JPH09286903A - 液晶ポリエステル樹脂組成物およびフィルム - Google Patents
液晶ポリエステル樹脂組成物およびフィルムInfo
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- JPH09286903A JPH09286903A JP8097156A JP9715696A JPH09286903A JP H09286903 A JPH09286903 A JP H09286903A JP 8097156 A JP8097156 A JP 8097156A JP 9715696 A JP9715696 A JP 9715696A JP H09286903 A JPH09286903 A JP H09286903A
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Abstract
性を有し、しかも安価で成膜も容易な液晶ポリエステル
樹脂組成物および該組成物よりなるフィルムを提供す
る。 【解決手段】(A)液晶ポリエステルおよび(B)オキ
サゾニル基含有重合体からなり、成分(A)と成分
(B)の比率が、成分(A)が99.9〜0.1重量
%、成分(B)が0.1〜99.9重量%である液晶ポ
リエステル樹脂組成物、並びに、Tダイから溶融押出し
された該液晶ポリエステル樹脂組成物を一軸延伸あるい
は二軸延伸して得られるフィルム、および該液晶ポリエ
ステル樹脂組成物をインフレーション成形して得られる
フィルム。
Description
形などにより、成形品などに利用できる液晶ポリエステ
ル樹脂組成物および該組成物を成膜してなるガスバリア
性フィルムに関するものである。
フタレートやポリブチレンテレフタレートのような結晶
性ポリエステルと異なり、分子が剛直なため溶融状態で
も絡み合いを起こさず、液晶状態を有するポリドメイン
を形成し、低剪断により分子鎖が流れ方向に著しく配向
する挙動を示し、一般に溶融型液晶(サーモトロピック
液晶)ポリマーと呼ばれている。この特異的な挙動のた
め、溶融流動性が極めて優れ、0.2〜0.5mm程度
の薄肉成形品を容易に得ることができ、しかもこの成形
品は高強度、高剛性を示すという長所を有している。し
かし、異方性が極めて大きいという欠点がある。さらに
制振性能も充分ではなく、成形加工温度も高いため用途
が限られていた。また、液晶ポリエステルは一般に高価
であることも問題であった。
性質を保持し、制振性能、成形品の異方性が改良され、
かつ安価な液晶ポリエステル樹脂組成物は強く市場から
要望されていた。
融加工可能な重合体と異方性溶融体形成性重合体とを含
む樹脂組成物が開示され、溶融加工可能な重合体に異方
性溶融体形成性重合体を加えることにより、溶融加工可
能な重合体の加工性を改良できることが記載されてい
る。例えば、ポリフェニレンエーテル/ポリスチレン混
合物に液晶ポリエステルを加えた例などが挙げられてい
る。
耐熱性を向上させる目的で液晶ポリエステルに各種のポ
リアリーレンオキサイドを配合した樹脂組成物が記載さ
れている。しかしながら、一般に成形温度の高い液晶ポ
リエステルに、それより成形温度の低いポリフェニレン
エーテルなどの非晶性高分子を配合してなる組成物は、
組成物の溶融加工性は向上しても、高温での成形加工の
際の配合樹脂の熱分解のために成形品の外観不良が生じ
るという問題があった。また、該組成物の耐熱性、機械
的性質、耐衝撃性などが不充分であるという問題点があ
った。
開平2─102257号公報などに液晶ポリエステルと
芳香族ポリカーボネートからなる組成物が開示されてい
るが、それらは耐熱性や機械的性質などが充分なもので
はなかった。米国特許第5216073号明細書には液
晶ポリマーにエポキシ化ゴムを配合して成るブレンドに
ついて開示されているが、それらの耐熱性、機械的性質
も充分なものではなかった。
特開平1−121357号公報、特開平1−19335
1号公報、EP67272/A2号公報などに液晶性高
分子に熱可塑性樹脂を配合してなる組成物が記載されて
いるが、いずれも十分な物性を発現するには至っていな
い。
晶ポリエステルは、一般的に溶融型液晶(サーモトロピ
ック液晶)ポリマーと呼ばれ、強い分子間相互作用によ
って溶融状態で分子が配向することを特徴とするポリエ
ステルであり、その強い分子間相互作用、分子配向のた
めに、液晶ポリエステルについてよく知られる高強度、
高弾性率、高耐熱性といった性能に加えて、ガスバリア
性等の機能を持ったフィルム材料としての工業化が期待
されてきた。
テレフタレートやポリブチレンテレフタレートのような
芳香族ポリエステルと異なって分子が剛直なために溶融
状態でも絡み合いを起こさず、分子鎖が流れ方向に著し
