JPH0992141A - 厚膜パターン形成方法 - Google Patents

厚膜パターン形成方法

Info

Publication number
JPH0992141A
JPH0992141A JP24278695A JP24278695A JPH0992141A JP H0992141 A JPH0992141 A JP H0992141A JP 24278695 A JP24278695 A JP 24278695A JP 24278695 A JP24278695 A JP 24278695A JP H0992141 A JPH0992141 A JP H0992141A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photosensitive resin
resin film
film
substrate
thick film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24278695A
Other languages
English (en)
Inventor
Sukeyuki Nishimura
祐行 西村
Atsushi Takenaka
淳 竹中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP24278695A priority Critical patent/JPH0992141A/ja
Publication of JPH0992141A publication Critical patent/JPH0992141A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォトリソグラフィー法でパターン化した感
光性樹脂膜の剥離工程を伴う充填法により基板上に厚膜
パターンを形成するに際し、簡易な手順によるドライプ
ロセスによってパターンや基板に影響を与えることなく
短時間で剥離を行って良好な形状の厚膜パターンを形成
する。 【解決手段】 基板上にフォトリソグラフィー法でパタ
ーン化した感光性樹脂膜26を設け、この感光性樹脂膜
26の凹部にペースト材料28を充填して乾燥させた
後、感光性樹脂膜26に粘着フィルムFを積層し、この
粘着フィルムFと感光性樹脂膜26を同時に基板から剥
離してから、基板全体を焼成してペースト材料28を基
板上に固着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に厚膜のパ
ターンを形成する方法に係わるものであり、特にプラズ
マディスプレイパネル(以下、PDPと記す)における
電極、絶縁体、抵抗体、障壁等の厚膜パターンを形成す
るのに好適に用いられる厚膜パターン形成方法に関する
ものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、PDPの製造工
程においてガラス基板上に電極、絶縁体、抵抗体、障壁
等の厚膜パターンを形成する場合、主としてスクリーン
印刷法が利用されてきた。このスクリーン印刷法は、使
用できるペースト材料の制約が少ない上に、他の印刷法
では得られにくい厚膜パターンを形成しやすいという利
点を有している。また最近では、ガラス基板上に厚膜層
を形成しておき、その厚膜層の上にフォトリソグラフィ
ー技術を応用してパターン状のマスク材を形成し、サン
ドブラスト加工によりマスク開口部に対応した厚膜材料
の不要部分を除去して所望の厚膜パターンを形成する方
法も提案されている。或いは、基板上に同様のフォトリ
ソグラフィー法でパターン化した感光性樹脂膜のマスク
材を形成し、そのマスク開口部にペースト材料を充填し
た後、マスク材を剥離して所望の厚膜パターンを形成す
る方法も提案されている。
【0003】ところで、現在進められているPDPの大
型化や高精細化を考えると、スクリーン印刷法では寸法
精度が低く、複数種類の厚膜パターンを形成する場合に
各パターンの整合性に問題があり、さらにスクリーンメ
ッシュを用いるため解像度についても限界がある。とり
わけ、DC型PDPの寿命向上のために提案されている
抵抗付き構造においては、各放電セルに分配される電流
を高い精度で均一化するために電極や抵抗の寸法精度に
厳しい要求が課されるようになってきており、スクリー
ン印刷法でこれらの厚膜パターンを形成するのはなおさ
ら困難になりつつある。そこで、フォトリソグラフィー
法の寸法精度で厚膜パターンが形成できるサンドブラス
ト加工法と充填法が注目されている。ところが、サンド
ブラスト法による厚膜パターンの形成においては、作製
精度に優れるものの、研削されて除去される部分が多い
パターンに対しては材料の無駄が多く、コスト高になる
という欠点がある。一方、充填法ではそのような材料の
無駄は殆どないものの、以下に述べるようなプロセス上
の問題がある。
【0004】充填法によって厚膜パターンを形成する場
合、一般に、充填用マスク材たる感光性樹脂膜に設けた
凹部にペースト材料を掻き入れるようにして充填した
後、感光性樹脂膜の剥離を行い、感光性樹脂膜の凹部を
雛型として形成された厚膜パターンを基板上に残すよう
にして行う。その際、充填マスク上に掻き残したペース
ト材料(以下、残渣という)が表面に付着して残存し、
剥離液の浸透を妨げて充填工程後の剥離を困難にした
り、或いは充填マスク凹部と非凹部にペースト材料が跨
がって残った場合、剥離の際に凹部に充填されたペース
ト材料の一部が欠落してしまうという難点があった。そ
のため、充填工程の後、感光性樹脂膜表面を機械的に研
磨したり、溶剤を染み込ませた布等で拭き取ったりして
残渣を除去してから剥離を行っていたものの、完全な残
渣の除去は困難であった。なぜならば、一般にPDPは
通常数μmから数十μm程度の膜厚の厚膜パターンが積
層されてなるが、充填法による厚膜パターン形成が、既
に形成された下部構造に積層されるようにして行われる
場合、下部構造の凹凸や段差が充填マスクたる感光性樹
脂膜の表面形状に反映し、充填によって感光性樹脂膜表
面の微細な凹部や段差部分にペーストが埋め込まれてし
まうことがある。このような場合、例えば残渣の除去に
機械的な研磨法を用いると、前述したような下部構造の
凹凸に由来する感光性樹脂膜の表面凹部に埋め込まれた
残渣を除去するには、パネル基板のほぼ全面に渡って感
光性樹脂膜の膜厚方向に数μm以上の均一な切削が必要
であるし、そもそも段差部分の残渣には全く対処仕切れ
なかった。
【0005】ところで、サンドブラスト法を利用し、粉
体の研削力によって残渣を除去すると、前述した下部構
造の凹凸を反映した感光性樹脂膜表面の微細な凹部や段
差部分に埋め込まれた残渣を良好に除去できる。しかし
ながら、とりわけ後者の段差部分においては、感光性樹
脂膜に大きな応力が加わっている上に、充填工程後の乾
燥処理やその直前の硬化処理等により度重なる加熱処理
を経て収縮することにより、感光性樹脂膜に微細な亀裂
の集合が発生することがあり、その亀裂に残渣が埋設し
た場合にはサンドブラスト処理によっても完全に処理す
ることは困難であった。
【0006】感光性樹脂膜の剥離はアルカリ性水溶液を
浸透させたり有機系の溶剤により溶解することによって
行っていたが、残渣の除去が不完全だと、剥離液中で一
旦感光性樹脂膜から脱落した残渣が再び基板表面やパタ
ーン表面に付着して除去できなくなるという難点があっ
た。一般に、基板に付着した微粒子と被着体である基板
の間に水分がいったん浸透してしまうと、両者の密着が
強固になって除去しにくくなることは良く知られた現象
である。
【0007】さらに、充填法に用いられるペースト材料
は、大抵スクリーン印刷用の材料を流用したものであ
り、流動性を与える有機溶剤成分と焼成工程前に結着剤
の役割を担う有機バインダーたる樹脂成分が含有されて
いる。したがって、充填マスクたる感光性樹脂膜とペー
スト材料とは元来化学的に干渉しやすく、両者が強固に
密着すると、感光性樹脂膜の剥離が困難になり、基板面
内で剥離に要する時間に差が生じてパターンにムラが生
じたり、剥離しても充填されたパターンが一部感光性樹
脂膜に取られて損傷したり、或いは感光性樹脂膜の断片
がパターンや基板に付着したまま残存したりすることが
あった。また、ペースト材料や既に基板上に形成されて
いるパターンに用いられている材料には、剥離液に対し
て耐性の脆弱なものも少なくないという問題があった。
【0008】本来、液体を使用する剥離方法では、水回
りの諸設備が必要で、浸漬、洗浄、乾燥と言うように工
程が多く、浸漬時の液の浸透や乾燥が基板面内で均一に
行われないと、特性や外観品質にムラが生じるという難
点もあった。さらに、アルカリ性の液体や有機溶剤を使
用する際には、当該装置、周辺装置にそれらの液体に耐
性のある材料を用いる必要があり、またこれを扱う作業
員にも相応の防護装備が必要であった。とりわけこのよ
うなウェットプロセスは、廃液の回収、分別、廃棄処理
等の後処理が煩雑であり、大量生産を考えた場合、コス
ト的に非常に不利になって好ましくない。
【0009】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、充填工程後
の感光性樹脂膜の剥離を、簡易な手順によるドライプロ
セスによってパターンや基板に損傷を与えることなく短
時間で行い、安全や環境に対する要求に充分応えなが
ら、高精細なPDP用基板を精度良く作製するのに好適
に用いられる厚膜パターン形成方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る第1の厚膜パターン形成方法は、少な
くとも次の各工程を含む方法により基板上に厚膜パター
ンを形成することを要旨としている。 (1)基板上に感光性樹脂膜を積層する工程。 (2)前記感光性樹脂膜をフォトリソグラフィー法でパ
ターン化して凹部を形成する工程。 (3)前記感光性樹脂膜の凹部にペースト材料を充填し
て乾燥する工程。 (4)前記感光性樹脂膜に粘着フィルムを積層し、当該
粘着フィルムと前記感光性樹脂膜を同時に基板から剥離
する工程。 (5)前記基板全体を焼成し、前記ペースト材料を基板
上に固着させる工程。
