JPH0999254A - エアークリーナの監視装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオナイザおよびコレクタの異常判定信号の
出力により電源のオフを実施できるようにしたり、集塵
セルのメンテナンスの指示を出力可能にする。 【解決手段】 放電によって粒子をイオン化するイオナ
イザで発生する放電高周波数を検出して該イオナイザの
異常監視を行うイオナイザ放電周波数検出フィルタと、
上記イオナイザによりイオン化された上記粒子を吸着す
るコレクタで発生する放電低周波数を検出して該コレク
タの異常監視を行うコレクタ放電周波数検出フィルタと
を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、エアークリーナ
におけるイオナイザの異常やコレクタの汚れなどを監視
するエアークリーナの監視装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図２は従来のエアークリーナを示す構成
図であり、図において、１はエアークリーナの矩形筒形
のケースで、このケース１内の一方の開口端部にはサラ
ンネットおよび不織布などからなるプレフィルタ２が設
けられている。

【０００３】また、３はケース１内の中央部付近に設置
された集塵セルであり、この集塵セル３内にはイオナイ
ザ４およびコレクタ５が順次並設されている。

【０００４】上記イオナイザ４はタングステン線などか
らなる複数の放電電極６を、接地された複数の波形のプ
レート（電極）７により挟むように配置したものからな
り、コレクタ５は正，負の高電圧が印加されて、対向す
る２枚のコレクタ極板８，９を複数組備えたものからな
る。

【０００５】さらに、１０は集塵セル３の出口側に設け
られた脱臭機能などを有する活性炭フィルタ、１１は上
記ケース１内の他方の開口端部に設けられた送風機であ
る。

【０００６】また、図３は図２に示すエアークリーナの
監視装置を示す回路図であり、図において、１５は高電
圧を３つの直列接続された分圧抵抗１２，１３，１４に
より分圧して出力する高電圧出力装置である。

【０００７】さらに、１６はイオナイザ入力線、１７は
コレクタ入力線、１８は監視出力線であり、イオナイザ
入力線１６にはコレクタ入力線より十分高い電圧が印加
される。

【０００８】また、１９は監視出力線１８と接地との間
に接続された電圧平滑回路、２０はその平滑回路１９の
出力レベルを判定するレベル判定回路であり、この判定
した出力レベルに応じて例えば上記高電圧出力装置の異
常判定信号や警報信号を出力するものである。

【０００９】次に動作について説明する。かかる構成に
なるエアークリーナでは、電源の投入によって、高電圧
出力装置１５内で高電圧を発生させ、この高電圧を荷電
部のイオナイザ入力線１６および分圧抵抗１２を介して
コレクタ入力線１７にそれぞれ供給する。

【００１０】このため、図２に示すイオナイザ４の放電
電極６とプレート７との間およびコレクタ５の各コレク
タ極板８，９間にそれぞれ高電圧が入力される。

【００１１】一方、上記ケース１の一端からは、ホコリ
を含む空気が、送風機１１の吸引力を受けてケース１内
に吸い込まれ、このホコリのうち大きなホコリはプレフ
ィルタ２にて集塵される。

【００１２】また、このプレフィルタ２を通過した微小
のホコリである粒子が集塵セル３のイオナイザ４へ導入
され、放電電極６の周辺に生じた静電界内でイオン化さ
れて正または負に帯電される。

【００１３】そして、この帯電した正，負の粒子はコレ
クタ５の各コレクタ極板８，９間に至り、正に帯電した
粒子は接地されたコレクタ極板８に、負に帯電した粒子
は高電圧がコレクタ入力線１７を介して印加されている
コレクタ極板９に、それぞれ吸着される。

【００１４】こうして、集塵された後の空気は、こんど
は活性炭フィルタ１０を通過して脱臭されて、ケース１
の他方の開口端から室内に導出されることとなる。

【００１５】一方、上記抵抗１２，１３と抵抗１４とに
より分圧された電圧は、高電圧の監視出力として平滑回
路１９に入力されて平滑化され、その平滑出力のレベル
がレベル回路２０にて判定される。そして、この判定の
結果、例えばコレクタ極板８，９間の電圧が低下したこ
とを外部へ警報信号によって出力可能にしている。

