JPH0999218A - 強固な接合強度を有する拡散接合された触媒用メタル担体およびその製造方法 - Google Patents

強固な接合強度を有する拡散接合された触媒用メタル担体およびその製造方法

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JPH0999218A
JPH0999218A JP7258014A JP25801495A JPH0999218A JP H0999218 A JPH0999218 A JP H0999218A JP 7258014 A JP7258014 A JP 7258014A JP 25801495 A JP25801495 A JP 25801495A JP H0999218 A JPH0999218 A JP H0999218A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Tiおよび/またはNb添加フェライト系ス
テンレス鋼からなり、平箔と波箔を重ねて巻回し、また
は交互に積層したハニカム体が外筒に嵌入されたメタル
担体において、各接触部をいずれも拡散接合する。 【解決手段】 Tiおよび/またはNbを特定量含み、
[Nb]+2[Ti]≦8[C]+48/7[N]+3
[S]+6[O]+0.1を満足し、かつ各接触部が拡
散接合されている担体。さらに希土類元素を特定量含
み、[Nb]+2[Ti]≦8[C]+48/7[N]
+0.1を満足する担体。外筒とハニカム体の間に中間
筒が拡散接合されているのが好ましい。さらに、外筒、
ハニカム体および中間筒の、Crおよび/またはAlに
特定量の濃度差を有するのが好ましい。また、真空度、
箔表面粗さ、箔接触幅を限定した製造法。 【効果】 拡散接合の全面採用による製造工程の簡易
化。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種内燃機関の排
ガス浄化用等に好適な、強固な接合強度を有する拡散接
合された触媒用メタル担体、およびその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】自動車、ボイラー、発電用など各種内燃
機関の排ガス浄化用触媒の担体として、耐熱ステンレス
鋼製の外筒に、同ステンレス鋼製のハニカム体を嵌入し
たメタル担体が、近年、多用されるようになってきた。
ハニカム体は、厚さ50μm程度の帯状の平箔と、該平
箔をコルゲート加工した帯状の波箔とを、重ねて渦巻状
に巻回して形成されたものや、平板状の両箔を交互に積
層して形成されたもの等が使用されている。
【0003】ステンレス鋼としては、ハニカム体には、
高温排ガス雰囲気での耐酸化性に優れたFe−20%C
r−5%Al等、Fe−Cr−Al系のフェライト系ス
テンレス鋼が多く採用され、外筒には、Al無添加のフ
ェライト径ステンレス鋼も採用されている。また、添加
元素により各種特性の改善が図られたもの、例えば、加
工性向上等のためTiが添加されたもの、高温強度向上
等のためNbが添加されたもの、耐酸化性をより向上さ
せる等のため、La,Ce等の希土類元素が添加された
ものが知られている。
【0004】このようなメタル担体は、従来のセラミッ
ク製担体に比べて熱容量が小さいので、触媒が作用する
温度に早く加熱され、エンジン始動初期の排ガス浄化能
力が優れている。また、ハニカム体の壁が薄い金属箔か
らなるので、排気抵抗が小さく、エンジン出力の損失が
少ない。さらに、温度の上下が激しい排ガス環境下にお
いても、耐久性に優れている等、多くの利点を有してい
る。
【0005】メタル担体の製造に際しては、上記ハニカ
ム体を外筒に嵌入し、ハニカム体と外筒の接触部が接合
される。また、ハニカム体も、平箔と波箔の接触部が接
合される。接合手段としては、ろう付け、電子ビーム溶
接、レーザ溶接、抵抗溶接、拡散接合等が知られてい
る。そして、接合の不十分な箇所があると、使用中に剥
離し、メタル担体が破損するので、上記各接触部は確実
に接合されていなければならない。したがって、材料に
応じた適正な接合手段が採用されている。
【0006】上記接合手段のうち、ろう付けはろう材が
高価であるうえ、バインダ塗布、ろう材付着、真空加熱
といった多くの工程を要し、製造コストも高くなる。電
子ビーム溶接およびレーザ溶接は、高価な設備を要す
る。また、抵抗溶接は生産性が低く、量産には不向きで
ある。これに対して、拡散接合は、接合面を清浄にした
後、真空加熱炉等に装入し、非酸化性雰囲気で加熱する
ので、比較的簡単な工程で行うことができ、その全面的
な採用が検討されている。
【0007】しかし、上記のようなステンレス鋼を拡散
接合するには、真空中で高温長時間の加熱が必要であ
る。厚さ50μm程度の平箔と波箔を拡散接合して、ハ
ニカム体を製造するには、たとえば1250℃で90分
の加熱が行われる。また、ハニカム体と外筒を拡散接合
してメタル担体を製造するには、外筒の肉厚が、たとえ
ば1.5mmと、箔厚50μmに比べて厚いため、たとえ
ば1250℃で120分といったさらに長時間の加熱が
必要とされ、生産性およびエネルギー消費の両面で不利
であった。このため、従来、箔同士を接合してハニカム
体を製造する際には拡散接合を行い、ハニカム体と外筒
を接合する際にはろう付けを行うのが一般的であった。
【0008】なお、拡散接合によるハニカム体の製造に
関し、平箔と波箔の接合不良に起因する接合強度不足の
対策が、特開平5−123581号公報に提案されてい
る。すなわち、平箔と波箔とを重ねて巻回し、真空中で
高温保持して両箔を拡散接合する方法において、平箔を
構成する材料組成と波箔を構成する材料組成とを異にす
ることで、両箔間の金属成分の濃度差により、相互拡散
を促進させる方法である。具体的には、Fe−20Cr
−5Al−0.06Yの波箔と、Fe−20Cr−5A
l−0.06Y−0.1Tiの平箔を拡散接合した例が
