JPH0991695A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH0991695A
JPH0991695A JP7241493A JP24149395A JPH0991695A JP H0991695 A JPH0991695 A JP H0991695A JP 7241493 A JP7241493 A JP 7241493A JP 24149395 A JP24149395 A JP 24149395A JP H0991695 A JPH0991695 A JP H0991695A
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coating liquid
coating
magnetic
layer
binder resin
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JP7241493A
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English (en)
Inventor
Nobuo Okazaki
伸雄 岡崎
Ken Kaneko
研 金子
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁気記録媒体の磁性層の平滑化処理工程におけ
る、非磁性支持体表面にの応力により離脱しやすいフィ
ラー等の離脱を防止し、その離脱物に起因にしていた磁
性層表面平滑性及び電気特性の低下を防止する。 【解決手段】非磁性支持体上に磁性層形成用塗布液を塗
布する前に、当該支持体の裏面にバックコート層形成用
塗布液を塗布し硬化処理を施しておく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体の製造
方法に関し、更に詳しくはオーディオ用、ビデオ用、コ
ンピュータ用等の、高密度記録用テープとして供される
磁気記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気テープに対する記録密度の高
密度化の要求がますます高まっている。特にビデオテー
プレコーダー用テープの高画質化、コンピュータ用テー
プの大容量化の要請は、より一層の記録波長の短波長
化、トラック幅の狭帯化、テープの薄膜化を推し進める
要因となっている。このような状況の中、磁気記録の高
密度化を実現させるために、テープの再生出力を従来よ
り向上させる必要が生じ、最近では強磁性金属粉末を用
いた磁気記録媒体による、従来の酸化鉄系磁性粉末を用
いたテープの置き換えが進んでいる。
【0003】高再生出力のためには、テープとヘッドと
の接触をより一層密にする必要があり、テープの磁性層
の表面性に対しては、ますます平滑性が要求されるよう
になった。また記録波長が短くなることによって、良好
なドロップアウト特性を確保するためには、スペーシン
グロスをますます小さく抑えなくてはならず、その意味
でも磁性層表面の平滑性が要求されている。
【0004】このような短波長記録においては、テープ
上に存在する僅かの異物やまた異物に起因する凹凸が、
大きなドロップアウトを引き起こすため、以前にもまし
てこれらの異物の混入、および発生を抑制しなくてはな
らない。これら異物の混入経路としては、空中に浮遊す
るごみ、ほこりの他、塗料中に含まれるフィルタレーシ
ョン出来なかった異物や、凝集物が考えられるが、非磁
性支持体であるベースフィルム中に含まれる、フィラー
類の離脱によるドロップアウト発生も見逃せない。
【0005】これらフィラー類は、磁気記録媒体のベー
スフィルム面に走行安定性と帯電防止性能を与えるため
に不可欠であると考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁性層
を先に設ける従来の磁気記録媒体の製造時に、ベースフ
ィルム面が、塗工機やカレンダー機を走行する際、その
表面がガイドロール等と擦れ合うことによる削れの発生
によってフィラーが離脱し、この脱落粉が先に形成され
た磁性層に付着してドロップアウトの原因となることが
あった。
【0007】例えばカレンダー機による平滑化処理工程
においては、磁性層の反対側の面もカレンダーロールに
よって強い圧力を受ける。とくに磁性層と反対側のベー
スフィルム面に当たるロールが樹脂ロールのときは、カ
レンダー工程中の高圧力によって樹脂ロールが変形する
ため、樹脂ロールとベースフィルム表面との間にすべり
が発生し、非塗布面であるベースフィルム表面が、樹脂
ロールからの強いシェア力を受ける。このため、ベース
フィルム面上のフィラーに強いストレスがかかって、そ
の離脱が発生しやすい状況となる。
【0008】とくに最近の様に、以前にもまして磁性面
の平滑化が要請される状況では、カレンダー工程を高圧
力と高温度で実施する事が多く、平滑な磁性面を形成す
るための工程であるにもかかわらず、かえってフィラー
の離脱によって磁性面の平滑性を損なってしまうという
