JP2790961B2 - ブロー成形用又は押出成形用液晶性ポリエステル樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

ブロー成形用又は押出成形用液晶性ポリエステル樹脂組成物及びその成形品

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JP2790961B2
JP2790961B2 JP5097755A JP9775593A JP2790961B2 JP 2790961 B2 JP2790961 B2 JP 2790961B2 JP 5097755 A JP5097755 A JP 5097755A JP 9775593 A JP9775593 A JP 9775593A JP 2790961 B2 JP2790961 B2 JP 2790961B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はブロー成形、押出成形に
適した異方性溶融相を形成しうる溶融加工可能な熱可塑
性ポリエステル(液晶性ポリエステル)樹脂組成物並び
にこの組成物を用いてブロー成形法等により成形された
中空成形品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】液晶性
ポリエステル樹脂は優れた流動性、機械的強度、耐熱
性、耐薬品性、電気的性質等をバランス良く有するため
高機能、エンジニアリングプラスチックとして広く利用
されているが、その大部分は専ら射出成形により得られ
るものであった。ところが、近年は、かかるポリエステ
ル系樹脂の用途も一層高度化、特殊化する傾向にあり、
これをブロー成形法等により効率良く経済的に成形して
液晶性ポリエステルの優れた物性を保持した中空成形品
を得ることが期待されている。例えば、自動車エンジン
ルーム内の配管、容器類等は、高温雰囲気下で使用さ
れ、しかも高度の機械的物性等をも要求されるため、従
来は専ら金属製のものが用いられてきた分野であるが、
軽量化、防錆化、加工コスト低減等のため、これらを上
記の如き優れた特性を有する液晶性ポリエステル樹脂の
ブロー成形により得ることが望まれている。しかしなが
ら、液晶性ポリエステル樹脂は、流動性、物性等に優れ
る反面、一般にこれらのブロー成形法を適用する上で最
も重要とされる特性、即ち溶融張力が低いため、ドロー
ダウンが激しく、ブロー成形法により所望の形状の成形
品を得ることは至難である。この改良法として、固有粘
度の高い高重合度ポリエステル樹脂を用いる方法、分岐
を有するポリエステルを用いる方法、更に各種フィラー
を添加する方法等が考えられているが、いずれも改良効
果は少なく、これらの加工法に対する材料として不充分
である。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、一層優れ
た溶融張力を有し、パリソンのドローダウン性を改良し
て、ブロー成形性、押出成形性が優れ、特にブロー成形
法により優れた機械的物性、耐熱性、寸法精度、表面状
態等を備えた中空成形品を容易に作成可能な液晶性ポリ
エステル樹脂組成物を得るべく鋭意検討した結果、特定
のスチレン系共重合体を少量配合することによりこの目
的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明は、 (A) 下記一般式(1) 及び(2) 、(3) で示される構成単位
を含み、異方性溶融相を形成し得る溶融加工性芳香族ポ
リエステル 100重量部、
【0004】
【化3】
【0005】〔但し、-Ar1- は二価のフェニレン基及び
/又はナフタレン基よりなり、-Ar2-は二価の芳香族基
及び炭素数2〜8の脂肪族基から選ばれた1種又は2種
以上よりなり、-R- は二価の芳香族基及び炭素数2〜8
の脂肪族基から選ばれた1種又は2種以上よりなる。〕 (B) スチレン40〜97重量%、下記一般式(4) で示される
α,β−不飽和酸のグリシジルエステル60〜3重量%、
他のビニル系モノマー0〜50重量%よりなるスチレン系
共重合体 0.2〜10重量部、
【0006】
【化4】
【0007】(式中、-R' は水素又はアルキル基であ
る。) (C) 繊維状、粉粒状、板状充填剤の1種以上0〜100 重
量部を配合し溶融混練してなるブロー成形用又は押出成
形用液晶性ポリエステル樹脂組成物に係るものである。
【0008】以下、本発明組成物の構成成分について詳
しく説明する。まず本発明に用いられる液晶性ポリエス
テル樹脂(A) は、前記一般式(1) よりなる芳香族ヒドロ
キシカルボン酸基を少なくとも30モル%以上含有する芳
