JP3655026B2 - 厚膜パターンの形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気回路素子、表示装置、ガス放電装置などにおいて厚膜パターンを形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、薄型に適したディスプレイ装置として注目されているプラズマディスプレイには、図3に示すような構成とされたものがある。このプラズマディスプレイは、互いに対向して配置された背面基板50と前面基板51を備えており、さらには、背面基板50と前面基板51との間に隔壁49を介装している。背面基板50には、画素毎に設けられた放電電極53と、放電電極53に沿って図中、画素の垂直1ライン毎に設けられた陽極母線54と、陽極母線54と放電電極53とを接続する抵抗体55とが形成され、その上に絶縁層52が形成されている。絶縁層52には、放電空間となるコンタクト穴56が形成されている。コンタクト穴56は放電電極53上に形成されている。前面基板51は透明基板からなっており、前面基板51の絶縁層側面には陰極57が形成されている。陰極57は図中、画素の水平ライン毎に設けられている。陰極57はコンタクト穴56と位置合わせされている。
【0003】
このように構成されたプラズマディスプレイにおいても、昨今の高画質,大画面要望に応えるため、650μmピッチといった微細な画素形成ピッチで対角20インチ以上の大画面を製造することが求められている。
【0004】
プラズマディスプレイにおいては、抵抗体55の製法が上述した要求に応えるうえでの隘路となっている。すなわち、最も一般的な厚膜パターン(抵抗体55)の形成方法であるスクリーン印刷法では、スクリーンが大型化するほどスクリーンの非線形な伸縮が甚だしくなり、作製した厚膜パターンの位置ズレ、膜厚や形状のバラツキなどが大きくなってしまう。そのため、スクリーン印刷法により、対角20インチ以上の大画面に、650μmピッチといった微細な形成ピッチで抵抗体55を作製することは困難であった。
【0005】
そこで、抵抗体55の製法においては、特開平3−57138号公報に開示された厚膜リフトオフ法が注目されている。以下、厚膜リフトオフ法を図4を参照して説明する。
【0006】
すなわち、図4(a)に示すように、ロールコータ法などにより、基板50’の上に感光性樹脂層60を形成する。次に、図4(b)に示すように、厚膜素子(抵抗体55)を形成する領域に対応した遮光領域61aを有する遮光マスク61を用意し、この遮光マスク61を基板50’上に配置する。そして、遮光マスク61越しに、感光性樹脂層60に紫外線を照射する。次に、図4(c)に示すように、所定の現像液を用いて現像することで、感光性樹脂層60中に開口部62を形成する。
【0007】
さらに、図4(d)に示すように、感光性樹脂層60の開口部62に、厚膜形成用のペースト63をスキージ64を用いて充填する。そして、図4(e)に示すように、スキージ64を基板50’の片側に移動させたのち、図4(f)に示すように、余剰ペースト63aを基板50’から除去する。さらに、図4(g)に示すように、基板50’から感光性樹脂層60を取り除くことで、基板50’に厚膜パターン55’を形成する。
【0008】
このようにして、厚膜パターン55’を形成する厚膜リフトオフ法では、印刷画面を大型化しても、感光性樹脂層60は非線形な伸縮を生じさせないので、対角20インチ以上の大画面に、650μmピッチといった微細な形成ピッチで抵抗体55を作製することが可能となった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、厚膜リフトオフ法による厚膜パターンの形成方法では、基板50’から余剰ペースト63aを手作業で除去するため、余剰ペースト63aを完全に除去することができず、取り切れなかった余剰ペースト63aを残したまま、樹脂層60の除去を行わねばならず、そのために、次のような課題があった。
【0010】
すなわち、余剰ペースト63aの回収及び再利用が不十分とならざるを得ない。抵抗体ペーストといった厚膜形成用ペースト63は高価な材料であり、厚膜形成用ペーストの再利用が不十分であると、その分、製造コストが上昇する。
【0011】
