JPH0997748A - タンタル固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

タンタル固体電解コンデンサおよびその製造方法

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JPH0997748A
JPH0997748A JP7276319A JP27631995A JPH0997748A JP H0997748 A JPH0997748 A JP H0997748A JP 7276319 A JP7276319 A JP 7276319A JP 27631995 A JP27631995 A JP 27631995A JP H0997748 A JPH0997748 A JP H0997748A
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JP
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terminal plate
anode
cathode
capacitor element
resin
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JP7276319A
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English (en)
Inventor
Kaname Kurihara
要 栗原
Takashi Tomizawa
孝史 富澤
Yuuya Takaku
侑也 高久
Noriaki Suzuki
紀明 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Elna Co Ltd
Original Assignee
Elna Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂外装体内に占めるコンデンサ素子の体積
比率を高める。 【解決手段】 陽極リード12が植設されたタンタル粉
末の焼結ペレット上に陽極酸化皮膜、固体電解質および
陰極引出し層14が順次形成されたコンデンサ素子10
と、陽極リード12と陰極引出し層14にそれぞれ接続
される陽極端子板18および陰極端子板15と、コンデ
ンサ素子10の所定の部分を覆うように形成される樹脂
外装体17とを有するタンタル固体電解コンデンサにお
いて、断面がコ字型とされた陰極端子板15を陰極引出
し層14の底面および側面に沿って嵌合するとともに、
樹脂外装体17を陰極端子板15を除いたコンデンサ素
子10の周面に形成し、かつ、その陽極端子板18を陽
極リード12の引出し側において陰極端子板15と対向
するようにして上記樹脂外装体上に被せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はタンタル固体電解コ
ンデンサおよびその製造方法に関し、さらに詳しく言え
ば、パッケージとしての樹脂外装体内に占めるコンデン
サ素子の体積比率が大きいタンタル固体電解コンデンサ
および同コンデンサの製造に好適な製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図4には樹脂モールドによりチップ化さ
れたタンタル固体電解コンデンサの典型的な従来例が示
されている。これによると、同コンデンサはタンタル粉
末の焼結ペレットを基体として例えば角柱状に形成され
たコンデンサ素子1を備えている。なお、このコンデン
サ素子1には陽極リード2が植設されているとともに、
同陽極リード2には固体電解質形成時にその這い上がり
を防止する耐熱性合成樹脂よりなるリング3が挿通され
ている。
【0003】詳しくは図示されていないが、このコンデ
ンサ素子1の焼結ペレットには陽極酸化皮膜が形成さ
れ、その上に固体電解質としての二酸化マンガン層が形
成されている。さらに、二酸化マンガン層上にはカーボ
ン層と銀層とが順次積層され、このカーボン層と銀層に
より陰極引出し層4が形成される。
【0004】チップ化するにあたって、陽極リード2に
陽極端子板5が溶接されるとともに、陰極引出し層4に
は導電接着材(例えば、接着銀)を介して陰極端子板6
が取り付けられる。この場合、実際には陽極端子板5お
よび陰極端子板6は図示しないリードフレームにより供
給され、コンデンサ素子1はそのリードフレームに装着
された状態で図示しない金型内にセットされる。
【0005】そして、その金型内でコンデンサ素子1の
周りに樹脂モールドにより樹脂外装体7が形成される。
金型から取り出された後、陽極端子板5および陰極端子