示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】フェライト系ステンレ
ス鋼製メタル担体の製造に際し、接合を全面的に拡散接
合により行う技術の確立が切望されている。平箔と波箔
の拡散接合を促進させてハニカム体を製造する技術に関
しては、上記特開平5−123581号公報の技術があ
るが、本発明者らの実験によると、Tiのみの濃度差だ
けでは不十分であった。ハニカム体と外筒を拡散接合す
る技術に関しては、接合不良に起因して、安定した接合
強度が得られず、未解決の問題が残されている。特に、
TiあるいはNbを添加した材料では、拡散接合が困難
であった。
【0010】本発明者らは、TiやNbを添加した材料
での拡散接合性の低下の原因を解析した結果、これらの
材料では、真空熱処理時に、表面にTiやNbが析出
し、その一部は炭化物となり、また一部は窒化物や酸化
物となるなどして、金属同士の接触を妨げることに起因
することを知見した。
【0011】しかして本発明は、各種内燃機関の排ガス
浄化用等に使用される触媒用メタル担体であって、Ti
とNbの一方または双方を添加したフェライト系ステン
レス鋼からなり、平箔と波箔が重ねて渦巻状に巻回さ
れ、または交互に積層されたハニカム体が、外筒に嵌入
されて形成されたメタル担体において、平箔、波箔、お
よび外筒の各接触部が、いすれも拡散接合により接合さ
れており、接合不良による接合強度不足が解消された触
媒用メタル担体、およびその製造方法を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の第1発明は、フェライト系ステンレス鋼から
なり、平箔と波箔が重ねて渦巻状に巻回され、または交
互に積層されたハニカム体が外筒に嵌入されて形成され
たメタル担体において、前記ステンレス鋼が、重量%に
て、Ti:0.02〜0.3%とNb:0.04〜0.
4%の一方または双方を含有するとともに、各成分の含
有量が(1)式の関係を満足し、 [Nb]+2[Ti]≦8[C]+48/7[N]+3[S]+6[O] +0.1 (1) ただし、[Nb]、[Ti]、[C]、[N]、
[S]、[O]は、それぞれNb、Ti、C、N、S、
Oの含有量(重量%)かつ、前記平箔、波箔、および外
筒の各接触部が拡散接合により接合されていることを特
徴とする強固な接合強度を有する拡散接合された触媒用
メタル担体である。
【0013】第2発明は、フェライト系ステンレス鋼か
らなり、平箔と波箔が重ねて渦巻状に巻回され、または
交互に積層されたハニカム体が外筒に嵌入されて形成さ
れたメタル担体において、前記ステンレス鋼が、重量%
にて、Ti:0.02〜0.3%とNb:0.04〜
0.4%の一方または双方、およびYを含む希土類元素
の合計:0.005〜0.2%を含有するとともに、各
成分の含有量が(2)式の関係を満足し、 [Nb]+2[Ti]≦8[C]+48/7[N]+0.1 (2) ただし、[Nb]、[Ti]、[C]、[N]は、それ
ぞれNb、Ti、C、Nの含有量(重量%)かつ、前記
平箔、波箔、および外筒の各接触部が拡散接合により接
合されていることを特徴とする強固な接合強度を有する
拡散接合された触媒用メタル担体である。
【0014】第1発明および第2発明において、外筒と
ハニカム体の間に、フェライト系ステンレス鋼からなる
中間筒が嵌入され、該中間筒が外筒およびハニカム体と
拡散接合されていることが好ましい。さらに、Cr含有
量とAl含有量の一方または双方が、外筒を構成するス
テンレス鋼よりもハニカム体を構成するステンレス鋼の
方が大であり、該含有量の差は、重量%にて、Crにつ
いては1.0%以上、Alについては0.5%以上であ
ることが好ましい。また、Cr含有量とAl含有量の一
方または双方が、外筒を構成するステンレス鋼よりも中
間筒を構成するステンレス鋼の方が大であり、かつ中間
筒を構成するステンレス鋼よりもハニカム体を構成する
ステンレス鋼の方が大であり、該各含有量の差は、重量
%にて、Crについては1.0%以上、Alについては
0.5%以上であることが好ましい。
【0015】第3発明は、第1発明または第2発明のメ
タル担体の製造に際し、平箔と波箔を重ねて渦巻状に巻
回し、または交互に積層してハニカム体を形成し、該ハ
ニカム体を外筒に嵌入し、真空度9×10-4Torr以下の
高真空下で拡散接合することを特徴とする強固な接合強
度を有する拡散接合された触媒用メタル担体の製造方法
である。
【0016】第4発明は、第1発明または第2発明のメ
タル担体の製造に際し、平箔と波箔の表面粗さを、平均
粗さ(Ra)で0.001μm以上0.2μm以下と
し、該平箔と該波箔を重ねて渦巻き樹に巻回し、または
交互に積層してハニカム体を形成し、該ハニカム体を外
筒に嵌入して拡散接合することを特徴とする強固な接合
強度を有する拡散接合された触媒用メタル担体の製造方
法である。第4発明において、平箔と波箔の接触幅が3
0μm以上となる波形状の波箔を用いることが好まし
い。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明におけるメタル担体は、フ
ェライト系ステンレス鋼からなり、図1に示すように、
ハニカム体1が、外筒2に嵌入されて形成され、ハニカ
ム体1は、ステンレス鋼箔3の壁で仕切られた多数の通
気孔4を有している。ハニカム体1は、図2に示すよう
に、帯状の平箔5と波箔6を重ね、平箔5にバックテン
ションをかけながら、軸7の回りに渦巻状に巻回して形
成されるか、または、図3に示すように、平板状の平箔
5と波箔6を交互に積層してされる。波箔6は、平箔5
をコルゲート加工して形成することができる。
【0018】本発明の第1発明は、上記のようなメタル
担体におけるフェライト系ステンレス鋼が、重量%に
て、Ti:0.02〜0.3%とNb:0.04〜0.
