JPH10330655A - 磁性塗料の製造方法及び磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁性塗料の製造方法及び磁気記録媒体の製造方法

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JPH10330655A
JPH10330655A JP14509297A JP14509297A JPH10330655A JP H10330655 A JPH10330655 A JP H10330655A JP 14509297 A JP14509297 A JP 14509297A JP 14509297 A JP14509297 A JP 14509297A JP H10330655 A JPH10330655 A JP H10330655A
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JP
Japan
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magnetic
abrasive
magnetic powder
dispersion
dispersing
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JP14509297A
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Inventor
Takehiro Koyama
武浩 小山
Kazue Goto
和重 後藤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁性粉末が良好に分散され、研磨剤の効果を
高めることにより、電磁変換特性及び走行耐久性が共に
向上した磁性層を形成できる磁性塗料の製造方法、及び
この磁性塗料を用いた磁気記録媒体の製造方法を提供す
ること。 【解決手段】 保磁力120kA/m以上、飽和磁化量
110emu/g以上の磁性粉末と結合剤とを混合、分
散して磁性粉末分散液を作製する磁性粉末分散液と、こ
の磁性粉末分散液とは別に、研磨剤と結合剤とを混合、
分散した研磨剤分散液とを、前記磁性粉末分散液中に含
まれる磁性粉末100重量部に対して前記研磨剤分散液
中に含まれる研磨剤量が2〜10重量部となる範囲で衝
撃作用を有する分散機で混合、分散して磁性塗料を作製
する磁性塗料の製造方法。及びこの磁性塗料を用いた磁
気記録媒体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも磁性粉
末と結合剤と研磨剤とからなる磁性塗料の製造方法、及
びこの磁性塗料を用いた磁気記録媒体の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気記録の分野では、フェラ
イト、酸化クロム等の酸化物磁性粉末やFe、Co、N
i等を主成分とする金属磁性粉末や合金磁性粉末を有機
高分子材料からなる結合剤中に分散せしめた磁性塗料を
ポリエステルやポリエチレンテレフタレート等からなる
非磁性支持体上に塗布することによって磁性層を形成し
た、いわゆる塗布型の磁気記録媒体が広く利用されてい
る。
【0003】このような塗布型の磁気記録媒体において
は、その電磁変換特性を向上させ、高密度記録化を進め
る上で、磁気特性の向上、磁性層表面の鏡面化によるス
ペーシングロスの低減、磁性層の薄膜化による厚み損失
の低減などの様々な検討が行われている。
【0004】例えば、原材料の面からは、より微細で磁
気特性に優れた磁性粉末の検討や、これをより均一に分
散できる結合剤や分散剤の検討などが行われている。
【0005】また、製造工程の面においては、磁性粉末
をより均一に分散させる混練や混合方法の検討、より高
い磁気特性を得るための配向処理方法の検討、さらに、
媒体表面をより平滑化するためのカレンダー処理方法の
検討などがなされている。
【0006】一方、電磁変換特性の向上と共に、磁気記
録媒体の走行耐久性に対する要求もより一層厳しくなっ
ている。
【0007】例えば、媒体からの脱落粉(粉落ち)や、
外部から媒体や記録再生ヘッドに付着するほこり等によ
って信号の記録再生が正常に動作できなくなるクロッグ
は、信号の記録密度が向上するほど、即ち信号が短波長
化するほど、この信号に大きなダメージを与えるので、
このクロッグの抑制が要求されている。また、コンピュ
ーターの普及によって音声や映像の自動編集化が進み、
高いスチル特性が要求されている。
【0008】このような種々の要求に対して、磁気記録
媒体の走行耐久性を向上するために、結合剤の改善によ
って磁性塗膜等の強度を向上する方法、或いは、潤滑剤
の改善によって媒体表面の油膜強度を向上させる方法等
の検討がなされてきた。
【0009】しかしながら、磁気記録媒体の走行耐久性
に関しては、磁気記録媒体と磁気ヘッドやガイドピン等
の走行系との摺動摩擦を低下させて走行安定性を高め、
磁気ヘッドに付着する塗膜の脱落粉や粉塵等のクリーニ
ング効果を得る目的で添加する研磨剤の効果が大きく、
その効果に頼る比重が大きいのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ここで、磁気記録媒体
の電磁変換特性を向上しようとする場合、従来のいずれ
の手法によっても、非磁性粒子である研磨剤の存在が大
きな障害になっており、その解決手段として、研磨剤の
減量化や、微細化など種々の方法が検討されているが、
やはり媒体の走行耐久性を低下させる要因となってい
た。
【0011】従って、磁気記録媒体、特に記録波長が短
いフォーマットで使用される媒体に用いる磁性塗料とし
ては、走行耐久性を低下させずに、磁性粉末の充填率を
上げることが大きな課題となっている。
【0012】研磨剤を含む磁性塗料を作製する場合、一
般的には、磁性粉末と研磨剤とをそれぞれが粉体の状態
から、即ち、磁性塗料の作製開始段階から、これらを同
時に混合、分散させている。
【0013】この方法で形状、サイズ、比重等の物理的
性質や化学的性質の異なる磁性粉末(磁性粒子)と研磨
剤(研磨剤粒子)とを均一に分散させようとすると、そ
れぞれの粒子の混練条件に適した混練設備(または混合
分散設備)を使用することが必要であったり、或いは、
混練時間を長くすることなどが必要となっている。
【0014】しかしながら、粉末の状態から磁性粉末と
研磨剤とが均一になるまで混練すると、磁性粉末が損
傷、破壊される等の弊害によって電磁変換特性が低下し
たり、研磨剤による設備の摩耗が早い等の問題がある。
【0015】さらに、ある程度の走行耐久性を確保する