事態が発生していた。
【0009】また硬化処理工程においては、重ね巻きに
された原反が、加熱による温度変化によって形状変化を
起こすが、この際、原反のベースフィルム面と磁性層表
面とが擦れあい、平滑化処理工程時と同様のフィラーの
離脱が発生する。とくに、硬化処理工程時の巻芯部分で
この現象が顕著であった。
【0010】即ち、本発明が解決しようとする課題は、
磁性層の塗布工程中、あるいは平滑化、硬化処理工程中
に、ベースフィルム表面からのフィラーの離脱が発生せ
ず、ドロップアウトがより起こりにくい磁気記録媒体を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる状
況に鑑み鋭意検討を重ねた結果、従来の様にベースフィ
ルム上の片面に磁性層のみを設ける磁気記録媒体の製造
方法、或いはベースフィルム上に磁性層を設けてから、
その磁性層と反対側のベースフィルム面にバックコート
層を設けるという従来の磁気記録媒体の製造方法を根本
的に改め、磁性層とバックコート層との両方の層を有す
る磁気記録媒体を製造するには、バックコート層を先に
ベースフィルム上に設けてから、それと反対側のベース
フィルム面に磁性層を設ける様にすれば、前記した欠点
において大きな改善が得られることを見い出した。
【0012】即ち本発明は、バインダー樹脂を必須成分
とする硬化性塗布液(A)を、非磁性支持体の片面上に
塗布し、当該塗布面を乾燥硬化させ、しかる後にその反
対側の支持体面に、磁性微粉末とバインダー樹脂を混練
分散した硬化性塗布液(B)を塗布し、塗布液(B)の
塗布面を乾燥させ、平滑化処理した後、硬化処理するこ
とを特徴とする磁気記録媒体の製造方法を提供するもの
である。
【0013】本発明においては、バインダー樹脂を必須
成分とする硬化性塗布液(A)を、外部応力により離脱
しうるフィラー類を含む非磁性支持体の片面上に塗布し
それを乾燥硬化してから、磁性層を形成するための磁性
微粉末とバインダー樹脂を混練分散した硬化性塗布液
(B)を、もう一方の、非磁性支持体が露出した何も塗
布されていないほうの面に塗布し、乾燥し、平滑化処理
してから硬化する点が大きな特徴である。
【0014】すなわち、塗布液(B)の塗工に先立っ
て、塗布液(B)による磁性層の裏面になるであろう側
の非磁性支持体面上に、あらかじめ先ずバックコート層
用の塗布液(A)の塗工を行う。
【0015】このようにすることによって、磁性層形成
のための塗布液(B)塗工時や、カレンダー機による平
滑化処理時の非磁性支持体表面とガイドロール類との接
触を防ぎ、また硬化処理時の非磁性支持体表面と磁性層
表面との直接の接触を防ぐことができるため、非磁性支
持体が摩擦等の外部応力で切断されて離脱したり、非磁
性支持体に含まれるフィラー類の離脱を防止することが
出来る。
【0016】この様な非磁性支持体自身の切断離脱やそ
れに含まれるフィラー類の離脱を防止するには、磁性層
を形成するための塗布液(B)の塗布の前に、バックコ
ート層を形成するための塗布液(A)を、あらかじめよ
く硬化処理させることが大切である。
【0017】本発明では、バックコート層形成のため、
バインダー樹脂を必須成分とする塗布液(A)を用い
る。この塗布液(A)はバインダー樹脂を必須成分とし
て含んでいればよい。バインダー樹脂のみでは、非磁性
支持体に塗布するには塗布粘度が高い場合には、それの
調節のために、有機溶剤を加えて、バインダー樹脂有機
溶剤溶液とし、それを塗布液(A)として用いることも
出来る。
【0018】バックコート層形成のために用いられるバ
インダー樹脂成分としては、例えば、塩化ビニル系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、ア
クリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニ
ルブチラール系樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、
ブタジエン・アクリロニトリル系共重合体、ポリウレタ
ン系樹脂及びウレタンエポキシ系樹脂等を挙げることが
出来る。バインダー樹脂成分は、これらを組み合わせて
使用することもできる。中でも、熱可塑性塩化ビニル系
樹脂と、熱可塑性ポリウレタン系樹脂とを併用するのが
好ましい。
【0019】本発明の塗布液(A)には、硬化皮膜から
なるバックコート層が、より高い硬度とするため、或い
はバインダー樹脂のみでは硬化性が不充分な場合には、
硬化剤を併用することも出来る。この様な硬化剤として
は、公知慣用の硬化剤がいずれも使用できるが、ポリイ
ソシアネート系硬化剤が好適である。ポリイソシアネー
ト系硬化剤としては、例えば2,4−トリレンジイソシ
アネート、1,6−ヘキサブチレンジイソシアネート、
トリイソシアネートなどが使用できる。
【0020】また塗布液(A)を調製するに当たって
は、その他添加剤として、分散剤、潤滑剤、安定剤など
を用いることができる。