く配向するので、わずかなせん断によっても溶融粘度が
急に低下する挙動を示したり、温度上昇によって急激に
溶融粘度が低下し、溶融時のメルトテンションが極端に
低いといった挙動を示す。そのため、溶融状態で形状を
保つのが非常に難しく、さらに、分子が配向しているこ
とで縦横の性能バランスが取りにくくて極端な場合には
分子配向方向に裂けてしまうことから、フィルム成形、
ブロー成形などの分野での実用性に乏しいという大きな
問題があった。そのため、液晶ポリエステルの機能を生
かした液晶ポリエステルからなるフィルムは充分実用化
されるには至っていなかった。
開昭52−109578号公報や特開昭58−3171
87号公報には、一軸に配向した液晶ポリエステルフィ
ルムを、強度の異方性を打ち消す方向に張り合わせた積
層体が開示されているが、生産性が悪く、さらにフィル
ム剥離の問題がある。
9015706号公報などにはリングダイを回転させる
方法で液晶ポリエステルの異方性を打ち消す工夫が、ま
た特開昭63−95930号公、特開昭63−2425
13号公報には、Tダイ法における特殊な工夫が提案さ
れている。しかしこれらはいずれも非常に特殊な成形法
によって分子配向による異方性を緩和する方法を示した
ものあり、コスト高で薄膜化に限界があり、実用性に乏
しいという欠点がある。
特開昭64−69323号公報、特開平2−17801
6号公報、特開平2−253919号公報、特開平2−
253920号公報、特開平2−253949号公報、
特開平2−253950号公報には液晶ポリエステルと
熱可塑性樹脂との多層(積層)シート、多層(積層)フ
ィルムが提案されているが、層間に接着層が介在するこ
とにより剥がれが生じたり、液晶ポリエステルの本来持
つガスバリア性、耐熱性などの性能の低下や薄いフィル
ムの製造が困難であるという問題がある。
かも高強度の液晶ポリエステルフィルムを得るためにイ
ンフレーション成膜が試みられている。インフレーショ
ン成膜とは、押出機内で溶融混練された樹脂を、環状の
スリットをもつダイを用いて筒状溶融体を押出し、その
中へ一定量の空気を送入し、膨張させ、フィルムの円周
を冷却させながら筒状のフィルムを作る方法をいう。
620号公報、特開平3−288623号公報、特開平
4−4126号公報、特開平4−50233号公報また
は特開平4−49026号公報などには、液晶ポリエス
テルをインフレーション成膜する方法が記載されている
が、いずれも特殊な成膜装置を使用したインフレーショ
ン成膜であったり、構造が限定された液晶ポリエステル
を対象とするものであったり、または極めて限定された
条件下でのインフレーション成膜であり、汎用性のある
成膜方法ではなかった。
は、液晶ポリエステルにフェニレンビスオキサゾリンを
反応させ、液晶ポリエステルに柔軟性を付与する方法が
記載されている。特開平4−85325号公報には、液
晶ポリエステルとビスオキサゾリン系化合物との反応物
を溶融押出ししてフィルムを得る製法に関して開示され
ている。特開平5−140422号公報には、液晶ポリ
エステル、異方性溶融相を形成しない熱可塑性樹脂にビ
スオキサゾリン化合物を配合してなる組成物が開示され
ている。しかし、これらのオキサゾリン化合物を配合し
た系は、液晶ポリエステルとの溶融押出しの際にオキサ
ゾリン化合物が蒸散して物性が不安定となったり、また
機械的性質が不十分であったり、成膜加工性が必ずしも
良好でなく、市場の要求を満足させるには至らなかっ
た。
度で、異方性が少なく、優れたガスバリア性を有し、し
かも安価で成膜も容易な液晶ポリエステル樹脂組成物お
よび該組成物よりなるフィルムを提供することにある。
な問題を解決すべく鋭意検討を続け本発明に到達した。
即ち本発明は、(A)液晶ポリエステルおよび(B)オ
キサゾニル基含有重合体からなり、成分(A)と成分
(B)の比率が、成分(A)が99.9〜0.1重量
%、成分(B)が0.1〜99.9重量%である液晶ポ
リエステル樹脂組成物、並びに、Tダイから溶融押出し
された該液晶ポリエステル樹脂組成物を一軸延伸あるい
は二軸延伸して得られるフィルム、および該液晶ポリエ
ステル樹脂組成物をインフレーション成形して得られる
フィルムに係るものである。次に、本発明を詳細に説明
する。
樹脂組成物の成分(A)の液晶ポリエステルは、サーモ
トロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルであ
る。具体的には、
ルと芳香族ヒドロキシカルボン酸との組み合わせからな
るもの、(2)異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸の組
み合わせからなるもの、(3)芳香族ジカルボン酸と核