ためには、研磨剤の量を一定量以上添加する必要がある
が、研磨剤の添加量を多くするほど、相対的に磁性粉末
の充填率が下がるので、研磨剤添加量分の磁気特性の低
下を免れない。
【0016】一方、例えば、予め磁性粉末と結合剤とを
混合、分散させて磁性塗料を調製し、これとは別に研磨
剤を良好に混合、分散した研磨剤含有溶液(研磨剤分散
液)を前記磁性塗料に混合して、さらに混合、分散を行
い、磁性粉末と研磨剤の両者を良好に分散させる方法が
知られている。
【0017】しかしながら、この場合、分散性及び走行
耐久性がある程度向上するものの、電磁変換特性の向上
をその分散性に頼っており、このために、凝集し易くて
分散が本質的に困難な磁性粉末を高分散させるには限界
があって、電磁変換特性の大きな向上は望めない。しか
も、走行耐久性の向上を研磨剤の含有量に頼っているた
めに、研磨剤の減量を実施することができずに磁性粉末
の充填率向上の妨げとなっているので、電磁変換特性と
走行耐久性との双方を同時に大幅に向上させることは困
難である。
【0018】また、一般的に、保磁力や飽和磁化量が大
きい磁性粉末は、その磁気特性には優れるものの、磁性
粉末粒子間の相互作用が大きく分散性が悪いので、この
ような磁性粉末を用いる場合における磁性粉末と研磨剤
との両者の分散性の向上は容易ではない。
【0019】本発明は、上述した従来の実情に鑑みてな
されたものであり、その目的は、磁性粉末が良好に分散
され、かつ研磨剤を効果的に塗料中に存在させることに
より、電磁変換特性及び走行耐久性が共に向上した磁性
層(磁性塗膜)を形成できる磁性塗料の製造方法、及び
この磁性塗料を用いた磁気記録媒体の製造方法を提供す
ることにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の課題
を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、保磁力が120
kA/m以上、飽和磁化量が110emu/g以上の磁
性粉末と結合剤とを予め混合、分散して作製した磁性粉
末分散液と、これとは別に研磨剤と結合剤とを予め混
合、分散して作製した研磨剤分散液とを、磁性粉末10
0重量部に対して研磨剤が2〜10重量部の割合となる
よう、衝撃作用によって分散効果が得られる分散機を用
いて混合、分散することにより、前記磁性粉末を良好に
分散させると共に、研磨剤を粒子数のそろった(例えば
2〜3個程度)集合体で塗料中に均一に分散できること
を見出した。
【0021】即ち、磁性粉末の損傷や破壊を最小限に抑
えると共に、この磁性粉末を十二分に解砕して磁性粉末
を良好に分散させ、また、研磨剤粒子をその研磨性能を
効果的に発揮できる粒子状態(特に2〜3個程度の凝集
体又は集合体)で磁性塗料中に均一に分散できることを
見出した。
【0022】即ち、本発明は、保磁力が120kA/m
以上、飽和磁化量が110emu/g以上の磁性粉末と
結合剤とを混合、分散して作製した磁性粉末分散液と、
この磁性粉末分散液とは別に、研磨剤と結合剤とを混
合、分散して作製した研磨剤分散液とを、前記磁性粉末
100重量部に対して研磨剤が2〜10重量部の割合と
なるように、分散媒体による衝撃作用を有する分散機で
混合、分散して磁性塗料を作製する、磁性塗料の製造方
法(以下、本発明の磁性塗料の製造方法と称する。)に
係り、さらに、前記磁性塗料を非磁性支持体上に塗布し
て磁性層を形成する磁気記録媒体の製造方法(以下、本
発明の磁気記録媒体の製造方法と称する。)に係るもの
である。
【0023】本発明の磁性塗料の製造方法及び本発明の
磁気記録媒体の製造方法によれば、まず、磁性粉末と結
合剤とを混合、分散して予め磁性粉末分散液を作製する
混合分散工程を有しているので、前記磁性粉末の分散に
最適な条件のもとでこれを分散させることができ、凝集
し易く、分散の困難な磁性粉末(例えば、大きな保磁力
や飽和磁化量などを有する強磁性粉末)でも損傷させる
ことなく、良好に分散させると同時に、前記結合剤に十
分に結着させることができる。
【0024】また、この磁性粉末分散液とは別に、研磨
剤と結合剤とを混合、分散して研磨剤分散液を作製する
ので、非磁性粒子である研磨剤をその分散に最適な条件
のもとで分散させることができ、大きな凝集体のない良
好な分散が得られると同時に、前記結合剤に十分に結着
させることができる(この段階では、研磨剤は単体に近
い分散状態と考えられる)。
【0025】また、前記磁性粉末分散液と前記研磨剤分
散液とを、金属ビーズ、ガラスビーズ等の分散媒体の衝
撃作用を有する分散機で混合、分散して磁性塗料を作製
することによって、前記磁性粉末を損傷、破壊すること
なく、その凝集体を解砕して磁性粉末を高分散させ、か
つ、衝撃作用の適切な分散効果により、研磨剤粒子を数
個程度の凝集体として前記磁性塗料中に均一に存在させ
ることができる。さらに、この凝集体の効果によって、
例えば磁気記録媒体、特にテープ化した時のヘッドの自
己クリーニング効果を大きくできるため、前記研磨剤の
配合量を必要最小限に抑えて前記磁性粉末の充填率を大
きく向上させることができる。
【0026】ここで、前記「衝撃作用を有する分散機」
とは、詳しくは後述するが、ボールミルやサンドミルの
如く、ビーズ、ロッド、ボール等の分散媒体と攪拌板
(スクリュー)との両方の衝撃や摩擦の作用によって、
粒子状物質の混合、分散を行うことができる装置であ
り、前記分散媒体の衝撃力を付与できる手段を備えた分
散機であればよい(以下、同様)。
【0027】また、前記磁性塗料とは、主として磁気記
録媒体の磁性層(磁性塗料)として用いるが、例えば、
OA(Office Automation )機器用の磁気シールド(電
波シールド)などとしても使用することができる。
【0028】本発明においては、上記のような磁性塗料
を非磁性支持体上に塗布して磁性塗膜(磁性層)を形成
することによって、前記磁性粉末の分散性が良好になっ
て磁性層表面が平滑化されると同時に、前記磁性粉末や
前記研磨剤を十分に前記結合剤に結着させることができ
るので粉落ち等を抑制し、電磁変換特性の良好な磁気記
録媒体を得ることができる。さらに、前記磁性粉末の充
填率が大きく向上(即ち、前記磁性粉末を高密度に充
填)するので、電磁変換特性が一層向上する。
【0029】そして、研磨剤粒子(又は研磨剤粒子数の
そろった凝集体)が磁性層(特に磁性層表面)に均一に
分布して、磁気ヘッド等のクリーニング効果が大きく向
上すると共に、前記研磨剤が媒体表面や界面から脱落す
るのを防止し、走行耐久性の優れた磁気記録媒体を得る
ことができる。
【0030】本発明によれば、上述した数個(例えば2