【0021】分散剤としては、ミリスチン酸、ステアリ
ン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の脂肪酸また、これ
ら脂肪酸のアルカリ金属塩、レシチン等が使用される。
【0022】また潤滑剤としては、上記脂肪酸に加え、
上記脂肪酸と一価のアルコールとからなる脂肪酸エステ
ル、各種シリコーン等が使用できる。
【0023】塗布液(A)を調製する際に通常用いられ
る有機溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン、酢酸ブチル、トルエン、n−ヘキサン等を使用
することができる。
【0024】塗布液(A)を調製する場合には、公知慣
用の混練分散機を用いることが出来るが、例えばボール
ミル、サンドミル、ピンミル等で行うことができる。必
要に応じて、ニーダミル、ヘンシェルミキサー等を用い
てプレミキシング行っても良い。
【0025】塗布液(A)を調製するには、通常、前記
硬化剤を除く前記配合を一括して分散混合し、塗布直前
に硬化剤を添加することが好ましい。
【0026】さて、従来の磁性層をバックコート層より
先に非磁性支持体に塗布して磁気記録媒体を得る方法で
は、磁性層を形成するための塗布液を塗布する時また
は、カレンダー機による平滑化処理を行う時に、それが
塗布された非磁性支持体原反を巻き取った際、磁性層を
形成するための塗布液の塗布面と非磁性支持体面とが直
接接触して折り重なって巻き取られるため、用いる非磁
性支持体が、表面上にフィラー類が露出したものであれ
ば、それによる凹凸が平滑な磁性層面に裏写りして、磁
性層面自体の平滑性を損なう現象も発生していた。硬化
処理工程時にこの裏写り現象は最も顕著となる。
【0027】非磁性支持体の両面のうち磁性層を形成す
る塗布液が塗布される側の面は、再生出力を上げるため
極力平滑性が良好に設計される傾向があるが、巻き取り
時に磁性層面と重なり合う非磁性支持体の、裏側の面
(何も塗布されていない未塗布面)に関しては、非磁性
支持体原反を塗工機に安定走行させるため、摩擦係数を
ある程度以上下げなければならず、むしろ非磁性支持体
表面に積極的に突起を形成して作られることが多い。そ
のため、粗面化した非磁性支持体を用いる場合には、そ
の凹凸が磁性層表面へ裏写りすることも、前記した課題
と同様に、避けられないものであった。
【0028】上記した様な場合には、前記した手法に、
バックコート層の形成に用いられる硬化性塗布液(A)
の組成割合とその表面形状を適当にするという手法を採
用することもできる。
【0029】このようにして硬化処理されたバックコー
ト層は、非磁性支持体自身やフィラー類の離脱がないば
かりでなく、より強固な塗膜をもち、磁性層の表面平滑
化処理時に、例えば平滑化処理に用いるカレンダー機の
樹脂ロール等によって、強いシェア力を受けても、凹凸
の裏写りが発生することもない。従って、磁気記録媒体
の磁性層を、より高度の平滑性に保つことができる。
【0030】バックコート層の表面形状の磁性層への裏
写りを防止するという観点からすると、バックコート層
の表面粗さをあまりあらさないことが必要で、これはバ
ックコート層の走行性の確保とは相反する要請である
が、バックコート層のフィラーの種類、粒径、含有量を
制御することにより、非磁性支持体自身の表面よりはる
かに大きな自由度と精度をもって、バックコート層の表
面形状をコントロールすることができ、非磁性支持体自
身やそれに含まれるフィラー類の離脱が無く、裏写り量
を最低限に抑えつつ、加えて良好なテープ走行状態をも
実現することも可能とすることが出来る。
【0031】本発明では、バインダー樹脂を必須成分と
する硬化性塗布液(A)が、バックコート層を形成する
ための塗料として用いられる。また、非磁性支持体やそ
れに含まれるフィラー類の離脱、裏写り及び走行性をい
ずれも兼備する様にさせるためには、顔料とバインダー
樹脂を混練分散した硬化塗布液が用いられる。
【0032】以下に望ましい硬化性塗布液(A)配合
と、バックコート層の表面形状についてさらに詳しく述
べる。バックコート層の表面形状に関しては、走行性確
保のためその表面上に突起を形成させる。そのための表
面突起の形成のさせ方については、バックコート層の走
行性の確保に十分で、なおかつ、ドロップアウトや再生
出力に影響を及ぼす、過度の裏写りが発生しないような
突起高さと突起密度を持ったものとすることが望まし
い。
【0033】このような要求を満たすバックコート層
は、高さ0.15μm以上の突起を500〜50000
個/mm2 の密度で発生させた表面形状とすることによ
って実現させることができる。塗布液(A)が非磁性支
持体上で硬化した時に、その硬化塗膜であるバックコー
ト層表面がこの範囲となる様に、顔料とバインダー樹脂
とを混練分散して塗布液(A)を調製する。
【0034】この範囲より小さい突起高さあるいは突起
密度をもつバック層表面は、裏写へりの影響は少ないも
のの、摩擦係数が上昇し、そのため磁気記録媒体再生装