【００１６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来のエアークリーナの監視装置では、イオナイザ４お
よびコレクタ５を有する集塵セル３単位での異常判定が
行えるものの、イオナイザ４およびコレクタ５のいずれ
が異常であるか、さらにはコレクタ５の汚れが著しいか
否かなどを個別に判定できないという不都合があった。

【００１７】このため、上記イオナイザではタングステ
ンの放電電極６に塵埃が付着した場合に、この付着のま
ま放電を続けた場合には、このタングステンが切断して
しまうなどの課題があった。

【００１８】また、短時間に放電が繰り返された場合に
は監視出力が検出できない場合があるなどの課題があっ
た。

【００１９】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたものであり、イオナイザおよびコレクタの
異常を個別に判定可能にして、異常判定信号の出力や電
源のオフを実施できるようにしたり、コレクタのメンテ
ナンスの指示を出力したりすることができるエアークリ
ーナの監視装置を得ることを目的とする。

【００２０】

【課題を解決するための手段】この請求項１に記載のエ
アークリーナの監視装置は、放電によって粒子をイオン
化するイオナイザで発生する放電高周波数を検出して該
イオナイザの異常監視を行うイオナイザ監視手段と、上
記イオナイザによりイオン化された上記粒子を吸着する
コレクタで発生する放電低周波数を検出して該コレクタ
の異常監視を行うコレクタ監視手段とを備えたものであ
る。

【００２１】また、請求項２に記載のエアークリーナの
監視装置は、イオナイザ監視手段の出力回数が所定回数
を越えたら警報を出すイオナイザ監視警報手段と、コレ
クタ監視手段の出力回数が所定回数を越えたら警報を出
すコレクタ監視警報手段とを備えたものである。

【００２２】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を説
明する。図１において、１５は図３について説明したも
のと同様の高電圧出力装置で、これが直流高電圧を３つ
の直列接続された分圧抵抗１２，１３，１４により分圧
して外部へ出力可能にしている。

【００２３】また、１６は上記直流高電圧をイオナイザ
４に直接供給するイオナイザ入力線、１７はイオナイザ
入力線に印加される直流高電圧の、抵抗１２と抵抗１
３，１４とにより分圧した直流高電圧をコレクタ５に供
給するコレクタ入力線である。

【００２４】さらに、１８は上記コレクタ入力線に印加
される直流高電圧をさらに抵抗１２，１３と抵抗１４と
により分圧した１００数ボルト程度の監視用直流電圧を
出力する監視出力線である。

【００２５】また、２１はその監視出力線１８に供給さ
れる監視用直流電圧を平滑して出力する平滑回路、２２
はこの平滑回路２１の出力レベルの大きさを判定するレ
ベル判定回路で、これが上記のようなコレクタ極板８，
９に電圧が連続して正規に印加されていることを示す信
号を出力する。

【００２６】２３は上記監視出力線１８に供給される監
視用直流電圧を取り込んで直流分をカットし、上記イオ
ナイザ４やコレクタ５において放電により発生した雑音
電圧のみを検出して出力する直流カット回路、２４はこ
の直流カット回路２３が出力する雑音電圧のうち、５０
０Ｈｚ以上の雑音電圧を取り出す高域フィルタとしての
イオナイザ放電周波数検出フィルタである。

【００２７】また、２５はイオナイザ放電周波数検出フ
ィルタ２４によって取り出した雑音電圧を整流して平滑
する整流平滑回路、２６はこの平滑化した直流出力レベ
ルの大きさを判定するレベル判定回路である。ここで、
上記イオナイザ放電周波数検出フィルタ２４、整流平滑
回路２５、レベル判定回路２６とはイオナイザ監視手段
１００を構成している。