香族ポリエステルであり、他の一般式(2) で示すジカル
ボン酸基と一般式(3) で示すジオールからなる繰り返し
単位を夫々35モル%以下で含有した芳香族ポリエテスル
も含まれる。本発明に使用する液晶性ポリエステルの主
たる繰り返し単位を構成する(1) 式の-Ar1- はフェニレ
ン基及び/又はナフタレン基より成り、これらの芳香族
ヒドロキシカルボン酸又はそのエステル形成性化合物の
重縮合によって得られる。かかる芳香族ヒドロキシカル
ボン酸化合物の例を示せば、4−ヒドロキシ安息香酸、
2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−7
−ナフトエ酸、4−(4−ヒドロキシフェニル)安息香
酸の如き芳香族ヒドロキシカルボン酸又はそのエステル
形成性化合物が挙げられ、1種又は2種以上の混合物で
あってもよい。特に(1) 式構成単位としては4−ヒドロ
キシ安息香酸基を主とし、一部ヒドロキシナフトエ酸基
を含むものが好ましい。特に使用するポリエステルの構
成単位として後述の(2) 式構成単位が不存在、又は極め
て少ない場合には(1) 式構成単位が上記2種よりなるこ
とが特に成形性の点で好ましい。次に本発明に使用する
ポリエステル(A) を構成する(2) 式の-Ar2- はフェニレ
ン基、ナフタレン基、ジフェニレン基であり、又液晶性
を保持する範囲で脂肪族基であってもよい。又、(3) 式
の-R- はフェニレン基、ナフタレン基、ビフェニレン基
等であり、炭素数2〜8の脂肪族基であってもよい。
(2) 式及び(3) 式構成単位は、原料としてジカルボン酸
(HOOC-Ar2-COOH)又はそのエステル形成性化合物及びジ
オール(HO-R-OH) より形成され、かかる酸成分とジオー
ル成分を前記芳香族ヒドロキシカルボン酸又はそのエス
テル形成性化合物と共に重縮合反応することにより導入
される。(2) 式単位を構成するためのジカルボン酸成分
としてはテレフタル酸、2,6 −ナフタレンジカルボン
酸、イソフタル酸、2,7 −ナフタレンジカルボン酸、4,
4'−ジフェニルカルボン酸等、公知の芳香族ジカルボン
酸又はそのエステル形成性化合物が挙げられる。又、
(3) 式単位を構成するためのジオールとしては、ハイド
ロキノン、核置換ハイドロキノン、4,4'−ビフェノー
ル、2,6 −ジヒドロキシナフタレン、ビスフェノールA
等の公知の芳香族ジオール、或いは脂肪族ジオール、例
えばエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール
から成る1種又は2種以上を用いることが出来る。本発
明に用いる液晶性ポリエステル(A) は(1) 式構成単位が
少なくとも30モル%以上、(2) 式及び(3) 式単位が夫々
35モル%以下であり、好ましくは(1) 式40%以上、(2)
式及び(3) 式単位が夫々30%以下、更に好ましくは(1)
式50%以上、(2) 式及び(3) 式単位が夫々25%以下であ
る。尚、本発明に使用する液晶性ポリエステル(A) は更
に上記(1) 式及び(2) 、(3) 式以外に、溶融時に液晶
性を示す範囲内でエーテル結合やアミド結合を持つコモ
ノマー成分を導入してもよく、又、液晶性を保持する範
囲内で、ペンタエリスリトール、トリメリット酸、トリ
メシン酸、4−ヒドロキシイソフタル酸の様な多官能性
エステル形成モノマーや、スルホイソフタル酸ナトリウ
ム、パラヒドロキシエチルフェニルスルホン酸ナトリウ
ムのようなイオン性基を持つエステル形成性モノマーを
導入したものでもよい。特に好ましい液晶性ポリエステ
ル樹脂(A) としては、4−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒ
ドロキシ−6−ナフトエ酸から成る共重合芳香族ポリエ
ステル、及び更にこれ以外にテレフタル酸、イソフタル
酸よりなる酸成分と、ハイドロキノン、4,4'−ビフェノ
ール、エチレングリコールよりなるジオール成分との組
合せモノマーを共重合して得られる芳香族コポリエステ
ルである。
【0009】本発明に用いられる液晶性熱可塑性ポリエ
ステル(A) の調製は、上記のモノマー化合物から直接重
合法やエステル交換法を用いて公知の方法で行うことが
出来るが、通常は溶融重合法やスラリー重合法等が用い
られる。エステル形成能を有する上記化合物類はそのま
まの形で重合に用いても良く、又、重合の前段階で前駆
体から該エステル形成能を有する誘導体に変性されたも
のでもよい。これらの重合に際しては種々の触媒の使用
が可能であり、代表的なものはジアルキル錫酸化物、ジ
アリール錫酸化物、2酸化チタン、アルコキシチタンけ
い酸塩類、チタンアルコラート類、カルボン酸のアルカ
