JP3927658B2 - 積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ポリエステル樹脂組成物を構成成分に含む、ガスバリア性や機械的性質に優れ、しかも安価な積層フィルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートのような結晶性ポリエステルと異なり、分子が剛直なため溶融状態でも絡み合いを起こさず、液晶状態を有するポリドメインを形成し、低剪断により分子鎖が流れ方向に著しく配向する挙動を示し、一般に溶融型液晶(サーモトロピック液晶)ポリマーと呼ばれている。この特異的な挙動のため、溶融流動性が極めて優れ、0.2〜0.5mm程度の薄肉成形品を容易に得ることができ、しかもこの成形品は高強度、高剛性を示すという長所を有している。しかし、異方性が極めて大きいという欠点がある。さらに制振性能や耐衝撃性も充分ではなく、成形加工温度も高いため用途が限られていた。また、液晶ポリエステルは一般に高価であることも問題であった。
【0003】
液晶ポリエステルの優れた耐熱性、機械的性質を保持し、成形加工性、耐衝撃性、成形品の異方性が改良され、かつ安価な液晶ポリエステル樹脂組成物は強く市場から要望されていた。
特開昭56−115357号公報には、溶融加工可能な重合体と異方性溶融体形成性重合体とを含む樹脂組成物が開示され、溶融加工可能な重合体に異方性溶融体形成性重合体を加えることにより、溶融加工可能な重合体の加工性を改良できることが記載されている。例えば、ポリフェニレンエーテル/ポリスチレン混合物に液晶ポリエステルを加えた例などが挙げられている。
また特開平2−97555号公報にハンダ耐熱性を向上させる目的で液晶ポリエステルに各種のポリアリーレンオキサイドを配合した樹脂組成物が記載されている。
しかしながら、一般に成形温度の高い液晶ポリエステルに、それより成形温度の低いポリフェニレンエーテルなどの非晶性高分子を配合してなる組成物は、組成物の溶融加工性は向上しても、高温での成形加工の際の配合樹脂の熱分解のために成形品の外観不良が生じるという問題があった。また、該組成物の耐熱性、機械的性質、耐衝撃性などが不充分であるという問題点があった。
【0004】
また、特開昭57─40551号、特開平2─102257号公報などに液晶ポリエステルと芳香族ポリカーボネートからなる組成物が開示されているが、それらは耐熱性や機械的性質などが充分なものではなかった。
また、特開昭58−201850号公報、特開平1−121357号公報、特開平1−193351号公報、EP67272/A2号公報、特開平7−304936号公報などに、液晶性高分子にα−オレフィン類と例えばグリシジルメタクリレートとの共重合体を配合してなる組成物が記載されているが、耐衝撃性や引張強度などの機械的性質の面でさらに改良が望まれていた。
米国特許第5216073号明細書には、エポキシ化ゴムと液晶ポリマーを用いる成形体が記載されているが、連続相を形成するエポキシ化ゴムを架橋させる熱硬化型ポリマーに関するものである。
【0005】
一方、フィルム原料という観点からは、液晶ポリエステルは、強い分子間相互作用によって溶融状態で分子が配向することを特徴とするポリエステルであり、その強い分子間相互作用、分子配向のために、液晶ポリエステルについてよく知られる高強度、高弾性率、高耐熱性といった性能に加えて、ガスバリア性等の機能を持ったフィルム材料としての工業化が期待されてきた。
しかし、液晶ポリエステルはポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートのような芳香族ポリエステルと異なって分子が剛直なために溶融状態でも絡み合いを起こさず、分子鎖が流れ方向に著しく配向するので、わずかなせん断によっても溶融粘度が急に低下する挙動を示したり、温度上昇によって急激に溶融粘度が低下し、溶融時のメルトテンションが極端に低いといった挙動を示す。そのため、溶融状態で形状を保つのが非常に難しく、さらに、分子が配向していることで縦横の性能バランスが取りにくくて極端な場合には分子配向方向に裂けてしまうことから、フィルム成形、ブロー成形などの分野での実用性に乏しいという大きな問題があった。そのため、液晶ポリエステルの機能を生かした液晶ポリエステルからなるフィルムは充分実用化されるには至っていなかった。
【0006】
このような液晶ポリエステルに関して、特開昭52−1095787号公報や特開昭58−317187号公報には、一軸に配向した液晶ポリエステルフィルムを、強度の異方性を打ち消す方向に張り合わせた積層体が開示されているが、生産性が悪く、さらにフィルム剥離の問題がある。
米国特許第4975312号明細書、WO 9015706号公報などにはリングダイを回転させる方法で液晶ポリエステルの異方性を打ち消す工夫が、また特開昭62−25513号公報、特開昭63−95930号公報、特開昭63−24251号公報には、Tダイ法における特殊な工夫が提案されている。しかしこれらはいずれも非常に特殊な成形法によって分子配向による異方性を緩和する方法を示したものあり、コスト高で薄膜化に限界があり、実用性に乏しいという欠点がある。
【0007】
また、特開昭62−187033号公報、特開昭64−69323号公報、特開平2−178016号公報、特開平2−253919号公報、特開平2−253920号公報、特開平2−253949号公報、特開平2−253950号公報には液晶ポリエステルと熱可塑性樹脂との多層(積層)シート、多層(積層)フィルムが提案されているが、液晶ポリエステルの配向が大きいうえに、層間に接着層が介在することにより剥がれが生じたり、液晶ポリエステルの本来持つガスバリア性、耐熱性などの性能の低下や薄いフィルムの製造が困難であるという問題がある。
【0008】
一方、液晶高分子の異方性が緩和され、しかも高強度の液晶ポリエステルフィルムを得るためにインフレーション成膜が試みられている。
インフレーション成膜とは、押出機内で溶融混練された樹脂を、環状のスリットをもつダイを用いて筒状溶融体を押出し、その中へ一定量の空気を送入し、膨張させ、フィルムの円周を冷却させながら筒状のフィルムを作る方法をいう。
その例として例えば、特開昭63−173620号公報、特開平3−288623号公報、特開平4−4126号公報、特開平4−50233号公報または特開平4−49026号公報などには、液晶ポリエステルをインフレーション成膜する方法が記載されているが、いずれも特殊な成膜装置を使用したインフレーション成膜であったり、構造が限定された液晶ポリエステルを対象とするものであったり、または極めて限定された条件下でのインフレーション成膜であり、汎用性のある成膜方法ではなかった。しかも得られたフィルムは延伸性や屈曲性が劣る、ガスバリア性が不十分である、ピンホールが発生しやすい、表面張力が低く印刷性などが悪いなどの問題点があった。