4%の一方または双方を含有するとともに、各成分の含
有量が(1)式の関係を満足し、かつ、平箔、波箔、お
よび外筒の各接触部が、拡散接合により接合されてい
る。 [Nb]+2[Ti]≦8[C]+48/7[N]+3[S]+6[O] +0.1 (1) ただし、[Nb]、[Ti]、[C]、[N]、
[S]、[O]は、それぞれ、Nb、Ti、C、N、
S、Oの含有量(重量%)である。
【0019】Tiは、箔および管の製造性向上のために
添加する。ステンレス鋼箔は、ホットコイルを冷間圧延
し焼鈍した冷延鋼帯を、さらに箔圧延機で、50μmあ
るいはそれ以下の厚さに冷間圧延して製造される。ま
た、外筒はステンレス鋼管から製造され、該管は、前記
冷延鋼帯をシーム溶接して製造される。フェライト系ス
テンレス鋼においては、ホットコイルの靭性が劣るた
め、冷間圧延性に問題が生じる場合がある。したがっ
て、Tiを0.02%以上添加することで、固溶C,N
を固定し、ホットコイルの靭性を改善する。しかし、過
剰に添加すると、粗大なTi系析出物を形成して熱間加
工性が劣化し、またホットコイルの靭性がかえって劣化
するので、0.3%以下とする。なお、ホットコイルを
焼鈍すれば靭性は改善されるので、その場合は、Ti無
添加とすることもできる。
【0020】Nbは、ホットコイルの靭性を改善すると
ともに、メタル担体の高温強度向上のために添加する。
Nbを0.04%以上添加することで、炭窒化物析出に
より、高温での耐力が向上する。しかし、過剰に添加す
ると、Nb系金属間化合物を形成して、熱間加工性およ
びホットコイルの靭性が劣化するので、0.4%以下と
する。なお、メタル担体の使用環境が、さほどの高温強
度を必要としない場合は、Nb無添加とすることもでき
る。
【0021】また、TiとNbを上記範囲で複合添加す
ると、Ti系炭窒化物の微細析出とNbの固溶とによっ
て、メタル担体の高温強度が安定してより向上する。そ
して、高温長時間の加熱によっても、金属組織がほとん
ど変化しないので、高温強度の経時低下が抑制される。
【0022】ところで、上記のようにTiとNbの一方
または双方を添加した場合、拡散接合で接合不良が生じ
ることがあった。そこで、本発明の第1発明では、Ti
およびNbの含有量を、C,N,S,Oの含有量との関
係で、(1)式を満足する範囲とすることにより、接合
不良の問題を解決した。
【0023】TiとNbの一方または双方が過剰に添加
されていると、ステンレス鋼の表面に炭窒化物等が析出
して、拡散接合時、各原子の相互拡散が阻害され、接合
不良が生じた。炭素源および窒素源としては、ステンレ
ス鋼中の固溶炭素および窒素のほか、拡散接合時の加熱
炉雰囲気中に微量存在する炭素および窒素もあるが、T
iとNbの添加量を(1)式を満足する範囲とすること
で、表面での炭窒化物等の析出が抑えられ、問題が解決
された。
【0024】つぎに、本発明の第2発明は、上記のよう
なメタル担体におけるフェライト系ステンレス鋼が、重
量%にて、Ti:0.02〜0.3%とNb:0.04
〜0.4%の一方または双方、およびYを含む希土類元
素の合計:0.005〜0.2%を含有するとともに、
各成分の含有量が(2)式の関係を満足し、かつ、平
箔、波箔、および外筒の各接触部が、拡散接合により接
合されている。 [Nb]+2[Ti]≦8[C]+48/7[N]+0.1 (2) ただし、[Nb]、[Ti]、[C]、[N]は、それ
ぞれNb、Ti、C、Nの含有量(重量%)である。
【0025】第2発明においては、TiとNbの一方ま
たは双方を、上記第1発明と同様の理由で添加し、さら
に、Yを含む希土類元素を添加する。ここで、希土類元
素は、分離されたLa、Ce等のほか、Ln(ランタノ
イド)と呼ばれる分離精製されてない軽希土類元素の集
合体(ミッシュメタル)を含む。これらの希土類元素
は、単独または複合で添加し、メタル担体が、特に95
0℃以上で使用される場合の耐高温酸化性向上のため、
添加量を合計で0.005%以上とする。しかし、過剰
に添加すると、耐酸化性が低下するとともに、熱間加工
性が悪化するので、0.2%以下とする。
【0026】そして、第2発明においては、TiとNb
の一方または双方の添加量を(2)式の範囲とすること
で、TiやNbの炭窒化物等がステンレス鋼表面に析出
するのが抑制され、拡散接合における接合不良の問題が
