JPH10101909A - 液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムからなる電子部品包装体 - Google Patents

液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムからなる電子部品包装体

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JPH10101909A
JPH10101909A JP8256034A JP25603496A JPH10101909A JP H10101909 A JPH10101909 A JP H10101909A JP 8256034 A JP8256034 A JP 8256034A JP 25603496 A JP25603496 A JP 25603496A JP H10101909 A JPH10101909 A JP H10101909A
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liquid crystal
crystal polyester
copolymer
electronic component
resin composition
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JP8256034A
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English (en)
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Motonobu Furuta
元信 古田
Takazou Yamaguchi
登造 山口
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液晶ポリエステルの有する優れたガスバリア
性、耐熱性を生かし、かつその成膜加工性を改良して得
られた液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムからなるエ
ンボスキャリアテープ、カバーテープから構成される電
子部品包装体を提供する。 【解決手段】(A)液晶ポリエステル65.0〜99.
9重量%、および(B)液晶ポリエステルと反応性を有
する官能基を有する共重合体35.0〜0.1重量%を
含有する液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムからなる
電子部品包装体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ポリエステル
樹脂組成物フィルムからなる電子部品包装体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子部品、電気部品の軽量化の実
現に伴い、電子部品、例えばICを始めとして、トラン
ジスター、ダイオード、コンデンサー、圧電電子レジス
ターなどのチップ型電子部品が広範囲に用いられてい
る。このようなチップ型電子部品はフレキシブルプリン
ト基板などに実装されるまでは、通常電子部品の形状に
合わせて収納しうるエンボス成形されたポケットを連続
成形したフィルムキャリアテープに包装され、場合によ
っては不活性ガスを封入した上でキャリアテープにシー
ルしうるカバーテープにより密封され、保管され、目的
に応じて随時開封して使用される。その際、水分が電子
部品に付着していると、実装のハンダづけなどの際に部
品にクラックが発生する場合があり、また酸素が包装体
中に入ると電子部品の腐蝕の原因となるため、フィルム
キャリアテープ、カバーテープからなる包装体は極めて
優れたガスバリア性が要求される。さらに包装の状態の
ままで電子部品のベーキング処理が行われる場合があ
り、該包装体には耐熱性も求められる。そのため、従来
例えばアルミ箔やアルミ蒸着樹脂フィルムなどがフィル
ムキャリアテープとして用いられてきたが、このような
フィルムキャリアテープはピンホールが発生しやすい、
重い、あるいは焼却廃棄時に多くの灰分が残るなどの問
題があった。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体、あ
るいは塩化ビニリデンからなる包装体は耐熱性や、高湿
下でのガスバリア性が不十分であった。
【0003】一方、液晶ポリエステルは、ポリエチレン
テレフタレートやポリブチレンテレフタレートのような
結晶性ポリエステルと異なり、分子が剛直なため溶融状
態でも絡み合いを起こさず、液晶状態を有するポリドメ
インを形成し、低剪断により分子鎖が流れ方向に著しく
配向する挙動を示し、一般に溶融型液晶(サーモトロピ
ック液晶)ポリマーと呼ばれている。この特異的な挙動
のため、溶融流動性が極めて優れ、0.2〜0.5mm
程度の薄肉成形品を容易に得ることができ、しかもこの
成形品は高強度、高剛性を示すという長所を有してい
る。しかし、異方性が極めて大きいという欠点がある。
さらに制振性能や耐衝撃性も充分ではなく、成形加工温
度も高いため用途が限られていた。また、液晶ポリエス
テルは一般に高価であることも問題であった。
【0004】液晶ポリエステルの優れた耐熱性、機械的
性質を保持し、成形加工性、耐衝撃性、成形品の異方性
が改良され、かつ安価な液晶ポリエステル樹脂組成物は
強く市場から要望されていた。特開昭56−11535
7号公報には、溶融加工可能な重合体と異方性溶融体形
成性重合体とを含む樹脂組成物が開示され、溶融加工可
能な重合体に異方性溶融体形成性重合体を加えることに
より、溶融加工可能な重合体の加工性を改良できること
が記載されている。例えば、ポリフェニレンエーテル/
ポリスチレン混合物に液晶ポリエステルを加えた例など
が挙げられている。また特開平2−97555号公報に
ハンダ耐熱性を向上させる目的で液晶ポリエステルに各
