JP2000086902A - バッグインドラム内装体用フィルム - Google Patents

バッグインドラム内装体用フィルム

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JP2000086902A
JP2000086902A JP10255286A JP25528698A JP2000086902A JP 2000086902 A JP2000086902 A JP 2000086902A JP 10255286 A JP10255286 A JP 10255286A JP 25528698 A JP25528698 A JP 25528698A JP 2000086902 A JP2000086902 A JP 2000086902A
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film
liquid crystal
crystal polyester
bag
copolymer
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JP10255286A
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English (en)
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Motonobu Furuta
元信 古田
Tozo Yamaguchi
登造 山口
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐薬品性、衛生性、耐熱性、ガスバリア性に
優れた、工業用薬品、塗料、食料油、乳飲料、果汁、ガ
ソリン、灯油、エンジンオイルなどの保管、輸送用途に
適する、バッグインドラム内装体用フィルムを提供する
こと。 【解決手段】 溶融時に光学的異方性を示す樹脂を用い
てなるバッグインドラム内装体用フィルム、並びに、溶
融時に光学的異方性を示す樹脂からなる層と、熱可塑性
樹脂(但し溶融時に光学的異方性を示す樹脂を除く。)
からなる層とが積層してなる積層フィルムからなるバッ
グインドラム内装体用フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐薬品性、衛生
性、耐熱性、ガスバリア性に優れたバッグインドラム内
装体用フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】バッグインドラムは液体の保管あるいは
輸送用容器であり、ドラム缶、樽、瓶、缶、つぼ状など
多様な形態の容器であり(以下、これらの容器をドラム
缶などと述べる場合がある)、金属あるいは樹脂などか
らなる高剛性の外側容器と、樹脂フィルムなどからなる
内装体から構成される容器である。一般に液体をドラム
缶などに保管した場合、内容物がドラム缶などから漏れ
る、ドラム缶などの内壁面部に内容物が付着する、ある
いは壁面を腐食するなどの問題があった。ドラム缶など
を洗浄して再使用するにしても、洗浄に多大の労力、費
用がかかる問題が生じ、付着物がとれない、あるいはド
ラム缶などに腐食が生じた場合などには、高価なドラム
缶などを廃棄する場合が多々あった。さらには廃棄する
にしてもドラム缶などは容易には廃棄できないのも問題
であった。このような問題に対し、ドラム缶などの内部
に樹脂フィルムなどからなる、袋状の内装体を装着し、
ドラム缶などを使用する都度、内装体だけを廃棄処理
し、次に新しい内装体の袋を装填し、ドラム缶などを再
使用する、バッグインドラムの形態が良く活用され、液
体の保管、輸送が行われている。
【0003】しかしながら、バッグインドラムの形態で
ドラムの内装体用フィルム(バッグインドラム内装体用
フィルム)として樹脂フィルムが用いられる場合、樹脂
フィルムの耐薬品性が十分でないため内容物の液体が漏
れる、あるいは樹脂フィルムが液体中に溶解、内容物を
汚染するなどの問題点が市場から指摘されている。ま
た、樹脂フィルムのガスバリア性が不十分である、ある
いは、通常はガスバリア性があっても、高温下あるいは
高湿度下ではガスバリア性が著しく低下するなどの問題
があるため、内容物が樹脂フィルムを透過する、外部か
ら酸素、水蒸気などが侵入し、内容物を変質する、ある
いは内容物の臭気が外に漏れるなどの問題点も市場から
指摘されている。さらに輸送時、あるいは保管時にバッ
グインドラムが高温になる場合もあり、その内装体にも
耐熱性が要求されることがある。内容物が飲食品である
場合には内装体に衛生性も要求される。また、用済み後
のバッグインドラム内装体用フィルムの燃焼処理の容易
性も、市場からの要望されるところである。
【0004】かかる多様多岐にわたる市場からの要望に
対し、例えばバッグインドラム内装体用フィルムとして
樹脂フィルムにアルミ箔あるいは金属や無機物の蒸着フ
ィルムを使用した場合には、重い、高価である、あるい
はガスバリア性が不十分であった。また例えばアルミ箔
にピンホールが発生し易い、蒸着層にクラックが発生し
易い、そのためガスバリア性が減少する、あるいは焼却
時に多くの灰分が残留するなどの諸問題点が指摘されて
いる。また、フィルム用樹脂としてポリオレフィン、エ
チレンビニルアセテート共重合体、ポリビニルアルコー
ル、ポリエステル、ナイロンなどが用いられた場合、ガ
スバリア性が不十分である、あるいは、通常はガスバリ
ア性があっても、高温下あるいは高湿度下ではガスバリ
ア性が著しく低下するなどの問題が市場から指摘されて
いる。内装体用樹脂としてポリ塩化ビニリデンなどを使
用した場合には、上記の問題の他に、フィルムの廃棄、
燃焼時にハロゲン系のガスを発生するのも問題とされて
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況下、本発明
が解決しようとする課題、即ち本発明の目的は、耐薬品
性、衛生性、耐熱性、ガスバリア性に優れた、工業用薬
品、塗料、食料油、乳飲料、果汁、ガソリン、灯油、エ
ンジンオイルなどの保管、輸送用途に適する、バッグイ
ンドラム内装体用フィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な問題を解決すべく鋭意検討を続け本発明に到達した。
即ち本発明は、溶融時に光学的異方性を示す樹脂を用い
てなるバッグインドラム内装体用フィルム、並びに、溶
融時に光学的異方性を示す樹脂からなる層と、熱可塑性
樹脂(但し溶融時に光学的異方性を示す樹脂を除く。)
からなる層とが積層してなる積層フィルムからなるバッ
グインドラム内装体用フィルムにかかるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明で用いる溶融時に光学的異方性を示す樹脂は
