JP2000135768A - 容器蓋材 - Google Patents

容器蓋材

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JP2000135768A
JP2000135768A JP10311941A JP31194198A JP2000135768A JP 2000135768 A JP2000135768 A JP 2000135768A JP 10311941 A JP10311941 A JP 10311941A JP 31194198 A JP31194198 A JP 31194198A JP 2000135768 A JP2000135768 A JP 2000135768A
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liquid crystal
copolymer
crystal polyester
lid material
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Motonobu Furuta
元信 古田
Tozo Yamaguchi
登造 山口
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバリア性、保形性、紫外線遮蔽性、耐熱
性などに優れ、軽量で、用済み後の後処理が容易な容器
蓋材を提供すること。 【解決手段】 溶融時に光学的異方性を示す液晶性ポリ
マーからなる層と、紙からなる層とが積層してなる積層
フィルムからなる容器蓋材、ならびに、溶融時に光学的
異方性を示す液晶性ポリマーからなる層と、紙からなる
層と、熱可塑性樹脂(該液晶性ポリマーを除く。)から
なる層とが積層してなる積層フィルムからなる容器蓋
材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は容器の蓋材に関する
ものである。さらに詳しくは本発明は、包装容器のフラ
ンジ部などにヒートシールされ、内容物を取り出す際な
どには剥す、容器蓋材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、カップメンなどの即席食品、果
汁、ヨーグルトなどの乳製品、ゼリー、清涼飲料水、シ
ロップ、スープ、コーヒー、ココア、コーヒー用クリー
ムなど各種飲食品用容器の容器蓋材としてアルミ箔、樹
脂フィルム、あるいは紙などが使用されてきた。
【0003】しかしながら該容器蓋材としてアルミ箔を
用いた場合には、容器蓋材が重い、製品の品質管理の
際、製造工程で金属探知器が適用できない、製品の電子
レンジ加熱ができない、容器使用後の燃焼時に灰分が発
生するなどの問題点が市場から指摘されている。
【0004】一方、樹脂フィルムを該容器蓋材として用
いた場合には、容器蓋材のガスバリア性が不十分であ
る、あるいは、通常はガスバリア性があっても、高温下
あるいは高湿度下ではガスバリア性が著しく低下する、
遮光性が不十分であるなどの問題が生じ、そのため、内
容物がもれたり腐食するなどの問題が市場から指摘され
ている。
【0005】また、樹脂フィルムを容器蓋材に使用した
場合、蓋を途中まで開封する際に、蓋を開いた状態で保
持する性能である保形性が不十分であるとも市場から指
摘されている。塩化ビニル、塩化ビニリデンなどを容器
蓋材に使用した場合にはその燃焼時に塩素を含有するガ
スが発生するのも問題であった。
【0006】紙を該容器蓋材として使用した際には、ガ
スバリア性や強度、防水性などが極めて不十分であり、
内容物のもれや腐食などが生じるなどの問題点が市場か
ら指摘されている。
【0007】例えば、特開平6−156531号公報に
は延伸ポリエチレン層と紙層との積層フィルムからなる
容器蓋材が開示されているが、ガスバリア性などは不十
分である。特開平6−247467号公報には金属蒸着
または金属顔料により構成された層とナイロン層、およ
びヒートシール層との積層フィルムからなる容器蓋材が
開示されているが、容器蓋材として重く、ガスバリア性
も十分ではない、燃焼時に灰分が発生するなどの問題が
ある。また、特開平7−137216号公報には変性ポ
リオレフィン層とポリエステル層とのラミフィルムから
なる容器蓋材に関して開示されているがガスバリア性、
保形性、紫外線遮光性などは不十分である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況下、本発明
が解決しようとする課題、即ち本発明の目的は、ガスバ
リア性、保形性、紫外線遮蔽性、耐熱性などに優れ、軽
量で、用済み後の後処理が容易な容器蓋材を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な問題を解決すべく鋭意検討を続け本発明に到達した。
即ち本発明は、溶融時に光学的異方性を示す液晶性ポリ
マーからなる層と、紙からなる層とが積層してなる積層
フィルムからなる容器蓋材、ならびに、溶融時に光学的
異方性を示す液晶性ポリマーからなる層と、紙からなる
層と、熱可塑性樹脂(該液晶性ポリマーを除く。)から
なる層とが積層してなる積層フィルムからなる容器蓋材
に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明の容器蓋材に用いられる紙としては特に限定
するものではないが、例えば、純白ロール紙、クラフト
紙、ミルクカートン紙、グラビア用紙、クレーコート
紙、一般上質紙、白ボール、マニラボール、チップボー
ル、ライナー、厚紙、和紙などを挙げることができる。
好ましくは、純白ロール紙、クラフト紙、またはマニラ
ボールである。
【0011】本発明においてかかる紙からなる層の厚み
は、特に制限するものではなく、目的に応じて紙層の厚
みを変えることができるが、厚みが5〜10000μm
の範囲のものが好ましく用いられる。
【0012】本発明で用いる溶融時に光学的異方性を示
す液晶性ポリマーは種々知られており、例えば全芳香族
系もしくは半芳香族系のポリエステル、ポリエステルイ
ミド、ポリエステルアミドなどや、それらを含有する樹
脂組成物などが挙げられる。本発明においては、かかる
液晶性ポリマーとして好ましくは液晶ポリエステルまた
は液晶ポリエステルを一成分として用いてなる組成物が
用いられるが、成形加工性、得られるフィルムの性能の
点から、本発明においては(A)液晶ポリエステルを連
続相とし(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能
基を有する共重合体を分散相とする液晶ポリエステル樹
脂組成物を用いることがさらに好ましい。
【0013】ここでいう液晶ポリエステルは、サーモト
ロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルである。
具体的には、 (1)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸とを反応させて得られるもの。 (2)異種の芳香族ヒドロシカルボン酸の組み合わせを
反応させて得られるもの。 (3)芳香族ジカルボン酸と核置換芳香族ジオールとを
反応させて得られるもの。 (4)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル
に芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させて得られるも
の。などが挙げられ、400℃以下の温度で異方性溶融
体を形成するものが好ましい。なお、これらの芳香族ジ