板6がリードフレームから切り離され、樹脂外装体7の
側面から底面にかけていわゆる蟹足状に折り曲げられ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようにして、タン
タル固体電解コンデンサがチップ化されるのであるが、
まず第1の問題点としては、コンデンサ素子1をリード
フレームに取り付けた状態で金型内にセットし、コンデ
ンサ素子1の周りにその陽極端子板5および陰極端子板
6の一部分をも含めて樹脂外装体7を形成するようにし
ているため、樹脂外装体7内に占めるコンデンサ素子1
の体積比率はたかだか15〜20%程度で、残りの部分
はコンデンサの機能面から見ればいわばデッドスペース
であり、体積効率が悪いことが挙げられる。
【0007】次に、陽極端子板5および陰極端子板6を
樹脂外装体7の側面から底面にかけて折り曲げる際、コ
ンデンサ素子1に機械的なストレスが加えられ、これが
原因で特性が劣化するおそれがある。さらには、樹脂外
装体7を成形するそれ専用の金型を必要とするととも
に、リードフレームはコンデンサ素子1に陽極端子板5
および陰極端子板6を与えた後、その大部分が廃棄され
るため、無駄な材料コストまでをも負担しなければなら
ないことになる。
【0008】本発明は、このような従来の問題を解決す
るためになされたもので、その第1の目的は、樹脂外装
体内に占めるコンデンサ素子の体積比率が大きなチップ
型タンタル固体電解コンデンサを提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、樹脂外装体成形用の金型
や材料の無駄が多いリードフレームを用いることなく、
しかも樹脂外装体内に占めるコンデンサ素子の体積比率
が大きなチップ型タンタル固体電解コンデンサを製造し
得るようにしたタンタル固体電解コンデンサの製造方法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、請求項1の発明は、陽極リードが植設されたタ
ンタル粉末の焼結ペレット上に陽極酸化皮膜、固体電解
質および陰極引出し層が順次形成されたコンデンサ素子
と、上記陽極リードと上記陰極引出し層にそれぞれ接続
される陽極端子板および陰極端子板と、上記コンデンサ
素子の所定の部分を覆うように形成される樹脂外装体と
を有するタンタル固体電解コンデンサにおいて、上記陰
極端子板が上記陰極引出し層の底面および側面に沿って
嵌合されているとともに、上記樹脂外装体が上記陰極端
子板を除いた上記コンデンサ素子の周面に形成されてお
り、かつ、上記陽極端子板が上記陽極リード引出し側に
おいて上記陰極端子板と対向するように上記樹脂外装体
上に被せられていることを特徴としている。
【0010】この構成によれば、陰極端子板および陽極
端子板がともに、コンデンサ素子に対して被せられるよ
うに取り付けられるとともに、樹脂外装体が陰極端子板
を除いたコンデンサ素子の周面に形成されているため、
その樹脂外装体の大きさを必要最小限にすることが可能
となる。
【0011】この場合、請求項2に記載されているよう
に、上記陰極端子板が上記陰極引出し層の底面および側
面形状に適合するコ字形、もしくは請求項3に記載され
ているように、有底筒状体に形成されているとよい。ま
た、請求項4に記載されているように、上記陰極端子板
が上記陰極引出し層に対して導電性接着材もしくは高温
ハンダにて接続されることが好ましい。
【0012】この構成によると、陰極端子板については
コンデンサ素子の陰極引出し層に対して単に嵌合するだ
けで取り付けられ、また、陽極端子板は樹脂外装体上に
被せられるため、その取り付け作業が簡単であるととも
に、折り曲げを伴わないため、コンデンサ素子に機械的
なストレスを加えるおそれもない。
【0013】一方、上記第2の目的を達成するため、請
求項5に記載の発明は、陽極リードが植設されたタンタ
ル粉末の焼結ペレット上に陽極酸化皮膜、固体電解質お
よび陰極引出し層を順次形成したコンデンサ素子を有
し、その陽極リードと陰極引出し層に陽極端子板および
陰極端子板をそれぞれ接続するとともに、上記コンデン
サ素子の所定の部分に樹脂外装体を形成してなるタンタ
ル固体電解コンデンサの製造方法において、上記コンデ
ンサ素子の陰極引出し層の底面側に断面がコ字形とされ
た陰極端子板を嵌合して接続する第1工程と、同陰極端
子板の露出面および上記陽極リードに離型剤を塗布する
第2工程と、上記コンデンサ素子を樹脂液中に浸漬し、
引き上げてその樹脂液を乾燥させて同コンデンサ素子の
周面に樹脂外装体を形成する第3工程と、上記陽極リー
ド引出し側において上記陽極端子板を上記陰極端子板と
