JP2004323663A - 非晶質全芳香族ポリエステルアミド及びその組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】繰り返し単位(I)4−オキシ−4’−カルボキシビフェニル単位、(II)6−オキシ−2−カルボキシナフタレン単位、(III) 4−アミノ−1−オキシフェニレン単位、(IV)芳香族ジカルボン酸単位および任意に(V)芳香族ジオール単位から実質的に成り、
(a) 繰り返し単位(I)が5〜25モル%、(II)が30〜60モル%、(III)が7.5 〜30モル%、(IV)が7.5 〜30モル%、(V)が0〜5モル%の割合で存在し、
(b) (I)と(II)との比((I)/(II))が1/8〜1/1であり、
(c) 20℃/min の昇温速度による示差走査熱量分析装置(DSC)測定で融点が観測されず、
(d) ガラス転移温度が100 〜180 ℃
であることを特徴とする軟化流動時に光学的異方性を示す非晶質全芳香族ポリエステルアミド。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブロー成形品等に好適に用いられる非晶質全芳香族ポリエステルアミドに関する。更に詳しくは、優れた延伸性を持ち、且つ異種ポリマーとの接着性に優れていることから、多層フィルムもしくは多層シート、多層ブロー成形品等に特に好適に用いられる非晶質全芳香族ポリエステルアミドに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
液晶性ポリマーは、優れた流動性、機械強度、耐熱性、耐薬品性、電気的性質をバランス良く有するため、高機能エンジニアリングプラスチックスとして好適に広く利用されているが、その大部分は専ら射出成形により得られるものであった。
【0003】
一方、近年の著しい産業の発展に伴い、かかる液晶性ポリマーの用途も多岐にわたり一層高度化、特殊化する傾向にあり、液晶性ポリマーの耐気体透過性を活かし、ブロー成形及び溶融延伸加工等により効率良く経済的に成形加工してその優れた物性を保持した中空成形品、フィルムもしくはシート、繊維等を得ることが期待されてきている。例えば、自動車部品においても、燃料タンクや各種配管類には、ガソリン透過性が低いことが求められ、しかも高度の機械物性等も要求されるため、従来は専ら金属製のものが用いられてきた分野であるが、軽量化、防錆化、加工コスト低減等のためにプラスチック製部品に代替されつつあり、これらを上記の如き優れた特性を有する液晶性ポリマーのブロー成形により得ることが望まれている。
【0004】
しかしながら、液晶性ポリマーは、流動性、機械物性に優れている反面、一般にブロー成形法を適用する上で最も重要とされる特性である溶融状態での粘度や張力が低いため、ブロー成形法により所望の形状の成形品を得ることは至難である。この改良法として、固有粘度の高い高重合度ポリエステル樹脂を用いる方法、分岐を有するポリエステル樹脂を用いる方法、更に各種フィラーを添加する方法等が考えられているが、いずれも改良効果は少なく、これらの加工法に対する材料として不充分である。
【0005】
一方、ブロー成形性等を改善する目的で、アミノ化合物を共重合させた液晶性ポリエステルアミドが各種提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5)。ところが、本発明者の追試によると、これら従来提案されている液晶性ポリエステルアミドは、ある程度優れた物性を示し、繊維、ブロー成形品等に利用可能ではあるが、延伸性が不充分な場合があり、また異種ポリマーとの接着性に劣るため、特に多層フィルムもしくは多層シート、多層ブロー成形品等には実質的に利用することができないという欠点があった。
【0006】
また、4−オキシ−4’−カルボキシビフェニル骨格を必須の成分として含有する全芳香族ポリエステルアミドが、特許文献6、特許文献7、特許文献8において開示されているが、いずれの場合においても延伸性の良好な非晶質の液晶性ポリエステルアミドを開示していない。
【0007】
【特許文献1】
特開昭57−177019号公報
【特許文献2】
特開昭61−239013号公報
【特許文献3】
特開昭63−191824号公報
【特許文献4】
特開平5−170902号公報
【特許文献5】
特開2001−200034号公報
【特許文献6】
特開昭59−51915号公報
【特許文献7】
特開昭63−101416号公報
【特許文献8】
特開平3−93829号公報
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記問題点を解決し、良好な機械的物性を維持しつつ、優れた延伸性を持ち、且つ異種ポリマーとの接着性に優れている全芳香族ポリエステルアミドの提供を目的として鋭意研究した結果、4−オキシ−4’−カルボキシビフェニル単位(I)に、下記繰り返し単位(II)〜(IV)、および必要に応じて繰り返し単位(V)を共重合させることで、上記目的を達成し得る非晶質の液晶性ポリエステルアミドが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち本発明は、