カルボン酸、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロキシカル
ボン酸の代わりに、それらのエステル誘導体が使用され
ることもある。
【0014】該液晶ポリエステルの繰返し構造単位とし
ては、下記の芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し構
造単位、芳香族ジオールに由来する繰返し構造単位、
芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し構造単
位を例示することができるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0015】芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し
構造単位:
【0016】
【0017】芳香族ジオールに由来する繰返し構造単
位:
【0018】
【0019】芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する
繰返し構造単位:
【0020】耐熱性、機械的特性、加工性のバランスか
ら特に好ましい液晶ポリエステルは なる繰り返し構造単位を含むものであり、さらに好まし
くは該繰り返し構造単位を少なくとも全体の30モル%
以上含むものである。具体的には繰り返し構造単位の組
み合わせが下記(I)〜(VI)のいずれかのものが好ま
しい。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】該液晶ポリエステル(I)〜(VI)の製法
については、例えば特公昭47−47870号公報、特
公昭63−3888号公報、特公昭63−3891号公
報、特公昭56−18016号公報、特開平2−515
23号公報などに記載されている。これらの中で好まし
くは(I)、(II)または(IV)の組合せであり、さら
に好ましくは(I)または(II)の組み合せが挙げられ
る。
【0028】液晶ポリエステルとして高い耐熱性が要求
される分野には、下記の繰り返し単位(a’)が30〜
80モル%、繰り返し単位(b’)が0〜10モル%、
繰り返し単位(c’)が10〜25モル%、繰り返し単
位(d’)が10〜35モル%からなる液晶ポリエステ
ルが好ましく使用される。
【0029】 (式中、Arは2価の芳香族基である。)
【0030】本発明の容器蓋材として、環境問題の見地
などから使用後の焼却などの廃棄の容易さが求められる
分野には、ここまで挙げたそれぞれに要求される分野の
好ましい組み合わせの中で特に炭素、水素、酸素のみの
元素からなる組み合わせによる液晶ポリエステルが特に
好ましく使用される。
【0031】上記の液晶ポリエステル樹脂組成物に用い
られる成分(B)は、液晶ポリエステルと反応性を有す
る官能基を有する共重合体である。かかる液晶ポリエス
テルと反応性を有する官能基としては、液晶ポリエステ
ルと反応性を有すれば何でもよく、具体的には、オキサ
ゾリル基やエポキシ基、アミノ基等が挙げられる。好ま
しくは、エポキシ基である。エポキシ基等は他の官能基
の一部として存在していてもよく、そのような例として
は例えばグリシジル基が挙げられる。
【0032】共重合体(B)において、かかる官能基を
共重合体中に導入する方法としては特に限定されるもの
ではなく、周知の方法で行うことができる。例えば共重
合体の合成段階で、該官能基を有する単量体を共重合に
より導入することも可能であるし、共重合体に該官能基
を有する単量体をグラフト共重合することも可能であ
る。
【0033】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
を有する単量体、中でもグリシジル基を含有する単量体
としては、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび
/または不飽和グリシジルエーテルが好ましく用いられ
る。
【0034】不飽和カルボン酸グリシジルエステルは好
ましくは一般式 (Rはエチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜13の
炭化水素基である。)で表される化合物であり、また不
飽和グリシジルエーテルは好ましくは一般式 (Rはエチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜18の
炭化水素基であり、Xは−CH2−O−または である。)で表される化合物である。
【0035】具体的には、不飽和カルボン酸グリシジル
エステルとしては、例えばグリシジルアクリレート、グ
リシジルメタクリレート、イタコン酸ジグリシジルエス
テル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステル、
p−スチレンカルボン酸グリシジルエステルなどを挙げ
ることができる。不飽和グリシジルエーテルとしては、
例えばビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエ
ーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、メタク
リルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエ
ーテル等が例示される。
【0036】上記の液晶ポリエステルと反応性を有する
官能基を有する共重合体(B)は、好ましくは、不飽和
カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽
和グリシジルエーテル単位を0.1〜30重量%含有す
る共重合体である。
【0037】また、上記の液晶ポリエステルと反応性を
有する官能基を有する共重合体(B)は、熱可塑性樹脂
であってもゴムであってもよいし、熱可塑性樹脂とゴム
の混合物であってもよい。該液晶ポリエステル樹脂組成
物を用いて得られるフィルムまたはシート等の成形体の
熱安定性や柔軟性が優れるゴムがより好ましい。
【0038】さらに好ましくは、上記の液晶ポリエステ
ルと反応性を有する官能基を有する共重合体(B)は、
結晶の融解熱量が3J/g未満の共重合体である。また
共重合体(B)としては、ムーニー粘度が3〜70のも
のが好ましく、3〜30のものがさらに好ましく、4〜
25のものが特に好ましい。ここでいうムーニー粘度
は、JIS K6300に準じて100℃ラージロータ
ーを用いて測定した値をいう。これらの範囲外である
と、組成物の熱安定性や柔軟性が低下する場合があり好
ましくない。
【0039】ここでいうゴムとは、新版高分子辞典(高
分子学会編、1988年出版、朝倉書店)による室温に
てゴム弾性を有する高分子物質に該当するものであり、
その具体例としては、天然ゴム、ブタジエン重合体、ブ
タジエン−スチレン共重合体(ランダム共重合体、ブロ
ック共重合体(SEBSゴムまたはSBSゴム等を含
む)、グラフト共重合体などすべて含まれる)又はその
水素添加物、イソプレン重合体、クロロブタジエン重合
体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、イソブチ
レン重合体、イソブチレン−ブタジエン共重合体ゴム、
イソブチレン−イソプレン共重合体、アクリル酸エステ
ル−エチレン系共重合体ゴム、エチレン−プロピレン共
重合体ゴム、エチレン−ブテン共重合体ゴム、エチレン
−プロピレン−スチレン共重合体ゴム、スチレン−イソ
プレン共重合体ゴム、スチレン−ブチレン共重合体、ス
チレン−エチレン−プロピレン共重合体ゴム、パーフル