〜3個)単位程度の研磨剤を安定して塗料中に存在さ
せ、電磁変換特性を維持したまま走行耐久性を大きく向
上させることができ、更に、従来実用不可能だったレベ
ルまで研磨剤の添加量を減少させることができるので研
磨剤の削減量分だけ磁性粉末の充填率を上げることがで
き、電磁変換特性を大きく向上できる。即ち、走行耐久
性を低下させることなく電磁変換特性を向上させて、走
行耐久性と電磁変換特性とが両立した磁気記録媒体(磁
気テープ、磁気ディスク等)を製造することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の上記各製造方法において
は、上述した磁性粉末分散液、研磨剤分散液及び磁性塗
料の各工程に加え、プレミックス等の前処理を行う工程
部があってもよいし、また、前記各混合分散工程部にお
いて、それぞれの工程部での混合分散処理が2段階又は
それ以上の段階を経て行われてもよい。
【0032】また、例えば、カーボンブラックや炭酸カ
ルシウム等の非磁性粉末を添加成分として前記磁性塗料
に添加する場合、粉末状態の前記磁性粉末と同時に添加
してもよいが、この非磁性粉末を磁性粉末の混合分散工
程部とは別の混合分散工程部で結合剤と共に混合、分散
させて、前記各混合分散工程部に導入してもよい。
【0033】ここで、上述したように、磁性粉末分散液
を予め調製し、これとは別に、混合分散した研磨剤分散
液を、混合分散中の前記磁性粉末分散液に添加し、さら
に混合分散を施して、磁性塗料を得る方法が知られてい
る。
【0034】この方法は、研磨剤の混合分散部と磁性粉
末(及び磁性粉末分散液と研磨剤分散液)の混合分散部
とのように、2つの混合分散部を有するものであるが、
磁性粉末と研磨剤との両者を最良の分散状態(粒子が単
体)で存在させ、塗布しようとするものであり、分散が
向上する分の電磁変換特性の向上は望めるが、走行耐久
性を得るために研磨剤を十分量添加する必要がある。従
って、磁性粉末の充填率を上げることができず、また、
磁性層表面(媒体化した場合に)の研磨剤は沈み込んで
いる(即ち、研磨剤の磁性層表面での存在量が少ない)
ためその効果が十分発揮できないことがあり、電磁変換
特性と走行耐久性の大きな向上は期待できない。
【0035】また、一般的に、研磨剤は粒子単体(一個
づつ)で存在することが最も良好な分散状態であると考
えられている。分散前の粒子は1個〜多数個の凝集体で
存在し(非常に広い分布)、特に大きな凝集体は例えば
テープ化した時に脱落粉となり易く、ドロップアウトや
VTRの記録再生ヘッドの目詰まり等の不具合を生じさ
せることがある。また、研磨剤は非磁性であるため、そ
の凝集体が大きい程その周囲は磁気的に不均一となり、
ノイズとなるばかりか、テープ表面に存在した場合に
は、ヘッドとテープ間に空隙を作り、再生出力を低下さ
せる要因となることがある。
【0036】従って、通常は研磨剤も単体となるまで分
散させることが理想であるが、塗料中に均一に分散させ
るため、テープ化した場合、研磨剤としての効果にあま
り寄与しない深層まで研磨剤が均一に存在することにな
る。従って、テープ表面の耐久性が十分となるまで研磨
剤を加える必要があり、磁性層の内部に存在する研磨剤
の量の割合だけ磁性粉末の充填率が低下することになっ
ていた。
【0037】これに対して、本発明の製造方法では、前
記磁性粉末及び前記研磨剤をそれぞれに最適な条件で、
それぞれの混合分散を行い、さらに、前記特性の磁性粉
末と、前記添加量範囲の研磨剤とを衝撃作用を有する分
散機でこれらの分散液の混合分散を行っているので、磁
性粉末を十分に分散し、かつ研磨剤の効果が大きい状態
で塗料中に存在させることができ、研磨剤の配合量を必
要最小限に抑え、磁性粉末の充填率を大きくすることが
できる。
【0038】即ち、前記分散機における分散媒体の衝撃
力と研磨剤の再凝集力とのバランスによって、2〜3個
程度の集合体(凝集力は弱い)が存在できるようになっ
た。
【0039】同様に、磁性粉末も再凝集する可能性があ
るが、別々に分散した時点で結合剤に被覆されており、
磁性塗料の塗布及び磁性層の形成時における磁場配向処
理やカレンダー処理を施す工程で、磁性粉末の特性が得
られる状態に配向される。
【0040】即ち、上述したように、本発明の製造方法
においては、その特徴的構成に基づいて、良好な分散性
や粒子物性(粒子の形状や粒子分布等)を有する磁性塗
料を作製することができると共に、この磁性塗料を用い
て走行耐久性や電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を製
造することができる。
【0041】この効果に関して、前述した通り、保磁力
Hcが120kA/m以上、かつ、飽和磁化量σsが1
10emu/g以上の磁性粉末(特に、強磁性粉末)を
前記磁性粉末として用いることにより有効に機能する。
【0042】ただし、保磁力Hc及び飽和磁化量σsが
大きくなると、磁性粉末の再凝集力が強くなりすぎ、磁
性粉末分散液と研磨剤分散液とを混合、分散する際に、
磁性粉末の再凝集を抑えることができず、電磁変換特性
の悪化や粉落ち等の発生によって走行耐久性が低下する
ことが考えられるので、前記保磁力Hcの上限は200
kA/m、かつ、前記飽和磁化量σsの上限は170e
mu/gであることが望ましい。また、前記保磁力Hc
は120〜180kA/mの範囲、前記飽和磁化量σs
は120〜160emu/gの範囲内であることがさら
に望ましい。
【0043】即ち、このように保磁力Hcが120kA
/m以上、飽和磁化量σsが110emu/g以上と共
に大きい磁性粉末は、その磁気特性には優れるものの、
粒子間の相互作用が大きく分散性が悪いが、本発明の製
造方法によれば、予め磁性粉末と結合剤とを混合、分散
して磁性粉末分散液を作製し、その分散性を予め高めて
おくことによる効果が大きいことに加えて、このような
再凝集し易い磁性粉末を含む混合分散液と前記研磨剤分
散液とを、さらに前記衝撃作用を有する分散剤を用いて
混合、分散することにより、磁性粉末の再凝集を抑制
し、かつ前記研磨剤が適度の分散状態(数個の効果の大
きい粒子状態)になるのである。
【0044】ここで、保磁力Hcが120kA/m未
満、或いは、飽和磁化量σsが110emu/g未満の
磁性粉末は、その混合、分散が容易であり、再凝集しに
くいため、磁性粉末分散液の作製段階では既に十分な分
散状態であることが多い。従って、このような磁性粉末
分散液と研磨剤分散液とを前記衝撃作用を有する分散機
の作用下で混合分散すると、逆に過分散状態となること
があり、前記磁性粉末の損傷、破壊等によって磁気特性
が劣化して電磁変換特性が低下することがある。