液晶性ポリマーとして種々知られており、例えば全芳香
族系もしくは半芳香族系のポリエステル、ポリエステル
イミド、ポリエステルアミドなどや、それらを含有する
樹脂組成物などが挙げられる。本発明においては、かか
る液晶性ポリマーとして好ましくは液晶ポリエステルま
たは液晶ポリエステルを一成分として用いてなる組成物
が用いられるが、成形加工性、得られるフィルムの性能
の点から、本発明においては(A)液晶ポリエステルを
連続相とし(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官
能基を有する共重合体を分散相とする液晶ポリエステル
樹脂組成物を用いることがさらに好ましい。
【0008】ここでいう液晶ポリエステルは、サーモト
ロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルである。
具体的には、 (1)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸とを反応させて得られるもの。 (2)異種の芳香族ヒドロシカルボン酸の組み合わせを
反応させて得られるもの。 (3)芳香族ジカルボン酸と核置換芳香族ジオールとを
反応させて得られるもの。 (4)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル
に芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させて得られるも
の。 などが挙げられ、400℃以下の温度で異方性溶融体を
形成するものが好ましい。なお、これらの芳香族ジカル
ボン酸、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロキシカルボン
酸の代わりに、それらのエステル誘導体が使用されるこ
ともある。
【0009】該液晶ポリエステルの繰返し構造単位とし
ては、下記の芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し構
造単位、芳香族ジオールに由来する繰返し構造単位、
芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し構造単
位を例示することができるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0010】芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し
構造単位:
【0011】
【0012】芳香族ジオールに由来する繰返し構造単
位:
【0013】
【0014】芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する
繰返し構造単位:
【0015】耐熱性、機械的特性、加工性のバランスか
ら特に好ましい液晶ポリエステルは なる繰り返し構造単位を含むものであり、さらに好まし
くは該繰り返し構造単位を少なくとも全体の30モル%
以上含むものである。具体的には繰り返し構造単位の組
み合わせが下記(I)〜(VI)のいずれかのものが好ま
しい。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】該液晶ポリエステル(I)〜(VI)の製法
については、例えば特公昭47−47870号公報、特
公昭63−3888号公報、特公昭63−3891号公
報、特公昭56−18016号公報、特開平2−515
23号公報などに記載されている。これらの中で好まし
くは(I)、(II)または(IV)の組合せであり、さら
に好ましくは(I)または(II)の組み合せが挙げられ
る。
【0023】本発明における液晶ポリエステル樹脂組成
物において、高い耐熱性が要求される分野には成分
(A)の液晶ポリエステルが、下記の繰り返し単位
(a’)が30〜80モル%、繰り返し単位(b’)が
0〜10モル%、繰り返し単位(c’)が10〜25モ
ル%、繰り返し単位(d’)が10〜35モル%からな
る液晶ポリエステルが好ましく使用される。
【0024】 (式中、Arは2価の芳香族基である。)
【0025】本発明のバッグインドラム内装体用フィル
ムとして、環境問題の見地などから使用後の焼却などの
廃棄の容易さが求められる分野には、ここまで挙げたそ
れぞれに要求される分野の好ましい組み合わせの中で特
に炭素、水素、酸素のみの元素からなる組み合わせによ
る液晶ポリエステルが特に好ましく使用される。
【0026】上記の液晶ポリエステル樹脂組成物に用い
られる成分(B)は、液晶ポリエステルと反応性を有す
る官能基を有する共重合体である。かかる液晶ポリエス
テルと反応性を有する官能基としては、液晶ポリエステ
ルと反応性を有すれば何でもよく、具体的には、オキサ
ゾリル基やエポキシ基、アミノ基等が挙げられる。好ま
しくは、エポキシ基である。エポキシ基等は他の官能基
の一部として存在していてもよく、そのような例として
は例えばグリシジル基が挙げられる。
【0027】共重合体(B)において、かかる官能基を
共重合体中に導入する方法としては特に限定されるもの
ではなく、周知の方法で行うことができる。例えば共重
合体の合成段階で、該官能基を有する単量体を共重合に
より導入することも可能であるし、共重合体に該官能基
を有する単量体をグラフト共重合することも可能であ
る。
【0028】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
を有する単量体、中でもグリシジル基を含有する単量体
としては、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび
/または不飽和グリシジルエーテルが好ましく用いられ
る。
【0029】不飽和カルボン酸グリシジルエステルは好
ましくは一般式 (Rはエチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜13の
炭化水素基である。)で表される化合物であり、また不
飽和グリシジルエーテルは好ましくは一般式 (Rはエチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜18の
炭化水素基であり、Xは−CH2−O−または である。)で表される化合物である。
【0030】具体的には、不飽和カルボン酸グリシジル
エステルとしては、例えばグリシジルアクリレート、グ
リシジルメタクリレート、イタコン酸ジグリシジルエス
テル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステル、
p−スチレンカルボン酸グリシジルエステルなどを挙げ