【0011】この第1の厚膜パターン形成方法において
は、前記粘着フィルムを前記感光性樹脂膜の全面に積層
する場合もあるし、前記粘着フィルムを前記感光性樹脂
膜における凹部が形成されていない周縁領域にのみ積層
する場合もある。そして、前記基板上に感光性樹脂膜を
積層する工程に先んじて、前記基板表面に表面改質剤を
塗布して易剥離処理を行うことが好ましく、さらには、
前記感光性樹脂膜の凹部にペースト材料を充填する工程
に先んじて、少なくとも前記感光性樹脂膜の凹部を全て
含む領域に表面改質剤を塗布し、前記凹部の壁面を撥油
処理することが好ましい。このように易剥離処理や撥油
処理を施した場合、前記感光性樹脂膜の凹部にペースト
材料を充填する工程に先んじて、サンドブラスト加工を
行って、前記凹部底面を粗面化するようにしてもよい。
【0012】また、本発明に係る第2の厚膜パターン形
成方法は、少なくとも次の各工程を含む方法により基板
上に厚膜パターンを形成することを要旨としている。 (1)基板上に第1のペースト材料を塗布して乾燥させ
ることにより厚膜層を形成する工程。 (2)前記厚膜層上に感光性樹脂膜を積層する工程。 (3)前記感光性樹脂膜をフォトリソグラフィー法でパ
ターン化して凹部を形成する工程。 (4)前記感光性樹脂膜を耐サンドブラスト用マスク材
としてサンドブラスト加工を行い、前記厚膜層の不要部
分を除去して凹部を形成する工程。 (5)前記厚膜層の凹部に第2のペースト材料を充填し
て乾燥する工程。 (6)前記感光性樹脂膜に粘着フィルムを積層し、当該
粘着フィルムと前記感光性樹脂膜を同時に基板から剥離
する工程。 (7)前記基板全体を焼成し、前記第1及び第2のペー
スト材料を基板上に固着させる工程。
【0013】この第2の厚膜パターン形成方法において
も、前記粘着フィルムを前記感光性樹脂膜の全面に積層
する場合もあるし、前記粘着フィルムを前記感光性樹脂
膜における凹部が形成されていない周縁領域にのみ積層
する場合もある。そして、前記厚膜層上に前記感光性樹
脂膜を積層する工程に先んじて、少なくとも前記厚膜層
が形成されていない部分を含む領域に表面改質剤を塗布
して易剥離処理を行うことが好ましく、さらには、サン
ドブラスト加工により前記厚膜層の不要部分を除去して
凹部を形成する工程に先んじて、少なくとも前記感光性
樹脂膜に形成された凹部を全て含む領域に表面改質剤を
塗布し、当該凹部の壁面を撥油処理することが好まし
い。
【0014】上述の構成からなる厚膜パターン形成方法
によれば、充填工程後、粘着フィルムを充填マスクたる
感光性樹脂膜上に積層し、粘着フィルムと感光性樹脂膜
とを同時に基板から引き剥がすことにより、感光性樹脂
膜の剥離が行われる。その際、充填用マスク材たる感光
性樹脂膜とその被着体である基板ないしは厚膜層との密
着性に関しては、基板表面ないしは厚膜層表面を易剥離
処理することによって感光性樹脂膜の剥離が容易とな
り、充填用マスク材たる感光性樹脂膜と充填されるペー
スト材料との密着性に関しては、感光性樹脂膜に設けた
凹部の壁面を撥油処理することによって感光性樹脂膜の
剥離が容易となる。
【0015】
【発明の実施の形態】上記の厚膜パターン形成方法を製
造工程にて利用するのが好適なDC型PDPの一構成例
を図1(a),(b)に示す。
【0016】これらの図に示されるように、このDC型
PDPは前面板1と背面板2の2枚のガラス基板を合わ
せてパネル化されたもので、前面板1上には陰極3から
なる第1の電極群が形成され、背面板2上には電気的に
接続した電極体4と表示陽極5とからなる第2の電極群
が形成されており、陰極3と表示陽極5が略直交するよ
うに前面板1と背面板2とが障壁6により対向保持され
て放電セル7が形成され、放電セル6内の陰極3と電極
体4とによって単位放電電極対が構成されている。そし
て、陽極母線5は線状部5aとこの線状部5aから横向
きに突き出た突起部5bとを備え、電極体4からは端子
部8が陽極母線5と平行に伸びており、陽極母線5の突
起部5bと電極体4の端子部8との間は抵抗体9により
電気的に接続されている。また、隣接する表示陽極5の
間にはそれと平行に補助陽極10が設けられており、陰
極3と交差する箇所には補助陽極10上にも電極体11
が設けられている。
【0017】上記のPDPでは、陰極3と表示陽極5の
間に所定の電圧を印加すると、抵抗体9を介して電極体
4に電流が流れ、放電セル7内にて陰極3と電極体4と
の間で放電が起こり、この放電により発生する紫外線で
RGB3色の蛍光体12を発光させるようになってお
り、この発光は前面板1を通して外部に放射されフルカ
ラーの画像表示が行われる。この場合、補助陽極8は放
電セル7内に放電の種火となる荷電粒子をプライミング
スリット13を通して供給する役目をもつ。なお、14
は絶縁層で、表示陽極5、端子部8、抵抗体9及び補助
陽極10を放電空間から電気的に隔絶せしめ、放電発生
箇所を電極体4,11のみに規定する。
【0018】以下、上記構造のDC型PDPの製造工程
を例に挙げて本発明の厚膜パターン形成方法の実施例を
説明する。
【0019】(第1実施例)本実施例では、前面板を構
成するガラス基板上に下層電極を形成し、その後に表示
に関わる部分の下層電極を被覆するように上層電極を形
成して2層構造の陰極を作製する場合について述べる。
このように2種の金属を積層して陰極を構成するのは、
導電性に優れるが耐スパッタリング性に劣る下層電極
を、導電性に劣るが耐スパッタリング性に優れる上層電
極で被覆することにより、低抵抗かつ長寿命な陰極を作
製するためである。
【0020】下層電極としては、Au、Ag、Ni等の
低抵抗導電性材料が用いられるが、中でもAuとAgが
好ましく用いられる。本実施例ではAgを用いる場合に
ついて図2を参照しながら以下に説明する。
【0021】前面板を構成するガラス基板は、使用前に
洗浄、アニール処理を施した。そして、図2(a)に示
すように、このような前処理を施したガラス基板20の
全面にスクリーン印刷法によりAgペーストを厚膜印刷
して、クリーンオーブン内にて150〜170℃で15
〜30分間乾燥させた後、ピーク温度550℃、保持時
間約8分で焼成を行ってAg厚膜層21を形成した。焼
成後の膜厚は約4μmであった。
【0022】次に、図2(b)に示すように、Ag厚膜
層21の上にネガ型でフィルム状の感光性樹脂膜22を
ラミネータによりロール温度約120℃で貼り付けた。
なお、感光性樹脂膜は液体状のものを塗布してもよく、
またポジ型レジストでも構わない。液体状感光性樹脂の
塗布方法としては、スピンコート、ロールコート、リバ
ースコート、ブレードコート、スプレー、ディッピング
等、液体状の材料を塗布する方法であればいずれの方法
でも構わない。
【0023】続いて、図2(c)に示すように、下層電
極(幅100μm)のパターンを配した遮光マスク23
を介して感光性樹脂膜22を露光した。露光量は波長4
05nmの紫外線にて約45mJ/cm2 であった。露
光後、図2(d)に示すように、炭酸ナトリウム1wt
%水溶液にて現像処理を施して感光性樹脂膜22の不要
部分を除去し、続いてクリーンオーブン内にて120〜
150℃で30〜60分間ポストベークを行って、パタ
ーン化された感光性樹脂膜の硬化を促進するとともに感
光性樹脂膜22とAg厚膜層21との密着を強化させ
た。これは、後工程でのエッチングの際に感光性樹脂膜
22が剥離して欠陥が発生するのを防止するためであ
る。
【0024】その後、図2(e)に示すように、パター
ン状に残された感光性樹脂膜22を耐エッチング用マス
クとしてAg厚膜層21の不要部分を化学的に除去し、
陰極を構成する下層電極24を形成した。エッチング液
には硝酸第二鉄の33wt%水溶液を用いた。
【0025】エッチング終了後、水洗、乾燥した後、図
2(f)に示すように、基板全面にパーフルオロアルキ
ル基を有効成分とした溶剤型フッ素系離型剤「旭硝子
製、MR−K681」(表面改質剤25)をスプレーコ
ートし、Ag厚膜層21が除去されてガラス基板20が
露出した部分を易剥離処理した。これは、上層電極用の
導電性材料を凹部に充填して形成するための充填用マス
クたる感光性樹脂膜を、充填工程の後で剥離しやすくす
るためである。なお、下層電極24の表面は易剥離処理
する必要がないので、このように耐エッチング用マスク
を除去する前にガラス基板20が露出した部分のみを剥
離処理した方が好都合である。
【0026】本実施例では易剥離処理に用いる表面改質
剤に、パーフルオロアルキル基を有効成分とする溶剤型
のフッ素系離型剤を用いたが、この他に、パーフルオロ
アルキル基を有効成分とするフッ素系材料として水性エ
マルジョン型の離型剤を用いてもよい。なお、パーフル
オロアルキルの他にシリコーンオイルを含有させて塗膜
表面に潤滑性を付与せしめるタイプのフッ素系離型剤を
用いてもよい。また、フッ素系材料に限らず、シラン化
合物やシリコーン系材料を用いてもよい。シリコーン系
材料としては、シリコーンオイルやシリコーンレジン、
シリコーン変性有機レジン、シリコーンゴム、シリコー
ンワニス、或いはシリコーンオイルにシリカ微粉末を添
加したコンパウンド型材料、シリコーンオイル、シリコ
ーンゴム、シリコーンレジンを溶剤で溶解した溶剤型材
料、シリコーンオイルを分散したエマルジョン型材料、
シリコーンオイルをエアゾール化した材料等でもよい。
なお、フルオロアルキルシランやそれを基本構造とする
シリコーン系材料であれば、さらに離型性が向上して好
ましい。
【0027】また、本実施例では、易剥離処理に用いる
表面改質剤を塗布する方法として、簡便なスプレー法を
用いたが、刷毛塗り、ディッピング、スピンコート、ブ
レードコート、リバースコート、ロールコート等、液体
状の材料を塗布する方法であれば何れでも構わない。な
お、易剥離処理に用いる表面改質剤によっては、工程短
縮のため、塗布後に加熱処理をして、乾燥や硬化を促進
したり、塗布面との密着を強固にしてもよい。
【0028】易剥離処理を施した後、図2(g)に示す
ように、耐エッチング用マスクとして用いた感光性樹脂
膜22を専用の剥離液で基板から剥離した。ネガ型フィ
ルム状感光性樹脂膜の場合、剥離液には、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、トリエ
