JP5504778B2 - 拡散接合しにくいステンレス箔およびその製造方法 - Google Patents

拡散接合しにくいステンレス箔およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5504778B2
JP5504778B2 JP2009214105A JP2009214105A JP5504778B2 JP 5504778 B2 JP5504778 B2 JP 5504778B2 JP 2009214105 A JP2009214105 A JP 2009214105A JP 2009214105 A JP2009214105 A JP 2009214105A JP 5504778 B2 JP5504778 B2 JP 5504778B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foil
less
stainless steel
film thickness
oxide film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009214105A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011063833A (ja
Inventor
國夫 福田
伸 石川
裕弘 山口
充孝 本田
英明 山下
工 宇城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2009214105A priority Critical patent/JP5504778B2/ja
Publication of JP2011063833A publication Critical patent/JP2011063833A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5504778B2 publication Critical patent/JP5504778B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Description

本発明は、自動車やオートバイなどの排ガス浄化装置におけるハニカム構造の触媒担体(触媒コンバータ)に用いられるステンレス箔およびその製造方法に関する。
自動車やオートバイなどの排ガス浄化装置における触媒コンバータは、それ自体の小型化やエンジンの性能向上を目的に、従来のセラミックス製のものから、特許文献1に開示されているようなAl含有フェライト系ステンレス箔からなる金属製のハニカム構造のものに置き換えられている。こうした触媒コンバータは高温環境に曝されるため、耐高温酸化性の向上を目的に、例えば特許文献2には、LaやNdの添加されたFe-Cr-Al系合金箔(Al含有フェライト系ステンレス箔)も提案されている。また、ステンレス箔の厚みは、触媒コンバータの壁を薄くし、排気抵抗や熱容量を小さくしてエンジン始動から短時間で触媒を活性化させるため、20〜100μmと一般の鋼材に比べて格段に薄くなっている。
近年、地球環境保護の観点から自動車やオートバイの排ガス規制がさらに強化されつつあり、なかでも窒素酸化物、一酸化炭素、炭化水素などの有害物質の低減が強く要求されている。そのため、触媒コンバータをエンジン直下に設置して高温状態にある排ガスを速やかに触媒と反応させて上記のような有害物質を低減する対策が取られている。同時に、燃費向上の観点から、エンジンの燃焼効率を向上させるために、排ガス自体の温度も従来より上昇している。そのため、触媒コンバータは、従来に比べ、より高温の環境下でエンジンの振動の影響を受けたり、より過酷な熱サイクルに曝されるため、特許文献1や2に記載のAl含有フェライト系ステンレス箔を用いた触媒コンバータでは、強度不足による変形やセル切れなどが起き、高温での耐久性に劣るといった問題がある。
そこで、特許文献3には、高温強度に優れる低熱容量、低背圧の素材として、厚みが40μm未満で、厚みに対応させてAl含有量、Cr含有量を変化させ、さらにNb、Mo、Ta、Wなどを添加したステンレス箔が提案されている。しかし、Nbなどの添加元素は高温での強度を向上させるが、耐酸化性を著しく劣化させるため、このステンレス箔では触媒コンバーターに要求される耐高温酸化性を満たすことができないという問題がある。
一方、触媒コンバータの高温での耐久性を改善するために、触媒コンバータの構造面からの検討も行われている。すなわち、金属製のハニカム構造の触媒コンバータは、平箔と波箔(コルゲート加工した箔)を重ねて、一定の張力で巻取り、平箔と波箔の接点をロウ付けして製造されるが、このとき、接点の一部をロウ付けしないで、過酷な熱サイクル時に負荷される応力を逃がして高温での変形を防ぐ方法である。しかし、ロウ付けは真空中で高温に熱処理して行われるため、本来はロウ剤を塗布しないで接合を回避すべき接点でも拡散接合が起こり、高温での変形を防止できないという問題がある。