下記の繰り返し単位(I)、(II)、(III)、(IV)および任意に(V)から実質的に成り、
(a) 繰り返し単位(I)が5〜25モル%、(II)が30〜60モル%、(III)が7.5 〜30モル%、(IV)が7.5 〜30モル%、(V)が0〜5モル%の割合で存在し、
(b) (I)と(II)との比((I)/(II))が1/8〜1/1であり、
(c) 20℃/min の昇温速度による示差走査熱量分析装置(DSC)測定で融点が観測されず、
(d) ガラス転移温度が100 〜180 ℃
であることを特徴とする軟化流動時に光学的異方性を示す非晶質全芳香族ポリエステルアミドである。
【0010】
【化3】
【0011】
(式中のAr1、Ar2は
【0012】
【化4】
【0013】
から選ばれた1種以上の基を示す。)
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を構成する全芳香族ポリエステルアミドを形成するために必要な原料化合物について順を追って詳しく説明する。
【0015】
本発明に用いる原料モノマーの第1成分(I)は、4−オキシ−4’−カルボキシビフェニル単位であり、4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸またはその誘導体から導入される。また、第2成分(II)は、6−オキシ−2−カルボキシナフタレン単位であり、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸またはその誘導体から導入される。
【0016】
本発明に用いる原料モノマーの第3成分(III)は、4−アミノ−1−オキシフェニレン単位であり、4−アミノフェノールまたはその誘導体から導入される。また、第4成分(IV)は、芳香族ジカルボン酸単位であり、骨格をなす芳香族基は
【0017】
【化5】
【0018】
から選ばれた1種以上の基である。即ち、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸またはそれぞれの誘導体が例示され、それらの1種以上が用いられる。
【0019】
場合により用いることのできる第5成分(V)は、芳香族ジオール単位であり、骨格をなす芳香族基は
【0020】
【化6】
【0021】
から選ばれた1種以上の基である。即ち、ハイドロキノン、2,6−ナフタレンジオール、4,4’−ジヒドロキシビフェニルまたはそれぞれの誘導体が例示され、それらの1種以上が用いられる。
【0022】
上記(I)〜(V)の成分を共重合させて得られる本発明の全芳香族ポリエステルアミドにおいて、各成分の共重合比率は、本発明所期の目的である、良好な機械的物性を維持しつつ、優れた延伸性を持ち、且つ異種ポリマーとの優れた接着性を発現するために重要である。
【0023】
即ち、本発明の全芳香族ポリエステルアミドにおいて、(I)4−オキシ−4’−カルボキシビフェニル単位、(II)6−オキシ−2−カルボキシナフタレン単位の比率がそれぞれ5〜25モル%、30〜60モル%、好ましくは10〜25モル%、30〜50モル%であることが必要であり、且つ(I)と(II)との比((I)/(II))が1/8〜1/1、好ましくは1/5〜1/1.5 であることが必要である。この範囲を逸脱すると、目的とする延伸性が著しく低下するため好ましくない。
【0024】
また、(III)4−アミノ−1−オキシフェニレン単位の比率は7.5 〜30モル%、好ましくは10〜25モル%であることが必要である。7.5 モル%未満では目的とする接着性が発現できず、30モル%より多くなると延伸性が著しく低下するため好ましくない。
【0025】
更に、本発明の全芳香族ポリエステルアミドにおいて、(I)〜(IV)の必須成分に加えて、特定の芳香族ジオール単位(V)を含むことができるが、その比率は0〜5モル%である。5モル%を超えると目的とする延伸性が著しく低下するため好ましくない。
【0026】
尚、特定の芳香族ジカルボン酸単位(IV)の比率は、実質的に成分(III)と成分(V)との合計の比率に等しく、7.5 〜30モル%、好ましくは10〜25モル%の範囲で存在する。
【0027】
また、本発明の全芳香族ポリエステルアミドは、20℃/min の昇温速度による示差走査熱量分析装置(DSC)測定で融点が観測されない、実質的に非晶質であることが必要である。結晶質ポリマーでは、延伸性、接着性が目的とする値にならず好ましくない。成分(I)〜(V)が上記の構成比率から逸脱すると、多くの場合、結晶質のポリマーとなり、延伸性や接着性が低下してしまう。
【0028】
更に、本発明の全芳香族ポリエステルアミドは、ガラス転移温度が100 〜180 ℃の範囲にあることが必要である。ガラス転移温度が100 ℃より低いと耐熱性が悪くなり、180 ℃より高いと延伸性、接着性が悪くなり、いずれの場合も好ましくない。
【0029】
本発明の全芳香族ポリエステルアミドは、直接重合法やエステル交換法を用いて重合され、重合に際しては、溶融重合法、溶液重合法、スラリー重合法等が用いられる。
【0030】
本発明では、重合に際し、重合モノマーに対するアシル化剤や、酸塩化物誘導体として末端を活性化したモノマーを使用できる。アシル化剤としては、無水酢酸等の酸無水物等が挙げられる。
