JP2011086949A - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性ペースト層と導電性接着剤層との接触界面での接触抵抗を低減することにより高周波領域でのESR特性を改善すること。
【解決手段】本固体電解コンデンサ10は、陽極20上に少なくとも誘電体層22、固体電解質層24および陰極導電層26を積層し、陰極導電層26上に陰極端子14が接続され、陰極導電層26が銀粒子を含む単一層からなるものである。ここで、単一層とは、一層からなる層を意味し、陰極導電層中に銀粒子の充填密度の差異により生じる複数の層が存在する場合は、本固体電解コンデンサ10でいう単一層には該当しない。
【選択図】図1

Description

本発明は、弁作用金属からなる陽極上に誘電体層、固体電解質層および陰極導電層がこの順序に積層されている固体電解コンデンサに関するものである。
固体電解コンデンサには、例えば、弁作用金属からなる陽極表面に該弁作用金属の酸化物である誘電体層と、導電性高分子からなる固体電解質層と、グラファイト等からなる導電性カーボン層と、導電性ペーストの硬化・乾燥物である導電層とを順に積層したコンデンサ素子を備え、このコンデンサ素子を導電性接着剤により陰極端子に接続し、陰極端子の一部が外部に突出する状態でコンデンサ素子と陰極端子とをエポキシ樹脂等からなる樹脂外装体で被覆密封した構成のものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開平05−159987号公報
このような固体電解コンデンサは、ノートパソコン、デスクトップパソコン、携帯電話等の各種携帯情報端末、デジタルカメラ、等の各種映像情報機器、その他の電子機器等において、CPUの電源回路、その周辺回路等に組み込まれる。例えば電源であれば、電源平滑、高周波ノイズ除去等に用いられる。スイッチングレギュレータを例にとると、スイッチングレギュレータでは数10kHzから数百kHzでスイッチング素子が駆動されており、このスイッチング動作時に発生する高周波ノイズ除去用として用いられる。特に固体電解コンデンサは、導電性高分子を固体電解質層として用いることが可能になり、より小型、低背化、大容量化が可能となり、近年の多くの電子情報機器に多用化され実用化されている。
このような電子情報機器等に用られる固体電解コンデンサでは抵抗成分を極力小さくすることが望ましいことは言うまでもない。この抵抗成分には具体的には1/ωC(ω=2πf、fは周波数)、ESR(等価直列抵抗)、ESL(等価直列インダクタンス)がある。これら抵抗成分の中で高周波領域ではESRが極めて支配的となっている。ESRは固体電解コンデンサを構成する物質、例えば陽極、固体電解質層、導電性カーボン層、導電性ペースト層、導電性接着剤層等の抵抗値のトータルである。固体電解コンデンサを高周波用として用いる場合では、特にこのESRを極力小さくすることが固体電解コンデンサとして上記用途に供する上で要求されるものである。
そのために、上記構成を備えた従来の固体電解コンデンサにあっては、ESRを極力低減する様々な対策が講じられてきている。本出願発明者が種々検討したところ、固体電解質層を陰極端子に引き出すための導電性ペースト層と導電性接着剤層とが2層構造となっており、それらの界面での接触抵抗が高周波領域でESRを増大させる要因であることが判明した。
すなわち、本発明は、固体電解コンデンサにおいて、導電性ペースト層と導電性接着剤層との接触抵抗を低減することにより高周波領域でのESRを低減できるようにすることをその目的としている。
(1)本発明による固体電解コンデンサは、弁作用金属からなる陽極上に誘電体層、固体電解質層、陰極導電層がこの順序に積層され、前記陰極導電層上に陰極端子が接続されている固体電解コンデンサにおいて、前記陰極導電層が、金属粒子を含む単一層からなることを特徴とするものである。
本発明において、単一層とは、一層からなる層を意味し、陰極導電層中に金属粒子の充填密度の差異により生じる複数の層が存在する場合は、本発明でいう単一層には該当しない。