オロゴム、ふっ素ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴ
ム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジ
エン共重合体ゴム、チオールゴム、多硫化ゴム、ポリウ
レタンゴム、ポリエーテルゴム(例えばポリプロピレン
オキシド等)、エピクロルヒドリンゴム、ポリエステル
エラストマー、ポリアミドエラストマー等が挙げられ
る。中でも、アクリル酸エステル−エチレン系共重合体
が好ましく用いられ、(メタ)アクリル酸エステル−エ
チレン系共重合体ゴムがさらに好ましい。
【0040】これらのゴム様物質は、いかなる製造法
(例えば乳化重合法、溶液重合法等)、いかなる触媒
(例えば過酸化物、トリアルキルアルミニウム、ハロゲ
ン化リチウム、ニッケル系触媒等)でつくられたもので
もよい。
【0041】そして本発明においては、共重合体(B)
としてのゴムは上記のようなゴムにおいて、液晶ポリエ
ステルと反応性を有する官能基を有するゴムである。か
かるゴムにおいて、液晶ポリエステルと反応性を有する
官能基をゴム中に導入する方法としては、特に限定され
るものではなく、周知の方法で行うことができる。例え
ばゴムの合成段階で、該官能基を有する単量体を共重合
により導入することも可能であるし、ゴムに該官能基を
有する単量体をグラフト共重合することも可能である。
【0042】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
を有する共重合体(B)の具体例として、エポキシ基を
有するゴムとしては、(メタ)アクリル酸エステル−エ
チレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび
/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムを挙
げることができる。
【0043】ここで(メタ)アクリル酸エステルとは、
アクリル酸またはメタクリル酸とアルコールから得られ
るエステルである。アルコールとしては、炭素原子数1
〜8のアルコールが好ましい。(メタ)アクリル酸エス
テルの具体例としては、メチルアクリレート、メチルメ
タクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメ
タクリレート、tert−ブチルアクリレート、ter
t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどを挙げ
ることができる。なお、(メタ)アクリル酸エステルと
しては、その一種を単独で使用してもよく、または二種
以上を併用してもよい。
【0044】好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル
単位が40重量%をこえ97重量%未満、さらに好まし
くは45〜70重量%、エチレン単位が3重量%以上5
0重量%未満、さらに好ましくは10〜49重量%、不
飽和カルボン酸グリシジルエーテル単位および/または
不飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜30重量%、
さらに好ましくは0.5〜20重量%である。上記の範
囲外であると、得られるフィルムまたはシート等の成形
体の熱安定性や機械的性質が不十分となる場合があり、
好ましくない。
【0045】該共重合体ゴムは、通常の方法、例えばフ
リーラジカル開始剤による塊状重合、乳化重合、溶液重
合などによって製造することができる。なお、代表的な
重合方法は、特公昭46−45085号公報、特公昭6
1−127709号公報などに記載された方法、フリー
ラジカルを生成する重合開始剤の存在下、圧力500k
g/cm2以上、温度40〜300℃の条件により製造
することができる。
【0046】本発明の共重合体(B)に使用できるゴム
として他には、液晶ポリエステルと反応性を有する官能
基を有するアクリルゴムや、液晶ポリエステルと反応性
を有する官能基を有するビニル芳香族炭化水素化合物−
共役ジエン化合物ブロック共重合体ゴムも例示すること
ができる。
【0047】ここでいうアクリルゴムとして好ましく
は、一般式(1) (式中、R1は炭素原子数1〜18のアルキル基または
シアノアルキル基を示す。)、一般式(2) (式中、R2は炭素原子数1〜12のアルキレン基、R3
は炭素原子数1〜12のアルキル基を示す。)、および
一般式(3) (式中、R4は水素原子またはメチル基、R5炭素原子数
3〜30のアルキレン基、R6は炭素原子数1〜20の
アルキル基またはその誘導体、nは1〜20の整数を示
す。)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の
単量体を主成分とするものである。
【0048】上記一般式(1)で表されるアクリル酸ア
ルキルエステルの具体例としては、例えばメチルアクリ
レート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、
ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシル
アクリレート、アクチルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリ
レート、ドデシルアクリレート、シアノエチルアクリレ
ートなどを挙げることができる。
【0049】また、上記一般式(2)で表されるアクリ
ル酸アルコキシアルキルエステルとしては、例えばメト
キシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレー
ト、ブトキシエチルアクリレート、エトキシプロピルア
クリレートなどを挙げることができる。これらの1種あ
るいは2種以上を該アクリルゴムの主成分として用いる
ことができる。
【0050】かかるアクリルゴムの構成成分として、必
要に応じて上記の一般式(1)〜(3)で表される化合
物から選ばれる少なくとも一種の単量体と共重合可能な
不飽和単量体を用いることができる。このような不飽和
単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、
アクリロニトリル、ハロゲン化スチレン、メタクリロニ
トリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルナ
フタレン、N−メチロールアクリルアミド、酢酸ビニ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ベンジルアクリレー
ト、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸
などが挙げられる。
【0051】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
を有するアクリルゴムの好ましい構成成分比は、上記の
一般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少
なくとも一種の単量体40.0〜99.9重量%、不飽
和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和
グリシジルエーテル0.1〜30.0重量%、上記の一
般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少な
くとも一種の単量体と共重合可能な不飽和単量体0.0
〜30.0重量%である。該アクリルゴムの構成成分比
