレン及びテル
ルなどの炭素以外の原子)が少なくとも一個の複素環の
構成原子であることを特徴とする一個以上の複素環を含
有できる。環系の複素環を、複素環原子を有しない一個
以上の環と融合もしくは縮合できる。適合する複素環系
には、モノアゾール(例えば、オキサゾール、ベンゾオ
キサゾール、セレナゾール、ベンゾチアゾール)、ジア
ゾール(例えば、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、
オキサジアゾール及びチアジアゾール)、トリアゾール
(例えば、1,2,4−トリアゾール、とりわけメルカ
プト基の他にアミノ置換基を含有しているもの)、ピリ
ミジン、1,2,4−トリアジン、s−トリアジン及び
アザインデン(例えば、テトラアザインデン)などがあ
る。用語「メルカプト」には、未解離チオエノールもし
くは互変異性チオカルボニルの形態だけでなく、イオン
化もしくは塩形態も含まれると理解される。メルカプト
基が塩型のときには、ナトリウムもしくはカリウム等の
アルカリ金属、又はアンモニウム、又はトリエチルアミ
ン、トリエタノールアミンもしくはモルホリン等のアミ
ンのカチオン誘導体のカチオンと会合する。
【0094】本明細書に記載するように、メルカプト複
素環窒素化合物のいずれも本発明の実施においてカブリ
防止剤としての役割を果たす。しかしながら、メルカプ
トアゾール類、とりわけ5−メルカプトテトラゾールで
特に良好な結果が得られる。用いることができる5−メ
ルカプトテトラゾールには、下記の構造を有するものな
どがある:
【0095】
【化1】
【0096】(式中、Rは炭素数20以下の炭化水素
(脂肪族もしくは芳香族)基である)。Rを含む炭化水
素基は、置換もしくは非置換であることができる。適合
する置換基には、例えばアルコキシ、フェノキシ、ハロ
ゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、アミド、カルバモイ
ル、スルファモイル、スルホンアミド、スルホ、スルホ
ニル、カルボキシ、カルボキシレート、ウレイド及びカ
ルボニルフェニル基などが含まれる。式A−Iに示すよ
うな−SH基の代わりに、−SM基(式中、Mは一価の
金属カチオンを表す)が置換されていてもよい。
【0097】本発明の実施に用いることができるある種
のチアジアゾールもしくはオキサジアゾールグループA
カブリ防止剤は、下記の構造式により表すことができ
る:
【0098】
【化2】
【0099】(式中、XはSもしくはOであり、Rは上
記の式(A−I)で定義した通りである)。本発明の実
施に用いることができるある種のベンゾカルコゲンアゾ
ールグループAカブリ防止剤は、下記の構造式により表
すことができる:
【0100】
【化3】
【0101】(式中、XはO、SもしくはSeであり、
Rは炭素数4以下のアルキル、例えばメチル、エチル、
プロピル、ブチル;炭素数4以下のアルコキシ、例えば
メトキシ、エトキシ、ブトキシ等;ハロゲン、例えばク
ロリドもしくはブロミド、シアノ、アミド、スルファミ
ド又はカルボキシであり、nは0〜4である)。本発明
の実施に有用なグループA写真カブリ防止剤としては、
例えば1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカ
プトテトラゾール、1−(3−ベンズアミド−フェニ
ル)−5−メルカプトテトラゾール、5−メルカプト−
1−フェニル−テトラゾール、5−メルカプト1−(3
−メトキシフェニル)−テトラゾール、5−メルカプト
−1−(3−スルホフェニル)テトラゾール、5−メル
カプト−1−(3−ウレイドフェニル)テトラゾール、
1−(3−N−カルボキシメチル)ウレイドフェニル)
−5−メルカプトテトラゾール、1−(3−N−エチル
オキサリルアミド)フェニル)−5−メルカプトテトラ
ゾール、5−メルカプト−1−(4−ウレイドフェニ
ル)テトラゾール、1−(4−アセトアミドフェニル)
−5−メルカプトテトラゾール、5−メルカプト−1−
(4−メトキシフェニル)テトラゾール、1−(4−カ
ルボキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、1
−(4−クロロフェニル)−5−メルカプトテトラゾー
ル、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−オキ
サジアゾール、5−(4−アセトアミドフェニル)−2
−メルカプト−1,3,4−オキサジアゾール、2−メ
ルカプト−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾー
ル、2−メルカプト−5−(4−ウレイドフェニル)−
1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプトベンゾオ
キサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メ
ルカプトベンゾセレナゾール、2−メルカプト−5−メ
チルベンゾオキサゾール、2−メルカプト−5−メトキ
シベンゾオキサゾール、6−クロロ−2−メルカプト−
ベンゾチアゾール及び2−メルカプト−6−メチルベン
ゾチアゾールがある。
【0102】グループB写真カブリ防止剤は、カルコゲ
ンが、イオウ、セレンもしくはテルルであることを特徴
とする第四級芳香族カルコゲンアゾリウム塩である。典
型的なグループBカブリ防止剤は、ベンゾチアゾリウム
塩、ベンゾセレナゾリウム塩及びベンゾテルルアゾリウ
ム塩等のアゾリウム塩である。このような塩のための電
荷バランス対イオンには、写真の技術分野において周知
のような多種多様な負に帯電したイオンが含まれ、例と
しては、塩化物、臭化物、ヨウ化物、過塩素酸塩、ベン
ゼンスルホネート、プロピルスルホネート、トルエンス
ルホネート、テトラフルオロボーレート、ヘキサフルオ
ロホスフェート及びメチルスルフェートが挙げられる。
用いるのに適合するグループBカブリ防止剤は、以下の
米国特許明細書に記載されている:米国特許第2,69
4,716号(Allen 等)、米国特許第2,131,0
38号(Brooker 等)、米国特許第3,342,596
号(Graham)、米国特許第3,954,478号(Arai
等)及び米国特許第4,661,438号(Przyklek-E
lling )明細書に例示されているタイプの第四級アンモ
ニウム塩である。
【0103】本発明の実施に用いることができるある種
のグループBカブリ防止剤は、下記の構造式で表すこと
ができる:
【0104】
【化4】
【0105】(式中、XはS、SeもしくはTeであ
り;R1 はXがSのときには水素であり、XがSeもし
くはTeのときにはメチルであり;R2 は炭素数6以下
の置換又は非置換のアルキルもしくはアルケニル、例え
ばメチル、エチル、プロピル、アリル、スルホプロピル
もしくはスルファモイルメチル;R3 は炭素数4以下の
アルキル(メチル、プロピルもしくはブチル等)、炭素
数4以下のアルコキシ(エトキシもしくはプロポキシ
等)、ハロゲン、シアノ、アミド、スルファミド又はカ
ルボキシであり;そしてZは電荷を中性することを必要
とするときに存在するハロゲン、ベンゼンスルホネート
もしくはテトラフルオロボーレート等の対イオンであ
る)。
【0106】別の態様では、式Bを満足する化合物は、
炭素数12以下の一般的なR2 アルキレンもしくはアル
ケンジイル基を介して連結したビス(ベンゾカルコゲン
アゾリウム)化合物であることができる。有用なグルー
プB写真カブリ防止剤としては、2−メチル−3−エチ
ルベンゾセレナゾリウム p−トルエンスルホネート、
3−〔2−(N−メチルスルホニル)カルバモイルエチ
ル〕ベンゾチアゾリウムテトラフルオロボレート、3,
3’−デカメチレン−ビス(ベンゾチアゾリウム)ブロ
ミド、硫酸水素3−メチルベンゾチアゾリウム、3−ア
リルベンゾチアゾリウムテトラフルオロボーレート、
5,6−ジメトキシ−3−スルホプロピル−ベンゾチア
ゾリウム塩、5−クロロ−3−メチルベンゾチアゾリウ
ムテトラフルオロボーレート、5,6−ジクロロ−3−
エチルベンゾチアゾリウムテトラフルオロボーレート、
5−メチル−3−アリルベンゾチアゾリウムテトラフル
オロボーレート、2−メチル−3−エチルベンゾテルラ
ゾリウムテトラフルオロボーレート、2−メチル−3−
アリルベンゾテルラゾリウムテトラフルオロボーレー
ト、2−メチル−3−アリル−5−クロロベンゾセレナ
ゾリウムテトラフルオロボーレート、2−メチル−3−
アリル−5−クロロベンゾセレナゾリウムテトラフルオ
ロボーレート及び2−メチル−3−アリル−5,6−ジ
メトキシベンゾセレナゾリウム p−トルエンスルホネ
ートがある。
【0107】グループC写真カブリ防止剤は、複素環系
における窒素原子に結合されたイオン化性(もしくは解