【0031】
これらの重合に際しては種々の触媒の使用が可能であり、代表的なものはジアルキル錫酸化物、ジアリール錫酸化物、二酸化チタン、アルコキシチタンけい酸塩類、チタンアルコラート類、カルボン酸のアルカリ及びアルカリ土類金属塩類、BF3 の如きルイス酸塩等が挙げられる。触媒の使用量は一般にはモノマーの全重量に基いて約 0.001乃至1重量%、特に約0.003 乃至 0.2重量%が好ましい。
【0032】
また、溶液重合又はスラリー重合を行う場合、溶媒としては流動パラフィン、高耐熱性合成油、不活性鉱物油等が用いられる。
【0033】
例えば、溶融重合法では、重縮合反応は200 ℃以上で進行する。反応温度の上昇に伴い副生する有機酸は除去され、次第に重合度が上昇し、最終的には300 〜400 ℃程度まで加熱される。最終重合温度が近づくに伴ってより高分子量化が進行するが、最終的に系内を減圧して高分子量化を進めることになる。また排出時の揮発性ガスの噴き出しを抑制することができる。減圧処理には、常圧以下133 Pa以上の範囲の減圧度が採用される。重合後、任意形状のダイを備えた押出しオリフィスを通して、溶融ポリマーを反応器から排出させ、冷却及び採集する。一般には、有孔ダイを通して溶融物を排出させてストランドを形成し、これを水浴中へ引き取り、ペレット化し、乾燥させる。
【0034】
溶融時に光学的異方性を示す液晶性ポリマーであることは、本発明において熱安定性と易加工性を併せ持つ上で不可欠な要素である。上記構成単位からなる全芳香族ポリエステルアミドは、構成成分およびポリマー中のシーケンス分布によっては、異方性溶融相を形成しないものも存在するが、本発明に係わるポリマーは溶融時に光学的異方性を示す全芳香族ポリエステルアミドに限られる。
【0035】
本発明により得られる全芳香族ポリエステルアミドの溶融異方性の性質は直交偏光子を利用した慣用の偏光検査方法により確認することができる。より具体的には溶融異方性の確認はオリンパス社製偏光顕微鏡を使用しリンカム社製ホットステージにのせた試料を溶融し、窒素雰囲気下で150 倍の倍率で観察することにより実施できる。上記ポリマーは光学的に異方性であり、直交偏光子間に挿入したとき光を透過させる。試料が光学的に異方性であると、例えば溶融静止液状態であっても偏光は透過する。
【0036】
本発明の加工性の指標としては液晶性及びガラス転移温度が考えられる。液晶性を示すか否かは溶融時の流動性に深く係わり、本願のポリエステルアミドは溶融状態で液晶性を示すことが不可欠である。
【0037】
一般的に、ネマチックな液晶性ポリマーは融点またはそれ以上の温度で液晶性を示し、各種成形加工が行われ、次いで結晶化温度以下にまで冷却されることで、成形品の形状が固化される。ところが、本発明の非晶性ポリエステルアミドは結晶化しないために、樹脂温がガラス転移温度付近に達するまで流動性が損なわれず、フィルム、シート、ブロー成形等の押出加工に好適な材料と言える。そこで、成形品の耐熱性や、樹脂ペレットの乾燥工程の効率化等の観点から、ガラス転移温度は100 ℃以上であることが好ましい。また、ガラス転移温度が180 ℃より高くなると、多層ブロー等でのポリエステルアミドと他樹脂との接着性が悪くなり好ましくない。
【0038】
更に、ガラス転移温度より80〜120 ℃高い温度で、剪断速度1000sec−1における溶融粘度が1×106Pa・s 以下であることが好ましい。更に好ましくは1×103Pa・s 以下である。これらの溶融粘度は液晶性を具備することで概ね実現される。
【0039】
次に、本発明では、上記非晶質全芳香族ポリエステルアミドに熱可塑性樹脂を配合した組成物とすることもできる。ここで用いられる熱可塑性樹脂は、融点が230℃以下であるか、非晶性であることが必須である。
【0040】
融点が230℃以下であるか、20℃/min の昇温速度による示差走査熱量分析装置(DSC)測定で融点が観測されない熱可塑性樹脂であれば、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、不飽和脂肪酸エステル重合物等のビニル系ポリマー、ポリエステル、ナイロン等の重縮合ポリマーやそれらの共重合ポリマー等、いずれの熱可塑性樹脂も使用可能であり、その重合度、側鎖や分岐の有無や程度、共重合組成比等の如何を問わないが、非晶質全芳香族ポリエステルアミドの接着性や成形性を更に改善する点で、変性ポリオレフィン系樹脂(特に酸変性ポリオレフィン系樹脂)、ナイロン樹脂が特に好ましい。
【0041】
本発明に用いることのできる変性ポリオレフィン系樹脂とは、高圧法ポリエチレン、中低圧法ポリエチレン、気相法エチレン−α−オレフィン共重合体、LLDPE、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体等を主鎖骨格として、その一部にカルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基等の極性基及び/又は反応性基を導入したものである。
【0042】