タノールアミン、アンモニア等のアルカリ性水溶液を用
いることができる。本実施例では水酸化ナトリウムの5
wt%水溶液を使用した。
【0029】このように形成した下層電極24となるA
g電極の表示に関わる部分を覆うようにして上層電極を
形成する手順について図3〜図7を参照しながら以下に
説明する。この上層電極の材料としては、Al、Cr、
Ta、W等の比較的耐スパッタリング性の高い導電性材
料が用いられる。本実施例ではAlを使用した。
【0030】まず、図3(a)に示すように、Ag厚膜
からなる下層電極24のパターンが既に形成され、下層
電極24以外のガラスが露出した部分が易剥離処理され
たガラス基板20上に、感光体の膜厚が25μmのネガ
型フィルム状感光性樹脂膜26をラミネータによりロー
ル温度約120℃にて貼り付けた。感光性樹脂膜は液体
状のものでもよく、またポジ型レジストでも構わない。
なお、液体状感光性樹脂の塗布方法としては、スピンコ
ート、ロールコート、リバースコート、ブレードコー
ト、スプレー、ディッピング等、液体状の材料を塗布す
る方法であれば何れの方法でも構わない。
【0031】その後、図3(b)に示すように、下層電
極24の表示に関わる部分に重なるようにして幅120
μmの上層電極パターンを配してなる遮光マスク27を
用いて感光性樹脂膜26を露光した。この場合、露光量
は波長405nmの紫外線にて約60mJ/cm2 であ
った。なお、下層電極24の幅よりも上層電極の幅を広
くするのは、下層電極24を完全に上層電極で被覆して
下層電極24を放電空間から隔絶した方が、下層電極2
4のスパッタリングによる劣化が防止されるので、PD
Pの寿命向上のためには好ましいからである。露光後、
クリーンオーブン内にて70〜90℃で約10分間プリ
ベークを行った方が解像度に優れていた。また易剥離処
理に用いた表面改質剤によっては、密着性が低下しすぎ
て現像工程中に感光性樹脂膜26が剥離してしまうとい
う不具合を生じることがあるので、このプリベーク処理
は適度な密着性を付与するために好都合であった。
【0032】続いて、炭酸ナトリウム1wt%水溶液に
より現象を行い、図3(c)に示す如く下層電極24上
の感光性樹脂膜26に上層電極用の導電性ペーストが充
填されるべき凹部26aを形成した後、120〜170
℃で30〜60分間ポストベークを行って感光性樹脂膜
26の硬化を促進した。このポストベーク処理は、後の
充填工程でペースト材料が含む溶剤成分によって感光性
樹脂膜26が侵されにくくするためには行っておく方が
好ましい。
【0033】この後、図3(d)に示すように、Alペ
ースト(ペースト材料28)を感光性樹脂膜26の凹部
26aにステンレス製のブレードを用いて充填し、クリ
ーンオーブン内にて150〜170℃で15〜30分間
乾燥させた。Alペーストの充填は、まず基板の一端に
ペースト材料28を載せ、前記ブレードを走査してペー
スト材料28を凹部26aに掻き入れるようにして行っ
た。なお、充填には他にゴム製、樹脂製のヘラ、スキー
ジ、セラミック製、金属製のヘラ、ドクター等を用いて
も構わない。また充填は1回の手順で完了する必要はな
く、何回か繰り返してもよい。これはペースト材料28
の乾燥に伴って体積収縮が起こるためである。ここでは
充填と乾燥の手順を2回繰り返した。
【0034】この充填工程が終了した後、感光性樹脂膜
26の表面にはAlペーストの微細な残渣28aが付着
したまま残った。とりわけ、感光性樹脂膜26の凹部2
6aと非凹部に跨がって残渣28aが残存したまま感光
性樹脂膜26の剥離を行うと、パターンが損傷すること
がある。
【0035】そこで、図3(e)に示すように、感光性
樹脂膜26表面の残渣28aの除去を行った。この場
合、残渣28aの除去は、表面を研磨したり、溶剤を染
み込ませた布で拭き取ったりしてもよいが、本実施例で
は基板やパターンに対して機械的な損傷を与えたり、化
学的に干渉したりすることのないサンドブラスト法を利
用した。研磨用粉体には褐色溶融アルミナ#1000を
用い、噴射圧1.5kgf/cm2 、ノズルと基板との
距離を190mm、スキャン速度4800mm/分の各
条件でサンドブラスト加工を行った。これは厚膜層を研
削してパターニングを行う通常のサンドブラスト加工の
場合よりもかなり弱い研削条件であるため、上層電極と
して充填されたAlペーストの表面が研削されて減少し
た量は膜厚にして約1μm程度にとどまった。
【0036】感光性樹脂膜26表面の残渣28aを除去
した後、図4(a)に示すように、片面粘着フィルムF
を感光性樹脂膜26の全面にラミネータを用いて貼り付
けた。なお、図中Faは片面粘着フィルムFの粘着剤
層、Rはラミネータのローラである。続いて、図4
(b)に示すように、粘着フィルムFの一端を引き上げ
るようにして、粘着フィルムFと感光性樹脂膜26とを
同時に基板から剥離した。剥離後、図4(c)に示すよ
うに、基板表面には充填されて形成されたAl電極のパ
ターンが感光性樹脂膜26の凹部パターンどおりに残存
し、残差28aの基板への再付着や、局所的に感光性樹
脂膜26の断片が残存することもなく、良好な上層電極
29のパターンを作製することができた。
【0037】このようにして、充填された上層電極パタ
ーンを除いた感光性樹脂膜部分のみを選択的に剥離でき
るのは、主として感光性樹脂膜26とガラス基板20と
の間の密着力が易剥離処理により低減していることと、
充填して形成した上層電極29の表面は、ペーストの乾
燥による体積収縮と、残渣除去のためのサンドブラスト
処理により感光性樹脂膜26の表面よりわずかに低い位
置にあるからである。なお、乾燥後のペーストは基板と
の界面並びにそれ自身の内部が有機バインダーによって
強固に保持されているので、表面が粘着剤に接触しても
パターンが損傷することはなかった。
【0038】本実施例では、感光性樹脂膜26の全面に
粘着フィルムFを貼り付けたが、充填工程を経た後の感
光性樹脂膜26が脆弱でなく、充分な弾性を有している
材料であれば、図5に示すように、粘着フィルムFを充
填用の凹部26aが配列された領域外の基板周縁部分に
帯状に貼り付け、その後、図6に示す如く粘着フィルム
Fを引き上げ、同時に感光性樹脂膜26が基板から剥離
した部分をきっかけにして、全体の感光性樹脂膜26の
剥離を行うようにしてもよい。或いは、図7に示すよう
に粘着剤フィルムFを基板周縁部分にコの字状に貼り付
けてから、剥離するようにしてもよい。充填されるパタ
ーン、すなわち感光性樹脂膜26に設けた個々の開口の
幅が比較的大きい場合には、粘着剤が充填されたペース
ト材料の表面に接する割合が多くなるので、充填された
パターンの表層が粘着剤に取られてしまう可能性が増大
する。このような場合には、図5や図7に例示する如く
周縁部分のみ粘着フィルムFを貼り付ける方法を選択す
ればよい。また、このようにすれば粘着フィルムFの使
用量を低減できコスト的には有利である。
【0039】本実施例のごとく、充填マスクたる感光性
樹脂膜26を基板に積層する前に、基板表面を易剥離処
理しておくことにより、感光性樹脂膜26と基板との密
着力が弱まり、なおかつ、粘着剤と感光性樹脂膜26と
の界面の接着強度が、基板と感光性樹脂膜26との界面
の接着強度よりも強い粘着フィルムFを感光性樹脂膜2
6の表面に一旦貼り付けてから引き剥がすことにより、
感光性樹脂膜26を粘着フィルムFと同時に迅速に剥離
することができる。
【0040】従来は、充填マスクたる感光性樹脂膜は、
専用の剥離液を用いて剥離していた。例えば、フィルム
状感光性樹脂膜の剥離液には、水酸化ナトリウムや水酸
化カリウム、モノエタノールアミン、トリエタノールア
ミン、アンモニア等のアルカリ性水溶液を用いていた。
しかしながら、本実施例のようにアルカリ性の液体に浸
漬するのが好ましくないAlのような材料によってパタ
ーンが形成されている場合、浸漬中にAlが剥離液中に
溶出してしまうという不都合があった。また、除去処理
を経てもなお僅かに感光性樹脂膜表面に残存する微細な
残渣粉末が剥離液中に分散して、剥離後露出した基板表
面に再付着して除去できなくなるという問題もあった。
【0041】本発明によれば、アルカリ性の液体を用い
ないので耐アルカリ性の脆弱な材料に対して全く問題を
生じず、作業員や周辺設備に特別な耐アルカリ性の防護
装備が必要でなくなる。さらに感光性樹脂膜の剥離は完
全にドライなプロセスとなって、粘着フィルムの積層と
剥離だけで完了するので、浸漬、洗浄、乾燥の各処理が
必要であった従来技術に比べ、水まわりの設備が不必要
になり、剥離工程に関わる設備が簡略化し、所要時間が
大幅に短縮され、廃液処理等に留意する必要もなくな
る。また、残渣は感光性樹脂膜と粘着フィルムの界面に
取り込まれているので、基板に再付着する可能性は皆無
であり、さらには感光性樹脂膜やペースト残渣の回収や
廃棄が簡便になる。
【0042】引き続き、ピーク温度550℃、保持時間
約8分間で焼成を行って易剥離処理に用いた表面改質剤
を焼失させるとともに、Alペーストを基板に固着させ
て前面板を完成した。焼成後における陰極の膜厚は約1
7μmであった。
【0043】(第2実施例)本実施例では、背面板を構
成するガラス基板上に陽極パターンと抵抗体パターンを
形成する工程について述べる。
【0044】まず、図8を参照して陽極パターンを形成
する手順について説明するが、図8の工程図は図1のX
−X断面で示してある。陽極としては、Au、Ag、N
i等の低抵抗導電性材料が用いられるが、中でもAuと
Agが好ましく用いられる。本実施例ではAuを使用し
た。
【0045】背面板を構成するガラス基板は、使用前に
洗浄、アニール処理を施した。そして、図8(a)に示
すように、このような前処理を施したガラス基板30の
全面にスクリーン印刷法によりAuペーストを厚膜印刷
して、クリーンオーブン内にて150〜170℃で15
〜30分間乾燥させた後、ピーク温度540℃、保持時
間約8分で焼成を行ってAu厚膜層31を形成した。焼
成後の膜厚は約2μmであった。
【0046】次に、図8(b)に示すように、Au厚膜
層31の上に液体状のポジ型感光性樹脂をスピンコート