離性)水素を含有するトリアゾールもしくはテトラゾー
ルである。このような水素原子は、本発明の高塩化物
{100}平板状粒子乳剤の調製、保存もしくは処理の
通常の条件下でイオン化できる。トリアゾールもしくは
テトラゾール環は、環原子5〜7個を含む一個以上の複
素芳香族環に縮合して複素環系を形成できる。このよう
な複素環系には、例えばベンゾトリアゾール、ナフトト
リアゾール、テトラアザインデン及びトリアゾロテトラ
ゾールなどがある。トリアゾールもしくはテトラゾール
環は、メチル、エチル、プロピル、炭素数10以下のア
リール(例えばフェニルもしくはナフチル)等の低級ア
ルキルを含む置換基を含有することができる。この複素
環系に適合する追加の置換基には、ヒドロキシ、塩素、
臭素、ヨウ素等のハロゲン;シアノ;メチル、エチル、
プロピル、トリフルオロメチル等のアルキル;フェニ
ル、シアノフェニル、ナフチル、ピリジル等のアリー
ル;ベンジル、フェネチル等のアラルキル;メトキシ、
エトキシ等のアルコキシ;フェノキシ等のアリールオキ
シ;メチルチオ、カルボキシメチルチオ等のアルキルチ
オ;ホルミル、ホルムアミジノ、アセチル、ベンゾイ
ル、ベンゼンスルホニル等のアシル;カルボエトキシ、
カルボメトキシもしくはカルボキシ等のカルボアルコキ
シなどがある。
【0108】典型的なグループCカブリ防止剤は、テト
ラゾール類、ベンゾトリアゾール類及びテトラアザイン
デン類である。用いるのに適合するグループCカブリ防
止剤は、以下の文献に記載されている:P. Glafkides
「Photographic Chemistry 」、第1巻、第375-376
頁、Fountain Press、ロンドン、1958年発行に例示
されているようなテトラゾール類、米国特許第2,44
4,605号(Heimbach等)、同第2,933,388
号(Knott )、同第3,202,512号(Williams
等)明細書、リサーチディスクロージャー、第134 巻、
1975年6 月、アイテム13452 及び第148 巻、1976年8
月、アイテム14851 、英国特許第1,338,567号
(Nepker等)、米国特許第2,152,460号(Birr
等)及びフランス国特許第2,296,204号(Dost
es等)明細書に例示されているようなアザインデン類、
特にテトラアザインデン類である。
【0109】本発明の実施に用いることができるある種
の有用なグループCカブリ防止剤は、下記の構造式によ
り表すことができる:
【0110】
【化5】
【0111】(式中、Rはメチル、エチル、プロピル、
ブチル等の低級アルキルであるか;シアノフェニルもし
くはナフチル等の炭素数10以下のアリールであり;R
1 はRと同じである他に、水素;メトキシ、エトキシ、
ブトキシ、オクチルオキシ等の炭素数8以下のアルコキ
シ;メチルチオ、プロピルチオ、ペンチルチオ、オクチ
ルチオ等の炭素数8以下のアルキルチオ;又は炭素数1
0以下のアリールオキシもしくはアリールチオとなるこ
とができ;そしてAは、例えばヒドロキシ、塩素、臭
素、ヨウ素等のハロゲン;シアノ、メチル、エチル、プ
ロピル、トリフルオロメチル等のアルキル;フェニル、
シアノフェニル、ナフチル、ピリジル等のアリール;ベ
ンジル、フェネチル等のアラルキル;メトキシ、エトキ
シ等のアルコキシ;フェノキシ等のアリールオキシ;メ
チルチオ、カルボキシメチルチオ等のアルキルチオ;ホ
ルミル、アセチル、ベンゾイル等のアシル;メタンスル
フォニルもしくはベンゼンスルホニル等のアルキルスル
ホニル又はアリールスルニホニル;カルボエトキシ、カ
ルボメトキシ等のカルボアルコキシ;又はカルボキシで
置換されることができる5−〜7−員芳香環を完成する
のに必要な非金属原子団を表す)。
【0112】典型的な有用なグループC写真カブリ防止
剤には、5−クロロベンゾトリアゾール、5,6−ジク
ロロベンゾトリアゾール、5−シアノベンゾトリアゾー
ル、5−トリフルオロメチルベンゾトリアゾール、5,
6−ジアセチルベンゾトリアゾール、5−(p−シアノ
フェニル)テトラゾール、5−(p−トリフルオロメチ
ルフェニル)テトラゾール、5−(1−ナフチル)テト
ラゾール、5−(2−ピリジル)テトラゾール、4−ヒ
ドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザ
インデンナトリウム塩、5−ブロモ−4−ヒドロキシ−
6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデンナ
トリウム塩、4−ヒドロキシ−6−メチル−2−メチル
チオ−1,3,3a,7−テトラアザインデンナトリウ
ム塩、5−ブロモ−4−ヒドロキシ−6−メチル−2−
オクチルチオ−1,3,3a,7−テトラアザインデン
ナトリウム塩及び4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
2,3,3a,7−ペンタアザインデンナトリウム塩な
どが含まれる。
【0113】グループD写真カブリ防止剤は、各Xが二
価イオウ、セレンもしくはテルルであることを特徴とす
る炭素原子間に−X−X結合を含むジカルコゲニド化合
物である。典型的なグループDカブリ防止剤は、有機ジ
スルフィド、ジセレニド及びジテルリド(但し、カルコ
ゲンが、脂肪族もしくは芳香族基と結合するか、環系の
一部分である)である。用いるのに適当なグループDカ
ブリ防止剤は、以下の文献に記載されている:英国特許
第1,336,570号(Brown 等)、同第1,28
2,303号(Pollet等)明細書により例示されている
ようなジセレニド、米国特許第4,607,000号
(Gunther 等)及び同第4,607.001号(Lok
等)明細書により例示されているような芳香族テルロカ
ルコゲニド、米国特許第4,861,703号(Lok
等)明細書により例示されているような環状オキサスピ
ロジテルリド、米国特許第2,948,614号明細書
に例示されているような1,2−ジチオラン−3−ペン
タン酸(a.k.a.、5−チオクト酸)並びに米国特
許第3,397,986号明細書に例示されているよう
なアシルアミドフェニルジスルフィドである。本発明の
実施に用いることができるある種の有用なグループD写
真カブリ防止剤は、以下の構造式で表すことができる:
【0114】
【化6】
【0115】(式中、Xは二価S、SeもしくはTeで
あり、R及びR1 はメチル、エチル、プロピル、ブチル
等の典型的に炭素数1〜4の同一もしくは異種のアルキ
ル;フェニルもしくはナフチル等の典型的に炭素数10
以下のアリールであることができ、そしてR及びR1
一緒になって炭素原子のみをS、SeもしくはTe原子
との組み合わせで含有する5〜7員環を形成できる)。
このような環を、さらに塩素等のハロゲン、アセトアミ
ド、カルボキシブチル等のカルボキシアルキル並びにメ
トキシ、プロポキシ及びブトキシ等の典型的に炭素数1
〜4のアルコキシで置換できる。有用なグループD写真
カブリ防止剤としては、例えばビス(4−アセトアミ
ド)フェニルジスルフィド、ビス(4−グルタルアミ
ド)フェニルジスルフィド、ビス(4−オキサルアミ
ド)フェニルジスルフィド、ビス(4−スクシンアミ
ド)フェニルジスルフィド、1,2−ジチアン−3−ブ
タン酸、1,2−ジチオラン−3−ペンタン酸、α,α
−ジチオジプロピオン酸、β,β−ジチオジプロピオン
酸、2−オキサ−6,7−ジセレナスピロ〔3,4〕オ
クタン、2−オキサ−6,7−ジテルラスピロ〔3,
4〕オクタン、ビス〔2−(N−メチルアセトアミド)
−4,5−ジメチルフェニル〕ジテルリド、ビス〔2−
(N−メチルアセトアミド)−4−メトキシフェニル〕
ジテルリド、ビス(2−アセトアミド−4−メトキシフ
ェニル)ジセレニド、m−カルボキシフェニルジセレニ
ド及びp−シアノフェニルジセレニドがある。
【0116】グループA〜Dの写真カブリ防止剤は、各
グループ内で組み合わせて使用するか、異なるグループ
間で組み合わせて使用できる。グループAにおける写真
カブリ防止剤と組み合わせて使用できるエノール性還元
化合物は、T. H. James の The theory of the Photogr
aphic Process 第4版、MacMillan Publishing Compan
y, Inc., 1977, 11章、セクションE、「タイプHO−
(CH=CH)n −OH)の現像剤」及び第311 頁、セ
クションF、「タイプHO−(CH=CH)n −NH
2 )の現像剤」、に記載されている。
【0117】セクションEの現像剤の代表的なものは、
ヒドロキノンもしくはカテコールである。セクションF
の現像剤の代表的なものは、アミノフェノール類及びア
ミノピラゾロン類である。グループAにおける写真カブ
リ防止剤と組み合わせて使用するのに適当な還元剤は、
EPO第0476521号及び0482599号並びに
