JPH1160758A - 断熱体用外装フィルムおよびそれを用いてなる真空断熱体 - Google Patents

断熱体用外装フィルムおよびそれを用いてなる真空断熱体

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JPH1160758A
JPH1160758A JP9231086A JP23108697A JPH1160758A JP H1160758 A JPH1160758 A JP H1160758A JP 9231086 A JP9231086 A JP 9231086A JP 23108697 A JP23108697 A JP 23108697A JP H1160758 A JPH1160758 A JP H1160758A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal polyester
copolymer
exterior film
heat insulator
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JP9231086A
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English (en)
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Motonobu Furuta
元信 古田
Takazou Yamaguchi
登造 山口
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量で耐熱性、ガスバリア性に優れ、断熱効
果が大きく、安価な材料を用いてなる断熱体用外装フィ
ルム、及び該フィルムを用いてなる真空断熱体を提供す
ること。 【解決手段】 (A)液晶ポリエステルを連続相とし
(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有す
る共重合体を分散相とする液晶ポリエステル樹脂組成物
を用いてなる断熱体用外層フィルム、並びに、(A)液
晶ポリエステルを連続相とし(B)液晶ポリエステルと
反応性を有する官能基を有する共重合体を分散相とする
液晶ポリエステル樹脂組成物を含有する層と、熱可塑性
樹脂(該液晶ポリエステル及び該液晶ポリエステル樹脂
組成物を除く。)からなる層とを有する積層フィルムよ
りなる断熱体用外層フィルム。該断熱体用外層フィルム
を用いてなる真空断熱体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量で耐熱性、ガ
スバリア性に優れ、断熱効果が大きく、安価な材料を用
いてなる断熱体用外装フィルム、及び該フィルムを用い
てなる真空断熱体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】冷蔵庫、低温コンテナー、携帯クーラ
ー、あるいは、工業用真空断熱容器として各種の真空断
熱体が使用されてきているが、真空断熱体として強度が
不十分である、重い、ガスバリア性が不十分なため断熱
効果が不十分である、高価である、あるいは用済み後の
後処理が困難であるなど様々な問題点が指摘されてお
り、その改良が市場から要求されていた。
【0003】特開昭64−49878号公報には扉内側
に真空断熱体を装着してなる断熱扉に関して記載されて
いる。特開平3−83637号公報にはカーボンフォー
ムを内部に収容し、片面にアルミ箔をラミネートした、
あるいはアルミ蒸着した合成樹脂フィルムを外装材とす
る真空断熱体が開示されている。また特開平4−151
487号公報にはアクリロニトリル系樹脂により形成さ
れた熱融着層とガスバリア層を外装材とする真空断熱体
に関して開示されている。特開平5−60292号公報
には硬質ウレタンフォームパネルを内装材、金属をラミ
ネートしたフィルムを外装材とする真空断熱体に関して
記載されている。しかしながらいずれの場合も前述の市
場からの要望を十分に満たすものではなかった。
【0004】例えば、外装材成分としてアルミ箔あるい
は金属や無機物の蒸着フィルムを使用した場合には、そ
のような断熱体は、重い、高価である、あるいはガスバ
リア性が不十分であった。例えばアルミ箔にピンホール
が発生し易い、蒸着層にクラックが発生し易い、そのた
め断熱効果が減少する、あるいは焼却時に灰分が残留す
るなどの諸問題点が指摘されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、軽量で耐熱
性、ガスバリア性に優れ、断熱効果が大きく、安価な材
料を用いてなる断熱体用外装フィルム、及び該フィルム
を用いてなる真空断熱体を提供することを目的とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な問題を解決すべく鋭意検討を続け本発明に到達した。
即ち本発明は、(A)液晶ポリエステルを連続相とし
(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有す
る共重合体を分散相とする液晶ポリエステル樹脂組成物
を用いてなる断熱体用外層フィルム、並びに、(A)液
晶ポリエステルを連続相とし(B)液晶ポリエステルと
反応性を有する官能基を有する共重合体を分散相とする
液晶ポリエステル樹脂組成物を含有する層と、熱可塑性
樹脂(該液晶ポリエステル及び該液晶ポリエステル樹脂
組成物を除く。)からなる層とを有する積層フィルムよ
りなる断熱体用外層フィルムにかかるものである。また
本発明は、該断熱体用外層フィルムを用いてなる真空断
熱体にかかるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明における液晶ポリエステル樹脂組成物の成分
(A)の液晶ポリエステルは、サーモトロピック液晶ポ
リマーと呼ばれるポリエステルである。具体的には、 (1)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸との組み合わせからなるもの。 (2)異種の芳香族ヒドロシカルボン酸の組み合わせか
らなるもの。 (3)芳香族ジカルボン酸と核置換芳香族ジオールとの
組み合わせからなるもの。 (4)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル
に芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させて得られるも
の。 などが挙げられ、400℃以下の温度で異方性溶融体を
形成するものである。なお、これらの芳香族ジカルボン
酸、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロキシカルボン酸の
代わりに、それらのエステル形成性誘導体が使用される
こともある。
【0008】該液晶ポリエステルの繰返し構造単位とし
ては、下記の芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し構
造単位、芳香族ジオールに由来する繰返し構造単位、
芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し構造単