リ及びアルカリ土類金属塩類、BF3 の如きルイス酸塩等
があげられる。触媒の使用量は一般にはモノマーの全重
量に基いて約 0.001乃至1重量%、特に約0.01乃至 0.2
重量%が好ましい。これらの重合方法により製造された
ポリマーは更に必要があれば、減圧又は不活性ガス中で
加熱する固相重合により分子量の増加を図ることができ
る。本発明で使用する液晶性ポリエステル樹脂(A) の溶
融粘度は特に限定する必要はなく、射出成形可能なもの
であれば何れにても良い。一般には成形温度での溶融粘
度が剪断速度 1000sec-1で10MPa 以上600MPa以下のもの
が使用可能である。好ましくは15〜400MPaであり、低粘
度であっても(B) 成分の併用によりブロー成形可能とな
り成形性は顕著に改善される。しかし、それ自体あまり
高粘度のものは流動性が非常に悪化するため好ましくな
い。尚、上記液晶性ポリエステル樹脂(A) は2種以上の
液晶ポリエステルの混合物であっても良い。
【0010】本発明に使用する液晶性ポリエステル樹脂
(A) は溶融時に光学的異方性を示すネマチック液晶性ポ
リエステルであり、本発明において耐熱性と易加工性を
併せ持つ上で不可欠な要素である。溶融異方性の性質は
直交偏光子を利用した慣用の偏光検査方法により確認す
ることができる。具体的にはLeitz 偏光顕微鏡を使用し
Leitz ホットステージにのせた試料を溶融し、窒素雰囲
気下で約40倍の倍率で観察することにより確認できる。
上記光学的に異方性のポリマーは直交偏光子間に挿入し
たとき溶融静止液状態であっても偏光は透過する。
【0011】次に、本発明における(B) 成分のスチレン
系共重合体は、基体ポリエステル樹脂(A) に配合して溶
融張力を改善してドローダウンを抑え、ブロー成形性を
著しく改善する効果を奏するものである。かかる(B) 成
分のスチレン系共重合体とは、スチレン40〜97重量%
と、下記一般式(4) で示されるα,β−不飽和酸のグリ
シジルエステル60〜3重量%とからなるスチレン系重合
体である。
【0012】
【化5】
【0013】(式中、-R' は水素又はアルキル基であ
る。) (4) 式で示されるα,β−不飽和酸のグリシジルエステ
ルユニットの含有量が高過ぎると組成物がゲル化し易
く、ブロー成形性に問題を生じ、又、成形品の表面状態
を悪化させるため好ましくなく、低過ぎると溶融張力、
ドローダウン性等のブロー成形性の改善効果が得られな
いので、(B) 成分中の(4) 式ユニットの含有量は60〜3
重量%に制限される。好ましくは50〜5重量%である。
(4) 式で示されるα,β−不飽和酸のグリシジルエステ
ルユニットは、例えばアクリル酸グリシジルエステル、
メタクリル酸グリシジルエステル、エタクリル酸グリシ
ジルエステル、イタコン酸グリシジルエステル等であ
り、特にメタクリル酸グリシジルエステルが好ましい。
尚、スチレン系共重合体(B) は、上記2成分以外に他の
ビニル系モノマーを1種以上使用して共重合した多元共
重合体であってもよく、斯かる第3成分として好適なも
のはアクリロニトリル、塩化ビニル、α−メチルスチレ
ン、ブロム化スチレン、フェニルマレイミド等が挙げら
れる。特にアクリロニトリルは第3成分として最も好適
であり、これを50重量%以下、好ましくは40重量%以下
導入した三元共重合体は更にブロー成形性の改善に一層
優れた効果を有する。これら以外の副成分として補助的
に少量の他のビニル系モノマーを導入した多元共重合体
であってもよいが、エチレン、プロピレン、ブテン−1
等のオレフィン系成分の含有はむしろ効果を減退させる
ので好ましくない。本発明の(B) 成分であるスチレン系
共重合体は、各成分のモノマーをラジカル重合触媒を用
いて通常のラジカル重合法により容易に調製することが
できる。尚、本発明の(B) 成分である共重合体として
は、線状共重合体に更に少量のビニル系重合体が分岐又
は架橋的に化学結合したグラフト共重合体でもよい。斯
かる分岐又は架橋セグメントを構成するビニル系モノマ
ーとして、アクリル酸、アクリル酸アルキルエステル、
メタクリル酸、メタクリル酸アルキルエステル、スチレ
ン、アクリロニトリル等が挙げられる。斯かる分岐又は
架橋構造を有する共重合体は、例えば前記線状共重合体
の存在下で少なくとも1種の上記ビニル系モノマーとラ
ジカル重合性有機過酸化物を共重合させ過酸化基含有共
重合体を生成させ、これを加熱混練することによってグ
ラフト共重合体とすることができる。しかし、本発明に
用いる(B) 成分は少なくともそれ自体が溶融混練温度に
おいて流動性の物質であることが必要で、好ましくは、
成分(B) の溶融粘度が、溶融混練する温度でポリエステ