公開された東ドイツ国特許出願DD293207号A5
明細書にも記載されている。有用な還元化合物の具体例
は、ピペリジノヘキソースリダクトン、4,5−ジヒド
ロキシベンゼン−1,3−ジスルホン酸(カテコールジ
スルホン酸)二ナトリウム塩、4−(ヒドロキシメチ
ル)−4−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリジノ
ン、及びヒドロキノン化合物である。記載した組み合わ
せで使用できる典型的なヒドロキノン類もしくはヒドロ
キノン誘導体は、下記の構造式により表される:
【0118】
【化7】
【0119】〔式中、Rは同一もしくは異種であり、メ
チル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル等のアルキ
ル;フェニル等のアリールであり、そして炭素数が20
以下、典型的には炭素数6〜20であり、もしくは−L
−A(式中、Lは酸素、イオウもしくはアミド等の二価
の結合基であり、Aはチオンアミド基、メルカプト基、
ジスルフィド結合を含有する基、又は5員もしくは6員
窒素含有複素環式基等のハロゲン化銀粒子への吸着を高
めることができる基である)であり、そしてnは0〜2
である〕。
【0120】本発明を実施するのに使用される写真カブ
リ防止剤は、要素に乳剤を塗布する直前に、複合粒子乳
剤もしくはそのような乳剤を含んでなる要素に含有せし
めるのが都合がよい。しかし、これらを、乳剤調製時、
例えば化学増感もしくは分光増感中に乳剤に添加でき
る。一般的に、このようなカブリ防止剤を乳剤の化学熟
成後であって且つ塗布前に導入するのが最も都合がよ
い。カブリ防止剤は乳剤に直接添加するか、保護される
乳剤に浸透できる写真要素内の位置に添加できる。例え
ば、写真カブリ防止剤は、塗布直前にオーバーコート、
中間層もしくは下塗り層等の親水性コロイド層に含有せ
しめることができる。カブリ防止剤は、乳剤の現像カブ
リ及び感度変化の防止に有効ないずれの濃度でも使用で
きる。
【0121】特定の用途に最適な写真カブリ防止剤の濃
度は、通常実験的に、当業者周知の方法で濃度を変化さ
せることにより決定される。このような調査は、典型的
には特定の状況に有効な濃度を確認するのに行われる。
もちろん、使用するのに有効な濃度は、選択される特定
の乳剤、その意図する使用、保存条件及び選択される特
定の写真カブリ防止剤によって大きく異なるであろう。
ヨウ塩化銀乳剤を安定化するのに効果的な濃度は種々で
あるが、放射線感受性ハロゲン化銀乳剤中少なくとも約
0.005ミリモル/銀モルの濃度が特定の用途に効果
的なことが判明した。より典型的には、写真カブリ防止
剤の最小有効量は、少なくとも0.03ミリモル/銀モ
ル、しばしば少なくとも0.3ミリモル/銀モルであ
る。本発明で使用される写真カブリ防止剤の多くの場
合、有効濃度は、約0.06〜0.8ミリモル/銀モ
ル、しばしば約0.2〜0.5ミリモル/銀モルであ
る。しかし、これらの範囲からかなりかけ離れている濃
度でも使用できる。
【0122】グループA〜Dの写真カブリ防止剤を含有
する乳剤コーティングを、別のカブリ防止剤、安定化
剤、キンク防止剤、潜像安定化剤及び類似の添加剤を塗
布前に乳剤層及び隣接層に含有せしめることにより、不
安定になるのをさらに防止できる。グループA〜Dのカ
ブリ防止剤、並びに他のカブリ防止剤、安定剤及び上記
した同様の添加剤の詳細な説明は、上記したリサーチデ
ィスクロージャー、アイテム36544 、セクションVII
「カブリ防止剤及び安定化剤」に記載されている。
【0123】本発明の要件を満足する単独の複合粒子乳
剤を写真支持体に塗布して、写真要素を形成できる。い
ずれかの適当な写真支持体を用いることができる。その
ような支持体は、上記したリサーチディスクロージャ
ー、アイテム36544 、セクションXV、「支持体」に例示
されている。本発明の特定の好ましい態様では、この複
合粒子乳剤を、目で見ることができる像形成を意図する
写真要素、即ち、プリント材料に用いることができる。
そのような要素では、支持体は、反射性(即ち、白色)
である。反射性支持体(典型的には紙)を用いることが
できる。典型的な紙支持体を、部分的にアセチル化する
か、バライタ及び/もしくはポリオレフィン、特に炭素
数2〜10のα−オレフィンのポリマー、例えばポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリ
マー等でコートする。米国特許第3,478,128号
(Hagemeyer 等)明細書に例示されているような、ポリ
エチレン、ポリプロピレン及びポリアロマー(例えば、
エチレンとプロピレンとのコポリマー)等のポリオレフ
ィンを、好ましくは米国特許第3,411,908号
(Crawford等)及び同第3,630,740号(Joseph
等)明細書に例示されているように紙上に、米国特許第
3,630,742号(Crawford等)明細書に例示され
ているようにポリスチレン及びポリエステルフィルム上
に樹脂塗膜として用いるか、米国特許第3,973,9
63号(Venor 等)明細書により例示されているよう
に、単体可撓性反射支持体として用いることができる。
樹脂コート写真印画紙に関するより最近の報告が、米国
特許第5,178,936号(Kamiya等)、同第5,1
00,770号(Ashida)、同第5,084,344号
(Harada等)、同第5,075,206号(Noda等)、
同第5,075,164号(Bowman等)、同第4,89
8,773号、第5,004,644号及び第5,04
9,595号(Dethlefs等)、EPO第0507068
号及び同第0290852号、米国特許第5,045,
394号及びドイツ国OLS4,101,475(Save
rin 等)、米国特許第4,994,357号(Uno
等)、同第4,895,688号及び第4,968,5
54号(Shigetani 等)、同第4,927,495号
(Tamagawa)、同第4,895,757号(Wysk等)、
同第5,104,722号(Kojima等)、同第5,08
2,724号(Katsura 等)、同第4,906,560
号(Nittel等)、EPO第0507489号(Miyoshi
等)、同0413332号(Inahata 等)、同第054
6713号及び同第0546711号(Kadowaki等)、
WO93/04400(Skochdopole )、WO92/1
7538(Edwards 等)、WO92/00418(Reed
等)並びにドイツ国OLS4,220,737(Tsubak
i 等)明細書においてなされている。
【0124】米国特許第5,061,612号(Kiyoha
ra等)、EPO第0337490号及び同第03892
66号(shiba 等)及びドイツ国特許OLS第4,12
0,402(Noda等)明細書は、主に反射性支持体に使
用される顔料を開示している。反射性支持体は、米国特
許第5,198,330号(Martic等)、同第5,10
6,989号(Kubbota 等)、同第5,061,610
号(Carroll 等)及びEPO第0484871号(Kado
waki等)明細書に例示されているような蛍光増白剤及び
蛍光材料を含むことができる。
【0125】本発明の写真要素は複数の乳剤を含むこと
ができるのはもちろんである。複数の乳剤を配合乳剤層
もしくは別個の乳剤層単位を含む写真要素等に用いる場
合には、乳剤の全ては、本発明で意図している複合粒子
乳剤となることができる。別法として、一種以上の通常
の乳剤を、本発明のヨウ塩化銀乳剤と組み合わせて用い
ることができる。例えば、塩化銀、臭塩化銀もしくはヨ
ウ塩化銀乳剤等の別個の乳剤を、本発明によるヨウ塩化
銀乳剤と配合して、特定の像形成要件を満足させること
ができる。例えば、異なるスピードの乳剤を、常法によ
り配合して、特定の目的の写真特性を得る。通常、乳剤
を配合する代わりに、配合できる乳剤を別個の層として
塗布することによっても同じ効果を得ることができる。
高感度乳剤と低感度乳剤とを、別個の層として、高感度
乳剤層が露光放射線に最初に当たるように配置して塗布
することは、当該技術分野において周知である。低感度
乳剤層が最初に露光放射線に当たるように塗布すると、
得られる像のコントラストが高い。具体例が、上記した
リサーチディスクロージャー、アイテム36544 、セクシ
ョンI、「乳剤粒子及びその調製」、サブセクション
E、「配合、層及び性能カテゴリー」に記載されてい
る。
【0126】乳剤層だけでなく、オーバーコート及び中
間層等の任意に設けられる追加の層は、処理液浸透性ベ
ヒクル及びベヒクル改良添加剤を含有する。典型的に
は、これらの層(単一もしくは複数)は、硬膜剤を添加
することにより改質されるゼラチンもしくはゼラチン誘
導体等の親水性コロイドを含有している。これらの種類
の材料の例示が、上記したリサーチディスクロージャ