本発明の固体電解コンデンサでは、陰極導電層が金属粒子を含む単一層になっているので、従来のように陰極導電層を構成する導電性ペースト層と導電性接着剤層との2層の界面での接触抵抗が従来よりも低減され、固体電解コンデンサとして高周波領域でESRを低減することができ、高周波領域において電気的特性に優れた固体電解コンデンサを提供することができる。本発明の固体電解コンデンサはコンピュータや携帯情報端末などの高周波駆動型電子装置における高周波ノイズの除去に極めて有効である。
前記陰極端子が、複数の陰極形成面を備え、前記陰極導電層が前記陰極形成面にそれぞれ接続されているのが好ましい。
このように陰極導電層を1つの陰極形成面に接続するのではなく、複数の陰極形成面に接続する場合、接続面積の増大によりESRの低減効果が高まる上に、陰極導電層と陰極形成面との接続強度を向上させることができる。
前記陰極端子は、陰極ケースを備え、この陰極ケースの内面に前記陰極形成面が形成されているのが、陰極導電層を陰極端子に接続する作業が容易になって好ましい。
前記陰極導電層の密度は、4.0g・cm-3以上15.0g・cm-3以下に設定することが好ましい。この密度範囲では、ESRの低減効果が顕著になるからである。前記陰極導電層の密度を、上記密度範囲内における5.0g・cm-3以上14.0g・cm-3以下の密度範囲にするとより好ましい。この密度範囲ではさらにESRの低減効果が特に顕著となるからである。陰極導電層の密度が、4.0g・cm-3未満であると、陰極導電層の導電性が低下してESRを低減することはできず、15.0g・cm-3超であると、導電性ペーストの溶剤量を極めて低減する必要があるため溶剤の揮発量が少なくなって、乾燥処理後の陰極導電層の厚みが増し、ESRを低減することができなくなる。
なお、本発明において、陰極導電層に含まれる金属粒子としては、金、銀、銅、白金、錫、インジウム、パラジウム、ニッケルから選択された少なくとも1種以上の金属またはこれらの任意の合金などを用いることができる。
なお、本発明において、陰極導電層と固体電解質層との間には、カーボン粒子を含む導電性カーボン層を有していてもよい。このように構成することにより、固体電解質層との接触抵抗をより小さくすることができる。
(2)本発明による固体電解コンデンサの製造方法は、弁作用金属からなる陽極上に誘電体層、固体電解質層、陰極導電層がこの順序に積層され、前記陰極導電層上に陰極端子が接続されている固体電解コンデンサの製造において、前記固体電解質層と陰極端子との間に形成した導電性塗膜を硬化して前記陰極導電層を形成する工程を備えていることを特徴とするものである。
本発明の製造方法によると、固体電解質層と陰極端子との間に形成した導電性塗膜を硬化して金属粒子を含む単一層からなる陰極導電層を形成するので、高周波領域においてESRの小さい固体電解コンデンサを製造することができる。この製造方法では、陰極端子の複数の陰極形成面に陰極導電層を接続することにより、陰極導電層と陰極端子との接続面積増大によるESRの低減および接続強度の向上を図ることができる。
前記陰極導電層を形成する工程は、前記固体電解質上に導電性ペーストを形成する工程と、前記陰極端子上に導電性接着剤を形成する工程と、前記導電性ペースト上に前記導電性接着剤を配置した後、前記導電性ペーストと前記導電性接着剤とを同時に硬化する工程とを含むのが好ましい。
前記陰極導電層を形成する工程においては、前記導電性ペーストと前記導電性接着剤は同一の材料からなるのが好ましい。
本発明の製造方法においては、前記陰極端子に複数の陰極形成面を形成し、これら複数の陰極形成面に前記陰極導電層を接続するのが好ましい。
固体電解質層上に形成する導電性ペーストは、バインダー樹脂にエポキシ、ウレタン、アクリル、ポリイミドなどの樹脂を用いることができる。陰極端子上に形成する導電性接着剤は、導電フィラーとして、金、銀、ニッケル、カーボン等を用いることができる。バインダー樹脂としてエポキシ、ウレタン、アクリル、ポリイミドなどの樹脂を用いることができる。
本発明の固体電解コンデンサによれば、陰極導電層が金属粒子を含む単一層から構成されているので、導電性ペーストと導電性接着剤との界面を有する従来の固体電解コンデンサに比べて、高周波領域でのESRを小さくすることができ、高周波領域でのESR特性の改善に寄与すること大となる。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係る固体電解コンデンサとその製造方法を説明する。