種のポリアリーレンオキサイドを配合した樹脂組成物が
記載されている。しかしながら、一般に成形温度の高い
液晶ポリエステルに、それより成形温度の低いポリフェ
ニレンエーテルなどの非晶性高分子を配合してなる組成
物は、組成物の溶融加工性は向上しても、高温での成形
加工の際の配合樹脂の熱分解のために成形品の外観不良
が生じるという問題があった。また、該組成物の耐熱
性、機械的性質、耐衝撃性などが不充分であるという問
題点があった。
【0005】また、特開昭57─40551号、特開平
2─102257号公報などに液晶ポリエステルと芳香
族ポリカーボネートからなる組成物が開示されている
が、それらは耐熱性や機械的性質などが充分なものでは
なかった。また、特開昭58−201850号公報、特
開平1−121357号公報、特開平1−193351
号公報、EP67272/A2号公報、特開平7−30
4936号公報などに、液晶性高分子にα−オレフィン
類と例えばグリシジルメタクリレートとの共重合体を配
合してなる組成物が記載されているが、耐衝撃性や引張
強度などの機械的性質の面でさらに改良が望まれてい
た。さらに米国特許第5216073号明細書には、エ
ポキシ化ゴムに液晶ポリマーを配合して成るブレンドに
ついて開示されているが、耐熱性、機械的性質が充分な
ものではなかった。
【0006】一方、フィルム原料という観点からは、液
晶ポリエステルは、強い分子間相互作用によって溶融状
態で分子が配向することを特徴とするポリエステルであ
り、その強い分子間相互作用、分子配向のために、液晶
ポリエステルについてよく知られる高強度、高弾性率、
高耐熱性といった性能に加えて、ガスバリア性等の機能
を持ったフィルム材料としての工業化が期待されてき
た。しかし、液晶ポリエステルはポリエチレンテレフタ
レートやポリブチレンテレフタレートのような芳香族ポ
リエステルと異なって分子が剛直なために溶融状態でも
絡み合いを起こさず、分子鎖が流れ方向に著しく配向す
るので、わずかなせん断によっても溶融粘度が急に低下
する挙動を示したり、温度上昇によって急激に溶融粘度
が低下し、溶融時のメルトテンションが極端に低いとい
った挙動を示す。そのため、溶融状態で形状を保つのが
非常に難しく、さらに、分子が配向していることで縦横
の性能バランスが取りにくくて極端な場合には分子配向
方向に裂けてしまうことから、フィルム成形、ブロー成
形などの分野での実用性に乏しいという大きな問題があ
った。そのため、液晶ポリエステルの機能を生かした液
晶ポリエステルからなるフィルムは充分実用化されるに
は至っていなかった。
【0007】このような液晶ポリエステルに関して、特
開昭52−1095787号公報や特開昭58−317
187号公報には、一軸に配向した液晶ポリエステルフ
ィルムを、強度の異方性を打ち消す方向に張り合わせた
積層体が開示されているが、生産性が悪く、さらにフィ
ルム剥離の問題がある。米国特許第4975312号明
細書、WO 9015706号公報などにはリングダイ
を回転させる方法で液晶ポリエステルの異方性を打ち消
す工夫が、また特開昭62−25513号公報、特開昭
63−95930号公報、特開昭63−24251号公
報には、Tダイ法における特殊な工夫が提案されてい
る。しかしこれらはいずれも非常に特殊な成形法によっ
て分子配向による異方性を緩和する方法を示したものあ
り、コスト高で薄膜化に限界があり、実用性に乏しいと
いう欠点がある。
【0008】また、特開昭62−187033号公報、
特開昭64−69323号公報、特開平2−17801
6号公報、特開平2−253919号公報、特開平2−
253920号公報、特開平2−253949号公報、
特開平2−253950号公報には液晶ポリエステルと
熱可塑性樹脂との多層(積層)シート、多層(積層)フ
ィルムが提案されているが、層間に接着層が介在するこ
とにより剥がれが生じたり、液晶ポリエステルの本来持
つガスバリア性、耐熱性などの性能の低下や薄いフィル
ムの製造が困難であるという問題がある。
【0009】一方、液晶高分子の異方性が緩和され、し
かも高強度の液晶ポリエステルフィルムを得るためにイ
ンフレーション成膜が試みられている。インフレーショ
ン成膜とは、押出機内で溶融混練された樹脂を、環状の
スリットをもつダイを用いて筒状溶融体を押出し、その
中へ一定量の空気を送入し、膨張させ、フィルムの円周
を冷却させながら筒状のフィルムを作る方法をいう。そ
の例として例えば、特開昭63−173620号公報、
特開平3−288623号公報、特開平4−4126号
公報、特開平4−50233号公報または特開平4−4
9026号公報などには、液晶ポリエステルをインフレ
ーション成膜する方法が記載されているが、いずれも特
殊な成膜装置を使用したインフレーション成膜であった
り、構造が限定された液晶ポリエステルを対象とするも
のであったり、または極めて限定された条件下でのイン
フレーション成膜であり、汎用性のある成膜方法ではな
かった。しかも得られたフィルムは延伸性やガスバリア
性など不十分である、薄肉化が困難である、あるいは高
価であるなどの問題点があった。
【0010】また、特開平7−304936号公報に
は、成膜性、ガスバリア性が良好で安価な液晶ポリエス
テル樹脂組成物フィルムについて記載されているが、延
伸性の面でさらに改良が望まれていた。かかる諸問題を
解決した軽量で、ガスバリア性、耐熱性に優れた、樹脂
製のエンボス加工されたフィルムキャリアテープ、カバ
ーテープから構成される電子部品包装体、特にチップ型
電子部品包装体は市場から強く要望されるところであっ
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、液晶ポリエ
ステルの有する優れたガスバリア性、耐熱性を生かし、
かつその成膜加工性を改良して得られた液晶ポリエステ
ル樹脂組成物フィルムからなる電子部品包装体、例えば
エンボスキャリアテープ、カバーテープから構成される