解決される。なお、第2発明では、Yを含む希土類元素
が上記範囲添加されているので、第1発明と異なり、鋼
中のSおよびOの影響がなくなる。
【0027】上記第1発明および第2発明において、フ
ェライト系ステンレス鋼のその他の成分は、ハニカム体
にはAl添加材、外筒にはAl添加材あるいはAl無添
加材で、通常使用されている範囲のものとすることがで
きる。すなわち、Crは、11%未満では、メタル担体
としての基本的な耐食性および耐酸化性が不足し、30
%超では、ホットコイルの靭性が低下し製造性が損なわ
れるので、11〜30%とする。
【0028】Alは、Al2 3 皮膜の形成により、メ
タル担体の耐高温酸化性を向上させるため、ハニカム体
を構成するステンレス鋼には1%以上添加する。6%超
では、ホットコイルの靭性が低下し製造性が損なわれる
ほか、熱膨張係数が大きくなり、触媒担体としての使用
時、加熱と冷却の繰返しによる熱疲労が問題となる。し
たがって、1〜6%とする。しかし、外筒は高温の排ガ
スに接しないか、あるいは接する機会が少ないので、A
l無添加の材料を採用することもできる。
【0029】Cは不可避的不純物として混入するが、
0.05%超ではホットコイルの靭性が低下するので、
その上限を0.05%とする。Nも不可避的不純物とし
て混入するが、0.03%超ではホットコイルの靭性が
低下するので、その上限を0.03%とする。
【0030】Siも不可避的不純物で、1%超ではAl
2 3 皮膜の生成に障害が生じ、ホットコイルの靭性に
も悪影響を及ぼすので、その上限を1%とする。Mnも
不可避的不純物で、1%超ではホットコイルの靭性が劣
化するので、その上限を1%とする。
【0031】Pも不可避的不純物ながら、希土類元素を
添加した場合は、Pを高めにすることにより、熱間加工
性が向上する。さりながら、0.05%超ではホットコ
イルの靭性が劣化するので、その上限を0.05%とす
る。Sも不可避的不純物で、0.01%超では耐酸化性
に悪影響を及ぼすので、その上限を0.01%とする。
【0032】このような第1発明および第2発明のメタ
ル担体は、平箔と波箔との接触部、およびハニカム体と
外筒の接触部をともに拡散接合により、同時に接合して
製造することができ、十分な接合強度を有している。拡
散接合の手段としては、真空炉等の非酸化性雰囲気炉で
加熱する方法を採用できる。なお、従来、Fe−Cr−
Al系のフェライト系ステンレス鋼からなるメタル担体
において、拡散接合の際、加熱雰囲気中の微量酸素と鋼
中のAlが反応して、Al2 3 皮膜が生成し、拡散が
阻害されるおそれがあったが、本発明では、各接触部が
密着しているうえ、上記のように、各接触部の界面には
TiやNbの炭窒化物等の表面への析出が抑制されてい
るので、Al2 3 皮膜による接合不良の問題は生じな
い。
【0033】つぎに、第1発明および第2発明におい
て、外筒とハニカム体の間に、フェライト系ステンレス
鋼からなる中間筒が嵌入され、該中間筒が外筒およびハ
ニカム体と拡散接合されていることが好ましい。中間筒
の材料としては、上記Al添加材、あるいはAl無添加
材を採用できる。中間筒は、図4の各展開図例に示すよ
うに、切込み9を有しており、図5に示すように、ハニ
カム体1と外筒2の間に嵌入したとき、中間筒8がばね
作用をなす。
【0034】このため、外筒2と中間筒8、中間筒8と
ハニカム体1、さらにはハニカム体1の平箔5と波箔6
の各接触部において、接触面圧が高まり密着性が向上す
る。したがって、これを非酸化性雰囲気で加熱し、拡散
接合して得られる第1発明および第2発明のメタル担体
は、接合強度がより向上したものである。
【0035】さらに、第1発明および第2発明におい
て、Cr含有量とAl含有量の一方または双方が、外筒
を構成するステンレス鋼よりもハニカム体を構成するス
テンレス鋼の方が大であり、該含有量の差は、重量%に
て、Crについては1.0%以上、Alについては0.
5%以上であることが好ましい。このような本発明は、
比較的厚手の外筒と、箔からなるハニカム体との拡散接
合において、両者の主要成分の含有量に上記の差を有し
ているため、相互拡散が促進され、成分差のない場合と
同一条件での拡散接合で、接合強度がより向上したメタ
ル担体となる。
【0036】Cr含有量のみが差を有する場合は、1.