位を例示することができるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0009】芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し
構造単位:
【0010】
【0011】芳香族ジオールに由来する繰返し構造単
位:
【0012】
【0013】芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する
繰返し構造単位:
【0014】耐熱性、機械的特性、加工性のバランスか
ら特に好ましい液晶ポリエステルは なる繰り返し構造単位を含むものであり、さらに好まし
くはかかる繰り返し構造単位を少なくとも全体の30モ
ル%以上含むものである。具体的には繰り返し構造単位
の組み合わせが下記(I)〜(VI)のいずれかのものが
好ましい。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】該液晶ポリエステル(I)〜(VI)の製法
については、例えば特公昭47−47870号公報、特
公昭63−3888号公報、特公昭63−3891号公
報、特公昭56−18016号公報、特開平2−515
23号公報などに記載されている。これらの中で好まし
くは(I)、(II)、(IV)の組合せであり、さらに好
ましくは(I)、(II)の組み合せが挙げられる。
【0022】本発明における液晶ポリエステル樹脂組成
物において、高い耐熱性が要求される分野には成分
(A)の液晶ポリエステルが、下記の繰り返し単位
(a’)が30〜80モル%、繰り返し単位(b’)が
0〜10モル%、繰り返し単位(c’)が10〜25モ
ル%、繰り返し単位(d’)が10〜35モル%からな
る液晶ポリエステルが好ましく使用される。
【0023】 (式中、Arは2価の芳香族基である。)
【0024】本発明の断熱体用外装フィルムとして、環
境問題の見地から使用後の焼却などの廃棄の容易さが求
められる分野には、ここまで挙げたそれぞれに要求され
る分野の好ましい組み合わせの中で特に炭素、水素、酸
素のみの元素からなる組み合わせによる液晶ポリエステ
ルが特に好ましく使用される。
【0025】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物に用
いられる成分(B)は、液晶ポリエステルと反応性を有
する官能基を有する共重合体である。かかる液晶ポリエ
ステルと反応性を有する官能基としては、液晶ポリエス
テルと反応性を有すれば何でもよく、具体的には、オキ
サゾリル基やエポキシ基、アミノ基等が挙げられる。好
ましくは、エポキシ基である。エポキシ基等は他の官能
基の一部として存在していてもよく、そのような例とし
ては例えばグリシジル基が挙げられる。
【0026】共重合体(B)において、かかる官能基を
共重合体中に導入する方法としては特に限定されるもの
ではなく、周知の方法で行うことができる。例えば共重
合体の合成段階で、該官能基を有する単量体を共重合に
より導入することも可能であるし、共重合体に該官能基
を有する単量体をグラフト共重合することも可能であ
る。
【0027】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
を有する単量体、中でもグリシジル基を含有する単量体
としては、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび
/または不飽和グリシジルエーテルが好ましく用いられ
る。
【0028】不飽和カルボン酸グリシジルエステルは好
ましくは一般式 (Rはエチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜13の
炭化水素基である。)で表される化合物であり、また不
飽和グリシジルエーテルは好ましくは一般式 (Rはエチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜18の
炭化水素基であり、Xは−CH2−O−または である。)で表される化合物である。
【0029】具体的には、不飽和カルボン酸グリシジル
エステルとしては、例えばグリシジルアクリレート、グ
リシジルメタクリレート、イタコン酸ジグリシジルエス
テル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステル、
p−スチレンカルボン酸グリシジルエステルなどを挙げ
ることができる。不飽和グリシジルエーテルとしては、
例えばビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエ
ーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、メタク
リルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエ
ーテル等が例示される。
【0030】上記の液晶ポリエステルと反応性を有する
官能基を有する共重合体(B)は、好ましくは、不飽和
カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽
和グリシジルエーテル単位を0.1〜30重量%含有す
る共重合体である。
【0031】また、上記の液晶ポリエステルと反応性を
有する官能基を有する共重合体(B)は、熱可塑性樹脂
であってもゴムであってもよいし、熱可塑性樹脂とゴム
の混合物であってもよい。該液晶ポリエステル樹脂組成
物を用いて得られるフィルムまたはシート等の成形体の
熱安定性や柔軟性が優れるゴムがより好ましい。
【0032】さらに好ましくは、上記の液晶ポリエステ
ルと反応性を有する官能基を有する共重合体(B)は、
結晶の融解熱量が3J/g未満の共重合体である。また
共重合体(B)としては、ムーニー粘度が3〜70のも
のが好ましく、3〜30のものがさらに好ましく、4〜
25のものが特に好ましい。ここでいうムーニー粘度
は、JIS K6300に準じて100℃ラージロータ
ーを用いて測定した値をいう。これらの範囲外である
と、組成物の熱安定性や柔軟性が低下する場合があり好
ましくない。
【0033】ここでいうゴムとは、新版高分子辞典(高
分子学会編、1988年出版、朝倉書店)による室温に
てゴム弾性を有する高分子物質に該当するものであり、
その具体例としては、天然ゴム、ブタジエン重合体、ブ
タジエン−スチレン共重合体(ランダム共重合体、ブロ
ック共重合体(SEBSゴムまたはSBSゴム等を含
む)、グラフト共重合体などすべて含まれる)又はその
水素添加物、イソプレン重合体、クロロブタジエン重合
体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、イソブチ
レン重合体、イソブチレン−ブタジエン共重合体ゴム、
イソブチレン−イソプレン共重合体、アクリル酸エステ
ル−エチレン系共重合体ゴム、エチレン−プロピレン共
重合体ゴム、エチレン−ブテン共重合体ゴム、エチレン
−プロピレン−スチレン共重合体ゴム、スチレン−イソ
プレン共重合体ゴム、スチレン−ブチレン共重合体、ス
チレン−エチレン−プロピレン共重合体ゴム、パーフル
オロゴム、ふっ素ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴ
ム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジ
エン共重合体ゴム、チオールゴム、多硫化ゴム、ポリウ