電子部品包装体を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な問題を解決すべく鋭意検討を続け、液晶ポリエステル
と特定の共重合体よりなる組成物フィルムからなる電子
部品包装体が、上記課題を解決することを見出し、本発
明を完成するに至った。即ち本発明は、(A)液晶ポリ
エステル65.0〜99.9重量%、および(B)液晶
ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体
35.0〜0.1重量%を含有する液晶ポリエステル樹
脂組成物フィルムからなる電子部品包装体に係るもので
ある。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明を詳細に説明する。
本発明における液晶ポリエステル樹脂組成物の成分
(A)の液晶ポリエステルは、サーモトロピック液晶ポ
リマーと呼ばれるポリエステルである。
【0014】具体的には、(1)芳香族ジカルボン酸と
芳香族ジオールと芳香族ヒドロキシカルボン酸との組み
合わせからなるもの、(2)異種の芳香族ヒドロキシカ
ルボン酸の組み合わせからなるもの、(3)芳香族ジカ
ルボン酸と核置換芳香族ジオールとの組み合わせからな
るもの、(4)ポリエチレンテレフタレートなどのポリ
エステルに芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させて得
られるものなどが挙げられ、400℃以下の温度で異方
性溶融体を形成するものである。なお、これらの芳香族
ジカルボン酸、芳香族ジオールおよび芳香族ヒドロキシ
カルボン酸の代わりに、それらのエステル形成性誘導体
が使用されることもある。該液晶ポリエステルの繰返し
構造単位としては下記のものを例示することができる
が、これらに限定されるものではない。
【0015】芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構
造単位:
【0016】
【0017】芳香族ジオールに由来する繰返し構造単
位:
【0018】
【0019】芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰
返し構造単位:
【0020】耐熱性、機械的特性、加工性のバランスか
ら特に好ましい液晶ポリエステルは なる繰り返し構造単位を含むものであり、さらに好まし
くは、かかる繰返し構造単位を少なくとも全体の30モ
ル%含むものである。具体的には繰り返し構造単位の組
み合わせが下記(I)〜(VI)のものである。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】該液晶ポリエステル(I)〜(VI)の製法
については、例えば特公昭47−47870号公報、特
公昭63−3888号公報、特公昭63−3891号公
報、特公昭56−18016号公報、特公平2−515
23号公報などに記載されている。これらの中で好まし
くは(I)、(II)、(IV)の組み合わせであり、さら
に好ましくは(I)、(II)の組み合せである。
【0028】本発明における液晶ポリエステル樹脂組成
物において、高い耐熱性が要求される分野には成分
(A)の液晶ポリエステルが、下記の繰り返し単位
(a’)が30〜80モル%、繰り返し単位(b’)が
0〜10モル%、繰り返し単位(c’)が10〜25モ
ル%、繰り返し単位(d’)が10〜35モル%からな
る液晶ポリエステルが好ましく使用される。
【0029】 (式中、Arは2価の芳香族基である。)
【0030】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物の成
分(B)は、成分(A)の液晶ポリエステルと反応性を
有する官能基を有する共重合体である。
【0031】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
とは、特に限定するものではないが、例えばエポキシ
基、オキサゾニル基、アミノ基などが挙げられ、エポキ
シ基が好ましい。エポキシ基を有する官能基としては、
グリシジル基が挙げられる。グリシジル基を有する単量
体としては、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよ
び/または不飽和グリシジルエーテルが好ましく用いら
れる。
【0032】ここで不飽和カルボン酸グリシジルエステ
ル単位を与える化合物は、一般式 で表される。(式中、Rはエチレン系不飽和結合を有す
る炭素数2〜13の炭化水素基である。)
【0033】また不飽和グリシジルエーテル単位を与え
る化合物は、一般式 (式中、Rはエチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜
18の炭化水素基であり、Xは−CH2 −O−または である。)
【0034】具体的には、不飽和カルボン酸グリシジル
エステルとしては、例えばグリシジルアクリレート、グ
リシジルメタクリレート、イタコン酸ジグリシジルエス
テル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステル、
p−スチレンカルボン酸グリシジルエステルなどを挙げ
ることができる。不飽和グリシジルエーテルとしては、
ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテ
ル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、メタクリル
グリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテ
ルなどを挙げることができる。
【0035】本発明における成分(B)の共重合体とし
て好ましくは、不飽和カルボン酸グリシジルエステル単
位および/または不飽和グリシジルエーテル単位を0.