対向するように上記樹脂外装体に被せた後、同陽極端子
板を上記陽極リードに接続する第4工程と、上記陰極端
子板および上記陽極リードに塗布されている上記離型材
を除去する第5工程とを順次行なうことを特徴としてい
る。
【0014】これによれば、コンデンサ素子を樹脂液中
に浸漬する、いわゆるディップ法によりその周りに樹脂
外装体が形成されるため、専用の金型を必要としない。
また、陰極端子板および陽極端子板にしてもそれぞれ個
別的にコンデンサ素子に取り付けられるため、従来のリ
ードフレームのように両端子板を向かい合わせに連結し
ておく必要もなく、その分材料コストを削減することが
できる。
【0015】この場合、請求項6の発明では、上記第4
工程において、上記陽極端子板を上記樹脂外装体の硬化
前に被せることを特徴としており、これによれば別途に
接着材を用意することなく、その樹脂自体にて陽極端子
板を固着することが可能となる。また、請求項7の発明
では、上記第5工程において、上記離型材を洗浄により
除去することを特徴としており、これによればきわめて
簡単に離型材を洗い落とすことができる。
【0016】また、請求項8の発明においては、上記第
1工程後の第2工程では陽極リードにのみ離型剤を塗布
し、そして次の第3工程でコンデンサ素子の周面および
陰極端子板の表面に樹脂外装体を形成し、第4工程で陽
極リード引出し側において陽極端子板を陰極端子板と対
向するように樹脂外装体に被せた後、第5工程で陰極端
子板上に形成された樹脂外装体および陽極リードに塗布
されている離型材を除去することを特徴としている。
【0017】これによれば、請求項5の発明と同じく樹
脂外装体成形用の金型が不要であるとともに、陽極端子
板および陰極端子板の相互を従来のようにリードフレー
ムにて連結しておく必要もない。また、陰極端子板上に
形成された樹脂外装体および陽極リードに塗布された離
型材を除去するには、請求項10に記載されているよう
に、レーザー光の照射もしくはサンドブラスト法を適用
するとよい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の技術的思想をより
よく理解するうえで、その実施の形態に即して説明す
る。なお、図1は第1実施例による製造工程図、図2は
第1実施例に適用される部品の一部を変更した変形例の
説明図で、そして図3には第2実施例の製造工程図が図
解されている。
【0019】そこで最初に、図1の第1実施例について
説明すると、まず、同図(a)に示されているように、
例えば角柱状に形成されたコンデンサ素子10を用意す
る。このコンデンサ素子10自体は、先に説明した図4
のコンデンサ素子1と同じく、タンタル粉末を焼結して
なる焼結ペレットを基体としている。
【0020】すなわち、このコンデンサ素子10には焼
結ペレット形成時にタンタル線からなる陽極リード12
があらかじめ植設されており、この陽極リード12には
固体電解質形成時にその這い上がりを防止するリング1
3が挿通されている。このリング13は例えばPFA
(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニ
ルエーテルとの共重合体)やPTFE(ポリテトラフル
オロエチレン)などの耐熱性合成樹脂からなる。
【0021】なお、説明を繰り返すが、コンデンサ素子
10の焼結ペレットには、まず、陽極酸化皮膜が形成さ
れ、その上に固体電解質としての二酸化マンガン層が形
成されている。なお、二酸化マンガン層は、焼結ペレッ
トを所定濃度の硝酸マンガン水溶液中に浸漬し、引き上
げて熱分解、再化成を数回繰り返すことにより形成され
る。そして、その二酸化マンガン上にカーボン層と銀層
とが順次積層され、このカーボン層と銀層とで実質的に
陰極引出し層14が形成されている。
【0022】次に、この実施例では図1(b)に示され
ているように、コ字形に形成された陰極端子板15を陰
極引出し層14の底面とその側面にかけて嵌合し、接着
銀などの導電性接着材もしくは高温ハンダ11により電
気的に接続する。この陰極端子板15は、鉄ニッケル合
金、例えば4−2アロイもしくは洋白などの帯板を陰極
引出し層14の底面とその側面に適合するようにコ字形
に折り曲げることにより得られ、その外表面には回路基
板に対する実装時のことを考慮してハンダメッキを施す
とよい。
【0023】しかる後、図1(c)に斜線で示されてい
るように、陽極リード12および陰極端子板15の外表
面に例えばシリコン系樹脂からなる離型材16を塗布
し、次いでコンデンサ素子10の全体を例えばエポキシ
樹脂液中に浸漬(ディップ)し、引き上げて乾燥する。
これにより、離型材16が塗布されている陰極端子板1