0%以上の差で、接合強度に明瞭な効果が現れ、差が増
す程、接合強度が高くなる。Al含有量のみが差を有す
る場合は、0.5%以上の差で、上記Crの場合と同
様、接合強度に明瞭な効果が現れ、差が増す程、接合強
度が高くなる。また、CrとAlの双方が差を有する
と、効果がより向上するが、各成分差は上記のとおりで
よい。なお、Cr、Alとも、ハニカム体の方を含有量
大としたのは、高温の排ガスに接してより高温になるか
らである。
【0037】また、第1発明および第2発明において、
中間筒を有する場合、Cr含有量とAl含有量の一方ま
たは双方が、外筒を構成するステンレス鋼よりも中間筒
を構成するステンレス鋼の方が大であり、かつ中間筒を
構成するステンレス鋼よりもハニカム体を構成するステ
ンレス鋼の方が大であり、該含有量の差は、重量%に
て、Crについては1.0%以上、Alについては0.
5%以上であることが好ましい。効果および各成分差の
限定理由は上記のとおりである。また、Cr、Alと
も、ハニカム体を構成するステンレス鋼を含有量最大と
し、外筒を最小としたのは、ハニカム体が最も高温とな
り、つぎに中間筒、そのつぎが外筒の順となるからであ
る。
【0038】なお、上記において、Cr含有量およびA
l含有量の差は、拡散接合促進の観点からは大きい方が
よく、上限については特に限定の必要はない。しかし、
メタル担体としての耐食性、耐酸化性および耐熱疲労
性、材料の製造性の観点から、使用環境に応じて、前述
のように、ハニカム体はCr含有量11〜30%および
Al含有量1〜6%の範囲とし、外筒と中間筒はCr含
有量11〜30%およびAl含有量0〜6%の範囲とす
るので、含有量の差の上限は、Crについては19%、
Alについては6%となる。
【0039】つぎに、第3発明は、第1発明または第2
発明のメタル担体の製造に際し、平箔と波箔を重ねて渦
巻状に巻回し、または交互に積層してハニカム体を形成
し、該ハニカム体を外筒に嵌入し、真空度9×10-4To
rr以下の高真空下で拡散接合する製造方法である。ハニ
カム体の平箔と波箔は接合しない状態で外筒に嵌入し、
上記高真空下で高温加熱することにより、外筒とハニカ
ム体、およびハニカム体の平箔と波箔の各接触部が拡散
接合され、十分な接合強度が得られる。真空度が上記9
×10-4Torrを超えた低真空下では、各接触部にAl2
3 皮膜が生成して、相互拡散が阻害されるおそれがあ
る。加熱条件としては、1250〜1300℃、60〜
120分とすることができる。
【0040】また、第3発明において、ハニカム体と外
筒の間に、フェライト系ステンレス鋼からなる中間筒を
嵌入し、真空度9×10-4Torr以下の高真空下で拡散接
合することもできる。この場合も、ハニカム体の平箔と
波箔は接合しない状態とし、中間筒、外筒を嵌合させ、
上記高真空下で高温加熱することにより、外筒と中間
筒、中間筒とハニカム体、およびハニカム体の平箔と波
箔の各接触部が拡散接合され、十分な接合強度が得られ
る。
【0041】さらに、第3発明において、ハニカム体と
外筒、あるいはさらに中間筒を構成するステンレス鋼
の、Cr含有量とAl含有量の一方または双方が、上記
第1発明および第2発明の好ましい態様と同様の差を有
したものとすることができる。これにより、拡散接合後
の接合強度がより強固なものとなる。
【0042】つぎに、第4発明は、第1発明または第2
発明のメタル担体の製造に際し、平箔と波箔の表面粗さ
を、平均粗さ(Ra)で0.001μm以上0.2μm
以下とし、該平箔と該波箔を重ねて渦巻状に巻回し、ま
たは交互に積層してハニカム体を形成し、該ハニカム体
を外筒に嵌入して拡散接合する製造方法である。ハニカ
ム体の平箔と波箔は接合しない状態で外筒に嵌入し、平
箔と波箔、またハニカム体と外筒を同時に拡散接合す
る。
【0043】一般に、拡散接合においては、接合すべき
材料同士が密着している必要があり、かつ接触部には加
熱中も面圧が加わるよう、加圧装置あるいはウエイトが
使用される。しかし、メタル担体の場合は、その構造の
特異性により、外部から面圧を付与することが困難であ
るため、図2のようなハニカム体巻回時に平箔5に付与
される限られた張力のバックテンションや、ハニカム体
を外筒に嵌入した後の縮径により得られる比較的小さな
面圧、あるいは中間筒の嵌入により付与される面圧のも
とで拡散接合を実施する必要がある。
【0044】本発明者らは、このような比較的小さな面
圧下での拡散接合性を向上させる方法を探索した結果、
接合界面における平箔および波箔の表面粗さを小さくす
ることが有効であることを知見した。実験の結果、平箔
および波箔の平均粗さ(Ra)を0.2μm以下にする
と、極めて容易に良好な拡散接合部が得られた。そし