変性ポリオレフィン系樹脂の主鎖骨格として好ましいものは、エチレン及び/又はプロピレンを主体とするエラストマーであり、具体的にはエチレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−1−ブテンコポリマー、エチレン−プロピレン−1−ブテンターポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー、エチレン−エチルアクリレートコポリマー、エチレン−グリシジルメタクリレートコポリマー、エチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニルターポリマー等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0043】
極性基及び/又は反応性基の導入方法は、ポリオレフィン系樹脂と、不飽和カルボン酸、その無水物、及びそれらの誘導体からなる群より選ばれた1種以上の化合物を、溶液状態又は溶融状態で適当な有機過酸化物等のラジカル開始剤と加熱して反応させる方法や、α−オレフィン成分単位として共重合する方法等が挙げられる。
【0044】
ここで用いられる不飽和カルボン酸、その無水物、及びそれらの誘導体とは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、ナジック酸、メチルナジック酸、アリルフタル酸等の不飽和カルボン酸、及び無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、アリル無水フタル酸等の不飽和カルボン酸無水物、及びこれらの誘導体等である。
【0045】
また、共重合するα−オレフィン成分単位として好ましいものは、分子内に炭素二重結合とエポキシ共重合体とを持つ化合物、例えばアリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ビニル安息香酸グリシジルエステル、アリル安息香酸グリシジルエステル、N−ジアリルアミノエポキシプロパン、ケイ皮酸グリシジルエステル、シンナミリデン酢酸グリシジルエステル、カルコングリシジルエーテル、エポキシヘキセン、ダイマー酸グリシジルエステル、エポキシ化ステアリルアルコールとアクリル酸またはメタクリル酸のエステル等が挙げられる。
【0046】
また、全芳香族ポリエステルアミドに配合するに際し、全芳香族ポリエステルアミドとの分散密着性の面から好ましい変性ポリオレフィン系樹脂としては、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体をグラフト化したもの、およびエポキシ基を有する化合物を導入した変性ポリオレフィン系樹脂であり、特に不飽和カルボン酸等をグラフト化した酸変性ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
【0047】
前者の例としては、例えばポリオレフィン系樹脂を酸無水物で変性した酸無水物変性ポリオレフィン系樹脂である。ここで用いられるポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン等のα−オレフィンの単独重合体、又はこれらの2種以上からなるランダム、ブロック又はグラフト共重合体、又はこれらに1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、2,5−ノルボナジエン等の非共役ジエン化合物、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン等の共役ジエン化合物、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸等のα,β−不飽和酸又はそのエステル等の誘導体、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、又は酢酸ビニル等のビニルエステル、ビニルメチルエーテル等のビニルエーテルやこれらビニル系化合物の誘導体等のコモノマー成分のうちの1種以上を含んでなるランダム、ブロック又はグラフト共重合体等が挙げられ、その重合度、側鎖や分岐の有無や程度、共重合組成比等の如何を問わない。また、変性に使用する酸無水物としては、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、アリル無水フタル酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの誘導体から選ばれる1種以上ものが用いられる。又、その変性方法としては、ポリオレフィン系樹脂と無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸又はその誘導体を、溶液状態又は溶融状態で適当な有機過酸化物等のラジカル開始剤と加熱して反応させる方法等が好適であるが、特にその製造法を限定するものではない。これら不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体のグラフト量は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.001〜10重量部が好ましい。0.001重量部未満では全芳香族ポリエステルアミドとの分散密着性の効果が少なく、10重量部を越えると溶融押出工程でゲル化物を発生し易く好ましくない。該グラフト化ポリオレフィンは公知のグラフト重合法によって製造されたものも使用できるし、また高濃度にグラフト重合されたポリオレフィン樹脂をグラフトしていないポリオレフィンで希釈調製したものでも良い。これらグラフト化ポリオレフィンとしては、アドマー、N−タフマー(三井化学(株)製)、モディック(三菱化学(株)製)等の市販品を用いることもできる。