置であるデッキ内の走行に支障をきたして、S/Nの低
下やドロップアウトの増加、さらには耐久性の低下を引
き起こしやすくなる。また実際の磁性層の塗工工程にお
いて原反搬送のさい、バックコート層表面とガイドロー
ル類との摩擦が大きすぎて、スムーズな搬送ができなく
なる恐れがある。
【0035】また反対に上記範囲より大きい突起密度を
もつバックコート層表面は、磁性層塗工後、平滑化処理
を経た後の硬化処理工程の際、裏写りによって磁性層に
凹部を中心とした変形を多数発生させ、ドロップアウト
の増加や、再生出力、S/Nの低下を引き起こしやすく
なる。
【0036】なかでも望ましいバックコート層の表面形
状は、高さ0.15μm以上の高さの突起の密度が10
00〜10000個/mm2 となるように表面形状を調
整するのがよい。
【0037】前記した表面形状をバックコート層の表面
上に形成する手段としては、種々の顔料粒子を、バイン
ダー樹脂を必須成分とする硬化性塗布液(A)中に添加
する方法が有効である。通常、バックコート層には、平
均粒径10mμ〜100mμ程度の顔料粒子が用いられ
る。
【0038】顔料とバインダー樹脂とを含む塗布液
(A)は、それらを混練して、バインダー樹脂中に顔料
粒子を均一に分散させることにより調製することが出来
る。バインダー樹脂と顔料のみでは粘度が高い場合に
は、混練分散をより容易かつ充分に行うため、或いは塗
布液粘度を適当なものとするために、前記した様な有機
溶剤をそれに併用することができる。
【0039】顔料をも含む塗布液(A)を得るための顔
料としては、公知慣用の有機顔料、無機顔料が使用でき
るが、例えばカーボンブラック、酸化アルミニウム、酸
化チタン、グラファイト、タルク、カオリン、窒化ホウ
素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシ
ウム、酸化亜鉛、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化
珪素等があげられる。中でも無機顔料が好ましく、特に
カーボンブラックが、導電性付与と摩擦係数低減のため
多く用いられる。顔料は、一種の前記化合物であっても
複数の前記化合物の併用であってもよい。この様な顔料
粒子としては、平均粒径0.01μm〜1.0μmの顔
料粒子が用いられる。
【0040】この様な場合の塗布液(A)は、バインダ
ー樹脂100重量部当たり、顔料粒子を70〜90重量
部となる様に調製したものが好ましい。尚、塗布液
(A)の全固形分は、30〜90重量%の範囲に調製す
るのが好ましい。
【0041】さらに摩擦係数を低減し、良好な走行性を
得るためには、その方法の一つとして、バックコート層
を2種の粒子径の異なる、比較的大きい平均粒径の顔料
粒子(以下、大粒径顔料という。)と比較的小さい平均
粒径の顔料粒子(以下、小粒径顔料という。)を併用し
て、表面上に突起を作る方法が用いられる。この様な場
合も、大粒径顔料と小粒径顔料とは、同一化合物であっ
てもよいし、異なった化合物とであってもよい。なかで
も大粒径顔料も小粒径顔料もいずれも、同一種の無機顔
料を用いることが好ましい。
【0042】これら大粒径顔料と小粒径顔料の両方を用
いる場合には、平均粒径及び添加量としては、平均粒径
0.01〜0.1μmの無機顔料粒子と、平均粒径0.
1μmを越えて1.0μmの無機顔料粒子を併用する様
にして、後者に属する大粒径顔料を両顔料粒子中の0.
5〜8重量%となる様に塗布液(A)に含ませることが
効果的であり、より望ましくは、平均粒径0.2〜0.
5μmの無機顔料粒子を前記両顔料粒子中の0.5〜5
重量%となる様に塗布液(A)に含ませることが特に好
ましい。
【0043】この様な塗布液(A)を調製するに当たっ
ては、カーボンブラックを始めとする、1種又は2種類
以上の無機顔料粒子を予め混合しておいて、それを一度
にバインダー樹脂と混合する方法も採用しうるが、それ
ぞれの顔料粒子を単独でバインダー樹脂等と分散、塗料
化し、この後、これらを混合して、塗布直前に硬化剤を
添加して塗布液(A)を調製する方法が望ましい。
【0044】塗布液(A)を調製するに当たっては、上
記した混練分散機を用いたり、プレミキシングを行って
もよいのは勿論である。
【0045】塗布液(A)を用いて、本発明の磁気記録
媒体を作製するには、非磁性支持体上にまず塗布液
(A)を塗布し、バックコート層を形成させ、乾燥、硬
化処理を行ったのち前記支持体の反対面上に、磁性層を
形成するための塗布液(B)を塗布し磁性層を形成させ
る。
【0046】その上にバック層、及び磁性層を形成する
非磁性支持体としては、例えばポリエチレンテレフタレ
ートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポ
リイミドフィルム、アラミドフィルム等の絶縁性フィル
ムを用いることができる。通常、それは膜厚が3〜20
μmのものが用いられる。非磁性支持体は、通常長尺状
のもので巻物が使用される。