法にて塗布し、クリーンオーブン内にて70〜90℃で
約30分間乾燥させて感光性樹脂膜32を形成した。液
体状感光性樹脂膜の塗布方法としては、この他に、ロー
ルコート、リバースコート、スプレー、ディッピング
等、液体状の材料をコーティングする方法であれば何れ
の方法でも構わない。また、感光性樹脂は液体状である
必要はなく、フィルム状レジストも使用可能である。フ
ィルム状レジストを使用する場合には、ラミネータを使
用してAu厚膜層31の上に直接貼り付ければよい。
【0047】その後、図8(c)に示すように、陽極の
パターンを配した遮光マスク33を介して感光性樹脂膜
32を露光した。液体状のポジ型レジストを用いた場
合、露光量は波長405nmの紫外線で340mJ/c
2 であった。露光後、図8(d)に示すように、専用
の有機アルカリ系の現像液で現像処理を行って露光部分
を除去した後、クリーンオーブン内にて100〜150
℃で約30分間ポストベークを行い、パターン化された
感光性樹脂膜32の硬化を促進するとともにAu厚膜層
31との密着を強化した。
【0048】続いて、図8(e)に示すように、パター
ニングされた感光性樹脂膜32を耐エッチング用マスク
としてAu厚膜層31の不要部分を化学的に除去し、陽
極34を形成した。エッチング液にはヨウ素、ヨウ化カ
リウム及び水を、それぞれ1:2:5の重量比で調製し
たものを用いた。
【0049】このエッチング処理を終了した後、水洗
し、アセトン中で超音波洗浄を行いつつ図8(f)に示
すように感光性樹脂膜32を溶解除去した。超音波洗浄
機を使用するのは、エッチングされてAuが除去された
部分に残存する無機バインダー(ペースト中の低融点ガ
ラス成分)を充分に除去するためである。その後、水洗
を行ってから乾燥させ、ピーク温度580℃、保持時間
約8分で焼成を行い、Au電極(陽極34)をさらに強
固に基板に密着させた。
【0050】次に、図9〜図11を参照して抵抗体パタ
ーンを形成する手順について説明するが、これらの工程
図は図1のY−Y断面で示してある。
【0051】前記したように背面板となるガラス基板3
0上に陽極34のパターンを形成した後、図9(a)に
示すように、基板表面にフルオロアルキルシランを有効
成分とする溶剤型のシラン化合物系表面改質剤35(信
越シリコーン製、KRM7803)をディッピングによ
り塗布し、易剥離処理を行った。
【0052】本実施例では易剥離処理に用いる表面改質
剤に、フルオロアルキルシランを有効成分とする溶剤型
のシラン化合物を用いたが、この他にパーフルオロアル
キル基を有効成分とする溶剤型若しくは水性エマルジョ
ン型のフッ素系離型剤を用いてもよい。なお、パーフル
オロアルキルの他にシリコーンオイルを含有させて塗膜
表面に潤滑性を付与せしめるタイプのフッ素系離型剤を
用いてもよい。また、シラン化合物やフッ素系材料に限
らず、シリコーン系材料を用いてもよい。シリコーン系
材料としては、シリコーンオイルやシリコーンレジン、
シリコーン変性有機レジン、シリコーンゴム、シリコー
ンワニス、或いはシリコーンオイルにシリカ微粉末を添
加したコンパウンド型材料、シリコーンオイル、シリコ
ーンゴム、シリコーンレジンを溶剤で溶解した溶剤型材
料、シリコーンオイルを分散したエマルジョン型材料、
シリコーンオイルをエアゾール化した材料等でもよい。
【0053】本実施例では、易剥離処理に用いる表面改
質剤を塗布する方法として、ディッピングを用いたが、
スピンコート、スプレー法、刷毛塗り、ブレードコー
ト、ロールコート、リバースコート等、液体状の材料を
塗布する方法であれば何れでも構わない。また、易剥離
処理に用いる表面改質剤によっては、工程短縮のため、
塗布後に加熱処理をして、乾燥や硬化を促進したり、塗
布面との密着を強固にしてもよい。
【0054】続いて、図9(b)に示すように、感光体
層の膜厚が25μmのネガ型フィルム状感光性樹脂膜3
6をラミネータによりロール温度約120℃で基板全面
に貼り付けた。感光性樹脂膜は液体状のものを塗布して
もよく、またポジ型レジストでも構わない。なお、液体
状感光性樹脂の塗布方法としては、スピンコート、ロー
ルコート、リバースコート、ブレードコート、スプレ
ー、ディッピング等、液体状の材料を塗布する方法であ
れば何れの方法でも構わない。
【0055】その後、図9(c)に示すように、抵抗体
パターンを配した遮光マスク37を介して感光性樹脂膜
36を露光した。露光量は波長405nmの紫外線で約
60mJ/cm2 であった。露光後、クリーンオーブン
内にて70〜90℃で約10分間プリベークを行った方
が解像度が優れていた。また易剥離処理に用いた表面改
質剤によっては、密着性が低下しすぎて現像工程中に感
光性樹脂膜36が剥離してしまうという不具合を生じる
ことがあるので、このプリベーク処理は適度な密着性を
付与するために好都合であった。続いて、炭酸ナトリウ
ム1wt%水溶液により現象を行い、図9(d)に示す
ように感光性樹脂膜36の抵抗体が形成されるべき部分
に凹部36aを形成した。
【0056】この後、図10(a)に示すように、感光
性樹脂膜36に凹部36aが配列された領域の外側の周
縁領域を、低粘着フィルムによってマスキングした後、
全面にパーフルオロアルキル基を有効成分とする溶剤型
フッ素系離型剤「旭硝子製、MR−K681」(表面改
質剤38)をディッピングによって塗布して撥油処理を
行った。これは、後で抵抗体ペーストが充填される感光
性樹脂膜36の凹部36aの壁面を撥油処理しておくこ
とで、充填された抵抗体ペーストとの密着性を低減して
感光性樹脂膜36の剥離を容易にするためである。な
お、周縁部分をマスキングしておくのは、充填工程の後
で感光性樹脂膜36に粘着フィルムを一旦貼り付けてか
ら引き剥がし、粘着フィルムと感光性樹脂膜36を同時
に基板から剥離する工程があるが、周縁部分が撥油処理
されるのを回避して、この領域で粘着フィルムと感光性
樹脂膜36の密着を確保するためである。
【0057】第1実施例とは異なり、感光性樹脂膜36
に凹部36aを形成した後にこのような撥油処理を行う
のは、後で充填する抵抗体ペーストとしてRuO2 ペー
ストを用いるためである。というのは、本実施例で用い
るRuO2 ペーストにはエポキシ系の樹脂が含有されて
いて、感光性樹脂膜36に対して非常に密着が強いから
である。このように、充填されるペースト材料の種類に
よっては、本実施例のように、感光性樹脂膜36の凹部
36a壁面を撥油処理して、充填されるペースト材料と
の密着性を低減することが、感光性樹脂膜36の剥離を
易化して良好なパターンを形成するのに有効である。
【0058】本実施例では撥油処理に用いる表面改質剤
に、パーフルオロアルキル基を有効成分とする溶剤型の
フッ素系離型剤を用いたが、この他に、パーフルオロア
ルキル基を有効成分とするフッ素系材料として水性エマ
ルジョン型の離型剤を用いてもよい。なお、パーフルオ
ロアルキルの他にシリコーンオイルを含有させて塗膜表
面に潤滑性を付与せしめるタイプのフッ素系離型剤を用
いてもよい。また、フッ素系材料に限らず、シラン化合
物やシリコーン系材料を用いてもよい。シリコーン系材
料としては、シリコーンオイルやシリコーンレジン、シ
リコーン変性有機レジン、シリコーンゴム、シリコーン
ワニス、或いはシリコーンオイルにシリカ微粉末を添加
したコンパウンド型材料、シリコーンオイル、シリコー
ンゴム、シリコーンレジンを溶剤で溶解した溶剤型材
料、シリコーンオイルを分散したエマルジョン型材料、
シリコーンオイルをエアゾール化した材料等でもよい。
なお、フルオロアルキルシランやそれを基本構造とする
シリコーン系材料であれば、さらに撥油性が向上して好
ましい。
【0059】本実施例では、撥油処理に用いる表面改質
剤を塗布する方法として、簡便なディッピングを用いた
が、他に刷毛塗り、スプレー、スピンコート、ブレード
コート、ロールコート、リバースコート等、液体状の材
料を塗布する方法であれば何れでも構わない。また、撥
油処理に用いる表面改質剤によっては、工程短縮のた
め、塗布後に加熱処理をして、乾燥や硬化を促進した
り、塗布面との密着を強固にしてもよい。
【0060】ところで、本実施例のように、感光性樹脂
膜を積層する前に基板全面に易剥離処理したり、感光性
樹脂膜に凹部を形成した後に基板全面に撥油処理する
と、抵抗体ペーストが含有する有機バインダーの組成に
よっては、充填された抵抗体ペーストとガラス表面との
密着性までもが低減し、感光性樹脂膜の剥離の際に抵抗
体が基板から剥離してしまうという不都合を生じる場合
がある。このような場合、撥油処理を施した後でサンド
ブラスト処理を行ってガラス表面を粗面化し、表面改質
剤が塗布されていない清浄なガラス表面を露出させると
ともに、抵抗体ペーストとガラス表面との接触面積を増
大させて密着性を向上させることが有効である。
【0061】このような処理を必要とする抵抗体形成の
場合には、撥油処理に用いる表面改質剤には、サンドブ
ラスト処理に対して耐性の大きい皮膜を形成しない材料
を用いるのが好ましい。具体的には、シリコーンゴムの
ような乾燥後に柔軟で弾性を有するような皮膜を形成す
るものよりも、ほぼ単分子膜状の皮膜を形成するフルオ
ロアルキルシランのようなシラン化合物や、乾性皮膜を
形成するフッ素系の表面改質剤が好適である。
【0062】そこで本実施例においては、撥油処理を行
った後に、図10(b)に示すようにサンドブラスト加
工を行って、抵抗体ペーストが充填されるべき感光性樹
脂膜36の凹部36a底面の、先に易剥離処理並びに撥
油処理が重ねて施されているガラス表面を粗面化し、表
面改質剤が塗布されていない清浄なガラス面を露出させ
た。研削用粉体には褐色溶融アルミナ#1000を用
い、噴射圧2.0kgf/cm2 、ノズルと基板との距
離を190mm、スキャン速度4800mm/分の各条
件でサンドブラスト加工を行った。これは厚膜層を研削
してパターニングを行う通常のサンドブラスト加工の場
合よりもかなり弱い研削条件であるため、ガラス表面が
研削された深さは1μm以下であった。このように弱い
研削条件で構わないのは、研削量は問題ではなく、表面
改質剤によって処理されていない清浄な面を露出させる