ル樹脂(A) の粘度よりも低いものを用いるのが望まし
い。特に好ましい(B) 成分の粘度は(A) 成分の1/2 以下
である。分子量が大きく溶融粘度の高いものや、高度に
グラフト化したものは流動性が悪化し、ポリエステル樹
脂(A) に対する分散性が悪くなり、溶融張力、ドローダ
ウン性等ブロー成形性に対する改善効果が減少し、成形
品の表面状態も悪くなり、好ましくない。かかる(B) 成
分のスチレン系共重合体の配合量は(A) 成分100 重量部
に対して0.2 〜10重量部、好ましくは0.5 〜5重量部で
ある。この配合量が少な過ぎると本発明の目的とするブ
ロー成形性が得られず、また、多すぎると樹脂組成物が
ゲル状となり好ましくない。
【0014】本発明のブロー又は押出成形に用いる液晶
性ポリエステル樹脂組成物は目的に応じて更に(C) 成分
として繊維状、粉粒状、板状の充填剤を添加配合するこ
とができる。斯かる充填剤は成形品の機械的物性、特に
強度と剛性を付与するのに有効である。繊維状充填剤と
しては、ガラス繊維、アスベスト繊維、カーボン繊維、
シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、
窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリ
繊維、さらにステンレス、アルミニウム、チタン、銅、
真鍮等の金属の繊維状物などの無機質繊維状物質があげ
られる。特に代表的な繊維状充填剤はガラス繊維であ
る。一方、粉粒状充填剤としては、カーボンブラック、
シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、硅酸カル
シウム、硅酸アルミニウム、カオリン、タルク、クレ
ー、珪藻土、ウォラストナイトの如き硅酸塩、酸化鉄、
酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナの如き金属の酸化物、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き金属の炭酸
塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き金属の硫酸
塩、その他炭化硅素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉
末等が挙げられる。又、板状充填剤としてはマイカ、ガ
ラスフレーク、各種の金属箔等が挙げられる。これらの
無機充填物は一種又は二種以上併用することができる。
繊維状充填剤、特にガラス繊維と粉粒状又は板状充填剤
の併用は、成形品の機械的強度と寸法精度、電気的性質
等を兼備する上で好ましい組み合わせであり、特にブロ
ー成形性の向上にも有効である。これらの充填剤の使用
にあたっては収束剤又は表面処理剤を使用することが望
ましい。この例を示せば、エポキシ化合物、イソシアネ
ート系化合物、チタネート系化合物、シラン系化合物等
の官能性化合物である。本発明における(C) 成分である
上記充填剤の配合量はポリエステル(A) 100 重量部に対
し 100重量部以下、好ましくは70重量部以下である。配
合量が少ないと剛性、強度等が低くなる傾向があり、
又、100 重量部を越えると成形に支障を生じ好ましくな
い。
【0015】さらに本発明のポリエステル樹脂組成物に
は、上記以外に、他の熱可塑性樹脂を補助的に併用する
ことも可能である。ここで用いられる他の熱可塑性樹脂
としては、高温において安定な熱可塑性樹脂であればい
ずれのものでもよい。例えば、ポリアミド系重合体、前
記以外のポリエステル系重合体、前記以外のスチレン系
(共)重合体、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキ
サイド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアルキルアク
リレート、ポリアセタール、ポリサルホン、ポリエーテ
ルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケト
ン、フッ素樹脂、(変性)ポリオレフィンなどを挙げる
ことができる。またこれらの熱可塑性樹脂は2種以上混
合して使用することもできる。特にこれらの中で好まし
い熱可塑性樹脂としてはナイロン6、ナイロン66、ナイ
ロン12、或いはそれらの共重合体等のポリアミド系樹脂
を挙げることができる。これら、ポリアミド系樹脂等を
配合する場合の配合量は、成分(A) 100 重量部に対して
100 重量部以下が好ましい。特に好ましくは60重量部以
下である。ポリアミド系樹脂は溶融張力を増大させパリ