【0009】
そこで、本出願人は先に、成膜性、ガスバリア性が良好で安価な液晶ポリエステル樹脂組成物を提案した(特開平7−304936号公報)が、耐屈曲性および延伸性の面でさらに改良が望まれていた。
【0010】
一方、一層あるいは複数のTダイから溶融体を押出し、液晶ポリエステル樹脂組成物積層体を製造する方法は、積層体を構成する各樹脂を適当に選択することにより、市場の多様な要求に対応しうる有効な製造方法である。
液晶ポリエステルとしての優れた特性を生かした上で、他の熱可塑性樹脂層を積層することにより、一層優れた特性を有し、しかも安価な積層体が得られるならば、市場の多様なニーズに充分応えることが可能となる。
本出願人は例えば特開平8−283441号公報に液晶ポリエステル樹脂組成物の積層フィルムを提案したが、耐屈曲性や延伸性などの面でさらに改良が望まれていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、液晶ポリエステルの優れたガスバリア性を保持し、機械的性質、成膜加工性などが改良された、安価な積層フィルムおよびその製造方法を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの問題点を解決するため鋭意検討を続け、本発明に到達した。即ち本発明は、(A)液晶ポリエステルを連続相とし(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有するゴムを分散相とする液晶ポリエステル樹脂組成物を含有する層、および熱可塑性樹脂(但し、該液晶ポリエステルおよび該液晶ポリエステル樹脂組成物を除く。)からなる層を有する積層フィルムにかかるものである。また本発明は、(A)液晶ポリエステルを連続相とし(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有するゴムを分散相とする液晶ポリエステル樹脂組成物、または熱可塑性樹脂(但し、該液晶ポリエステルおよび該液晶ポリエステル樹脂組成物を除く。)からなるフィルムに、他方の樹脂をTダイから溶融押出して積層する積層フィルムの製造方法にかかるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明における液晶ポリエステル樹脂組成物の成分(A)の液晶ポリエステルは、サーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルである。
【0014】
具体的には、
(1)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒドロキシカルボン酸との組み合わせからなるもの。
(2)異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸の組み合わせからなるもの。
(3)芳香族ジカルボン酸と核置換芳香族ジオールとの組み合わせからなるもの。
(4)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルに芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させて得られるもの。
などが挙げられ、400℃以下の温度で異方性溶融体を形成するものである。なお、これらの芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロキシカルボン酸の代わりに、それらのエステル形成性誘導体が使用されることもある。
【0015】
該液晶ポリエステルの繰返し構造単位としては、下記の▲1▼芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し構造単位、▲2▼芳香族ジオールに由来する繰返し構造単位、▲3▼芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し構造単位を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
▲1▼芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位:
【0017】
【0018】
▲2▼芳香族ジオールに由来する繰返し構造単位:
【0019】
【0020】
▲3▼芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し構造単位:
【0021】
耐熱性、機械的特性、加工性のバランスから特に好ましい液晶ポリエステルは
なる繰り返し構造単位を含むものであり、さらに好ましくはかかる繰り返し構造単位を少なくとも全体の30モル%以上含むものである。具体的には繰り返し構造単位の組み合わせが下記(I)〜(VI)のいずれかのものが好ましい。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
該液晶ポリエステル(I)〜(VI)の製法については、例えば特公昭47−47870号公報、特公昭63−3888号公報、特公昭63−3891号公報、特公昭56−18016号公報、特開平2−51523号公報などに記載されている。これらの中で好ましくは(I)、(II)または(IV)の組合せであり、さらに好ましくは(I)または(II)の組み合せが挙げられる。
【0029】
本発明において、高い耐熱性が要求される分野には成分(A)の液晶ポリエステルが、下記の繰り返し単位(a’)が30〜80モル%、繰り返し単位(b’)が0〜10モル%、繰り返し単位(c’)が10〜25モル%、繰り返し単位(d’)が10〜35モル%からなる液晶ポリエステルが好ましく使用される。
【0030】
(式中、Arは2価の芳香族基である。)
【0031】
本発明の積層フィルムにおいて、環境問題の見地から使用後の焼却などの廃棄の容易さが求められる分野には、ここまで挙げたそれぞれに要求される分野の好ましい組み合わせの中で特に炭素、水素、酸素のみの元素からなる組み合わせによる液晶ポリエステルが特に好ましく使用される。
【0032】
本発明における液晶ポリエステル樹脂組成物の成分(B)は、液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有するゴムである。
【0033】