ー、アイテム36544 、セクションII、「ベヒクル、ベヒ
クル増量剤、ベヒクル様添加剤及びベヒクル関連添加
剤」になされている。写真要素のオーバーコート及び他
の層は、リサーチディスクロージャー、アイテム36544
、セクションVI、「UV色素/蛍光増白剤/蛍光色
素」、パラグラフ(1)に例示されているような紫外線
吸収剤を含むのが有用である。
【0127】オーバーコートが存在するときには、オー
バーコートは、表面接着性を小さくするために艶消剤を
含有するのが有効である。界面活性剤を通常コート層に
添加して、塗布を容易にする。また、可塑剤及び滑剤を
通常添加して、写真要素の物理的取扱いを容易にする。
帯電防止剤通常添加して、静電的放電を減少させる。界
面活性剤、可塑剤、滑剤及び艶消剤は、上記リサーチデ
ィスクロージャーテム36544 、セクションIX、「塗膜の
物性改良添加剤」に記載されている。
【0128】好ましくは、本発明の写真要素は、通常の
処理液脱色性ハレーション防止層を、乳剤層と支持体と
の間か、もしくは支持体裏面に塗布して含む。このよう
な層は、上記したリサーチディスクロージャー、アイテ
ム36544 、セクションVIII、「吸収及び散乱物質」、サ
ブセクションB、「吸収物質」及びサブセクションC
「放電」に説明されている。
【0129】本発明の複合粒子乳剤の具体的に好ましい
用途は、多色像を形成することを意図したカラー写真要
素、特にカラープリント(例えば、カラーペーパー)写
真要素である。多色像形成写真要素では、少なくとも3
つの重畳乳剤層単位を支持体に塗布して青、緑及び赤露
光放射線を別個に記録する。青記録乳剤層単位を、処理
によりイエロー色素像を形成するように一般的に構成
し、緑記録乳剤層単位を、処理によりマゼンタ色素像を
形成するように一般的に構成し、そして赤記録乳剤層単
位を、処理によりシアン色素像を形成するように一般的
に構成する。各乳剤層単位は、スペクトルの青、緑及び
赤領域の同じものに対して増感した1層、2層、3層も
しくはそれ以上の乳剤層を別個に含むことができる。複
数の乳剤層が同一の乳剤層単位に存在する場合、これら
の乳剤層は一般的にはスピードが異なる。典型的には、
バラスト化されたヒドロキノンもしくはアミノフェノー
ル等の被酸化現像主薬掃去剤を含有する中間層を、乳剤
層単位間に介在させて色汚染を回避する。また、紫外線
吸収剤も、一般的に乳剤層単位上もしくは中間層に塗布
する。乳剤層単位の都合のよい通常の順序を用いてもよ
いが、以下の順序が最も一般的である:
【0130】
【外1】
【0131】多色写真要素における上記層や他の層及び
層配置は、上記したリサーチディスクロージャー、アイ
テム36544 、セクションXI、「層及び層配置」に詳細に
例示されている。多色写真要素の各乳剤層単位は、色素
像形成化合物を含有する。色素像は、色素の選択的分
解、形成もしくは物理的除去により形成できる。予備形
成される色素を物理的に除去することにより像を形成す
る要素構成は、上記したリサーチディスクロージャー、
第308 巻、1989年12月、アイテム308119、セクションVI
I 、「色材」、パラグラフHに説明されている。色素も
しくは色素前駆体の分解により像を形成する要素構成
が、上記したリサーチディスクロージャー、アイテム36
544 、セクションX 、「色素像形成剤及び改質剤」、サ
ブセクションA、「銀色素漂白」に説明されている。
【0132】色素形成カプラーは、上記したリサーチデ
ィスクロージャー、アイテム36544 、セクションX、サ
ブセクションB、「像色素形成カプラー」に説明されて
いる。また、乳剤層単位に、上記したリサーチディスク
ロージャー、アイテム36544 、セクションX、サブセク
ションC、「像色素改良剤」及びサブセクションD、
「色相改良剤/安定化」に例示されている色素像改良
剤、色素色相改良剤及び像色素安定剤を含有せしめるこ
とが意図される。
【0133】色素、色素前駆体、上記関連添加剤及び溶
媒(例えば、カプラー溶媒)を、上記したリサーチディ
スクロージャー、アイテム36544 、セクションX、サブ
セクションE、「分散並びに色素及び色素前駆体」に例
示されているように、分散体として乳剤層に混ぜること
ができる。分散体の形成において、以下に、好ましく選
択される色素形成カプラー及び色素安定剤の具体例を示
す。以下の具体例において、文字C、M及びYは、それ
ぞれシアン、マゼンタ及びイエロー色素形成カプラーを
示し、文字STは色素像安定化剤である化合物を示す。
【0134】
【化8】
【0135】
【化9】
【0136】
【化10】
【0137】
【化11】
【0138】
【化12】
【0139】
【化13】
【0140】
【化14】
【0141】
【化15】
【0142】
【化16】
【0143】
【化17】
【0144】溶剤 S−1 フタル酸ジブチル S−2 燐酸トリトリル S−3 N,N−ジエチルドデカンアミド S−4 トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート S−5 酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチル S−6 2,5−ジ−t−ペンチルフェノール S−7 アセチルクエン酸トリブチル
【0145】
【化18】
【0146】
【化19】
【0147】
【化20】
【0148】リサーチディスクロージャー、アイテム36
544 、セクションXIII、「カラーポジにのみ適用できる
特徴」、サブセクションC、「カラーネガ由来カラーポ
ジ」及びセクションXVI 、「走査を容易にする特徴」に
例示されている特徴等の、他の通常の選択的な特徴も、
本発明の写真要素に組み込むことができる。
【0149】
【実施例】以下の具体例を参照することにより、本発明
をより良く理解できる。例1 本例は、本発明のホスト粒子要件を満たすヨウ塩化銀乳
剤と塩化銀立方体粒子乳剤とを比較する。この例は、ホ
スト粒子内でのヨウ化物の包含及び配置がその写真スピ
ードを高めることを説明する。乳剤A (対照立方体粒子AgCl乳剤)蒸留水7.2Kg及び
骨ゼラチン210g並びに2M NaCl溶液218g
とを入れた攪拌タンク反応器を、68.3℃でpAg
7.15に調節した。1,8−ジヒドロキシ−3,6−
ジチアオクタン1.93gを反応器に添加し、添加30
秒後に、4M AgNO3 を50.6mL/分及び3.
8M NaClを、pAgが7.15に一定に維持する
ようにコントロールした流量でダブルジェット添加し
た。5分後に、銀ジェット添加を6分間かけて87.1
mL/分に加速し、一方、塩流を再びpAgを7.15
に維持するように調節した。銀ジェット添加速度をさら
に39.3分間87.1mL/分に保持するとともに、
pAgを7.15に保持した。合計16.5モルのAg
Clが、平均粒径0.78μmの単分散立方体粒子乳剤
の形態で沈殿した。乳剤B (ホストAgICI乳剤、Ag93%後に0.3M%
I)以下の点を変更した以外は、乳剤Aと同様にこの乳
剤を調製した。
【0150】加速流量87.1mL/分とした後、銀ジ
ェット添加をこの流量で35.7分間保持したととも
に、pAgを7.15に保持して、導入した総銀の93
%を沈殿を生じた。この時点で、KI8.23gを含有
するKI溶液200mLを反応器に一度に投入した。上
記溶液の投入に続いて、銀及び塩化物塩の添加を、前記
投入前のように更に3.5分間継続した。0.3M%ヨ
ウ化物を含有する合計16.5モルのAgClが沈殿し
た。この乳剤は、平均粒径が0.78μmである単分散
十四面体粒子を含有していた。乳剤C (例AgICl乳剤、Ag85%後に0.3M%I)こ
の乳剤を乳剤Bと同様に調製した。但し、この乳剤の調
製では、KIの投入を、総銀の93%の添加後から総銀
の85%の添加後に変更した。粒子形状及びサイズは、
乳剤Bと同様であった。乳剤D (例AgICl乳剤、Ag93%後に0.2M%I)こ
の乳剤を乳剤Bと同様に調製した。但し、この乳剤の調
製では、KIの投入を、総銀基準で0.2M%Iとなる
ように調節した。粒子形状及びサイズは、乳剤Bと同様
であった。乳剤E (例AgICl乳剤、Ag6〜93%中に0.3M%
I)この乳剤を乳剤Bと同様に調製した。但し、この乳
剤の調製では、同量のKIを、総銀の6%が沈殿した後
開始し、導入される総銀の93%まで継続した。粒子形
状及びサイズは、乳剤Bと同様であった。乳剤F (対照立方体粒子AgBrCl乳剤、Ag93%後に
0.3M%Br)この乳剤を、乳剤Bと同様にして調製
した。但し、この乳剤の調製では、KIの代わりに、K
Brを使用した。
【0151】乳剤A〜Fの種々の粒子特性を、表Iに示
す。
【0152】
【表1】
【0153】写真塗膜 乳剤A〜Fを、銀1モル当たり4.6mgのAu2
で、40℃で6分間化学増感した。次に、60℃で、分