レタンゴム、ポリエーテルゴム(例えばポリプロピレン
オキシド等)、エピクロルヒドリンゴム、ポリエステル
エラストマー、ポリアミドエラストマー等が挙げられ
る。中でも、アクリル酸エステル−エチレン系共重合体
が好ましく用いられ、(メタ)アクリル酸エステル−エ
チレン系共重合体ゴムがさらに好ましい。
【0034】これらのゴム様物質は、いかなる製造法
(例えば乳化重合法、溶液重合法等)、いかなる触媒
(例えば過酸化物、トリアルキルアルミニウム、ハロゲ
ン化リチウム、ニッケル系触媒等)でつくられたもので
もよい。
【0035】そして本発明においては、共重合体(B)
としてのゴムは上記のようなゴムにおいて、液晶ポリエ
ステルと反応性を有する官能基を有するゴムである。か
かるゴムにおいて、液晶ポリエステルと反応性を有する
官能基をゴム中に導入する方法としては、特に限定され
るものではなく、周知の方法で行うことができる。例え
ばゴムの合成段階で、該官能基を有する単量体を共重合
により導入することも可能であるし、ゴムに該官能基を
有する単量体をグラフト共重合することも可能である。
【0036】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
を有する共重合体(B)の具体例として、エポキシ基を
有するゴムとしては、(メタ)アクリル酸エステル−エ
チレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび
/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムを挙
げることができる。
【0037】ここで(メタ)アクリル酸エステルとは、
アクリル酸またはメタクリル酸とアルコールから得られ
るエステルである。アルコールとしては、炭素原子数1
〜8のアルコールが好ましい。(メタ)アクリル酸エス
テルの具体例としては、メチルアクリレート、メチルメ
タクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメ
タクリレート、tert−ブチルアクリレート、ter
t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどを挙げ
ることができる。なお、(メタ)アクリル酸エステルと
しては、その一種を単独で使用してもよく、または二種
以上を併用してもよい。
【0038】好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル
単位が40重量%をこえ97重量%未満、さらに好まし
くは45〜70重量%、エチレン単位が3重量%以上5
0重量%未満、さらに好ましくは10〜49重量%、不
飽和カルボン酸グリシジルエーテル単位および/または
不飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜30重量%、
さらに好ましくは0.5〜20重量%である。上記の範
囲外であると、得られるフィルムまたはシート等の成形
体の熱安定性や機械的性質が不十分となる場合があり、
好ましくない。
【0039】該共重合体ゴムは、通常の方法、例えばフ
リーラジカル開始剤による塊状重合、乳化重合、溶液重
合などによって製造することができる。なお、代表的な
重合方法は、特公昭46−45085号公報、特公昭6
1−127709号公報などに記載された方法、フリー
ラジカルを生成する重合開始剤の存在下、圧力500k
g/cm2以上、温度40〜300℃の条件により製造
することができる。
【0040】本発明の共重合体(B)に使用できるゴム
として他には、液晶ポリエステルと反応性を有する官能
基を有するアクリルゴムや、液晶ポリエステルと反応性
を有する官能基を有するビニル芳香族炭化水素化合物−
共役ジエン化合物ブロック共重合体ゴムも例示すること
ができる。
【0041】ここでいうアクリルゴムとして好ましく
は、一般式(1) (式中、R1は炭素原子数1〜18のアルキル基または
シアノアルキル基を示す。)、一般式(2) (式中、R2は炭素原子数1〜12のアルキレン基、R3
は炭素原子数1〜12のアルキル基を示す。)、および
一般式(3) (式中、R4は水素原子またはメチル基、R5炭素原子数
3〜30のアルキレン基、R6は炭素原子数1〜20の
アルキル基またはその誘導体、nは1〜20の整数を示
す。)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の
単量体を主成分とするものである。
【0042】上記一般式(1)で表されるアクリル酸ア
ルキルエステルの具体例としては、例えばメチルアクリ
レート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、
ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシル
アクリレート、アクチルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリ
レート、ドデシルアクリレート、シアノエチルアクリレ
ートなどを挙げることができる。
【0043】また、上記一般式(2)で表されるアクリ
ル酸アルコキシアルキルエステルとしては、例えばメト
キシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレー
ト、ブトキシエチルアクリレート、エトキシプロピルア
クリレートなどを挙げることができる。これらの1種あ
るいは2種以上を該アクリルゴムの主成分として用いる
ことができる。
【0044】かかるアクリルゴムの構成成分として、必
要に応じて上記の一般式(1)〜(3)で表される化合
物から選ばれる少なくとも一種の単量体と共重合可能な
不飽和単量体を用いることができる。このような不飽和
単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、
アクリロニトリル、ハロゲン化スチレン、メタクリロニ
トリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルナ
フタレン、N−メチロールアクリルアミド、酢酸ビニ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ベンジルアクリレー
ト、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸
などが挙げられる。
【0045】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
を有するアクリルゴムの好ましい構成成分比は、上記の
一般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少
なくとも一種の単量体40.0〜99.9重量%、不飽
和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和
グリシジルエーテル0.1〜30.0重量%、上記の一
般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少な
くとも一種の単量体と共重合可能な不飽和単量体0.0
〜30.0重量%である。該アクリルゴムの構成成分比
が上記の範囲内であると、組成物の耐熱性や耐衝撃性、
成形加工性が良好であり好ましい。