まず、図1ないし図3を参照して実施の形態に係る固体電解コンデンサの全体の構造を詳しく説明する。図1は固体電解コンデンサの全体構造図、図2は図1のA−A線断面図、図3は図1の固体電解コンデンサの外観図である。この固体電解コンデンサ10は、面実装型の導電性高分子固体電解コンデンサであり、コンデンサ素子12と、陰極端子14と、陽極端子16と、樹脂外装体18とを備えている。
陰極端子14は、陰極ケース14aと、陰極を外部に引き出す陰極引出端子14bとから構成されている。陰極ケース14aは一端14a1側が開口した有底構造であり、その内面が4つの内側面と1つの内底面との5面構成になっている。陰極ケース14aのこれら内面は、陰極形成面を構成する。陰極端子14の各部の名称は説明の便宜で付したものであり、その名称に限定されず、いずれの部分も陰極端子と称することができる。
コンデンサ素子12は、陽極20を備え、この陽極20の外表面に、誘電体酸化皮膜(誘電体層)22、固体電解質層24、導電性カーボン層27および陰極導電層26をこの順序で積層して構成されている。陰極導電層26は、銀粒子を含む単一層から構成されている。ここで、銀粒子は本発明の金属粒子の一例である。
コンデンサ素子12は、陰極ケース14a内に収納されて、該陰極ケース14a内面である陰極形成面にその陰極導電層26が接続され、また、その陽極20が陽極リード20aを介して陽極端子16に接続されるとともに、絶縁性の樹脂外装体18で気密に外装されている。
以下にコンデンサ素子22を構成する陽極20、誘電体酸化皮膜22、固体電解質層24、導電性カーボン層27および陰極導電層26を説明する。
陽極20は、タンタル粉末の多孔質焼結体から構成されている。この焼結体はタンタル粉末を陽極形状にプレス成形した後、減圧、高温下で焼結することにより作製される。タンタル粉末の多孔質焼結体は、大きい表面積を有するので、大容量化が可能である。陽極は、多孔質焼結体に限らず、箔状の基体から構成されていてもよく、また、タンタルに限らず、アルミニウム、ニオブ、チタン、等の他の弁作用金属で構成されてもよいし、これらの2種以上で構成されてもよい。
誘電体酸化皮膜22は、陽極20表面をリン酸等の水溶液中で陽極酸化させることにより形成されている。実施の形態では、誘電体酸化皮膜22は、酸化タンタルにより構成されている。陽極20がアルミニウム、ニオブ、チタン、等の他の弁作用金属で構成されている場合は、誘電体酸化皮膜22は、それぞれ、酸化アルミニウム、酸化ニオブ、酸化チタンで構成されることになる。
固体電解質層24は、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン等の導電性高分子から構成されている。固体電解質層24としては、実施の形態では導電性高分子を用いているが、これに限定されるものではなく、二酸化マンガン等の他の材料を用いてもよい。
導電性カーボン層27は、グラファイト等を含有する導電性を有するカーボン粒子から構成されている。導電性カーボン層27は、例えば所要の粒径を有する導電性カーボン粉末からなる導電性カーボン溶液を該固体電解質層24上に塗布し乾燥させることにより形成することができる。
陰極導電層26を、図4(a)〜(d)、図7(a)、(b)を参照して説明する。図4(a)は従来の陰極導電層40を含む各層の断面図、図4(b)は実施の形態の陰極導電層26を含む各層の断面図、図4(c)は図4(a)に対応するSEM(走査型電子顕微鏡)写真、図4(d)は図4(b)に対応するSEM(走査型電子顕微鏡)写真である。図7(a)は、図4(c)における従来の銀ペースト層43と銀接着剤層44の界面付近でのY方向の断面プロファイル、図7(b)は、図4(d)における実施の形態の陰極導電層26のY方向の断面プロファイルである。
図4(a)で示すように従来の固体電解コンデンサでは、導電性カーボン層41と陰極端子42との間には、銀ペースト層43と、銀接着剤層44との2層構造を有する陰極導電層40が形成されている。
これに対して図4(b)で示すように本発明の実施の形態の固体電解コンデンサでは、導電性カーボン層27と陰極端子14との間に形成されている陰極導電層26は、金属粒子を含む単一層から構成されている。
従来の固体電解コンデンサでは、陰極導電層40は、銀ペースト層43と銀接着剤層44との2層構造になっているために、これら両層43,44の界面での接触抵抗が高く、高周波領域でのESR増大の要因をなしていた。