また、感光性樹脂層60の除去工程において、ペースト63が付着してはいけない基板50’の部分に余剰ペースト63aが付着し、このことが特性劣化の原因となる。具体的には、この厚膜パターン形成方法をプラズマディスプレイの製造に採用すると、クロストークや不要な輝点などが発生する原因となる可能性がある。
【0012】
さらには、感光性樹脂層60の除去工程において、余剰ペースト63aが感光性樹脂層60を除去する薬品や容器等を汚染させるので、薬品や容器の寿命を縮め、このことが製造コストを上昇させる原因となる。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、基板上に開口部を有する被覆層を形成したうえで、前記開口部に厚膜形成用のペーストを充填し、さらに、ペースト充填により生じた余剰ペーストを基板上から除去したうえで、被覆層を基板から取り除くことで、基板上に厚膜パターンを形成する厚膜パターンの形成方法において、余剰ペーストを基板上から除去する前に、被覆層表面、もしくは基板端面に接して余剰ペースト受容部材を設け、ペースト充填に際して生じた前記余剰ペーストを余剰ペースト受容部材上に移動させたのち、余剰ペースト受容部材を基板から取り除くことに特徴を有している。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、基板上に開口部を有する被覆層を形成したうえで、開口部に厚膜形成用のペーストを充填し、さらに、ペースト充填により生じた余剰ペーストを基板上から除去したうえで、被覆層を基板から取り除くことで、基板上に厚膜パターンを形成する厚膜パターンの形成方法において、余剰ペーストを基板上から除去する前に、被覆層表面、もしくは基板端面に接して余剰ペースト受容部材を設け、ペースト充填に際して生じた余剰ペーストを余剰ペースト受容部材上に移動させたのち、余剰ペースト受容部材を基板から取り除いており、これにより次のような作用を有する。すなわち、余剰ペーストを乗せた状態で余剰ペースト受容部材を取り除くので、余剰ペーストは確実に被覆層上から除去される。しかも、余剰ペースト受容部材を基板から分離させた状態で、余剰ペースト受容部材から余剰ペーストを取り除くことができるので余剰ペーストを確実に回収することができるうえ、余剰ペーストを取り除く作業中、余剰ペーストで基板等が汚れる恐れもない。
【0015】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に係る厚膜パターンの形成方法において、余剰ペーストを基板上から除去する前に、被覆層上に薄膜体を形成し、この薄膜体を余剰ペースト受容部材として用いており、これにより次のような作用を有する。すなわち、薄膜体からなる余剰ペースト受容部材に余剰ペーストを移動させるので、余剰ペーストを確実に余剰ペースト受容部材上に移動させることができる。しかも、薄膜体からなる余剰ペースト受容部材を基板から分離した状態で、余剰ペースト受容部材から余剰ペーストを取り除くことができるので余剰ペーストを確実に回収することができるうえ、余剰ペーストの取り除き作業中、余剰ペーストで基板等が汚れる恐れもない。
【0016】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1に係る厚膜パターンの形成方法において、余剰ペーストを基板上から除去する前に、平板材を前記基板の端面に接した状態に配設し、この平板材を余剰ペースト受容部材として用いており、これにより次のような作用を有する。すなわち、基板の端面に接した状態に配設した平板からなる余剰ペースト受容部材に余剰ペーストを移動させるので、余剰ペーストを確実に余剰ペースト受容部材上に移動させることができる。しかも、平板材からなる余剰ペースト受容部材を基板から分離した状態で、余剰ペースト受容部材から余剰ペーストを取り除くことができるので余剰ペーストを確実に回収することができるうえ、余剰ペーストの取り除き作業中、余剰ペーストで基板等が汚れる恐れもない。
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明を具体化した実施の形態について説明する。
【0018】
第1の実施の形態
本実施の形態は、図3のプラズマディスプレイの抵抗体55の製造において本発明を実施したものである。以下、抵抗体55の製造の各工程を、図1を参照して説明する。
【0019】
第1工程:感光性樹脂層形成工程