【0047】バックコート層を非磁性支持体上に形成さ
せるには、前記塗布液(A)を調製し、それを非磁性支
持体片面上に塗布、乾燥後、硬化させる。塗布液(A)
の塗布する方法としては、公知慣用の方法がいずれも採
用でき、例えばリバースロールコート、グラビアコー
ト、キスコート、キャストコート等を用いることが出来
る。塗布は、例えば長尺状の巻物から引き出した非磁性
支持体原反を搬送させながら行うことが出来る。
【0048】非磁性支持体上に塗布された塗布液(B)
は、その原反搬送中に乾燥される。バックコート層の硬
化条件としては、例えば温度50℃〜70℃で、12時
間〜48時間が適当である。この硬化は、塗膜の硬度が
飽和して一定になるまで行えばよい。長尺状のバックコ
ート層が設けられた非磁性支持体は、通常巻き取られ
て、巻物の状態で硬化される。塗布液(A)に基づいて
形成されるバックコート層の厚さとしては、通常0.3
μm〜2.0μmとすることが望ましい。
【0049】この様にして得られたバックコート層が形
成された非磁性支持体には、磁性層を形成すれば、本発
明の磁気記録媒体を得ることが出来る。
【0050】磁性層を非磁性支持体上に形成させるに
は、バックコート層を形成した反対側の面に、硬化塗布
液(B)を調製後、それを塗布を行い、乾燥後、平滑化
処理を経て硬化させる。
【0051】本発明において使用される塗布液(B)
は、磁性微粉末とバインダー樹脂を混練分散することに
より得ることが出来る。それを調製するために用いる磁
性微粉末としては、公知慣用の磁性粉が使用できるが、
例えば酸化鉄、鉄クロム合金、強磁性金属等が挙げられ
る。磁性微粉末としては、比表面積30〜200m2
gのものが好ましく、中でも比表面積30〜200m2
/gの強磁性金属微粉末が、記録密度等を高めることが
出来る点で好ましい。尚、バインダー樹脂としては、前
記したのと同様なものがいずれも使用できる。
【0052】尚、塗布液(A)中に含める顔料として、
平滑化処理時の応力では破壊されない硬度を有する顔料
を用いて、かつ塗布液(B)に基づく塗膜(磁性層)の
硬度は、前記塗布液(A)中に含まれる顔料の硬度より
も、より高くなる様に調製されたものを用いることが、
裏写りを高度に防止し磁気層をより高平滑性とし、かつ
バックコート層の摩擦係数をより低下させ、その高走行
性を図る上で、最も好ましい。
【0053】塗布液(B)が前記した様な特性を付与し
るものにするに当たっては、例えば磁性微粉末の使用
量、バインダー樹脂及び硬化剤の種類や使用量を選択し
て、化架橋密度をより高めるなどの方法が採用できる。
【0054】塗布液(B)を調製する場合も、前記した
様な有機溶剤を併用することが出来るし、前記した硬化
剤、分散剤、潤滑剤、安定剤の他、研磨剤等も用いるこ
とも出来る。この様な各種添加剤を含んでいても良い、
磁性微粉末が均一に分散した、バインダー樹脂の有機溶
剤溶液を前記塗布液(B)として使用できる。
【0055】磁性層を形成するための塗布液(B)を非
磁性支持体に塗布する方法としては、例えばグラビアコ
ート、ダイコート等を用いることが出来る。
【0056】塗布液(B)は、例えば前記バックコート
層が形成された非磁性支持体の長尺状の巻物から、その
非磁性支持体露出面を引き出し搬送しながら、そこに塗
布される。塗布液(B)は、塗布液(B)の硬化後の厚
さが、通常0.5〜7μm、好ましくは1〜5μmとな
る様に塗布される。
【0057】磁気記録媒体の特性向上のためには、次い
で通常、例えば永久磁石によって搬送しながら配向処理
をされる。磁気記録媒体の磁気特性を向上させ高い電磁
変換特性を実現するには、ソレノイド磁石の採用が望ま
しい。
【0058】配向処理を行った後には、通常乾燥が行わ
れる。この乾燥処理は、通常搬送しながら行われ、例え
ば熱風乾燥、遠赤外線照射、マイクロ波照射等の手段に
より行うことができる。
【0059】次いで、塗布液(B)に基づく塗膜の硬度
が飽和して一定になるよりも前に、その磁性層面の平滑
化が行われる。この平滑化処理は、高温で高圧力下で、
磁性層が設けられた非磁性支持体を、樹脂ロール間を通
過させるカレンダー機に通過させることにより行うこと
が出来る。
【0060】塗布液(B)の硬化条件としては、前記塗
布液(A)の硬化の場合の条件が同様に採用できる。こ
の硬化処理は、磁気層及びバックコート層が形成され
た、長尺状の磁気記録媒体を巻物とした状態で行われる
のが一般的である。
【0061】記録波長の短波長化に伴い、磁性層表面の
平滑化の要求はますますたかまっている。そのため磁気
層表面の平滑化処理条件は、より高温化、より高圧化し
ていく傾向にある。本発明はこのような表面の平滑化処
理工程において、磁性層を先に形成する方法において、
最も懸念される非磁性支持体自身或いはその表面からの
フィラー類の離脱によるドロップアウト上昇、ないしは
その他電気特性の低下に対して、それらを防止する方法
を与えるものであり、さらには、同形成方法において、
磁性層の硬化処理時に、非磁性支持体表面と磁性層表面