1〜30重量%含有する共重合体が挙げられる。
【0036】本発明における成分(B)の共重合体とし
ては、熱可塑性樹脂であってもゴムであってもよいし、
熱可塑性樹脂とゴムの混合物であってもよい。好ましく
はゴムまたはゴムを主成分とする熱可塑性樹脂との混合
物であり、さらに好ましくはゴムである。
【0037】ここでいうゴムとは、新版高分子辞典(高
分子学会編、1988年出版、朝倉書店)による室温に
てゴム弾性を有する高分子物質に該当するものであり、
その具体例としては、天然ゴム、ブタジエン重合体、ブ
タジエン−スチレン共重合体(ランダム共重合体、ブロ
ック共重合体(SEBSゴムまたはSBSゴム等を含
む)、グラフト共重合体などすべて含まれる)又はその
水素添加物、イソプレン重合体、クロロブタジエン重合
体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、イソブチ
レン重合体、イソブチレン−ブタジエン共重合体ゴム、
イソブチレン−イソプレン共重合体、アクリル酸エステ
ル−エチレン系共重合体ゴム、エチレン−プロピレン共
重合体ゴム、エチレン−ブテン共重合体ゴム、エチレン
−プロピレン−スチレン共重合体ゴム、スチレン−イソ
プレン共重合体ゴム、スチレン−ブチレン共重合体、ス
チレン−エチレン−プロピレン共重合体ゴム、パーフル
オロゴム、ふっ素ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴ
ム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジ
エン共重合体ゴム、チオールゴム、多硫化ゴム、ポリウ
レタンゴム、ポリエーテルゴム(例えばポリプロピレン
オキシド等)、エピクロルヒドリンゴム、ポリエステル
エラストマー、ポリアミドエラストマー等が挙げられ
る。中でも、アクリル酸エステル−エチレン系共重合体
が好ましく用いられ、(メタ)アクリル酸エステル−エ
チレン系共重合体ゴムがさらに好ましい。
【0038】これらのゴム様物質は、いかなる製造法
(例えば乳化重合法、溶液重合法等)、いかなる触媒
(例えば過酸化物、トリアルキルアルミニウム、ハロゲ
ン化リチウム、ニッケル系触媒等)でつくられたもので
もよい。
【0039】本発明の共重合体(B)において、液晶ポ
リエステルと反応性を有する官能基を共重合体中に導入
する方法としては、特に限定されるものではなく、周知
の方法で行うことができる。例えば共重合体の重合段階
で、該官能基を有するモノマーを共重合により導入する
ことも可能であるし、共重合体に該官能基を有するモノ
マーをグラフト共重合することも可能である。
【0040】本発明の、液晶ポリエステルと反応性を有
する官能基を有する共重合体(B)の好ましい具体例と
しては、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不
飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽
和グリシジルエーテル)共重合体ゴムを挙げることがで
きる。
【0041】共重合体(B)として好ましい具体例とし
てあげられる、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン
−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/また
は不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムの主要な構
成成分である(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリ
ル酸又はメタクリル酸とアルコールから得られるエステ
ルである。アルコールとしては、炭素数1〜8のアルコ
ールが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルの具体例
としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレー
ト、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチル
メタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2
−エチルヘキシルメタクリレートなどを挙げることがで
きる。なお、(メタ)アクリル酸エステルとしては、そ
の一種を単独で使用してもよく、又は二種以上を併用し
てもよい。
【0042】上記の(メタ)アクリル酸エステル−エチ
レン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/
または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムは、通
常の方法、たとえばフリーラジカル開始剤による塊状重
合、乳化重合、溶液重合などによって製造することがで
きる。なお、代表的な重合方法は、特公昭46−450
85号公報、特開昭61−127709号公報などに記
載された方法、フリーラジカルを生成する重合開始剤の
存在下、圧力500kg/cm2 以上、温度40〜30
0℃の条件により製造することができる。
【0043】上記の(メタ)アクリル酸エステル−エチ
レン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/
または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムの構成
成分は、(メタ)アクリル酸エステル単位が40重量%
をこえ、97重量%未満、好ましくは45〜70重量
%、エチレン単位が3重量%以上、50重量%未満、好
ましくは10〜49重量%、不飽和カルボン酸グリシジ
ルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル単
位が0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量
%である。
【0044】(メタ)アクリル酸エステルが40重量%
以下であるとゴム弾性が低下し、該組成物の耐衝撃性改
良の効果が小さくなり、また(メタ)アクリル酸エステ
ルが97重量%以上であると、該共重合体ゴムの脆化点
が高くなり、該組成物の低温での機械的性質が低下する
場合があり好ましくない。また、不飽和カルボン酸グリ
シジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテ
ルが0.1重量%未満であると、液晶ポリエステル樹脂
組成物の耐衝撃性が低下し、30重量%を超えると該組
成物の剛性が低下する場合があり好ましくない。
【0045】上記の(メタ)アクリル酸エステル−エチ
レン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/