が上記の範囲内であると、組成物の耐熱性や耐衝撃性、
成形加工性が良好であり好ましい。
【0052】該アクリルゴムの製法は特に限定するもの
ではなく、例えば特開昭59−113010号公報、特
開昭62−64809号公報、特開平3−160008
号公報、あるいはWO95/04764などに記載され
ているような周知の重合法を用いることができ、ラジカ
ル開始剤の存在下で乳化重合、懸濁重合、溶液重合ある
いはバルク重合で製造することができる。
【0053】前記液晶ポリエステルと反応性を有する官
能基を有するビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン
化合物ブロック共重合体ゴムとして好ましくは、(a)
ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とするシーケンスと
(b)共役ジエン化合物を主体とするシーケンスからな
るブロック共重合体をエポキシ化して得られるゴム、ま
たは該ブロック共重合体の水添物をエポキシ化して得ら
れるゴムである。
【0054】ビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン
化合物ブロック共重合体あるいはその水添物は、周知の
方法で製造することができ、例えば、特公昭40−23
798号公報、特開昭59−133203号公報等に記
載されている。
【0055】芳香族炭化水素化合物としては、例えば、
スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、α−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルナフタレン
などを挙げることができ、中でもスチレンが好ましい。
共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソ
プレン、ピレリレン、1,3−ペンタジエン、3−ブチ
ル−1,3−オクタジエンなどを挙げることができ、ブ
タジエンまたはイソプレンが好ましい。
【0056】共重合体(B)として用いるゴムとして好
ましくは、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−
(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または
不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムが用いられ
る。
【0057】共重合体(B)として用いるゴムは、必要
に応じて加硫を行い、加硫ゴムとして用いることができ
る。上記の(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−
(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または
不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムの加硫は、多
官能性有機酸、多官能性アミン化合物、イミダゾール化
合物などを用いることで達成されるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0058】また、液晶ポリエステルと反応性を有する
官能基を有する共重合体(B)の具体例として、エポキ
シ基を有する熱可塑性樹脂としては(a)エチレン単位
が50〜99重量%、(b)不飽和カルボン酸グリシジ
ルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテ
ル単位が0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20
重量%、(c)エチレン系不飽和エステル化合物単位が
0〜50重量%からなるエポキシ基含有エチレン共重合
体を挙げることができる。
【0059】エチレン系不飽和エステル化合物(c)と
しては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル等のカルボン酸ビニルエステル、α,β−不飽和カル
ボン酸アルキルエステル等が挙げられる。特に酢酸ビニ
ル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好ましい。
【0060】該エポキシ基含有エチレン共重合体の具体
例としては、たとえばエチレン単位とグリシジルメタク
リレート単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシ
ジルメタクリレート単位およびアクリル酸メチル単位か
らなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリレ
ート単位およびアクリル酸エチル単位からなる共重合
体、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位およ
び酢酸ビニル単位からなる共重合体等が挙げられる。
【0061】該エポキシ基含有エチレン共重合体のメル
トインデックス(以下、MFRということがある。JI
S K6760、190℃、2.16kg荷重)は、好
ましくは0.5〜100g/10分、更に好ましくは2
〜50g/10分である。メルトインデックスはこの範
囲外であってもよいが、メルトインデックスが100g
/10分を越えると組成物にした時の機械的物性の点で
好ましくなく、0.5g/10分未満では成分(A)の
液晶ポリエステルとの相溶性が劣り好ましくない。
【0062】また、該エポキシ基含有エチレン共重合体
は、曲げ剛性率が10〜1300kg/cm2の範囲の
ものが好ましく、20〜1100kg/cm2のものが
さらに好ましい。曲げ剛性率がこの範囲外であると組成
物の成形加工性や機械的性質が不十分となる場合があり
好ましくない。
【0063】該エポキシ基含有エチレン共重合体は、通
常不飽和エポキシ化合物とエチレンをラジカル発生剤の
存在下、500〜4000気圧、100〜300℃で適
当な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存在下に共重合
させる高圧ラジカル重合法により製造される。また、ポ
リエチレンに不飽和エポキシ化合物およびラジカル発生
剤を混合し、押出機の中で溶融グラフト共重合させる方
法によっても作られる。
【0064】本発明で用いる液晶性ポリマーの好ましい
具体例としてあげられる液晶ポリエステル樹脂組成物
は、(A)液晶ポリエステルを連続相とし(B)液晶ポ
リエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体を
分散相とする樹脂組成物である。液晶ポリエステルが連
続相でない場合には、液晶ポリエステル樹脂組成物を用
いてなるフィルムまたはシート等の成形体のガスバリア
性、耐熱性などが著しく低下し、好ましくない。
【0065】このような官能基を有する共重合体と液晶
ポリエステルとの樹脂組成物においては、機構の詳細は
不明ではあるが、該組成物の成分(A)と成分(B)と
の間で反応が生起し、成分(A)が連続相を形成すると
ともに成分(B)が微細分散し、そのために該組成物の
成形性が向上するものと考えられる。
【0066】かかる液晶ポリエステル樹脂組成物の一実
施態様は、(A)液晶ポリエステル56.0〜99.9
重量%、好ましくは65.0〜99.9重量%、さらに
好ましくは70〜98重量%、および(B)液晶ポリエ
ステルと反応性を有する官能基を有する共重合体44.