本工程は、背面基板50に感光性樹脂層1を形成する工程である。すなわち、まえもって、背面基板50に、例えば膜厚5μm,電極幅100μm、電極ギャップ100μmの形状を有する陽極母線54と放電電極53とを形成しておく。陽極母線54と放電電極53とはスパッタや蒸着といった製法で形成することができる。
【0020】
一方、保護フィルム膜2によりその表面が覆われた感光性樹脂層材を用意する。感光性樹脂層材としては、例えば、膜厚10μmの保護フィルム膜2で被覆された膜厚50μmのネガ型の固体状感光性樹脂層材(東京応化株式会社製、型番α−450T)を用いることができる。
【0021】
そして、図1(a)に示すように、上記した感光性樹脂層材をラミネート装置(図示省略)を用いて背面基板50に貼着させて、感光性樹脂層1を形成する。この際、感光性樹脂層材は、背面基板50上において、保護フィルム膜2が露出する向きに貼着する。
【0022】
このようにして、背面基板50上に、感光性樹脂層1と保護フィルム膜2とを同時に積層形成するのであるが、この他、保護フィルム膜2を有しない固体状感光性樹脂層材を背面基板50に配設することで感光性樹脂層1’を形成した後、感光性樹脂層1’をポリエチレンテレフタレート(PET)やポリプロピレンからなる保護フィルム2’によって被覆するようにしてもよい。また、感光性樹脂層としては、上述したように、取り扱いの容易な固体状感光性樹脂材を用いるほか、液状感光性樹脂層材を用いてもよい。液状感光性樹脂層材を用いる場合には、液状感光性樹脂層材を背面基板50に塗布した後に乾燥させることにより、感光性樹脂層1を形成する。
【0023】
第2工程:感光性樹脂層パターン形成工程
本工程は、第1工程で形成した感光性樹脂層1のうちの一部を、現像液に不溶な物質に変化させる工程である。すなわち、感光性樹脂層1を形成した背面基板50を約80℃で20分間プリベークした後、図1(b)に示すように、ガラス製の遮光マスク3を介して露光量(25mJ/cm2)で紫外線を照射する。遮光マスク3には感光性樹脂層1の不要な部分に対応した遮光領域3aが形成されており、紫外線を照射された感光性樹脂層1では、遮光領域3aに対向する層領域1aは、そのままの樹脂状態(現像液に溶解する状態)を維持する一方、遮光領域3a以外の遮光マスク3の領域に対向する層領域1bは、現像液に不溶な物質に化学変化する。
【0024】
第3工程:不要フィルム除去工程
本工程は、保護フィルム2の一部を除去して、余剰ペースト受容フィルムを形成する工程である。すなわち、図1(c)に示すように、層領域1aから十分離れた保護フィルム2のフィルム領域2aとそれ以外のフィルム領域とをカッター等により切断したのち、フィルム領域2a以外の保護フィルム膜2を感光性樹脂層1上から除去する。保護フィルム2の切除により残存させたフィルム領域2aが、余剰ペースト受容部材となる。
【0025】
なお、第2,第3工程を逆に行うようにしてもよい。すなわち、上述した第1工程を行ったのち、まず第3工程を行い、そのうえで第2工程を行うようにしてもよい。
【0026】
また、上述した説明では、保護フィルム2の切断動作を、余分な保護フィルム2の除去動作の直前に行うように説明したが、保護フィルム2の切断動作と除去動作とを分割し、上述した第1工程の直後に切断動作を行う一方、第2工程の直後に除去動作を行うようにしてもよい。さらには、切断しやすいような切目等の加工を予め保護フィルム2に施すことで、保護フィルム2の切断動作を削除してもよい。
【0027】
第4工程:開口部形成工程
本工程は、抵抗体ペースト4を充填する開口部1cを感光性樹脂層1に形成する工程である。すなわち、図1(d)に示すように、フィルム領域2aを残存させた背面基板50に対し、現像液(0.5wt%の炭酸水素ナトリウム水溶液)を噴霧し、感光性樹脂層1のうち紫外線露光されていない層領域1aのみを選択的に除去する。層領域1aを除去した後、純水を噴霧することにより、残余の現像液を背面基板50上から洗い流す。これにより、感光性樹脂層1に開口部1cを形成する。
【0028】
なお、現像液によってフィルム領域2aに膨潤などの変化がある場合には、後述する抵抗体ペースト4の除去動作に支障を来す。そのような場合には、例えば、次のようにすればよい。すなわち、現像液を塗布する感光性樹脂層1の層領域1aからフィルム領域2aをできるだけ離間させたうえで、層領域1a上に選択的に現像液を噴霧することで、現像液がフィルム領域2aに接触しないようにすればよい。
【0029】