置換芳香族ジオールとの組み合わせからなるもの、
(4)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル
に芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させて得られるも
の
方性溶融体を形成するものである。なお、これらの芳香
族ジカルボン酸、芳香族ジオールおよび芳香族ヒドロキ
シカルボン酸の代わりに、それらのエステル形成性誘導
体が使用されることもある。該液晶ポリエステルの繰返
し構造単位としては下記のものを例示することができる
が、これらに限定されるものではない。
造単位:
位:
返し構造単位:
ら特に好ましい液晶ポリエステルは
含むものであり、具体的には繰り返し構造単位の組み合
わせが下記(I)〜(VI)のものである。
等については、例えば特公昭47−47870号公報、
特公昭63−3888号公報、特公昭63−3891号
公報、特公昭56−18016号公報、特公平2−51
523号公報などに記載されている。これらの中で好ま
しくは(I)、(II)、(IV)の組合せであり、さらに
好ましくは(I)、(II)の組み合せである。
物において、高い耐熱性が要求される分野には成分
(A)の液晶ポリエステルが、下記の繰り返し単位
(a’)が30〜80モル%、繰り返し単位(b’)が
0〜10モル%、繰り返し単位(c’)が10〜25モ
ル%、繰り返し単位(d’)が10〜35モル%からな
る液晶ポリエステルが好ましく使用される。
ける成分(B)はオキサゾニル基含有重合体である。オ
キサゾニル基含有重合体は、例えば、オキサゾニル基含
有不飽和単量体とビニルモノマーとの共重合、あるいは
オキサゾニル基含有不飽和単量体と、液晶ポリエステル
および液晶ポリエステル樹脂組成物を除く熱可塑性樹脂
とのグラフト共重合により得ることができる。
ては、下記一般式で表される化合物を例示できる。
20のアルキル基を表わし、R1 〜R4 は同一でも異な
っていてもよい。R1 〜R4 は各々水素原子が好まし
い。
する基である。具体例としては、下記の構造などが挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。
数1〜6のアルキル基または炭素原子数1〜6のアルコ
キシル基である。)
チル基であるものがさらに好ましい。
合させるビニルモノマーとしては、脂肪族ビニルモノマ
ー、芳香族ビニルモノマー、シアン化ビニル系モノマー
などが用いられる。
スチレン、2,4−ジクロロスチレン、p−メトキシス
チレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、
p−ジビニルベンゼン、p−(クロロメトキシ)−スチ
レン、α−メチルスチレン、o−メチル−α−メチルス
チレン、m−メチル−α−メチルスチレン,p−メチル
−α−メチルスチレン、p−メトキシ−α−メチルスチ
レンなどが挙げられる。シアン化ビニル系モノマーの具
体例としては、例えばアクリロニトリル等が好ましく用
いられる。これらは単独または2種以上混合して用いる
ことができ、例えばオキサゾニル基含有不飽和単量体と
芳香族ビニルモノマーを共重合させたり、オキサゾニル
基含有不飽和単量体と芳香族ビニルモノマーおよびシア
ン化ビニル系モノマーを共重合させて用いることができ
る。これらのモノマーの中でもスチレンおよび/または
アクリロニトリルが好ましく用いられる。また、必要に
応じて少量のα,β−不飽和カルボン酸エステルを共重
合させることもできる。
ト共重合させる熱可塑性樹脂は、液晶ポリエステルおよ
び液晶ポリエステル樹脂組成物以外であれば、特に限定
するものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン、ポリスチレ
ン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
メチルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体、ポ
リメチルメタクリレート、ABS樹脂、AES樹脂、ポ
リ塩化ビニル、あるいはポリカーポネート、ポリアミ
ド、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレートなどのエンジニアリ
ングプラスチックを挙げることができる。中でもポリス
チレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体が好まし
い。
共重合体の製法は特に限定するものではなく、溶液重
合、懸濁重合、乳化重合、パルク重合など一般に知られ
ている方法が用いられる。