こうした拡散接合を防止する目的で、特許文献4には、表面にAlやCrの窒化物を形成させたAl含有フェライト系ステンレス鋼板が提案されている。しかし、このフェライト系ステンレス鋼板では、高温、特に、1000℃以上で耐酸化性が著しく低下するという問題がある。
特開昭56-96726号公報 特許第2991296号公報 特許第3210535号公報 特開2001-32051号公報
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、高温での耐酸化性に優れ、かつ拡散接合しにくいステンレス箔およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、高温での耐酸化性に優れ、かつ拡散接合しにくいステンレス箔について検討したところ、以下の知見を得た。
i) AlとCrを含有するステンレス箔表面に、皮膜厚みが30〜200nmであり、そのうちAl2O3の皮膜厚みが全皮膜厚みの50%以上を占める酸化皮膜を形成し、かつ表面粗度Raを0.5〜1.5μmにすれば、高温における耐酸化性やロウ付け性を損なうことなく、拡散接合を防止できる。
ii) こうした酸化皮膜は、AlとCrを含有するステンレス箔を露点-20℃以上の不活性ガス雰囲気中で500〜1000℃で10〜600秒の熱処理を施すことにより形成できる。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、質量%で、C:0.05%以下、Si:2.0%以下、Mn:1.0%以下、Cr:13.0〜25.0%、Al:3.0〜10.0%、N:0.10%以下、Ti:0.02%以下、Zr:0.005〜0.20%、REM:0.03〜0.20%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、表面には皮膜厚みが30〜200nmであり、そのうちAl2O3の皮膜厚みが全皮膜厚みの50%以上を占める酸化皮膜を有し、かつ表面粗度Raが0.5〜1.5μmであることを特徴とする拡散接合しにくいステンレス箔を提供する。
本発明のステンレス箔では、さらに、質量%で、Hf:0.01〜0.20%、Ca:0.0010〜0.0300%、Mg:0.0015〜0.0300%の中から選ばれた少なくとも1種が含まれることが好ましい。
本発明のステンレス箔は、上記組成を有し、上記表面粗度Raを有するステンレス箔に、露点-20℃以上の不活性ガス雰囲気中で500〜1000℃で10〜600秒の熱処理を施す方法により製造できる。このとき、露点-20℃以上の不活性ガス雰囲気中で500〜1000℃で10〜600秒の熱処理の前に、露点-30℃以下の不活性ガス雰囲気中で700〜1000℃で30秒以上の熱処理を施すことが好ましい。
本発明により、高温での耐酸化性に優れ、かつ拡散接合しにくいステンレス箔を製造できるようになった。本発明のステンレス箔は、自動車やオートバイなどの排ガス浄化装置における触媒コンバータに好適である。
本実施例に用いた波箔の波形を示す図である。 本実施例で作製したハニカム構造の触媒コンバータ(b)およびその製法(a)を示す図である。
以下に、本発明であるステンレス箔について詳述する。なお、組成に関する「%」表示は、特に断らない限り「質量%」を意味するものとする。
1) 組成
C:0.05%以下
C量が0.05%を超えると高温強度の低下や耐酸化性の低下を招くとともに、靱性が劣化し、冷間圧延が困難になる。このため、C量は0.05%以下、好ましくは0.02%以下とする。
Si:2.0%以下
Si量が2.0%を超えると靱性が劣化し、冷間圧延が困難になる。このため、Si量は2.0%以下、好ましくは1.0%以下とする。
Mn:1.0%以下
Mnは予備脱酸剤として有効な元素であるが、ステンレス箔中に残存すると耐酸化性や耐食性を低下させるので、その量は少ないほど好ましい。経済的な鋼の溶製技術を考慮して、Mn量は1.0%以下、好ましくは0.5%以下とする。
Cr:13.0〜30.0%
Crは高温での強度を確保するために必要不可欠な元素であり、特に、より高温で過酷な熱サイクルの環境下に曝される触媒コンバータの変形防止の観点から重要な元素である。その量が13.0%未満では800℃以上の高温域で十分な高温強度が得られず、また、オーステナイト組織が生成するため、触媒コンバータの変形を防止できない。一方、Cr量が30.0%を超えると靱性が劣化し、冷間圧延が困難になる。このため、Cr量は13.0〜30.0%、好ましくは15.0〜25.0%とする。
Al:3.0〜10.0%
AlはFeやCrよりも優先的に酸化され、箔表面にAl2O3を含む酸化皮膜を形成し、高温での耐酸化性を著しく向上させる元素である。Al量が3.0%未満だと連続的にAl2O3を含む酸化皮膜を形成できず、十分な耐酸化性を確保できないばかりか、CrやFeの酸化物が多量に形成されてロウ付け性を損なうことになる。一方、Al量が10.0%を超えると冷間圧延やコルゲート加工が困難になる。このため、Al量は3.0〜10.0%、好ましくは3.2〜7.5%とする。