【0046】該アクリルゴムの製法は特に限定するもの
ではなく、例えば特開昭59−113010号公報、特
開昭62−64809号公報、特開平3−160008
号公報、あるいはWO95/04764などに記載され
ているような周知の重合法を用いることができ、ラジカ
ル開始剤の存在下で乳化重合、懸濁重合、溶液重合ある
いはバルク重合で製造することができる。
【0047】前記液晶ポリエステルと反応性を有する官
能基を有するビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン
化合物ブロック共重合体ゴムとして好ましくは、(a)
ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とするシーケンスと
(b)共役ジエン化合物を主体とするシーケンスからな
るブロック共重合体をエポキシ化して得られるゴム、ま
たは該ブロック共重合体の水添物をエポキシ化して得ら
れるゴムである。
【0048】ビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン
化合物ブロック共重合体あるいはその水添物は、周知の
方法で製造することができ、例えば、特公昭40−23
798号公報、特開昭59−133203号公報等に記
載されている。
【0049】芳香族炭化水素化合物としては、例えば、
スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、α−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルナフタレン
などを挙げることができ、中でもスチレンが好ましい。
共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソ
プレン、ピレリレン、1,3−ペンタジエン、3−ブチ
ル−1,3−オクタジエンなどを挙げることができ、ブ
タジエンまたはイソプレンが好ましい。
【0050】共重合体(B)として用いるゴムとして好
ましくは、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−
(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または
不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムが用いられ
る。
【0051】共重合体(B)として用いるゴムは、必要
に応じて加硫を行い、加硫ゴムとして用いることができ
る。上記の(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−
(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または
不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムの加硫は、多
官能性有機酸、多官能性アミン化合物、イミダゾール化
合物などを用いることで達成されるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0052】また、液晶ポリエステルと反応性を有する
官能基を有する共重合体(B)の具体例として、エポキ
シ基を有する熱可塑性樹脂としては(a)エチレン単位
が50〜99重量%、(b)不飽和カルボン酸グリシジ
ルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテ
ル単位が0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20
重量%、(c)エチレン系不飽和エステル化合物単位が
0〜50重量%からなるエポキシ基含有エチレン共重合
体を挙げることができる。
【0053】エチレン系不飽和エステル化合物(c)と
しては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル等のカルボン酸ビニルエステル、α,β−不飽和カル
ボン酸アルキルエステル等が挙げられる。特に酢酸ビニ
ル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好ましい。
【0054】該エポキシ基含有エチレン共重合体の具体
例としては、たとえばエチレン単位とグリシジルメタク
リレート単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシ
ジルメタクリレート単位およびアクリル酸メチル単位か
らなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリレ
ート単位およびアクリル酸エチル単位からなる共重合
体、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位およ
び酢酸ビニル単位からなる共重合体等が挙げられる。
【0055】該エポキシ基含有エチレン共重合体のメル
トインデックス(以下、MFRということがある。JI
S K6760、190℃、2.16kg荷重)は、好
ましくは0.5〜100g/10分、更に好ましくは2
〜50g/10分である。メルトインデックスはこの範
囲外であってもよいが、メルトインデックスが100g
/10分を越えると組成物にした時の機械的物性の点で
好ましくなく、0.5g/10分未満では成分(A)の
液晶ポリエステルとの相溶性が劣り好ましくない。
【0056】また、該エポキシ基含有エチレン共重合体
は、曲げ剛性率が10〜1300kg/cm2の範囲の
ものが好ましく、20〜1100kg/cm2のものが
さらに好ましい。曲げ剛性率がこの範囲外であると組成
物の成形加工性や機械的性質が不十分となる場合があり
好ましくない。
【0057】該エポキシ基含有エチレン共重合体は、通
常不飽和エポキシ化合物とエチレンをラジカル発生剤の
存在下、500〜4000気圧、100〜300℃で適
当な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存在下に共重合
させる高圧ラジカル重合法により製造される。また、ポ
リエチレンに不飽和エポキシ化合物およびラジカル発生
剤を混合し、押出機の中で溶融グラフト共重合させる方
法によっても作られる。
【0058】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、
上記の液晶ポリエステルを含有する樹脂組成物であり、
(A)液晶ポリエステルを連続相とし(B)液晶ポリエ
ステルと反応性を有する官能基を有する共重合体を分散
相とする樹脂組成物である。液晶ポリエステルが連続相
でない場合には、液晶ポリエステル樹脂組成物を用いて
なるフィルムまたはシート等の成形体のガスバリア性、
耐熱性などが著しく低下し、好ましくない。
【0059】このような官能基を有する共重合体と液晶
ポリエステルとの樹脂組成物においては、機構の詳細は
不明ではあるが、該組成物の成分(A)と成分(B)と
の間で反応が生起し、成分(A)が連続相を形成すると
ともに成分(B)が微細分散し、そのために該組成物の
成形性が向上するものと考えられる。
【0060】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物の一
実施態様は、(A)液晶ポリエステル56.0〜99.