ることができる。不飽和グリシジルエーテルとしては、
例えばビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエ
ーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、メタク
リルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエ
ーテル等が例示される。
【0031】上記の液晶ポリエステルと反応性を有する
官能基を有する共重合体(B)は、好ましくは、不飽和
カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽
和グリシジルエーテル単位を0.1〜30重量%含有す
る共重合体である。
【0032】また、上記の液晶ポリエステルと反応性を
有する官能基を有する共重合体(B)は、熱可塑性樹脂
であってもゴムであってもよいし、熱可塑性樹脂とゴム
の混合物であってもよい。該液晶ポリエステル樹脂組成
物を用いて得られるフィルムまたはシート等の成形体の
熱安定性や柔軟性が優れるゴムがより好ましい。
【0033】さらに好ましくは、上記の液晶ポリエステ
ルと反応性を有する官能基を有する共重合体(B)は、
結晶の融解熱量が3J/g未満の共重合体である。また
共重合体(B)としては、ムーニー粘度が3〜70のも
のが好ましく、3〜30のものがさらに好ましく、4〜
25のものが特に好ましい。ここでいうムーニー粘度
は、JIS K6300に準じて100℃ラージロータ
ーを用いて測定した値をいう。これらの範囲外である
と、組成物の熱安定性や柔軟性が低下する場合があり好
ましくない。
【0034】ここでいうゴムとは、新版高分子辞典(高
分子学会編、1988年出版、朝倉書店)による室温に
てゴム弾性を有する高分子物質に該当するものであり、
その具体例としては、天然ゴム、ブタジエン重合体、ブ
タジエン−スチレン共重合体(ランダム共重合体、ブロ
ック共重合体(SEBSゴムまたはSBSゴム等を含
む)、グラフト共重合体などすべて含まれる)又はその
水素添加物、イソプレン重合体、クロロブタジエン重合
体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、イソブチ
レン重合体、イソブチレン−ブタジエン共重合体ゴム、
イソブチレン−イソプレン共重合体、アクリル酸エステ
ル−エチレン系共重合体ゴム、エチレン−プロピレン共
重合体ゴム、エチレン−ブテン共重合体ゴム、エチレン
−プロピレン−スチレン共重合体ゴム、スチレン−イソ
プレン共重合体ゴム、スチレン−ブチレン共重合体、ス
チレン−エチレン−プロピレン共重合体ゴム、パーフル
オロゴム、ふっ素ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴ
ム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジ
エン共重合体ゴム、チオールゴム、多硫化ゴム、ポリウ
レタンゴム、ポリエーテルゴム(例えばポリプロピレン
オキシド等)、エピクロルヒドリンゴム、ポリエステル
エラストマー、ポリアミドエラストマー等が挙げられ
る。中でも、アクリル酸エステル−エチレン系共重合体
が好ましく用いられ、(メタ)アクリル酸エステル−エ
チレン系共重合体ゴムがさらに好ましい。
【0035】これらのゴム様物質は、いかなる製造法
(例えば乳化重合法、溶液重合法等)、いかなる触媒
(例えば過酸化物、トリアルキルアルミニウム、ハロゲ
ン化リチウム、ニッケル系触媒等)でつくられたもので
もよい。
【0036】そして本発明においては、共重合体(B)
としてのゴムは上記のようなゴムにおいて、液晶ポリエ
ステルと反応性を有する官能基を有するゴムである。か
かるゴムにおいて、液晶ポリエステルと反応性を有する
官能基をゴム中に導入する方法としては、特に限定され
るものではなく、周知の方法で行うことができる。例え
ばゴムの合成段階で、該官能基を有する単量体を共重合
により導入することも可能であるし、ゴムに該官能基を
有する単量体をグラフト共重合することも可能である。
【0037】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
を有する共重合体(B)の具体例として、エポキシ基を
有するゴムとしては、(メタ)アクリル酸エステル−エ
チレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび
/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムを挙
げることができる。
【0038】ここで(メタ)アクリル酸エステルとは、
アクリル酸またはメタクリル酸とアルコールから得られ
るエステルである。アルコールとしては、炭素原子数1
〜8のアルコールが好ましい。(メタ)アクリル酸エス
テルの具体例としては、メチルアクリレート、メチルメ
タクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメ
タクリレート、tert−ブチルアクリレート、ter
t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどを挙げ
ることができる。なお、(メタ)アクリル酸エステルと
しては、その一種を単独で使用してもよく、または二種
以上を併用してもよい。
【0039】好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル
単位が40重量%をこえ97重量%未満、さらに好まし
くは45〜70重量%、エチレン単位が3重量%以上5
0重量%未満、さらに好ましくは10〜49重量%、不
飽和カルボン酸グリシジルエーテル単位および/または
不飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜30重量%、
さらに好ましくは0.5〜20重量%である。上記の範
囲外であると、得られるフィルムまたはシート等の成形
体の熱安定性や機械的性質が不十分となる場合があり、
好ましくない。
【0040】該共重合体ゴムは、通常の方法、例えばフ
リーラジカル開始剤による塊状重合、乳化重合、溶液重
合などによって製造することができる。なお、代表的な
重合方法は、特公昭46−45085号公報、特公昭6
1−127709号公報などに記載された方法、フリー
ラジカルを生成する重合開始剤の存在下、圧力500k
g/cm2以上、温度40〜300℃の条件により製造
することができる。
【0041】本発明の共重合体(B)に使用できるゴム
として他には、液晶ポリエステルと反応性を有する官能
基を有するアクリルゴムや、液晶ポリエステルと反応性