N:0.10%以下
Cの場合と同様、N量が0.10%を超えると靱性が劣化し、冷間圧延が困難になる。このため、N量は0.10%以下、好ましくは0.05%以下とする。
Ti:0.02%以下
Ti量が0.02%を超えるとAl2O3を含む酸化皮膜中にTi酸化物が混入し、ロウ付け性を損なうばかりか、耐酸化性を低下させる。このため、Ti量は0.02%以下、好ましくは0.01%以下とする。
Zr:0.005〜0.20%
Zrは鋼中のCやNと結合し、高温強度を上昇させるとともに、クリープ特性を改善する。同時に靱性を向上し、冷間圧延を容易にするので、特に、Al含有量の高い本発明のような鋼では積極的に添加される。また、Zrは、Al2O3を含む酸化皮膜中にCr、Fe、Tiの酸化物が混入するのを防ぐ効果もある。この理由は明確ではないが、酸化物形成の自由エネルギーの違いによるものと推察される。こうした効果を発現するには、Zr量を0.005%以上とする必要がある。一方、Zr量が0.20%を超えるとCrやFeなどと金属間化合物を形成し、靱性が劣化し、冷間圧延が困難になる。このため、Zr量は0.005〜0.20%、好ましくは0.02〜0.06%とする。
REM:0.03〜0.20%
本発明におけるREMはLa、Ce、Nd、Smなどの希土類元素のことである。こうしたREMは、一般的に、Al2O3を含む酸化皮膜の密着性を改善し、繰り返し酸化における密着性向上に極めて顕著な効果を有する。REM量が0.03%未満ではこのような効果が得られず、Al2O3を含む酸化皮膜の剥離が起こり、拡散接合を引き起こしたり、耐酸化性を低下させる。一方、REM量が0.20%を超えると靱性が劣化し、冷間圧延が困難になる。このため、REM量は0.03〜0.20%、好ましくは0.05〜0.10%とする。
残部はFeおよび不可避的不純物であるが、以下の理由でHf:0.01〜0.20%、Ca:0.0010〜0.0300%、Mg:0.0015〜0.0300%の中から選ばれた少なくとも1種を含有させることが好ましい。
Hf:0.01〜0.20%
HfはAl2O3中のOの鋼板内への拡散を抑制し、耐酸化性を向上させる。こうした効果を得るには、Hf量を0.01%以上にする必要がある。一方、Hf量が0.20%を超えるとCrやFeなどと金属間化合物を形成し、靱性が劣化し、冷間圧延が困難になる。このため、Hf量は0.01〜0.20%、好ましくは0.01〜0.10%とする。
Ca:0.0010〜0.0300%、Mg:0.0015〜0.0300%
Ca、Mgは理想的な耐酸化性が得られるAl2O3を含む酸化皮膜の形成を助長する効果を有する。こうした効果は、Ca量が0.0010%以上、Mg量が0.0015%以上で顕著となる。一方、Ca量が0.0300%、Mg量が0.0300%を超えると靱性が劣化し、冷間圧延が困難になるばかりか、耐酸化性を低下させる。このため、Ca:0.0010〜0.0300%、Mg:0.0015〜0.0300%、好ましくはCa:0.0020〜0.0070%、Mg:0.0020〜0.0100%とする。
2) 表面のAl2O3の皮膜厚みが全皮膜厚みの50%以上を占める酸化皮膜および表面粗度Ra
ステンレス箔でできたハニカム構造の触媒コンバータにおいて拡散接合を防ぐには、ステンレス箔同士の接触を防ぐことが効果的である。そのため、ステンレス箔の表面をAl2O3を含む酸化皮膜で被ったり、表面粗度Raを制御して接触面積を低減することが有効である。
しかし、酸化皮膜中のAl2O3の皮膜厚みが全皮膜厚みの50%未満では拡散接合を防ぐことができない。また、酸化皮膜の膜厚が30nm未満ではコルゲート加工時にロールや金型などにより箔の山の部分が強く押し込まれ酸化皮膜が剥離し、拡散接合を引き起こし、膜厚が200nmを超えるとロウ付け性を損なうので、酸化皮膜の膜厚は30〜200nm、好ましくは50〜150nmとする。さらに、表面粗度Raが0.5μm未満ではコルゲート加工時にロールや金型などにより箔の山の部分が強く押し込まれ、平箔と波箔の接触面積が増え、拡散接合を防止することが困難になる。一方、表面粗度Raが1.5μmを超えると表面の板厚の差により、箔であるが故のため形状に変化を及ぼすようになり、反りなどが生じ、平箔と波箔を重ねて巻取りハニカム構造を形成するのが困難になる。このため、表面粗度Raは0.5〜1.5μm、好ましくは0.6〜1.0μmとする。なお、酸化皮膜厚みおよびAl2O3の皮膜厚みの比率は、例えばオージェ分光法やグロー放電発光分光法(GDS)により求めることができる。また、表面粗度RaはJIS B0601(2001)に準拠して測定した値である。
3) 製造方法