とが擦れあうことによって発生する、非磁性支持体自身
やその表面に存在するフィラー類の離脱に対しても解決
を与えるものである。
【0062】またそれと同時に、このバックコート層の
表面形状における、突起高さと突起密度をコントロール
することによって、それの磁性層への裏写りを抑えつ
つ、磁性層塗工時のバックコート層を有さない非磁性支
持体原反の高走行性を、バックコート層を設けた上で同
様の奏する様にするという、高走行性を実現することが
できる。これらの知見は、より高密度の磁気記録媒体を
より高い生産性で製造する上で、その製造工程に非常に
大きな改善をあたえるものである。
【0063】本発明で得られた磁気記録媒体は、所望の
形状・大きさに裁断することにより、カセット、DA
T、ビデオ、フロッピーディスク等の各種磁気記録製品
とすることが出来る。
【0064】
【発明の実施態様】次に本発明の好ましい態様について
説明する。まず膜厚5〜15μmの非磁性絶縁性合成樹
脂フィルムの長尺の巻物を準備する。次いで、熱可塑性
塩化ビニル系樹脂と熱可塑性ポリウレタン系樹脂を前者
/後者(重量比)=50/50〜80/20(重量比)
となる様に、そしてそれらが合計60〜120重量部と
なる様に有機溶剤1000重量部に溶解し、バインダー
樹脂の有機溶剤溶液を調製する。バインダー樹脂100
重量部当たり、平均粒径0.01〜0.1μm及び同
0.2〜0.5μmの各カーボンブラック粉末を、前者
/後者(重量比)=91/9〜98/2となる様に、そ
してそれら合計85〜90重量部をその溶液に混合し、
分散剤と潤滑剤を添加して、塗布直前にポリイソシアネ
ート系硬化剤を前記バインダー樹脂固形分100重量部
当たり30〜50重量部を添加して塗布液(A)を調製
する。
【0065】この塗布液(A)を前記長尺状の非磁性支
持体の巻物を、引き出し搬送しながら、硬化後の膜厚が
0.3〜2μmとなる様に前記塗布液(A)をコーター
塗布し、乾燥してから、恒温恒湿状態で硬化させて、塗
膜表面上に、高さが0.15μm以上の突起が、1mm
2当たり1000〜10000個の範囲となる様にす
る。
【0066】次いで、熱可塑性塩化ビニル系樹脂と熱可
塑性ポリウレタン系樹脂を前者/後者(重量比)=70
/30〜30/70(重量比)となる様に、そしてそれ
らが合計10〜30重量部となる様に有機溶剤100重
量部に溶解し、バインダー樹脂の有機溶剤溶液を調製す
る。これに比表面積30〜200m2の強磁性金属微粉
末を、バインダー樹脂100重量部当たり300〜80
0重量部となる様にそれに混合し、カーボンブラック粉
末、研磨剤、分散剤、潤滑剤を添加して、塗布直前にポ
リイソシアネート系硬化剤を前記バインダー樹脂固形分
100重量部当たり30〜70重量部を添加して塗布液
(B)を調製する。
【0067】前記巻物を引き出し搬送させながら、この
塗布液(B)を、硬化後の膜厚が0.3〜5μmとなる
様に、前記バックコート層が積層されたのと反対側の面
に相当する、非磁性支持体露出面にコーター塗布し、ソ
レノイド磁石で配向処理を行ってから乾燥し、次いで高
温高圧の樹脂ロール間を通過させて、磁性層の平滑化処
理を行い、搬送されている磁気記録媒体を再度巻き取
り、前記したのと同様な条件で硬化させる。
【0068】尚、バックコート層に含まれる顔料粒子
は、前記平滑化処理の応力では破壊されない硬度を有す
るものであり、一方磁性層は顔料粒子の硬度よりも高い
硬度となる様に調製する。この様にして、本発明の好適
な磁気記録媒体を得ることが出来る。
【0069】この様にして得られた長尺状巻物の磁気記
録媒体は、引き出して、所望の幅にスリットして、リー
ル又はカセット筺体に収納することにより、録再機構を
有する磁気記録再生装置に適用することが出来る。
【0070】
【実施例】次に実施例及び比較例を用いて、本発明を更
に詳細に説明する。なお、以下に記載する実施例及び比
較例において、『部』は『重量部』を表す。
【0071】実施例1 以下に示す組成の混合物をボールミルに入れ、十分に混
合分散したのち、塗布直前にポリイソシアネート50部
を加え、膜厚10.5μmの長尺状の、フィラーが表面
に露出し、それが離脱しやす状態にあるポリエチレンテ
レフタレートフィルムを引き出しながら、それに硬化膜
厚が0.6μmとなる様に、そして当該フィルムを搬送
しながら、その片面にコーター塗布を行った。
【0072】 塗布液(A)組成 カーボンブラック(平均粒子径 20mμ) 100部 カーボンブラック(平均粒子径 350mμ) 2部 塩化ビニル系樹脂 70部 ポリウレタン樹脂 50部 レシチン 2部 イソオクチルミリステート 0.5部 メチルエチルケトン 480部 トルエン 480部 シクロヘキサノン 380部
【0073】塗布液(A)が塗布され搬送されている非
磁性支持体を、熱風乾燥してから、巻き取り、60℃で
24時間硬化の後、改めてフィルムを引き出し、搬送さ
せながら、バックコート層の反対側の非磁性支持体面
に、硬化後の膜厚が3.5μmとなる様に、以下に示す