0〜0.1重量%、好ましくは35.0〜0.1重量
%、さらに好ましくは30〜2重量%を含有する樹脂組
成物である。成分(A)が56.0重量%未満であると
該組成物から得られるフィルムまたはシート等の成形体
のガスバリア性、耐熱性が低下する場合があり好ましく
ない。また成分(A)が99.9重量%を超えると該組
成物の成形加工性が低下する場合があり、また価格的に
も高価なものとなり好ましくない。
【0067】かかる液晶ポリエステル樹脂組成物を製造
する方法としては周知の方法を用いることができる。た
とえば、溶液状態で各成分を混合し、溶剤を蒸発させる
か、溶剤中に沈殿させる方法が挙げられる。工業的見地
からみると溶融状態で上記組成の各成分を混練する方法
が好ましい。溶融混練には一般に使用されている一軸ま
たは二軸の押出機、各種のニーダー等の混練装置を用い
ることができる。特に二軸の高混練機が好ましい。溶融
混練に際しては、混練装置のシリンダー設定温度は20
0〜360℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは23
0〜350℃である。
【0068】混練に際しては、各成分は予めタンブラー
もしくはヘンシェルミキサーのような装置で各成分を均
一に混合してもよいし、必要な場合には混合を省き、混
練装置にそれぞれ別個に定量供給する方法も用いること
ができる。
【0069】本発明に使用する液晶性ポリマーにおいて
は、必要に応じて、有機充填剤、酸化防止剤、熱安定
剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、無機または有機系着色
剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表面平滑剤、表
面光沢改良剤、フッ素樹脂などの離型改良剤などの各種
の添加剤を製造工程中あるいはその後の加工工程におい
て添加することができる。
【0070】本発明で用いる液晶性ポリマーからなる層
としては、かかる液晶性ポリマーを、例えば、Tダイか
ら溶融樹脂を押出し巻き取るTダイ法、環状ダイスを設
置した押出し機から溶融樹脂を円筒状に押出し、冷却し
巻き取るインフレーション成膜法により得られたフィル
ムまたはシート、熱プレス法または溶媒キャスト法によ
り得られたフィルムまたはシート、あるいは射出成形法
や押出し法で得られたシートをさらに一軸延伸または二
軸延伸して得られたフィルムまたはシートを用いること
もできる。射出成形、押出成形などの場合にはあらかじ
め混練の工程を経ることなく、成分のペレットを成形時
にドライブレンドして溶融成形して、フィルムまたはシ
ートを得ることもできる。
【0071】Tダイ法では、Tダイを通して押出した溶
融樹脂を巻き取り機方向(長手方向)に延伸しながら巻
き取って得られる一軸延伸フィルム、または二軸延伸フ
ィルムが好ましく用いられる。
【0072】一軸延伸フィルムの成膜時における押出機
の設定条件は組成物の組成に応じて適宜設定できるが、
シリンダー設定温度は200〜360℃の範囲が好まし
く、230〜350℃の範囲がさらに好ましい。この範
囲外であると組成物の熱分解が生じたり、成膜が困難と
なる場合があり好ましくない。
【0073】Tダイのスリット間隔は、0.2〜2.0
mmが好ましく、0.2〜1.2mmがさらに好ましい。
一軸延伸フィルムのドラフト比は、1.1〜40の範囲
のものが好ましく、さらに好ましくは10〜40であ
り、特に好ましくは15〜35である。
【0074】ここでいうドラフト比とは、Tダイスリッ
トの断面積を長手方向に垂直な面のフィルム断面積で除
した値をいう。ドラフト比が1.1未満であるとフィル
ム強度が不十分であり、ドラフト比が45を越すとフィ
ルムの表面平滑性が不十分となる場合があり、好ましく
ない。ドラフト比は押出機の設定条件、巻き取り速度な
どを制御して設定することができる。
【0075】二軸延伸フィルムは、一軸延伸フィルムの
成膜と同様の押出機の設定条件、すなわちシリンダー設
定温度が好ましくは200〜360℃の範囲、さらに好
ましくは230〜350℃の範囲、Tダイのスリット間
隔が好ましくは0.2〜1.2mmの範囲で該組成物の
溶融押出しを行い、Tダイから押出した溶融体シートを
長手方向および長手方向と垂直方向(横手方向)に同時
に延伸する方法、またはTダイから押出した溶融体シー
トをまず長手方向に延伸し、ついでこの延伸シートを同
一工程内で100〜300℃の高温下でテンターより横
手方向に延伸する逐次延伸の方法などにより得られる。
【0076】二軸延伸フィルムを得る際、その延伸比は
長手方向に1.2〜20倍、横手方向に1.2〜20倍
の範囲が好ましい。延伸比が上記の範囲外であると、該
組成物フィルムの強度が不十分となったり、または均一
な厚みのフィルムを得るのが困難となる場合があり好ま
しくない。
【0077】円筒形のダイから押出した溶融体シートを
インフレーション法で成膜して得られる、インフレーシ
ョンフィルムなども好ましく用いられる。
【0078】すなわち、上記の方法により得られた液晶
ポリエステル樹脂組成物は、環状スリットのダイを備え
た溶融混練押出機に供給され、シリンダー設定温度20
0〜360℃、好ましくは230〜350℃で溶融混練
を行って押出機の環状スリットから筒状フィルムは上方
または下方へ溶融樹脂が押出される。環状スリット間隔
は通常0.1〜5mm、好ましくは0.2〜2mm、環
状スリットの直径は通常20〜1000mm、好ましく
は25〜600mmである。
【0079】溶融押出しされた溶融樹脂フィルムに長手
方向(MD)にドラフトをかけるとともに、この筒状フ
ィルムの内側から空気または不活性ガス、例えば窒素ガ
スなどを吹き込むことにより長手方向と直角な横手方向
(TD)にフィルムを膨張延伸させる。
【0080】インフレーション成形(成膜)において、
好ましいブロー比は1.5〜10、好ましいMD延伸倍
率は1.5〜40である。インフレーション成膜時の設
定条件が上記の範囲外であると厚さが均一でしわの無い