モノマーとの共重合においては、共重合体成分モノマー
の一部または全部を分割仕込み、あるいは連続仕込みし
ながら重合してもよい。また、オキサゾニル基含有不飽
和単量体を熱可塑性樹脂にグラフト共重合させる際、押
出機を使用して樹脂を溶融混練しながらグラフト共重合
させることもできる。
成物における成分(A)と成分(B)の比率は、成分
(A)が99.9〜0.1重量%、好ましくは99.9
〜55.0重量%、成分(B)が0.1〜99.9重量
%、好ましくは0.1〜45.0重量%である。成分
(A)が0.1重量%未満であると該組成物の耐熱性が
低下して好ましくない。また成分(A)が99.9重量
%を超えると該組成物の成膜性の改良効果が充分でない
場合があり、価格的にも高価なものとなり好ましくな
い。
物を製造する方法に特に制限はなく、周知の方法を用い
ることができる。たとえば、溶液状態で各成分を混合
し、溶剤を蒸発させるか、溶剤中に沈殿させる方法が挙
げられる。工業的見地からみると溶融状態で各成分を混
練する方法が好ましい。溶融混練には一般に使用されて
いる一軸または二軸の押出機、各種のニーダー等の混練
装置を用いることができる。特に二軸の高混練機が好ま
しい。溶融混練に際しては、混練装置のシリンダー設定
温度は200〜360℃の範囲が好ましく、さらに好ま
しくは230〜350℃である。
もしくはヘンシェルミキサーのような装置で各成分を均
一に混合してもよいし、必要な場合には混合を省き、混
練装置にそれぞれ別個に定量供給する方法も用いること
ができる。
成物においては、所望により無機充填剤が用いられる。
このような無機充填剤としては、炭酸カルシウム、タル
ク、クレー、シリカ、炭酸マグネシウム、硫酸バリウ
ム、酸化チタン、アルミナ、石膏、ガラスフレーク、ガ
ラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊
維、ホウ酸アルミニウムウィスカ、チタン酸カリウム繊
維等が例示される。
成物に、必要に応じて、さらに、有機充填剤、酸化防止
剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、
無機または有機系着色剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍
光剤、表面平滑剤、表面光沢改良剤、フッ素樹脂などの
離型改良剤などの各種の添加剤を製造工程中あるいはそ
の後の加工工程において添加することができる。
テル樹脂組成物を押出機で溶融混練し、口金(ダイ)を
通して押出した溶融樹脂を引き取ることによって、液晶
ポリエステル樹脂組成物フィルムを得ることができる
が、予め混練の過程を経ず、成形時に各成分をドライブ
レンドして溶融加工操作中に混練して樹脂組成物とし、
直接成形加工品を得ることもできる。口金(ダイ)は通
常T型ダイ(以下、Tダイということがある)あるいは
環状スリットのダイを用いることができる。
機によって溶融混練された液晶ポリエステル樹脂組成物
は、通常下向きのTダイを通過して、シート状の溶融体
となり、次に圧着ロールを通して長手方向に引取り装置
で、巻き取られる。
件は、組成物の組成物に応じて適宜選ばれるが、押出機
のシリンダーの設定温度は200〜360℃の範囲が好
ましく、230〜350℃の範囲がさらに好ましい。こ
の範囲外であると、組成物の熱分解が生じたり、成膜が
困難となる場合があり好ましくない。
mが好ましい。本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物フ
ィルムの厚みは1〜1000μmの範囲で制御可能であ
るが、5〜100μmのものが実用上多く用いられ好ま
しい。本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムの
ドラフト比は通常1.1〜45の範囲のものであり、好
ましくは10〜40、さらに好ましくは15〜35であ
る。また、Tダイから押出された該樹脂組成物の二軸延
伸フィルムも得ることができる。
ルムの製造における二軸延伸の方法に特に制限はない
が、具体的には押出機のTダイから押し出した本発明の
組成物の溶融物をMD方向(長手方向)に一軸延伸し、
それからTD方向(横手方向)に延伸する逐次延伸、T
ダイから押出したシートをMD、TD方向同時に延伸す
る同時延伸、さらにはTダイから押出した未延伸シート
を二軸延伸機、テンター等により逐次、または、同時延
伸するなどの二軸延伸の方法も挙げられる。
明の液晶ポリエステル樹脂組成物の流動開始温度マイナ
ス60℃以上、流動開始温度プラス60℃以下の温度範
囲が好ましいが、流動開始温度以上、流動開始温度プラ
ス30℃以下の温度範囲で成膜加工されることがさらに
好ましい。