【0045】また、本発明の製造方法において、前記研
磨剤は、前記磁性粉末100重量部に対して2〜10重
量部の割合とすることによって有効に機能する。この研
磨剤の配合割合は、5〜10重量部の範囲内であること
が十分な走行耐久性を得る上でさらに望ましい。
【0046】前記研磨剤の配合割合が2重量部未満であ
ると、その配合割合が少なすぎるために磁性層表面に研
磨剤粒子を十分に存在させることができず、本発明の手
法においても良好な走行耐久性が得られないことがあ
る。
【0047】また、この配合割合が10重量部を越える
と、研磨剤の配合割合が多くなりすぎて、相対的に磁性
粉末の割合が少なくなると共に、研磨剤として有効な数
個程度の凝集体ばかりでなく、例えば磁気テープ化した
時に脱落粉となり易い大きな凝集体が存在し易くなり、
このような磁性塗料を用いて磁気記録媒体を形成した場
合には、その磁性粉末の密度の低下や表面性の低下、さ
らには結合剤との結着力の低下を招き、良好な走行耐久
性や電磁変換特性を得られないことがある。この時に、
研磨剤の凝集体を十分に分散しようとすると、磁性粉末
が損傷、破壊されることがあり、やはり電磁変換特性が
低下することがある。
【0048】また、本発明の製造方法においては、前記
衝撃作用を有する分散機として、ボールミル、サンドミ
ル、アトライター及びピンミルからなる群より選ばれた
少なくとも1種の分散機を使用することが望ましい。
【0049】このような分散機としては、例えば、ボー
ルミル、トロンミル、ペブルミル、コボルミル、縦型又
は横型サンドミル、サンドグラインダー、Szegveriアト
ライター、高速度衝撃ミル、高速ストーンミル等の分散
機が挙げられる。
【0050】また、前記衝撃作用を有する分散機を構成
するビーズ、ロッド、ボール等の分散媒体としては、ガ
ラスビーズや金属ビーズ、セラミック製(アルミナ、ジ
ルコニア、チタニア等)ビーズ等を使用できる。この分
散媒体としては、高強度の分散媒体を使用することが好
ましい。
【0051】上述した衝撃作用を有する分散機に対し
て、例えば、ディスパーやアジター等を用いた場合、こ
のような分散機は分散作用が弱いので、たとえ磁性粉末
の特性や研磨剤量を上述した範囲内で使用しても、前記
磁性粉末が再凝集して磁気特性が低下し、また、前記研
磨剤が再凝集して大きくなりすぎることがある。即ち、
このようにして得られた磁性塗料を用いて磁性塗膜(磁
性層)を形成する場合、その表面性が低下したり、結合
剤との結着力が低下して良好な電磁変換特性や走行耐久
性が得られないことがある。
【0052】一方、磁性粉末分散液の混合分散工程及び
研磨剤分散液の混合分散工程には、衝撃作用を有する分
散機(例えば、ボールミル、サンドミル、アトライタ
ー、ピンミル等)以外にも、ディスパーやアジター、超
音波分散機等を使用しても構わない。
【0053】また、本発明において使用できる前記磁性
粉末としては、保磁力Hc及び飽和磁化量σsが上述し
た範囲にあれば、通常の磁性塗料に使用される磁性粉末
(強磁性粉末)が使用可能である。
【0054】例えば、Fe、Co、Niなどの強磁性金
属単体粉末、または、Fe−Co、Fe−Ni、Co−
Niなどの合金粉末、さらには、3種類以上の金属から
なる合金粉末などが使用可能である。更に、これらの種
々の特性を改善する目的で、Al、Si、Pb、Ti、
Cr、Mn、Cu、Y、Mo、Sn、Ba、Znなどを
含んでいても構わない。
【0055】また、磁性粉末として酸化物磁性粉末を用
いることが可能であるが、これには、例えば、γ−Fe2O
3 、Co含有γ−Fe2O3 、Co被着γ−Fe2O3 、Fe3O4 、Co
含有Fe3O4 、Co被着Fe3O4 、CrO2等が挙げられる。ま
た、バリウムフェライト等の六方晶系フェライトや窒化
鉄等も使用可能である。
【0056】また、前記研磨剤としては、アルミナ(α
−Al2O3 、β−Al2O3 、γ−Al2O3、δ−Al2O3 、ζ−A
l2O3 、η−Al2O3 、θ−Al2O3 、κ−Al2O3 、χ−Al2
O3、ρ−Al2O3 等)、アルミナ水和物、アルミナ珪酸
塩、その他の珪酸塩、炭化珪素、炭化ホウ素、その他の
炭化物等、酸化クロム、酸化鉄(α−酸化鉄)等の非磁
性酸化物、窒化ホウ素、酸化チタン、酸化ケイ素、窒化
ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、
酸化マグネシウム、窒化ホウ素等が使用可能である。
【0057】その粒径としては、0.31〜2μm、更
には0.01〜0.3μmと超微粒子化した研磨剤を使
用するのが好適である。即ち、こうした微粒子研磨剤で
も本発明の製造方法によって十分に分散可能であり、か
つ研磨性能も良好に発揮できることになる。
【0058】また、前記結合剤としては、通常の磁性塗
料(特に磁気記録媒体用の磁性塗料)に使用されている
ものであれば特に限定されない。
【0059】例えば、ポリエステルやポリカーボネー
ト、またはポリエステル系のポリウレタン樹脂、ポリエ
ステル樹脂、塩化ビニル系共重合体、セルロース誘導
体、フェノキシ樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、
塩化ビニリデン系共重合体、スチレン−ブタジエン系共
重合体などが挙げられる。
【0060】これらの結合剤においては、磁性粉末や研
磨剤などの良好な分散性を得るために、使用する結合剤
の一部、または全部に以下に示す官能基(極性基)を有
していてもよい。
【0061】例えば、−C00M、−SO3 M、−O−
SO3 M、−P=O(OM)2 、−O−P=O(OM)
2 、−NR4 X、−NR2 、−SH(但し、Mは、H、
Li、Na、Kやアルキル基であり、Rはアルキル基ま
たはH、Xはハロゲン原子を示す)などが挙げられる。
【0062】これらの官能基は、結合剤1gあたりの含
有量が0.03〜0.3mmolであることが望まし
い。結合剤1gあたりの含有量が0.03mmol未満
であると、分散性に対する効果が小さく、また、結合剤
1gあたりの含有量が0.3mmolより多いと、吸湿
性が高くなり耐候性が悪くなるばかりでなく、むしろ分
散性が劣化してしまう場合がある。また、前述した官能
基や結合剤は1種類でも2種類以上含まれていてもよ
い。
【0063】また、磁性粉末や研磨剤を結合剤と共に混
合、分散して塗料化する際に用いる溶剤としては、メチ
ルエチルケトンやシクロヘキサノン等のケトン類、メタ
ノールやイソプロピルアルコール等のアルコール類、酢
酸エチルや酢酸ブチル等のエステル類、トルエンやベン
ゼン等の芳香族炭化水素類、四塩化炭素やクロロホルム