9重量%、好ましくは65.0〜99.9重量%、さら
に好ましくは70〜98重量%、および(B)液晶ポリ
エステルと反応性を有する官能基を有する共重合体4
4.0〜0.1重量%、好ましくは35.0〜0.1重
量%、さらに好ましくは30〜2重量%を含有する樹脂
組成物である。成分(A)が56.0重量%未満である
と該組成物から得られるフィルムまたはシート等の成形
体のガスバリア性、耐熱性が低下する場合があり好まし
くない。また成分(A)が99.9重量%を超えると該
組成物の成形加工性が低下する場合があり、また価格的
にも高価なものとなり好ましくない。
【0061】本発明における液晶ポリエステル樹脂組成
物を製造する方法としては周知の方法を用いることがで
きる。たとえば、溶液状態で各成分を混合し、溶剤を蒸
発させるか、溶剤中に沈殿させる方法が挙げられる。工
業的見地からみると溶融状態で各成分を混練する方法が
好ましい。溶融混練には一般に使用されている一軸また
は二軸の押出機、各種のニーダー等の混練装置を用いる
ことができる。特に二軸の高混練機が好ましい。溶融混
練に際しては、混練装置のシリンダー設定温度は200
〜360℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは230
〜350℃である。
【0062】混練に際しては、各成分は予めタンブラー
もしくはヘンシェルミキサーのような装置で各成分を均
一に混合してもよいし、必要な場合には混合を省き、混
練装置にそれぞれ別個に定量供給する方法も用いること
ができる。
【0063】本発明に使用する液晶ポリエステル樹脂組
成物においては、所望により無機充填剤が用いられる。
このような無機充填剤としては、炭酸カルシウム、タル
ク、クレー、シリカ、炭酸マグネシウム、硫酸バリウ
ム、酸化チタン、アルミナ、石膏、ガラスフレーク、ガ
ラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊
維、ホウ酸アルミニウムウィスカ、チタン酸カリウム繊
維等が例示される。
【0064】本発明に使用する液晶ポリエステル樹脂組
成物に、必要に応じて、さらに、有機充填剤、酸化防止
剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、
無機または有機系着色剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍
光剤、表面平滑剤、表面光沢改良剤、フッ素樹脂などの
離型改良剤などの各種の添加剤を製造工程中あるいはそ
の後の加工工程において添加することができる。
【0065】本発明の断熱体用外装フィルムは、上記の
液晶ポリエステル樹脂組成物を用いてなるものである。
本発明における液晶ポリエステル樹脂組成物を用いてな
るフィルムの厚みには特に制限はないが、好ましくは3
〜500μm、さらに好ましくは3〜200μmであ
る。
【0066】本発明の断熱体用外装フィルムとしては、
上記の液晶ポリエステル樹脂組成物を含有する層と、熱
可塑性樹脂(該液晶ポリエステル及び該液晶ポリエステ
ル樹脂組成物を除く。)からなる層とを有する積層フィ
ルムを使用することもできる。かかる熱可塑性樹脂とし
ては、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリエステル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリ
フェニレンエーテル、ポリエーテルサルホン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリフェニレンサルファイド、フッ素樹脂、ア
クリル樹脂から選ばれる少なくとも一種を含有するもの
であることが好ましい。中でもポリオレフィン、ポリエ
ステル、ポリアミドの少なくとも一種を含有するものが
好ましい。
【0067】ここでいうポリオレフィンとしては、炭素
数2〜20個からなるオレフィン、ジオレフィン等の単
独重合体または共重合体を使用できる。オレフィン、ジ
オレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレン、
ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−
1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ヘキサデ
セン−1、エイコセン−1,4−メチルペンテン−1,
5−メチル−2−ペンテン−1等が例示される。かかる
ポリオレフィンの具体例としては、低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−
ブテン、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン/ブ
テン−1共重合体、エチレン/4−メチルペンテン−1
共重合体、エチレン/ヘキセン−1共重合体、プロピレ
ン/エチレン共重合体、プロピレン/ブテン−1共重合
体などを挙げることができる。
【0068】また、ここでいうポリエステルとしては、
例えば2価のカルボン酸と2価のアルコールとの重縮合
体等が挙げられ、その場合好ましくは、芳香族ジカルボ
ン酸とアルキレングリコールの重縮合体である。そのよ
うなポリエステルの具体例としてはポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレートなどを挙げるこ
とができる。
【0069】また、ポリアミドとしては、例えば2価の
カルボン酸と2価のアミンとの重縮合体やアミノカルボ
ン酸の重縮合体等が挙げられ、そのようなポリアミドの
具体例としては、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリ
アミド11、ポリアミド6−6、ポリアミド6−12、
ポリアミドMXD6などが挙げられる。
【0070】これらの熱可塑性樹脂の中ではポリオレフ
ィンが好ましい。該ポリオレフィンとしてはポリエチレ
ンが好ましく、低密度ポリエチレンがさらに好ましい。
該熱可塑性樹脂層の厚みは特に制限するものではない
が、5〜1000μmの範囲が好ましい。該熱可塑性樹
脂層と該液晶ポリエステル樹脂を含有する層とは、熱プ
レスなどの方法により接着させることができる。
【0071】本発明における液晶ポリエステル樹脂組成
物層や熱可塑性樹脂層の表面を必要に応じて表面処理を
施すことができる。このような表面処理法としては、例
えばコロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、スパッ
タリング処理、溶剤処理、紫外線処理、研磨処理、赤外
線処理、オゾン処理などが挙げられる。
【0072】本発明の断熱体は、上記の外装フィルムを
用いてなるものであり、内部は中空であってもよいが、
内部にコア材を包み込む形で該外装フィルムを用いてな
る形態が好ましい。本発明の断熱体は、その内部を真空
引きし、次に開口部を封止することにより断熱効果を高
めて用いることができる。
【0073】ここでいうコア材としては内部に連続気泡
を有する高分子、あるいは無機物や金属の微粉末が好ま
しく用いられ、断熱体内部を真空引きしても形状を保た
せるといった機能を有する。断熱体内部を真空引きし、
開口部を封止して用いるにあたり、コア材の高分子が気