5および陽極リード12の部分を除いたコンデンサ素子
10の表面上に樹脂外装体17が形成される(図2
(d)参照)。なお、浸漬に使用する樹脂液の粘度とし
ては100〜1000ポアズ(P)程度が好ましい。
【0024】そして、図1(e)に示されているよう
に、コンデンサ素子10の陽極リード12の引出し側の
樹脂外装体17上に、陽極端子板18を陰極端子板15
と対向するように載置する。この陽極端子板18は陰極
端子板15と同じく、鉄ニッケル合金の例えば4−2ア
ロイもしくは洋白などの帯板をコ字形に折り曲げたもの
であってよく、この例においては、陽極リード12に対
してその軸線と直交する方向から装着し得るように、同
陽極端子板18には陽極リード12の直径とほぼ同径幅
のスリット18aが設けられている(図1(f)参
照)。
【0025】なお、陽極端子板18を取り付けるタイミ
ングとしては、樹脂外装体17が硬化する前が好まし
く、これによればその硬化に伴なって陽極端子板18が
同樹脂外装体17に対して一体的に固着されることにな
る。次に、樹脂外装体17の硬化を待って、陽極リード
12と陽極端子板18とを例えばレーザー溶接にて一体
的に接合する。この場合、陽極リード12には未だ離型
材16が塗布されているが、その溶接部分の離型材16
は溶接時の熱にて除去されるため、支障なく両者を溶接
することができる。
【0026】そして、陰極端子板15および陽極リード
12に塗布されている離型材16を洗浄して除去した
後、陽極端子板18から突き出ている余剰の陽極リード
12を切断する。これにより、図1(f)に示されてい
るように、最終製品としてのチップ型タンタル固体電解
コンデンサ20が得られる。なお、この例では陰極端子
板15および陽極リード12に塗布されている離型材1
6を洗浄して除去した後、陽極リード12の余剰部分を
切断しているが、先に陽極リード12の余剰部分を切断
してから、洗浄により陰極端子板15上の離型材16を
除去するようにしてもよい。
【0027】上記第1実施例では図1(b)に示されて
いるように、陰極端子板15として帯板をコ字型に折り
曲げたものを使用しているが、これに代えて図2(a)
に示されているように、コンデンサ素子10の陰極引出
し層14の底部側に嵌合する有底角筒状に形成された陰
極端子板15aを用いてもよい。
【0028】この陰極端子板15aも上記陰極端子板1
5と同様に、導電性接着材もしくは高温ハンダにて陰極
引出し層14の底部側に固着され、次工程でその外表面
に離型材16が塗布されるが、この陰極端子板15aに
よれば、離型材の液中に浸漬して離型材16を塗布する
ことができる。その後の工程は上記第1実施例と同様で
あり、最終的には図2(b)に示されているようなチッ
プ型タンタル固体電解コンデンサ20aが得られる。
【0029】次に、図3の第2実施例について説明す
る。まず、第1実施例と同じコンデンサ素子10と陰極
端子板15を用意し、図3(a)に示されているよう
に、陰極端子板15をコンデンサ素子10の陰極引出し
層14の底部側に第1実施例と同様な方法にて固着す
る。
【0030】次に、離型材16を塗布するのであるが、
この実施例では図3(b)に斜線で示されているよう
に、陽極リード12だけに離型材16を塗布する。しか
る後、コンデンサ素子10の全体を例えばエポキシ樹脂
液中に浸漬(ディップ)し、引き上げて乾燥する。これ
により、陽極リード12の離型材16が塗布されている
部分を除いたコンデンサ素子10の陰極端子板15を含
む表面上に樹脂外装体17が形成される(図3(c)参
照)。なお、浸漬に使用する樹脂液は上記第1実施例の
ものと同じであってよい。
【0031】そして、図3(d)に示されているよう
に、コンデンサ素子10の陽極リード12の引出し側の
樹脂外装体17上に、陽極端子板18を陰極端子板15
と対向するように載置する。この陽極端子板18には上
記第1実施例と同じく帯板をコ字状に折り曲げたものが
用いられるが、この実施例においては、樹脂外装体17
の角部に陽極端子板18の側板18bが嵌合される切欠
部17aを形成して、陽極端子板18の側板18bと樹
脂外装体17の側面とがほぼ同一面となるようにしてい
る。
【0032】なお、陽極端子板18を取り付けるタイミ
ングとしては、上記第1実施例と同様、樹脂外装体17
が硬化する前が好ましく、この樹脂外装体17の硬化を
待って、陽極リード12と陽極端子板18とを例えばレ
ーザー溶接にて一体的に接合する。この場合、陽極リー
ド12には未だ離型材16が塗布されているが、先にも
説明したように、その溶接部分の離型材16は溶接時の
熱にて除去されるため、支障なく両者を溶接することが
できる。
【0033】次に、図3(e)の断面図に示されている