光増感色素アンヒドロ−5−クロロ−3,3’−ジ(3
−スルホプロピル)ナフト〔1,2−d〕チアゾロチア
シアニンヒドロキシドトリエチルアンモニウム塩(色素
SS−1)220mg/Agモル及び1−(3−アセト
アミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール(AP
MT)103mg/Agモルを乳剤に添加して、27分
間温度保持した。
【0154】増感された各乳剤を、同様に写真ペーパー
支持体上に塗布した。塗膜は、Ag 260mg/m
2 ;イエロー色素形成カプラーY−1 1000mg/
2 ;ゼラチン 1770mg/m2 を、界面活性剤及
び硬膜剤とともに含有していた。センシトメトリー 6種の塗膜試料を、1.0中性濃度フィルター及び0〜
3.0濃度(D)ステップタブレット(△D=0.1
5)を用いて、Hg光源由来の365nm線に0.1秒
間露光した。露光済み塗膜を、「Using KODAK EKTACOLO
R RA Chemicals」、発行番号Z-130 、イーストマンコダ
ック社1990年発行、で推奨されているようにして(以
下、「RAプロセス」と称する)処理した。
【0155】365nm線露光のセンシトメトリーの結
果を、表IIに要約する。
【0156】
【表2】
【0157】同じ6種の塗膜の別の試料を、0.1秒間
露光してカラーネガフィルムを介しての露光のシミュレ
ーションを行った。これらの試料を、0〜3.0濃度
(D)ステップタブレット(△D=0.15)を介し
て、Kodak Wratten (商標)2C+Kodak Color Compensa
ting(商標)フィルター85ccマゼンタ+Kodak Colo
rCompensating(商標)フィルター130ccイエロー
+0.3中性濃度フィルターの組み合わせを用いてろ過
した、色温度3000°KのKodak Model 1Bセンシトメ
ータにおいて露光した。露光済み試料を、上記したRA
プロセスを用いて処理した。
【0158】ろ過白色光露光のセンシトメトリーの結果
を、表IIIに示す。
【0159】
【表3】
【0160】結果の考察 表Iから、銀のほとんどが沈殿した後にヨウ化物を導入
すると、粒子形状が立方体から十四面体に変化すること
が明らかである。本質的に立方形状をまだ保持しながら
{111}結晶面が出現するのは、ヨウ化物の添加に特
有であった。対照乳剤Fの粒子形状は、臭化物の導入に
よっては立方体から変化しなかった。
【0161】表II及び表IIIから、例乳剤B、C及
びDは、対照乳剤A(ヨウ化物及び臭化物を欠いた乳
剤)、対照乳剤E(ヨウ化物を、沈殿の早い時点から沈
殿の遅い時点まで均一に添加した乳剤)及び対照乳剤F
(ヨウ化物の代わりを臭化物を用いた乳剤)よりも、高
いスピードを示した。これらの比較から、観察されたス
ピード上の利点は、ヨウ化物の導入及び粒子内のヨウ化
物の位置と相関関係があることが明らかである。臭化物
は、たとえ同様に配置させたとしても同じ様にスピード
を増加するには効果がなく、そしてヨウ化物について
は、本発明が意図するように総銀の少なくとも半分が沈
殿した後に導入しないと、スピードの増加には効果がな
かった。例2本例は、{100}平板状粒子乳剤と非平
板状塩化銀もしくはヨウ塩化銀乳剤とを比較する。乳剤G (対照平板状粒子AgICl乳剤 0.61M%I、9
4%Ag後に0.574M%I)この対照乳剤は、ヨウ
化物0.61モル%を含有し、そのうちの0.036モ
ル%が核形成中に存在し、残部が総銀の94%の沈殿後
導入されるヨウ化物バンドに存在する高塩化物{10
0}平板状粒子乳剤の調製を示す。
【0162】低メチオニンゼラチン3.52重量%と、
0.0056M塩化ナトリウムと、ポリエチレングリコ
ール発泡防止剤0.3mLとを含有する溶液1.5リッ
トルを、40℃で攪拌反応器に準備した。この溶液を激
しく攪拌しながら、0.01Mヨウ化カリウム溶液45
mLを添加した。この後に、1.25M硝酸銀50mL
と、1.25M塩化ナトリウム溶液50mLとを、各々
100mL/分の流量で同時に添加した。次に、混合物
を、温度を40℃に維持しながら10秒間保持した。
【0163】保持に続いて、硝酸銀1モル当り塩化第二
水銀0.08mg含有する0.625M硝酸銀溶液と
0.625M塩化ナトリウム溶液とを同時に各々10m
L/分で30分間添加し、次に125分間かけて流量を
10mL/分から15mL/分に直線的に増加させた。
pClを、1.25M塩化ナトリウム溶液を20mL/
分で8分間注ぐことにより1.6に調節した。これを1
0分間保持し、その後1.25M硝酸銀溶液を5mL/
分で30分間添加した。この後、0.5MKI 16m
Lを添加し、20分間保持した。この保持に続いて、
0.625M硝酸銀及び0.625M塩化ナトリウム溶
液を、同時に15mL/分で10分間添加した。次に、
pClを1.6に調節し、この乳剤を米国特許第2,6
14,918号(Yutzy 等)明細書に記載の方法を用い
て、洗浄及び濃縮した。洗浄後のpClは、2.0であ
った。低メチオニンゼラチン21gを、この乳剤に添加
した。塩化ナトリウムにより乳剤のpClを1.6に調
節し、乳剤のpHを5.7に調節した。
【0164】粒子の核形成から粒子成長の終了までの総
経過時間は、3時間53.2分であった。この乳剤の平
均ECDは1.8μmであり、平均粒子厚さは0.13
μmであった。平板状粒子投影面積は、総粒子投影面積
の約85%であった。乳剤H (対照非平板状粒子AgCl乳剤)この乳剤を、乳剤G
と同等の平均粒子体積を示すように調製した。
【0165】蒸留水7.2kgと骨ゼラチン196gと
が入った攪拌タンク反応器に、4.11M NaCl溶
液185mLを添加して、68.3℃でpAgを7に調
節した。熟成剤1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチア
オクタン1.45gを反応器に添加し、添加30秒後
に、3.722M AgNO3 を45mL/分及び3.
8M NaCl塩溶液をpAgを7に一定に維持するの
に必要な流量でポンプ注入した。5分後、銀の添加速度
を15分内に45mL/分から85mL/分に増加する
とともに、pAgが7に維持されるようにNaCl塩溶
液の導入を調節した。NaCl塩溶液の添加をpAgが
7に維持されるようにしながら、銀溶液の添加を85m
L/分で17.85分間維持した。この時点で、銀及び
ハロゲン化物塩溶液両方の反応容器への添加を停止し
た。
【0166】合計10.11モルのAgClが、平均粒
径0.70μmのエッジが丸い立方体粒子の形態で沈殿
した。平均粒子体積は、乳剤Gと同等であった。乳剤I (ホスト非平板状粒子AgICl乳剤、Ag93%後に
0.3M%I)この乳剤を乳剤Gと同等の平均粒子体積
示すように調製した。
【0167】蒸留水7.2kgと骨ゼラチン196gと
が入った攪拌タンク反応器に、4.11M NaCl溶
液185mLを添加して、68.3℃でpAgを7に調
節した。熟成剤1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチア
オクタン1.45gを反応器に添加し、添加30秒後
に、3.722M AgNO3 を45mL/分で、そし
て3.8M NaCl塩溶液をpAgを7に一定に維持
するのに必要な流量でポンプ注入した。5分後、銀の添
加速度を15分内に45mL/分から85mL/分に増
加するとともに、NaCl塩溶液の導入をpAgが7に
維持されるように調節した。NaCl塩溶液の添加をp
Agが7に維持されるようにしながら、銀溶液の添加を
85mL/分で15.3分間維持した。この時点で、K
I4.98gを含有する200mLのKI溶液を、攪拌
反応容器に一度に投入した。銀及び塩化物溶液を、KI
投入後、さらに2.55分間、KI投入前に行ったよう
にして添加した。
【0168】銀及びハロゲン化物塩溶液の導入後の15
分間の冷却期間を含めても、粒子核形成から粒子成長終
了までの総経過時間は、53.31分でしかなかった。
このことから、本発明の立方体粒子ヨウ塩化銀乳剤は、
乳剤Gの調製により示される平板状ヨウ塩化物粒子に対
して、調製において約3時間の時間の節約ができる点
で、著しい利点があることが明らかである。この比較
は、乳剤Gと乳剤Iにおける等しい体積の粒子の調製に
基づいていることに留意されたい。
【0169】合計10.1モルのAgClが、平均粒径
0.71μmの十四面体粒子の形態で沈殿した。乳剤J (対照平板状粒子AgICl乳剤 0.1M%I、94
%Ag後に0.064M%I)この乳剤を乳剤Gと同様
にして調製した。但し、この乳剤の調製では、銀の沈殿
総量を減少させて、粒径がより小さい乳剤を生成した。
【0170】この乳剤の平均ECDは0.595μmで
あり、平均粒子厚は0.10μmであった。この{10