泡を有していない、あるいは独立気泡を有するものであ
ると、断熱体の断熱効果が低減し好ましくない。
【0074】本発明におけるコア材としては、具体的に
はアルミナ、シリカ、パーライトなどの微粉末、ケイ酸
カルシウム成形体、連続気泡を有するウレタンフォー
ム、カーボンフォーム、フェノールフォーム、フェノー
ルーウレタンフォームなどを挙げることができる。なか
でも連続気泡を有する高分子が好ましく用いられる。
【0075】本発明の断熱体の大きさ、形状は特に限定
するものではなく、目的に応じて決めることができる。
【0076】本発明の断熱体を製造する方法は、特に制
限するものではなく、例えばインフレーション成膜法、
あるいはTダイ押し出し法などにより得られた液晶ポリ
エステル樹脂組成物フィルム、あるいは該組成物フィル
ムと熱可塑性樹脂フィルムとの積層フィルムを所定のサ
イズ、形状に切り取り、コア材を包み込む形で、周囲を
接着剤を使用して接着または融着し、開口部から内部を
真空引きを行う。然る後に開口部を封止して断熱体を得
ることができる。
【0077】各部位の融着、接合の方法は特に限定する
ものではなく、周知の方法で行うことができ、例えばヒ
ートシール、超音波シール、ホットエアーシール、圧着
などの方法を用いることができる。また用途によっては
ブロー成形により液晶ポリエステル樹脂組成物からなる
外装材を成形したのち内部を真空引きし、開口部を封止
して得られる断熱体を用いることができる。
【0078】本発明の断熱体は、外装フィルムが軽量で
耐熱性、ガスバリア性などに優れ、断熱効果が大きく、
安価である。また、廃棄、燃焼時においてもハロゲン含
有ガスを発生させることも、灰分が残ることもないもの
も得ることができる。
【0079】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、こ
れらは単なる例示であり、本発明はこれらに限定される
ことはない。
【0080】(1)成分(A)の液晶ポリエステル (i)p−アセトキシ安息香酸8.3kg(60モ
ル)、テレフタル酸2.49kg(15モル)、イソフ
タル酸0.83kg(5モル)および4,4’−ジアセ
トキシジフェニル5.45kg(20.2モル)を櫛型
撹拌翼をもつ重合槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌
しながら昇温し330℃で1時間重合させた。この間に
副生する酢酸ガスを冷却管で液化し回収、除去しなが
ら、強力な撹拌下で重合させた。その後、系を徐々に冷
却し、200℃で得られたポリマーを系外へ取出した。
この得られたポリマーを細川ミクロン(株)製のハンマ
ーミルで粉砕し、2.5mm以下の粒子とした。これを
更にロータリーキルン中で窒素ガス雰囲気下に280℃
で3時間処理することによって、流動温度が324℃の
粒子状の下記の繰り返し構造単位からなる全芳香族ポリ
エステルを得た。ここで、流動温度とは、島津社製高化
式フローテスターCFT−500型を用いて、4℃/分
の昇温速度で加熱された樹脂を、荷重100kgf/c
2のもとで、内径1mm、長さ10mmのノズルから
押し出すときに、溶融粘度が48000ポイズを示す温
度のことをいう。以下該液晶ポリエステルをA−1と略
記する。このポリマーは加圧下で340℃以上で光学異
方性を示した。液晶ポリエステルA−1の繰り返し構造
単位は、次の通りである。
【0081】
【0082】(ii)p−ヒドロキシ安息香酸16.6k
g(12.1モル)と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
8.4kg(4.5モル)および無水酢酸18.6kg
(18.2モル)を櫛型撹拌翼付きの重合槽に仕込み、
窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら昇温し、320℃で1
時間、そしてさらに2.0torrの減圧下に320℃
で1時間重合させた。この間に、副生する酢酸を系外へ
留出し続けた。その後、系を除々に冷却し、180℃で
得られたポリマーを系外へ取出した。この得られたポリ
マーを前記の(A−1)と同様に粉砕したあと、ロータ
リーキルン中で窒素ガス雰囲気下に240℃で5時間処
理することによって、流動温度が270℃の粒子状の下
記の繰り返し単位からなる全芳香族ポリエステルを得
た。以下該液晶ポリエステルをA−2と略記する。この
ポリマーは加圧下で280℃以上で光学異方性を示し
た。液晶ポリエステルA−2の繰り返し構造単位の比率
は次の通りである。
【0083】
【0084】(2)成分(B) (i)特開昭61−127709号公報の実施例5に記
載の方法に準じて、アクリル酸メチル/エチレン/グリ
シジルメタクリレート=59.0/38.7/2.3
(重量比)、ムーニー粘度=15、結晶の融解熱量<1
J/gのゴムを得た。以下該ゴムをB−1と略称するこ
とがある。ここでムーニー粘度は、JIS K6300
に準じて100℃、ラージローターを用いて測定した値
である。また結晶の融解熱量は、DSCを使用し、試料
を−150℃から100℃まで20℃/分で昇温して求
めた。
【0085】(ii)住友化学工業(株)製、ボンドファ
ースト20Mを用いた。 エチレン/アクリル酸メチル/グリシジルメタクリレー
ト=64/6/30(重量比)共重合体(MFR=20
g/10min) 以下、該共重合体をB−2と略称することがある。
【0086】(3)積層材料の物性測定法 (i)ガス透過率:得られたフィルムに関し、以下の要
領で測定を行った。 酸素ガス透過率:JIS K7126 A法(差圧法)
に従って、温度20℃で酸素ガスを用いて測定した。単
位はcc/m2・24hr・1atmである。 水蒸気透過率:JIS Z0208(カップ法)に従っ
て、温度40℃、相対湿度90%の条件で測定した。単
位はg/m2・24hr・1atmである。
【0087】(ii)屈曲試験:得られたフィルムに関
し、東洋精機(株)製MIT屈曲試験機 Folding Endur
ance Tester MIT-D型を使用し、JIS−p−8115
に基づいて、荷重1Kgf、折り曲げ角135度、折り
曲げ曲面半径1mm、折り曲げ速度175回/minで
屈曲試験を行い、積層材料が破断するまでの屈曲回数を
求めた。
【0088】(iii)熱伝導率:断熱材容器の熱伝導率は
真空理工(株)製 Kマチック熱伝導率測定器を使用し
て、該容器内を真空引きした直後、および10日経過後
での25℃で測定した値を求めた。
【0089】参考例1 A−1 79重量%、B−1 21重量%を日本製鋼
(株)製TEX−30型二軸押出機を用いてシリンダー
設定温度350℃、スクリュー回転数200rpmで溶
融混練を行って組成物を得た。この組成物のペレットを
円筒ダイを備えた60mmφの単軸押出機に供給して、
シリンダー設定温度350℃、回転数60rpmで溶融
混練し、直径50mm、リップ間隔1.0mm、ダイ設
定温度355℃の円筒ダイから上方へ溶融樹脂を押出
し、その際この筒状フィルムの中空部へ乾燥空気を圧入
して筒状フィルムを膨張させ、次に冷却させたのちニッ
プロールに通して引取速度20m/minで引取り、液
晶ポリエステル樹脂組成物フィルムを得た。この際フィ
ルムMD方向の延伸倍率は3.6、ブロー比は3.5、
フィルム厚みは33μmであった。以下該フィルムをg
−1と略称することがある。g−1の酸素透過度は0.