て、Raを0.001μm未満に平滑化しても、拡散接
合性に与える影響は飽和した。なお、外筒内面の表面粗
さを、Raで0.001μm以上0.2μm以下とする
ことにより、ハニカム体と外筒の拡散接合性が同様に向
上することを確認した。したがって、第4発明は、上記
のように表面粗さを限定した。
【0045】第4発明において、図6に示すように、平
箔5と波箔6の接触幅14が30μm以上となる波形状
の波箔を用いることが好ましい。このような波箔を使用
することにより、平箔と波箔の接触面積が増大し、拡散
接合性がより向上する。この場合、波箔6の形状は台形
状とし、コルゲート加工時に、歯車ロールの歯形を変え
る等により形成することができる。
【0046】また、第4発明において、ハニカム体と外
筒の間に、フェライト系ステンレス鋼からなる中間筒を
嵌入することもできる。この場合も、ハニカム体の平箔
と波箔は接合しないで中間筒、外筒を嵌合させ、外筒と
中間筒、中間筒とハニカム体、およびハニカム体の平箔
と波箔の各接触部が拡散接合され、十分な接合強度が得
られる。なお、中間筒の内外面の表面粗さを、Raで
0.001μm以上0.2μm以下とすることにより、
中間筒とハニカム体および外筒との拡散接合性がより向
上する。
【0047】さらに、第4発明において、ハニカム体と
外筒、あるいはさらに中間筒を構成するステンレス鋼
の、Cr含有量とAl含有量の一方または双方が、上記
第1発明および第2発明の好ましい態様と同様の差を有
したものとすることができる。これにより、拡散接合後
の接合強度がより強固なものとなる。
【0048】以上述べた本発明の第1発明および第2発
明の触媒用メタル担体、および、第3発明および第4発
明により製造された触媒用メタル担体は、ハニカム体の
ステンレス鋼箔表面に、活性アルミナ等の耐熱多孔質層
(ウォッシュコート層)を形成し、該層にPt等の貴金
属からなる触媒を担持させ、内燃機関の排ガス経路に装
着される。
【0049】
【実施例】
[実施例1]第1発明および第2発明の例として、表1
の成分からなる各Fe−Cr−Al系フェライト系ステ
ンレス鋼の冷延板から50μm厚の帯状平箔を製造し、
該平箔の一部をコルゲート加工して波箔を製造した。得
られた平箔と波箔を、図2のように重ねて巻回し、直径
80mm、長さ120mmのハニカム体を形成した。また、
表2のAの組成の冷延板の板厚1.5mm材からシーム溶
接管を製造し、外径83mm、肉厚1.5mm、長さ120
mmの外筒を形成した。
【0050】外筒内に上記ハニカム体を嵌入し、真空加
熱炉に装入して、3×10-4Torrの真空度を保ちつつ、
1250℃で90分加熱保定し、外筒とハニカム体の最
外周、およびハニカム体の平箔と波箔を拡散接合した。
拡散接合したメタル担体の接合強度を調べるため、図7
(a)に示すように、厚さ20mmの円盤状の試験片11
を6個切出した。10は切断面である。そして、図7
(b)のように、試験片11の外筒2の部分を円筒状の
受け台13に載置し、ハニカム体1の部分に上方から段
付きポンチ12を押し当て、接合部が破断するときの荷
重(押抜き荷重)を測定した。
【0051】各メタル担体の、6個の試験片についての
押抜き荷重の平均値を表1に示す。本発明例は、いずれ
も押抜き荷重が高く、優れた接合強度を有している。な
お、この押抜き荷重が350kg以上あれば、実際の排
ガス経路に装着し、使用したときの損傷に対して、問題
ないことを確認している。比較例の No.25および No.
26は、(1)式が不成立であるため、また No.27お
よび No.28は、REM添加で(2)式が不成立である
ため、押抜き荷重が低く、所要の接合強度が得られてい
ない。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】[実施例2]第1発明の好ましい例とし
て、表1の No.5および No.7について、中間筒を嵌入
したメタル担体を製造した。中間筒は、外径81mm、肉
厚0.5mmで、図4(a)の展開図に示すような切込み
9を入れたものとし、外径84mm、肉厚1.5mmの外筒
とハニカム体の間に嵌入した。その他の条件は上記実施
例1と同様であり、実施例1と同様の条件で拡散接合
し、押抜き荷重を測定した。その結果、No.5は600
kg、 No.7は620kgであり、中間筒により、接合
強度が向上した。また、図4(b)および(c)のよう
な切込みを入れたものも同様の効果があり、図4(d)
のような切込みを入れたものは、やや劣るものの効果が
認められた。
【0055】[実施例3]第1発明および第2発明の別
の好ましい例として、表1に示すハニカム体用材のうち
の5種類( No.4、 No.6、 No.17、 No.21、 No.