ソンを安定化し、耐ドローダウン性を向上させる効果が
あるが、配合量が多過ぎると成分(A) の樹脂の特性が失
われるので、好ましくない。また、液晶性を示さない熱
可塑性ポリエステル系重合体も、特に好ましい併用熱可
塑性樹脂である。例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト、ビスフェノールA/テレフタル酸/イソフタル酸共
重合体を挙げることができる。これらポリエステル系重
合体も、成分(A) 100 重量部に対して100 重量部以下が
好ましい。特に好ましくは60重量部以下である。ポリエ
ステル系重合体の配合量が多過ぎると成分(A) の樹脂の
特性が失われるので好ましくない。更に、本発明の液晶
性ポリエステル樹脂組成物には、一般に合成樹脂に添加
される公知の物質、すなわち酸化防止剤や紫外線吸収剤
等の安定剤、帯電防止剤、難燃剤、染料や顔料等の着色
剤、潤滑剤、離型剤、および結晶化促進剤、結晶核剤等
も要求性能に応じ適宜添加することができる。
【0016】本発明の組成物の調製は、上記(A) 、(B)
、(C) 成分を添加配合して溶融混練処理し、場合によ
ってはその他の所望成分をも配合して溶融混練し、次い
でブロー成形に供される。かかる各成分の溶融混練は1
軸又は2軸押出機を使用して一旦ペレット化した後ブロ
ー成形に供するもよく、又、溶融混練後直ちにブロー成
形用のパリソンとし成形に供することも可能である。ま
た、成分(A) 、(B) 、(C) 成分を一度に溶融混練処理し
ても、あるいは各成分を別々に混練して後から混合した
り、各成分を2回以上に分けて添加し、溶融混練しても
良い。
【0017】本発明のブロー成形は、一般的に熱可塑性
樹脂のブロー成形に用いられるブロー成形機を使用し通
常の方法で行えばよい。即ち上記のポリエステル樹脂組
成物を押出機等で可塑化し、これを環状のダイにより押
出あるいは射出して環状の溶融又は軟化した中間体パリ
ソンを形成し、これを金型にはさんで内部に気体を吹込
み、ふくらませて冷却固化し、中空体として成形され
る。本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物の成形条件と
しては、シリンダー温度及びダイ温度が、樹脂の融点よ
り−50℃〜+50℃の範囲内で行うのが好ましいが、特に
好ましくは−40℃〜+30℃の範囲内である。内部に吹込
む気体については、空気、窒素その他何れにてもよいが
経済性を考え空気が通常用いられ、その吹込圧は3〜10
kg/cm2 が好ましい。更には、3次元ブロー成形機等の
特殊ブロー成形機で成形することもできる。又、本発明
の組成物を一層以上とし、又、他の材料による層と組み
合わせて多層ブロー成形品とすることも可能である。
【0018】
【発明の効果】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は
従来の液晶ポリエステル樹脂又はその組成物に比べて溶
融張力が向上し、ブロー成形時のパリソンのドローダウ
ンがなく、ブロー成形性、押出成形性が著しく改善され
て、均一な肉厚、良好な外観を有する中空成形品を得る
ことができ、又、機械的物性、耐熱性等にも優れ、自動
車のインテークマニホールド、エンジン周辺の吸排気部
品、高温液体、化学薬品、溶剤用の容器、パイプ、フロ
ート等の如き容器類、管状物(異形も含む)等、かなり
苛酷な条件でも使用可能な中空成形品を提供することが
できる。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1〜6、比較例1〜2 表1に示す液晶性ポリエステル(A) 100 重量部に、(B)
成分としてスチレン−グリシジルメタクリレートコポリ
マー又はスチレン−アクリロニトリル−グリシジルメタ
クリレートコポリマーと(C) ガラス繊維を配合し、2軸
押出機で溶融混練して液晶性ポリエステル樹脂組成物の
ペレットを調製した。次に、このペレットを用い、ブロ
ー成形機((株)プラコー製 S-45ND )で、ダイス径50
mm、ダイス間隔3mmのダイを用いて、平均厚み2.5mm 、
内容量500ccの円筒状容器を成形した。この際に成形性
〔ドローダウン、吹込時の破れ、成形品の肉厚の均一
性、外観(肌荒れ、表面の凹凸)〕を評価した。又、比
較のため、スチレン系コポリマー(B) を配合しない場合
についても同様に試験した。結果を表1に示す。
【0020】尚、特性値の評価に用いた測定法は以下の
通りである。 1)溶融張力 キャピラリー式レオメーターを用い、表に示すブロー成
形温度で直径1mmのオリフィスから流出させた樹脂を引
