JPH10104823A - 水なし平版印刷版原版 - Google Patents

水なし平版印刷版原版

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JPH10104823A
JPH10104823A JP26305596A JP26305596A JPH10104823A JP H10104823 A JPH10104823 A JP H10104823A JP 26305596 A JP26305596 A JP 26305596A JP 26305596 A JP26305596 A JP 26305596A JP H10104823 A JPH10104823 A JP H10104823A
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JP
Japan
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group
weight
photosensitive layer
printing plate
parts
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Application number
JP26305596A
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English (en)
Inventor
Kazuoki Goto
一起 後藤
Mitsuru Suezawa
満 末沢
Norimasa Ikeda
憲正 池田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】画像再現性、耐刷性および保存安定性に優れ、
高耐刷力の水なし平版印刷版を得る。 【解決手段】基板上に少なくとも感光層、シリコーンゴ
ム層をこの順に積層してなる水なし平版印刷版におい
て、該感光層が一般式(I)で示される構造を少なくと
も一つ有するキノンジアジド化合物と分子量400以下
のキノンジアジド化合物を含有することを特徴とする水
なし平版印刷版原版。 −SiRn 3-n (I) (式中、nは0〜3の整数であり、Rはアルキル基、ア
ルケニル基、アリール基、またはこれらの組み合わされ
た基を示し、それらはハロゲン原子、イソシアネート
基、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ
基、アリーロキシ基、(メタ)アクリロキシ基、メルカ
プト基等の官能基を置換基として有していてもよい。X
は官能基を示している。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水なし平版印刷版原
版およびこの水なし平版印刷版原版を選択的に露光現像
してなる水なし平版印刷版に関するものであり、さらに
詳しくは保存安定性に優れ、高感度化された水なし平版
印刷版原版およびこの水なし平版印刷版原版を選択的に
露光現像してなる水なし平版印刷版に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、シリコーンゴムやフッ素樹脂
をインキ反発層として使用し、湿し水を用いずに平版印
刷を行うための印刷版、とりわけ選択的に露光現像して
なる感光性平版印刷版が種々提案されている。
【0003】例えば、ポジ型感光性平版印刷版として
は、特公昭54ー26923号、特公昭56−2315
0号などに基板上に光重合性接着層とインキ反発層であ
るシリコーンゴム層とが積層された水なし平版印刷版、
また特公平3−56622号、特開昭61−15365
5号などに基板上に光二量化型感光層とインキ反発層で
あるシリコーンゴム層とが積層された水なし平版印刷版
が提案されている。
【0004】また、ネガ型感光性平版印刷版としては、
特公昭61−616号、特公昭61−54218号など
に支持体上にキノンジアジド化合物を含む感光層とその
上に接着層を介してインキ反発層であるシリコーンゴム
層を設けた水なし平版印刷版、特公昭61−54222
号などに光剥離性感光層上にインキ反発層であるシリコ
ーンゴム層を設けた水なし平版印刷版が提案されてお
り、実用上優れた性能を有するものとして知られてい
る。これらの中でも特に特公昭61−54222号に
は、支持体上に、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド
−5−スルホン酸クロリドとフェノールホルムアルデヒ
ドノボラック樹脂の部分エステル化物を多官能イソシア
ネートで架橋した光剥離性感光層、およびその上にイン
キ反発層としてのシリコーンゴム層を設けたネガ型水な
し平版印刷版が開示されている。
【0005】また、フッ素樹脂をインキ反発層に用いる
感光性平版印刷版としては、特開平2−254449
号、特開平2−85855号などに1H,1H,2H,
2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレートや1H,
1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリ
レートを用いたフッ素樹脂をインキ反発層とする水なし
平版印刷版が開示されている。
【0006】しかしながら、これらの感光性平版印刷版
は感光層が比較的硬くて脆いため、オフセット印刷時、
版面に加わる応力により損傷しやすく、印刷枚数が増え
るにしたがい非画線部のインキ反発層下の感光層に損傷
が起こり、これがインキ反発層にまで拡大し画像の再現
性が低下するなどの問題が生じる。この結果は印刷版の
耐刷力不足という問題としてあらわれる。
【0007】これまで上記耐刷力を改良することを目的
として、様々な検討がなされてきた。特開平5−533
06号、特開平5−53307号などでは基板と感光層
の間に天然タンパクとウレタンエラストマ、あるいはポ
リウレタンとシランカップリング剤を含有する柔軟なプ
ライマ層を設けた水なし平版印刷版が提案されている
が、いずれの場合も実用上十分な耐刷力が得られないだ
けでなく、感光層の物性をカバーするだけの十分なプラ
イマ層膜厚が必要とされるため、プライマ層のキュア不
足に起因するインキ反発層剥がれや感光層剥がれ、さら
にひどい場合にはプライマ層自体が基板から剥がれると
いった問題があった。
【0008】インキ反発層を厚くするという手法も試み
られてきたが、それに伴う現像性の低下、さらにはイン
キマイレージの低下が問題となる。
【0009】特開平1−154158号、特開平1−1
54159号などはインキ反発層であるシリコーンゴム
層を厚膜化し、それに伴うインキマイレージの低下をイ
ンキ着肉性物質の埋め込みなどによるセル深度の調整で
カバーしようとするものであるが、現像性の低下は依然
として存在し、またインキ着肉性物質の埋め込みなどと
いう新たな行程が加わったことにより実用上扱いにくい
という問題を有する。特開平1−161242号では、
インキ着肉層(感光層)を最上層に有する版を画像露光
し現像した後、インキ反発層(シリコーンゴム層)を塗
布し、その後さらに現像することで得られる厚膜のシリ
コーンゴム層を有する水なし平版印刷版が提案されてい
る。しかしながら、この手法で得られた版は画線部のイ
ンキ着肉性が悪いという問題を有しているばかりでな
く、感光層現像後のシリコーンゴム層塗布、一枚の版に
つき2回の現像と作業行程が多くなり実用的でない。
【0010】インキ反発層であるシリコーンゴム層の物
性を向上させる検討もなされている。フィラーの添加や
ポリジメチルシロキサンの高分子量化、また、特開平2
−32349号ではインキ反発性物質の硬化物をふくむ
微多孔質層を有する水なし平版印刷版、特開平2−88
47号ではポリオルガノシロキサンを枝にもつグラフト
ポリマをシリコーンゴム層に含有する水なし平版印刷版
が提案されている。しかしながら、これらはいずれも耐
傷性の向上こそなされてはいるが、耐刷性の向上は不十
分であった。そればかりか、シリコーンゴム層が本来備
えていなければならないインキ反発性を低下させるとい
う問題を有していた。
【0011】特開昭63−213848号、特開昭63
−213849には感光層にアクリル酸誘導体共重合体
を含有させたものが記載されているが、アクリル酸誘導
体共重合体を感光層中に50wt%以上含有させると画
像再現性やインキ反発層であるシリコーンゴム層との接
着性を損なうという問題があり、また50wt%以下で
は耐刷力が不十分となるという問題を有していた。
【0012】また、特開平3−20741号には感光層
にカルボン酸ビニルエステル重合単位を有する高分子化
合物を含有させたもの、特開平3−68946号には感
光層にヒドロキシフェニルメタクリルアミド誘導体共重
合体を含有させたものが記載され、水系現像液で現像可
能で耐刷力の優れた版が得られるとされている。しかし
ながら、これらの版はプレートクリーナー等の版洗浄溶
剤やUVインキ等に対する感光層の耐溶剤性が不十分で
あるため、画線部が印刷中に破壊されるだけでなく、非
画線部の感光層が溶剤に侵されることによる耐刷性の低
下という問題を有していた。
【0013】特願平6−156206のように感光層中
のバインダポリマを増量する事によって、あるいは特願
平6−183757号、特願平6−183758号のよ
うに感光層中の感光剤自体を柔軟化することによって、
感光層を柔軟化する事により、現像性、画像再現性を維
持したまま、耐刷性を飛躍的に向上させることもなされ
ている。しかしながら、版性能が経時変化しやすく保存
安定性が悪いという問題が残っていた。
【0014】この問題に対しては、特願平7−9282
3号、特願平7−106565号、特願平7−1065
66で明らかにされているように、分子中にシリル基を
有するキノンジアジド化合物を含有させることで改良が
はかられたが、性能的には未だ不十分であり、また感度
が低いという問題も残っていた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の諸欠点を改良するために創案されたもので、感光層