【００２８】さらに、２７はこのレベル判定回路２６の
出力回数を計数するイオナイザ監視警報手段としての計
数回路であり、その計数回数があらかじめ設定した所定
回数を超えたとき、エアークリーナの電源オフのための
制御信号や異常報知を外部へ出力するものである。

【００２９】一方、２８は上記直流カット回路２３が出
力する雑音電圧のうち、５００Ｈｚ以下の雑音電圧を取
り出す低域フィルタとしてのコレクタ放電周波数検出フ
ィルタ、２９はこのコレクタ放電周波数検出フィルタ２
８によって取り出した雑音電圧を整流して平滑化する整
流平滑回路、３０はこの平滑化した直流出力レベルの大
きさを判定するレベル判定回路である。ここで、コレク
タ放電周波数検出フィルタ２８、整流平滑回路２９、レ
ベル判定回路３０とはコレクタ監視手段１１０を構成し
ている。

【００３０】上記レベル判定回路が直流出力レベルにて
出力するコレクタ放電検知出力は、上記レベル判定回路
２２が出力する監視用直流電圧としてのコレクタ入力検
知信号とともにコレクタ監視警報手段としての計数回路
３１に入力される。

【００３１】この計数回路３１の計数回数があらかじめ
設定した所定回数を超えたとき、集塵セル３におけるコ
レクタ極板８，９に蓄積された塵埃の除去などを指示す
るメンテナンス信号を出力するものである。

【００３２】なお、上記各所定回数は、イオナイザ放電
検知出力やコレクタ放電検知出力が直流レベルで出力さ
れる場合には、設定レベル以上の出力が得られる設定計
測時間としたり、上記各レベル判定回路２６，３０の出
力処理によりパルスで出力される場合には、設定数以上
のパルスの設定カウント値としたりすることができる。

【００３３】次に動作について説明する。かかる構成に
なるエアークリーナでは、電源の投入によって、高電圧
出力装置１５内で直流高電圧を発生させ、この直流高電
圧を荷電部のイオナイザ入力線１６、および分圧抵抗１
２を介してコレクタ入力線１７にそれぞれ供給する。

【００３４】このため、図２に示すイオナイザ４の放電
電極６とプレート７との間およびコレクタ５の各コレク
タ極板８，９間にそれぞれ高低の各直流高電圧が入力さ
れる。

【００３５】このため、上記従来例で説明した場合と同
様に、プレフィルタ２を通過したホコリの粒子はイオナ
イザ４においてイオン化されて正または負に帯電し、こ
の帯電した粒子はコレクタ５の負または正の各コレクタ
極板８，９に吸着される。

【００３６】また、上記粒子が除かれた空気は活性炭フ
ィルタ１０にて脱臭されて、ケース１の上記他方の開口
端に臨む室内へ送出されることとなる。

【００３７】一方、上記抵抗１２，１３と抵抗１４とに
より分圧されて出力された例えば１００数ボルトの監視
用直流電圧は、そのまま平滑回路にて平滑化され、その
平滑化された電圧のレベルが、レベル判定回路２２にお
いて設定値を連続して超えるか否かが判定される。そし
て超えたとされた場合には、コレクタ入力があるとする
コレクタ入力検知信号を計数回路３１に入力する。

【００３８】また、上記分圧された監視用直流電圧は上
記監視出力線１８を介して直流カット回路２３にも入力
され、ここで上記イオナイザ４やコレクタ５における放
電により発生した雑音電圧のみを直流分から分離して取
り出す。

【００３９】そして、この取り出した雑音電圧のうち、
５００Ｈｚ以上の雑音電圧はイオナイザ放電周波数検出
フィルタ２４を介して、一方、５００Ｈｚ以下の雑音電
圧はコレクタ放電周波数検出フィルタ２８を介して、そ
れぞれ個別的，選択的に取り出され、それぞれの雑音電
圧は整流平滑回路２５，２９にて、それぞれ整流および
平滑される。