高強度の液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムを得るの
が困難となる場合があり好ましくない。
【0081】膨張させたフィルムは通常、その円周を空
冷あるいは水冷させた後、ニップロールを通過させて引
き取る。
【0082】インフレーション成膜に際しては液晶ポリ
エステル樹脂組成物の組成に応じて、筒状の溶融体フィ
ルムが均一な厚みで表面平滑な状態に膨張するような条
件を選択することができる。
【0083】本発明における液晶性ポリマーからなる層
の厚みには特に制限はないが、好ましくは3〜1000
μm、さらに好ましくは3〜500μmである。
【0084】本発明における容器蓋材の第1の形態は、
液晶性ポリマーからなる層と紙からなる層とが積層して
なる積層フィルムからなる容器蓋材である。
【0085】かかる容器蓋材は、例えば、紙の表面に上
述の液晶性ポリマーからなるフィルムを熱圧着、また
は、接着剤もしくは接着性樹脂などを使用して貼り合せ
る、紙上に溶融した液晶ポリマーをTダイから溶融押出
するなどの方法で積層させることにより得ることができ
る。
【0086】本発明の容器蓋材の第2の形態は、液晶性
ポリマーからなる層と、紙からなる層と、熱可塑性樹脂
(該液晶性ポリマーを除く。)からなる層とが積層して
なる積層フィルムからなる容器蓋材である。かかる積層
フィルムの形態としては、紙層/液晶性ポリマー層/熱
可塑性樹脂層の形態が好ましい。
【0087】ここでいう熱可塑性樹脂とは、特に限定す
るものではないが、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポ
リカーボネート、ポリエステル、ポリアセタール、ポリ
アミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルホ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド、フ
ッ素樹脂、アクリル樹脂から選ばれる少なくとも一種を
含有するものであることが好ましい。中でもポリオレフ
ィン、ポリエステル、ポリアミドの少なくとも一種を含
有するものが好ましい。
【0088】ここでいうポリオレフィンとしては、炭素
数2〜20個からなるオレフィン、ジオレフィン等の単
独重合体または共重合体を使用できる。オレフィン、ジ
オレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレン、
ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−
1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ヘキサデ
セン−1、エイコセン−1,4−メチルペンテン−1,
5−メチル−2−ペンテン−1等が例示される。かかる
ポリオレフィンの具体例としては、低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−
ブテン、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン/ブ
テン−1共重合体、エチレン/4−メチルペンテン−1
共重合体、エチレン/ヘキセン−1共重合体、プロピレ
ン/エチレン共重合体、プロピレン/ブテン−1共重合
体などを挙げることができる。
【0089】また、ここでいうポリエステルとしては、
例えば2価のカルボン酸と2価のアルコールとの重縮合
体等が挙げられ、その場合好ましくは、芳香族ジカルボ
ン酸とアルキレングリコールの重縮合体である。そのよ
うなポリエステルの具体例としてはポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレートなどを挙げるこ
とができる。
【0090】また、ポリアミドとしては、例えば2価の
カルボン酸と2価のアミンとの重縮合体やアミノカルボ
ン酸の重縮合体等が挙げられ、そのようなポリアミドの
具体例としては、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリ
アミド11、ポリアミド6−6、ポリアミド6−12、
ポリアミドMXD6などが挙げられる。
【0091】これらの熱可塑性樹脂の中ではポリオレフ
ィンが好ましい。該ポリオレフィンとしてはポリエチレ
ンがより好ましく、低密度ポリエチレンがさらに好まし
い。
【0092】かかる熱可塑性樹脂からなる層の製造方法
としては、例えば、溶媒中に溶解させた熱可塑性樹脂を
上述の紙層/液晶性ポリマー層の積層フィルムの液晶性
ポリマー層上に分散させたのち溶媒を蒸発乾固させ、成
膜する方法が挙げられる。あるいは、該熱可塑性樹脂を
あらかじめTダイあるいは円筒ダイから溶融押し出しす
るなどの方法によりあらかじめ成膜し、この熱可塑性樹
脂フィルムと上述の液晶性ポリマー層とを熱圧着させ
る、または、接着剤もしくは接着性樹脂を使用すること
により接着させて積層フィルムを得ることもできる。該
液晶性ポリマー層上にTダイや円筒ダイから該熱可塑性
樹脂を溶融押しだしすることにより積層フィルムを得る
こともできる。あるいは、該液晶性ポリマーと該熱可塑
性樹脂とを各々溶融した後、紙層上へ共押出しして積層
フィルムを得ることもできる。また該液晶性ポリマーと
該熱可塑性樹脂とを共押し出ししてまず両者の積層フィ
ルムを得た後、それと紙層とを圧着、熱圧着、接着剤も
しくは接着性樹脂などを使用して接着することによって
も積層フィルムを得ることができる。該熱可塑性樹脂か
らなる層の厚みは特に制限するものではないが、1〜1
000μmの範囲が好ましい。
【0093】本発明の容器蓋材の他の形態としては、前
述の積層フィルムの第1の形態または第2の形態の各層
と、さらに紙層、液晶性ポリマー層、熱可塑性樹脂(該
液晶性ポリマーを除く。)層などが積層してなる形態で
あり、かかる形態は本発明における範疇に入るものであ
る。例えば、紙層をI、液晶性ポリマー層をII、熱可塑