〜1.5mmが好ましい。延伸倍率は、成形法により適
当な値が決められるが、たとえば、二軸延伸機で延伸す
る場合、延伸倍率を(延伸後の長さ/元の長さ)で定義
すると、MD延伸方向、TD方向のそれぞれの方向の延
伸比は1.2〜20、好ましくは1.5〜5.0が用い
られる。延伸倍率が1.2より小さいと延伸効果が小さ
く、20より大きいとフィルムの平滑性が不十分な場合
がある。
ション成膜の場合、得られた液晶ポリエステル樹脂組成
物は、環状スリットのダイを備えた溶融混練押出機に供
給され、シリンダー設定温度200〜360℃、好まし
くは230〜350℃で溶融混練を行って押出機の環状
スリットから筒状フィルムは上方または下方へ溶融樹脂
が押し出される。環状スリット間隔は通常0.1〜5m
m、好ましくは0.2〜2mm、環状スリットの直径は
通常20〜1000mm、好ましくは25〜600mm
である。
に、長手方向(MD)にドラフトをかけると共に、この
筒状フィルムの内側から空気または不活性ガス、例えば
窒素ガス等を吹き込むにより長手方向と直角な横手方向
(TD)にフィルムを膨張延伸させることができる。本
発明における液晶ポリエステル樹脂組成物のインフーシ
ョン成形(成膜)において、好ましいブロー比は、1.
5〜15、さらに好ましくは2.5〜15である。好ま
しいMD延伸倍率は1.5〜40であり、さらに好まし
くは2.5〜30である。インフレーション成膜時の設
定条件が上記の範囲外であると厚さが均一でしわのない
高強度の液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムを得るの
が困難となり好ましくない。膨張させたフィルムは、そ
の円周を空冷、あるいは水冷させたのち、ニップロール
を通過させて引き取る。
エステル樹脂組成物の組成に応じて、筒状の溶融体フィ
ルムが均一な厚みで表面平滑な状態に膨張するような条
件を選択することができる。
脂組成物フィルムの膜厚は特に制限されないが、好まし
くは1〜500μm、さらに好ましくは1〜200μm
である。
晶ポリエステルおよび液晶ポリエステル樹脂組成物を除
く熱可塑性樹脂フィルムとを、積層したフィルムも本発
明に含まれる。ここでいう液晶ポリエステルおよび液晶
ポリエステル樹脂組成物を除く熱可塑性樹脂は、特に限
定するものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン
の如きポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフ
タレートの如きポリエステル、ポリアセタール、ポリア
ミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルホ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド、フ
ッ素樹脂などが好ましく用いられる。これらの中でも、
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフ
ィン共重合体、ポリエチレンテレフタレートがさらに好
ましい。熱可塑性樹脂としては1種、または2種以上の
ものを混合してフィルム化することができる。本発明に
おける熱可塑性樹脂は、分子鎖に官能基を導入し、変性
した熱可塑性樹脂も含まれる。
ものではないが、Tダイあるいは環状ダイを使用し、各
構成成分の溶融体樹脂を、ダイ内部で重ね合わせる方
法、あるいは各溶融体樹脂をダイの手前で重ね合わせた
のちダイから押し出す方法などを挙げることができ、目
的に応じて製造方法を選択することができる。
れらは単なる例示であり、本発明はこれらに限定される
ことはない。 (1)成分(A)の液晶ポリエステル (i)p−アセトキシ安息香酸10.8kg(60モ
ル)、テレフタル酸2.49kg(15モル)、イソフ
タル酸0.83kg(5モル)および4,4’−ジアセ
トキシジフェニル5.45kg(20.2モル)を櫛型
撹拌翼をもつ重合槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌
しながら昇温し330℃で1時間重合させた。この間に
副生する酢酸を除去しながら、強力な撹拌下で重合させ
た。その後、系を徐々に冷却し、200℃で得られたポ
リマーを系外へ取出した。この得られたポリマーを細川
ミクロン(株)製のハンマーミルで粉砕し、2.5mm
以下の粒子とした。これを更にロータリーキルン中で窒
素ガス雰囲気下に280℃で3時間処理することによっ
て、流動温度が324℃の粒子状の下記の繰り返し構造
単位からなる全芳香族ポリエステルを得た。ここで、流
動温度とは、島津社製高化式フローテスターCFT−5