0}平板状粒子投影面積は、総粒子投影面積の約85%
であった。乳剤K (対照非平板状粒子AgCl乳剤)この乳剤を乳剤Jと
同じ平均ECDの粒子を提供するように調製した。
【0171】蒸留水5.48kg及び骨ゼラチン225
gが入った攪拌反応器を、4.11MNaCl溶液を添
加して68.3℃でpAg7に調節した。熟成剤1,8
−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタン1.44gを
反応容器に添加し、添加30秒後に、2.0M AgN
3 を159mL/分で、そして2.0M NaCl溶
液をpAgが7に一定に維持されるのに必要とする流量
で添加を開始した。銀塩及び塩化物塩溶液の同時導入
を、pAgを7に維持しながら31.45分間継続し
た。次に、銀塩及び塩化物塩溶液の導入を停止した。
【0172】合計10.0モルのAgClが、平均粒径
0.46μmのエッジが丸い立方体粒子の形態で沈殿し
た。乳剤L (ホスト非平板状粒子AgICl乳剤、Ag93%後に
0.3M%I)この乳剤を乳剤Jと同じ平均ECDの粒
子を提供するように調製した。
【0173】蒸留水5.48kg及び骨ゼラチン225
gが入った攪拌反応器を、4.11MNaCl溶液を添
加して68.3℃でpAg7に調節した。熟成剤1,8
−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタン1.44gを
反応容器に添加し、添加30秒後に、2.0M AgN
3 を159mL/分で、そして2.0M NaCl溶
液をpAgが7に一定に維持されるのに必要とする流量
で添加を開始した。銀塩及び塩化物塩溶液の同時導入
を、pAgを7に維持しながら29.25分間継続し
た。この時点で、KI 5.05gを含有する200m
LのKI溶液を、攪拌反応容器に一度に投入した。銀及
び塩化物溶液を、KI投入後、さらに2.0分間、KI
投入前に行ったようにして添加した。次に、銀及び塩化
物塩溶液の導入を停止した。
【0174】合計10.0モルのAgClが、平均粒径
0.596μmの十四面体粒子の形態で沈殿した。写真塗膜 乳剤G〜Lを、4.6mgAu2 S/Agモルを用い
て、40℃で6分間化学増感した。次に、60℃で、分
光増感色素(色素SS−1)220mg/Agモル及び
APMT103mg/Agモルを乳剤に添加した後、2
7分間温度保持した。
【0175】増感した各乳剤を、同じ様に写真ペーパー
支持体上に塗布した。塗膜は、Ag260mg/m2
イエロー素形成カプラーYl 1000mg/m2 ;ゼ
ラチン1770mg/m2 を、界面活性剤及び硬膜剤と
ともに含有していた。
【0176】乳剤G〜Lの種々粒子特性を、表IVに示
す。
【0177】
【表4】
【0178】表IVから、非平板状粒子乳剤の平均粒子
分散度は、平板状粒子乳剤よりもはるかに小さいことは
明かである。粒子体積が一致する粒子のセンシトメトリー観察 乳剤G、H、I及びLの塗布試料を、例1に記載のよう
にしてセンシトメトリーを検査した。365nm線に露
光したセンシトメトリー結果を表Vに要約する。
【0179】
【表5】
【0180】SH濃度=基準スピードポイント(即ち、
濃度が1.0に等しいところ)より0.3logE多い
露光量で観察される肩濃度。Eはルクス秒で測定した露
光量である。濾過した白色光に露光したセンシトメトリ
ー結果を表VIに示す。
【0181】
【表6】
【0182】表V及びVIにおけるデータから、等しい
粒子体積基準で、本発明のヨウ塩化銀乳剤は残りの乳剤
のいずれよりもスピードが高いことが明らかである。平
板状粒子である乳剤Gと比較して、最小濃度も低く、肩
濃度も高い。ECDが一致する粒子のセンシトメトリーの観察 乳剤J、K及びLの塗布試料を例1に記載のようにして
センシトメトリー試験を行ったところ、以下の結果が得
られた:365nm線のセンシトメトリーの結果を、表
VIIに示す。
【0183】
【表7】
【0184】濾過した白色光に露光したセンシトメトリ
ー結果を表VIIIに示す。
【0185】
【表8】
【0186】表VII及VIIIにおけるデータから、
ヨウ塩化銀乳剤である乳剤Lは、同じ平均ECDの匹敵
する平板状粒子である乳剤Jもしくは同じ平均ECDの
匹敵する立方体粒子乳剤である乳剤Kよりもスピードが
はるかに高かった。現像速度の比較 乳剤G及びIの塗膜試料を3000°K光に当て、例I
に記載したように現像した。但し、種々の試料を、45
秒間か90秒のいずれかで現像した。0〜3.0濃度ス
テップタブレットの中間ステップを通した露光により生
じた濃度を用いて、2種類の現像時間での銀濃度を用い
て銀現像速度を計算した。
【0187】ヨウ塩化銀{100}平板状粒子乳剤であ
る乳剤Gの場合、現像速度は、45秒間隔の45〜90
秒の現像で11.51mg/m2 Agであった。本発明
のヨウ塩化銀立方体粒子乳剤である乳剤Iの場合、現像
速度は、45秒間隔の45〜90秒の現像で80.38
mg/m2 Agであった。即ち、測定した現像間隔で
は、本発明の要件を満足する乳剤Iの現像速度は、比較
する平板状粒子乳剤の現像速度よりも約7倍速かった。例3 本例は、イリジウム及び/もしくは臭化物(溶解性臭化
物塩もしくはAgBr)の種々の組合せを本発明の要件
を満たすヨウ塩化銀ホスト乳剤に添加して得られる効果
を説明する。一連の乳剤M 乳剤Mホスト粒子(AgICl乳剤、93%Ag後に
0.3M%I) 蒸留水4.5kgと骨ゼラチン170.4gが入った攪
拌反応容器に、NaCl塩26.95gを添加して6
8.3℃でpAgを約7.15付近に調節した。次に、
1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタン1.4
0gを反応容器に添加し、添加30秒後に、1.35M
AgNO3 を54mL/分で、そして1.8M Na
ClをpAgが7.15に一定に維持する流量で添加し
た。5分後に、銀流を19分間かけて54mL/分から
158.5mL/分に加速し、一方、NaCl塩流の添
加も、pAgを7.15に維持するように加速した。こ
の時点で、4.22gKIを含有したKI水溶液を、攪
拌反応容器に導入した。次に、銀及び塩流の導入を、前
の流速でさらに5.8分間継続し、そして、両方を停止
した。次に、この乳剤を限外濾過で洗浄して過剰の塩を
除去した。沈殿したこの粒子は本来一般的に立方体であ
り、平均粒子エッジ1.0μmであることがわかった。
特性が単分散であることもわかった。合計10.54モ
ルの乳剤を沈殿した。種々の仕上げ 続いて、ホスト粒子乳剤Mを、それぞれ40℃で、10
%硝酸溶液でpHを5.6に調節し、塩化ナトリウム溶
液でpAgを7.6に調節し化学増感した。銀1モル当
たり硫化金2.3×10-6モル量でコロイド状硫化金を
加え、この乳剤の温度を5℃/3分の割合で40℃から
60℃に上げた。青分光増感色素混合物(銀1モル当た
り2.83×10-4モル(M/Ag−M)のSS−52
及び7.2×10-5M/Ag−MのSS−1)を、60
℃に到達した後20分間添加した。これに、6.2×1
-8M−Ir/Ag−Mの量のK2 IrCl6 の酸性溶
液を続けた。この乳剤を5分間攪拌し、そしてある場合
には、KBrの水溶液か臭化銀のゼラチン分散体の形態
で、1M%Br(総銀基準)を添加した。その後、この
乳剤を15分間保持した。次に、4.38×10-4M/
Ag−MのAPMTカブリ防止剤を添加し、そしてこの
乳剤を40℃まで冷却した。K2 IrCl6及び臭化物
の量を以下に記載するように変えた。AgBrリップマン乳剤(Lipp−1) AgBr溶液を加えて、5.6重量%ゼラチン水溶液
4.0Lを入れた反応容器を40℃、pH5.8、及び
pAg8.86に調節した。水に1698.7gのAg
NO3 を含む2.5M溶液及び水に1028.9gのN
aBrを含む2.5M溶液を、急速に攪拌しながら、そ
れぞれ200mL/分の流量で、同時に反応容器に導入
した。このダブルジェット沈殿をpAgを8.86にコ
ントロールして3分間継続し、その後この沈殿を17分
間継続し、その間にpAgを8.86から8.06に直
線的に減らした。合計で10モルの臭化銀乳剤を沈殿し
た。この臭化銀乳剤は、0.05μmの平均粒径を有し
た。写真塗膜 一連のM乳剤を用いていくつかの写真塗膜を調製した。
以下の表は、作成された写真要素の一般的な特徴を要約
したものである。
【0188】 単層塗膜フォーマット 主要要素 主要組成 被覆量(mg/m2 オーバーコート ゼラチン 1076 硬膜剤 106 SF−1 SF−2 乳剤層 一連のM乳剤 280 カプラーY−1 1076 カプラー溶剤S−1 355 補助溶剤 258 ゼラチン 1614 アンダーコート ゼラチン 3228 支持体 両面ポリエステル 樹脂コート紙支持体 3228
【0189】硬膜剤=ビス(ビニルスルホニルメチル)