または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムは、上
記の(メタ)アクリル酸エステル、エチレン及び不飽和
カルボン酸グリシジルエステル、不飽和グリシジルエー
テルに加えて、これらと共重合可能な他の単量体を含有
するものであってもよい。該単量体としては、たとえば
イソブチレン、スチレン及びその誘導体、酢酸ビニル、
テトラフルオロエチレン及びヘキサフルオロプロピレン
などのハロゲン化オレフィンなどを挙げることができ
る。
【0046】本発明の共重合体(B)としてゴムを用い
る場合は、ムーニー粘度が3〜30のものが好ましく、
4〜25のものがさらに好ましい。ここでいうムーニー
粘度は、JIS K6300に準じて100℃ラージロ
ーターを用いて測定した値をいう。
【0047】本発明の共重合体(B)としてゴムを用い
る場合は、必要に応じて加硫を行い、加硫ゴムとして用
いることができる。上記の(メタ)アクリル酸エステル
−エチレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルお
よび/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴム
の加硫は、多官能性有機酸、多官能性アミン化合物、イ
ミダゾール化合物などを用いることで達成されるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0048】本発明に使用する液晶ポリエステル樹脂組
成物における成分(A)と成分(B)の比率は、成分
(A)が65.0〜99.9重量%、好ましくは70〜
98重量%、成分(B)が35.0〜0.1重量%、好
ましくは30〜2重量%である。成分(A)が65重量
%未満であると該組成物の耐熱性が低下して好ましくな
い。また成分(A)が99.9重量%を超えると該組成
物の成膜性の改良効果が充分でない場合があり、価格的
にも高価なものとなり好ましくない。
【0049】本発明における液晶ポリエステル樹脂組成
物を製造する方法に特に制限はなく、周知の方法を用い
ることができる。たとえば、溶液状態で各成分を混合
し、溶剤を蒸発させるか、溶剤中に沈殿させる方法が挙
げられる。工業的見地からみると溶融状態で各成分を混
練する方法が好ましい。溶融混練には一般に使用されて
いる一軸または二軸の押出機、各種のニーダー等の混練
装置を用いることができる。特に二軸の高混練機が好ま
しい。溶融混練に際しては、混練装置のシリンダー設定
温度は200〜360℃の範囲が好ましく、さらに好ま
しくは230〜350℃である。
【0050】混練に際しては、各成分は予めタンブラー
もしくはヘンシェルミキサーのような装置で各成分を均
一に混合してもよいし、必要な場合には混合を省き、混
練装置にそれぞれ別個に定量供給する方法も用いること
ができる。
【0051】本発明に使用する液晶ポリエステル樹脂組
成物においては、所望により無機充填剤が用いられる。
このような無機充填剤としては、炭酸カルシウム、タル
ク、クレー、シリカ、炭酸マグネシウム、硫酸バリウ
ム、酸化チタン、アルミナ、石膏、ガラスフレーク、ガ
ラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊
維、ホウ酸アルミニウムウィスカ、チタン酸カリウム繊
維等が例示される。
【0052】本発明に使用する液晶ポリエステル樹脂組
成物に、必要に応じて、さらに、有機充填剤、酸化防止
剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、
無機または有機系着色剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍
光剤、表面平滑剤、表面光沢改良剤、フッ素樹脂などの
離型改良剤などの各種の添加剤を製造工程中あるいはそ
の後の加工工程において添加することができる。あるい
は予め混練の過程を経ず、フィルム成形時にドライブレ
ンドして溶融加工操作中に混練して、本発明の樹脂組成
物フィルムとし、直接原料フィルムを得ることもでき
る。
【0053】上記樹脂組成物の成膜法としては、通常、
上記の方法で得られた液晶ポリエステル樹脂組成物を押
出機で溶融混練し、口金(ダイ)を通して押出した溶融
樹脂を引き取ることによって、液晶ポリエステル樹脂組
成物フィルムを得ることができるが、予め混練の過程を
経ず、成形時に各成分をドライブレンドして溶融加工操
作中に混練して樹脂組成物とし、直接成形加工品を得る
こともできる。口金(ダイ)は通常T型ダイ(以下、T
ダイということがある)あるいは環状スリットのダイを
用いることができる。
【0054】Tダイを用いたフィルム成形の場合、押出
機によって溶融混練された液晶ポリエステル樹脂組成物
は、通常下向きのTダイを通過してシート状の溶融体と
なり、次に圧着ロールを通して長手方向に引取り装置で
巻き取られる。
【0055】このような成膜時における押出機の設定条
件は、組成物の組成物に応じて適宜選ばれるが、押出機
のシリンダーの設定温度は200〜360℃の範囲が好
ましく、230〜350℃の範囲がさらに好ましい。こ
の範囲外であると、組成物の熱分解が生じたり、成膜が
困難となる場合があり好ましくない。
【0056】Tダイのスリット間隙は0.2〜1.5m
mが好ましい。本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物フ
ィルムの厚みは1〜1000μmの範囲で制御可能であ
るが、2〜100μmのものが実用上多く用いられ好ま
しい。本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムの
ドラフト比は1.1〜40.0の範囲のものである。ま
た、Tダイから押出された該樹脂組成物の二軸延伸フィ
ルムも得ることができる。
【0057】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物フィ
ルムの製造における二軸延伸の方法に特に制限はない
が、具体的には押出機のTダイから押し出した本発明の
組成物の溶融物をMD方向(長手方向)に一軸延伸し、
それからTD方向(横手方向)に延伸する逐次延伸、T
ダイから押出したシートをMD、TD方向同時に延伸す
る同時延伸、さらにはTダイから押出した未延伸シート
を二軸延伸機、テンター等により逐次、または、同時延
伸するなどの二軸延伸の方法も挙げられる。
【0058】どの方法による場合でも、成膜温度は本発
明の液晶ポリエステル樹脂組成物の流動開始温度マイナ
ス60℃以上、流動開始恩疎プラス60℃以下の温度範
囲が好ましいが、流動開始温度以上、流動開始恩疎プラ
ス30℃以下の温度範囲で成膜加工されることがさらに
好ましい。
【0059】延伸倍率は、成形法により適当な値が決め
られるが、たとえば、二軸延伸機で延伸する場合、延伸
倍率を(延伸後の長さ/元の長さ)で定義すると、MD
延伸方向、TD方向のそれぞれの方向の延伸倍率は1.