等の塩化炭化水素類、ジオキサンやジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル等のエーテル類等が挙げられる。
【0064】また、この他にも、例えば硬化剤、潤滑
剤、分散剤等、公知の添加成分を添加してもよい。
【0065】結合剤に架橋構造を形成せしめ、磁性塗膜
の強度を向上する目的で添加される硬化剤としては、例
えば、ポリイソシアネート系の硬化剤が好ましく、この
ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネー
ト、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート等のイソシアネート
類、及びこれらのイソシアネート類とトリメチロールプ
ロパン等の多価アルコールとの付加体、またはイソシア
ネート類の縮合生成物などを使用することができる。
【0066】また、潤滑剤としては、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸等の高級脂肪
酸類や、これらと金属やアミンとの塩類、脂肪酸と1価
アルコール類とのエステル化合物などが代表的である。
この脂肪酸エステル化合物としては、炭素数10〜24
の1塩基性脂肪酸(直鎖状でも側鎖を有していてもよ
く、また、飽和でも不飽和でもよい。)と炭素数1〜1
8の一価アルコール(同様に、直鎖状でも側鎖を有して
いてもよく、また、飽和でも不飽和でもよい。)または
アルキレンオキサイドのモノアルキルエーテルとからな
るエステル化合物を用いることができる。
【0067】このエステル化合物としては、例えば、ス
テアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸
プロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸set-ブチ
ル、ステアリン酸 tert-ブチル、ステアリン酸イソブチ
ル、ステアリン酸ペンチル、ステアリン酸ヘプチル、ス
テアリン酸オクチル、ステアリン酸ブトキシエチル、パ
ルミチン酸ブチル、パルミチン酸ペンチル、パルミチン
酸ヘプチル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸イソ
オクチル、ミリスチン酸オクチル、オレイン酸オクチル
等が挙げられる。
【0068】さらに、脂肪酸と2〜6価のアルコール類
とのエステル化合物、脂肪酸等で変性したものを含むシ
リコンオイル、アルキルリン酸エステルなどにおいて
は、エチレンオキサイド等の付加によるエーテル結合な
ど、他の置換基が含まれていてもよいし、一部フッ素化
されていてもよい。また、パーフルオロポリエーテル及
びその変性物、二硫化モリブデンやグラファイト等の固
形潤滑剤を用いることもできる。
【0069】その他、帯電防止効果や遮光効果、さらに
摩擦低減効果等を得る目的でカーボンブラック等を、電
磁変換特性や走行耐久性を低下させない範囲で添加する
ことができる。また、分散効果、架橋の促進効果、可塑
効果等を目的として公知の各種添加剤を添加することも
できる。
【0070】また、非磁性支持体としては、例えば、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロー
スダイアセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド、
ポリカーボネート等のプラスチックが挙げられる。ま
た、Cu、Al、Zn等の金属、ガラス、窒化硼素、S
iカーバイド等のセラミック等も使用できる。
【0071】また、非磁性支持体の表面には、磁性層の
接着性を向上させるために、中間層あるいは下引層を設
けて良い。
【0072】また、非磁性支持体の磁性層とは反対側の
面には、媒体の走行性向上のために、非磁性粉末(例え
ばシリカ、カーボンブラック)及び結合剤(上記したも
のと同様であってよい。)からなるバックコート層を設
けることができる。
【0073】図3は、本発明の磁気記録媒体の製造方法
に基づいて作製された磁気記録媒体の一例(ビテオ用の
磁気テープ)を示す要部の概略断面図である。
【0074】即ち、非磁性支持体11の一方の面上に、
前記磁性粉末、前記研磨剤、前記結合剤等を含有した磁
性層12を有している。また、他方の面に図中一点鎖線
の如くに、非磁性粉末と結合剤とを主体とするバックコ
ート層3を有していてもよい。
【0075】このような磁気記録媒体は、例えば、前記
磁性粉末や前記研磨剤、前記結合剤等からなる磁性塗料
をダイコーターやグラビアロール等の手段によって非磁
性支持体11上に塗布して磁性塗膜を形成し、さらに磁
場配向処理、乾燥処理、カレンダー処理等を経て磁性層
12が形成され、所定の形状に裁断したのち、磁気テー
プや磁気ディスクが形成される。
【0076】また、例えば、磁性層の表面性の制御を目
的に、前記磁性層と非磁性支持体との間に、非磁性粉末
(例えば、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チ
タン等)と結合剤とからなる非磁性層が設けられた重層
塗布型の磁気記録媒体を製造するに際し、本発明の製造
方法に基づいて、この磁気記録媒体の磁性層を形成して
もよい。
【0077】また、磁気記録媒体の形状は、テープ状、
フィルム状、シート状、カード状、ディスク状、ドラム
状など、磁気記録媒体として通常使用されている形状が
いずれも採用可能である。
【0078】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例について説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0079】<サンプルテープの作製>下記の表1及び
表2に示す材料を用いてサンプルテープ(8mmビデオ
テープ)を作製した。但し、例1〜例8、例14〜17
のサンプルテープは、磁性粉末と結合剤とを主とする磁
性粉末分散液と、研磨剤と結合剤とを主とする研磨剤分
散液とを別々に作製し、その後、これらの分散液を混
合、分散して磁性塗料を作製したものである。
【0080】また、例9〜例13、例18〜例21のサ
ンプルテープは、磁性粉末と研磨剤とを同時に混合、分
散せしめて磁性塗料を作製したものである(即ち、前記
磁性粉末分散液と前記研磨剤分散液とを別々に作製せ
ず、始めから磁性粉末と結合剤とを混合、分散せしめた
ものである)。
【0081】なお、使用した磁性粉末の保磁力Hc、飽
和磁化量σsを表4に示す。また、表3に示す材料を用
いてバックコート層用塗料も作製した。