エーテル SF−1=Alkanol XCTM、イソプロピルナフチルスルホ
ン酸ナトリウム SF−2=パーフルオロオクチルスルホン酸ナトリウム 補助溶剤=酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エーテル
【0190】各単一層カラーペーパー試料を、Kodak Wr
atten (商標)2C+Kodak Color Compensating(商標)
フィルター85ccマゼンタ+Kodak Color Compensati
ng(商標)フィルター130ccイエローの組み合わせ
を用いてろ過した、色温度3000°KのKodak Model
1B(商標)センシトメータにおいて露光した。露光時間
を、典型的に0.1秒に調節した。但し、この乳剤の相
反則特性を検査する場合には、1×10-5〜0.1秒の
範囲で露光時間を変えた。この露光は、中性の、0〜3
logE(増分0.15logE)の露光範囲を有する
21ステップ露光タブレットをこのペーパー試料に接触
させて露光を行った。
【0191】露光後、この試料を、Kodak Ektacolor RA
-4TMカラー現像処理で処理し、生じた各露光ステップの
色素濃度を反射率デンシトメータを用いて測定した。こ
の乳剤の潜像保持特性を決定するために、各試料を露光
後で且つ処理前に、5分間もしくは120分間保持し
た。これら二つの保持時間の乳剤の感度差(相対log
露光量)が、この乳剤の潜像保持特性を示している。
【0192】結果を、下記表IXに示す。
【0193】
【表9】
【0194】表IXのデータは大変驚くべき結果を示
す。対照乳剤M−1で、0.1秒から10-5秒へと同じ
総合露光量の期間が短くなる(従って照度が強くなる)
ことによって、コントラスト(γ)が1.04低下する
ことに注意されたい。臭化物を添加しないでドーパント
としてIrを添加(対照乳剤M−2及びM−3)して
も、ほとんどもしくは全く写真性能に影響を与えない。
KBrと一緒にIrを添加(対照乳剤M−5及びM−
6)すると、低照度露光量及び高照度露光量の両方でγ
が下がり、スピードが低下する。AgBrリップマン乳
剤(Lipp−1)と一緒にIrを添加(本発明の乳剤
M−8及びM−9)すると、他の写真特性を著しく悪化
しないで、高照度露光量でのγが0.37及び0.33
増加した。対照乳剤M−7は、前記結果を達成するため
にはIrが必須であることを証明する。このように、A
gBrとIrの組合せのみによって、有利な高照度コン
トラストの増加(即ち、好ましいHIRFC )が得られ
る。
【0195】より低い濃度のAgBr及びIrを調べる
と、高照度露光量(10-5秒露光時間)で、3.0を超
えるコントラストをなおも得ることができることがわか
った。イリジウム及び臭化銀濃度が最小の予想濃度に近
づく場合以外は、本発明の利点が観察された。臭化銀エ
ピタキシーの濃度を高めてイリジウム濃度の低下を補う
ことができ、イリジウム濃度を高めて臭化銀エピタキシ
ーの減少を補うことができるが、臭化銀エピタキシーも
しくはイリジウムのいずれか一方が存在しない場合に
は、本発明の利点は見られない。例4 本例は、その目的として、AgBr添加の前もしくは添
加時のIr添加、並びにIr及びAgBrの両方がカブ
リ防止剤添加前に存在するIr及びAgBr添加の必要
性を説明する。乳剤N (ホストAgICl乳剤、93%Ag後に0.3M%
I)蒸留水4.5kgと骨ゼラチン170.4gが入っ
た攪拌反応容器に、NaCl塩26.95gを添加して
68.3℃でpAgを約7.15付近に調節した。次
に、1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタン
1.40gを反応容器に添加し、添加30秒後に、1.
35M AgNO3 を54mL/分で、そして1.8M
NaClをpAgが7.15に一定に維持する流量で
添加した。5分後に、銀流を19分間かけて54mL/
分から158.5mL/分に加速した。NaCl塩流の
添加も、pAgを7.15に維持するように加速した。
追加して、Cs2 OsNOCl5 の水溶液を、別のポン
プを用いて塩及び銀添加中の乳剤釜に別途添加した。乳
剤に添加したCs2 OsNOCl5 の総量は9.05×
10 -9モル当量であった。この時点で、4.22gKI
を含有したKI水溶液を、攪拌反応容器に導入した。次
に、銀及び塩流の導入を、前の流速でさらに5.8分間
継続し、そして、両方を停止した。合計10.54モル
の乳剤を沈殿した。次に、この乳剤を限外濾過で洗浄し
て過剰の塩を除去した。
【0196】この乳剤は、はっきりと見えるいくつかの
{111}粒子面も有する{100}粒子面で仕切られ
た単分散(COV<25%)非平板状粒子を含んでい
た。この粒子は、平均エッジ長1.0μmを示した。乳剤O (ホストAgICl乳剤、93%Ag後に0.1M%
I)添加したヨウ化カリウムの量を1.41gに減らし
た以外は、乳剤Nと同様にして乳剤Oを調製した。乳剤P (ホストAgICl乳剤、93%Ag後に0.3M%
I)6.9Lの2.8重量%のゼラチン水溶液及び1,
8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタン1.9gを
入れた反応容器を、温度68℃、pH5.8、そして塩
化ナトリウム溶液を添加してpAgを7.2に調節し
た。硝酸銀の3.75M水溶液及び塩化ナトリウムの
3.75Mの水溶液を激しく攪拌しながら同時に反応容
器に導入した。銀電位を7.2pAgにコントロールし
ながら、これらの流量を0.193モル/分から0.3
32モル/分に増加した。沈殿中層銀の93%に等しい
時点で、4.22gKIの水溶液を、攪拌反応容器に急
速添加した。沈殿完了後、この乳剤を限外濾過で洗浄し
て過剰の塩を除去した。合計で10.54モルの塩化銀
乳剤を沈殿した。
【0197】この乳剤は、はっきりと見えるいくつかの
{111}粒子面も有する{100}粒子面で仕切られ
た単分散(COV<25%)非平板状粒子を含んでい
た。この粒子は、平均エッジ長0.78μmを示した。IrドープしたAgBrリップマン乳剤(Lipp−
2) 10.0mgのK2 IrCl6 の水溶液125mLを、
ダブルジェット沈殿時に添加する総銀の割合を、銀を添
加して加える総銀の75%から80%にする間の一定流
量のところで加えた以外は、乳剤Lipp−1と同様に
調製した。塗膜及び評価 これらの乳剤の写真塗膜及び評価を例3に記載したのと
同様に実施した。一連の乳剤Q この一連の乳剤では、AgBr及び/もしくはIrをカ
ブリ防止剤添加後に加えた。
【0198】ホスト粒子乳剤Pを、それぞれ40℃で、
10%硝酸溶液でpHを5.6に調節し、塩化ナトリウ
ム溶液でpAgを7.6に調節し化学増感した。銀1モ
ル当たり硫化金7.0×10-6モル量でコロイド状硫化
金を加え、この乳剤の温度を5℃/3分の割合で40℃
から60℃に上げた。青分光増感色素混合物(銀1モル
当たり2.00×10-4モル(M/Ag−M)のSS−
52及び6.1×10 -5M/Ag−MのSS−1)を、
60℃に到達した後20分間添加した。次に、4.00
×10-4M/Ag−Mのアセトアミド−1−フェニル−
5−メルカプトテトラゾール(APMT)を添加した。
そして次に示すように、K2 IrCl6の酸性溶液を添
加した(もしくは差し控えた)。この乳剤を5分間攪拌
し、以下に示す量に0.5M%Brを添加した(もしく
は差し控えた)。Lipp−2乳剤を用いて臭化物を添
加した。そしてこの乳剤15分間保持し、そしてこの乳
剤を40℃まで冷却した。K2 IrCl6 及びAgBr
の量を表Xに記載するように変えた。
【0199】
【表10】
【0200】表Xから、臭化銀リップマン乳剤の添加も
イリジウムの添加も、一連のQ乳剤の写真特性を改善す
るには有効でないことは明かである。先にAPMTを乳
剤に添加すると、ホスト粒子上への臭化銀のエピタキシ
ャル付着を妨げ、従って、ドーパントとしてのイリジウ
ムの導入も妨げたことが理解される。一連のR及びS乳剤 ホスト粒子乳剤N及びOをそれぞれ、複合粒子を形成す
る基体として用いたこと以外は、一連のR及びS乳剤を
同じように調製した。
【0201】ホスト粒子乳剤N及びOを、それぞれ40
℃で、10%硝酸溶液でpHを5.6に調節し、塩化ナ
トリウム溶液でpAgを7.6に調節し化学増感した。
以下のように、6.2×10-8M/Ag−MのK2 Ir
Cl6 の酸性溶液を添加した(もしくは差し控えた)。
銀1モル当たり硫化金2.3×10-6モル量でコロイド
状硫化金を加え、この乳剤の温度を5℃/3分の割合で
40℃から60℃に上げた。青分光増感色素混合物(銀
1モル当たり2.83×10-4モル(M/Ag−M)の
SS−52及び7.2×10-5M/Ag−MのSS−
1)を、60℃に到達した後20分間添加した。この乳
剤を5分間攪拌し、Lipp−1もしくはKBrを1.