25)のものと、表2に示す6種類のステンレス鋼を組
合わせて、表3に示す9種類のメタル担体を製造した。
表3の記号イ〜ニ、ト、チは上記実施例1と同様の条件
で、記号ホ、ヘ、リは実施例2と同様の条件で製造し
た。表2の各ステンレス鋼は、いずれも第1発明の範囲
の成分である。
【0056】各メタル担体の押抜き荷重を表3に示す。
本発明例の記号イは、Al含有量が外筒よりハニカム体
の方が大であり(外筒はAl無添加)、その差が0.5
%以上あるため、Cr含有量には差がないが、比較例の
記号チより押抜き荷重が高い。本発明例の記号ロ〜ニ
は、Cr含有量およびAl含有量が、外筒よりもハニカ
ム体の方が大であり(外筒はいずれもAl無添加)、そ
の差がCrで1.0%以上、Alで0.5%以上あるた
め、いずれも、比較例の記号チより押抜き荷重が高い。
【0057】比較例の記号トは、外筒に(1)式不成立
の表1 No.25からなるステンレス鋼を採用したため、
また、ハニカム体と外筒のCr含有量が同じであり、A
l含有量は異なるが、差が0.5%未満であるため、押
抜き荷重が低い。比較例の記号チは、第1発明の条件を
満たしているので、押抜き荷重が410kgと高いが、
CrおよびAlの双方とも、ハニカム体と外筒で含有量
に差がないので、本発明例の記号イ〜ニよりも低い。
【0058】本発明例の記号ホおよびヘは、中間筒を有
するものである。記号ホは、Cr含有量およびAl含有
量が、外筒より中間筒の方が、また中間筒よりハニカム
体の方が大であり、その差がいずれもCrで1.0%以
上、Alで0.5%以上あるため、押抜き荷重が高い。
記号ヘは、中間筒と外筒のAl含有量の差が0.09と
小さいが、Crの差が1.0%以上あり、かつハニカム
体と中間筒の差がCrで1.0%以上、Alで0.5%
以上あるので、押抜き荷重が高い。これに対して、比較
例の記号リは、中間筒を有するが、ハニカム体に(1)
式不成立の表1 No.25からなるステンレス鋼を採用し
たため、また、中間筒と外筒のCr含有量およびAl含
有量に差がないため、押抜き荷重が低い。
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】[実施例4]第3発明の例として、表3に
示す記号イ、ロ、ハ、ニ、ホの5種類のメタル担体を製
造するにあたり、拡散接合における真空度を変化させ
た。すなわち、箔が接合されていないハニカム体を外筒
に嵌入し(イ〜ニ)、また、ハニカム体と外筒の間に中
間筒を嵌合させ(ホ)、真空加熱炉に装入して拡散接合
した。炉内の真空度は、3×10-3Torr、9×10-4To
rr、3×10-4Torr、1×10-4Torrの4水準、加熱条
件は、いずれも1250℃で90分加熱保定とした。接
合後の各メタル担体の押抜き荷重は、表4に示すとお
り、真空度が比較例の3×10-3Torrでは、低い値であ
ったが、本発明例の9×10-4Torr以下では、いずれも
十分高い値であった。
【0062】
【表5】
【0063】[実施例5] 第4発明の例として、平箔
および波箔の表面粗さを変化させ、かつ平箔と波箔の接
触幅を変化させてメタル担体を製造した。表1 No.8
(20Cr−5Al−0.3Nb)の組成からなる、5
0μm厚の平箔および波箔を、図2のように重ね、平箔
5に12kgfのバックテンションをかけながら、渦巻
状に巻回して、外径80mm、長さ120mmのハニカム体
を形成した。
【0064】巻回前の平箔および波箔の表面粗さを、平
均粗さ(Ra)で0.001μm、0.01μm、0.
1μm、0.2μm、0.3μmの5水準とし、また、
巻回後の両箔の、図6に示す接触幅14を、20μm、
30μm、50μm、200μmの4水準とした。接触
幅は、平箔を歯車ロールでコルゲート加工して波箔を形
成する際、歯車ロールの歯形を変え、波形状の異なる波
箔を形成することで変化させた。
【0065】また、表2のA(11Cr−0.1Ti)
の組成の1.5mm厚の冷延材からシーム溶接管を製造
し、外径83mm、肉厚1.5mm、長さ120mmの外筒を
形成した。そして、外筒内にハニカム体を嵌入し、真空
加熱炉に装入して、3×10-4Torrの真空度を保ちつ
つ、1250℃で90分加熱保持し、外筒とハニカム体
の最外周、およびハニカム体の平箔と波箔を拡散接合し
た。
【0066】得られた各メタル担体について、外筒の軸
直交面で切断し切り出した試験片を樹脂に埋め込み、該
軸直交面を研磨したのち、ハニカム体の外周から20層
分の各接点を観察し、拡散接合率を求めた。拡散接合率
は、接合点数/全接点数である。結果は、表5に示すよ
うに、表面粗さ0.2μm以下、接触幅30μm以上の
領域で、拡散接合率が0.60以上であった。そして、
この領域のメタル担体を、ガソリンエンジンの排気系に
搭載し、1サイクル;加熱900℃×10分+冷却室温
×10分の耐久試験を900サイクル実施したところ、
全て合格であった。
【0067】
【表6】
【0068】
【発明の効果】本発明の触媒用メタル担体は、ハニカム
体の平箔と波箔、外筒とハニカム体の各接触部がいずれ
も拡散接合により強固に接合されている。従来、メタル
担体における拡散接合は、生産性を阻害しない範囲で
は、十分な接合強度が得られない場合があるため、一部
ろう付け接合が行われていたが、本発明によれば、拡散
接合のみで強固な安定した接合強度が得られる。したが
って、ハニカム体の平箔と波箔、およびハニカム体の最
外層と外筒等の各接触部を、拡散接合により同時に接合
することで、製造工程が簡易化し、かつろう材等の材料
費や工程費が節減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明メタル担体の構造例を示す斜視図であ