【0048】
後者のエポキシ基を有する化合物を導入した変性ポリオレフィン系樹脂の例としては、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート等、ビニル基とエポキシ基を有するモノマーを(共)重合したポリマーであり、中でもグリシジル基含有アクリル系重合体、例えばエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体、エポキシ変性アクリルゴム等が挙げられる。又、エポキシ基含有オレフィン系重合体で、不飽和ポリマーの二重結合を過酸等を用いてエポキシ化したものも使用可能である。エポキシ化し得る不飽和ポリマーとしては、例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、天然ゴム等が挙げられる。これらの中でも、特にエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体、エポキシ変性アクリルゴム、エポキシ化ポリブタジエンが好ましい。
【0049】
次に、融点が230℃以下または非晶性のナイロン樹脂は、通常ジカルボン酸とジアミンとの重縮合、またはラクタムの開環重合により得られるものであって、ナイロン12、ナイロン11、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン1010、ナイロン1012が好ましく用いられ、これらあるいはナイロン6、ナイロン46、ナイロン66等の構成モノマー単位を含む共重合ナイロンも好ましく用いられる。特に好ましいナイロン樹脂は、ナイロン11、ナイロン12である。上記したようなナイロン樹脂は、例えばアトフィナ製リルサン、ダイセルデグサ製ダイアミド等として市販されている。
【0050】
変性ポリオレフィン系樹脂、ナイロン樹脂等の熱可塑性樹脂は、全芳香族ポリエステルアミドに対して1〜50重量%用いられる。
【0051】
次に本発明のポリエステルアミドは使用目的に応じて各種の繊維状、粉粒状、板状の無機及び有機の充填剤を配合することができる。
【0052】
繊維状充填剤としてはガラス繊維、アスベスト繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化珪素繊維、硼素繊維、チタン酸カリ繊維、ウォラストナイトの如き珪酸塩の繊維、硫酸マグネシウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、更にステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属の繊維状物などの無機質繊維状物質が挙げられる。特に代表的な繊維状充填剤はガラス繊維である。尚、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などの高融点有機質繊維状物質も使用することが出来る。
【0053】
一方、粉粒状充填剤としてはカーボンブラック、黒鉛、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ミルドガラスファイバー、ガラスバルーン、ガラス粉、硅酸カルシウム、硅酸アルミニウム、カオリン、クレー、硅藻土、ウォラストナイトの如き硅酸塩、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、アルミナの如き金属の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き金属の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き金属の硫酸塩、その他フェライト、炭化硅素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉末等が挙げられる。
【0054】
又、板状充填剤としてはマイカ、ガラスフレーク、タルク、各種の金属箔等が挙げられる。
【0055】
有機充填剤の例を示せば芳香族ポリエステル繊維、液晶性ポリマー繊維、芳香族ポリアミド、ポリイミド繊維等の耐熱性高強度合成繊維等である。
【0056】
これらの無機及び有機充填剤は一種又は二種以上併用することが出来る。繊維状充填剤と粒状又は板状充填剤との併用は特に機械的強度と寸法精度、電気的性質等を兼備する上で好ましい組み合わせである。無機充填剤の配合量は、全芳香族ポリエステルアミド100 重量部に対し、120 重量部以下、好ましくは20〜80重量部である。
【0057】
これらの充填剤の使用にあたっては必要ならば収束剤又は表面処理剤を使用することができる。