だけでよいからである。なお、サンドブラスト処理によ
る研削ば、研削用流体が垂直に吹き付けられる面に対し
て圧倒的に強く行われるので、感光性樹脂膜36の凹部
36a壁面の撥油性が失われることはなかった。
【0063】この後、洗浄を行って粉体を除去した後、
クリーンオーブン内にて120〜170℃で30〜60
分間ポストベークを行い、感光性樹脂膜36の硬化を促
進した。このポストベーク処理は、後の充填工程で感光
性樹脂膜の凹部に充填するペースト材料が含む溶剤成分
に感光性樹脂膜36が侵されにくくすることが目的であ
り、実施した方が好ましい。なお、このポストベーク処
理は、前述したサンドブラスト処理の前に行っても構わ
ない。
【0064】続いて、基板の一端に抵抗体用ペースト材
料を載せ、ステンレス製のブレードにより、図10
(c)に示すように感光性樹脂膜36の凹部36a内に
抵抗体ペースト(ペースト材料39)の充填を行った。
本実施例では抵抗体ペーストとしてRuO2 ペーストを
使用し、充填後クリーンオーブン内にて120〜200
℃で15〜30分間乾燥を行った。なお、抵抗体ペース
ト39の充填には、他に金属製、セラミック製のドクタ
ーやヘラ、ゴム製、樹脂製のヘラ、スキージ等を用いて
もよい。また、RuO2 ペーストの充填は1回の手順で
完了する必要はなく、何回か繰り返してもよい。これ
は、RuO2 ペーストの乾燥に伴って体積収縮が起こる
ためである。本実施例では凹部36aの上部にまで十分
にRuO2 ペーストを充填して各抵抗体の形状を均一に
するため、充填と乾燥を3回繰り返した。各抵抗体の形
状が不均一になると、各抵抗体の抵抗値がばらつき、結
局各放電セルに分配される電流がばらつくことになり、
PDPの良好な表示に支障をきたすからである。
【0065】充填工程が終了した後、感光性樹脂膜36
の表面には、RuO2 ペーストの微細な残渣39aが付
着したまま残った。残渣39aが残存したまま感光性樹
脂膜36の剥離を行うと、剥離に時間がかかったり、パ
ターンが損傷したり、剥離液中に分散した残渣39aが
剥離後の基板表面に再付着して除去できなくなる不都合
が生じやすい。そこで、図10(d)に示すように残渣
39aの除去を行った。この場合、残渣39aの除去
は、表面を研磨したり、溶剤を染み込ませた布等で拭き
取ってもよいが、本実施例では、基板やパターンに対し
て機械的な損傷を与えたり、化学的に干渉したりするこ
とのないサンドブラスト法を利用した。研磨用粉体には
褐色溶融アルミナ#1000を用い、噴射圧1.5kg
f/cm2、ノズルと基板との距離を170mm、スキ
ャン速度4800mm/分の各条件でサンドブラスト加
工を行った。これは厚膜層を研削してパターニングを行
う通常のサンドブラスト加工の場合よりもかなり弱い研
削条件であるため、充填されたRuO2 ペーストの表面
が研削されて減少した量は膜厚にして約2μm程度にと
どまった。
【0066】感光性樹脂膜36表面の残渣39aを除去
した後、図11(a)に示すように、片面粘着フィルム
Fを感光性樹脂膜36の全面にラミネータを用いて貼り
付けた。なお、図中Faは片面粘着フィルムFの粘着剤
層、Rはラミネータのローラである。続いて、図11
(b)に示すように、粘着フィルムFの一端を引き上げ
るようにして、粘着フィルムFと感光性樹脂膜36とを
同時に基板から剥離した。剥離後、図11(c)に示す
ように、基板表面には充填されて形成された抵抗体パタ
ーンが感光性樹脂膜36の凹部パターンどおりに残存
し、残渣39aの基板への再付着や、局所的に感光性樹
脂膜36の断片が残存することもなく、良好な抵抗体4
0のパターンを作製することができた。
【0067】このようにして、充填された抵抗体パター
ンを除いた感光性樹脂膜部分のみを選択的に剥離できる
のは、主として感光性樹脂膜36とガラス基板30との
間の密着力並びに感光性樹脂膜36と抵抗体40との間
の密着力が、易剥離処理並びに撥油処理により低減して
いることと、充填して形成した抵抗体40の表面は、ペ
ーストの乾燥による体積収縮と、残渣除去のためのサン
ドブラスト処理により感光性樹脂膜36の表面より僅か
に低い位置にあるからである。なお、乾燥後のペースト
は基板との界面並びにそれ自身の内部が有機バインダー
によって強固に保持されているので、表面が粘着剤に接
触してもパターンが損傷することはなかった。
【0068】本実施例では、感光性樹脂膜36の全面に
粘着フィルムFを貼り付けたが、充填工程を経た後の感
光性樹脂膜36が脆弱でなく、充分な弾性を有している
材料であれば、前記したのと同様、粘着フィルムを充填
用の凹部が形成された領域外の基板周縁部分に帯状又は
コの字状に貼り付け、その後粘着フィルムを引き上げ、
同時に感光性樹脂膜36が基板から剥離した部分をきっ
かけにして、全体の感光性樹脂膜36の剥離を行っても
よい。
【0069】上述のごとく、充填マスクたる感光性樹脂
膜36を基板に積層する前に、基板表面を易剥離処理し
ておくことにより、感光性樹脂膜36と基板との密着力
が弱まり、また、充填工程前に感光性樹脂膜36に設け
た凹部36aの壁面を撥油処理しておくことにより、感
光性樹脂膜36とペースト材料との密着力が弱まり、な
おかつ、粘着剤と感光性樹脂膜36との界面の接着強度
が、基板と感光性樹脂膜36との界面の接着強度よりも
強い粘着フィルムFを感光性樹脂膜36の表面に一旦貼
り付けてから引き剥がすことにより、感光性樹脂膜36
を粘着フィルムFと同時に迅速に剥離することができ
る。
【0070】従来は、充填マスクたる感光性樹脂膜は、
専用の剥離液を用いて剥離していた。例えば、フィルム
状感光性樹脂膜の剥離液には、水酸化ナトリウムや水酸
化カリウム、モノエタノールアミン、トリエタノールア
ミン、アンモニア等のアルカリ性水溶液を用いていた。
しかしながら、本実施例に用いたRuO2 ペーストにお
いては、アルカリ金属イオンを含む液体に浸漬すると、
ペースト中にアルカリ金属イオンが浸透して残存し、抵
抗値の低下を招いたり、或いは例えばアルカリ金属イオ
ンを含まない液体であっても、アルカリ性の液体に長時
間浸漬すると、RuO2 ペーストに含有される有機バイ
ンダーに悪影響を及ぼして基板と抵抗体の密着力が弱ま
るという問題があった。また、除去処理を経てもなお僅
かに感光性樹脂膜表面に残存する微細な残渣粉末が剥離
液中に分散して、剥離後露出した基板表面に再付着して
除去できなくなるという問題もあった。
【0071】本発明によれば、アルカリ性の液体を用い
ないので耐アルカリ性の脆弱な材料に対して全く問題を
生じず、作業員や周辺設備に特別な耐アルカリ性の防護
装備が必要でなくなる。さらに感光性樹脂膜の剥離は完
全にドライなプロセスとなって、粘着フィルムの積層と
剥離だけで完了するので、浸漬、洗浄、乾燥の各処理が
必要であった従来技術に比べ、水まわりの設備が不必要
になり、剥離工程に関わる設備が簡略化し、所要時間が
大幅に短縮され、廃液処理等に留意する必要もなくな
る。また、残渣は感光性樹脂膜と粘着フィルムの界面に
取り込まれているので、基板に再付着する可能性は皆無
であり、さらには感光性樹脂膜やペースト残渣の回収や
廃棄が簡便になる。
【0072】引き続き、ピーク温度580℃、保持時間
約10分間で焼成を行って易剥離処理、撥油処理に用い
た表面改質剤を焼失させるとともに、RuO2 ペースト
を基板に固着させた。焼成後における抵抗体40の膜厚
は約20μmであった。
【0073】(第3実施例)本実施例では、第2実施例
のようにして予め陽極パターンと抵抗体パターンが形成
された基板上に、前面板の陰極と対向して互いに表示放
電用並びに種火放電用の放電電極対をなす凸状の電極体
と、この両方の電極体を放電空間に露出せしめるような
開口を有する絶縁体層を同時に形成する工程について図
12〜図14を参照しながら説明する。これらの図は図
1のX−X断面で示してある。
【0074】まず、図12(a)に示すように、陽極パ
ターンにおける表示に関わる全領域を覆い、なおかつガ
ラス基板30の周縁部に形成した取出し端子部分を露出
するようなパターンのスクリーン版を用いて、第1のペ
ースト材料、すなわちここでは絶縁体層となるガラスペ
ーストをスクリーン印刷法で塗布した。塗布後、クリー
ンオーブン内にて150〜170℃で約30分間乾燥
し、膜厚45μmのガラスペーストからなる厚膜層51
を形成した。
【0075】次に、図12(b)に示すように、基板全
面、すなわちガラスペーストからなる厚膜層51の表面
と厚膜層51が形成されていない基板周縁部に、パーフ
ルオロアルキル基を有効成分とした溶剤型フッ素系離型
剤「旭硝子製、MR−K681」(表面改質剤52)を
スプレーコートし、後で感光性樹脂膜が積層される表面
をすべて易剥離処理した。これは感光性樹脂膜を充填工
程の後で剥離しやすくするためである。
【0076】なお、本実施例においては感光性樹脂膜が
積層される表面全てに易剥離処理を施したが、ガラスペ
ーストの組成、感光性樹脂膜の組成、或いは両者の組合
せによっては必ずしも全表面を易剥離処理する必要はな
く、厚膜層51が形成されていない周縁部分だけを易剥
離処理しても構わない。すなわち、厚膜層51からの剥
離がさほど困難でない場合には、厚膜層51以外の部分
を易剥離処理するだけでもよい。
【0077】本実施例では易剥離処理に用いる表面改質
剤に、パーフルオロアルキル基を有効成分とする溶剤型
のフッ素系離型剤を用いたが、この他に、パーフルオロ
アルキル基を有効成分とするフッ素系材料として水性エ
マルジョン型の離型剤を用いてもよい。なお、パーフル
オロアルキルの他にシリコーンオイルを含有させて塗膜
表面に潤滑性を付与せしめるタイプのフッ素系離型剤を
用いてもよい。また、フッ素系材料に限らず、シラン化
合物やシリコーン系材料を用いてもよい。シリコーン系
材料としては、シリコーンオイルやシリコーンレジン、
シリコーン変性有機レジン、シリコーンゴム、シリコー
ンワニス、或いはシリコーンオイルにシリカ微粉末を添
加したコンパウンド型材料、シリコーンオイル、シリコ
ーンゴム、シリコーンレジンを溶剤で溶解した溶剤型材
料、シリコーンオイルを分散したエマルジョン型材料、
シリコーンオイルをエアゾール化した材料等でもよい。