ように、陰極端子板15上には樹脂外装体17が形成さ
れているため、この部分の不要な樹脂外装体17および
陽極リード12に塗布されている離型材を除去する。こ
の除去作業は、サンドブラスト法もしくはレーザー光の
照射によって行なうことができる。しかる後、陽極端子
板18から突き出ている余剰の陽極リード12を切断す
る。なお、場合によっては陽極リード12を切断してか
ら陰極端子板15上の不要な樹脂外装体17を除去する
ようにしてもよい。
【0034】以上の工程を経ることにより、図3(f)
に示されているように、陰極端子板15が剥きだしとさ
れた最終製品としてのチップ型タンタル固体電解コンデ
ンサ20bが得られる。なお、この第2実施例による
と、陰極端子板15の部分が樹脂外装体17の面よりも
一段低くなるが、回路基板に対する実装時にはハンダの
厚さを調整することにより、支障なく実装することがで
きる。
【0035】上記第1実施例、その変形例および第2実
施例を含めて、本発明によれば、樹脂外装体17を必要
最小限にすることができるため、相対的に同樹脂外装体
17内に占めるコンデンサ素子10の体積比率を40〜
50%程度まで高めることが可能となる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次のような効果が奏される。すなわち、請求項1ないし
4について総括的に言えば、陰極端子板および陽極端子
板がともに、コンデンサ素子に対して被せられるように
取り付けられるとともに、樹脂外装体が陰極端子板を除
いたコンデンサ素子の周面に形成されているため、その
樹脂外装体の大きさを必要最小限にすることが可能とな
る。したがって、パッケージとしての樹脂外装体内に占
めるコンデンサ素子の体積比率(効率)を40〜50%
程度まで高めることができる。
【0037】また、陰極端子板については、コンデンサ
素子の陰極引出し層に対して単に嵌合するだけで取り付
けられ、また、陽極端子板は樹脂外装体上に被せられる
ため、その取り付け作業が簡単であるとともに、折り曲
げを伴わないため、コンデンサ素子に機械的なストレス
を加えるおそれもない。
【0038】一方、請求項5ないし10について総括的
に言えば、コンデンサ素子を樹脂液中に浸漬する、いわ
ゆるディップ法によりその周りに樹脂外装体が形成され
るため、専用の金型を必要としない。また、陰極端子板
および陽極端子板にしてもそれぞれ個別的にコンデンサ
素子に取り付けられるため、従来のリードフレームのよ
うに両端子板を向かい合わせに連結しておく必要もな
く、その分材料コストを削減することができる。
【0039】また、陽極端子板を樹脂外装体に被せるに
あたって、樹脂外装体の硬化前に陽極端子板を被せるよ
うにしたことにより、別途に接着材を用意することな
く、その樹脂自体にて陽極端子板を固着することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1実施例の製造方法をその工程
順に示した説明図。
【図2】上記第1実施例に適用される陰極端子板の変形
例を示した説明図。
【図3】本発明による第2実施例の製造方法をその工程
順に示した説明図。
【図4】従来例としてのチップ型タンタル固体電解コン
デンサの内部構造を透視的に示した斜視図。
【符号の説明】
10 コンデンサ素子 12 陽極リード 13 固体電解質這い上がり防止リング 14 陰極引出し層 15 陰極端子板 16 離型材 17 樹脂外装体 18 陽極端子板 20,20a,20b チップ型タンタル固体電解コン
デンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 紀明 福島県石川郡石川町字当町145番地 エル ナー福島株式会社石川工場内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極リードが植設されたタンタル粉末の
    焼結ペレット上に陽極酸化皮膜、固体電解質および陰極
    引出し層が順次形成されたコンデンサ素子と、上記陽極
    リードと上記陰極引出し層にそれぞれ接続される陽極端
    子板および陰極端子板と、上記コンデンサ素子の所定の
    部分を覆うように形成される樹脂外装体とを有するタン
    タル固体電解コンデンサにおいて、上記陰極端子板が上
    記陰極引出し層の底面および側面に沿って嵌合されてい
    るとともに、上記樹脂外装体が上記陰極端子板を除いた
    上記コンデンサ素子の周面に形成されており、かつ、上
    記陽極端子板が上記陽極リード引出し側において上記陰
    極端子板と対向するように上記樹脂外装体上に被せられ