組成の塗布液(B)をコーター塗布した。これら一連の
操作を連続的に行った。塗料の分散にあたってはボール
ミルを用いて、均一に混合分散を行い、塗布直前にポリ
イソシネート10部を添加した。
【0074】 塗布液(B) Fe系強磁性金属微粉末(比表面積50m2 /g) 100部 塩化ビニル系樹脂 10部 ポリウレタン樹脂 10部 研磨剤(α−Fe23) 4部 カーボンブラック 2.5部 ミリスチン酸 0.5部 ステアリン酸 2部 イソオクチルミリステート 2部 メチルエチルケトン 140部 トルエン 140部 シクロヘキサノン 70部
【0075】塗布液(B)を塗布した後、ソレノイド磁
石により磁性微粉末の配向処理を行い、前記バックコー
ト層形成時と同様の条件で乾燥を行い、次いで、カレン
ダー機を用いて、高温高圧条件でその樹脂ロール間を通
過させて、磁気層を平滑にした。さらに平滑化された磁
気記録媒体を巻き取って、前記バックコート層と同様な
条件で硬化させて、塗膜硬度が飽和したのを確認して、
巻物となった完成品の磁気記録媒体を得た。
【0076】実施例2 大粒径のカーボンブラックを3部用いる様にした塗布液
(A)を使用する他は、実施例1と同一の手順で磁気テ
ープを作製した。
【0077】実施例3 大粒径のカーボンブラックを5部用いる様にした塗布液
(A)を使用する他は、実施例1と同一の手順で磁気テ
ープを作製した。
【0078】実施例1〜3の磁気テープは、いずれも裏
写りがなかった。
【0079】比較例1 実施例1と同一の手順で、各塗布液(A)及び(B)を
作製し、塗布液(B)塗工工程を、塗布液(A)の塗工
工程より先におこなって、塗布順序の異なる方法で同一
層構成の磁気テープを作製した。この磁気テープは、フ
ィルム表面に基づくフィラー類の裏写りがあり、表面平
滑性が不十分であった。
【0080】上記した各磁気記録媒体を、1/2インチ
幅にスリットを行い、各種評価を実施した。各種評価の
ための測定法を以下に示す。
【0081】バックコート層表面形状 原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、縦方向倍率400
0〜20000倍、横方向倍率500〜2000倍で、
表面形状を測定する。三次元表面粗さの中心面を基点と
して測った突起の頂点までの高さが、0.15μmを超
える突起の数を数え、mm2あたりの突起数を算出す
る。
【0082】中心線平均粗さ 触針式の表面粗さ計を用いて、中心線平均粗さを測定す
る。触針圧0.7mg、測定速度0.1mm/秒、カッ
トオフ250μm、測定ピッチ10μmの条件で、1m
mの長さを10回測定し、うねり成分を除去してRaの
平均値を出す。
【0083】ドロップアウト 業務用1/2インチビデオレコーダーを用いて、50%
白信号をテープ上に記録し、再生時の出力をドロップア
ウトカウンターにて、10μsec 16dBの測定条
件で測定する。10分間測定後のドロップアウトの総数
から、1分間のドロップアウト数を算出する。
【0084】RF出力 業務用1/2インチビデオレコーダーを用いて、7MH
zの単一周波数信号を、基準テープの最適記録電流で記
録する。再生時の信号出力をレベルメーターで測定し、
基準テープの再生出力と比較する。
【0085】S/N比 業務用1/2インチビデオレコーダーを用いて、50%
白信号をテープ上に記録し、再生したときの映像信号
を、ビデオノイズメータに入力してビデオS/Nを求
め、基準テープの値と比較する。ビデオノイズメーター
の設定は以下のとうりとする。
【0086】ローパスフィルター: 4.2MHz ハイパスフィルター: 10KHz サブキャリアトラップ: ON 視感度補正回路 : ON
【0087】摩擦係数 ステンレス製の摩擦輪にテープの測定面を、接触角18
0度で巻きつける。テープの片端に30gの荷重をか
け、摩擦輪を10〜50mm/secの周速で回転させ
たときの、テープ他端にかかる力をロードセルを用いて
測定し、10分後の値からオイラーの公式用いて摩擦係
数を測定する。
【0088】耐スクラッチ性 直径5mmのステンレス球を、5gの荷重をかけて塗膜
に押しつけ、500mm/minの速度でテープ上を摺
動させる。20往復後の塗膜上の傷を顕微鏡で観察し、
以下の基準で摺動痕を判定する。
【0089】○ ・・・ わずかに痕がつくだけで目視
は困難である。 △ ・・・ はっきりと痕がつき容易に目視可能であ
る。 × ・・・ 塗膜が削れて削り粉が発生する。
【0090】得られた測定結果を表1に示す。
【0091】
【表1】
【0092】尚、大粒径カーボンブラッック2部を用い
ない以外は実施例1と同様の塗布液(A)を用いて、そ
の他は実施例1と全く同様ににして得た磁気記録媒体の
ドロップアウトは3個/min、RF再生出力は0.5
dB、S/Nは0.3dBと良好であった。
【0093】これによって明らかなように、バックコー
ト層の形成に用いる塗布液を、非磁性支持体上に磁性層
用塗布液より先に塗布して層形成することによって、大