【0058】
また、本発明のポリエステルアミドには、本発明の企図する目的を損なわない範囲で前記以外の他の熱可塑性樹脂を更に補助的に添加してもよい。
【0059】
この場合に使用する熱可塑性樹脂の例を示すと、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の芳香族ジカルボン酸とジオール等からなる芳香族ポリエステル、ポリアセタール(ホモ又はコポリマー)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ABS、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、フッ素樹脂等を挙げることができる。またこれらの熱可塑性樹脂は2種以上混合して使用することができる。
【0060】
本発明の樹脂組成物の製造には、全芳香族ポリエステルアミド、熱可塑性樹脂及び必要により用いられる有機、無機充填剤等の各成分を押出機を用いて同時に溶融混練する方法が挙げられる。変性ポリオレフィン系樹脂の分散、分解の抑制等の点で、溶融混練の際の溶融温度は180〜270℃が好ましい。180〜270℃の溶融温度で混練可能であることは、特に高温での溶融安定性が若干劣るような熱可塑性樹脂を配合する際に、樹脂の熱分解を回避できることから極めて有用である。
【0061】
また、何れかを予め溶融混練したマスターバッチを用いて混練してもよい。押出機で溶融混練して得られた樹脂組成物は、ペレタイザーによりペレット状にカットした後、成形付与されるがその方法は射出成形、押出成形、ブロー成形等いかなる成形方法でも良い。
【0062】
本発明の樹脂組成物は、繊維、フィルムもしくはシート、ブロー成形品等に好適に用いられる。
【0063】
これらフィルム、シート、ブロー成形品を加工するに際しては、変性ポリオレフィン系樹脂、ナイロン樹脂等の分解の抑制、ゲル化防止等の点で、180〜270℃の加工温度で製膜、ブロー成形等を行うことが好ましい。
【0064】
【発明の効果】
本発明で得られる特定の構成単位よりなる軟化流動時に異方性を示す全芳香族ポリエステルアミド及びその組成物は、溶融状態での粘度が高いため、ブロー成形及び溶融延伸加工が容易であり、効率良く経済的に加工して液晶性ポリエステルアミドの優れた物性を保持したブロー成形品(特に燃料タンク等の自動車関連部品)、フィルムもしくはシートおよび繊維とすることが可能である。
【0065】
また、優れた延伸性を持ち、且つ異種ポリマーとの接着性に優れているという特徴から、他のポリマーとから形成される多層フィルムもしくは多層シート、他のポリマーとから形成される多層ブロー成形品に特に好適に用いられる。ここで使用される他のポリマーは特に制限されないが、ポリオレフィン、特に高密度ポリエチレンが好適である。
【0066】
【実施例】
以下に実施例をもって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例中の物性測定の方法は以下の通りである。
[融点、ガラス転移温度]
示差走査熱量分析装置(パーキンエルマー社製DSC7)にて、20℃/分の昇温条件で測定した。
[溶融粘度]
温度250 ℃、剪断速度1000sec−1の条件で、内径1mm、長さ20mmのオリフィスを用いて東洋精機製キャピログラフで測定した。
[接着強度]
三井化学製アドマーNF518の100 μm 厚シートを接着相手材として、220 ℃の温度で熱板溶着を行った後に、15mm幅の引き剥がし試験片を切り出し、最大引き剥がし強度を測定した。
実施例1
トルク計付き攪拌機、還流カラム、窒素導入管、コンデンサー付きの重合容器に、4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸82.84 g(20モル%)、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸145.55g(40モル%)、テレフタル酸64.25 g(20モル%)、N−アセチル−p−アミノフェノール58.45 g(20モル%)、無水酢酸161.08g及び触媒として酢酸カリウム45.0mg(生成樹脂に対し、金属カリウム重量60ppm )を仕込んだ。
【0067】
原料を仕込んだ後、反応系の温度を140 ℃に上げ、140 ℃で1時間反応させた。その後、更に340 ℃まで4時間かけて昇温し、そこから15分かけて10Torr(即ち1330Pa)まで減圧にして、酢酸、過剰の無水酢酸、その他の低沸分を留出させながら溶融重合を行った。撹拌トルクが所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部からポリマーを排出した。
【0068】
次いで、東洋精機製ラボプラストミルに幅100mm のTダイを取り付け、230 ℃の溶融ポリマーを30℃の冷却ロール上に押し出し、フィルム、シートの厚みが 0.15mm になるように押し出し速度を調節してフィルム、シートを溶融成形した。実施例2