0M%(総銀基準)の量で添加し(もしくは差し控え
た)、この乳剤15分間保持した。そして、4.38×
10-4M/Ag−Mのアセトアミド−1−フェニル−5
−メルカプトテトラゾール(APMT)を添加し、この
乳剤を40℃まで冷却した。
【0202】調製のバリエーション及び性能比較を次の
表XIに要約する
【0203】
【表11】
【0204】表XIから、高照度露光量コントラストを
改善するためには、イリジウム添加及び臭化銀添加の両
方が必要であることは明かである。AgBrの前にIr
を添加し、次に、AgBrを、APMTの前に添加する
ことが効果的であった。AgBr添加を臭化カリウム添
加に代えると、写真性能が著しく悪くなった。一連のT及びU乳剤 Ir添加を分光増感色素を添加するまで遅らせた以外
は、一連のT及びU乳剤は、一連のR及びS乳剤と同じ
ものである。Irを臭化物の前に添加し、臭化物をカブ
リ防止剤の前に添加した。
【0205】ホスト粒子乳剤T及びUを、それぞれ40
℃で、10%硝酸溶液でpHを5.6に調節し、塩化ナ
トリウム溶液でpAgを7.6に調節し化学増感した。
銀1モル当たり硫化金2.3×10-6モル量でコロイド
状硫化金を加え、この乳剤の温度を5℃/3分の割合で
40℃から60℃に上げた。青分光増感色素混合物(銀
1モル当たり2.83×10-4モル(M/Ag−M)の
SS−52及び7.2×10-5M/Ag−MのSS−
1)を、60℃に到達した後20分間添加した。以下の
ように、6.2×10-8M/Ag−MのK2 IrCl6
の酸性溶液を添加した(もしくは差し控えた)。この乳
剤を5分間攪拌し、Lipp−1もしくはKBrを1.
0M%(総銀基準)の量で添加し(もしくは差し控え
た)、この乳剤15分間保持した。そして、4.38×
10-4M/Ag−Mのアセトアミド−1−フェニル−5
−メルカプトテトラゾール(APMT)を添加し、この
乳剤を40℃まで冷却した。
【0206】調製のバリエーション及び性能比較を次の
表XIIに要約する。
【0207】
【表12】
【0208】表XIIから、高照度露光量コントラスト
を改善するためには、イリジウム添加及び臭化銀添加の
両方が必要であることは明かである。AgBrの前にI
rを添加し、次に、AgBrを、APMTの前に添加す
ることが効果的であった。AgBr添加を臭化カリウム
添加に代えると、写真性能が著しく悪くなった。本発明
の他の好ましい態様を請求項との関連において、次ぎに
記載する。
【0209】(態様1)(i)単分散高塩化物ハロゲン
化銀乳剤を用意すること、 (ii)臭化銀添加、イリジウムドーパント導入及びカ
ブリ防止剤添加を組み合わせて、前記高塩化物ハロゲン
化銀乳剤の性能特性を改良することを含んで成る写真用
途の高塩化物ハロゲン化銀乳剤の調製方法であって、
(a)工程(i)で用意する高塩化物ハロゲン化銀乳剤
が、1.3未満の平均アスペクト比を有し、そして総銀
に基づいて0.05〜3モル%のヨウ化物を含有し、最
大ヨウ化物濃度がその中心よりもホスト部分の表面近く
に配置されているヨウ塩化銀粒子から本質的に成り、そ
して(b)カブリ防止剤添加前に、総銀に基づいて0.
1〜5.0モル%の量の臭化銀を前記高塩化物ハロゲン
化銀乳剤に添加して、導入されるイリジウムドーパント
の存在下で前記ヨウ塩化銀粒子上に付着させる、ことを
特徴とする高塩化物ハロゲン化銀乳剤の調製方法。
【0210】(態様2)前記臭化銀を、0.1μm未満
の平均等価塩直径を有する粒子の形態で導入することを
さらに特徴とする態様1に記載の調製方法。 (態様3)前記イリジウムドーパントを前記臭化銀粒子
の成分として導入することをさらに特徴とする態様2に
記載の調製方法。 (態様4)前記イリジウムドーパントを少なくとも4個
のアニオンリガンドを有するヘキサ配位錯体の形態で導
入することをさらに特徴とする態様1〜3のいずれか一
つに記載の調製方法。
【0211】(態様5)前記イリジウムヘキサ配位錯体
が、いずれのハロゲン化物リガンドよりも電気的陰性で
ある少なくとも一つのリガンドを有することをさらに特
徴とする態様4に記載の調製方法。 (態様6)前記イリジウムドーパントを、総銀1モル当
たり1×10-9〜5×10-4の範囲の、10-5の露光時
間のところでのコントラストを高めるのに十分な量で導
入することをさらに特徴とする態様1〜5のいずれか一
つに記載の調製方法。
【0212】(態様7)前記臭化銀を、総銀に基づいて
0.3〜5.0モル%の濃度で添加することをさらに特
徴とする態様1〜6のいずれか一つに記載の調製方法。 (態様8)前記ヨウ塩化銀粒子が、総銀に基づいて0.
05〜1モル%のヨウ化物を含有することをさらに特徴
とする態様1〜7のいずれか一つに記載の調製方法。
【0213】(態様9)前記ヨウ塩化銀粒子が、総銀の
少なくとも50%を含有するコア、2.5nmより厚い
厚みを有するヨウ化物を含有しない表面シェル、及び最
大ヨウ化物濃度を有する下位表面を形成する、コントロ
ールされた不均一ヨウ化物分布を有することをさらに特
徴とする態様1〜8のいずれか一つに記載の調製方法。
【0214】(態様10)前記カブリ防止剤が、複素環
系の窒素原子に結合されたイオン化性水素を含有するト
リアゾールもしくはテトラゾールであることをさらに特
徴とする態様1〜9のいずれか一つに記載の調製方法。 (態様11)前記カブリ防止剤が、メルカプトテトラゾ
ールである態様10に記載の調製方法。
【0215】(態様12)態様1〜11のいずれか一つ
に記載の方法によって調製した放射線感受性乳剤。 (態様13)前記ヨウ塩化銀粒子が、3組の等距離の間
隔の平行{100}結晶面を含んで成ることをさらに特
徴とする態様12に記載の放射線感受性乳剤。 (態様14)前記ヨウ塩化銀粒子が、{100}結晶面
及び少なくとも一つの{111}結晶面で仕切られてい
ることをさらに特徴とする態様13に記載の放射線感受
性乳剤。
【0216】(態様15)前記ヨウ塩化銀粒子が、十四
面体粒子から本質的になることをさらに特徴とする態様
14に記載の放射線感受性乳剤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 1/09 G03C 1/09 1/34 1/34 (72)発明者 エリック レスリー ベル アメリカ合衆国,ニューヨーク 14580, ウェブスター,トレジャー サークル 674 (72)発明者 ロジャー ロック アメリカ合衆国,ニューヨーク 14610, ロチェスター,ドーチェスター ロード 204

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)単分散高塩化物ハロゲン化銀乳剤
    を用意すること、 (ii)臭化銀添加、イリジウムドーパント導入及びカ
    ブリ防止剤添加を組み合わせて、前記高塩化物ハロゲン
    化銀乳剤の性能特性を改良することを含んで成る写真用
    途の高塩化物ハロゲン化銀乳剤の調製方法であって、
    (a)工程(i)で用意する高塩化物ハロゲン化銀乳剤
    が、1.3未満の平均アスペクト比を有し、そして総銀
    に基づいて0.05〜3モル%のヨウ化物を含有し、最
    大ヨウ化物濃度がその中心よりもホスト部分の表面近く
    に配置されているヨウ塩化銀粒子から本質的に成り、そ
    して(b)カブリ防止剤添加前に、総銀に基づいて0.
    1〜5.0モル%の量の臭化銀を前記高塩化物ハロゲン
    化銀乳剤に添加して、導入されるイリジウムドーパント
    の存在下で前記ヨウ塩化銀粒子上に付着させる、ことを
    特徴とする高塩化物ハロゲン化銀乳剤の調製方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法によって調製した
    放射線感受性乳剤。
JP8288208A 1995-10-31 1996-10-30 高塩化物ハロゲン化銀乳剤及びその調製方法 Withdrawn JPH09166836A (ja)

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