幅なドロップアウト特性の改善が達成される。さらに顔
料を含むバックコート層用塗布液を用いることにより、
バックコート層の表面形状をコントロールすることによ
って、ドロップアウトの特性や再生出力値を悪化させず
に、バックコート層の摩擦係数を低下させ、走行性のみ
に限れば良好なバックコート層のない非磁性支持体と同
等以上の走行性を有する磁気記録媒体を得ることが出来
ることがわかる。また、磁気層のみを有する磁気記録媒
体は、磁性層に裏写りがあり、フィラー類が磁気層表面
に付着したことにより、表面平滑性が不十分であるとと
もに、結果的に再生時にドロップアウトが頻発した。
【0094】
【発明の効果】請求項1の発明では、予めバインダー樹
脂を含むバックコート層形成用の塗布液を磁性層形成用
の塗布液よりも先に、非磁性支持体上に設ける様にする
ので、非磁性支持体自身の一部或いはその表面の外部応
力で脱離しやすいフィラー類が磁性層に付着したりする
ことがなく、また裏写りもなく、表面平滑性に優れ、ひ
いてはドロップアウトが少ない磁気記録媒体が得られる
という格別顕著な効果を奏する。
【0095】請求項2の発明では、バインダー樹脂のみ
ならず、顔料をも含むバックコート層形成用の塗布液を
用いて前記と同様にして磁気記録媒体を得るので、前記
した効果に加え、従来のフィラー類が露出したバックコ
ート層のない非磁性支持体のその露出面と同等以上のレ
ベルの、帯電防止能と非磁性支持体走行性が得られ、高
い効率で磁気記録媒体が製造できるという効果も同時に
奏する。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バインダー樹脂を必須成分とする硬化性
    塗布液(A)を、非磁性支持体の片面上に塗布し、当該
    塗布面を乾燥硬化させ、しかる後にその反対側の支持体
    面に、磁性微粉末とバインダー樹脂を混練分散した硬化
    性塗布液(B)を塗布し、塗布液(B)の塗布面を乾燥
    させ、平滑化処理した後、硬化処理することを特徴とす
    る磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 硬化性塗布液(A)が、顔料をも含有す
    るものである請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 塗布液(A)として、非磁性支持体上の
    塗布し乾燥硬化した時に、その塗膜表面上に、高さが
    0.15μm以上の突起が、1mm2当たり500〜5
    0000個の範囲となる様に、顔料とバインダー樹脂を
    混練分散して調製された硬化性塗布液を用いる請求項2
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 塗布液(A)として、バインダー樹脂固
    形分100重量部当たり、平均粒径0.01〜1.0μ
    mの無機顔料粒子を70〜90重量部となる様に調製さ
    れた塗布液を用いる請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 塗布液(A)として、平均粒径0.01
    〜0.1μmの無機顔料粒子と、平均粒径0.1を越え
    て〜1.0μmの無機顔料粒子とを併用し、後者の無機
    顔料粒子の含有率を全無機顔料粒子の0.5〜8重量%
    (両者合計重量換算)となる様に調製された塗布液を用
    い、かつ硬化塗膜の膜厚が0.3〜2μmとなる様に塗
    布する請求項3記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 顔料として、平滑化処理時の応力では破
    壊されない硬度の顔料を用い、塗布液(B)の塗膜硬度
    が、顔料の硬度よりも高くなる様に調製された、塗布液
    (A)と塗布液(B)とを用いる請求項3記載の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 磁性微粉末が、強磁性金属微粉末である
    請求項1、2、3、4、5又は6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 バインダー樹脂が、熱可塑性塩化ビニル
    系樹脂と、熱可塑性ポリウレタン系樹脂と、ポリイソシ
    アネート系硬化剤との組み合わせである請求項1、2、
    3、4、5、6又は7記載の製造方法。
JP7241493A 1995-09-20 1995-09-20 磁気記録媒体の製造方法 Pending JPH0991695A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011216159A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Tdk Corp 磁気記録媒体の製造方法

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