に特定の構造を有するキノンジアジド化合物と、低分子
量のキノンジアジド化合物を含有させることによって、
耐刷性などの性能を低下させることなく、保存安定性の
改良された高感度の水なし平版印刷版原版を提供するこ
とにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
以下の水なし平版によって達成される。すなわち、支持
体上に少なくとも感光層およびシリコーンゴム層をこの
順に積層してなる水なし平版印刷版原版において、該感
光層が少なくとも a.下記一般式(I)で示される構造を少なくとも一つ
有するキノンジアジド化合物 b.分子量400以下のキノンジアジド化合物 とを含有することを特徴とする水なし平版印刷版原版。
【0017】 −SiRn 3-n (I) (式中、nは0〜3の整数であり、Rはアルキル基、ア
ルケニル基、アリール基、またはこれらの組み合わされ
た基を示し、それらはハロゲン原子、イソシアネート
基、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ
基、アリーロキシ基、(メタ)アクリロキシ基、メルカ
プト基等の官能基を置換基として有していてもよい。X
は官能基を示している。)
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の構成について、
さらに具体的に説明する。
【0019】本発明の特徴とするところは、支持体上に
少なくとも感光層およびシリコーンゴム層をこの順に積
層してなる水なし平版印刷版原版において、該感光層が
少なくとも下記一般式(I)で示される構造を少なくと
も一つ有するキノンジアジド化合物(シリル基含有キノ
ンジアジド化合物)、と分子量400以下のキノンジア
ジド化合物(低分子キノンジアジド化合物)とを含有す
ることにある。
【0020】 −SiRn 3-n (I) (式中、nは0〜3の整数であり、Rはアルキル基、ア
ルケニル基、アリール基、またはこれらの組み合わされ
た基を示し、それらはハロゲン原子、イソシアネート
基、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ
基、アリーロキシ基、(メタ)アクリロキシ基、メルカ
プト基等の官能基を置換基として有していてもよい。X
は官能基を示している。官能基としては、水素原子、水
酸基 アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトオキシム
基、アミド基、アミノオキシ基、アミノ基、アルケニル
オキシ基などが挙げられる。) 特願平6−156206のように、感光層中のバインダ
ポリマを増量し柔軟化する事によって、現像性、画像再
現性を維持したまま、耐刷性を飛躍的に向上させること
が出来るが、バインダポリマを増量したために、その分
キノンジアジド化合物が減少し、したがって水酸基が減
少したことにより、感光層とシリコーンゴム層の間の接
着力(SK接着力)が減少してしまう。シリコーンゴム
層中の架橋剤を増量することによって、SK接着力の問
題は解消するが、残存する架橋剤のために保存安定性に
問題が生じる。特願平6−183757号、特願平6−
183758号では、感光層中の感光剤であるキノンジ
アジド化合物自体を柔軟化することによって感光層を柔
軟化し、耐刷性を飛躍的に向上させたが、SK接着力の
発現が不安定である。安定なSK接着力を得るために
は、シリコーンゴム層中架橋剤の増量が必要であるが、
残存する架橋剤のために保存安定性に問題が生じる。
【0021】特願平7−92823号、特願平7−10
6565号、特願平7−106566では、分子中にシ
リル基を有するキノンジアジド化合物(シリル基含有キ
ノンジアジド化合物)を含有させることで、安定にSK
接着力を発現、向上させることが出来るようになった。
その結果、シリコーンゴム層中の架橋剤を増量する必要
もなくなり保存安定性の問題も改善された。しかしなが
ら、基本的にSK接着力が高くなるため、逆に感度が低
くなるという問題が生じる。
【0022】本発明により、分子量400以下の低分子
のキノンジアジド化合物(低分子キノンジアジド化合
物)を感光層中に含有することにより、露光部の感光層
表面の溶解性、耐溶剤性の変化を大きくすることが出来
るため感度が高くなる。
【0023】本発明の特徴は、感光層中にシリル基含有
キノンジアジド化合物を含有すると同時に、分子量40
0以下のキノンジアジド化合物を含有することである。
特開平5−333535号公報のように、シリル基を有
する化合物を感光層中に含有するだけでは、感光層中の
大部分を占めるキノンジアジド化合物の剛直な構造のた
めに感光層は非常に脆いものとなる。そのため、印刷時
にシリコーンゴム層と感光層の界面に加わる応力により
シリコーンゴム層が感光層から剥離すること以外に、感
光層自体にクラックが発生し、それに由来するシリコー
ンゴム層の欠落という問題、ひどい場合には感光層とシ
リコーンゴム層が欠落するという問題が発生する。本発
明においては、分子量400以下の低分子キノンジアジ
ド化合物が感光層中で可塑剤的な働きをし、感光層自体
を可塑化するため、上記のような問題も解決できる。
【0024】分子量が400より大きい場合は、露光部
の感光層表面の溶解性、耐溶剤性の変化を大きくする能
力が不十分であり、また感光層中における可塑剤的な働
きも小さくなるため、上述のような効果が得られない。
【0025】分子量400以下のキノンジアジド化合物
としては、ベンゾキノンジアジド、ベンゾキノンジアジ
ドスルホン酸およびその誘導体で分子量400以下のも
の、ナフトキノンジアジド、ナフトキノンジアジドスル
ホン酸およびその誘導体で分子量400以下のもの、ナ
フトキノンジアジドジスルホン酸誘導体で分子量400
以下のものなどが挙げられる。
【0026】具体的には、1,2−ベンゾキノン−2−
ジアジドー4−スルホン酸およびその誘導体で分子量4
00以下のもの、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド
−4−スルホン酸およびその誘導体で分子量400以下
のもの、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−ス
ルホン酸およびその誘導体で分子量400以下のもの、
1,2−ナフトキノン−2−ジアジドジスルホン酸誘導
体で分子量400以下のものなどが挙げられる。
【0027】さらに具体的には、1,2−ナフトキノン
−2−ジアジド−5−スルホン酸クロリド、1,2−ナ
フトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸クロリド、
およびフェノール、カテコール、グアヤコール、クレゾ
ール、キシレノール、ナフトールなどの低分子フェノー
ル類の1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−およ
び/または−5−スルホン酸エステル、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、
ヘプタノール、オクタノール、デカノール、シクロヘキ
サノール、アリルアルコール等の低分子アルコール類の
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−および/ま
たは−5−スルホン酸エステル、メチルエチルケトオキ
シムなどの低分子オキシム化合物の1,2−ナフトキノ
ン−2−ジアジド−4−および/または−5−オキシム
スルホネート、アニリンやアミン等の1,2−ナフトキ
ノン−2−ジアジド−4−および/または−5−スルホ
ン酸アミド等が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0028】上記化合物の中では、感光層の溶解性、耐
溶剤性の変化および可塑剤的な働きの観点から、分子量
は350以下のものがより好ましい。
【0029】具体的には1,2−ナフトキノン−2−ジ
アジド−4−および/または−5−スルホン酸クロリ
ド、フェノールの1,2−ナフトキノン−2−ジアジド
−4−および/または−5−スルホン酸エステルが好ま
しい化合物と言える。
【0030】これら低分子キノンジアジド化合物は感光
層中に1種もしくは2種以上、用いても良い。
【0031】また、これら化合物の感光層中に占める割
合としては、0.1重量%以上30重量%以下が好まし
く、より好ましくは0.3重量%以上10重量%以下、
さらに好ましくは0.5重量%以上5重量%以下であ
る。感光層中に占める割合が少なすぎると露光部の感光
層表面の溶解性、耐溶剤性の変化を大きくする能力や感
光層中における可塑剤的な効果が現れなくなり、逆に多
すぎると感光層自体の耐溶剤性や物性に問題が生じるよ
うになる。
【0032】シリル基含有キノンジアジド化合物の調製
方法としては (1)公知のシリル基含有化合物を公知のキノンジアジ
ド化合物と反応させる方法 (2)上記のようにして得られたシリル基含有キノンジ
アジド化合物とフェノール性水酸基を含有する化合物、
例えばノボラック樹脂等を反応させる方法 (3)公知のシリル基含有化合物を水酸基等を有する化
合物と反応させた後、公知のキノンジアジド化合物をさ
らに反応させる方法 (4)上記いずれかの方法で得られたシリル基含有キノ
ンジアジド化合物を変性させる方法等が挙げられる。
【0033】上記方法のなかでは公知のシリル基含有化
合物を公知のキノンジアジド化合物と反応させる方法が
好ましい。
【0034】一般式(I)で示される構造の具体例とし
ては、アルコキシシリル基、アセトキシシリル基、オキ
シムシリル基、トリアルキルシロキシ基、トリフェニル
シロキシ基等がある。これらの中ではアルコキシシリル
基、アセトキシシリル基、オキシムシリル基が好まし
い。
【0035】アルコキシシリル基の具体例としては、ト
リメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジ
エトキシシリル基、ビニルジメトキシシリル基、アリル
ジメトキシシリル基、アリルジエトキシシリル基、3 ー
メタクリロキシプロピルジメトキシシリル基、3 ー メタ
クリロキシプロピルジエトキシシリル基、ジメチルエト
キシシリル基、ジビニルメトキシシリル基、ジビニルエ
トキシシリル基、ジアリルメトキシシリル基、ジアリル
エトキシシリル基、3 ー メタクリロキシプロピルメチル
メトキシシリル基、3 ー メタクリロキシプロピルメチル
エトキシシリル基など。
【0036】アセトキシシリル基の具体例としては、ト
リアセトキシシリル基、メチルジアセトキシシリル基、
エチルジアセトキシシリル基、ジメチルジアセトキシシ
リル基、ジエチルアセトキシシリル基など。
【0037】オキシムシリル基の具体例としては、トリ
ケトオキシムシリル基、メチルジケトオキシムシリル
基、エチルケトオキシムシリル基などが挙げられる。
【0038】上記一般式(I)で示される構造をキノン
ジアジド化合物に導入するためのシリル基含有化合物と
しては、公知のアルコキシシラン、アセトキシシラン、
オキシムシラン、アミノシラン、アミドシラン等が挙げ
られる。
【0039】これらシリル基含有化合物の中では反応性
基含有シリル化合物が好ましい。反応性アルキル基含有
シリル化合物としては、クロロアルキルシリル化合物、
エポキシアルキルシリル化合物、アミノアルキルシリル
化合物、メルカプトアルキルシリル化合物、イソシアネ
ートアルキルシリル化合物、メタアクリロキシアルキル
シリル化合物、アクリロキシアルキルシリル化合物、ビ
ニルエステルシリル化合物、アルケニルシリル化合物等
が挙げられる。
【0040】これらの中では、エポキシアルキルシリル
化合物とイソシアネートアルキルシリル化合物が好まし
く、さらにはイソシアネートアルキルシリル化合物がよ
り好ましい。
【0041】イソシアネートアルキルシリル化合物の具
体例としては、3−イソシアネートプロピルトリエトキ
シシラン、3−イソシナネートプロピルジメチルクロロ
シラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラ
ンなどが挙げられる。
【0042】これらシリル基含有化合物をキノンジアジ
ド化合物と反応させることによって、シリル基含有キノ
ンジアジド化合物を得ることが出来る。
【0043】シリル基含有化合物を反応させるキノンジ
アジド化合物としては、ベンゾキノンジアジドスルホン
酸およびその誘導体、ナフトキノンジアジドスルホン酸
およびその誘導体、ナフトキノンジアジドジスルホン酸
誘導体等が挙げられるがこれらに限定されるものではな
く、またこれらの中ではナフトキノンジアジドスルホン
酸誘導体が好ましい。
【0044】具体的には、フェノールホルムアルデヒド
ノボラック樹脂(フェノール、p−tert−ブチルフ
ェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノ
ール、カルダノール、クレゾール、キシレノール、カテ
コールおよびピロガロールなどのフェノール類とホルム
アルデヒド類とを酸性触媒存在下に縮合させて得られる
樹脂)、レゾール樹脂(例えば、上記フェノール類とホ
ルムアルデヒド類とをアルカリ触媒存在下に縮合させて
得られる樹脂)、レゾルシンベンズアルデヒド縮合樹
脂、ピロガロールアセトン樹脂、ヒドロキシスチレンの
重合体および共重合体などの1,2−ナフトキノン−2
−ジアジド−4−および/または−5−スルホン酸エス
テルを挙げることが出来る。
【0045】これらの中では、フェノールホルムアルデ
ヒドノボラック樹脂、レゾール樹脂などが好ましく、特
にフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂が好まし
い。
【0046】このフェノールホルムアルデヒドノボラッ
ク樹脂の1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−ス
ルホン酸エステルに、シリル基含有化合物として好まし
くは反応性アルキル基含有シリル化合物、より好ましく
はイソシアネートアルキルシリル化合物を反応させて得
られる化合物は好ましいシリル基含有キノンジアジド化
合物となる。
【0047】また、シリル基としては、脱オキシム型、
脱アルコキシ型、脱アセトキシ型が好ましく、より好ま
しくは脱アルコキシ型であるため、先のフェノールホル
ムアルデヒドノボラック樹脂の1,2−ナフトキノン−
2−ジアジド−5−スルホン酸エステルに、シリル基含
有化合物としてイソシアネートアルキルアルコキシシリ
ル化合物を反応させて得られる化合物はより好ましいシ
リル基含有キノンジアジド化合物となる。
【0048】以上述べたようなシリル基を有するキノン
ジアジド化合物は単独で用いても良いし、シリル基を有
する他のキノンジアジド化合物と混合して用いても良
い。
【0049】さらに、これらシリル基含有キノンジアジ
ド化合物の感光層中に占める割合としては、1重量%以
上50重量%以下が好ましく、より好ましくは5重量%
以上45重量%以下、さらに好ましくは10重量%以上
30重量%以下である。感光層中に占める割合が少なす
ぎるとSK接着力を安定に発現させる能力が不十分にな
り、逆に多すぎるとSK接着力が高くなり過ぎ、感度が
低くなりすぎたり、保存安定性が悪くなるという問題が
生じる。
【0050】本発明においては、上述のような分子量4
00以下の低分子キノンジアジド化合物とシリル基含有
キノンジアジド化合物を必須成分とするが、版の画像再
現性を損なわない範囲、あるいは向上させる目的で、公
知のキノンジアジド化合物を別途添加してもよい。
【0051】すなわち、分子量が400より大きく、か
つシリル基を有しない公知のキノンジアジド化合物とし
ては、上述のようなフェノールホルムアルデヒドノボラ
ック樹脂、レゾール樹脂、レゾルシンベンズアルデヒド
縮合樹脂、ピロガロールアセトン樹脂、ヒドロキシスチ
レンの重合体および共重合体などの1,2−ナフトキノ
ン−2−ジアジド−4−および/または−5−スルホン
酸エステルを挙げることが出来る。
【0052】これらの中では、フェノールホルムアルデ
ヒドノボラック樹脂、レゾール樹脂の1,2−ナフトキ
ノン−2−ジアジド−5−スルホン酸エステルなどが好
ましく、特にフェノールホルムアルデヒドノボラック樹
脂の1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホ
ン酸エステルが好ましい。
【0053】さらに、水酸基の15〜60%がエステル
化されたフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂の
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸
エステルはより好ましい。
【0054】該感光層の露光後の引張特性については、
初期弾性率が5kgf/mm2 以上75kgf/mm2
未満、好ましくは5kgf/mm2 以上50kgf/m
2未満、さらに好ましくは5kgf/mm2 以上40
kgf/mm2 未満にすることが重要である。上記弾性
率が5kgf/mm2 未満の場合は感光層がベタつき、
印刷時にヒッキーの原因になる。逆に、75kgf/m
2 以上の場合は良好な耐刷力が得られない。
【0055】また、10%応力値は、0.05kgf/
mm2 以上3.0kgf/mm2 未満、好ましくは0.
1kgf/mm2 以上2.0kgf/mm2 未満、さら
に好ましくは0.1kgf/mm2 以上1.5kgf/
mm2 未満にすることが重要である。10%応力値が
0.05kgf/mm2 未満の場合は感光層がベタつき
印刷時にヒッキーの原因になる。逆に、10%応力値が
3.0kgf/mm2 をこえる場合には、オフセット印
刷時に生じる繰り返し応力によって、感光層とシリコー
ンゴム層の接着界面で破壊が起こるため、高耐刷力が得
られない。
【0056】また、破断伸度は5%以上が好ましく、よ
り好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%以上
にすることが重要である。破断伸度が5%未満の場合は
感光層が脆くなり、オフセット印刷を行った場合に感光
層が破壊され高耐刷力が得られない。
【0057】初期弾性率が75kgf/mm2 をこえ、
破断伸度5%未満の場合は、例えば特開平5−3335
35号公報の実施例20に記載の感光層の露光後の引張
り初期弾性率は82kgf/mm2 、破断伸度4.7%
で硬い感光層であるため、オフセット印刷を行った場合
に感光層とシリコーンゴム層との間で繰り返し応力がか
かり、感光層自体の破壊およびそれに引き続くシリコー
ンゴム層との接着界面での破壊が起こり高耐刷力が得ら
れないためである。
【0058】感光層の露光後の引張特性は、JIS K
6301に従って、特願平7−92823に述べられた
方法で測定することが出来る。
【0059】本発明における感光層の形態保持の機能を
果たすバインダポリマとしては、有機溶媒可溶でかつフ
ィルム形成能のあるものであればいずれも使用可能であ
るが、好ましくはそのガラス転移温度(Tg)が0℃以
下のポリマおよびコポリマである。
【0060】以下にバインダポリマとなり得る代表的な
ポリマ類について具体的に述べるがこれらに限定される
ものではない。
【0061】(1)ビニルポリマ類 以下に示すような単量体およびそれらの誘導体から得ら
れるポリマ、およびコポリマ。
【0062】例えば、エチレン、プロピレン、スチレ
ン、ブタジエン、イソプレン、塩化ビニル、酢酸ビニ
ル、アクリル酸もしくはメタクリル酸と各種アルコール
類のエステル、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)
アクリレート、アクリルアミド、N−メチロールアクリ
ルアミド、グリシジルメタクリレート、アクリルニトリ
ル、イソブテン、N−ビニルカルバゾール、ポリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロール
エタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサ(メタ)アクリレート、グリセリンやトリメチロー
ルエタン、トリメチロールプロパン等の多官能アルコー
ルにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加
させた後(メタ)アクリレート化したもの。
【0063】(2)未加硫ゴム 天然ゴム(NR)や公知の不飽和二重結合含有化合物よ
り選ばれた単独重合体又は共重合体であり、例えば、ポ
リブタジエン(BR)、スチレンーブタジエン共重合体
(SBR)、ポリイソプレン(NR)、ポリクロロプレ
ン(CR)、ポリネオプレン、メタクリル酸エステルー
ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル−アクリルニ
トリル共重合体(ANM)、イソブチレン−イソプレン
共重合体(IIR)、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体(NBR)、カルボキシ変性アクリロニトリル−
ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−イソプレン共
重合体、エチレン−プロピレン共重合体(EPM、EP
DM)などが挙げられる。
【0064】(3)ポリオキシド類(ポリエーテル類) トリオキサン、エチレンオキシド、プロピレンオキシ
ド、2,3−エポキシブタン、3,4−エポキシブテ
ン、2,3−エポキシペンタン、1,2−エポキシヘキ
サン、エポキシシクロヘキサン、スチレンオキシド、テ
トラメチルエチレンオキシド、エピクロルヒドリン、ア
リルグルシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル
などの開環重合によりポリマ、コポリマもまたバインダ
ポリマとして使用可能である。
【0065】(4)ポリエステル類 以下に示すような多価アルコールと多価カルボン酸の重
縮合により得られるポリエステル、多価アルコールと多
価カルボン酸無水物の重合により得られるポリエステ
ル、ラクトンの開環重合などにより得られるポリエステ
ル、およびこれら多価アルコール、多価カルボン酸、多
価カルボン酸無水物、およびラクトンの混合物より得ら
れるポリエステル等もまたバインダポリマとして使用可
能である。
【0066】多価アルコールとしては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロ
ールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリ
ット、ジペンタエリトリット、ソルビトール等。
【0067】多価カルボン酸および多価カルボン酸無水
物としては、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメ
リット酸等。
【0068】ラクトンとしては、β−プロピオラクト
ン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カ
プロラクトン等。
【0069】(5)ポリウレタン類 以下に示すポリイソシアネート類と多価アルコールより
得られるポリウレタンもまたバインダポリマとして使用
できる。多価アルコールとしては上記ポリエステルの項
で述べた多価アルコール類、これら多価アルコールとポ
リエステルの項で述べた多価カルボン酸の重縮合で得ら
れる両端が水酸基であるような縮合系ポリエステルポリ
オール、上記ラクトン類より得られる重合ポリエステル
ポリオール、ポリカーボネートジオール、プロピレンオ
キシドやテトラヒドロフランの開環重合やエポキシ樹脂
の変性で得られるポリエーテルポリオール、あるいは水
酸基を有するアクリル(あるいはメタクリル)単量体と
アクリル(あるいはメタクリル)酸エステルとの共重合
体であるアクリルポリオール、ポリブタジエンポリオー
ルなどが使用可能である。
【0070】イソシアネート類としては、パラフェニレ
ンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TD
I)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサ
メチレンジイソシアネート(HMDI)、リジンジイソ
シアネート(LDI)、イソホロンジイソシアネート
(IPDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ
ート(TMDI)等やポリイソシアネート類の多価アル
コールアダクト体、あるいはポリイソシアネート類の重
合体等が挙げられる。
【0071】(6)ポリアミド類 従来提案されているポリアミド類もまたバインダポリマ
として使用できる。
【0072】基本的な組成としては、次に示すモノマ類
のコポリマーである。ε−カプロラクタム、ω−ラウロ
ラクタム、ω−アミノウンデカン酸、ヘキサメチレンジ
アミン、4,4´−ビス−アミノシクロヘキシルメタ
ン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、
イソホロンジアミン、ジグリコール類、イソフタル酸、
アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸など。
【0073】これらバインダポリマと成りうるポリマは
単独で用いても良いし、また数種のポリマを混合して用
いても良い。
【0074】これらバインダポリマの中ではポリウレタ
ン、ビニル系化合物の共重合体、ポリアミドが好まし
い。
【0075】バインダポリマの好ましい使用量は感光層
が画像再現性を有する範囲であればどのような割合でも
よいが、感光層成分に対して10〜85重量%であり、
さらに好ましい使用量は10〜65重量%、最も好まし
いのは15〜55重量%である。バインダポリマが10
重量%未満である場合には、満足な感光層物性を発現さ
せることが困難であり、一方、85重量%より多い場合
は結果的にキノンジアジド化合物の減量を意味するた
め、画像再現性、現像性、SK接着力などに問題を生じ
させる。
【0076】本発明においては、光溶解型感光層、光剥
離型感光層いずれも使用できる。
【0077】光溶解型感光層とは、露光により感光層の
耐溶剤性が変化し、その後の現像により露光部の感光層
のほとんどもしくは全部とインキ反発層としてのシリコ
ーンゴム層が共に除去され、画像部を形成する感光層の
ことを言う。
【0078】一方、光剥離性感光層とは、現像により露
光部感光層が実質的に除去されることなく、その上のイ
ンキ反発層が除去されるものを言い、本発明において
は、この光剥離型感光層が好ましく用いられる。
【0079】感光層を現像液に難溶もしくは不溶とする
ために、公知の多官能化合物で架橋せしめるか、あるい
はキノンジアジド化合物中の活性基を単官能化合物と結
合させるなどして変性するという手法も用いることが出
来る。
【0080】架橋構造を導入せしめるために用いられる
多官能化合物としては、以下に示す多官能性イソシアネ
ート類あるいは多官能エポキシ化合物等を挙げることが
出来るがこれらに限定されるものではない。
【0081】多官能イソシアネート類としては、上記ポ
リウレタンの調製に関して述べたようなものを使用する
ことが出来る。
【0082】多官能エポキシ化合物としては、ポリエチ
レングリコールジグリシジルエーテル類、ポリプロピレ
ングリコールジグリシジルエーテル類、ビスフェノール
Aジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリ
グリシジルエーテルなどが挙げられるが、これらに限定
されるものではない。
【0083】これらの中で好ましいものは、多官能イソ
シアネート化合物である。また、これら多官能化合物の
使用量は、感光性化合物100重量部に対して1〜15
0重量部が好ましく、より好ましくは5〜100重量
部、さらに好ましくは10〜50重量部である。
【0084】上記の諸成分に加え、必要に応じて光増感
剤、酸、塩基、染料、顔料、光発色剤、界面活性剤、触
媒などの添加剤を加えることは任意である。
【0085】感光層の厚さは0.1〜100μm、好ま
しくは0.3〜10μmが適当である。薄すぎると感光
層中にピンホールを生じやすくなり、一方厚すぎると経
済的に不利であるので上記の範囲が好ましい。
【0086】本発明で用いられる支持体としては、通常
の水なし平版印刷版で用いられるもの、あるいは提案さ
れているものであればいずれでもよい。すなわち通常の
平版印刷機にセット出来るたわみ性と印刷時に加わる荷
重に耐えるものであれば十分である。通常、金属板やプ
ラスチックシート、ゴムシート、各種コート紙などが用
いられるが、金属板、とりわけアルミニウムを用いた金
属板が好ましく用いられる。
【0087】感光層と支持体との十分な接着性を得るた
めに支持体にプライマ層を設けてもよい。該プライマ層
としては、従来より種々のものが提案されており、いず
れのプライマ層も使用可能である。
【0088】すなわち、組成的には、天然高分子化合物
を含有するプライマ層、柔軟なポリウレタンを用いたプ
ライマ層、また、エポキシ樹脂を成分として含むプライ
マ層などが知られている。
【0089】また、硬化方法においては、熱硬化型プラ
イマ層や光硬化型のプライマ層が知られている。光硬化
型のものとしては光二量化型のものやジアゾ樹脂を含有
する光架橋型のもの、エチレン性不飽和化合物を含有す
る光重合型のものも本発明に用いることができる。
【0090】プライマ層の厚さは0.1〜100μm、
好ましくは0.3〜50μm、より好ましくは0.5〜
30μmが選ばれる。薄すぎると基板表面の形態欠陥お
よび化学的悪影響の遮断効果が劣り、一方厚すぎると経
済的に不利になるので上記の範囲が好ましい。
【0091】本発明に用いられるインキ反発層として
は、シリコーンゴムを用いたものが好ましく用いられ、