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】次に、上記表1〜4に従って、例1〜例2
1のサンプルテープを作製した。
【0087】例1 表1に示した研磨剤分散液用の材料をサンドミルを用
い、予め混合、分散して研磨剤分散液を作製した。
【0088】また、表2に示した磁性粉末分散液用の材
料(但し、磁性粉末としては表4の磁性粉末Dを使用)
を前記サンドミルとは別のサンドミルを用い、混合、分
散して磁性粉末分散液を得た。
【0089】その後、作製した磁性粉末分散液374重
量部に対して研磨剤分散液を23重量部(磁性粉末10
0重量部に対して研磨剤10重量部)となるように各分
散液の配合割合を調節し、サンドミルを用いて混合、分
散して磁性塗料を作製した。
【0090】次に、このようにして作製した磁性塗料に
硬化剤(日本ポリウレタン社製コロネートL)を4重量
部添加し、攪拌後、これを厚さ8.5μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム上にグラビアロールを用いて
塗布厚2.5μmで塗布して磁気記録媒体原反を得た。
【0091】その後、この媒体原反に対して磁場配向処
理を行い、適度に乾燥させてから巻取りロールに巻き取
った。さらに、この媒体原反をカレンダー装置に導いて
硬化処理(鏡面化処理)を施して磁性層を形成した。
【0092】さらに、表3に示した組成のバックコート
層用塗料に硬化剤(日本ポリウレタン社製コロネート
L)を10重量部添加し、攪拌後、ポリエチレンテレフ
タレートフィルムの前記磁性層が設けられている面とは
反対側に、塗布厚0.5μmとなるように塗布し、乾燥
処理等を施してバックコート層を形成した。
【0093】このようにして作製した広幅の媒体原反を
8mm幅に裁断し、カセットシェル(カセットハーフ)
に組み込んで、サンプルテープとして8mmビデオテー
プを作製した。
【0094】例2 例1において、磁性粉末分散液に対して研磨剤分散液を
11.5重量部(磁性粉末100重量部に対して研磨剤
5重量部)となるようにその混合割合(混合比率)を調
節し、前記サンドミルを用いて混合、分散した以外は、
例1と同様にしてサンプルテープを作製した。
【0095】例3 例1において、磁性粉末分散液に対して研磨剤分散液を
4.6重量部(磁性粉末100重量部に対して研磨剤2
重量部)となるようにその混合割合を調節し、前記サン
ドミルを用いて混合、分散した以外は、例1と同様にし
てサンプルテープを作製した。
【0096】例4 例1において、磁性粉末分散液と研磨剤分散液との分散
機として、サンドミルの代わりにピンミルを用いて分散
させた以外は、例1と同様にしてサンプルテープを作製
した。
【0097】例5 例2において、磁性粉末Dの代わりに磁性粉末Cを使用
した以外は、例2と同様にしてサンプルテープを作製し
た。
【0098】例6 例2において、磁性粉末Dの代わりに磁性粉末Eを使用
した以外は、例2と同様にしてサンプルテープを作製し
た。
【0099】例7 例2において、磁性粉末Dの代わりに磁性粉末Fを使用
した以外は、例2と同様にしてサンプルテープを作製し
た。
【0100】例8 例1において、磁性粉末分散液に対して研磨剤分散液を
34.5重量部(磁性粉末100重量部に対して研磨剤
15重量部)となるようにこれらの分散液の配合割合を
調節し、前記サンドミルを用いて混合、分散した以外
は、例1と同様にしてサンプルテープを作製した。
【0101】例9 表2に示した磁性粉末分散液用の材料組成物にはじめか
ら表1に示した研磨剤(アルミナ粉末)を15重量部添
加し、サンドミルで混合、分散して磁性塗料を作製し
た。その後は、例1と同様にしてサンプルテープを作製
した。即ち、このサンプルテープは磁性粉末と研磨剤と
を別々に分散せず、同時に混合、分散したものである。
【0102】例10 例9において、研磨剤(アルミナ粉末)を10重量部添
加した以外は、例9と同様にしてサンプルテープを作製
した。
【0103】例11 例9において、研磨剤(アルミナ粉末)を5重量部添加
した以外は、例9と同様にしてサンプルテープを作製し
た。
【0104】例12 例9において、研磨剤(アルミナ粉末)を2重量部添加
した以外は、例9と同様にしてサンプルテープを作製し
た。
【0105】例13 例9において、研磨剤(アルミナ粉末)を1重量部添加
した以外は、例9と同様にしてサンプルテープを作製し
た。
【0106】例14 例1において、磁性粉末分散液に対して研磨剤分散液を
2.3重量部(磁性粉末100重量部に対して研磨剤1
重量部)となるようにこれらの分散液の配合割合を調節
し、前記サンドミルを用いて混合、分散した以外は、例
1と同様にしてサンプルテープを作製した。
【0107】例15 例1において、磁性粉末分散液と研磨剤分散液との分散
機として、サンドミルの代わりにディスパーを用いて分
散した以外は、例1と同様にしてサンプルテープを作製
した。
【0108】例16 例2において、磁性粉末Dの代わりに磁性粉末Aを使用
した以外は、例2と同様にしてサンプルテープを作製し
た。
【0109】例17 例2において、磁性粉末Dの代わりに磁性粉末Bを使用
した以外は、例2と同様にしてサンプルテープを作製し
た。
【0110】例18 例11において、磁性粉末Dの代わりに磁性粉末Aを使
用した以外は、例11と同様にしてサンプルテープを作
製した。
【0111】例19 例11において、磁性粉末Dの代わりに磁性粉末Bを使
用した以外は、例11と同様にしてサンプルテープを作
製した。
【0112】例20 例11において、磁性粉末Dの代わりに磁性粉末Cを使
用した以外は、例11と同様にしてサンプルテープを作
製した。
【0113】例21 例11において、磁性粉末Dの代わりに磁性粉末Eを使
用した以外は、例11と同様にしてサンプルテープを作
製した。
【0114】以上の通り作製した例1〜例21のサンプ
ルテープの仕様について、下記の表5にまとめた。
【0115】以下、例1〜10及び例14のサンプルテ
ープを本実施例のサンプルテープと称することがある。
【0116】 *1 カッコ内の数値は磁性粉末を100重量部としたときの割合である。 *2 「粉体磁性粉末」、「粉体研磨剤」とは、磁性粉末と研磨剤とを同時に 混合、分散したものである。
【0117】 *1 カッコ内の数値は磁性粉末を100重量部としたときの割合である。 *2 「粉体磁性粉末」、「粉体研磨剤」とは、磁性粉末と研磨剤とを同時に 混合、分散したものである。
【0118】<測定方法>このようにして作製した各サ
ンプルテープについて、電磁変換特性(再生出力、ビデ
オS/N)及び走行耐久性を測定した。