ここでいうゴムとは、新版高分子辞典(高分子学会編、1988年出版、朝倉書店)による室温にてゴム弾性を有する高分子物質に該当するものであり、その具体例としては、天然ゴム、ブタジエン重合体、ブタジエン−スチレン共重合体(ランダム共重合体、ブロック共重合体(SEBSゴムまたはSBSゴム等を含む)、グラフト共重合体などすべて含まれる)もしくはその水素添加物、イソプレン重合体、クロロブタジエン重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、イソブチレン重合体、イソブチレン−ブタジエン共重合体ゴム、イソブチレン−イソプレン共重合体、アクリル酸エステル−エチレン系共重合体ゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−ブテン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−スチレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−ブチレン共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン共重合体ゴム、パーフルオロゴム、ふっ素ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム、チオールゴム、多硫化ゴム、ポリウレタンゴム、ポリエーテルゴム(例えばポリプロピレンオキシド等)、エピクロルヒドリンゴム、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー等が挙げられる。中でも、アクリルゴム、ブタジエン−スチレン共重合体もしくはその水素添加物、アクリル酸エステル−エチレン系共重合体が好ましく用いられ、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン系共重合体ゴムがさらに好ましい。
【0034】
これらのゴム様物質は、いかなる製造法(例えば乳化重合法、溶液重合法等)、いかなる触媒(例えば過酸化物、トリアルキルアルミニウム、ハロゲン化リチウム、ニッケル系触媒等)でつくられたものでもよい。
【0035】
本発明のゴム(B)は、上記のようなゴムにおいて液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有するものである。
【0036】
液晶ポリエステルと反応性を有する官能基としては、オキサゾリル基、エポキシ基、アミノ基などが挙げられるが、エポキシ基が好ましい。エポキシ基などは他の官能基の一部として存在していてもよく、そのような例としては例えばグリシジル基が挙げられる。
【0037】
本発明のゴム(B)において、液晶ポリエステルと反応性を有する官能基をゴム中に導入する方法としては、特に限定されるものではなく、周知の方法で行うことができる。例えばゴムの合成段階で、液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有するモノマーを共重合により導入することも可能であるし、ゴムに液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有するモノマーをグラフト共重合することも可能である。
【0038】
液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有するモノマー、特にグリシジル基を有するモノマーとしては、不飽和カルボン酸グリシジルエステル、不飽和グリシジルエーテルなどが好ましく挙げられ、本発明の液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有するゴム(B)として好ましくは、不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテル単位を含有する共重合体ゴムである。
【0039】
不飽和カルボン酸グリシジルエステルは好ましくは一般式
(Rはエチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜13の炭化水素基である。)
で表される化合物であり、また不飽和グリシジルエーテルは好ましくは一般式
(Rはエチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜18の炭化水素基であり、Xは−CH2−O−または
である。)
で表される化合物である。
【0040】
具体的には、不飽和カルボン酸グリシジルエステルとしては、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イタコン酸ジグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステル、p−スチレンカルボン酸グリシジルエステルなどを挙げることができる。
不飽和グリシジルエーテルとしては、例えばビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル等が例示される。
【0041】
液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有するゴム(B)の好ましい具体例としては、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムを挙げることができる。
【0042】
ここで(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸またはメタクリル酸とアルコールから得られるエステルである。アルコールとしては、炭素数1〜8のアルコールが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどを挙げることができる。なお、(メタ)アクリル酸エステルとしては、その一種を単独で使用してもよく、または二種以上を併用してもよい。
【0043】
上記の(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムは、通常の方法、たとえばフリーラジカル開始剤による塊状重合、乳化重合、溶液重合などによって製造することができる。なお、代表的な重合方法は、特公昭46−45085号公報、特開昭61−127709号公報などに記載された方法、フリーラジカルを生成する重合開始剤の存在下、圧力500kg/cm2以上、温度40〜300℃の条件により製造することができる。
【0044】
好ましくは本発明の液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有するゴム(B)は、(メタ)アクリル酸エステル単位が40重量%をこえ、97重量%未満、好ましくは45〜70重量%、エチレン単位が3重量%以上、50重量%未満、好ましくは10〜49重量%、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%である。
上記の範囲外であると、組成物から得られるフィルムの熱安定性や機械的性質が不十分となる場合があり、好ましくない。
【0045】