なお、フルオロアルキルシランやそれを基本構造とする
シリコーン系材料であれば、さらに離型性が向上して好
ましい。
【0078】また、本実施例では、易剥離処理に用いる
表面改質剤を塗布する方法として、簡便なスプレー法を
用いたが、刷毛塗り、ディッピング、スピンコート、ブ
レードコート、ロールコート等、液体状の材料を塗布す
る方法であれば何れでも構わない。なお、易剥離処理に
用いる表面改質剤によっては、工程短縮のため、塗布後
に加熱処理をして、乾燥や硬化を促進したり、塗布面と
の密着を強固にしてもよい。
【0079】ところで、この後述べるように、パターン
化された感光性樹脂膜を耐サンドブラスト用マスク材と
して、電極体が形成されるべき部分に設けられた凹部に
相当する部分の厚膜層をサンドブラスト加工によって除
去する必要がある。したがって、厚膜層表面の易剥離処
理に用いる表面改質剤には、厚膜層表面に耐ブラスト性
の大きい膜が形成されないような材料を用いるのが好ま
しい。具体的には、シリコーンゴムのように乾燥後に柔
軟で弾性を有するような皮膜を形成するものよりも、ほ
ぼ単分子膜状の皮膜を形成するフルオロアルキルシラン
のようなシラン化合物や、乾性皮膜を形成するフッ素系
の表面改質剤が好適である。なお、易剥離処理を厚膜層
以外の領域にのみ行う場合にはこのような制限はなく、
前に挙げた例の中の何れの材料を用いても構わない。
【0080】次いで、耐サンドブラスト性を有する感光
体層の膜厚が25μmのフィルム状のネガ型感光性樹脂
を、ロール温度約120℃で基板全面にラミネートし、
図12(c)に示すように厚膜層51の上に感光性樹脂
膜53を形成した。そして、図12(d)に示すよう
に、第1のペースト材料を除去したい部分、すなわち背
面板に形成されるべき電極体パターンを配した遮光マス
ク54を介して露光を行った。露光量は波長405nm
の紫外線にて約30mJ/cm2 であった。露光後、ク
リーンオーブン内にて70〜90℃で約10分間プリベ
ークを行った方が解像度に優れていた。また、易剥離処
理に用いた表面改質剤によっては、密着性が低下しすぎ
て現像工程中に感光性樹脂膜53が剥離してしまうとい
う不具合を生じることがあるので、このプリベーク処理
は適度な密着性を付与するために好都合であった。
【0081】このようにプリベーク処理を施した後、炭
酸ナトリウム1wt%水溶液にて現像を行い、図12
(e)に示すように、電極体となる部分の感光性樹脂膜
53を除去して凹部53aを形成した。
【0082】なお、本実施例では取扱いが簡便なフィル
ム状レジストを用いたが、感光性樹脂膜は液体状レジス
トをブレードコート法、ロールコート法、スプレーコー
ト法、ディッピング法、スクリーン印刷法等により塗布
して形成してもよい。また、ネガ型に限らずポジ型レジ
ストを用いてもよい。
【0083】続いて、図13(a)に示すように、感光
性樹脂膜53に凹部53aが配列された領域の外側の周
縁領域を、低粘着フィルムによってマスキングした後、
全面にパーフルオロアルキル基を有効成分とする溶剤型
フッ素系離型剤(表面改質剤55)をディッピングによ
り塗布して撥油処理を行った。これは、後で電極体とな
る導電性ペーストが充填される感光性樹脂膜53の凹部
53a壁面を撥油処理しておくことで、充填された導電
性ペーストとの密着を低減することにより感光性樹脂膜
53の剥離を容易にするためである。なお、周縁部分を
マスキングしておくのは、充填工程の後で感光性樹脂膜
53に粘着フィルムを一旦貼り付けてから引き剥がし、
粘着フィルムと感光性樹脂膜53を同時に基板から剥離
する工程があるが、周縁部分が撥油処理されるのを回避
して、この領域で粘着フィルムと感光性樹脂膜53の密
着を確保するためである。
【0084】第1実施例とは異なり、感光性樹脂膜53
に凹部53aを形成した後にこのような撥油処理を行う
のは、後で充填する導電性ペーストとしてRuO2 ペー
ストを用いるためである。というのは、本実施例で用い
るRuO2 ペーストにはエポキシ系の樹脂が含有されて
いて、感光性樹脂膜53に対して非常に密着が強いから
である。このように、充填されるペースト材料の組成に
よっては、本実施例のように、感光性樹脂膜53の凹部
53a壁面を撥油処理して、充填されるペースト材料と
の密着性を低減することが、感光性樹脂膜53の剥離を
易化して良好なパターンを形成するのに有効である。
【0085】本実施例では撥油処理に用いる表面改質剤
に、パーフルオロアルキル基を有効成分とする溶剤型の
フッ素系離型剤を用いたが、この他に、パーフルオロア
ルキル基を有効成分とするフッ素系材料として水性エマ
ルジョン型の離型剤を用いてもよい。なお、パーフルオ
ロアルキルの他にシリコーンオイルを含有させて塗膜表
面に潤滑性を付与せしめるタイプのフッ素系離型剤を用
いてもよい。また、フッ素系材料に限らず、シラン化合
物やシリコーン系材料を用いてもよい。シリコーン系材
料としては、シリコーンオイルやシリコーンレジン、シ
リコーン変性有機レジン、シリコーンゴム、シリコーン
ワニス、或いはシリコーンオイルにシリカ微粉末を添加
したコンパウンド型材料、シリコーンオイル、シリコー
ンゴム、シリコーンレジンを溶剤で溶解した溶剤型材
料、シリコーンオイルを分散したエマルジョン型材料、
シリコーンオイルをエアゾール化した材料等でもよい。
なお、フルオロアルキルシランやそれを基本構造とする
シリコーン系材料であれば、さらに撥油性が向上して好
ましい。
【0086】本実施例では、撥油処理に用いる表面改質
剤を塗布する方法として、簡便なディッピングを用いた
が、他に刷毛塗り、スプレー、スピンコート、ブレード
コート、ロールコート、リバースコート等、液体状の材
料を塗布する方法であれば何れでも構わない。また、撥
油処理に用いる表面改質剤によっては、工程短縮のた
め、塗布後に加熱処理をして、乾燥や硬化を促進した
り、塗布面との密着を強固にしてもよい。
【0087】ところで、このように感光性樹脂膜に凹部
を設けた後に凹部壁面の撥油処理を必要とする導電性ペ
ーストに対しては、撥油処理に用いる表面改質剤には、
サンドブラスト処理に対して耐性の大きい膜が形成され
ないような材料を用いるのが好ましい。なぜならば、凹
部底面の厚膜層表面に耐サンドブラスト性の大きい膜が
形成されると、凹部下の厚膜層を研削除去するのを阻害
するからである。具体的には、シリコーンゴムのような
乾燥後に柔軟で弾性を有するような皮膜を形成するもの
は好ましくなく、ほぼ単分子膜状の皮膜を形成するフル
オロアルキルシランのようなシラン化合物や、前述した
ようなフッ素系の表面改質剤が好適である。
【0088】続いて、図13(b)に示すように、パタ
ーン状の感光性樹脂膜53を耐サンドブラスト用マスク
材として、研削用粉体には褐色溶融アルミナ#1000
を用い、ノズルと基板との距離を120mmとし、噴射
圧力3kg/cm2 、スキャン速度4800mm/分で
サンドブラスト加工を行った。これにより、感光性樹脂
膜53により被覆されていない部分が研削され、ガラス
ペースト厚膜層51に電極体が配される凹部51aを形
成することができた。なお、サンドブラスト処理による
研削は、研削用流体が垂直に吹き付けられる面に対して
圧倒的に強く行われるので、感光性樹脂膜53の凹部5
3a壁面の撥油性が失われることはなかった。
【0089】この後、洗浄を行って粉体を除去してか
ら、クリーンオーブン内にて120〜170℃で30〜
60分間ポストベークを行い、感光性樹脂膜53の硬化
を促進した。このポストベーク処理は、後の充填工程で
ペースト材料が含む溶剤成分に感光性樹脂膜53が侵さ
れにくくすることが目的であり、実施した方が好まし
い。なお、このポストベーク処理は、前述したサンドブ
ラスト処理の前に行っても構わない。
【0090】続いて、基板の一端に第2のペースト材
料、すなわち電極体になるべき導電性ペースト材料を載
せ、ステンレス製のブレードを走査させることで図13
(c)に示すように凹部51a,53a内に第2のペー
スト材料56を充填した。本実施例では電極体用の導電
性ペーストとしてRuO2 ペーストを使用し、充填後に
クリーンオーブン内にて150〜170℃で15〜30
分間乾燥させた。この導電性ペーストの材料としては、
RuO2 の他にAu、Ag、Al、Ni、Cu等の厚膜
印刷用のペーストを用いることができる。なお、RuO
2 ペーストの充填には、他に金属製、セラミック製のド
クターやヘラ、ゴム製、樹脂製のヘラ、スキージ等を用
いてもよい。また、RuO2 ペーストの充填は1回の手
順で完了する必要はなく、何回か繰り返してもよい。こ
れは、RuO2 ペーストの乾燥に伴って体積収縮が起こ
るためである。本実施例では、凹部53aの上部にまで
十分にRuO2 ペーストを充填して基板内で電極体の高
さと形状を均一にするため、充填と乾燥を3回繰り返し
た。複数回の充填を繰り返した方が、電極体の高さが基
板内で均一化し、放電電極対間のギャップが一定になり
好都合であった。
【0091】充填工程が終了した後、感光性樹脂膜表面
にはRuO2 ペーストの残渣が付着したまま残った。感
光性樹脂膜に設けた凹部に充填されたパターンと非凹部
表面に跨がるようにして残渣が残ると、後の感光性樹脂
膜の剥離の際にパターンの損傷の原因になることがあ
る。また、ガラスペースト厚膜層の縁の部分、すなわ
ち、ガラスペースト厚膜層の膜厚に相当する高さの段差
が生じている部分にも残渣が埋め込まれるようにして残
った。
【0092】そこで、図13(d)に示すように残渣5
6aの除去を行った。この場合、残渣56aの除去は、
表面を研磨したり、溶剤を染み込ませた布で拭き取った
りしてもよいが、本実施例では基板やパターンに対して
機械的な損傷を与えたり、化学的に干渉したりすること
のないサンドブラスト法を利用した。研磨用粉体には褐
色溶融アルミナ#1000を用い、噴射圧1.5kgf
/cm2 、ノズルと基板との距離を170mm、スキャ
ン速度4800mm/分の各条件でサンドブラスト加工
を行った。これは厚膜層を研削してパターニングを行う
通常のサンドブラスト加工の場合よりもかなり弱い研削
条件であるため、電極体として充填されたRuO2 ペー