を有する官能基を有するビニル芳香族炭化水素化合物−
共役ジエン化合物ブロック共重合体ゴムも例示すること
ができる。
【0042】ここでいうアクリルゴムとして好ましく
は、一般式(1) (式中、R1は炭素原子数1〜18のアルキル基または
シアノアルキル基を示す。)、一般式(2) (式中、R2は炭素原子数1〜12のアルキレン基、R3
は炭素原子数1〜12のアルキル基を示す。)、および
一般式(3) (式中、R4は水素原子またはメチル基、R5炭素原子数
3〜30のアルキレン基、R6は炭素原子数1〜20の
アルキル基またはその誘導体、nは1〜20の整数を示
す。)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の
単量体を主成分とするものである。
【0043】上記一般式(1)で表されるアクリル酸ア
ルキルエステルの具体例としては、例えばメチルアクリ
レート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、
ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシル
アクリレート、アクチルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリ
レート、ドデシルアクリレート、シアノエチルアクリレ
ートなどを挙げることができる。
【0044】また、上記一般式(2)で表されるアクリ
ル酸アルコキシアルキルエステルとしては、例えばメト
キシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレー
ト、ブトキシエチルアクリレート、エトキシプロピルア
クリレートなどを挙げることができる。これらの1種あ
るいは2種以上を該アクリルゴムの主成分として用いる
ことができる。
【0045】かかるアクリルゴムの構成成分として、必
要に応じて上記の一般式(1)〜(3)で表される化合
物から選ばれる少なくとも一種の単量体と共重合可能な
不飽和単量体を用いることができる。このような不飽和
単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、
アクリロニトリル、ハロゲン化スチレン、メタクリロニ
トリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルナ
フタレン、N−メチロールアクリルアミド、酢酸ビニ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ベンジルアクリレー
ト、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸
などが挙げられる。
【0046】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
を有するアクリルゴムの好ましい構成成分比は、上記の
一般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少
なくとも一種の単量体40.0〜99.9重量%、不飽
和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和
グリシジルエーテル0.1〜30.0重量%、上記の一
般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少な
くとも一種の単量体と共重合可能な不飽和単量体0.0
〜30.0重量%である。該アクリルゴムの構成成分比
が上記の範囲内であると、組成物の耐熱性や耐衝撃性、
成形加工性が良好であり好ましい。
【0047】該アクリルゴムの製法は特に限定するもの
ではなく、例えば特開昭59−113010号公報、特
開昭62−64809号公報、特開平3−160008
号公報、あるいはWO95/04764などに記載され
ているような周知の重合法を用いることができ、ラジカ
ル開始剤の存在下で乳化重合、懸濁重合、溶液重合ある
いはバルク重合で製造することができる。
【0048】前記液晶ポリエステルと反応性を有する官
能基を有するビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン
化合物ブロック共重合体ゴムとして好ましくは、(a)
ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とするシーケンスと
(b)共役ジエン化合物を主体とするシーケンスからな
るブロック共重合体をエポキシ化して得られるゴム、ま
たは該ブロック共重合体の水添物をエポキシ化して得ら
れるゴムである。
【0049】ビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン
化合物ブロック共重合体あるいはその水添物は、周知の
方法で製造することができ、例えば、特公昭40−23
798号公報、特開昭59−133203号公報等に記
載されている。
【0050】芳香族炭化水素化合物としては、例えば、
スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、α−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルナフタレン
などを挙げることができ、中でもスチレンが好ましい。
共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソ
プレン、ピレリレン、1,3−ペンタジエン、3−ブチ
ル−1,3−オクタジエンなどを挙げることができ、ブ
タジエンまたはイソプレンが好ましい。
【0051】共重合体(B)として用いるゴムとして好
ましくは、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−
(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または
不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムが用いられ
る。
【0052】共重合体(B)として用いるゴムは、必要
に応じて加硫を行い、加硫ゴムとして用いることができ
る。上記の(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−
(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または
不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムの加硫は、多
官能性有機酸、多官能性アミン化合物、イミダゾール化