本発明のゴム(B)として他には、液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有するアクリルゴムや、液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有するビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体ゴムも例示することができる。
【0046】
ここでいうアクリルゴムとして好ましくは、一般式(1)
(式中、R1は炭素原子数1〜18のアルキル基またはシアノアルキル基を示す。)、一般式(2)
(式中、R2は炭素原子数1〜12のアルキレン基、R3は炭素原子数1〜12のアルキル基を示す。)、
および一般式(3)
(式中、R4は水素原子またはメチル基、R5炭素原子数3〜30のアルキレン基、R6は炭素原子数1〜20のアルキル基またはその誘導体、nは1〜20の整数を示す。)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の単量体を主成分とするものである。
【0047】
上記一般式(1)で表されるアクリル酸アルキルエステルの具体例としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、アクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、シアノエチルアクリレートなどを挙げることができる。
【0048】
また、上記一般式(2)で表されるアクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、例えばメトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシプロピルアクリレートなどを挙げることができる。これらの1種あるいは2種以上を該アクリルゴムの主成分として用いることができる。
【0049】
かかるアクリルゴムの構成成分として、必要に応じて上記の一般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種の単量体と共重合可能な不飽和単量体を用いることができる。
このような不飽和単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、ハロゲン化スチレン、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルナフタレン、N−メチロールアクリルアミド、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ベンジルアクリレート、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられる。
【0050】
液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有するアクリルゴムの好ましい構成成分比は、上記の一般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種の単量体40.0〜99.9重量%、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル0.1〜30.0重量%、上記の一般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種の単量体と共重合可能な不飽和単量体0.0〜30.0重量%である。
該アクリルゴムの構成成分比が上記の範囲内であると、得られたフィルムの耐熱性や耐衝撃性、あるいは成膜加工性が良好であり好ましい。
【0051】
該アクリルゴムの製法は特に限定するものではなく、例えば特開昭59−113010号公報、特開昭62−64809号公報、特開平3−160008号公報、あるいはWO95/04764などに記載されているような周知の重合法を用いることができ、ラジカル開始剤の存在下で乳化重合、懸濁重合、溶液重合あるいはバルク重合で製造することができる。
【0052】
前記液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有するビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体ゴムとして好ましくは、(a)ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とするシーケンスと(b)共役ジエン化合物を主体とするシーケンスからなるブロック共重合体をエポキシ化して得られるゴム、または該ブロック共重合体の水添物をエポキシ化して得られるゴムである。
【0053】
ビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体あるいはその水添物は、周知の方法で製造することができ、例えば、特公昭40−23798号公報、特開昭59−133203号公報等に記載されている。
【0054】
芳香族炭化水素化合物としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルナフタレンなどを挙げることができ、中でもスチレンが好ましい。
共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、ピレリレン、1,3−ペンタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエンなどを挙げることができ、ブタジエンまたはイソプレンが好ましい。
【0055】
本発明のゴム(B)は、ムーニー粘度が3〜70のものが好ましく、3〜30のものがさらに好ましく、4〜25のものが特に好ましい。
ここでいうムーニー粘度は、JIS K6300に準じて100℃ラージローターを用いて測定した値をいう。
【0056】
また本発明のゴム(B)は、結晶の融解熱量が3J/g未満のものが、より熱安定性に優れ、好ましい。
ここで、結晶の融解熱量は、−150℃から100℃まで20℃/分で昇温するDSC測定による。
【0057】
本発明のゴム(B)は、必要に応じて加硫を行い、加硫ゴムとして用いることができる。
上記の(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムの加硫は、多官能性有機酸、多官能性アミン化合物、イミダゾール化合物などを用いることで達成されるが、これらに限定されるものではない。
【0058】
本発明における液晶ポリエステル樹脂組成物の形態は、(A)液晶ポリエステルが連続相、ゴム(B)が分散相である。
液晶ポリエステルが連続相でない場合には、液晶ポリエステル樹脂組成物を含有するフィルムのガスバリア性、耐熱性などが著しく低下して好ましくない。
【0059】