性樹脂層をIII(III'、III"は各々別の熱可塑性樹脂を
示す)とすると、容器蓋材として、例えば、I/II/II
I、III/I/II/III、III'/I/II/III、II/I/II
/III、III/III'/I/II/IIIなど多様の形態をとる
ことができる。各層間には接着剤もしくは接着性樹脂の
層を介在させることができる。
【0094】本発明を構成する各層のどちらかの面、あ
るいは両者の面の表面に表面処理を施すことができる。
このような表面処理法としては、例えばコロナ放電処
理、プラズマ処理、火炎処理、スパッタリング処理、溶
剤処理、紫外線処理、研磨処理、赤外線処理、オゾン処
理などが挙げられる。
【0095】このようにして得られた本発明の容器蓋材
は、包装容器のフランジ部にヒートシールなどの方法に
より接合させて、容器に蓋をすることができる。この容
器中に入れる内容物の例としては、カップメンなどの即
席食品、果汁、ヨーグルトなどの乳製品、ゼリー、清涼
飲料水、シロップ、スープ、コーヒー、ココア、コーヒ
ー用クリームなど、あるいは洗剤、薬品、化粧品用など
が挙げられる。この容器から内容物を取り出す際には、
本発明の容器蓋材の端を持って包装容器から引き剥が
す。このとき本発明の容器蓋材は、蓋を途中まで剥離し
たときその保形性が優れているため蓋が開いた状態を保
持し、内容物を取り出しやすい。本発明の容器蓋材は特
に、即席食品用容器蓋材として好適である。
【0096】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、こ
れらは単なる例示であり、本発明はこれらに限定される
ことはない。
【0097】(1)成分(A)の液晶ポリエステル (i)p−アセトキシ安息香酸8.3kg(60モ
ル)、テレフタル酸2.49kg(15モル)、イソフ
タル酸0.83kg(5モル)および4,4’−ジアセ
トキシジフェニル5.45kg(20.2モル)を櫛型
撹拌翼をもつ重合槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌
しながら昇温し330℃で1時間重合させた。この間に
副生する酢酸ガスを冷却管で液化し回収、除去しなが
ら、強力な撹拌下で重合させた。その後、系を徐々に冷
却し、200℃で得られたポリマーを系外へ取出した。
この得られたポリマーを細川ミクロン(株)製のハンマ
ーミルで粉砕し、2.5mm以下の粒子とした。これを
更にロータリーキルン中で窒素ガス雰囲気下に280℃
で3時間処理することによって、流動開始温度が324
℃の粒子状の下記の繰り返し構造単位からなる全芳香族
ポリエステルを得た。ここで流動開始温度とは、島津製
作所製島津フローテスターCFT−500型を用いて、
4℃/分の昇温速度で加熱溶融された樹脂を、荷重10
0kgf/cm2のもとで、内径1mm、長さ10mm
のノズルから押し出したときに、溶融粘度が48000
ポイズを示す温度(℃)をいう。以下該液晶ポリエステ
ルをA−1と略記する。このポリマーは加圧下で340
℃以上で光学異方性を示した。液晶ポリエステルA−1
の繰り返し構造単位は、次の通りである。
【0098】
【0099】(2)成分(B) (i)特開昭61−127709号公報の実施例5に記
載の方法に準じて、アクリル酸メチル/エチレン/グリ
シジルメタクリレート=59.0/38.7/2.3
(重量比)、ムーニー粘度=15、結晶の融解熱量<1
J/gのゴムを得た。以下該ゴムをB−1と略称するこ
とがある。ここでムーニー粘度は、JIS K6300
に準じて100℃、ラージローターを用いて測定した値
である。また結晶の融解熱量は、DSCを使用し、試料
を−150℃から100℃まで20℃/分で昇温して求
めた。
【0100】(3)物性測定法 (i)ガス透過率:得られたフィルムに関し、以下の要
領で測定を行った。 酸素ガス透過率:JIS K7126 A法(差圧法)
に従って、温度20℃で酸素ガスを用いて測定した。単
位はcc/m2・24hr・1atmである。 水蒸気透過率:JIS Z0208(カップ法)に従っ
て、温度40℃、相対湿度90%の条件で測定した。単
位はg/m2・24hr・1atmである。
【0101】(ii)保形性:得られたフィルムを直径1
00mmの円形に裁断し、その試験片を上方へ折り曲げ
た際、以下の基準で判定した。 ○:試験片が上方へ折れ曲がった状態を保持しており、
保形性が良好。 ×:試験片がすぐ元の状態に戻り保形性が不良。
【0102】実施例1 A−1 80重量%、B−1 20重量%を日本製鋼
(株)製TEX−30型二軸押出機を用いてシリンダー
設定温度350℃、スクリュー回転数200rpmで溶
融混練を行って組成物を得た。この組成物のペレットを
円筒ダイを備えた60mmφの単軸押出機に供給して、
シリンダー設定温度350℃、回転数60rpmで溶融
混練し、直径50mm、リップ間隔1.0mm、ダイ設
定温度355℃の円筒ダイから上方へ溶融樹脂を押出
し、その際この筒状フィルムの中空部へ乾燥空気を圧入
して筒状フィルムを膨張させ、次に冷却させたのちニッ
プロールに通して引取速度60m/minで引取り、液
晶ポリエステル樹脂組成物フィルムを得た。この際フィ
ルムMD方向の延伸倍率は8.6、ブロー比は3.2、
フィルム厚みは16μmであった。以下該フィルムをG
−1と略称することがある。
【0103】卓上コーターを使用して、G−1の片面に
東洋モートン(株)製二液反応型接着剤AD−503を
約5g/m2塗布した後、タマポリ(株)製直鎖低密度
ポリエチレンUB−1の厚さ50μmのフィルムと貼合
した。次に、得られた積層フィルムにおけるG−1の別
の片面上に同様にしてAD−503を塗布量約5g/m
2塗布し、厚さ65μmの純白ロール紙と貼合すること
により容器蓋材用の積層フィルムを得ることができた。
得られた積層フィルムの酸素透過度は0.4cc/m2
・24hr・1atm、水蒸気透過度は0.3g/m2
・24hr・1atmであり、その保形性の評価は○で
あった。また、分光光度計を使用して測定した、波長4