00型を用いて、4℃/分の昇温速度で加熱された樹脂
を、荷重100kgf/cm2 のもとで、内径1mm、
長さ10mmのノズルから押し出すときに、溶融粘度が
48000ポイズを示す温度のことをいう。以下該液晶
ポリエステルをA−1と略記する。このポリマーは加圧
下で340℃以上で光学異方性を示した。液晶ポリエス
テルA−1の繰り返し構造単位は、次の通りである。
g(12.1モル)と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
8.4kg(4.5モル)および無水酢酸18.6kg
(18.2モル)を櫛型撹拌翼付きの重合槽に仕込み、
窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら昇温し、320℃で1
時間、そしてさらに2.0torrの減圧下に320℃
で1時間重合させた。この間に、副生する酢酸を系外へ
留出し続けた。その後、系を除々に冷却し、180℃で
得られたポリマーを系外へ取出した。この得られたポリ
マーを前記の(i)と同様に粉砕したあと、ロータリー
キルン中で窒素ガス雰囲気下に240℃で5時間処理す
ることによって、流動温度が270℃の粒子状の下記の
繰り返し単位からなる全芳香族ポリエステルを得た。以
下該液晶ポリエステルをA−2と略記する。このポリマ
ーは加圧下で280℃以上で光学異方性を示した。液晶
ポリエステルA−2の繰り返し構造単位の比率は次の通
りである。
ヒドロキシ安息香酸を主原料とするユニチカ(株)製、
液晶ポリエステル ロッドラン LC−3000を略称
A−3として用いた。
合体 略称:B−1 オキサゾリン成分5重量%含有ポリスチ
レン (株)日本触媒製、商品名 RPS−1005 数平均分子量=70000
含有ポリスチレン (株)日本触媒製、商品名 RPS−1001 数平均分子量=70000
レン/アクリロニトリル=5/70/25(重量比)よ
りなる共重合体 (株)日本触媒製、商品名 RAS−1005 数平均分子量=50000
ら図1で示す試験片を成形した。この試験片は厚み3m
m、外寸64mm、内寸38mmであった。これから図
1に示すウェルドラインを含む斜線部(64×13m
m)を切り出し、スパン間距離40mm、曲げ速度2m
m/分で曲げ強度を測定した。また、同一の形状の試験
片から非ウェルド部(64×13mm)を切り出し、同
様にして曲げ強度を測定した。
以下の要領で物性測定を行った。
MD方向、TD方向の引張り強度を測定した。
法(差圧法)に従って、温度20℃で酸素ガスを用いて
測定した。単位はcc/m2 ・24hr・1atmであ
る。 水蒸気透過率:JIS Z0208 (カップ法)に従
って、温度40℃、相対湿度90%の条件で測定した。
単位はg/m2 ・24hr・1atmである。 なお、酸素ガス透過率、水蒸気透過率は膜厚みを25μ
mに換算して求めた。
ち、日本製鋼(株)製、TEX−30型二軸押出機を用
いて、表2の条件で溶融混練し、樹脂組成物のペレット
を得た。射出成形試験片は、日精樹脂工業(株)製、P
S40E5ASE型射出成形機を用いて、表2の条件で
射出成形して作製し、ウェルド強度測定に供した。結果
は表1に示すとおりである。
えた30mmφの単軸押出機を用い、表2に記載のシリ
ンダー設定温度、回転数50rpmで溶融混練し、直径
50mm、リップ間隔1.5mm、表2に記載のダイ設
定温度の円筒ダイから上方へ溶融樹脂を押出し、この筒
状フィルムの中空部へ乾燥空気を圧入して筒状フィルム
を膨張させ、次に冷却させたのちニップロールに通して
引取速度15m/minで引取り、表1記載の厚さの液
晶ポリエステル樹脂組成物フィルムを得た。該液晶ポリ
エステル樹脂組成物フィルムの引取方向(MD方向)、
引取方向に垂直方向(TD方向)の延伸倍率は、圧入す
る乾燥空気量、フィルム引取速度により制御した。この
際、MD方向の延伸比及びTD方向のブロー比の値を表
2に示す。得られた液晶ポリエステル樹脂組成物フィル
ムの物性値を表1に示す。
形を行い、評価した。結果は表1に示すとおりである。
出機(田辺プラスティックス機械(株)製)に試料を供
給し、シリンダー設定温度285℃、ダイス設定温度2
85℃、スクリュー回転数20rpm、幅100mm、
スリット間隔0.8mmとしたTダイより押し出してキ
ャストロールで引き取り、未延伸フィルムを作った。そ
のフィルムについて、二軸延伸試験装置(東洋精機製)
によって、延伸温度を流動開始温度+20℃にし、延伸
倍率(MD×TD)を1.9×1.9として同時二軸延
伸し、その試料について表1に示す厚さのフィルムを
得、物性測定を行った。評価結果を表1に記した。
ィルムは、成形加工性、機械的性質などに優れ、しかも
安価で異方性、成膜加工性も改良され、ガスバリア性も