本発明に使用する液晶ポリエステル樹脂組成物の好ましい態様としては、成分(A)と成分(B)の比率が、成分(A)が56.0〜99.9重量%、さらに好ましくは65.0〜99.9重量%、特に好ましくは70〜98重量%、成分(B)が44.0〜0.1重量%、さらに好ましくは35.0〜0.1重量%、特に好ましくは30〜2重量%を含有する樹脂組成物である。
成分(A)が56.0重量%未満であると該組成物から得られるフィルムのガスバリア性や耐熱性が低下することがあり好ましくない。また成分(A)が99.9重量%を超えると該組成物の成形加工性の改良効果が充分でない場合があり、価格的にも高価なものとなり好ましくない。
【0060】
本発明における液晶ポリエステル樹脂組成物を製造する方法としては周知の方法を用いることができる。たとえば、溶液状態で各成分を混合し、溶剤を蒸発させるか、溶剤中に沈殿させる方法が挙げられる。工業的見地からみると溶融状態で各成分を混練する方法が好ましい。溶融混練には一般に使用されている一軸または二軸の押出機、各種のニーダー等の混練装置を用いることができる。特に二軸の高混練機が好ましい。
溶融混練に際しては、混練装置のシリンダー設定温度は200〜360℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは230〜350℃である。
【0061】
混練に際しては、各成分は予めタンブラーもしくはヘンシェルミキサーのような装置で各成分を均一に混合してもよいし、必要な場合には混合を省き、混練装置にそれぞれ別個に定量供給する方法も用いることができる。
【0062】
本発明に使用する液晶ポリエステル樹脂組成物においては、所望により無機充填剤が用いられる。このような無機充填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナ、石膏、ガラスフレーク、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、ホウ酸アルミニウムウィスカ、チタン酸カリウム繊維等が例示される。
【0063】
本発明に使用する液晶ポリエステル樹脂組成物に、必要に応じて、さらに、有機充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、無機または有機系着色剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表面平滑剤、表面光沢改良剤、フッ素樹脂などの離型改良剤などの各種の添加剤を製造工程中あるいはその後の加工工程において添加することができる。
【0064】
本発明の積層フィルムは、上述の液晶ポリエステル樹脂組成物からなる層と、熱可塑性樹脂(但し、前記液晶ポリエステルおよび液晶ポリエステル樹脂組成物を除く。)からなる層を有する積層フィルムである。
【0065】
かかる熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルホン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド、フッ素樹脂、アクリル樹脂から選ばれる少なくとも一種を含有するものであることが好ましい。
中でもポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドの少なくとも一種を含有するものが好ましい。
【0066】
ここでいうポリオレフィンとしては、炭素数2〜20個からなるオレフィン、ジオレフィン等の単独重合体または共重合体を使用できる。オレフィン、ジオレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ヘキサデセン−1、エイコセン−1,4−メチルペンテン−1,5−メチル−2−ペンテン−1等が例示される。かかるポリオレフィンの具体例としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン/ブテン−1共重合体、エチレン/4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン/ヘキセン−1共重合体、プロピレン/エチレン共重合体、プロピレン/ブテン−1共重合体などを挙げることができる。
【0067】
また、ここでいうポリエステルとしては、例えば2価のカルボン酸と2価のアルコールとの重縮合体等が挙げられ、その場合好ましくは、芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールの重縮合体である。そのようなポリエステルの具体例としてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどを挙げることができる。
【0068】
また、ポリアミドとしては、例えば2価のカルボン酸と2価のアミンとの重縮合体やアミノカルボン酸の重縮合体等が挙げられ、そのようなポリアミドの具体例としては、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド6−6、ポリアミド6−12、ポリアミドMXD6などが挙げられる。
【0069】
熱可塑性樹脂としては、1種または2種以上のものを混合して用いることもできる。
本発明に使用する熱可塑性樹脂には、所望により無機充填剤が用いられる。このような無機充填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナ、石膏、ガラスフレーク、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、ホウ酸アルミニウムウィスカ、チタン酸カリウム繊維等が例示される。
【0070】
本発明に使用する熱可塑性樹脂には、必要に応じて、さらに、有機充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、無機または有機系着色剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表面平滑剤、表面光沢改良剤、フッ素樹脂などの離型改良剤などの各種の添加剤を製造工程中あるいはその後の加工工程において添加することができる。
【0071】
本発明の積層フィルムは上述の液晶ポリエステル樹脂組成物からなる層と、熱可塑性樹脂(但し、前記液晶ポリエステルおよび液晶ポリエステル樹脂組成物を除く。)からなる層を有するものであり、該液晶ポリエステル樹脂組成物層と熱可塑性樹脂層の間に接着層が介在してもよい。
【0072】
接着層における接着剤としては、ホットメルト接着剤、ポリウレタン接着剤あるいはエポキシ基含有共重合体などを例示することができる。また、接着性樹脂を用いることもできる。