2〜20.0、好ましくは1.5〜5.0が用いられ
る。延伸倍率が1.2より小さいと引張物性が低下する
場合があり、20.0より大きいとフィルムの平滑性が
不十分な場合がある。
【0060】環状スリットのダイを使用するインフレー
ション成形(成膜)の場合、得られた液晶ポリエステル
樹脂組成物は、環状スリットのダイを備えた溶融混練押
出機に供給され、シリンダー設定温度200〜360
℃、好ましくは230〜350℃で溶融混練を行って押
出機の環状スリットから筒状フィルムは上方または下方
へ溶融樹脂が押し出される。環状スリット間隔は通常
0.1〜5mm、好ましくは0.2〜2mm、環状スリ
ットの直径は通常20〜1000mm、好ましくは25
〜600mmである。
【0061】溶融押出された筒状の溶融樹脂フィルム
に、長手方向(MD)にドラフトをかけると共に、この
筒状フィルムの内側から空気または不活性ガス、例えば
窒素ガス等を吹き込むにより長手方向と直角な横手方向
(TD)にフィルムを膨張延伸させることができる。本
発明における液晶ポリエステル樹脂組成物のインフレー
ション成膜において、好ましいブロー比は1.5〜1
0、好ましいMD延伸倍率は1.5〜40である。イン
フレーション成膜時の設定条件が上記の範囲外であると
厚さが均一でしわのない高強度の液晶ポリエステル樹脂
組成物フィルムを得るのが困難となり好ましくない。膨
張させたフィルムは、その円周を空冷、あるいは水冷さ
せたのち、ニップロールを通過させて引き取る。
【0062】インフレーション成膜に際しては液晶ポリ
エステル樹脂組成物の組成に応じて、筒状の溶融体フィ
ルムが均一な厚みで表面平滑な状態に膨張するような条
件を選択することができる。
【0063】インフレーション成膜により得られる液晶
ポリエステル樹脂組成物フィルムの膜厚は、1〜100
0μmの範囲で制御可能であるが、実用上好ましくは1
〜500μm、さらに好ましくは2〜100μmであ
る。
【0064】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物から
得られるフィルムには、必要に応じて表面処理を施すこ
とができる。このような表面処理法としては、例えばコ
ロナ放電処理、火災処理、スパッタリング処理、溶剤処
理等が挙げられる。
【0065】本発明の電子部品包装体は以上のようにし
て得られた液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムよりな
る。本発明の電子部品包装体が包装しうる電子部品とし
ては、例えばIC、トランジスター、ダイオード、コン
デンサー、圧電素子レジスター等のチップ型電子部品等
を例示できる。電子部品包装体の具体例としては、電子
部品を収納する収納ポケットを連続的に形成したエンボ
スキャリアテープと該キャリアテープにシールしうるカ
バーテープよりなる電子部品包装体が挙げられる。かか
るカバーテープには、上述の方法により得られた液晶ポ
リエステル樹脂組成物フィルムを使用することができ
る。また他方のキャリアテープは、上述の方法で得られ
た液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムを加熱したエン
ボッシングロールを通してエンボス加工を行うことによ
り作製できるし、予め成膜時にTダイの直下にエンボッ
シングロールを設置し、樹脂の成膜と共にエンボス加工
処理を行って作製してもよい。
【0066】本発明においては、液晶ポリエステル樹脂
組成物フィルムと、(C)液晶ポリエステル及び液晶ポ
リエステル樹脂組成物を除く熱可塑性樹脂フィルムと
を、積層したフィルムもキャリアテープに用いることが
できる。ここでいう熱可塑性樹脂は液晶ポリエステルあ
るいは液晶ポリエステル樹脂組成物以外であれば、特に
限定するものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−α−オレフィン共重合体の如きポリオレ
フィン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレ
ンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートの如き
ポリエステル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリフェ
ニレンエーテル、ポリエーテルサルホン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリフェニレンサルファイド、フッ素樹脂などが好
ましく用いられる。これらの中でも、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポ
リエチレンテレフタレートがさらに好ましい。熱可塑性
樹脂としては1種、または2種以上のものを混合してフ
ィルム化することができる。本発明における熱可塑性樹
脂は、分子鎖に官能器を導入し、変性した熱可塑性樹脂
も含まれる。
【0067】かかる積層フィルムの製造方法は特に限定
するものではないが、各構成成分の溶融樹脂を、ダイ内
部で重ね合わせた後、ダイから押し出す方法、各溶融体
樹脂をダイから押し出したのち重ね合わせる方法、ある
いは各溶融体樹脂をダイの手前で重ね合わせたのちダイ
から押し出す方法などを挙げることができ、目的に応じ
て製造方法を選択することができる。
【0068】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、こ
れらは単なる例示であり、本発明はこれらに限定される
ことはない。 (1)成分(A)の液晶ポリエステル
【0069】(i)p−アセトキシ安息香酸8.3kg
(60モル)、テレフタル酸2.49kg(15モ
ル)、イソフタル酸0.83kg(5モル)および4,
4’−ジアセトキシジフェニル5.45kg(20.2
モル)を櫛型撹拌翼をもつ重合槽に仕込み、窒素ガス雰
囲気下で撹拌しながら昇温し330℃で1時間重合させ
た。この間に副生する酢酸を除去しながら、強力な撹拌