上述したように、本発明であるステンレス箔は、本発明の組成を有し、本発明の表面粗度Raを有するステンレス箔に、露点-20℃以上の不活性ガス雰囲気中で500〜1000℃で10〜600秒の熱処理を施す方法により製造できる。これは、露点-20℃以上の不活性ガス雰囲気であれば、アルゴンや水素などの酸素を含まない雰囲気中でも短時間に酸化皮膜を形成できるためである。このとき、露点-20℃以上の不活性ガス雰囲気中で500〜1000℃で10〜600秒の熱処理の前に、露点-30℃以下の不活性ガス雰囲気中で700〜1000℃で30秒以上の熱処理を施すとAl2O3の皮膜厚みが全皮膜厚みの80%以上の酸化皮膜を形成することができる。ここでいう不活性ガス雰囲気とは、不可避的不純物として酸素を含む雰囲気であり、例えばアルゴン、水素、アンモニア分解ガスなどの雰囲気を指す。このような低露点の不活性ガス雰囲気中、すなわち熱力学的にCrやFeが酸化されない雰囲気で事前に予備処理をすることにより、純粋なAl2O3の連続的な皮膜を形成でき、その後の酸化処理においても、Al2O3比率の高い酸化皮膜を形成できる。このことにより、拡散接合を阻止できるばかりか、耐酸化性も大幅に向上できる。
本発明の素材であるAlとCrを含有するステンレス箔は、従来の方法、例えば、本発明の組成を有する鋼を転炉や電炉で溶製し、VODやAODなどで精錬後、分塊圧延や連続鋳造によりスラブとし、1050〜1250℃に加熱し、熱間圧延して熱延板とし、スケール除去後、焼鈍と冷間圧延または温間圧延を複数回繰り返し、所定の板厚の箔とする方法により製造できる。また、箔表面の表面粗度Raの調整は、冷間圧延または温間圧延における上下ワークロールの表面粗さを変えることにより可能であるが、グラインダーで表面粗さを調整したり、あるいはロール、グラインダーを適宜組み合わせて調整することもできる。
表1に示す組成の鋼No.A〜Nを真空溶解により溶製し、鋼塊とした後、1200℃に加熱し、900〜1200℃の温度域で熱間圧延を行い、板厚4mmの熱延板とした後、大気中で1000℃の焼鈍し、表面研削、冷間圧延を行って、板厚1mmの冷延板とした。この冷延板に大気中で950℃×1分の焼鈍、表面研削、冷間圧延を複数回繰り返して施し、幅70mmにスリット後、表2に示す形成条件でAl2O3を含む酸化皮膜を形成し、表2に示す表面粗度Raと酸化皮膜の箔No.1〜23を作製した。このとき、箔のRaは最終の冷間圧延における上下ワークロールの表面粗さを変えることにより調整した。
作製した箔のRaは圧延方向に対し直角方向で測定した。また、FE-SEMによる断面観察、オージェ分光法や薄膜X線回折法による構造解析を行い、箔表面の酸化皮膜の皮膜厚みや酸化物同定を行った。また、Al2O3の皮膜厚みの全皮膜厚みに対する比率は、オージェ分光法による深さ方向の分析で、Fe、CrがなくAlと酸素のピークからなる部分をAl2O3皮膜が生成しているとし、酸素のピークより求めた全皮膜厚みに対する割合として求めた。これらの結果を、まとめて表2に示した。
次に、作製した各箔の一部を、波形状に歯車加工した1対のロール間に5kgf/mm2(1kgf/mm2=9.8MPa)のテンションを負荷しながら通してコルゲート加工し、図1(a)や図1(b)のような波形の波箔を作製した。そして、平箔と波箔の端部をスポット溶接し、図1(a)のような波箔を用いた場合は平箔に4kgf/mm2のバックテンションを、図1(b)のような波箔を用いた場合は平箔に12kgf/mm2のバックテンションを負荷しながら、図2(a)に示すように長手方向に円筒状に巻き付け、外周部をスポット溶接して、図2(b)に示すような外径40mmのハニカム構造を有する触媒コンバータを作製した。このとき、外周部は、平箔のみを3回ほど余分に巻き、平箔のみをスポット溶接することにより固定した。
作製した触媒コンバータに対し、ロウ付け時の熱処理をシミュレートした真空中[5×10-4Torr(1Torr=1.3×10-2Pa)]で1200℃×1時間の熱処理を行った後、スポット溶接部をカットし、平箔と波箔の接触部を観察し、全接触部に対する拡散接合している箇所の割合(拡散接合率)を求め、拡散接合のしにくさを評価し、拡散接合率が15%以下であれば拡散接合しにくいと判定した。
また、平箔と波箔の接触面にロウ剤(BNi5:ASTM)を塗布して上と同様な試験を行い、全接触部に対するロウ付け接合している箇所の割合(ロウ付け接合率)を求め、ロウ付け性を評価し、ロウ付け接合率が80%以上であれば、ロウ付け性に優れていると判定した。
平箔から20mm×30mmの試験片を切り出し、ロウ付け時の熱処理をシミュレートし真空中(5×10-4Torr)で1200℃×1時間の熱処理を行った後、大気中で1100℃×200時間の熱処理を行い、酸化増量を測定して、耐酸化性を評価し、酸化増量が6g/m2以下であれば高温での耐酸化性に優れていると判定した。
結果を表3に示す。本発明のステンレス箔は、拡散接合しにくく、ロウ付け性や高温での耐酸化性に優れていることがわかる。
Figure 0005504778
Figure 0005504778
Figure 0005504778