合物などを用いることで達成されるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0053】また、液晶ポリエステルと反応性を有する
官能基を有する共重合体(B)の具体例として、エポキ
シ基を有する熱可塑性樹脂としては(a)エチレン単位
が50〜99重量%、(b)不飽和カルボン酸グリシジ
ルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテ
ル単位が0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20
重量%、(c)エチレン系不飽和エステル化合物単位が
0〜50重量%からなるエポキシ基含有エチレン共重合
体を挙げることができる。
【0054】エチレン系不飽和エステル化合物(c)と
しては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル等のカルボン酸ビニルエステル、α,β−不飽和カル
ボン酸アルキルエステル等が挙げられる。特に酢酸ビニ
ル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好ましい。
【0055】該エポキシ基含有エチレン共重合体の具体
例としては、たとえばエチレン単位とグリシジルメタク
リレート単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシ
ジルメタクリレート単位およびアクリル酸メチル単位か
らなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリレ
ート単位およびアクリル酸エチル単位からなる共重合
体、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位およ
び酢酸ビニル単位からなる共重合体等が挙げられる。
【0056】該エポキシ基含有エチレン共重合体のメル
トインデックス(以下、MFRということがある。JI
S K6760、190℃、2.16kg荷重)は、好
ましくは0.5〜100g/10分、更に好ましくは2
〜50g/10分である。メルトインデックスはこの範
囲外であってもよいが、メルトインデックスが100g
/10分を越えると組成物にした時の機械的物性の点で
好ましくなく、0.5g/10分未満では成分(A)の
液晶ポリエステルとの相溶性が劣り好ましくない。
【0057】また、該エポキシ基含有エチレン共重合体
は、曲げ剛性率が10〜1300kg/cm2の範囲の
ものが好ましく、20〜1100kg/cm2のものが
さらに好ましい。曲げ剛性率がこの範囲外であると組成
物の成形加工性や機械的性質が不十分となる場合があり
好ましくない。
【0058】該エポキシ基含有エチレン共重合体は、通
常不飽和エポキシ化合物とエチレンをラジカル発生剤の
存在下、500〜4000気圧、100〜300℃で適
当な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存在下に共重合
させる高圧ラジカル重合法により製造される。また、ポ
リエチレンに不飽和エポキシ化合物およびラジカル発生
剤を混合し、押出機の中で溶融グラフト共重合させる方
法によっても作られる。
【0059】本発明で用いる液晶性ポリマーの好ましい
具体例としてあげられる液晶ポリエステル樹脂組成物
は、(A)液晶ポリエステルを連続相とし(B)液晶ポ
リエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体を
分散相とする樹脂組成物である。液晶ポリエステルが連
続相でない場合には、液晶ポリエステル樹脂組成物を用
いてなるフィルムまたはシート等の成形体のガスバリア
性、耐熱性などが著しく低下し、好ましくない。
【0060】このような官能基を有する共重合体と液晶
ポリエステルとの樹脂組成物においては、機構の詳細は
不明ではあるが、該組成物の成分(A)と成分(B)と
の間で反応が生起し、成分(A)が連続相を形成すると
ともに成分(B)が微細分散し、そのために該組成物の
成形加工性が向上するものと考えられる。
【0061】かかる液晶ポリエステル樹脂組成物の流動
開始温度(FT1)は、[該組成物の成分(A)の液晶
ポリエステルの流動開始温度(FT2)−10]℃より
高いことが好ましい。FT1がFT2より高いことがよ
り好ましい。FT1が[FT2−10]℃より高いと該
組成物の成形加工性が向上し好ましい。ここで、流動開
始温度とは、毛細管型レオメーター(例えば島津製作所
製島津フローテスターCFT−500型)を用いて測定
され、4℃/分の昇温速度で加熱溶融された樹脂を、荷
重100kgf/cm2のもとで、内径1mm、長さ1
0mmのノズルから押し出したときに、溶融粘度が48
000ポイズを示す温度(℃)をいう。
【0062】上記の液晶ポリエステル樹脂組成物の一実
施態様は、(A)液晶ポリエステル56.0〜99.9
重量%、好ましくは65.0〜99.9重量%、さらに
好ましくは70〜98重量%、および(B)液晶ポリエ
ステルと反応性を有する官能基を有する共重合体44.
0〜0.1重量%、好ましくは35.0〜0.1重量
%、さらに好ましくは30〜2重量%を含有する樹脂組
成物である。成分(A)が56.0重量%未満であると
該組成物から得られるフィルムまたはシート等の成形体
のガスバリア性、耐熱性が低下する場合があり好ましく
ない。また成分(A)が99.9重量%を超えると該組
成物の成形加工性が低下する場合があり、また価格的に
も高価なものとなり好ましくない。
【0063】かかる液晶ポリエステル樹脂組成物を製造
する方法としては周知の方法を用いることができる。た
とえば、溶液状態で各成分を混合し、溶剤を蒸発させる
か、溶剤中に沈殿させる方法が挙げられる。工業的見地
からみると溶融状態で上記組成比の各成分を混練する方
法が好ましい。溶融混練には一般に使用されている一軸
または二軸の押出機、各種のニーダー等の混練装置を用
いることができる。特に二軸の高混練機が好ましい。溶
融混練に際しては、混練装置のシリンダー設定温度は2
00〜360℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは2
30〜350℃である。
【0064】混練に際しては、各成分は予めタンブラー
もしくはヘンシェルミキサーのような装置で各成分を均
一に混合してもよいし、必要な場合には混合を省き、混
練装置にそれぞれ別個に定量供給する方法も用いること
ができる。
【0065】本発明に使用する液晶性ポリマーにおいて
は、必要に応じて、有機充填剤、酸化防止剤、熱安定
剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、無機または有機系着色
剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表面平滑剤、表
面光沢改良剤、フッ素樹脂などの離型改良剤などの各種
の添加剤を製造工程中あるいはその後の加工工程におい
て添加することができる。
【0066】本発明で使用する溶融時に光学的に異方性
を示す樹脂の吸水率としては、0.05wt%以下が好
ましい。それを超えると得られた樹脂フィルムの表面が
荒れたり、発泡したりして好ましくない。ここでいう吸
水率とは、溶融時に光学的に異方性を示す樹脂ペレット
について市販の水分計を用いて測定するもので、その方
法には特に制限はなく既知の方法で測定することができ
る。
【0067】かかる液晶性ポリマーからなるフィルムと
しては、例えば、Tダイから溶融樹脂を押出し巻き取る
Tダイ法、環状ダイスを設置した押出し機から溶融樹脂
を円筒状に押出し、冷却し巻き取るインフレーション成
膜法により得られたフィルムまたはシート、熱プレス法
または溶媒キャスト法により得られたフィルムまたはシ
ート、あるいは射出成形法や押出し法で得られたシート
をさらに一軸延伸または二軸延伸して得られたフィルム
またはシートを用いることもできる。
【0068】液晶性ポリマーとして組成物を射出成形、
押出成形などする場合には、あらかじめ混練の工程を経
ることなく、成分のペレットを成形時にドライブレンド
して溶融成形して、フィルムまたはシートを得ることも
できる。
【0069】Tダイ法では、Tダイを通して押出した溶
融樹脂を巻き取り機方向(長手方向)に延伸しながら巻
き取って得られる一軸延伸フィルム、または二軸延伸フ
ィルムが好ましく用いられる。
【0070】一軸延伸フィルムの成膜時における押出機
の設定条件は組成物の組成に応じて適宜設定できるが、
シリンダー設定温度は200〜360℃の範囲が好まし
く、230〜350℃の範囲がさらに好ましい。この範
囲外であると組成物の熱分解が生じたり、成膜が困難と
なる場合があり好ましくない。
【0071】Tダイのスリット間隔は、0.2〜2.0
mmが好ましく、0.2〜1.2mmがさらに好ましい。
一軸延伸フィルムのドラフト比は、1.1〜40の範囲
のものが好ましく、さらに好ましくは10〜40であ
り、特に好ましくは15〜35である。
【0072】ここでいうドラフト比とは、Tダイスリッ
トの断面積を長手方向に垂直な面のフィルム断面積で除
した値をいう。ドラフト比が1.1未満であるとフィル
ム強度が不十分であり、ドラフト比が45を越すとフィ
ルムの表面平滑性が不十分となる場合があり、好ましく
ない。ドラフト比は押出機の設定条件、巻き取り速度な
どを制御して設定することができる。
【0073】二軸延伸フィルムは、一軸延伸フィルムの
成膜と同様の押出機の設定条件、すなわちシリンダー設
定温度が好ましくは200〜360℃の範囲、さらに好
ましくは230〜350℃の範囲、Tダイのスリット間
隔が好ましくは0.2〜1.2mmの範囲で該組成物の
溶融押出しを行い、Tダイから押出した溶融体シートを
長手方向および長手方向と垂直方向(横手方向)に同時
に延伸する方法、またはTダイから押出した溶融体シー
トをまず長手方向に延伸し、ついでこの延伸シートを同
一工程内で100〜300℃の高温下でテンターより横
手方向に延伸する逐次延伸の方法などにより得られる。
【0074】二軸延伸フィルムを得る際、その延伸比は
長手方向に1.2〜20倍、横手方向に1.2〜20倍
の範囲が好ましい。延伸比が上記の範囲外であると、該
組成物フィルムの強度が不十分となったり、または均一
な厚みのフィルムを得るのが困難となる場合があり好ま
しくない。
【0075】円筒形のダイから押出した溶融体シートを
インフレーション法で成膜して得られる、インフレーシ
ョンフィルムなども好ましく用いられる。
【0076】すなわち、液晶性ポリマーは環状スリット
のダイを備えた溶融混練押出機に供給され、シリンダー
設定温度200〜360℃、好ましくは230〜350
℃で溶融混練を行って押出機の環状スリットから筒状フ
ィルムは上方または下方へ溶融樹脂が押出される。環状
スリット間隔は通常0.1〜5mm、好ましくは0.2
〜2mm、環状スリットの直径は通常20〜1000m
m、好ましくは25〜600mmである。
【0077】溶融押出しされた溶融樹脂フィルムに長手
方向(MD)にドラフトをかけるとともに、この筒状フ
ィルムの内側から空気または不活性ガス、例えば窒素ガ
スなどを吹き込むことにより長手方向と直角な横手方向
(TD)にフィルムを膨張延伸させる。
【0078】インフレーション成形(成膜)において、
好ましいブロー比は1.5〜10、好ましいMD延伸倍
率は1.5〜40である。インフレーション成膜時の設
定条件が上記の範囲外であると厚さが均一でしわの無い
高強度のフィルムを得るのが困難となる場合があり好ま
しくない。
【0079】膨張させたフィルムは通常、その円周を空
冷あるいは水冷させた後、ニップロールを通過させて引
き取る。
【0080】インフレーション成膜に際しては液晶ポリ
エステル樹脂組成物の組成に応じて、筒状の溶融体フィ
ルムが均一な厚みで表面平滑な状態に膨張するような条
件を選択することができる。
【0081】フィルムの厚みには特に制限はないが、好
ましくは3〜1000μm、さらに好ましくは3〜50
0μmである。
【0082】本発明のバッグインドラム内装体用フィル
ムとしては、液晶性ポリマーからなる層と(液晶性ポリ
マーを除く)熱可塑性樹脂からなる層とが積層してなる
積層フィルムからなるバッグインドラム内装体用フィル
ムも好適に使用できる。
【0083】ここでいう熱可塑性樹脂とは、特に限定す
るものではないが、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポ
リカーボネート、ポリエステル、ポリアセタール、ポリ
アミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルホ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド、フ
ッ素樹脂、アクリル樹脂から選ばれる少なくとも一種を
含有するものであることが好ましい。
【0084】かかる液晶性ポリマーからなる層と熱可塑
性樹脂からなる層とを積層する方法としては、圧着、熱
圧着、超音波接着、接着剤を使用したドライラミネーシ
ョン、該液晶性ポリマーからなるフィルム上への該熱可
塑性樹脂の溶融押出によるラミネーション、あるいは、
該液晶性ポリマーと該熱可塑性樹脂とを各々溶融した後
共押出することによるラミネーションなどの方法が挙げ
られる。熱可塑性樹脂からなる層の厚みは特に制限する
ものではないが、3〜2000μmの範囲が好ましい。
かかる積層フィルムをバッグインドラム内装体用フィル