縮合型のもの、付加型のものいずれも使用可能である。
【0092】縮合型のシリコーンゴム層は下記一般式
(II)で示される分子量数千〜数十万の有機ポリシロ
キサンと一般式(III)で示される架橋剤を主成分と
する混合物により調製される。
【0093】
【化1】 (式中、nは2以上の整数、R1、R2は炭素数1〜5
0の置換あるいは非置換のアルキル基、炭素数2〜50
の置換あるいは非置換のアルケニル基、炭素数4〜50
の置換あるいは非置換のアリール基の群から選ばれる少
なくとも一種であい、それぞれ同一でも異なっていても
よい。R1、R2の全体の40%以下がビニル、フェニ
ル、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化フェニルであり、全
体の60%以上がメチル基であるものが好ましい。) RnSiX4-n (III) (式中、nは0〜2の整数であり、Rはアルキル基、ア
ルケニル基、アリール基、またはこれらの組み合わされ
た基を示し、それらはハロゲン原子、アミン基、ヒドロ
キシ基、アルコキシ基、アリーロキシ基、(メタ)アク
リロキシ基、チオール基等の官能基を置換基として有し
ていてもよい。Xは水素原子、水酸基 アルコキシ基、
アシルオキシ基、ケトオキシム基、アミド基、アミノオ
キシ基、アミノ基、アルケニルオキシ基などの官能基を
示している。) 線状有機ポリシロキサンとしては、通常線状のもの、末
端が水酸基であるものが好ましく用いられる。
【0094】架橋剤としては、具体的にはいわゆる室温
(低温)硬化型のシリコーンゴムに使われている多官能
シラン化合物、例えば、トリメトキシシリル基、アミノ
基、グリシジル基、メタクリル基、アリル基、ビニル基
等を有するアセトキシシラン、ケトオキシムシラン、ア
ルコキシシラン、アミノシラン、アミドシランなどが挙
げられるが、これらに限定されるものではない。
【0095】これら架橋剤を、前述の線状有機ポリシロ
キサンとこれらを組み合わせることで、各々脱酢酸型、
脱オキシム型、脱アルコール型、脱アミン型、脱アミド
型などのシリコーンゴムとなる。
【0096】また、縮合型の架橋を行うシリコーンゴム
には金属カルボン酸塩などの公知の触媒を添加してもよ
い。
【0097】ラジカル開始剤により、線状有機ポリシロ
キサンを硬化させてシリコーンゴムとすることも可能で
ある。
【0098】インキ反発層には、SiH基と−CH=C
H−基との付加反応によって架橋させた付加型シリコー
ンゴム層も有用である。ここで用いる付加型シリコーン
ゴム層は多価ハイドロジェンオルガノポリシロキサン
と、1分子に2個以上の−CH=CH−結合を有するポ
リシロキサン化合物との反応によって得られるもので、
望ましくは以下の成分: (1)1分子中にケイ素原子に直接結合したアルケニル
基(望ましくはビニル基) を少なくとも2個有す
るオルガノポリシロキサン (2)1分子中に少なくともSiH結合2個有するオル
ガノポリシロキサン (3)付加触媒 からなる組成物を架橋硬化したものである。
【0099】これらの組成物の他に、アルケニルトリア
ルコキシシランなどの公知の接着付与剤を添加すること
や、縮合型シリコーンゴム層の組成物である水酸基含有
オルガノポリシロキサン、末端がトリメチルシリル基で
あるジメチルポリシロキサンよりなるシリコーンオイ
ル、末端がトリメチルシリル基であるジメチルポリシロ
キサン、加水分解性官能基含有シラン(もしくはシロキ
サン)を添加してもよい。
【0100】シリコーンゴム層の厚さは約0.5〜10
0μm、好ましくは約0.5〜10μmが適当であり、
薄すぎる場合は耐刷力およびインキ反発性の点で問題を
生じることがあり、一方厚すぎる場合は経済的に不利で
あるばかりでなく、現像時シリコーンゴム層を除去しに
くくなり、画像再現性の低下をもたらす。
【0101】以上説明したようにして構成された水なし
平版印刷版原版においては、表面のインキ反発層保護の
目的および露光工程でのフイルムの真空密着性を改善す
るために保護フィルムをラミネートまたは薄いプラスチ
ックシート状物を塗布または転写して保護層とすること
もできる。
【0102】
【発明の実施の形態】
【0103】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0104】なお、引張特性の試験方法は次の通りであ
る。ガラス板上に感光液を塗布し、溶媒を揮散させた
後、115℃で加熱硬化させた。この後、ガラス板より
シートを剥がすことで約100ミクロンの厚さの感光層
シートを得た。このシートから5mm×40mmの短冊
状サンプルを切り取り、テンンシロン RTM−100
(オリエンテック(株)製)を用い、引張速度 20c
m/分で初期弾性率、10%応力、破断伸度を測定し
た。
【0105】合成例1 (低分子キノンジアジド化合物−1の合成)1,2−ナ
フトキノン−2−ジアジ−5−スルホン酸クロライド
0.12モルとフェノール0.1モルを240gの乾燥
ジオキサンに溶解させ、この溶液を40℃に保ちなが
ら、炭酸ナトリウム0.056モルを含む15wt%水
溶液を約1時間かけ滴下し、さらにその後6時間、40
℃で撹拌下、反応を行った。
【0106】反応終了後、この反応混合液を約800m
lの冷水中に注ぎ沈殿物を撹拌、洗浄した後、濾別し、
さらに同量の水で撹拌、洗浄した。その後、沈殿物を濾
別した後、メタノールと水の1:1混合溶媒で撹拌、洗
浄した。最後に、沈殿物を濾別し、真空乾燥することに
より目的とするフェノールの1,2−ナフトキノン−2
−ジアジ−5−スルホン酸エステル(分子量:326.
07)(低分子キノンジアジド化合物−1)を得た。
【0107】合成例2 (低分子キノンジアジド化合物−2の合成)1,2−ナ
フトキノン−2−ジアジ−5−スルホン酸クロライド
0.12モルとメタノール0.2モルを240gの乾燥
ジオキサンに溶解させ、この溶液を40℃に保ちなが
ら、炭酸ナトリウム0.056モルを含む15wt%水
溶液を約1時間かけ滴下し、さらにその後6時間、40
℃で撹拌下、反応を行った。
【0108】反応終了後、この反応混合液を約800m
lの冷水中に注ぎ沈殿物を撹拌、洗浄した後、濾別し、
さらに同量の水で撹拌、洗浄した。その後、沈殿物を濾
別した後、真空乾燥することにより目的とするメタノー
ルの1,2−ナフトキノン−2−ジアジ−5−スルホン
酸エステル(分子量:264.07)(低分子キノンジ
アジド化合物−2)を得た。
【0109】合成例3 (シリル基含有キノンジアジド化合物−1,2,3の合
成)1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホ
ン酸クロライドとフェノールホルムアルデヒドノボラッ
ク樹脂(住友デュレズ製:“スミライトレジンPR50
622”)の部分エステル化物(元素分析法によるエス
テル化度はそれぞれ36,25,18%)を乾燥エチレ
ングリコールジメチルエーテルに溶解し、20重量%溶
液を調製した。この溶液に、上記キノンジアジド化合物
100重量部に対し、30重量部の3−イソシアネート
プロピルトリエトキシシランを60℃で環流冷却下、滴
下ロートを用いて滴下した。その後、さらに6時間反応
させることにより、シリル基含有キノンジアジド化合物
−1,2,3をそれぞれ得た。
【0110】合成例4 (シリル基含有キノンジアジド化合物−4の合成)1,
2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸クロ
ライドとトリヒドロキシベンゾフェノンの部分エステル
化物(元素分析法によるエステル化度はそれぞれ33
%)を乾燥テトラヒドロフランに溶解し、20重量%溶
液を調製した。この溶液に、上記キノンジアジド化合物
100重量部に対し、0.5重量部のジブチル錫ジアセ
テートをくわえた後、ビノルトリ(メチルエチルケトオ
キシム)シランを40℃で、滴下ロートを用いて滴下し
た。その後、さらに8時間反応させることにより、シリ
ル基含有キノンジアジド化合物−4をそれぞれ得た。
【0111】実施例1 厚さ0.3mmのアルミ板(住友金属(株)製)に下記
のプライマ組成物をバーコーターを用いて塗布し、20
0℃、2分間熱処理して5μmのプライマ層を設けた。
【0112】 (a)ポリウレタン樹脂“ミラクトランP22S” (日本ミラクトラン(株)製) 100重量部 (b)ブロックイソシアネート“タケネートB830” (武田薬品工業(株)製) 20重量部 (c)エポキシ・フェノール・尿素樹脂“SJ9372” (関西ペイント(株)製) 8重量部 (d)酸化チタン 10重量部 (e)ジブチル錫ジアセテート 0.5重量部 (f)モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッド ホスフェート 1重量部 (g)ジメチルホルムアミド 725重量部 続いてこのプライマ層上に下記の感光層組成物をバーコ
ータを用いて塗布し、110℃の熱風中で1分間乾燥し
て厚さ1.5μmの感光層を設けた。
【0113】 (a)1,2−ナフトキノンー2−ジアジド−5−スルホン酸 クロライドとフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂 (住友デュレズ製:“スミライトレジン”PR50622) の部分エステル化物 (元素分析法によるエステル化度36%) 70重量部 (分子量:1043) (b)シリル基含有キノンジアジド化合物−1 10重量部 (c)低分子キノンジアジド化合物−1 5重量部 (分子量:326.07) (d)4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート 21重量部 (e)ポリウレタン樹脂“サンプレンLQ−T1331” (三洋化成工業(株)製) (ガラス転移点Tg:−37℃) 30重量部 (f)ジブチル錫ジアセテート 0.2重量部 (g)P−トルエンスルホン酸 0.8重量部 (h)テトラヒドロフラン 800重量部 次いでこの感光層の上に下記の組成を有するシリコーン
ゴム組成物を回転塗布後、115℃、露点30℃、3.