下で重合させた。その後、系を徐々に冷却し、200℃
で得られたポリマーを系外へ取出した。この得られたポ
リマーを細川ミクロン(株)製のハンマーミルで粉砕
し、2.5mm以下の粒子とした。これを更にロータリ
ーキルン中で窒素ガス雰囲気下に280℃で3時間処理
することによって、流動温度が324℃の粒子状の下記
の繰り返し構造単位からなる全芳香族ポリエステルを得
た。ここで、流動温度とは、島津社製高化式フローテス
ターCFT−500型を用いて、4℃/分の昇温速度で
加熱された樹脂を、荷重100kgf/cm2 のもと
で、内径1mm、長さ10mmのノズルから押し出すと
きに、溶融粘度が48000ポイズを示す温度のことを
いう。
【0070】以下該液晶ポリエステルをA−1と略記す
る。このポリマーは加圧下で340℃以上で光学異方性
を示した。液晶ポリエステルA−1の繰り返し構造単位
は、次の通りである。
【0071】(ii)p−ヒドロキシ安息香酸16.6k
g(12.1モル)と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
8.4kg(4.5モル)および無水酢酸18.6kg
(18.2モル)を櫛型撹拌翼付きの重合槽に仕込み、
窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら昇温し、320℃で1
時間、そしてさらに2.0torrの減圧下に320℃
で1時間重合させた。この間に、副生する酢酸を系外へ
留出し続けた。その後、系を除々に冷却し、180℃で
得られたポリマーを系外へ取出した。この得られたポリ
マーを前記の(i)と同様に粉砕したあと、ロータリー
キルン中で窒素ガス雰囲気下に240℃で5時間処理す
ることによって、流動温度が270℃の粒子状の下記の
繰り返し単位からなる全芳香族ポリエステルを得た。以
下該液晶ポリエステルをA−2と略記する。このポリマ
ーは加圧下で280℃以上で光学異方性を示した。
【0072】液晶ポリエステルA−2の繰り返し構造単
位の比率は次の通りである。
【0073】(2)成分(B) ここでムーニー粘度は、JIS K6300に準じて1
00℃、ラージローターを用いて測定した値である。
【0074】(i)特開昭61−127709号公報の
実施例5に記載の方法に準じて、アクリル酸メチル/エ
チレン/グリシジルメタクリレート=59.0/38.
7/2.3(重量比)、ムーニー粘度=15のゴムを得
た。以下該ゴムをB−1と略称することがある。
【0075】(3)射出成形品の物性の測定方法 荷重たわみ温度(以下、TDULということがあ
る。):TDUL測定用試験片(127mm長さ×1
2.7mm幅×6.4mm厚)を成形し、ASTM D
648に準じて測定した。
【0076】(4)フィルム物性の測定方法 酸素ガス透過率:JIS K7126 A法(差圧法)
に準拠して温度20℃の条件で測定した。単位はcc/
2 ・24hr・latmである。
【0077】水蒸気透過率:JIS Z0208(カッ
プ法)に準拠して温度40℃、相対湿度90%の条件で
測定した。単位はg/m2 ・24hr・latmであ
る。
【0078】引張り物性:JIS Z1727に従い、
2号形試験片を用いて、MD、TDの引張り物性を測定
した。
【0079】実施例1〜2、比較例1〜3 表1の組成で各成分をヘンシェルミキサーで混合したの
ち、日本製鋼(株)製TEX−30型二軸押出機を用い
て表1に示す条件で混練し、樹脂組成物のペレットを
得、射出成形およびフィルム成形に供した。射出成形試
験片は、日精樹脂工業(株)製、PS40E5ASE型
射出成形機を用いて、表1に示す条件で射出成形して作
製し、測定に供した。結果は表1に示すとおりである。
【0080】カバーテープの成膜は、樹脂のペレットを
円筒ダイを備えた45mmφの単軸押出機を用い、表2
に示す条件で溶融混練し、直径50mm、リップ間隔
1.5mmの円筒ダイから上方へ溶融樹脂を押出し、こ
の筒状フィルムの中空部へ乾燥空気を圧入して筒状フィ
ルムを膨張させ、次に冷却させてのち、ニップロールに
通して液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムを得て、こ
れをカバーテープとして使用した。成膜の際のブロー
比、MD方向の延伸倍率などは表2に示す通りである。
【0081】また、キャリアテープの成膜は、カバーテ
ープの成膜の場合と同様の装置を使用し、樹脂ペレット
を表3に示す条件で成膜を行った。次に得られたフィル
ムをプレス成形機を使用して250〜300℃の温度で
フィルムに縦×横=20mm×20mm、深さ5mmの
ポケットができるようエンボス加工をし、キャリアテー
プを作成した。その際、エンボス加工後の外観を肉視で
観察し、フィルムにしわなどが発生せず、該ポケットが
正確に成形出来ているものを良好、他を不良として評価
した。また、260〜310℃に加熱したカバーテープ
を上記のエンボス加工後のキャリアテープに圧着してヒ
ートシール性を評価し、冷却後、両者の界面を肉視で観
察し、界面にクラックや剥離などが認められず、接着性
が良いものを良好、それ以外のものを不良とした。得ら
れた結果を表3に示す。
【0082】また、得られたカバーテープ用、キャリア
テープ用のそれぞれのフィルムの酸素透過度、水蒸気透
過度は表2、表3に示す通りである。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】
【発明の効果】本発明により耐熱性、ガスバリア性に優
れ、ヒートシール性も良好で軽量な、カバーテープとエ
ンボス加工されたキャリアテープからなる電子部品包装
体を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C08L 67/00 63:00 19:00 33:06 23:04 33:14 29:10)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)液晶ポリエステル65.0〜99.