なお、上述した第1〜第4工程では、紫外線硬化樹脂によるパターニングの例(いわゆるネガ型)を述べた。紫外線硬化樹脂の利用は、容易に厚膜パターニングが形成できる点でもっとも望ましいが、本発明は、紫外線分解樹脂(いわゆるポジ型)によるパターニングや、電子線によるパターニング、熱によるパターニングなど、樹脂をパターニングできれば、パターニングの手法は問わない。
【0030】
第5工程:抵抗体ペースト充填工程
本工程は、感光性樹脂層1の開口部1cに抵抗体ペースト4(例えば、イー・エス・エル社製、品番3100)を充填する工程である。すなわち、図1(e)に示すように、開口部1cを挟んでフィルム領域2aと対向する感光性樹脂層1の表面部位に抵抗体ペースト4を置き、さらに開口部1cに対して抵抗体ペースト4よりも離間する側にスキージ5の端部を配置する。
【0031】
そして、図1(f)に示すように、スキージ5をゆっくりとした一定の速度で、感光性樹脂層1の表面を開口部1cに向かって掃引させて、開口部1cに抵抗体ペースト4を充填する。そして、開口部1cを抵抗体ペースト4によって充填したのち、スキージ5の掃引を継続して余剰の抵抗体ペースト4aをフィルム領域2a上まで移動させる。
【0032】
第6工程:フィルム除去工程
本工程は、感光性樹脂層1上からフィルム領域2aを除去する工程である。すなわち、スキージ5によって余剰の抵抗体ペースト4aをフィルム領域2aまで移動させたのち、図1(g)に示すように、フィルム領域2aを余剰の抵抗体ペースト4aごと背面基板50から除去する。
【0033】
本工程は、きわめて簡便な工程でありながら、背面基板50及びその周辺部を余剰の抵抗体ペースト4aにより汚すことがない。また、余剰の抵抗体ペースト4aは、フィルム領域2aごと確実に背面基板50上から取り去ることができるうえ、背面基板から取り去ったのち、余剰の抵抗体ペースト4a自体をフィルム領域2aから分離することも容易にかつ確実に行うことが可能であり、除去した余剰の抵抗体ペースト4aの再利用効率は高まる。しかも、フィルム領域2aから余剰の抵抗体ペースト4aを取り除く作業中において背面基板50等が余剰の抵抗体ペースト4aによって汚れる恐れもない。
【0034】
第7工程:感光性樹脂層除去工程
本工程は、感光性樹脂層1を背面基板50から除去する工程である。すなわち、図1(h)に示すように、フィルム領域2aを余剰の抵抗体ペースト4aごと背面基板50から取り去ったのち、感光性樹脂層1を選択的に剥離させる任意の剥離液を噴霧することによって残存している感光性樹脂層1(層領域1b)を除去する。このとき、余剰の抵抗体ペースト4aが背面基板50およびその周辺部に残存していないので、感光性樹脂層除去工程に利用する薬品、容器等が余剰の抵抗体ペースト4aで汚染することはない。
【0035】
第8工程:抵抗体ペースト焼成工程
本工程は、第7工程を経てパターニングされた抵抗体ペースト4を焼成する工程である。すなわち、抵抗体ペースト4がパターニングされた背面基板50を580℃に焼成処理することで、抵抗体ペースト4を抵抗体55にする。これにより全工程は終了する。
【0036】
なお、第6工程から第8工程は、抵抗体55のパターニングのために望ましい工程であるが、本発明に必須の工程ではなく、必要に応じ、第5工程で終了してもかまわない。
【0037】
なお、上述した説明では、剥離によって除去できる感光性樹脂層1を形成して本発明を実施していたが、特定の溶解液によって溶解することで除去できる、いわゆる溶解タイプの感光性樹脂層や、高温加熱による消失によって除去できる、いわゆるバーンアウトタイプの感光性樹脂層など、種々の感光性樹脂層を形成することで本発明を実施することができるのはいうまでもない。なお、バーンアウトタイプの感光性樹脂層を用いれば、第7工程を省略することができる。
【0038】
第2の実施の形態
本実施の形態は、第1の実施の形態と同様、図3のプラズマディスプレイの抵抗体55の製造において本発明を実施したものである。以下、抵抗体55の製造の各工程を、図2を参照して説明する。
【0039】
第1工程:感光性樹脂層形成工程
本工程は、背面基板50に感光性樹脂層1を形成する工程である。
【0040】
まえもって、背面基板50に、例えば膜厚5μm,電極幅100μm、電極ギャップ100μmの形状を有する陽極母線54と放電電極53とを形成しておく。陽極母線54と放電電極53とはスパッタや蒸着といった製法で形成することができる。