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.05%以下、Si:2.0%以下、Mn:1.0%以下、Cr:13.0〜30.0%、Al:3.0〜10.0%、N:0.10%以下、Ti:0.02%以下、Zr:0.005〜0.20%、REM:0.03〜0.20%、Ca:0.0010〜0.0300%、Mg:0.0015〜0.0300%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、表面には皮膜厚みが30〜200nmであり、そのうちAl2O3の皮膜厚みが全皮膜厚みの50%以上を占める酸化皮膜を有し、かつ表面粗度Raが0.5〜1.5μmであることを特徴とする拡散接合しにくいステンレス箔。
  2. さらに、質量%で、Hf:0.01〜0.20%を含むことを特徴とする請求項1に記載の拡散接合しにくいステンレス箔。
  3. 請求項1または2に記載の組成を有し、かつ請求項1に記載の表面粗度Raを有するステンレス箔に、露点-20℃以上の雰囲気中で500〜1000℃で10〜600秒の熱処理を施すことを特徴とする、表面に、皮膜厚みが30〜200nmであり、そのうちAl 2 O 3 の皮膜厚みが全皮膜厚みの50%以上を占める酸化皮膜を有する拡散接合しにくいステンレス箔の製造方法。
JP2009214105A 2009-09-16 2009-09-16 拡散接合しにくいステンレス箔およびその製造方法 Active JP5504778B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009214105A JP5504778B2 (ja) 2009-09-16 2009-09-16 拡散接合しにくいステンレス箔およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009214105A JP5504778B2 (ja) 2009-09-16 2009-09-16 拡散接合しにくいステンレス箔およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011063833A JP2011063833A (ja) 2011-03-31
JP5504778B2 true JP5504778B2 (ja) 2014-05-28