落し比2で引取る時の荷重をロードセルで測定した。 2)ブロー成形性 ・ドローダウン ブロー成形機から押出されたパリソンの長さが120mm に
達するまでの時間と600mm に達するまでの時間の比、即
ちドローダウン指数を用いて評価した。ドローダウンが
全くない樹脂ではドローダウン指数は5となり、瞬時に
ドローダウンする樹脂では近似的に1となる。 ・吹込時の破れ ブロー成形時に目視で材料の破れが起こっているか否か
で判断した。 ・成形品の肉厚の均一性 成形品をカットし、円柱の上部、中央部、下部の夫々に
ついて3ケ所の厚みをマイクロメータで測定し、厚みの
変動(平均肉厚に対する最高値と最低値の差の%)を調
べた。 ・外観 目視により表面平滑性(凹凸)を観察し、優、良、不良
にランク付けした。尚、表中(A) 及び(B) 成分等は以下
の通りである。 (A) 成分
【0021】
【化6】
【0022】(B) 成分 S/G スチレン/グリシジルメタクリレート S/AN/G スチレン/アクリロニトリル/グリシジ
ルメタクリレート (その他) PET:ポリエチレンテレフタレート NY6:ナイロン−6
【0023】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 51:06) B29K 67:00 (56)参考文献 特開 平5−112701(JP,A) 特開 平5−301273(JP,A) 特開 平6−49339(JP,A) 特開 平5−43779(JP,A) 特開 平1−121357(JP,A) 特開 平6−145481(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 67/00 - 67/08 B29C 47/00 - 47/96 B29C 49/00 - 49/80 C09K 19/38

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 下記一般式(1) 及び(2) 、(3) で示さ
    れる構成単位を含み、異方性溶融相を形成し得る溶融加
    工性芳香族ポリエステル 100重量部、 【化1】 〔但し、-Ar1- は二価のフェニレン基及び/又はナフタ
    レン基よりなり、-Ar2-は二価の芳香族基及び炭素数2
    〜8の脂肪族基から選ばれた1種又は2種以上よりな
    り、-R- は二価の芳香族基及び炭素数2〜8の脂肪族基
    から選ばれた1種又は2種以上よりなる。〕 (B) スチレン40〜97重量%、下記一般式(4) で示される
    α,β−不飽和酸のグリシジルエステル60〜3重量%、
    他のビニル系モノマー0〜50重量%よりなるスチレン系
    共重合体 0.2〜10重量部、 【化2】 (式中、-R' は水素又はアルキル基である。) (C) 繊維状、粉粒状、板状充填剤の1種以上0〜100 重
    量部を配合し溶融混練してなるブロー成形用又は押出成
    形用液晶性ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A) 成分における(1) 式の-Ar1- 基が 1,4
    −フェニレン基、2,6 −(又は2,7−)ナフタレン基或
    いはその併用より成る請求項1記載のブロー成形用又は
    押出成形用液晶性ポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(A) 成分における(2) 式の-Ar2- 基が 1,4
    −(又は1,3 −)フェニレン基又は2,6 −(又は2,7
    −)ナフタレン基であり、(3) 式の-R- が1,4 −フェニ
    レン基、4,4'−ビフェニル基、2,6 −(又は2,7 −)ナ
    フタレン基又はエチレン基である請求項1又は2記載の
    ブロー成形用又は押出成形用液晶性ポリエステル樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】スチレン系共重合体(B) が、スチレン及び
    α,β−不飽和酸のグリシジルエステル以外に、アクリ
    ロニトリル、塩化ビニル、α−メチルスチレン、ブロム
    化スチレン、フェニルマレイミドの少なくとも1種を含
    む共重合体である請求項1〜3何れか1項記載のブロー
    成形用又は押出成形用液晶性ポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4の何れか1項記載のポリエス
    テル樹脂組成物を使用してブロー成形により製造される
    中空成形品。
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