    9重量%、および(B)液晶ポリエステルと反応性を有
    する官能基を有する共重合体35.0〜0.1重量%を
    含有する液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムからなる
    ことを特徴とする電子部品包装体。
  2. 【請求項2】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
    が、エポキシ基であることを特徴とする請求項1記載の
    電子部品包装体。
  3. 【請求項3】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
    を有する共重合体(B)が、不飽和カルボン酸グリシジ
    ルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテ
    ル単位を0.1〜30重量%含有することを特徴とする
    請求項1記載の電子部品包装体。
  4. 【請求項4】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
    を有する共重合体(B)が、液晶ポリエステルと反応性
    を有する官能基を有するゴムであることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の電子部品包装体。
  5. 【請求項5】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
    を有する共重合体(B)が、(メタ)アクリル酸エステ
    ル−エチレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステル
    および/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴ
    ムからなることを特徴とする請求項1記載の電子部品包
    装体。
  6. 【請求項6】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
    を有する共重合体(B)が、(メタ)アクリル酸エステ
    ル単位が40重量%をこえ97重量%未満、エチレン単
    位が3重量%以上50重量%未満、不飽和カルボン酸グ
    リシジルエステル単位および/または不飽和グリシジル
    エーテル単位が0.1〜30重量%よりなる共重合体で
    あることを特徴とする請求項1記載の電子部品包装体。
  7. 【請求項7】(メタ)アクリル酸エステルがメチルアク
    リレート、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレ
    ート、n−ブチルメタクリレート、tert−ブチルア
    クリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−エ
    チルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタク
    リレートから選ばれる少なくとも1種を含むものである
    ことを特徴とする請求項5または6記載の電子部品包装
    体。
  8. 【請求項8】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
    を有する共重合体(B)のムーニー粘度が、3〜30の
    範囲であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに
    記載の電子部品包装体。ここでいうムーニー粘度は、J
    IS K6300に準じて100℃でラージロータを用
    いて測定した値をいう。
  9. 【請求項9】液晶ポリエステル(A)が、下記の繰り返
    し構造単位を少なくとも全体の30モル%含むものであ
    ることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の液
    晶ポリエステル樹脂組成物フィルムからなる電子部品包
    装体。
  10. 【請求項10】液晶ポリエステル(A)が、芳香族ジカ
    ルボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒドロキシカルボン
    酸とを反応させて得られるものであることを特徴とする
    請求項1〜8のいずれかに記載の電子部品包装体。
  11. 【請求項11】液晶ポリエステル(A)が、異種の芳香
    族ヒドロキシカルボン酸の組合せを反応させて得られる
    ものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに
    記載の電子部品包装体。
  12. 【請求項12】液晶ポリエステル樹脂組成物フィルム
    が、該液晶ポリエステル樹脂組成物をTダイから溶融押
    出しした後、一軸延伸あるいは二軸延伸して得られるフ
    ィルムであることを特徴とする請求項1〜11のいずれ
    かに記載の電子部品包装体。
  13. 【請求項13】液晶ポリエステル樹脂組成物フィルム
    が、該液晶ポリエステル樹脂組成物をインフレーション
    成形して得られるフィルムであることを特徴とする請求
    項1〜11のいずれかに電子部品包装体。
  14. 【請求項14】請求項1〜11のいずれかに記載の液晶
    ポリエステル樹脂組成物フィルムからなるカバーテープ
    およびエンボスキャリアテープから構成されることを特
    徴とする電子部品包装体。
JP8256034A 1996-02-19 1996-09-27 液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムからなる電子部品包装体 Withdrawn JPH10101909A (ja)

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