接着性樹脂は特に限定するものではなく、積層フィルムの製造方法や用途に応じて選ぶことができるが、例えば、エチレンと無水マレイン酸との共重合体、エチレンとエチルアクリレートとの共重合体、エチレンと無水マレイン酸とメチルアクリレートとの共重合体、エチレンとアクリル酸との共重合体、エチレンとメタクリル酸との共重合体などが挙げられる。また、無水マレイン酸グラフトポリオレフィン、アイオノマーなども挙げることができる。
【0073】
本発明の積層フィルムは、例えば液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムと熱可塑性樹脂フィルムを圧着、好ましくは熱圧着により接着して得られる。
液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムは、上記の方法で得られた液晶ポリエステル樹脂組成物を押出機で溶融混練し、口金(ダイ)を通して押出した溶融樹脂を引き取ることによって得ることができる。口金(ダイ)は通常T型ダイ(以下、Tダイということがある)を用いることができ、Tダイを通して押出した溶融樹脂を巻き取り機方向(長手方向)に延伸しながら巻き取って得られる一軸延伸フィルム、または二軸延伸フィルムが好ましく用いられる。また、インフレーション製膜法で得られたフィルムも好ましく用いられる。
【0074】
一軸延伸フィルムの成膜時における押出機の設定条件は組成物の組成に応じて適宜設定できるが、シリンダー設定温度は200〜360℃の範囲が好ましく、230〜350℃の範囲がさらに好ましい。この範囲外であると組成物の熱分解が生じたり、成膜が困難となる場合があり好ましくない。
【0075】
Tダイのスリット間隔は、0.2〜2.0mmが好ましく、0.2〜1.2mmがさらに好ましい。
一軸延伸フィルムのドラフト比は、1.1〜40の範囲のものが好ましく、さらに好ましくは10〜40であり、特に好ましくは15〜35である。
【0076】
ここでいうドラフト比とは、Tダイスリットの断面積を長手方向に垂直な面のフィルム断面積で除した値をいう。ドラフト比が1.1未満であるとフィルム強度が不十分であり、ドラフト比が45を越すとフィルムの表面平滑性が不十分となる場合があり、好ましくない。ドラフト比は押出機の設定条件、巻き取り速度などを制御して設定することができる。
【0077】
二軸延伸フィルムは、一軸延伸フィルムの成膜と同様の押出機の設定条件、すなわちシリンダー設定温度が好ましくは200〜360℃の範囲、さらに好ましくは230〜350℃の範囲、Tダイのスリット間隔が好ましくは0.2〜2.0mmの範囲で該組成物の溶融押出しを行い、Tダイから押出した溶融体シートを長手方向および長手方向と垂直方向(横手方向)に同時に延伸する方法、またはTダイから押出した溶融体シートをまず長手方向に延伸し、ついでこの延伸シートを同一工程内で100〜300℃の高温下でテンターより横手方向に延伸する逐次延伸の方法などにより得られる。
【0078】
二軸延伸フィルムを得る際、その延伸比は長手方向に1.2〜20倍、横手方向に1.2〜20倍の範囲が好ましい。延伸比が上記の範囲外であると、該組成物フィルムの強度が不十分となったり、または均一な厚みのフィルムを得るのが困難となる場合があり好ましくない。
【0079】
円筒形のダイから押出した溶融樹脂をインフレーション成膜して得られる、インフレーションフィルムなども好ましく用いられる。
【0080】
すなわち、上記の方法により得られた液晶ポリエステル樹脂組成物は、環状スリットのダイを備えた溶融混練押出機に供給され、シリンダー設定温度200〜360℃、好ましくは230〜350℃で溶融混練を行って押出機の環状スリットから筒状フィルムは上方または下方へ溶融樹脂が押出される。環状スリット間隔は通常0.1〜5mm、好ましくは0.2〜2mm、環状スリットの直径は通常20〜1000mm、好ましくは25〜600mmである。
【0081】
溶融押出しされた溶融樹脂フィルムに長手方向(MD)にドラフトをかけるとともに、この筒状フィルムの内側から空気または不活性ガス、例えば窒素ガスなどを吹き込むことにより長手方向と直角な横手方向(TD)にフィルムを膨張延伸させる。
【0082】
インフレーション成形(成膜)において、好ましいブロー比は1.5〜10、好ましいMD延伸倍率は1.5〜40である。
インフレーション成膜時の設定条件が上記の範囲外であると厚さが均一でしわの無い高強度の液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムを得るのが困難となる場合があり好ましくない。
【0083】
膨張させたフィルムは、その円周を空冷あるいは水冷させた後、ニップロールを通過させて引き取る。
【0084】
インフレーション成膜に際しては液晶ポリエステル樹脂組成物の組成に応じて、筒状の溶融体フィルムが均一な厚みで表面平滑な状態に膨張するような条件を選択することができる。
【0085】
本発明の積層フィルムは、該液晶ポリエステル樹脂組成物または該熱可塑性樹脂からなるフィルムに、他方の樹脂をTダイから溶融押出して積層する製造方法によっても好ましく製造され得る。
【0086】
例えば、Tダイ成膜法やインフレーション成膜法などであらかじめ成膜した該熱可塑性樹脂フィルム上に、Tダイから溶融した該液晶ポリエステル樹脂組成物を押し出し、圧着ロールなどを通過させることで熱可塑性樹脂層と液晶ポリエステル樹脂組成物層を有する積層フィルムを得る方法、あるいは、逆にTダイ成膜法やインフレーション成膜法などであらかじめ液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムを製造し、該液晶ポリエステル樹脂組成物層上にTダイから溶融した熱可塑性樹脂を押出し、圧着ロールなどを通過させることで積層フィルムを得る方法、あるいは、該液晶ポリエステル樹脂組成物層上に溶融した熱可塑性樹脂と接着樹脂とをTダイスから共押出し、圧延ロールなどを通過させて積層フィルムを得る方法が挙げられる。いずれの場合も、あらかじめ成膜してある基材フィルムには、必要に応じて表面処理を施すことができる。このような表面処理法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、スパッタリング処理、溶剤処理、紫外線処理、赤外線処理、オゾン処理、研摩処理などが挙げられる。
【0087】
また該基材フィルムには、フィルムの接着性を向上させるために、アンカーコート剤を用いてアンカーコート処理を施すことができる。アンカーコート剤は特に限定するものではなく、例えば、アルキルチタネート化合物、イソシアネート系アンカーコート剤、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤、ウレタン系アンカーコート剤などが挙げられる。
【0088】
Tダイを用いた溶融押し出しの場合、押し出し機やダイの設定温度は溶融する樹脂に応じて適宜選ばれる。