これに対して、本発明の実施の形態の固体電解コンデンサでは、陰極導電層26は、金属粒子を含む単一層から構成されているので、従来のように銀ペースト層43と銀接着剤層44との2層による界面が無いために高周波領域でのESRを低減することができる固体電解コンデンサ構造となっている。
以上のように本発明の実施の形態では、陰極導電層26を、銀粒子を含む単一層とするために、陰極端子14をケース構造として、コンデンサ素子12と陰極端子14との接続作業の容易化、接続強度の向上化、等を図っている。
すなわち、陰極ケース14aの5つの内面のすべてに、後述のように銀接着剤層28bを塗布してもよく、5面のうちの1面でもよく、2面以上でもよい。
図5および図6を参照して本発明の実施の形態に係る固体電解コンデンサの製造方法を説明する。
図5を参照して、まず陽極20を形成する(工程a)
次いで、陽極20上に誘電体酸化皮膜22を形成する(工程b)。
次いで、誘電体酸化皮膜22上に固体電解質層24を形成する(工程c)。
次いで、固体電解質層24上に導電性カーボン層27を形成する(工程d)。このようにして、最表面に導電性カーボン層27が形成された積層体を準備する。
次いで、図6(a)のように導電性カーボン層27上に銀粒子を含む銀ペースト28aを塗布する。ここで、銀ペーストは、本発明の導電性ペーストの一例である。また、陰極ケース14aの4つの内側面と内底面との5面に銀粒子を含む銀接着剤28bを塗布する。ここで、銀接着剤は、本発明の導電性接着剤の一例である。
その後、図6(b)から図6(c)のように銀ペースト28aが塗布された積層体を、陰極ケース14aの内部に収納することにより、銀ペースト28a上に銀接着剤28bが積層するように配置する。その後、導電性塗膜である積層された銀ペースト28aと銀接着剤28bとを同時に硬化させ、銀ペースト28aと銀接着剤28bとを一体化させることにより、銀粒子を含む単一層からなる陰極導電層26を形成する。これにより、固体電解質24と陰極ケース14aとが接続される。また、陽極端子16を陽極リード20aに接続して陽極端子16を陽極20に接続する。(工程e)最後に、樹脂外装体18で内部を気密に覆うことで固体電解コンデンサを製造することができる(工程f)。
以下、上記本発明の実施の形態による固体電解コンデンサを製造した。
(実施例1)
実施例1で作製したコンデンサA1ではタンタル焼結体からなる陽極を用いた。また、陽極酸化は、リン酸水溶液中で行なった。また、固体電解質層には、ポリピロール(導電性高分子)を用いた。固体電解質層の上に塗布した導電性カーボンペーストは、150℃で30分間乾燥することにより、導電性カーボン層を形成した。
銀ペーストおよび銀接着剤には、同一の材料のもので、銀粒子、バインダー樹脂、溶媒からなり、溶媒量が10wt%のものを用いた。また、銀粒子:樹脂の比率は、9:1であり、樹脂としては、エポキシ樹脂、溶媒としては、NMP(N−メチルー2−ピロリドン)を用いた。銀粒子は、平均粒径5μmのものを用いた。
銀ペーストおよび銀接着剤の同時硬化は、150℃で90分間乾燥することにより行なった。ここで、この固体電解コンデンサA1について断面SEM観察を行なった。
上述の図4(d)は、本発明の実施例1による固体電解コンデンサの断面SEM写真を示す図である。このSEM写真で示すように、陰極導電層が銀粒子を含む単一層から構成されていることが判る。本実施例においては、銀ペーストおよび銀接着剤には同一の材料を用いたため、陰極導電層は銀粒子を略均一に含む単一層となっている。
この固体電解コンデンサA1の陰極導電層の密度は12g・cm-3であった。ただし、密度の算出は式(1)により行った。
密度(g・cm-3)=(銀ペーストと銀接着剤との溶媒を除いた塗布量)/(陰極導電層と陰極端子との接続面積に図4(d)のSEM写真に示される陰極導電層の厚みを乗じた値) …(1)
(比較例1)
従来例としての比較例1では、銀ペーストと銀接着剤とを同時に硬化しない点以外は実施例1と同様にして、固体電解コンデンサX1を作製した。すなわち、比較例1では、導電性カーボン層上に、塗布した銀ペーストを150℃で30分間乾燥硬化させることにより銀ペースト層43を形成した。次に、乾燥硬化した銀ペースト層43が最表面に形成された積層体を、銀接着剤を内面に塗布した陰極ケース内に収納した後、150℃で90分間乾燥させることにより銀接着剤層44を形成した。