る。
【図2】本発明メタル担体におけるハニカム体の製造例
を示す斜視図である。
【図3】本発明メタル担体におけるハニカム体の構造例
を示す正面図である。
【図4】本発明メタル担体における中間筒の構造例を示
す展開図である。
【図5】本発明メタル担体において中間筒を嵌入した例
を示す縦割り斜視図である。
【図6】本発明法における平箔と波箔の接触状態を示す
部分拡大正面図である。
【図7】実施例における接合強度の測定方法を示す説明
図である。
【符号の説明】
1…ハニカム体 2…外筒 3…ステンレス鋼箔 4…通気孔 5…平箔 6…波箔 7…軸 8…中間筒 9…切込み 10…切断面 11…試験片 12…段付きポンチ 13…受け台 14…接触幅
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F01N 3/28 301 F01N 3/28 301P (72)発明者 深谷 益啓 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 糟谷 雅幸 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェライト系ステンレス鋼からなり、平
    箔と波箔が重ねて渦巻状に巻回され、または交互に積層
    されたハニカム体が、外筒に嵌入されて形成されたメタ
    ル担体において、前記ステンレス鋼が、重量%にて、T
    i:0.02〜0.3%とNb:0.04〜0.4%の
    一方または双方を含有するとともに、各成分の含有量が
    (1)式の関係を満足し、 [Nb]+2[Ti]≦8[C]+48/7[N]+3[S]+6[O] +0.1 (1) ただし、[Nb]、[Ti]、[C]、[N]、
    [S]、[O]は、それぞれNb、Ti、C、N、S、
    Oの含有量(重量%)かつ、前記平箔、波箔、および外
    筒の各接触部が拡散接合により接合されていることを特
    徴とする強固な接合強度を有する拡散接合された触媒用
    メタル担体。
  2. 【請求項2】 フェライト系ステンレス鋼からなり、平
    箔と波箔が重ねて渦巻状に巻回され、または交互に積層
    されたハニカム体が、外筒に嵌入されて形成されたメタ
    ル担体において、前記ステンレス鋼が、重量%にて、T
    i:0.02〜0.3%とNb:0.04〜0.4%の
    一方または双方、およびYを含む希土類元素の合計:
    0.005〜0.2%を含有するとともに、各成分の含
    有量が(2)式の関係を満足し、 [Nb]+2[Ti]≦8[C]+48/7[N]+0.1 (2) ただし、[Nb]、[Ti]、[C]、[N]は、それ
    ぞれNb、Ti、C、Nの含有量(重量%)かつ、前記
    平箔、波箔、および外筒の各接触部が拡散接合により接
    合されていることを特徴とする強固な接合強度を有する
    拡散接合された触媒用メタル担体。
  3. 【請求項3】 外筒とハニカム体の間に、フェライト系
    ステンレス鋼からなる中間筒が嵌入され、該中間筒が外
    筒およびハニカム体と拡散接合されていることを特徴と
    する請求項1または2記載の強固な接合強度を有する拡
    散接合された触媒用メタル担体。
  4. 【請求項4】 Cr含有量とAl含有量の一方または双
    方が、外筒を構成するステンレス鋼よりもハニカム体を
    構成するステンレス鋼の方が大であり、該含有量の差
    は、重量%にて、Crについては1.0%以上、Alに
    ついては0.5%以上であることを特徴とする請求項1
    または2記載の強固な接合強度を有する拡散接合された
    触媒用メタル担体。
  5. 【請求項5】 Cr含有量とAl含有量の一方または双
    方が、外筒を構成するステンレス鋼よりも中間筒を構成
    するステンレス鋼の方が大であり、かつ中間筒を構成す
    るステンレス鋼よりもハニカム体を構成するステンレス
    鋼の方が大であり、該各含有量の差は、重量%にて、C
    rについては1.0%以上、Alについては0.5%以
    上であることを特徴とする請求項3記載の強固な接合強
    度を有する拡散接合された触媒用メタル担体。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載のメタル担体の製
    造に際し、平箔と波箔を重ねて渦巻状に巻回し、または
    交互に積層してハニカム体を形成し、該ハニカム体を外
    筒に嵌入し、真空度9×10-4Torr以下の高真空下で拡
    散接合することを特徴とする強固な接合強度を有する拡
    散接合された触媒用メタル担体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1または2記載のメタル担体の製
    造に際し、平箔と波箔の表面粗さを、平均粗さ(Ra)
    で0.001μm以上0.2μm以下とし、該平箔と該
    波箔を重ねて渦巻状に巻回し、または交互に積層してハ
    ニカム体を形成し、該ハニカム体を外筒に嵌入して拡散
    接合することを特徴とする強固な接合強度を有する拡散
    接合された触媒用メタル担体の製造方法。
  8. 【請求項8】 平箔と波箔の接触幅が30μm以上とな
    る波形状の波箔を用いることを特徴とする請求項7記載
    の強固な接合強度を有する拡散接合された触媒用メタル
    担体の製造方法。
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