【0041】
次に、保護フィルム膜2によりその表面が覆われた感光性樹脂層材を用意する。感光性樹脂層材としては、第1の実施の形態と同様、膜厚10μmの保護フィルム膜2で被覆された膜厚50μmのネガ型の固体状感光性樹脂層材(東京応化株式会社製、型番α−450T)を用いることができる。
【0042】
そして、図2(a)に示すように、上記した感光性樹脂層材をラミネート装置(図示省略)を用いて背面基板50に貼着させて、感光性樹脂層1を形成する。この際、感光性樹脂層材は、背面基板50上において、保護フィルム膜2が露出する向きに貼着する。なお、本実施の形態では、保護フィルム膜2は必ずしも必要としないため、保護フィルム膜2を有しない感光性樹脂層材を用いてもよいし、液状感光性樹脂層材を塗布した後に乾燥させることによって得られる感光性樹脂層を利用してもかまわない。
【0043】
第2工程:感光性樹脂層パターン形成工程
本工程は、第1工程で形成した感光性樹脂層1のうちの一部を、現像液に不溶な物質に変化させる工程である。すなわち、感光性樹脂層1を形成した背面基板50を約80℃で20分間プリベークした後、図2(b)に示すように、ガラス製の遮光マスク3を介して紫外線を露光量(25mJ/cm2)で照射する。遮光マスク3には感光性樹脂層1の不要な部分に対応した遮光領域3aが形成されている。そのため、紫外線を照射された感光性樹脂層1では、遮光領域3aに対向する層領域1aは、そのままの樹脂状態(現像液に溶解する状態)を維持する一方、遮光領域3a以外の遮光マスク3の領域に対向する層領域1bは、現像液に不溶な物質に化学変化する。
【0044】
第3工程:保護フィルム除去工程
本工程は、保護フィルム2を除去する工程である。すなわち、本実施の形態では、図2(c)に示すように、保護フィルム2全体を感光性樹脂層1から取り除く。なお、保護フィルム2を有しない感光性樹脂層材を用いたり、液状感光性樹脂層材の塗布により感光性樹脂層1を形成する場合には、この工程は省略できる。
【0045】
第4工程:開口部形成工程
本工程は、抵抗体55を充填する開口部1cを感光性樹脂層1に形成する工程である。すなわち、図2(d)に示すように、背面基板50上の感光性樹脂層1に対し、現像液(0.5wt%の炭酸水素ナトリウム水溶液)を噴霧し、感光性樹脂層1のうち紫外線露光されていない層領域1aのみを選択的に除去する。層領域1aを除去した後、純水を噴霧することにより、残余の現像液を背面基板50上から洗い流す。これにより、感光性樹脂層1に開口1cを形成する。
【0046】
なお、上述した第1〜第4工程では、紫外線硬化樹脂によるパターニングの例(いわゆるネガ型)を述べた。紫外線硬化樹脂の利用は、容易に厚膜パターニングが形成できる点でもっとも望ましいが、紫外線分解樹脂(いわゆるポジ型)によるパターニングや、電子線によるパターニング、熱によるパターニングなど、樹脂をパターニングできれば、パターニングの手法は問わない。
【0047】
第5工程:余剰ペースト受容基板設置工程
本工程は、基板の周辺の一部に、背面基板とは異なる余剰ペースト受容基板10を、背面基板50の端面に配置する工程である。すなわち、図2(e)に示すように、表面が平滑でかつ高い耐薬品性を有する余剰ペースト受容基板10を、基板表面が背面基板50上の感光性樹脂層1と同一面となるように配置する。このとき、余剰ペースト受容基板10は、背面基板50の端面に接することが望ましい。
【0048】
第6工程:抵抗体ペースト充填工程
本工程は、感光性樹脂層1の開口部1cに抵抗体ペースト4(例えば、イー・エス・エル社製、品番3100)を充填する工程である。すなわち、図2(e)に示すように、開口部1cを挟んで余剰ペースト受容基板10と対向する感光性樹脂層1の表面位置に抵抗体ペースト4を置き、さらに開口部1cに対して抵抗体ペースト4よりも離間する側にスキージ5の端部を配置する。
【0049】
そして、図2(f)に示すように、スキージ5をゆっくりとした一定の速度で、感光性樹脂層1の表面を開口部1cに向かって掃引させて、開口部1cを抵抗体ペースト4によって充填する。開口部1cを抵抗体ペースト4によって充填したのち、スキージ5の掃引を継続して余剰の抵抗体ペースト4aを余剰ペースト受容基板10上まで移動させる。
【0050】
第7工程:余剰ペースト受容基板除去工程