上述の図4(c)は、比較例1による固体電解コンデンサの断面SEM写真を示す図である。
このSEM写真および図4(d)に示す実施例1のSEM写真から明らかであるように、従来では陰極導電層26を構成する銀ペースト層43と銀接着剤層44とが明確に2層構造となっていることを確認することができ、また、本発明の実施の形態では陰極導電層26を構成する銀ペースト28aと銀接着剤28bとが一体化された状態の1層(単一層)構造となっていることを確認することができる。
また、従来では陰極導電層26を構成する銀ペースト層43と銀接着剤層44とが明確に2層構造となっていること、及び、本発明の実施形態では陰極導電層26が金属粒子を含む1層(単一層)構造となっていることを詳細に確認するために、断面プロファイルを測定した。測定方法は、以下のとおりである。
まず、従来の固体電解コンデンサ、本発明の実施の形態にかかる固体電解コンデンサをそれぞれエポキシ樹脂に包埋し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後、これらのサンプルを研磨することによって、所定の箇所の断面を露出させた。
次に、走査型共焦点レーザー顕微鏡(オリンパス社製:OLS1100)を用いて、従来の固体電解コンデンサについては、図4(c)における銀ペースト層43と銀接着剤層44の界面付近でのY方向の断面プロファイル、本発明の実施の形態にかかる固体電解コンデンサについては、図4(d)における陰極導電層26のY方向の断面プロファイルを測定した。
図7(a)からわかるように、従来の固体電解コンデンサにおいては、銀ペースト層43と銀接着剤層44との界面には、凹部が見られる。この理由は以下のように考えられる。上述したように、銀ペースト層43を形成した後、銀ペースト層43に銀接着剤を接触させてから硬化させて銀接着剤層44を形成しているため、銀接着剤の硬化時に銀接着剤中の溶媒濃度が界面付近で増大することになり、この結果、界面付近に空隙が多く形成されたと考えられる。そして、研磨により、その空隙が露出したため、界面に凹部が見られると考えられる。
従来の固体電解コンデンサにおいては、銀ペースト層43と銀接着剤層44との界面では、空隙が多く、すなわち、銀粒子の密度が疎となっていると考えられる。すなわち、従来の固体電解コンデンサにおいては、陰極導電層40が2層構造となっていることがわかる。
なお、図7(a)において、銀接着剤44の方が銀ペースト層43よりもプロファイルが低くなっているのは、固体電解コンデンサにおいては陽極が他の部分より硬く、研磨の際、陽極から遠い銀接着剤層44が多く削られるため、銀接着剤層44のプロファイルが低くなっていると考えられる。
これに対して、図7(b)からわかるように、本発明の実施の形態にかかる固体電解コンデンサにおいては、陰極導電層26に凹部が存在しない。したがって、かかる陰極導電層26は、内部に空隙が存在しない、すなわち、1層(単一層)構造であることがわかる。
(ESRの測定)
これら固体電解コンデンサA1,X1それぞれの周波数100kHzでのESRをLCRメータにて測定した。その測定結果を表1に示す。なお、固体電解コンデンサX1のESRを100とした指数で示す。
Figure 2011086949
表1から明らかなように、実施例1による固体電解コンデンサA1のESRは、比較例1の固体電解コンデンサX1のESRと比較して高周波領域の100kHzで約30%低
減していることが判った。
(実施例2)
実施例2では、銀ペーストおよび銀接着剤の溶媒量以外は実施例1と同様の工程により固体電解コンデンサB1〜B8を作製した。即ち、固体電解コンデンサB1〜B8では、溶媒量がそれぞれ3、5、8、12、15、20、30、40wt%の銀ペーストおよび銀接着剤を用いた。作製した固体電解コンデンサB1〜B8の陰極導電層の密度を算出した結果、それぞれ溶媒量3wt%のコンデンサB1では16g・cm-3、溶媒量5wt%のコンデンサB2では15g・cm-3、溶媒量8wt%のコンデンサB3では密度14g・cm-3、溶媒量12wt%のコンデンサB4では密度10g・cm-3、溶媒量15wt%のコンデンサB5では密度7g・cm-3、溶媒量20wt%のコンデンサB6では密度5g・cm-3、溶媒量30wt%のコンデンサB7では密度4g・cm-3、溶媒量40wt%のコンデンサB8では密度3g・cm-3であった。