4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸42.13 g(10モル%)、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸185.04g(50モル%)、テレフタル酸65.34 g(20モル%)、N−アセチル−p−アミノフェノール59.45 g(20モル%)、無水酢酸163.83gを仕込む以外は実施例1と同様に重合してポリマーを得た。
実施例3
4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸82.87 g(20モル%)、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸109.20g(30モル%)、テレフタル酸48.20 g(15モル%)、2,6−ナフタレンジカルボン酸41.82 g(10モル%)、N−アセチル−p−アミノフェノール73.09 g(25モル%)、無水酢酸151.06gを仕込む以外は実施例1と同様に重合してポリマーを得た。
実施例4
4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸70.42g(17モル%)、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸134.63g(37モル%)、テレフタル酸64.25 g(20モル%)、2,6−ナフタレンジカルボン酸12.54 g(3モル%)、N−アセチル−p−アミノフェノール58.45 g(20モル%)、ジヒドロキシ−4,4’−ビフェニル10.80g(3モル%)、無水酢酸161.08gを仕込む以外は実施例1と同様に重合してポリマーを得た。
比較例1
6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸225.90g(60モル%)、テレフタル酸66.48 g(20モル%)、N−アセチル−p−アミノフェノール60.48 g(20モル%)、無水酢酸166.67gを仕込む以外は実施例1と同様に重合してポリマーを得た。このポリマーは融点が高く、上述の溶融粘度測定条件では溶融粘度を測定できなかった。
比較例2
4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸122.21g(30モル%)、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸107.36g(30モル%)、テレフタル酸63.19 g(20モル%)、N−アセチル−p−アミノフェノール57.49 g(20モル%)、無水酢酸158.42gを仕込む以外は実施例1と同様に重合してポリマーを得た。
比較例3
4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸21.25 g(5モル%)、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸205.30g(55モル%)、テレフタル酸65.91 g(20モル%)、N−アセチル−p−アミノフェノール59.96 g(20モル%)、無水酢酸165.24gを仕込む以外は実施例1と同様に重合してポリマーを得た。
比較例4
4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸46.78 g(10モル%)、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸82.19 g(20モル%)、テレフタル酸126.98g(35モル%)、N−アセチル−p−アミノフェノール115.53g(35モル%)、無水酢酸147.80gを仕込む以外は実施例1と同様に重合を行ったが、反応容器中でポリマーが固化してしまい、評価できなかった。
比較例5
4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸41.42 g(10モル%)、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸109.16g(30モル%)、テレフタル酸64.25 g(20モル%)、2,6−ナフタレンジカルボン酸41.80 g(10モル%)、N−アセチル−p−アミノフェノール58.45 g(20モル%)、ジヒドロキシ−4,4’−ビフェニル36.00 g(10モル%)、無水酢酸161.08gを仕込む以外は実施例1と同様に重合してポリマーを得た。
比較例6
トルク計付き攪拌機、還流カラム、窒素導入管、コンデンサー付きの重合容器に、4−ヒドロキシ安息香酸82.69 g(30モル%)、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸112.65g(30モル%)、イソフタル酸66.30 g(20モル%)、ジヒドロキシ−4,4’−ビフェニル74.31 g(20モル%)、無水酢酸178.60g及び触媒として酢酸カリウム22.5mg(生成樹脂に対し、金属カリウム重量30ppm )を仕込んだ。
【0069】