ムに適用する場合には、内容物と接触する面が液晶性ポ
リマーからなる層であるのが好ましい。
【0085】かかる積層体を構成する各層のどちらかの
面、あるいは両者の面の表面に表面処理を施すことがで
きる。このような表面処理法としては、例えばコロナ放
電処理、プラズマ処理、火炎処理、スパッタリング処
理、溶剤処理、紫外線処理、研磨処理、赤外線処理、オ
ゾン処理などが挙げられる。
【0086】またバッグインドラム内装体用フィルムを
構成する各層間に必要に応じて接着剤層、あるいは接着
性樹脂層が介在してもよい。
【0087】本発明においては、内装体をドラム缶など
に収納、装着する方法は特に制限するものではなく、周
知の方法により行うことができる。例えば、得られた液
晶性ポリマーフィルムあるいは液晶性ポリマーからなる
層と熱可塑性樹脂からなる層とが積層してなる積層フィ
ルムを所定の大きさに裁断したのち、ドラム缶などの容
器内に収納、装着することもでき、あるいはあらかじめ
該フィルムを融着してバッグを作成したのち、ドラム缶
などの内部に収納、装着することができる。フィルムや
フィルムからなるバッグはあらかじめ折り畳んだものを
ドラム缶などに装着してもよい。その際、フィルムをド
ラム缶などの壁面に沿って円滑に収納するために、空気
圧などで該フィルムバッグを膨らませて使用に供するこ
とができる。円筒ダイから樹脂を溶融押出しするか、樹
脂フィルムを貼合して得られた筒状の樹脂フィルムと、
円形状に切り出された蓋部および底部フィルムを貼合す
ることで一体型のバッグインドラム内装体を得ることが
できる。
【0088】また本発明のバッグインドラム内装体用フ
ィルムを使用して内装体を得、内装体を有するドラム缶
などを得る方法としては、特開平8−24485号公
報、特開平9−20368号公報や特開平10−746
号公報に記載の方法を採用することができる。
【0089】また、本発明におけるドラム缶などの容器
の蓋部、同大部、底部の各部には、金属あるいは樹脂を
使用できるし、本発明における液晶性ポリマーフィルム
あるいは液晶性ポリマーと熱可塑性樹脂フィルムとの積
層フィルムとで被覆された金属あるいは樹脂も使用する
ことができる。
【0090】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、こ
れらは単なる例示であり、本発明はこれらに限定される
ことはない。
【0091】(1)成分(A)の液晶ポリエステル (i)p−アセトキシ安息香酸8.3kg(60モ
ル)、テレフタル酸2.49kg(15モル)、イソフ
タル酸0.83kg(5モル)および4,4’−ジアセ
トキシジフェニル5.45kg(20.2モル)を櫛型
撹拌翼をもつ重合槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌
しながら昇温し330℃で1時間重合させた。この間に
副生する酢酸ガスを冷却管で液化し回収、除去しなが
ら、強力な撹拌下で重合させた。その後、系を徐々に冷
却し、200℃で得られたポリマーを系外へ取出した。
この得られたポリマーを細川ミクロン(株)製のハンマ
ーミルで粉砕し、2.5mm以下の粒子とした。これを
更にロータリーキルン中で窒素ガス雰囲気下に280℃
で3時間処理することによって、流動開始温度が324
℃の粒子状の下記の繰り返し構造単位からなる全芳香族
ポリエステルを得た。ここで流動開始温度とは、島津製
作所製島津フローテスターCFT−500型を用いて、
4℃/分の昇温速度で加熱溶融された樹脂を、荷重10
0kgf/cm2のもとで、内径1mm、長さ10mm
のノズルから押し出したときに、溶融粘度が48000
ポイズを示す温度(℃)をいう。以下該液晶ポリエステ
ルをA−1と略記する。このポリマーは加圧下で340
℃以上で光学異方性を示した。液晶ポリエステルA−1
の繰り返し構造単位は、次の通りである。
【0092】
【0093】(2)成分(B) (i)特開昭61−127709号公報の実施例5に記
載の方法に準じて、アクリル酸メチル/エチレン/グリ
シジルメタクリレート=59.0/38.7/2.3
(重量比)、ムーニー粘度=15、結晶の融解熱量<1
J/gのゴムを得た。以下該ゴムをB−1と略称するこ
とがある。ここでムーニー粘度は、JIS K6300
に準じて100℃、ラージローターを用いて測定した値
である。また結晶の融解熱量は、DSCを使用し、試料
を−150℃から100℃まで20℃/分で昇温して求
めた。
【0094】(3)フィルムの物性測定法 (i)ガス透過率:得られたフィルムに関し、以下の要
領で測定を行った。 酸素ガス透過率:JIS K7126 A法(差圧法)
に従って、温度20℃で酸素ガスを用いて測定した。単
位はcc/m2・24hr・1atmである。 水蒸気透過率:JIS Z0208(カップ法)に従っ
て、温度40℃、相対湿度90%の条件で測定した。単
位はg/m2・24hr・1atmである。
【0095】(ii)屈曲試験:得られたフィルムに関
し、東洋精機(株)製MIT屈曲試験機 Folding Endur
ance Tester MIT-D型を使用し、JIS−p−8115
に基づいて、荷重1Kgf、折り曲げ角135度、折り
曲げ曲面半径1mm、折り曲げ速度175回/minで
屈曲試験を行い、積層材料が破断するまでの屈曲回数を
求めた。
【0096】(iii)耐薬品性:ASTM D 1239
−55に準じて、室温の表1に示す薬品にフィルムを7
日間浸漬したのちその重量変化、および寸法変化を測定
し、以下の基準で耐薬品性を判定した。 ○:重量および寸法のいずれも変化なし。 ×:重量、寸法の少なくとも一方に変化があった。 (iv)蒸発残留物:厚生省告示第20号に準じてフィル
ムを規定の浸出用液を用いて、所定の条件で蒸留残留物
の量を求め、以下の基準で判定した。 ○:蒸留残留物が30ppm未満である。 ×:蒸留残留物が30ppm以上である。
【0097】参考例1 A−1 80重量%、B−1 20重量%を日本製鋼
(株)製TEX−30型二軸押出機を用いてシリンダー
設定温度350℃、スクリュー回転数200rpmで溶
融混練を行って組成物のペレットを得た。該組成物ペレ
ットは加圧下で340℃以上で光学的異方性を示した。
該組成物ペレットの流動開始温度は328℃であった。
この組成物のペレットを円筒ダイを備えた60mmφの
単軸押出機に供給して、シリンダー設定温度350℃、
回転数60rpmで溶融混練し、直径50mm、リップ
間隔1.0mm、ダイ設定温度355℃の円筒ダイから
上方へ溶融樹脂を押出し、その際この筒状フィルムの中
空部へ乾燥空気を圧入して筒状フィルムを膨張させ、次
に冷却させたのちニップロールに通して引取速度40m
/minで引取り、液晶ポリエステル樹脂組成物フィル
ムを得た。この際フィルムMD方向の延伸倍率は8.