そして、各固体電解コンデンサB1〜B8に対して、実施例1と同様に周波数100kHzでのESRをLCRメータにて測定した。この測定では比較例1の固体電解コンデンサX1のESRを100とした指数で示している。
その結果を表2に示す。
Figure 2011086949
表2よりESRの低減に対しては、陰極導電層の密度が4.0g・cm-3以上15.0g・cm-3以下の範囲であることが好ましく、さらには、陰極導電層の密度が5.0g・cm-3以上14.0g・cm-3以下の範囲であることがより好ましいことがわかった。
(実施例3)
この実施例3では、陰極ケースの形状がESRに及ぼす効果を検討した。実施例3では、陰極導電層が陰極ケースの内面(陰極形成面)の内の2面、3面、および4面と接続する以外は実施例1と同様にして、固体電解コンデンサC1,C2,C3,をそれぞれ作製した。そして各固体電解コンデンサC1〜C3に対して、実施例1と同様に周波数100kHzでのESRをLCRメータにて測定した。その結果を表3に示す。表3において、比較例1の固体電解コンデンサX1のESRを100とした指数で示す。
Figure 2011086949
表3から明らかなように、陰極導電層と陰極ケースの陰極形成面との接続数にかかわらず高周波領域である100kHzでESRに関してはいずれもESR増大が無いという好ましい効果が得られたことがわかる。
上述した実施例においては、銀ペーストと銀接着剤には、同一の材料を用いたが、異なる材料を用いた場合でも、本発明に係る製造方法によれば、陰極導電層を1層(単一層)構造とすることができ、上記と同様の効果を奏する。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内で、種々な変更ないしは変形を含むものである。
図1は本発明の実施の形態に係る固体電解コンデンサの全体構造図である。 図2は図1のA−A線断面図である。 図3はコンデンサ素子を陰極ケースに収納した状態を示す斜視図である。 図4(a)は従来の固体電解コンデンサの各層の断面図、図4(b)は実施の形態の固体電解コンデンサの各層の断面図、図4(c)は図4(a)のSEM写真、図4(d)は図4(b)のSEM写真である。 図5は製造方法の各工程図である。 図6は陰極ケースにコンデンサ素子を収納する状態の説明図である。 図7(a)は、図4(c)における従来の銀ペースト層43と銀接着剤層44の界面付近でのY方向の断面プロファイル、図7(b)は、図4(d)における実施の形態の陰極導電層26のY方向の断面プロファイルである。
10 固体電解コンデンサ
12 コンデンサ素子
14 陰極端子
14a 陰極ケース
14b 陰極引出端子
16 陽極端子
18 樹脂外装体
20 陽極
22 誘電体酸化皮膜
24 固体電解質層
26 陰極導電層

Claims (5)

  1. 弁作用金属からなる陽極上に誘電体層、固体電解質層、陰極導電層がこの順序に積層された固体電解コンデンサにおいて、前記陰極導電層は金属粒子を含む単一層からなり、該陰極導電層の一部に陰極端子が接続されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記陰極端子は、複数の陰極形成面を備え、前記陰極導電層が前記陰極形成面にそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記陰極端子は、陰極ケースを備え、この陰極ケースの内面に前記陰極形成面が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記陰極導電層が、4.0g・cm-3以上15.0g・cm-3以下の密度を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 前記陰極導電層が、5.0g・cm-3以上14.0g・cm-3以下の密度を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。

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