【0119】〔再生出力〕ソニー社製8mmビデオテー
プレコーダー(以下、VTRと称する)、製品名EV−
S900を用いて、周波数7MHzの正弦波をサンプル
テープテープ上に記録し、その再生出力を HEWLETT-PAC
KARD社製スペクトラムアナライザー(3585A)にて
読み取り、各サンプルテープの再生出力(dB)を測定
した。但し、例8の測定結果を基準値(0dB)として
その相対値を求めた。
【0120】〔ビデオS/N〕ソニー社製8mmVTR
(製品名EV−S900)を用いて、ホワイト50%ビ
デオ信号をサンプルテープ上に記録し、その再生ビデオ
信号のS/N(SN比)を、シバソク社製ノイズメータ
ー(VN31AX)にて、各サンプルテープのビデオS
/N(dB)を測定した。但し、例8の測定結果を基準
値(0dB)としてその相対値を求めた。
【0121】〔走行耐久性〕ソニー社製8mmVTR
(製品名EV−BS2000)を用いて、2時間長に組
み込んだサンプルテープ全長にカラー信号を記録し、同
一のVTRを用いて、温度40℃、湿度80%の高温高
湿環境下にて、その全長を100回繰り返し走行させ
た。このとき、VTRの磁気ヘッドに汚れが見られず、
記録再生画像にも異常が見られなかったものを「○」、
磁気ヘッドに汚れが見られるが、記録再生画像には異常
が見られなかったものを「△」、磁気ヘッドに汚れが見
られ、記録再生画像にも異常が見られたものを「×」と
した。
【0122】<評価結果>上記の測定方法に基づいて例
1〜例21の各サンプルテープについて評価を行った。
評価結果を下記の表6に示す。
【0123】なお、図2には、例2、例5〜6及び例1
6のサンプルテープについて、磁性粉末の保磁力Hcに
よる再生出力及びビデオS/Nの変化を示すグラフを図
示した。また、例15のサンプルテープ(ディスパーを
用いたもの)についても併記した(図中カッコ付きのも
の)。
【0124】また、同様に、図3には、例2、例5〜6
及び例17のサンプルテープについて、磁性粉末の飽和
磁化量σsによる再生出力及びビデオS/Nの変化を示
すグラフを図示した。なお、例15のサンプルテープ
(ディスパーを用いたもの)についても併記した(図中
カッコ付きのもの)。
【0125】さらに、図4には、例1〜3、例8及び例
14のサンプルテープについて、研磨剤の割合(磁性粉
末100重量部に対する割合)による再生出力及びビデ
オS/Nの変化を示すグラフを図示した。なお、例9〜
例13のサンプルテープ(磁性粉末と研磨剤とを同時に
混合、分散したもの)についても並記(図中カッコ付き
のもの)した。
【0126】
【0127】以上の評価結果から、次のことがわかる。
【0128】まず、表6より、本実施例の例2や例4の
サンプルテープは、例11のサンプルテープに比べて、
電磁変換特性(再生出力及びビデオS/N:以下、同
様)や走行耐久性が優れていることがわかる。
【0129】即ち、始めから磁性粉末と研磨剤とを混
合、分散させた例11のサンプルテープ(即ち、粉体状
態の磁性粉末と研磨剤とから混合、分散させたもの)に
比べて、本実施例の例2や例4のサンプルテープは、磁
性粉末と研磨剤とが別々の分散機内で、それぞれに最適
な条件で分散されているので、磁性粉末と研磨剤とが損
傷、破壊を受けることなく(また、研磨剤の混合分散中
に分散機からの不純物等が混入することなく)、各々の
特性を十分に保持しており、かつ研磨剤が衝撃作用によ
り数個の集合体で塗料中に均一に存在できるため、テー
プ化した時にも研磨剤の効果が大きい状態でテープ表面
に存在していると考えられる。
【0130】特に、走行耐久性は大きく向上し、例2と
例10の比較から分かるように、両者を粉体で加える場
合に比較して研磨剤量を半減しても同等以上の走行耐久
性が得られている。
【0131】ここで、図4に示したように、研磨剤の配
合割合が種々変化しても、この研磨剤の配合割合が同量
の場合、本実施例のサンプルテープは、磁性粉末と研磨
剤とを同時に混合、分散したサンプルテープ(図中カッ
コ付きのもの)に比べて、良好な電磁変換特性及び耐久
性が得られていることがわかる。
【0132】また、表6、図2及び図3から、上記本実
施例の例2や例4のサンプルテープは、例15のサンプ
ルテープ(図中カッコ付きのもの)に比べて、特に電磁
変換特性の点で優れていることが分かる。
【0133】例15のサンプルテープは、磁性粉末分散
液と研磨剤分散液との混合分散をディスパーを用いて行
っており、金属ガラス等の分散媒体による衝突作用の無
いディスパーによる分散ではその分散力が弱く、分散工
程中に磁性粉末が再凝集して磁気特性が低下し、また、
研磨剤も再凝集してその凝集体のサイズがより大きくな
るために、得られた磁性塗料を媒体化したときの表面性
が劣化して電磁変換特性が低下したものと考えられる。
これに対して、本実施例の例2や例4のサンプルテープ
は、上述した理由と同様の理由で、磁性粉末と研磨剤と
が各々の特性を十分に保持しており、電磁変換特性及び
走行耐久性に優れていると考えられる。
【0134】ここで、本実施例の例2と例4とを比較す
ると、例2のサンドミルを用いて磁性粉末分散液と研磨
剤分散液とを混合分散したサンプルテープの方が、例2
のピンミルを用いたサンプルテープよりもやや電磁変換
特性に優れている。これにより、サンドミルを用いた混
合分散処理がさらに好ましいと考えられる。
【0135】次に、図2及び図3から、磁性粉末の保磁
力Hcが120kA/m以上、飽和磁化量σsが110
emu/g以上であるサンプルテープ(例2、例5、例
6及び例7)は、本実施例に基づく製造方法によって、
より電磁変換特性及び走行耐久性の改善効果が得られて
いることがわかる。
【0136】これは、一般的に、保磁力Hc及び飽和磁
化量σsが大きい磁性粉末は、保磁力、飽和磁化量が大
きいので、磁気特性には優れるものの粒子間の相互作用
(磁力等)が大きく分散性が悪いが、本実施例に基づく
製造方法によれば、十分に分散させることができること
を示している。
【0137】また、保磁力Hc及び飽和磁化量σsの上
限としては、Hcが200kA/m、飽和磁化量が17
0emu/gであることが望ましく、さらに表6、図2
及び図3より保磁力Hcは120〜180kA/m、飽
和磁化量σsは120〜160emu/gの範囲内であ
ることが、本実施例の製造方法による効果を得る上で、
さらに好ましいことがわかる。
【0138】また、表6及び図4から、磁性粉末100
重量部に対する研磨剤の配合割合は2〜10重量部とす
ることで本発明の効果が得られ(例1〜例3)、5〜1
0重量部がさらに好ましいことがわかる。
【0139】これは、研磨剤量が10重量部を越えると