6、ブロー比は3.2、フィルム厚みは28μmであっ
た。以下該フィルムをg−1と略称することがある。g
−1の酸素透過度は0.4cc/m2・24hr・1a
tm、水蒸気透過度は0.3g/m2・24hr・1a
tmであった。また屈曲試験結果は>100000回で
あった。また、g−1の耐薬品性試験の結果を表1に示
す。本発明における液晶性ポリマーフィルム(g−1)
は良好な耐薬品性を示すことが分かる。表2にg−1の
蒸留残留物試験結果を示す。g−1は蒸留残留物試験で
も良好な結果を示すことが分かる。
【0098】
【表1】フィルムの耐薬品性試験結果
【0099】
【表2】フィルムの蒸留残留物試験結果
【0100】
【発明の効果】本発明により耐薬品性、衛生性、耐熱
性、ガスバリア性、柔軟性に優れ、軽量で安価であり、
用済み後の後処理が容易なバッグインドラム内装体用フ
ィルムが提供され、工業用薬品、塗料、食料油、乳飲
料、果汁、ガソリン、灯油、エンジンオイルなどの保
管、輸送用途など、産業界で幅広く適用することができ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 3E067 AA03 AB26 AB96 BA03C BA04C BA12B BB11C BB14B BB14C BB15B BB16B BB18B BB25B CA04 CA16 CA17 CA30 FB15 4F071 AA11 AA12X AA13X AA14 AA15X AA21X AA22 AA22X AA24 AA25 AA26 AA26X AA28X AA30X AA31 AA33X AA36X AA40 AA43 AA50 AA51 AA53 AA54 AA62 AA64 AA67 AA75 AA76 AA77 AF02 AF08 AF12 AF45 AH05 BC01 BC04 4F213 AA03 AA10 AA13 AA15 AA16 AA21 AA23 AA24 AA24E AA28 AA29 AA32 AA34 AA45 AG01 AG03 AH55 AH56 WB01 WB13 WF01 WF21 4J002 AA05X AC11X BC05X BG04X BG05X BN02X BN07X BN11X BN12X BN13X BN14X BP01X CD19X CF161 CH02X GF00 GG01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融時に光学的異方性を示す樹脂を用いて
    なることを特徴とするバッグインドラム内装体用フィル
    ム。
  2. 【請求項2】溶融時に光学的異方性を示す樹脂からなる
    層と、熱可塑性樹脂(但し溶融時に光学的異方性を示す
    樹脂を除く。)からなる層とが積層してなる積層フィル
    ムからなることを特徴とするバッグインドラム内装体用
    フィルム。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂(但し溶融時に光学的異方性
    を示す樹脂を除く。)が、ポリオレフィン、ポリスチレ
    ン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアセター
    ル、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテ
    ルサルホン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化
    ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフェニレンサルファ
    イド、フッ素樹脂、アクリル樹脂から選ばれる少なくと
    も一種を含有するものであることを特徴とする請求項2
    記載のバッグインドラム内装体用フィルム。
  4. 【請求項4】溶融時に光学的異方性を示す樹脂が、
    (A)液晶ポリエステルを連続相とし(B)液晶ポリエ
    ステルと反応性を有する官能基を有する共重合体を分散
    相とする液晶ポリエステル樹脂組成物であることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載のバッグインドラ
    ム内装体用フィルム。
  5. 【請求項5】溶融時に光学的異方性を示す樹脂が、
    (A)液晶ポリエステル56.0〜99.9重量%、お
    よび(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を
    有する共重合体44.0〜0.1重量%を溶融混練して
    得られる組成物であることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載のバッグインドラム内装体用フィルム。
  6. 【請求項6】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
    が、オキサゾリル基、エポキシ基またはアミノ基である
    ことを特徴とする請求項4または5記載のバッグインド
    ラム内装体用フィルム。
  7. 【請求項7】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
    を有する共重合体(B)が、不飽和カルボン酸グリシジ
    ルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテ
    ル単位を0.1〜30重量%含有する共重合体であるこ
    とを特徴とする請求項4または5記載のバッグインドラ
    ム内装体用フィルム。
  8. 【請求項8】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
    を有する共重合体(B)が、エポキシ基を有するゴムで
    あることを特徴とする請求項4または5記載のバッグイ
    ンドラム内装体用フィルム。
  9. 【請求項9】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
    を有する共重合体(B)が、エポキシ基を有する熱可塑
    性樹脂であることを特徴とする請求項4または5記載の
    バッグインドラム内装体用フィルム。
  10. 【請求項10】液晶ポリエステル(A)が、芳香族ジカ
    ルボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒドロキシカルボン
    酸とを反応させて得られるものであることを特徴とする
    請求項4〜9のいずれかに記載のバッグインドラム内装
    体用フィルム。
  11. 【請求項11】液晶ポリエステル(A)が、異種の芳香
    族ヒドロキシカルボン酸の組合せを反応させて得られる
    ものであることを特徴とする請求項4〜9のいずれかに
    記載のバッグインドラム内装体用フィルム。
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