Family

ID=43950379

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009214105A Active JP5504778B2 (ja) 2009-09-16 2009-09-16 拡散接合しにくいステンレス箔およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5504778B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111655882A (zh) * 2018-01-30 2020-09-11 杰富意钢铁株式会社 Fe-Cr合金及其制造方法、以及电阻发热体
WO2022131203A1 (ja) 2020-12-15 2022-06-23 Jfeスチール株式会社 排ガス浄化装置の触媒担体用ステンレス箔

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6036161B2 (ja) * 2012-10-22 2016-11-30 Jfeスチール株式会社 拡散接合し難いステンレス箔およびその製造方法
WO2015155920A1 (ja) * 2014-04-08 2015-10-15 Jfeスチール株式会社 フェライト系ステンレス箔およびその製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3690325B2 (ja) * 2001-07-26 2005-08-31 Jfeスチール株式会社 耐酸化特性及び耐高温変形性に優れたFe−Cr−Al系合金箔及びその製造方法
JP3953944B2 (ja) * 2002-11-20 2007-08-08 新日鉄マテリアルズ株式会社 金属箔及びハニカム構造体
JP4941320B2 (ja) * 2008-01-17 2012-05-30 Jfeスチール株式会社 排ガス浄化装置の触媒担体およびそれに使用されるFe−Cr−Al系合金箔

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111655882A (zh) * 2018-01-30 2020-09-11 杰富意钢铁株式会社 Fe-Cr合金及其制造方法、以及电阻发热体
CN111655882B (zh) * 2018-01-30 2021-08-10 杰富意钢铁株式会社 Fe-Cr合金及其制造方法、以及电阻发热体
US11497085B2 (en) 2018-01-30 2022-11-08 Jfe Steel Corporation Fe—Cr alloy, method for producing same, and resistance heating element
WO2022131203A1 (ja) 2020-12-15 2022-06-23 Jfeスチール株式会社 排ガス浄化装置の触媒担体用ステンレス箔

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011063833A (ja) 2011-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5522330B2 (ja) フェライト系ステンレス箔
WO2015015728A1 (ja) フェライト系ステンレス箔
JP5561447B1 (ja) ステンレス鋼板およびステンレス箔
EP2554700B1 (en) Stainless steel foil and catalyst carrier for exhaust gas purification device using the foil
JP5505570B1 (ja) フェライト系ステンレス鋼
JP5504778B2 (ja) 拡散接合しにくいステンレス箔およびその製造方法
JP5487783B2 (ja) ステンレス箔およびその製造方法
TWI507545B (zh) 不銹鋼箔及使用該箔之排氣淨化裝置用觸媒載體
US11008636B2 (en) Stainless steel sheet and stainless steel foil
JP4941320B2 (ja) 排ガス浄化装置の触媒担体およびそれに使用されるFe−Cr−Al系合金箔
JP3816974B2 (ja) 強固な接合強度を有する拡散接合された触媒用メタル担体およびその製造方法
US20070237690A1 (en) FeCrAl ALLOY FOIL FOR CATALYTIC CONVERTERS AT MEDIUM HIGH TEMPERATURE AND A METHOD OF MAKING THE MATERIAL
JPH09279311A (ja) 拡散接合性に優れた耐熱・耐酸化性Fe−Cr−Al系合金
JP6036161B2 (ja) 拡散接合し難いステンレス箔およびその製造方法
JP4222217B2 (ja) 耐変形性に優れる排ガス浄化システム用鋼材。
US20050058581A1 (en) FeCrAl alloy foil for catalytic converters at medium high temperature and a method of making the material
JPH07138710A (ja) 耐酸化性に優れた触媒コンバーター担体用Fe−Cr−Al合金およびこれを用いた合金箔の製造方法
JPH09296259A (ja) 断続的加熱時の耐久性に優れたフェライト系ステンレス鋼

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20120321

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120327

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120727

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131203

RD13 Notification of appointment of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433

Effective date: 20131213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20131213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140303

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5504778

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250