5分間湿熱硬化させて2μmのシリコーンゴム層を設け
た。
【0114】 (a)ポリジメチルシロキサン (分子量約25,000、末端水酸基) 100重量部 (b)ビニルトリ(メチルエチルケトオキシム)シラン 10重量部 (c)“アイソパーE”(エクソン化学(株)製) 1400重量部 上記のようにして得られた積層板に、厚さ10μmのポ
リプロピレンフィルム“トレファン”(東レ(株)製)
をカレンダーローラーを用いてラミネートし、水なし平
版印刷版原版を得た。
【0115】かかる印刷原版にメタルハライドランプ
(岩崎電気(株)製アイドルフィン2000)を用い、
UVメーター(オーク製作所製、ライトメジャータイプ
UV−402A)で11mW/cm2 の照度で6秒間全
面露光を施した。
【0116】上記のようにして得られた印刷用原版に1
50線/インチの網点画像を持つネガフィルムと光学濃
度差0.15のグレースケールを真空密着し、上記のメ
タルハライドランプを用い、1mの距離から60秒間露
光した。
【0117】次いで上記の露光済版のカバーフィルムを
剥離し、室温25℃、湿度60%の条件で、TWL11
60(東レ(株)製水なし平版印刷版の現像装置)を用
いて現像を行った。ここで前処理液としては、以下の組
成を有する液を用いた。
【0118】 (a)ジエチレングリコール 80重量部 (b)ジグリコールアミン 14重量部 (c)水 6重量部 また、現像液としては水を用いた。染色液としては、以
下の組成を有する液を用いた。
【0119】 (a)エチルカルビトール 18重量部 (b)水 79.9重量部 (c)クリスタルバイオレット 0.1重量部 (d)2−エチルヘキサン酸 2重量部 現像装置を出てきた印刷版を観察したところ、画像露光
された部分のシリコーンゴム層が除去され、感光層表面
が露出していた。一方、全面露光のみがなされた非画像
部分はシリコーンゴム層が強固に残存しており、ネガフ
ィルムを忠実に再現した画像が得られた。
【0120】また、光学濃度差0.15のグレースケー
ルを置いて、露光した部分に関しては、1段目から7段
目までのシリコーンゴム層が完全に除去されていた。
【0121】得られた印刷版を、オフセット印刷機(小
森スプリント4色機)に取り付け、大日本インキ化学工
業(株)製“ドライオカラー”墨、藍、紅、黄インキを
用いて、上質紙に印刷をおこない耐刷テストを行った。
【0122】20万枚印刷を行ったところ、良好な印刷
物が刷れ、印刷終了後の印刷版を検査したが印刷版の損
傷は軽微であった。
【0123】この実施例に用いた感光層の引張特性を、
先に示した方法で測定した結果、初期弾性率40kgf
/mm2 、10%応力1.55kgf/mm2 、破断伸
度12%であった。
【0124】印刷版原版を作製した後、60℃、相対湿
度80%の雰囲気下で2週間保存したものを、経時後の
水なし平版印刷版原版とし、同様に画像再現性の評価を
行ったが、同様にグレースケール7段目のシリコーンゴ
ム層が完全に除去されていた。
【0125】また、この実施例に用いたシリコーンゴム
層の引張特性を、先に示した方法で測定した結果、初期
弾性率 0.04kgf/mm2 、50%応力 0.0
14kgf/mm2 、破断伸度 421%であった。
【0126】比較例1 実施例1で作製したのと同じプライマ層の上に、特願平
7−92823の実施例4記載の下記の組成を有する感
光層を塗布し、実施例1と同様に厚さ1.5μmの感光
層を塗設した。
【0127】 (a)1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸 クロライドとフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂 (住友デュレズ製:“スミライトレジン”PR50622) の部分エステル化物 (元素分析法によるエステル化度36%) 70重量部 (分子量:1043) (b)シリル基含有キノンジアジド化合物−1 10重量部 (c)4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート 21重量部 (d)ポリウレタン樹脂“サンプレンLQ−T1331” (三洋化成工業(株)製) (ガラス転移点Tg:−37℃) 30重量部 (e)ジブチル錫ジアセテート 0.2重量部 (f)P−トルエンスルホン酸 0.8重量部 (g)テトラヒドロフラン 800重量部 次いでこの感光層の上に実施例1と同じ組成を有するシ
リコーンゴム層を設け、実施例1と同様に水なし平版印
刷版原版を得た。
【0128】実施例1と同様に、露光、現像を行ったと
ころ初期のグレースケール感度4、経時後のグレースケ
ール感度3であった。
【0129】また、耐刷力は実施例1と同じ20万枚で
あった。
【0130】感光層の物性は初期弾性率42kgf/m
2 、10%応力1.61kgf/mm2 、破断伸度1
3%であった。
【0131】比較例1においては、耐刷性に関しては実
施例1と同等の性能を有するものの、低分子量のキノン
ジアジド化合物を含有しないため、初期および保存後の
感度が低く、また保存安定性も悪いものとなっている。
【0132】比較例2 実施例1で作製したのと同じプライマ層の上に、下記の
組成を有する感光層を塗布し、実施例1と同様に厚さ
1.5μmの感光層を塗設した。
【0133】 (a)1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸 クロライドとフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂 (住友デュレズ製:“スミライトレジン”PR50622) の部分エステル化物 (元素分析法によるエステル化度36%) 70重量部 (分子量:1043) (b)低分子キノンジアジド化合物−1 5重量部 (分子量:326.07) (c)4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート 21重量部 (d)ポリウレタン樹脂“サンプレンLQ−T1331” (三洋化成工業(株)製) (ガラス転移点Tg:−37℃) 30重量部 (e)ジブチル錫ジアセテート 0.2重量部 (f)P−トルエンスルホン酸 0.8重量部 (g)テトラヒドロフラン 800重量部 次いでこの感光層の上に実施例1と同じ組成を有するシ
リコーンゴム層を設け、実施例1と同様に水なし平版印
刷版原版を得た。
【0134】実施例1と同様に、露光、現像を行ったと
ころ初期のグレースケール感度5、経時後のグレースケ
ール感度2であった。
【0135】また、耐刷力は実施例1と同じ20万枚で
あった。
【0136】感光層の物性は初期弾性率41kgf/m
2 、10%応力1.56kgf/mm2 、破断伸度1
5%であった。
【0137】比較例2においては、低分子のキノンジア
ジド化合物を含んでいるが、シリル基を含有するキノン
ジアジド化合物を含まないため、初期の感度において実
施例1より2段低く、また、保存後の感度が極めて低く
なり、保存安定性の悪いものになっている。
【0138】比較例3 実施例1で作製したのと同じプライマ層の上に、以下に
示す特開平5−333535号公報の実施例20の感光
液を塗布し、実施例1と同様に厚さ1.5μmの感光層
を塗設した。
【0139】 (a)1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸 クロライドとフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂 (住友デュレズ製:“スミライトレジン”PR50622) の部分エステル化物 (元素分析法によるエステル化度25%) 100重量部 (b)4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート 40重量部 (c)4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン 5重量部 (d)ジブチル錫ジアセテート 0.2重量部 (e)P−トルエンスルホン酸 0.8重量部 (f)フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂 10重量部 (“スミライトレジン”PR50622)の、 3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランおよび 1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸 クロライドの部分反応物 (ノボラック水酸基のイソシアネートシランとの反応率:20%) (スルホン酸クロライドとの反応率:25%) (シリル基含有キノンジアジド化合物−2) (g)テトラヒドロフラン 800重量部 次いでこの感光層の上に実施例1と同じ組成を有するシ
リコーンゴム層を設け、実施例1と同様に水なし平版印
刷版原版を得た。
【0140】実施例1と同様に、露光、現像を行ったと
ころ初期のグレースケール感度4.5、経時後のグレー
スケール感度3.5であった。
【0141】耐刷性に関しては、13万枚印刷した時点
で印刷物に汚れが観察された。印刷後の版を顕微鏡で観
察したところ、感光層に微小なクラックが発生してお
り、そのクラックに基ずくシリコーンゴム層の欠落が観
察できた。
【0142】感光層の物性は初期弾性率82kgf/m
2 、破断伸度4.7%であった。
【0143】この比較例1は、実施例1に比べ、感光層
が剛直であるため耐刷性が低い。
【0144】さらに、シリル基を含有するキノンジアジ
ド化合物を含有しているにもかかわらず、低分子量のキ
ノンジアジド化合物を含有しないため、初期および保存
後の感度が低く、保存安定性も悪いものとなっている。
【0145】比較例4 実施例1で作製したのと同じプライマ層の上に、以下に
示す特願平7−135126号の実施例1の感光液を塗
布し、実施例1と同様に厚さ1.5μmの感光層を塗設
した。
【0146】 (a)1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸 クロライドとフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂 (住友デュレズ製:“スミライトレジン”PR50622) の部分エステル化物 (元素分析法によるエステル化度36%) 70重量部 (分子量:1043) (b)4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート 21重量部 (c)ポリウレタン樹脂“サンプレンLQ−T1331” (三洋化成工業(株)製) (ガラス転移点Tg:−37℃) 30重量部 (d)ジブチル錫ジアセテート 0.2重量部 (e)P−トルエンスルホン酸 0.8重量部 (f)テトラヒドロフラン 800重量部 次いでこの感光層の上に実施例1と同じ組成を有するシ
リコーンゴム層を設け、実施例1と同様に水なし平版印
刷版原版を得た。
【0147】実施例1と同様に、露光、現像を行ったと
ころ初期のグレースケール感度5、経時後のグレースケ
ール感度1.5であった。
【0148】また、耐刷力は16万枚、感光層の物性は
初期弾性率43kgf/mm2 、10%応力1.59k
gf/mm2 、破断伸度13%であった。
【0149】比較例4においては、初期の感度において
は実施例1より2段低くなっている。また、シリル基を
含有するキノンジアジド化合物も、さらに低分子のキノ
ンジアジド化合物も含まないため、保存後の感度が極め
て低くなり、保存安定性も極めて悪いものになってい
る。
【0150】比較例5 実施例1で作製したのと同じプライマ層の上に、以下に
示す特願平6−183757号の実施例4の感光液を塗
布し、実施例1と同様に厚さ1.5μmの感光層を塗設
した。
【0151】 (a)1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸 クロライドとフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂 (住友デュレズ製:“スミライトレジン”PR50622) の部分エステル化物 (元素分析法によるエステル化度36%) 20重量部 (分子量:1043) (b)ペンタエリスリトール25gと1,2−ナフトキノン 50重量部 −2−ジアジド−5−スルホン酸クロライドと25g の反応混合物 (特願平6−183757の合成例4に従って調製) (b)4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート 21重量部 (c)ポリウレタン樹脂“ミラクトラン”P22S (日本ミラクトラン(株)製) (ガラス転移点Tg:−40℃) 30重量部 (d)ジブチル錫ジアセテート 0.2重量部 (e)P−トルエンスルホン酸 0.8重量部 (f)テトラヒドロフラン 800重量部 次いでこの感光層の上に実施例1と同じ組成を有するシ
リコーンゴム層を設け、実施例1と同様に水なし平版印
刷版原版を得た。
【0152】実施例1と同様に、露光、現像を行ったと
ころ初期のグレースケール感度は5であったが、経時後
は露光部のシリコーンゴム層が全く剥がれない現像不能
状態であった。
【0153】また、耐刷力は20万枚、感光層の物性は
初期弾性率28kgf/mm2 、10%応力1.17k
gf/mm2 、破断伸度40%であった。
【0154】比較例5においては、感光層が柔軟である
ため、耐刷力は非常に高い値を示している。しかしなが
ら、低分子量のキノンジアジド化合物を含有しているに
もかかわらず、シリル基を含有するキノンジアジド化合
物を含有しないため、初期の感度において実施例1より
2段低くなっており、さらに保存安定性も極めて悪いも
のになっている。
【0155】比較例6 実施例1で作製したのと同じプライマ層の上に、以下に
示す組成の感光液を塗布し、実施例1と同様に厚さ1.