本工程は、感光性樹脂層1から余剰ペースト受容基板10を除去する工程である。すなわち、スキージ5によって余剰の抵抗体ペースト4aを余剰ペースト受容基板10まで移動させたのち、図2(g)に示すように、余剰ペースト受容基板10を余剰の抵抗体ペースト4aごと背面基板50から取り去る。
【0051】
本工程は、きわめて簡便な工程でありながら、背面基板50及びその周辺部を余剰の抵抗体ペースト4aにより一切汚すことない。さらには、余剰の抵抗体ペースト4aは、余剰ペースト受容基板10ごと確実に背面基板50上から取り去ることができるうえ、背面基板50から取り去ったのち、余剰の抵抗体ペースト4a自体を余剰ペースト受容基板10から分離することも容易にかつ確実に行うことが可能であり、除去した余剰の抵抗体ペースト4aの再利用効率は高まる。しかも、フィルム領域2aから余剰の抵抗体ペースト4aを取り除く作業中において背面基板50等が余剰の抵抗体ペースト4aによって汚れる恐れもない。
【0052】
第8工程:感光性樹脂層除去工程
本工程は、感光性樹脂層1を背面基板50から除去する工程である。すなわち、図2(h)に示すように、余剰ペースト受容基板10を余剰の抵抗体ペースト4aごと背面基板50から取り去ったのち、感光性樹脂層1を選択的に剥離させる任意の剥離液を噴霧することによって残存している感光性樹脂層1(層領域1b)を除去する。このとき、背面基板50及びその周辺部が余剰の抵抗体ペースト4aによりほとんど汚れていないので、感光性樹脂層除去工程に利用する薬品、容器等の汚染も起きない。
【0053】
第9工程:抵抗体パターン焼成工程
本工程は、第7工程を経てパターニングされた抵抗体ペースト4を焼成する工程である。すなわち、抵抗体ペースト4がパターニングされた背面基板50を580℃に焼成処理することで、抵抗体ペースト4を抵抗体55にする。これにより全工程は終了する。
【0054】
上述した各実施の形態では、抵抗体55の形成において本発明を実施していたが、本発明は、電極、誘電体、絶縁体、半導体など、あらゆる厚膜パターニングに適用可能であることはいうまでもない。
【0055】
【発明の効果】
以上のように本発明は、樹脂層表面、もしくは基板端面に接して設けた余剰ペースト受容部材に余剰ペーストを移動させたうえで、余剰ペースト受容部材を基板から取り除くので、余剰のペーストの除去がきわめて容易になると同時に、基板及び基板周辺部の汚染を防止することが可能になり、高いペースト利用効率と、高い作業効率という、顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態における厚膜パターン(抵抗体55)の形成方法の各工程を示す断面図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態における厚膜パターン(抵抗体55)の形成方法の各工程を示す断面図である。
【図3】プラズマディスプレイの構造を示す一部切欠平面図である。
【図4】 従来の厚膜形成方法の各工程を示す断面図である。
【符号の説明】
50 背面基板 53 放電電極
54 陽極母線 55 抵抗体
1 感光性樹脂層 1c 開口部
2 保護フィルム膜 3 遮光マスク
4 抵抗体ペースト 4a 余剰の抵抗体ペースト
10 余剰ペースト受容基板

Claims (3)

  1. 基板上に、開口部を有する被覆層を形成したうえで、開口部に厚膜形成用ペーストを充填し、さらに、ペースト充填により生じた余剰ペーストを基板上から除去したうえで、被覆層を基板から取り除くことで、基板上に厚膜パターンを形成する厚膜パターンの形成方法であって、
    余剰ペーストを基板上から除去する前に、被覆層表面、もしくは基板端面に接して余剰ペースト受容部材を設け、ペースト充填に際して生じた余剰ペーストを余剰ペースト受容部材上に移動させたのち、余剰ペースト受容部材を基板から取り除くことを特徴とする厚膜パターンの形成方法。
  2. 請求項1記載の厚膜パターンの形成方法であって、余剰ペーストを基板上から除去する前に、被覆層上に薄膜体を配置し、この薄膜体を余剰ペースト受容部材として用いることを特徴とする厚膜パターンの形成方法。
  3. 請求項1記載の厚膜パターンの形成方法であって、余剰ペーストを基板上から除去する前に、平板材を基板の端面に接した状態に配設し、この平板材を余剰ペースト受容部材として用いることを特徴とする厚膜パターンの形成方法。
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