ストの表面が研削されて減少した量は膜厚にして約2μ
m程度にとどまった。
【0093】感光性樹脂膜53表面の残渣56aを除去
した後、図14(a)に示すように、片面粘着フィルム
Fを感光性樹脂膜53の全面にラミネータを用いて貼り
付けた。なお、図中Faは片面粘着フィルムFの粘着剤
層、Rはラミネータのローラである。続いて、図14
(b)に示すように、粘着フィルムFの一端を引き上げ
るようにして、粘着フィルムFと感光性樹脂膜53とを
同時に基板から剥離した。剥離後、図14(c)に示す
ように、基板表面には充填されて形成された電極体パタ
ーンが感光性樹脂膜53の凹部パターンどおりに残存
し、残渣56aの基板への再付着や、局所的に感光性樹
脂膜53の断片が残存することもなく、良好な電極体5
8のパターンを形成することができた。
【0094】このようにして、充填された電極体パター
ンを除いた感光性樹脂膜部分のみを選択的に剥離できる
のは、主として感光性樹脂膜53とガラス基板30との
間の密着力、感光性樹脂膜53とガラスペーストとの間
の密着力、感光性樹脂膜53とRuO2 ペーストとの間
の密着力が、易剥離処理並びに撥油処理により低減して
いることと、充填して形成した電極体58の表面は、ペ
ーストの乾燥による体積収縮と、残渣除去のためのサン
ドブラスト処理により感光性樹脂膜53の表面より僅か
に低い位置にあるからである。なお、乾燥後のペースト
は基板との界面並びにそれ自身の内部が有機バインダー
によって強固に密着或いは保持されているので、表面が
粘着剤に接触してもパターンが損傷することはなかっ
た。
【0095】本実施例のように、基板周縁部分を残して
ガラスペーストの厚膜層51が形成されているような場
合には、感光性樹脂膜53の全面に粘着フィルムFを貼
り付ける方が好ましい。なぜならば、ガラスが露出した
基板周縁部分と厚膜層51が形成された内部では、感光
性樹脂膜53の剥離強度が異なる上に、厚膜層51の縁
にできた前述の段差部分で感光性樹脂膜53は脆弱にな
っており、もし粘着フィルムFを基板周縁部分にのみ貼
り付けて前述のように引き剥がすと、段差部分で感光性
樹脂膜53が断裂してしまう場合があるからである。し
たがって、本実施例のように、基板に段差や感光性樹脂
膜53の剥離強度に差がある領域が形成されている場合
には、全面に粘着フィルムFを貼り付けることが最も好
ましく、感光性樹脂膜53に凹部53aを設けていない
周縁領域にのみ粘着フィルムFを貼り付ける場合には、
剥離強度の異なる領域の境界や段差部分を跨ぐようにし
て粘着フィルムFを貼り付けるのが好ましい。
【0096】上述のごとく、充填マスクたる感光性樹脂
膜53を基板に積層する前に、基板表面を易剥離処理し
ておくことにより、感光性樹脂膜53と基板との密着力
が弱まり、また、充填工程前に感光性樹脂膜53に設け
た凹部53aの壁面を撥油処理しておくことにより、感
光性樹脂膜53とペースト材料との密着力が弱まり、な
おかつ、粘着剤と感光性樹脂膜53との界面の接着強度
が、基板と感光性樹脂膜53の界面の接着強度よりも強
い粘着フィルムFを感光性樹脂膜53の表面に一旦貼り
付けてから引き剥がすことにより、感光性樹脂膜53を
粘着フィルムと同時に迅速に剥離することができる。
【0097】従来は、充填マスクたる感光性樹脂膜は、
専用の剥離液を用いて剥離していた。例えば、フィルム
状感光性樹脂膜の剥離液には、水酸化ナトリウムや水酸
化カリウム、モノエタノールアミン、トリエタノールア
ミン、アンモニア等のアルカリ性水溶液を用いていた。
しかしながら、本実施例に用いたRuO2 ペーストにお
いては、アルカリ金属イオンを含む液体に浸漬すると、
ペースト中にアルカリ金属イオンが浸透して残存し、電
極体毎に導電率のバラツキを招いたり、或いは例えばア
ルカリ金属イオンを含まない液体であっても、アルカリ
性の液体に長時間浸漬すると、RuO2 ペーストに含有
される有機バインダーに悪影響を及ぼして基板と抵抗体
の密着力が弱まるという問題があった。また、除去処理
を経てもなお僅かに感光性樹脂膜表面に残存する微細な
残渣粉末が剥離液中に分散して、剥離後露出した基板表
面に再付着して除去できなくなるという問題もあった。
【0098】さらに、本実施例の如く、ガラスペースト
厚膜層51の縁に形成されているような段差が存在する
と、感光性樹脂膜53のこの部分には微細な亀裂の集合
が生じやすくなっており、例えサンドブラスト処理によ
り残渣56aの除去を行っても、微細な亀裂の奥に埋め
込まれるようにして残った残渣56aを完全に除去する
ことは困難であった。従来の剥離液への浸漬による感光
性樹脂膜の剥離方法では、前記亀裂の集合をきっかけと
して段差部分で感光性樹脂膜が断裂するようにして剥が
れ、亀裂に埋め込まれていた残渣が基板表面に付着して
しまう不都合があった。とりわけ、取り出し端子部分を
横断する段差箇所では、このようにして導電性ペースト
が付着してしまうと電極の短絡となるので問題であっ
た。
【0099】本発明によれば、アルカリ性の液体を用い
ないので耐アルカリ性の脆弱な材料に対してまったく問
題を生じない。また、作業員や周辺設備に特別な耐アル
カリ性の防護装備が必要でない上に、感光性樹脂膜の剥
離は完全にドライなプロセスとなって、粘着フィルムの
積層と剥離だけで完了するので、浸漬、洗浄、乾燥の各
処理が必要であった従来技術に比べ、水まわりの設備が
不必要になり、剥離工程にかかわる設備が簡略化し、所
要時間が大幅に短縮され、廃液処理等に留意する必要も
なくなる。残渣は前述の段差部分の亀裂に埋め込まれて
いるものも含め、一括して感光性樹脂膜と粘着フィルム
の界面に取り込まれているので、基板に再付着する可能
性は皆無である。さらには感光性樹脂膜やペースト残渣
の回収や廃棄が簡便になる。
【0100】この後、基板をピーク温度550℃、保持
時間約8分間で焼成し、ガラスペーストとRuO2 ペー
ストを基板に固着させ、絶縁体層と電極体パターンの形
成を終了した。焼成後における絶縁体層57の膜厚は約
30μm、電極体58は絶縁体層57の表面からさらに
約20μm突出した所望の形状になった。
【0101】以下の工程は従来の技術と同様なので概略
的に説明するが、放電セルを規定する障壁をスクリーン
印刷法或いはサンドブラスト法で形成し、放電セル内に
蛍光体をスクリーン印刷法で充填した後、サンドブラス
ト法で電極体を露出せしめるような形状の蛍光面を形成
した。さらに、この背面板と第1実施例で述べたような
方法で形成した前面板とを合わせて、ガス(Ne−Xe
或いはHe−Xe)の封止を行い、目的とするPDPを
作製した。
【0102】また、上記の実施例では、PDPの厚膜パ
ターン形成に本発明を適用した例のみを示したが、本発
明による厚膜パターン形成方法はこれに限定されるもの
ではなく、現在、セラミック等の基板上に導電性ペース
トと絶縁体ペーストを交互に印刷し、或いは抵抗体ペー
ストを印刷し、乾燥、焼成を繰り返して作製している厚
膜ハイブリッドICやモジュール等のパターン形成にも
応用可能である。特に、絶縁体層中にバイアホールを形
成して上下層間を接続する構造の形成に、第3実施例に
示したような突起状の電極体を形成する方法を応用する
ことは有効である。したがって、本発明により微細化、
高精細化した信頼性の高い集積回路等をも提供すること
ができる。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、フォト
リソグラフィー法でパターン化した感光性樹脂膜の剥離
工程を伴う充填法により基板上に厚膜パターンを形成す
るに際し、充填工程後、粘着フィルムを充填マスクたる
感光性樹脂膜上に積層し、基板から引き剥がすことによ
って感光性樹脂膜の剥離するようにしたので、簡易な手
順によるドライプロセスによってパターンや基板に損傷
を与えることなく短時間で剥離を行って良好な形状の厚
膜パターンを形成することができる。しかも、専用のア
ルカリ性剥離液を使用していた従来の方法では困難であ
った安全や環境に対する要求にも充分応えることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の厚膜パターン形成方法を利用して製造
するのが好適なDC型プラズマディスプレイパネルの一
構成例を示すもので、(a)はパネル前面から透視した
平面図、(b)は(a)のX−X断面図である。
【図2】前面板を構成するガラス基板上に2層構造の陰
極のうちの下層電極を形成する手順を示す工程図であ
る。
【図3】下層電極を形成したガラス基板上に上層電極を
形成する手順を示す工程図である。
【図4】図4に続く工程図である。
【図5】粘着フィルムを感光性樹脂膜のパターンが形成
されていない周縁領域にのみ積層した一例を示す平面図
である。
【図6】図5の形態で積層した粘着フィルムを剥がす状
態を示す説明図である。
【図7】粘着フィルムを感光性樹脂膜のパターンが形成
されていない周縁領域にのみ積層した他の例を示す平面
図である。
【図8】背面板を構成するガラス基板上に陽極パターン
を形成する手順を示す工程図である。
【図9】陽極パターンを形成したガラス基板上に抵抗体
パターンを形成する手順を示す工程図である。
【図10】図9に続く工程図である。
【図11】図10に続く工程図である。
【図12】陽極パターンと抵抗体パターンが形成された
基板上に電極体と絶縁体層を同時に形成する手順を示す
工程図である。
【図13】図12に続く工程図である。
【図14】図13に続く工程図である。
【符号の説明】
20…ガラス基板、21…Ag厚膜層、22…感光性樹
脂膜、23…遮光マスク、24…下層電極、25…表面
改質剤、26…感光性樹脂、26a…凹部、27…遮光
マスク、28…ペースト材料、28a…残渣、29…上
層電極 30…ガラス基板、31…Au厚膜層、32…感光性樹
脂膜、33…遮光マスク、34…陽極、35…表面改質
剤、36…感光性樹脂膜、36a…凹部、37…遮光マ
スク、38…表面改質剤、39…ペースト材料、39a
…残渣、40…抵抗体 41…RuO2 厚膜層、42…表面改質剤、43…感光
性樹脂膜、44…遮光マスク、45…抵抗体 51…厚膜層、52…表面改質剤、53…感光性樹脂
膜、53a…凹部、54…遮光マスク、55…表面改質