【００４０】そして、これらの平滑化された各整流出力
はレベル判定回路２６，３０にて設定レベルを超えるか
否かの判定がなされ、設定レベルを超えた場合には各イ
オナイザ放電周波数およびコレクタ放電周波数に対応し
たイオナイザ放電検知およびコレクタ放電検知出力が得
られる。

【００４１】そしてこれらの各出力のうち、イオナイザ
放電検知出力が設定時間得られた場合には、これが計数
回路２７に入力され、イオナイザが異常であることが検
知され、エアークリーナを電源オフとするための制御信
号やイオナイザ異常情報の信号を外部へ出力させる。

【００４２】一方、上記各出力のうち、コレクタ放電検
知出力が設定時間得られた場合には、これが他の計数回
路３１に、上記コレクタ入力検知信号とともに入力され
る。

【００４３】ここではコレクタ５が連続して動作してい
る場合に、このコレクタ５における放電が異常であるか
否かを検知し、異常を検知した場合には、例えばコレク
タ極板８，９に堆積した塵埃を除去すべき指令などのメ
ンテナンス信号を外部へ出力させる。

【００４４】このように、集塵セル３を構成するイオナ
イザ４およびコレクタ５の放電を個別に検出することに
より、それぞれの放電の原因となる異常事態にメンテナ
ンス指示の表示や警報、電源オフなどによって最適に対
応でき、エアークリーナの故障を未然に回避できること
となる。

【００４５】

【発明の効果】以上のように、請求項１記載の発明によ
れば、イオナイザで発生する放電高周波数を検出して該
イオナイザの異常監視を行うイオナイザ監視手段と、コ
レクタで発生する放電低周波数を検出して該コレクタの
異常監視を行うコレクタ監視手段とを設けて構成したの
で、イオナイザまたはコレクタの異常監視を個別に行う
ことができ、異常警報の出力や電源のオフを実施した
り、集塵セルのメンテナンスを指示したりすることがで
きる効果がある。

【００４６】請求項２記載の発明によれば、イオナイザ
監視手段とコレクタ監視手段の出力回数を計数して、あ
らかじめ設定された所定回数を超えたら警報するように
構成したので、異常検出報知を確実に行うことができる
効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の形態によるエアークリーナの
監視装置を示すブロック図である。

【図２】従来のエアークリーナの概略構成を示す断面図
である。

【図３】従来のエアークリーナの監視装置を示すブロッ
ク図である。

【符号の説明】

４ イオナイザ ５ コレクタ ２７ 計数回路（イオナイザ監視警報手段） ３１ 計数回路（コレクタ監視警報手段） １００ イオナイザ監視手段 １１０ コレクタ監視手段

【手続補正書】

【提出日】平成７年１１月１７日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１５

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１５】一方、上記抵抗１２，１３と抵抗１４とに
より分圧された電圧は、高電圧の監視出力として平滑回
路１９に入力されて平滑化され、その平滑出力のレベル
がレベル判定回路２０にて判定される。そして、この判
定の結果、例えばコレクタ極板８，９間の電圧が低下し
たことを外部へ警報信号によって出力可能にしている。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 放電によって粒子をイオン化するイオナ
   イザと、このイオナイザによりイオン化された上記粒子
   を吸着するコレクタと、上記イオナイザに上記粒子をイ
   オン化するに必要な直流高電圧を供給するとともに、上
   記コレクタに上記粒子を吸着するに必要な高電圧を供給
   する高電圧出力装置と、上記イオナイザで発生する放電
   高周波数を検出して該イオナイザの異常監視を行うイオ
   ナイザ監視手段と、上記コレクタで発生する放電低周波
   数を検出して該コレクタの異常監視を行うコレクタ監視
   手段とを備えたエアークリーナの監視装置。
2. 【請求項２】 イオナイザ監視手段の出力回数を計数し
   て、所定回数を越えたら警報を出すイオナイザ監視警報
   手段と、コレクタ監視手段の出力回数を計数して、所定
   回数を越えたら警報を出すコレクタ監視警報手段とを備
   えた請求項１記載のエアークリーナの監視装置。