(例えば、例8)、研磨剤量が多すぎるために研磨剤の
凝集体が大きくなりすぎて磁性層表面から脱落し易くな
り、走行耐久性が劣化すると共に、磁気特性及び磁性層
表面が荒れて電磁変換特性が低下する。また、研磨剤量
が2重量部未満では(例えば例14)、研磨剤の量が少
なすぎるためにヘッドの自己クリーニング作用が不十分
であり、更に磁性表面の強度が弱く、傷つき易いため、
良好な走行耐久性が得られないことがあるためと考えら
れる。
【0140】
【発明の作用効果】本発明は、上述した如く、磁性粉末
と結合剤とを予め混合、分散して磁性粉末分散液を作製
しているので、磁性粉末の分散に最適な条件のもとでこ
れを分散させることができ、凝集し易く、分散の困難な
磁性粉末を良好に分散させると同時に前記結合剤に十分
に結着させることができる。
【0141】また、この磁性粉末分散液とは別に、研磨
剤と結合剤とを混合、分散して研磨剤分散液を作製して
いるので、非磁性粒子である研磨剤をその分散に最適な
条件のもとで分散させることができ、テープ化した時に
磁気的な空隙となる大きな凝集体のない状態で良好に分
散させると同時に前記結合剤に十分に結着させることが
できる。
【0142】さらに、前記磁性粉末分散液と前記研磨剤
分散液とを、分散媒体による衝撃作用を有する分散機で
混合、分散して磁性塗料を作製することによって、前記
磁性粉末を損傷、破壊することなく、磁性粉末の再凝集
を抑え、衝撃作用の適度な分散効果により、研磨剤粒子
を数個程度の凝集体として前記磁性粉末分散液中に均一
に存在させることができる。従って、その研磨剤の凝集
体の効果によってテープ化した時のヘッドの自己クリー
ニング効果を大きくできるため、前記研磨剤の配合量を
必要最小限に抑えて前記磁性粉末の充填率を大きく向上
させることができる。従って、電磁変換特性と走行耐久
性の両者を同時に、かつ大幅に向上可能な、磁気記録媒
体用塗料が作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の製造方法に基づき作製
された磁気記録媒体の一例の要部の概略断面図である。
【図2】保磁力Hcによる再生出力及びビデオS/Nの
変化を示すグラフである。
【図3】飽和磁化量σsによる再生出力及びビデオS/
Nの変化を示すグラフである。
【図4】研磨剤の配合割合による再生出力及びビデオS
/Nの変化を示すグラフである。
【符号の説明】
11…非磁性支持体、12…磁性層、13…バックコー
ト層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保磁力が120kA/m以上、飽和磁化
    量が110emu/g以上の磁性粉末と結合剤とを混
    合、分散して作製した磁性粉末分散液と、この磁性粉末
    分散液とは別に、研磨剤と結合剤とを混合、分散して作
    製した研磨剤分散液とを、前記磁性粉末100重量部に
    対して前記研磨剤が2〜10重量部の割合となるよう
    に、分散媒体による衝撃作用を有する分散機で混合、分
    散して磁性塗料を作製する磁性塗料の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記分散媒体による衝撃作用を有する分
    散機として、ボールミル、サンドミル、アトライター及
    びピンミルからなる群より選ばれた少なくとも1種の分
    散機を使用する、請求項1に記載した磁性塗料の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 保磁力が120kA/m以上、飽和磁化
    量が110emu/g以上の磁性粉末と結合剤とを混
    合、分散して作製した磁性粉末分散液と、この磁性粉末
    分散液とは別に、研磨剤と結合剤とを混合、分散して作
    製した研磨剤分散液とを、前記磁性粉末100重量部に
    対して前記研磨剤が2〜10重量部の割合となるよう
    に、分散媒体による衝撃作用を有する分散機で混合、分
    散して磁性塗料を作製し、この磁性塗料を非磁性支持体
    上に塗布して磁性層を形成する、磁気記録媒体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記分散媒体による衝撃作用を有する分
    散機として、ボールミル、サンドミル、アトライター及
    びピンミルからなる群より選ばれた少なくとも1種の分
    散機を使用する、請求項3に記載した磁気記録媒体の製
    造方法。
JP14509297A 1997-06-03 1997-06-03 磁性塗料の製造方法及び磁気記録媒体の製造方法 Abandoned JPH10330655A (ja)

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JP14509297A JPH10330655A (ja) 1997-06-03 1997-06-03 磁性塗料の製造方法及び磁気記録媒体の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7635499B2 (en) 2004-01-14 2009-12-22 Fujifilm Corporation Method of manufacturing magnetic recording medium
JP2017068887A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 富士フイルム株式会社 塗布型磁気記録媒体製造用金属酸化物粒子分散物、塗布型磁気記録媒体の磁性層形成用組成物の製造方法、および塗布型磁気記録媒体の製造方法

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US10535367B2 (en) 2015-09-30 2020-01-14 Fujifilm Corporation Metal oxide particle dispersion for manufacturing particulate magnetic recording medium, method of manufacturing magnetic layer-forming composition of particulate magnetic recording medium and method of manufacturing particulate magnetic recording medium

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