【0089】
さらに、本発明の積層フィルムは、2層以上の共押し出しダイスを用いて該液晶ポリエステル樹脂組成物と該熱可塑性樹脂とを共押出することにより製造できる。
【0090】
このような共押出し法は、特に装置、方式を限定するものではないが、例えば、各々の樹脂の溶融体シートをダイスの中で重ねあわせる方式であるマルチマニホールド方式、樹脂の溶融体をダイスをでてから重ねあわせる方式であるマルチスロット方式、または樹脂の溶融体をダイスの手前で重ねあわせる方式であるフィードブロック方式などの方式を挙げることができ、目的に応じて積層方式を選択することができる。
【0091】
共押出し法における液晶ポリエステル樹脂組成物の押出し温度は、その組成に応じて適宜設定できるが、通常液晶ポリエステル樹脂組成物の流動開始温度以上の温度であり、280〜360℃が好ましい。
【0092】
共押出し法における熱可塑性樹脂の押出機の設定条件は、熱可塑性樹脂の特性に応じて適宜設定できるが、シリンダー設定温度は200〜360℃の範囲が好ましく、230〜340℃の範囲がさらに好ましい。この範囲外であると熱可塑性樹脂の熱分解が生じたり、成膜が困難となる場合があり好ましくない。
このような共押出し法によって得られる積層フィルムの液晶ポリエステル樹脂組成物層と熱可塑性樹脂組成物層とは、接着剤を使用しなくても、接着性の良好な積層体を形成し得る。
【0093】
積層フィルムの積層形態については、少なくとも、液晶ポリエステル樹脂組成物層の片面または両面に熱可塑性樹脂層が積層された形態が挙げられる。
積層フィルムの積層数は、特に制限されないが少なくとも1層の液晶ポリエステル樹脂層を含む通常2〜10層程度、好ましくは2〜5層程度である。
【0094】
本発明において得られる積層フィルムの厚みは、1〜1000μmの範囲で制御可能であるが、5〜100μm厚のものが実用上多く用いられる。
本発明の積層フィルムにおける液晶ポリエステル樹脂組成物層の厚みには特に制限はないが、好ましくは2〜1000μm、さらに好ましくは3〜500μmである。
【0095】
本発明においては、得られた積層フィルムの表面を必要に応じて表面処理を施すことができる。このような表面処理法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、スパッタリング処理、溶剤処理、紫外線処理、赤外線処理、オゾン処理、研摩処理などが挙げられる。
【0096】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、これらは単なる例示であり、本発明はこれらに限定されることはない。
【0097】
(1)成分(A)の液晶ポリエステル
(i)p−アセトキシ安息香酸8.3kg(60モル)、テレフタル酸2.49kg(15モル)、イソフタル酸0.83kg(5モル)および4,4’−ジアセトキシジフェニル5.45kg(20.2モル)を櫛型撹拌翼をもつ重合槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら昇温し330℃で1時間重合させた。この間に副生する酢酸ガスを冷却管で液化し回収、除去しながら、強力な撹拌下で重合させた。その後、系を徐々に冷却し、200℃で得られたポリマーを系外へ取出した。この得られたポリマーを細川ミクロン(株)製のハンマーミルで粉砕し、2.5mm以下の粒子とした。これを更にロータリーキルン中で窒素ガス雰囲気下に280℃で3時間処理することによって、流動温度が324℃の粒子状の下記の繰り返し構造単位からなる全芳香族ポリエステルを得た。
ここで、流動温度とは、島津社製高化式フローテスターCFT−500型を用いて、4℃/分の昇温速度で加熱された樹脂を、荷重100kgf/cm2のもとで、内径1mm、長さ10mmのノズルから押し出すときに、溶融粘度が48000ポイズを示す温度のことをいう。
以下該液晶ポリエステルをA−1と略記する。このポリマーは加圧下で340℃以上で光学異方性を示した。液晶ポリエステルA−1の繰り返し構造単位は、次の通りである。
【0098】
【0099】
(ii)p−ヒドロキシ安息香酸16.6kg(12.1モル)と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸8.4kg(4.5モル)および無水酢酸18.6kg(18.2モル)を櫛型撹拌翼付きの重合槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら昇温し、320℃で1時間、そしてさらに2.0torrの減圧下に320℃で1時間重合させた。この間に、副生する酢酸を系外へ留出し続けた。その後、系を除々に冷却し、180℃で得られたポリマーを系外へ取出した。
この得られたポリマーを前記の(A−1)と同様に粉砕したあと、ロータリーキルン中で窒素ガス雰囲気下に240℃で5時間処理することによって、流動温度が270℃の粒子状の下記の繰り返し単位からなる全芳香族ポリエステルを得た。
以下該液晶ポリエステルをA−2と略記する。このポリマーは加圧下で280℃以上で光学異方性を示した。
液晶ポリエステルA−2の繰り返し構造単位の比率は次の通りである。
【0100】
【0101】
(2)成分(B)のゴム
ここでムーニー粘度は、JIS K6300に準じて100℃、ラージローターを用いて測定した値である。
【0102】
(i)特開昭61−127709号公報の実施例5に記載の方法に準じて、アクリル酸メチル/エチレン/グリシジルメタクリレート=59.0/38.7/2.3(重量比)、ムーニー粘度=15のゴムを得た。以下該ゴムをB−1と略称することがある。
【0103】
(3)フィルム物性の測定法
・酸素ガス透過率:JIS K7126 A法(差圧法)に準拠して温度20℃の条件で測定した。単位はcc/m2・24hr・1atmである。
【0104】
・水蒸気透過率:JIS Z0208(カップ法)に準拠して温度40℃、相対湿度90%の条件で測定した。単位はg/m2・24hr・1atmである。
なお酸素ガス透過率と水蒸気透過率は膜厚みを25μmに換算して求めた。
【0105】
・耐屈曲性:液晶ポリエステル樹脂組成物層のMD方向、TD方向に積層フィルムを切り出し、それぞれについて東洋精機(株)製MIT屈曲試験機 Folding Endurance Tester MIT−D型を使用し、JIS−p−8115に基づいて荷重1Kgf、折り曲げ角 135度、折り曲げ面曲率半径 1mm、折り曲げ速度175回/minで屈曲試験を行い、フィルム、シートが破断するまでの屈曲回数を求めた。
【0106】
実施例1
A−2 68重量%、およびB−1 32重量%の配合比で、日本製鋼(株)製TEX−30型二軸押出機を、シリンダー設定温度305℃、スクリュー回転数170rpmで溶融混練を行って組成物を得た。