原料を仕込んだ後、反応系の温度を140 ℃に上げ、140 ℃で1時間反応させた。その後、更に330 ℃まで3.3時間かけて昇温し、そこから20分かけて10Torr(即ち1330Pa)まで減圧にして、酢酸、過剰の無水酢酸、その他の低沸分を留出させながら溶融重合を行った。撹拌トルクが所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部からポリマーを排出した。
【0070】
これらの結果をまとめて表1に示す。
実施例5〜6
表2に示すように、実施例1で製造した液晶性ポリマー90重量%と、各種樹脂10重量%をドライブレンドした後、二軸押出機(池貝鉄工(株)製PCM30)を使用し、シリンダー温度230℃、吐出量8kg/hr 、回転数150rpmにて溶融混練を行い、ペレット化した。
【0071】
次いで、東洋精機製ラボプラストミルに25mmφのダイを取り付け、樹脂温度230 ℃、230 ℃のダイ温度でインフレーションフィルムを作成した。この際、樹脂吐出量、引き取り速度、及びブロワー風量を調節しながら、安定的に製膜できる範囲内で最大限のブローアップ比を求め、フィルム成形性の指標とした。
【0072】
更に、東洋精機製ラボプラストミルに幅100mm のTダイを取り付け、230 ℃の樹脂組成物を30℃の冷却ロール上に押し出し、厚みが0.10mmになるように押し出し速度を調節してシートを溶融成形し、上記接着性の評価試料とした。
【0073】
これらの結果を表2に示す。
比較例7
表2に示すように、比較例6で製造した液晶性ポリマーを使用した以外は実施例5と同様にして各種評価を行った。
【0074】
【表1】
【0075】
HBCA;4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸
HBA;4−ヒドロキシ安息香酸
HNA;6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
TA;テレフタル酸
IA;イソフタル酸
NDA;2,6−ナフタレンジカルボン酸
APAP;N−アセチル−p−アミノフェノール
BP;ジヒドロキシ−4,4’−ビフェニル
【0076】
【表2】
Claims (17)
- 下記の繰り返し単位(I)、(II)、(III)、(IV)および任意に(V)から実質的に成り、
(a) 繰り返し単位(I)が5〜25モル%、(II)が30〜60モル%、(III)が7.5 〜30モル%、(IV)が7.5 〜30モル%、(V)が0〜5モル%の割合で存在し、
(b) (I)と(II)との比((I)/(II))が1/8〜1/1であり、
(c) 20℃/min の昇温速度による示差走査熱量分析装置(DSC)測定で融点が観測されず、
(d) ガラス転移温度が100 〜180 ℃
であることを特徴とする軟化流動時に光学的異方性を示す非晶質全芳香族ポリエステルアミド。
- 繰り返し単位(IV)中のAr1基が1,4−フェニレン基である請求項1記載の非晶質全芳香族ポリエステルアミド。
- 請求項1又は2記載の非晶質全芳香族ポリエステルアミドに、融点が230℃以下または非晶性の熱可塑性樹脂を1〜50重量%配合した非晶質全芳香族ポリエステルアミド組成物。
- 熱可塑性樹脂が、変性ポリオレフィン系樹脂である請求項3記載の非晶質全芳香族ポリエステルアミド組成物。
- 変性ポリオレフィン系樹脂が、酸変性ポリオレフィン系樹脂である請求項4記載の非晶質全芳香族ポリエステルアミド組成物。
- 熱可塑性樹脂が、融点が230℃以下または非晶性のナイロン樹脂である請求項3記載の非晶質全芳香族ポリエステルアミド組成物。
- ナイロン樹脂が、ナイロン12、ナイロン11、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン1010、ナイロン1012及び共重合ナイロンより選ばれる1種又は2種以上である請求項6記載の非晶質全芳香族ポリエステルアミド組成物。
- 非晶質全芳香族ポリエステルアミドと熱可塑性樹脂を180〜270℃の溶融温度で混練することを特徴とする請求項3〜7の何れか1項記載の非晶質全芳香族ポリエステルアミド組成物の製造方法。
- 請求項1〜7の何れか1項記載の非晶質全芳香族ポリエステルアミドもしくは組成物から形成される繊維。
- 請求項1〜7の何れか1項記載の非晶質全芳香族ポリエステルアミドもしくは組成物から形成されるフィルムもしくはシート。
- 請求項1〜7の何れか1項記載の非晶質全芳香族ポリエステルアミドもしくは組成物と他のポリマーとから形成される多層フィルムもしくは多層シート。
- 他のポリマーがポリオレフィンである請求項11記載の多層フィルムもしくは多層シート。
- 請求項1〜7の何れか1項記載の非晶質全芳香族ポリエステルアミドもしくは組成物から形成されるブロー成形品。
- 請求項1〜7の何れか1項記載の非晶質全芳香族ポリエステルアミドもしくは組成物と他のポリマーとから形成される多層ブロー成形品。
- 他のポリマーがポリオレフィンである請求項14記載の多層ブロー成形品。
- ポリオレフィンが高密度ポリエチレンである請求項15記載の多層ブロー成形品。
- ブロー成形品が燃料タンクである請求項13〜16の何れか1項記載のブロー成形品。
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