00nmにおける該積層フィルムの透過度は0%であっ
た。
【0104】
【発明の効果】本発明によりガスバリア性、保形性、紫
外線遮光性、耐熱性に優れ、軽量で安価であり、用済み
後の後処理が容易で燃焼しても灰分が残らない容器蓋材
を得ることができ、カップメンなどの即席食品、果汁、
ヨーグルトなどの乳製品、ゼリー、清涼飲料水、シロッ
プ、スープ、コーヒー、ココア、コーヒー用クリームな
ど各種飲食品用容器あるいは洗剤、薬品、化粧品用など
の容器の容器蓋材として産業界に幅広く適用することが
できる。
フロントページの続き Fターム(参考) 3E084 BA01 BA07 BA08 BA09 FA09 FD13 GB08 4F100 AK01C AK03C AK04 AK12C AK15C AK16C AK17C AK24A AK25 AK25C AK32C AK41A AK41C AK42A AK45C AK46C AK53A AK54A AK54C AK55C AK57C AK63 AK68C AL01A AL05A AN02A AS00A BA02 BA03 BA07 BA26 CB01 DA03 DG10B GB18 JB16C JD02 JD09 JJ03 JL00 JL03 JN10A JN30A

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融時に光学的異方性を示す液晶性ポリマ
    ーからなる層と、紙からなる層とが積層してなる積層フ
    ィルムからなることを特徴とする容器蓋材。
  2. 【請求項2】溶融時に光学的異方性を示す液晶性ポリマ
    ーからなる層と、紙からなる層と、熱可塑性樹脂(該液
    晶性ポリマーを除く。)からなる層とが積層してなる積
    層フィルムからなることを特徴とする容器蓋材。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン、ポリス
    チレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアセタ
    ール、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエー
    テルサルホン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩
    化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフェニレンサルフ
    ァイド、フッ素樹脂、アクリル樹脂から選ばれる少なく
    とも一種を含有するものであることを特徴とする請求項
    2記載の容器蓋材。
  4. 【請求項4】溶融時に光学的異方性を示す液晶性ポリマ
    ーが、(A)液晶ポリエステルを連続相とし(B)液晶
    ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体
    を分散相とする液晶ポリエステル樹脂組成物であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器蓋
    材。
  5. 【請求項5】溶融時に光学的異方性を示す液晶性ポリマ
    ーが、(A)液晶ポリエステル56.0〜99.9重量
    %、および(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官
    能基を有する共重合体44.0〜0.1重量%を溶融混
    練して得られる組成物であることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の容器蓋材。
  6. 【請求項6】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
    が、オキサゾリル基、エポキシ基またはアミノ基である
    ことを特徴とする請求項4または5記載の容器蓋材。
  7. 【請求項7】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
    を有する共重合体(B)が、不飽和カルボン酸グリシジ
    ルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテ
    ル単位を0.1〜30重量%含有する共重合体であるこ
    とを特徴とする請求項4または5記載の容器蓋材。
  8. 【請求項8】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
    を有する共重合体(B)が、エポキシ基を有するゴムで
    あることを特徴とする請求項4または5記載の容器蓋
    材。
  9. 【請求項9】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
    を有する共重合体(B)が、エポキシ基を有する熱可塑
    性樹脂であることを特徴とする請求項4または5記載の
    容器蓋材。
  10. 【請求項10】液晶ポリエステル(A)が、芳香族ジカ
    ルボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒドロキシカルボン
    酸とを反応させて得られるものであることを特徴とする
    請求項4〜9のいずれかに記載の容器蓋材。
  11. 【請求項11】液晶ポリエステル(A)が、異種の芳香
    族ヒドロキシカルボン酸の組合せを反応させて得られる
    ものであることを特徴とする請求項4〜9のいずれかに
    記載の容器蓋材。
  12. 【請求項12】容器蓋材が、即席食品用容器蓋材である
    ことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の容
    器蓋材。
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