剤、56…ペースト材料、57…絶縁体層、58…電極
体 F…(片面)粘着フィルム、Fa…粘着剤層

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に厚膜パターンを形成する方法に
    おいて、少なくとも次の各工程を含むことを特徴とする
    厚膜パターン形成方法。 (1)基板上に感光性樹脂膜を積層する工程。 (2)前記感光性樹脂膜をフォトリソグラフィー法でパ
    ターン化して凹部を形成する工程。 (3)前記感光性樹脂膜の凹部にペースト材料を充填し
    て乾燥する工程。 (4)前記感光性樹脂膜に粘着フィルムを積層し、当該
    粘着フィルムと前記感光性樹脂膜を同時に基板から剥離
    する工程。 (5)前記基板全体を焼成し、前記ペースト材料を基板
    上に固着させる工程。
  2. 【請求項2】 前記粘着フィルムを前記感光性樹脂膜の
    全面に積層するようにした請求項1に記載の厚膜パター
    ン形成方法。
  3. 【請求項3】 前記粘着フィルムを前記感光性樹脂膜に
    おける凹部が形成されていない周縁領域にのみ積層する
    ようにした請求項1に記載の厚膜パターン形成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載の厚膜パタ
    ーン形成方法において、前記基板上に感光性樹脂膜を積
    層する工程に先んじて、前記基板表面に表面改質剤を塗
    布して易剥離処理を行うことを特徴とする厚膜パターン
    形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の厚膜パターン形成方法
    において、前記感光性樹脂膜の凹部にペースト材料を充
    填する工程に先んじて、サンドブラスト加工を行って、
    前記凹部底面を粗面化することを特徴とする厚膜パター
    ン形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4の何れかに記載の厚膜パタ
    ーン形成方法において、前記感光性樹脂膜の凹部にペー
    スト材料を充填する工程に先んじて、少なくとも前記感
    光性樹脂膜の凹部を全て含む領域に表面改質剤を塗布
    し、前記凹部の壁面を撥油処理することを特徴とするす
    る厚膜パターン形成方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の厚膜パターン形成方法
    において、前記凹部を撥油処理した後、サンドブラスト
    加工を行って、前記凹部底面を粗面化することを特徴と
    する厚膜パターン形成方法。
  8. 【請求項8】 基板上に厚膜パターンを形成する方法に
    おいて、少なくとも次の各工程を含むことを特徴とする
    厚膜パターン形成方法。 (1)基板上に第1のペースト材料を塗布して乾燥させ
    ることにより厚膜層を形成する工程。 (2)前記厚膜層上に感光性樹脂膜を積層する工程。 (3)前記感光性樹脂膜をフォトリソグラフィー法でパ
    ターン化して凹部を形成する工程。 (4)前記感光性樹脂膜を耐サンドブラスト用マスク材
    としてサンドブラスト加工を行い、前記厚膜層の不要部
    分を除去して凹部を形成する工程。 (5)前記厚膜層の凹部に第2のペースト材料を充填し
    て乾燥する工程。 (6)前記感光性樹脂膜に粘着フィルムを積層し、当該
    粘着フィルムと前記感光性樹脂膜を同時に基板から剥離
    する工程。 (7)前記基板全体を焼成し、前記第1及び第2のペー
    スト材料を基板上に固着させる工程。
  9. 【請求項9】 前記粘着フィルムを前記感光性樹脂膜の
    全面に積層するようにした請求項8に記載の厚膜パター
    ン形成方法。
  10. 【請求項10】 前記粘着フィルムを前記感光性樹脂膜
    における凹部が形成されていない周縁領域にのみ積層す
    るようにした請求項8に記載の厚膜パターン形成方法。
  11. 【請求項11】 請求項8〜10の何れかに記載の厚膜
    パターン形成方法において、前記厚膜層上に前記感光性
    樹脂膜を積層する工程に先んじて、少なくとも前記厚膜
    層が形成されていない部分を含む領域に表面改質剤を塗
    布して易剥離処理を行うことを特徴とする厚膜パターン
    形成方法。
  12. 【請求項12】 請求項8〜11の何れかに記載の厚膜
    パターン形成方法において、サンドブラスト加工により
    前記厚膜層の不要部分を除去して凹部を形成する工程に
    先んじて、少なくとも前記感光性樹脂膜に形成された凹
    部を全て含む領域に表面改質剤を塗布し、当該凹部の壁
    面を撥油処理することを特徴とする厚膜パターン形成方
    法。
JP24278695A 1995-09-21 1995-09-21 厚膜パターン形成方法 Pending JPH0992141A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24278695A JPH0992141A (ja) 1995-09-21 1995-09-21 厚膜パターン形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24278695A JPH0992141A (ja) 1995-09-21 1995-09-21 厚膜パターン形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0992141A true JPH0992141A (ja) 1997-04-04

Family

ID=17094277

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24278695A Pending JPH0992141A (ja) 1995-09-21 1995-09-21 厚膜パターン形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0992141A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7060152B2 (en) * 2002-09-12 2006-06-13 Lg Electronics Inc. Method of fabricating electrode of plasma display panel using photo-peeling method
JP2006332588A (ja) * 2005-05-26 2006-12-07 Korea Advanced Inst Of Science & Technology コンデンサー用電極層とコンデンサー用電極層の製造方法、その電極層を用いた単位センサー、及びその単位センサーを用いた触覚センサー

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7060152B2 (en) * 2002-09-12 2006-06-13 Lg Electronics Inc. Method of fabricating electrode of plasma display panel using photo-peeling method
CN100440416C (zh) * 2002-09-12 2008-12-03 Lg电子株式会社 利用光剥落方法制造等离子显示板的电极的方法
JP2006332588A (ja) * 2005-05-26 2006-12-07 Korea Advanced Inst Of Science & Technology コンデンサー用電極層とコンデンサー用電極層の製造方法、その電極層を用いた単位センサー、及びその単位センサーを用いた触覚センサー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0992141A (ja) 厚膜パターン形成方法
JPH0992140A (ja) 厚膜パターン形成方法
JPH0976155A (ja) 厚膜パターン形成方法
JPH08335439A (ja) Dc型プラズマディスプレイパネルの陰極及びその形成方法
JP3655026B2 (ja) 厚膜パターンの形成方法
KR100312650B1 (ko) 플라즈마디스플레이패널의전극형성방법
JP2000215795A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2768877B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JPH09315026A (ja) メタルマスク及びその製造方法
JPH04259733A (ja) ガス放電型表示パネルの製造方法
JP3003119B2 (ja) 表示素子用電極板およびその製造方法
JP2518249B2 (ja) スル−ホ−ル基板の製法
JP4590664B2 (ja) プラズマアドレス液晶パネルの背面板及びその製造方法
JP3310407B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの障壁形成方法
JPH04249033A (ja) ガス放電型表示パネル及びその製造方法
JPH0982218A (ja) 厚膜パターン形成方法及び該形成方法を用いて作製したプラズマディスプレイパネル
JP2999530B2 (ja) バリアリブ形成方法
JP3636845B2 (ja) 微細隔壁の形成方法
JP4055479B2 (ja) プラズマディスプレイ装置の製造方法
JPH04282531A (ja) ガス放電型表示パネルの製造方法
JPH0521009A (ja) カラー陰極線管の製造方法
JPH0745191A (ja) プラズマディスプレイパネルの障壁形成方法
JPS58145133A (ja) リフトオフパタ−ン形成方法
JPH08167373A (ja) 気体放電表示パネルにおける電極の形成方法
JPH09130017A (ja) 電極形成方法