5μmの感光層を塗設した。
【0156】 (a)1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸 クロライドとフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂 (住友デュレズ製:“スミライトレジン”PR50622) の部分エステル化物 (元素分析法によるエステル化度36%) 70重量部 (分子量:1043) (b)シリル基含有キノンジアジド化合物−1 10重量部 (c)1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸 5重量部 クロライドとジヒドロキシベンゾフェノン の部分エステル化物 (元素分析法によるエステル化度50%) (分子量:430.07) (d)4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート 21重量部 (e)ポリウレタン樹脂“サンプレンLQ−T1331” (三洋化成工業(株)製) (ガラス転移点Tg:−37℃) 30重量部 (f)ジブチル錫ジアセテート 0.2重量部 (g)P−トルエンスルホン酸 0.8重量部 (h)テトラヒドロフラン 800重量部 次いでこの感光層の上に実施例1と同じ組成を有するシ
リコーンゴム層を設け、実施例1と同様に水なし平版印
刷版原版を得た。
【0157】実施例1と同様に、露光、現像を行ったと
ころ初期のグレースケール感度は5であったが、経時後
のグレースケール感度は4であった。。
【0158】また、耐刷力は20万枚、感光層の物性は
初期弾性率45kgf/mm2 、10%応力1.58k
gf/mm2 、破断伸度13%であった。
【0159】比較例5においては、シリル基を含有する
キノンジアジド化合物を含有し、さらに比較的低分子量
のキノンジアジド化合物を含有しているにもかかわら
ず、初期の感度において実施例1より2段低く、さらに
経時後には4段となってしまい、保存安定性も悪いもの
になっている。
【0160】実施例2 実施例1で作製したのと同じプライマ層の上に、以下に
示す組成の感光液を塗布し、実施例1と同様に厚さ1.
5μmの感光層を塗設した。
【0161】 (a)1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸 クロライドとフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂 (住友デュレズ製:“スミライトレジン”PR50622) の部分エステル化物 (元素分析法によるエステル化度18%) 50重量部 (分子量:812.23) (b)シリル基含有キノンジアジド化合物−3 20重量部 (c)1,2−ナフトキノンー2−ジアジド−4−スルホン酸 3重量部 クロライド (分子量:268.52) (d)4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート 21重量部 (e)ポリウレタン樹脂“サンプレンLQ−T1331” (三洋化成工業(株)製) (ガラス転移点Tg:−37℃) 30重量部 (f)ジブチル錫ジアセテート 0.2重量部 (g)酢酸 10重量部 (h)テトラヒドロフラン 800重量部 次いでこの感光層の上に実施例1と同じ組成を有するシ
リコーンゴム層を設け、実施例1と同様に水なし平版印
刷版原版を得た。
【0162】実施例1と同様に、露光、現像を行ったと
ころ初期のグレースケール感度は7.5であり、経時後
のグレースケール感度も7.5であった。。
【0163】また、耐刷力は22万枚、感光層の物性は
初期弾性率35kgf/mm2 、10%応力1.50k
gf/mm2 、破断伸度13%であった。
【0164】実施例3 実施例1で用いたのと同じアルミ板に下記のプライマ組
成物をバーコーターを用いて塗布し、80℃で2分間乾
燥した後、3kW超高圧水銀灯を用いて800mJ/c
2 の全面露光を行った。プライマ層の乾燥膜厚は5μ
mとした。
【0165】 (a)“ビームセット115” 15重量部 (荒川化学工業(株)製 ロジン変性アクリレート) (b)“UA−306I” 45重量部 (共栄社油脂化学工業(株)製 ウレタンアクリレート) (c)“デナコールアクリレート DA−911” 20重量部 (長瀬産業(株)製 エポキシアクリレート) (d)“DETX”(日本化薬社製) 3重量部 (e)“EPA”(日本化薬社製) 3重量部 (f)酸化チタン 8重量部 (g)ジメチルホルムアミド 100重量部 (h)メチルエチルケトン 600重量部 続いてこのプライマ層の上に実施例1と同じ感光層を塗
設し、次いで以下の組成のシリコーンゴム組成物を乾燥
窒素気流下、回転塗布した後、115℃、露点30℃と
いう条件で3.5分間湿熱硬化させて2.0μmのシリ
コーンゴム層を設けた。
【0166】 (a)ポリジメチルシロキサン (分子量約35,000、末端水酸基) 100重量部 (b)エチルトリアセトキシシラン 12重量部 (c)ジブチル錫ジアセテート 0.1重量部 (d)“アイソパーG”(エクソン化学(株)製) 1200重量部 上記のようにして得られた積層板に、厚さ8μmのポリ
エステルフィルム“ルミラー”(東レ(株)製)をカレ
ンダーローラーを用いてラミネートし、実施例1と同様
に全面露光し、水なし平版印刷版原版を得た。
【0167】実施例1と同様に評価を行ったところ、初
期、経時後ともにグレースケール感度は7、また、耐刷
力は19万枚であった。
【0168】実施例4 実施例1で作製したのと同じプライマ層の上に、下記の
組成物よりなる感光液(A)と感光液(B)を塗布の直
前に混合し、スリットダイコータを用いて塗布し、11
5℃の熱風中で1分間乾燥して厚さ1.5μmの感光層
を設けた。
【0169】 感光液(A) (a)1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸クロ ライドとトリヒドロキシベンゾフェノンの部分エステル化物 (元素分析法によるエステル化度33%) 60重量部 (b)シリル基含有キノンジアジド化合物−1 10重量部 (c)低分子キノンジアジド化合物−2 5重量部 (1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5− スルホン酸クロライドとメタノールのスルホ ン酸エステル) (分子量:264.07) (d)ポリウレタン“サンプレンLQ−T1331” (三洋化成工業(株)製) (ガラス転移点Tg:−37℃) 40重量部 (e)トリメチロールプロパントリアクリレート 3重量部 (f)ジブチル錫ジアセテート 0.2重量部 (g)P−トルエンスルホン酸 0.8重量部 (h)テトラヒドロフラン 700重量部 感光液(B) (a)イソホロンジイソシアネート 20重量部 (b)テトラヒドロフラン 100重量部 次いでこの感光層の上に次ぎの組成を有するシリコーン
ゴム液を、スリットダイコータを用いて塗布した後、1
20℃で4分間加熱硬化させて1.8μmのシリコーン
ゴム層を設けた。
【0170】 (a)両末端ビニル基ポリジメチルシロキサン(重合度〜700) 100重量部 (b)(CH 3 ) 3 Si-O-(Si(CH 3 ) 2 -O) 30ー(SiH(CH3 )-O)10ーSi(CH3 ) 3 1 0重量部 (c)塩化白金酸/メチルビニルサイクリックス錯体 0.1重量部 (d)アセチルアセトンアルコール 0.1重量部 (e)ポリジメチルシロキサン(重合度〜8000) 10重量部 (f)“アイソパーE”(エクソン化学(株)製) 1000重量部 上記のようにして得られた積層板に、実施例2と同様厚
さ8μmのポリエステルフィルム“ルミラー”(東レ
(株)製)をカレンダーローラーを用いてラミネート
し、水なし平版印刷版原版を得た。
【0171】実施例1と同様に評価を行ったところ、初
期、経時後ともにグレースケール感度は7、耐刷力は2
0万枚であった。
【0172】感光層の物性は初期弾性率35kgf/m
2 、10%応力1.20kgf/mm2 、破断伸度2
0%であった。
【0173】また、この実施例に用いたシリコーンゴム
層の引張特性を、先に示した方法で測定した結果、初期
弾性率 0.05kgf/mm2 、50%応力 0.0
16kgf/mm2 、破断伸度 380%であった。
【0174】実施例5〜8 実施例2における感光層成分(c)低分子キノンジアジ
ド化合物を表1に示すような化合物に変更した以外は、
実施例2と同様にして種々の感光層を有する水なし平版
印刷版原版を得、実施例2と同様に評価を行った。
【0175】
【表1】 実施例9 実施例1で作製したのと同じプライマ層の上に、以下に
示す組成の感光液を塗布し、実施例1と同様に厚さ1.