    ていることを特徴とするタンタル固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 上記陰極端子板が上記陰極引出し層の底
    面および側面形状に適合するコ字形に形成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載のタンタル固体電解コン
    デンサ。
  3. 【請求項3】 上記陰極端子板が上記陰極引出し層の底
    面および側面形状に適合する有底筒状体に形成されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載のタンタル固体電解
    コンデンサ。
  4. 【請求項4】 上記陰極端子板が上記陰極引出し層に対
    して導電性接着材もしくは高温ハンダにて接続されてい
    ることを特徴とする請求項1、2または3に記載のタン
    タル固体電解コンデンサ。
  5. 【請求項5】 陽極リードが植設されたタンタル粉末の
    焼結ペレット上に陽極酸化皮膜、固体電解質および陰極
    引出し層を順次形成したコンデンサ素子を有し、その陽
    極リードと陰極引出し層に陽極端子板および陰極端子板
    をそれぞれ接続するとともに、上記コンデンサ素子の所
    定の部分に樹脂外装体を形成してなるタンタル固体電解
    コンデンサの製造方法において、上記コンデンサ素子の
    陰極引出し層の底面側に断面がコ字形とされた陰極端子
    板を嵌合して接続する第1工程と、同陰極端子板の露出
    面および上記陽極リードに離型剤を塗布する第2工程
    と、上記コンデンサ素子を樹脂液中に浸漬し、引き上げ
    てその樹脂液を乾燥させて同コンデンサ素子の周面に樹
    脂外装体を形成する第3工程と、上記陽極リード引出し
    側において上記陽極端子板を上記陰極端子板と対向する
    ように上記樹脂外装体に被せた後、同陽極端子板を上記
    陽極リードに接続する第4工程と、上記陰極端子板およ
    び上記陽極リードに塗布されている上記離型材を除去す
    る第5工程とを順次行なうことを特徴とするタンタル固
    体電解コンデンサの製造方法。
  6. 【請求項6】 上記第4工程において、上記陽極端子板
    を上記樹脂外装体の硬化前に被せることを特徴とする請
    求項5に記載のタンタル固体電解コンデンサの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 上記第5工程において、上記離型材を洗
    浄により除去することを特徴とする請求項5に記載のタ
    ンタル固体電解コンデンサの製造方法。
  8. 【請求項8】 陽極リードが植設されたタンタル粉末の
    焼結ペレット上に陽極酸化皮膜、固体電解質および陰極
    引出し層を順次形成したコンデンサ素子を有し、その陽
    極リードと陰極引出し層に陽極端子板および陰極端子板
    をそれぞれ接続するとともに、上記コンデンサ素子の所
    定の部分に樹脂外装体を形成してなるタンタル固体電解
    コンデンサの製造方法において、上記コンデンサ素子の
    陰極引出し層の底面側に断面がコ字形とされた陰極端子
    板を嵌合して接続する第1工程と、上記陽極リードに離
    型剤を塗布する第2工程と、上記コンデンサ素子を樹脂
    液中に浸漬し、引き上げてその樹脂液を乾燥させて同コ
    ンデンサ素子の周面および上記陰極端子板の表面に樹脂
    外装体を形成する第3工程と、上記陽極リード引出し側
    において上記陽極端子板を上記陰極端子板と対向するよ
    うに上記樹脂外装体に被せた後、同陽極端子板を上記陽
    極リードに接続する第4工程と、上記陰極端子板上に形
    成された樹脂外装体および上記陽極リードに塗布されて
    いる上記離型材を除去する第5工程とを順次行なうこと
    を特徴とするタンタル固体電解コンデンサの製造方法。
  9. 【請求項9】 上記第4工程において、上記陽極端子板
    を上記樹脂外装体の硬化前に被せることを特徴とする請
    求項8に記載のタンタル固体電解コンデンサの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 上記第5工程において、上記樹脂外装
    体および上記離型材をレーザー光の照射もしくはサンド
    ブラストにより除去することを特徴とする請求項8に記
    載のタンタル固体電解コンデンサの製造方法。
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