5cc/m2・24hr・1atm、水蒸気透過度は
0.2g/m2・24hr・1atmであった。また屈
曲試験結果は>100000回であった。
【0090】参考例2 A−2 91重量%、B−2 9重量%を用い、シリン
ダー設定温度を298℃とした外は参考例1と同様にし
て溶融混練を行い組成物を得た。次いでシリンダー設定
温度を290℃、ダイ設定温度を293℃、引き取り速
度を20m/minとした以外は参考例1と同様にして
成膜を行いフィルムを得た。この際フィルムMD方向の
延伸倍率は5.1、ブロー比は3.6、得られたフィル
ムの厚みは29μmであった。以下該フィルムをg−2
と略称することがある。g−2の酸素透過度は0.4c
c/m2・24hr・1atm 、水蒸気透過度は0.3
g/m2・24hr・1atmであった。また屈曲試験
結果は >100000回であった。
【0091】実施例1 参考例1で得られた液晶ポリエステル樹脂組成物フィル
ムg−1を、容器サイズが20×20×5(cm3)と
なるよう所定の大きさに切り抜き、内部のコア材を連続
気泡を有するポリウレタンとし、該ポリウレタンをg−
1で覆い、g−1フィルム端面同士を超音波融着した
後、真空引きして、開口部を熱圧着法で封止すること
で、図1に示した断面図の断熱材容器を得ることができ
た。得られた断熱材容器の開口部を封止した直後の熱伝
導率は0.0047W/mKであり、10日後の熱伝導
率は0.0047W/mKであった。
【0092】実施例2 液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムg−2の片面に東
洋モートン(株)製二液硬化型ポリウレタン系接着剤A
D−315を塗布し、塗布面上にカイト化学工業(株)
製の厚さ35μmのポリエチレンフィルム M−5を重
ねた後、加圧熱プレス法により積層フィルムを得た。得
られた積層フィルムを、容器サイズが20×20×5
(cm3)となるよう所定の大きさに切り抜き、内部の
コア材を連続気泡を有するフェノールフォームとし、該
フェノールフォームを該積層フィルムで覆い、端面では
該積層フィルム内面のM−5同士を熱融着させることで
容器を製造した。この容器内を真空引きしたのち、開口
部を熱圧着法で封止することで、図2に示した断面図の
断熱材容器を得ることができた。得られた断熱材容器の
開口部を封止した直後の熱伝導率は0.0055W/m
Kであり、10日後の熱伝導率は0.0056W/mK
であった。
【0093】
【発明の効果】本発明で得られる断熱体用外装フィルム
は、耐熱性、ガスバリア性に優れ、耐屈曲性も良好であ
り、しかも燃焼しても灰分が残らないものも得ることが
でき、断熱効果が大きく、軽量で安価であることから、
これを用いてなる真空断熱体は、冷蔵庫、冷凍庫などの
壁面、扉、低温用コンテナ、レジャー用クーラー、低温
流体移送用導管、あるいはプラント機器用断熱体として
産業界に幅広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明における断熱体の断面図の一例
である。本図の真空断熱体は、本発明の実施態様の一例
であり、本発明は何らこれに限定されるものではない。
【図2】図2は、本発明における断熱体の断面図の一例
である。本図の真空断熱体は、本発明の実施態様の一例
であり、本発明は何らこれに限定されるものではない。
【符号の説明】
1・・・液晶ポリエステル樹脂組成物フィルム 2・・・液晶ポリエステル樹脂組成物フィルム 3・・・ポリウレタン 4・・・フェノールフォーム 5・・・ポリエチレンフィルム 6・・・ポリエチレンフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16L 59/02 F16L 59/02 F25D 23/06 F25D 23/06 V // C08L 87/00 C08L 87/00 (C08L 67/00 101:02)

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)液晶ポリエステルを連続相とし
    (B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有す
    る共重合体を分散相とする液晶ポリエステル樹脂組成物
    を用いてなることを特徴とする断熱体用外装フィルム。
  2. 【請求項2】(A)液晶ポリエステルを連続相とし
    (B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有す
    る共重合体を分散相とする液晶ポリエステル樹脂組成物
    を含有する層と、熱可塑性樹脂(該液晶ポリエステル及
    び該液晶ポリエステル樹脂組成物を除く。)からなる層
    とを有する積層フィルムよりなることを特徴とする断熱
    体用外装フィルム。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン、ポリス
    チレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアセタ
    ール、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエー
    テルサルホン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩
    化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフェニレンサルフ
    ァイド、フッ素樹脂、アクリル樹脂から選ばれる少なく
    とも一種を含有するものであることを特徴とする請求項
    2記載の断熱体用外装フィルム。
  4. 【請求項4】液晶ポリエステル樹脂組成物が、(A)液
    晶ポリエステル56.0〜99.9重量%、および
    (B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有す
    る共重合体44.0〜0.1重量%を含有する組成物で
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    断熱体用外装フィルム。
  5. 【請求項5】液晶ポリエステル樹脂組成物が、(A)液
    晶ポリエステル56.0〜99.9重量%、および
    (B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有す
    る共重合体44.0〜0.1重量%を溶融混練して得ら
    れる組成物であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の断熱体用外装フィルム。