5μmの感光層を塗設した。
【0176】 (a)シリル基含有キノンジアジド化合物−1 50重量部 (b)1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸 10重量部 クロライドとナフトールのスルホン酸エステル (分子量:376.07) (c)4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート 21重量部 (d)ポリウレタン樹脂“サンプレンLQ−T1331” (三洋化成工業(株)製) (ガラス転移点Tg:−37℃) 30重量部 (e)ジブチル錫ジアセテート 0.2重量部 (f)マレイン酸 0.5重量部 (g)テトラヒドロフラン 800重量部 次いでこの感光層の上に実施例1と同じ組成を有するシ
リコーンゴム層を設け、実施例1と同様に水なし平版印
刷版原版を得た。
【0177】実施例1と同様に、露光、現像を行ったと
ころ初期、経時後共にグレースケール感度は6であり、
耐刷力は24万枚、また感光層の物性は初期弾性率15
kgf/mm2 、10%応力0.80kgf/mm2
破断伸度35%であった。
【0178】実施例10 実施例1で作製したのと同じプライマ層の上に、以下に
示す組成の感光液を塗布し、実施例1と同様に厚さ1.
5μmの感光層を塗設した。
【0179】 (a)1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸 クロライドとフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂 (住友デュレズ製:“スミライトレジン”PR50622) の部分エステル化物 (元素分析法によるエステル化度36%) 70重量部 (分子量:1043) (b)シリル基含有キノンジアジド化合物−4 10重量部 (c)低分子キノンジアジド化合物−1 5重量部 (分子量:326.07) (d)4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート 21重量部 (e)ポリウレタン樹脂“サンプレンLQ−T1331” (三洋化成工業(株)製) (ガラス転移点Tg:−37℃) 30重量部 (f)ジブチル錫ジアセテート 0.2重量部 (g)P−トルエンスルホン酸 0.8重量部 (h)テトラヒドロフラン 800重量部 次いでこの感光層の上に実施例1と同じ組成を有するシ
リコーンゴム層を設け、実施例1と同様に水なし平版印
刷版原版を得た。
【0180】実施例1と同様に、露光、現像を行ったと
ころ初期、経時後共にグレースケール感度は6であり、
耐刷力は19万枚、また感光層の物性は初期弾性率40
kgf/mm2 、10%応力1.53kgf/mm2
破断伸度11%であった。
【0181】実施例11〜15 実施例1における感光層成分(e)バインダポリマを表
2に示すような化合物に変更した以外は、実施例1と同
様にして種々の感光層を有する水なし平版印刷版原版を
得、実施例1と同様に評価を行った。
【0182】
【表2】 実施例16 実施例1で作製したのと同じプライマ層の上に、以下に
示す組成の感光液を塗布し、厚さ0.5μmの感光層を
塗設した。
【0183】 (a)1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸 クロライドとフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂 (住友デュレズ製:“スミライトレジン”PR50622) の部分エステル化物 (元素分析法によるエステル化度36%) 70重量部 (分子量:1043) (b)シリル基含有キノンジアジド化合物−1 10重量部 (c)低分子キノンジアジド化合物−1 5重量部 (分子量:326.07) (d)ポリウレタン樹脂“サンプレンLQ−T1331” (三洋化成工業(株)製) (ガラス転移点Tg:−37℃) 30重量部 (e)ジブチル錫ジアセテート 0.2重量部 (f)P−トルエンスルホン酸 0.8重量部 (g)テトラヒドロフラン 800重量部 次いでこの感光層の上に実施例1と同じ組成を有するシ
リコーンゴム層を設け、実施例1と同様に水なし平版印
刷版原版を得た。
【0184】実施例1と同様に、露光、現像を行ったと
ころ、初期、経時後共にグレースケール感度は7.5で
あり、耐刷力は21万枚、また感光層の物性は初期弾性
率30kgf/mm2 、10%応力1.04kgf/m
2 、破断伸度25%であった。
【0185】実施例17 実施例1で作製したのと同じプライマ層の上に、実施例
2と同じ感光液を塗布し、同様に厚さ1.5μmの感光
層を塗設した。
【0186】次いでこの感光層の上に実施例1と同じ組
成を有するシリコーンゴム層を設け、さらに実施例2と
同様厚さ8μmのポリエステルフィルム“ルミラー”
(東レ(株)製)をカレンダーローラーを用いてラミネ
ートし、全面露光を施していない水なし平版印刷版原版
を得た。
【0187】上記のようにして得られた印刷用原版に1
50線/インチの網点画像を持つポジフィルムと光学濃
度差0.15のグレースケールを真空密着し、メタルハ
ライドランプを用い、UVメーターで11mW/cm2
の照度で5秒間画像露光した。
【0188】上記の露光済版を実施例1と同様に現像し
たところ、露光部のシリコーンゴム層が残存し、未露光
部のシリコーンゴム層が剥離した、ポジフィルムを再現
した画像が得られた。
【0189】また、光学濃度差0.15のグレースケー
ルを置いて、露光した部分に関しては、1段目から4段
目までのシリコーンゴム層が残存していた。
【0190】さらに、実施例1と同様に評価したとこ
ろ、耐刷力は19万枚、感光層の引張特性は、初期弾性
率39kgf/mm2 、10%応力1.53kgf/m
2 、破断伸度12%、経時後のグレースケール感度は
5段であった。
【0191】これまでの結果をまとめて、表3に示す。
【0192】
【表3】 いずれも、耐刷力、保存安定性に優れ、高感度な版材が
得られることが判る。
【0193】
【発明の効果】本発明の水なし平版印刷版により、耐刷
力、保存安定性に優れ、高感度の水なし平版印刷版を提
供することが出来る。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に少なくとも感光層およびシリコ
    ーンゴム層をこの順に積層してなる水なし平版印刷版原
    版において、該感光層が少なくとも a.下記一般式(I)で示される構造を少なくとも一つ
    有するキノンジアジド化合物 b.分子量400以下のキノンジアジド化合物 とを含有することを特徴とする水なし平版印刷版原版。 −SiRn 3-n (I) (式中、nは0〜3の整数であり、Rはアルキル基、ア
    ルケニル基、アリール基、またはこれらの組み合わされ
    た基を示し、それらはハロゲン原子、イソシアネート
    基、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ
    基、アリーロキシ基、(メタ)アクリロキシ基、メルカ
    プト基等の官能基を置換基として有していてもよい。X
    は官能基を示している。)
  2. 【請求項2】該感光層の露光後の引張特性が (1)初期弾性率:5〜75kgf/mm2 の物性を有することを特徴とする請求項1記載の水なし
    平版印刷版原版。
  3. 【請求項3】化合物bがナフトキノンジアジドまたはナ
    フトキノンジアジドスルホン酸誘導体であることを特徴
    とする請求項1記載の水なし平版印刷版原版。
  4. 【請求項4】化合物aが一般式(I)で示される構造を
    少なくとも一つ有するナフトキノンジアジドスルホン酸
    エステルであることを特徴とする請求項1記載の水なし
    平版印刷版原版。
  5. 【請求項5】化合物aが一般式(I)で示される構造を
    少なくとも一つ有するフェノールホルムアルデヒドノボ
    ラック樹脂のナフトキノンジアジドスルホン酸エステル
    であることを特徴とする請求項1記載の水なし平版印刷
    版原版。
  6. 【請求項6】感光層がバインダポリマを有することを特
    徴とする請求項1記載の水なし平版印刷版原版。
  7. 【請求項7】感光層が光剥離性感光層であることを特徴
    とする請求項1記載の水なし平版印刷版原版。
  8. 【請求項8】感光層が架橋構造を有することを特徴とす
    る請求項1記載の水なし平版印刷版原版。
  9. 【請求項9】請求項1〜8いずれかに記載の水なし平版
    印刷版原版を選択的に露光現像してなる水なし平版印刷
    版。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010134422A (ja) * 2008-10-28 2010-06-17 Jsr Corp 感放射線性樹脂組成物、層間絶縁膜及びマイクロレンズ、並びにそれらの製造方法
KR101000327B1 (ko) 2008-10-28 2010-12-13 제이에스알 가부시끼가이샤 감방사선성 수지 조성물, 층간 절연막 및 마이크로 렌즈, 그리고 그들의 형성 방법

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