得られたペレットをダイ間隙1.2mm、ダイ幅650mm、ダイ設定温度303℃のTダイから溶融押出しし、ロール設定温度170℃のニップロールを通したのち巻き取りロールに巻き取った。得られたフィルムの厚みは56μmであり、屈曲試験結果はMD、TD両方向共に10万回以上であった。酸素透過度は0.2(cc/m2・24h・1atm)、水蒸気透過度は0.2(g/m2・24h・1atm)であった。
次に該フィルム上に東洋モートン(株)製 二液硬化型ポリウレタン系接着剤AD−315を塗布し、溶剤乾燥後さらに厚み25μmの東洋紡(株)製ポリエチレンテレフタレートフィルム、E5000を塗布面上に重ね合わせ、240℃で熱圧着して積層フィルムを得た。
【0107】
実施例2
A−1 79重量部、およびB−1 21重量部の配合比で、日本製鋼(株)製TEX−30型二軸押出機を用い、シリンダー設定温度350℃、スクリュー回転数180rpmで溶融混練を行って組成物を得た。
この組成物のペレットを円筒ダイを備えた60mmφの単軸押出機を用いてシリンダー設定温度350℃、スクリュー回転数60rpmで溶融押出して、直径50mm、リップ間隔1.5mm、ダイ設定温度348℃の円筒ダイから上方へ溶融樹脂を押出し、この筒状フィルムの中空部へ乾燥空気を圧入、膨張し、次に冷却させたのちニップロールに通し、コロナ放電処理機でコロナ処理したのち、引取速度15m/minで引取り、厚み13μmの液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムを得た。この際フィルムMD方向の延伸倍率は4.2、ブロー比3.9であった。
得られた液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムをスリットして単層フィルムとしたのち、30mmφ押し出し機を設置したTダイから住友化学工業(株)製低密度ポリエチレン、商品名スミカセンL705(MFR=7g/10min)を、シリンダー設定温度303℃、スクリュー回転数70rpm、ダイ設定温度303℃、ダイ間隙1mm、ダイ幅300mmの条件で該液晶ポリエステル樹脂組成物層のコロナ処理面上に溶融押出し、ロールを通したのち15m/minで巻き取って積層体を得た。得られた積層体は外観が良好で、層間で剥離は認められなかった。
【0108】
【発明の効果】
本発明における積層フィルムは、耐屈曲性が良好で、ガスバリア性も優れ、各層間の接着性も良好でしかも安価であることから、食品包装、薬品包装、化粧品包装、電子材料包装など各種包装用途など、産業界で幅広く用いる事が出来る。
Claims (13)
- (A)液晶ポリエステルを連続相とし(B)(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムを分散相とする液晶ポリエステル樹脂組成物を含有する層、および熱可塑性樹脂(但し、該液晶ポリエステルおよび該液晶ポリエステル樹脂組成物を除く。)からなる層を有することを特徴とする積層フィルム。
- 液晶ポリエステル樹脂組成物が、前記(A)を56.0〜99.9重量%と、前記(B)を44.0〜0.1重量%とを含有する液晶ポリエステル樹脂組成物であることを特徴とする請求項1記載の積層フィルム。
- 液晶ポリエステル樹脂組成物が、前記(A)が56.0〜99.9重量%、前記(B)が44.0〜0.1重量%を溶融混練して得られる液晶ポリエステル樹脂組成物であることを特徴とする請求項1記載の積層フィルム。
- 共重合体ゴム(B)が、構成成分として(メタ)アクリル酸エステル単位が40重量%をこえ97重量%未満、エチレン単位が3重量%以上50重量%未満、不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜30重量%よりなる共重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
- (メタ)アクリル酸エステルが、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートから選ばれる少なくとも1種を含むものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルム。
- 共重合体ゴム(B)のムーニー粘度が、3〜70の範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の積層フィルム。
ここでいうムーニー粘度は、JIS K6300に準じて100℃でラージロータを用いて測定した値をいう。 - 共重合体ゴム(B)の結晶の融解熱量が、3J/g未満であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の積層フィルム。
- 液晶ポリエステル(A)が、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒドロキシカルボン酸とを反応させて得られるものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の積層フィルム。
- 液晶ポリエステル(A)が、異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸の組み合わせを反応さ せて得られるものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の積層フィルム。
- 熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルホン、エチン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド、フッ素樹脂、アクリル樹脂から選ばれる少なくとも一種を含有するものであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の積層フィルム。
- 該液晶ポリエステル樹脂組成物からなる層と、該熱可塑性樹脂(但し、該液晶ポリエステルおよび該液晶ポリエステル樹脂組成物を除く。)からなる層との間に、接着剤層が介在していることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の積層フィルム。
- (A)液晶ポリエステルを連続相とし(B)(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムを分散相とする液晶ポリエステル樹脂組成物、または熱可塑性樹脂(但し、該液晶ポリエステルおよび該液晶ポリエステル樹脂組成物を除く。)からなるフィルムに、他方の樹脂をTダイから溶融押出して積層することを特徴とする積層フィルムの製造方法。
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