  6. 【請求項6】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
    が、オキサゾリル基、エポキシ基またはアミノ基である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の断熱
    体用外装フィルム。
  7. 【請求項7】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
    が、エポキシ基であることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれかに記載の断熱体用外装フィルム。
  8. 【請求項8】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
    を有する共重合体(B)が、不飽和カルボン酸グリシジ
    ルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテ
    ル単位を0.1〜30重量%含有する共重合体であるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の断熱体
    用外装フィルム。
  9. 【請求項9】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
    を有する共重合体(B)が、結晶の融解熱量が3J/g
    未満の共重合体であることを特徴とする請求項1〜8の
    いずれかに記載の断熱体用外装フィルム。
  10. 【請求項10】液晶ポリエステルと反応性を有する官能
    基を有する共重合体(B)のムーニー粘度が、3〜70
    の範囲であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか
    に記載の断熱体用外装フィルム。ここでいうムーニー粘
    度は、JIS K6300に準じて100℃でラージロ
    ータを用いて測定した値をいう。
  11. 【請求項11】液晶ポリエステルと反応性を有する官能
    基を有する共重合体(B)が、エポキシ基を有するゴム
    であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記
    載の断熱体用外装フィルム。
  12. 【請求項12】エポキシ基を有するゴムが、(メタ)ア
    クリル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン酸グリ
    シジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテ
    ル)共重合体ゴムからなることを特徴とする請求項11
    記載の断熱体用外装フィルム。
  13. 【請求項13】エポキシ基を有するゴムが、(メタ)ア
    クリル酸エステル単位が40重量%をこえ97重量%未
    満、エチレン単位が3重量%以上50重量%未満、不飽
    和カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不
    飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜30重量%より
    なる共重合体であることを特徴とする請求項11記載の
    断熱体用外装フィルム。
  14. 【請求項14】(メタ)アクリル酸エステルが、メチル
    アクリレート、メチルメタクリレート、n−ブチルアク
    リレート、n−ブチルメタクリレート、tert−ブチ
    ルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、2
    −エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメ
    タクリレートから選ばれる少なくとも1種を含むもので
    あることを特徴とする請求項12または13記載の断熱
    体用外装フィルム。
  15. 【請求項15】液晶ポリエステルと反応性を有する官能
    基を有する共重合体(B)が、エポキシ基を有する熱可
    塑性樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載の断熱体用外装フィルム。
  16. 【請求項16】エポキシ基を有する熱可塑性樹脂が、
    (a)エチレン単位が50〜99重量%、(b)不飽和
    カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽
    和グリシジルエーテル単位が0.1〜30重量%、
    (c)エチレン系不飽和エステル化合物単位が0〜50
    重量%からなるエポキシ基含有エチレン共重合体である
    ことを特徴とする請求項15記載の断熱体用外装フィル
    ム。
  17. 【請求項17】液晶ポリエステル(A)が、下記の繰り
    返し構造単位を少なくとも全体の30モル%含むもので
    あることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載
    の断熱体用外装フィルム。
  18. 【請求項18】液晶ポリエステル(A)が、芳香族ジカ
    ルボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒドロキシカルボン
    酸とを反応させて得られるものであることを特徴とする
    請求項1〜16のいずれかに記載の断熱体用外装フィル
    ム。
  19. 【請求項19】液晶ポリエステル(A)が、異種の芳香
    族ヒドロキシカルボン酸の組合せを反応させて得られる
    ものであることを特徴とする請求項1〜16のいずれか
    に記載の断熱体用外装フィルム。
  20. 【請求項20】請求項1〜19のいずれかに記載の断熱
    体用外装フィルムを用いてなることを特徴とする真空断
    熱体。
  21. 【請求項21】請求項1〜19のいずれかに記載の断熱
    体用外装フィルムを所定のサイズ、形状に切り取り、コ
    ア材を包み込む形で、周囲を接着または融着し、開口部
    から内部を真空引きしたのち、開口部を封止して得られ
    ることを特徴とする真空断熱体。
  22. 【請求項22】コア材が、発泡樹脂からなることを特徴
    とする請求項21記載の真空断熱体。
JP9231086A 1997-08-27 1997-08-27 断熱体用外装フィルムおよびそれを用いてなる真空断熱体 Pending JPH1160758A (ja)

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