非常に良好である。このような特性を生かして、成形
品、容器、チューブ、ミート、繊維、コーティング材、
電子材料包装フィルムなどに幅広く使用することができ
る。
験片の形状を示す図。
Claims (14)
- 【請求項1】(A)液晶ポリエステルおよび(B)オキ
サゾニル基含有重合体からなり、成分(A)と成分
(B)の比率が、成分(A)が99.9〜0.1重量
%、成分(B)が0.1〜99.9重量%である液晶ポ
リエステル樹脂組成物。 - 【請求項2】成分(A)と成分(B)の比率が、成分
(A)99.9〜55.0重量%、成分(B)が0.1
〜45.0重量%である請求項1記載の液晶ポリエステ
ル樹脂組成物。 - 【請求項3】オキサゾニル基含有重合体が、下記一般式
で示されるオキサゾニル基含有不飽和単量体を構成成分
とすることを特徴とする請求項1または2記載の液晶ポ
リエステル樹脂組成物。 【化1】 (式中R1 〜R4 は各々水素原子または炭素原子数1〜
20のアルキル基を表し、R1 〜R4 はそれぞれ同一で
あっても異なっていてもよい。Xは共重合可能な二重結
合を有する基である。) - 【請求項4】オキサゾニル基含有重合体が、下記一般式
で示されるオキサゾニル基含有不飽和単量体を構成成分
とすることを特徴とする請求項1または2記載の液晶ポ
リエステル樹脂組成物。 【化2】 (式中、R5 は水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル
基または炭素原子数1〜6のアルコキシル基を示す。) - 【請求項5】オキサゾニル基含有重合体が、オキサゾニ
ル基含有不飽和単量体と、芳香族ビニルモノマーもしく
は芳香族ビニルモノマーとシアン化ビニル系モノマーの
混合物との共重合で得られる共重合体、またはオキサゾ
ニル基含有不飽和単量体と、液晶ポリエステルおよび液
晶ポリエステル樹脂組成物を除く熱可塑性樹脂とのグラ
フト共重合により得られるものであることを特徴とする
請求項1〜4のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂
組成物。 - 【請求項6】液晶ポリエステル(A)が、下記の繰り返
し構造単位を少なくとも全体の30モル%含むものであ
ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液
晶ポリエステル樹脂組成物。 【化3】 - 【請求項7】液晶ポリエステル(A)が、芳香族ジカル
ボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒドロキシカルボン酸
とを反応させて得られるものであることを特徴とする請
求項1〜5のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂組
成物。 - 【請求項8】液晶ポリエステル(A)が、異種の芳香族
ヒドロキシカルボン酸の組合せを反応させて得られるも
のであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
載の液晶ポリエステル樹脂組成物。 - 【請求項9】液晶ポリエステル(A)が、下記の繰り返
し単位からなるものであることを特徴とする請求項1〜
5のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。 【化4】 - 【請求項10】液晶ポリエステル(A)が、下記の繰り
返し単位からなるものであることを特徴とする請求項1
〜5のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。 【化5】 - 【請求項11】液晶ポリエステル(A)が、下記の繰り
返し単位からなるものであることを特徴とする請求項1
〜5のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。 【化6】 - 【請求項12】液晶ポリエステル(A)が、下記の繰り
返し単位からなるものであることを特徴とする請求項1
〜5のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。 【化7】 - 【請求項13】Tダイから溶融押出しされた請求項1〜
12のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂組成物を
一軸延伸あるいは二軸延伸して得られるフィルム。 - 【請求項14】請求項1〜12のいずれかに記載の液晶
ポリエステル樹脂組成物をインフレーション成形して得
られるフィルム。
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