JPH09223310A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH09223310A
JPH09223310A JP5417396A JP5417396A JPH09223310A JP H09223310 A JPH09223310 A JP H09223310A JP 5417396 A JP5417396 A JP 5417396A JP 5417396 A JP5417396 A JP 5417396A JP H09223310 A JPH09223310 A JP H09223310A
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JP
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magnetic
chromium oxide
oxide particles
recording medium
particles
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JP5417396A
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Inventor
Takahiro Takayama
貴広 高山
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁変換特性を向上させると共に、従来の研
磨剤からは得られなかった効果を持たせることにより、
研磨作用のみならず耐久性にも優れた磁気記録媒体を得
ること。 【解決手段】 磁性粉及び研磨剤を含有する磁性層2を
有する磁気記録媒体において、前記研磨剤が主として非
磁性酸化クロム粒子(Cr2 3 (3価))と磁性酸化
クロム粒子(CrO2 (4価))とからなっていること
を特徴とする磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性粉及び研磨剤
を含有する磁性層を有する磁気記録媒体に関し、特に、
磁性粉及び研磨剤と結合剤を主成分として含有した磁性
層を非磁性支持体上に形成してなる磁気テープ、磁気デ
ィスク等の塗布型磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録媒体は、例えばオーディ
オ機器、ビデオ機器、コンピュータ等に用いられ、その
需要は著しく伸びてきている。
【0003】こうした磁気記録媒体は、一般に、ポリエ
ステルフィルム等の非磁性支持体上に、磁性粉末及び研
磨剤からなる磁性層が設けられた構造を有している。そ
して、この磁性層は、通常、結合剤を含有する組成物中
に磁性粉等を分散させた磁性塗料を非磁性支持体に塗布
したり、或いは転写することによって形成されている。
【0004】例えば、ポリエステルやポリエチレンテレ
フタレート(PET)等からなる非磁性支持体上に、フ
ェライト、酸化クロム等の磁性酸化物やFe、Co、N
i等を主成分とする磁性合金からなる強磁性微粉末や非
磁性の研磨剤等の粉末を有機高分子材料からなるバイン
ダー中に分散せしめた磁性塗料を塗布し、これにより磁
性層を形成した、いわゆる塗布型の磁気記録媒体が広く
使用されている。
【0005】こうした強磁性微粉末を使用する磁気記録
媒体において、VTR(ビデオテープレコーダ)等に見
られる記録波長の短波長化、高密度化に伴い、ビデオテ
ープやオーディオテープ等の磁気記録媒体の特性を改善
するために、磁性粒子(磁性粉)の高密度充填が図られ
ている。
【0006】このため、塗布型の磁気記録媒体では、磁
性粒子を高密度に充填する上で、磁性塗料の分散性を飛
躍的に向上させることが求められている。
【0007】従来、高電磁変換特性の磁気記録媒体にお
いては、理論的には、磁性粉のみを高密度に配向した磁
性層にて得られるものであるが、塗布型における磁気記
録媒体においては、生産性、耐久性を考慮し、結合剤、
硬化剤、各種添加剤等の物質が磁性層に加えられる。
【0008】特に、添加剤として多用される研磨剤は、
記録・再生の際の磁気記録媒体と記録ヘッドの接触によ
りヘッド表面に磁気記録媒体中の物質が付着するのを取
り除く効果があり、媒体が走行することによって発生す
るヘッドの摺動ノイズの制御のためにも重要である。
【0009】これまで知られている研磨剤は、安価で分
散能力の高い酸化クロム(Cr2 3 (3価))や、研
磨力の高いα/β−アルミナ(α/β−Al2 3 )等
が一般的である。
【0010】このように、磁気記録媒体の磁性層に用い
られてきた添加物としては、研磨作用と摺動ノイズの制
御を目的とした研磨剤をはじめ、電気抵抗の低減と表面
粗さの制御及び光透過率の改善を目的としたカーボンブ
ラック、磁性粉と結合剤の表面活性の改善及び分散向上
を目的とする分散剤、媒体とヘッドとの摩擦低減を目的
とした潤滑剤等が挙げられる。
【0011】従って、1つの目的に対して一種の添加剤
といった組成の選択がなされているので、上記の添加剤
性能の各項目を満足し得るためには、多量の添加剤を磁
性層に同時に混入することが必要となる。これでは、磁
性塗料の調製、特に各種添加剤の分散が不十分となった
り、磁性粉の充填密度に限界がある等の問題が生じ易
い。
【0012】このため、高電磁変換特性の媒体を得るに
は、磁性粉以外の物質の添加を低減させる必要がある
が、上記した従来の研磨剤ではその効果が十分ではな
く、更なる高性能の研磨剤の開発が求められている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、以上
のような現状に鑑み、電磁変換特性を向上させると共
に、従来の研磨剤からは得られなかった効果を持たせる
ことにより、研磨作用のみならず耐久性にも優れた磁気
記録媒体を得ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、磁性粉
及び研磨剤を含有する磁性層を有する磁気記録媒体にお
いて、前記研磨剤が主として非磁性酸化クロム粒子と磁
性酸化クロム粒子とからなっていることを特徴とする磁
気記録媒体に係るものである。
【0015】本発明者は、上述した従来の研磨剤のもつ
問題点を解決するために鋭意検討した結果、磁性塗料中
に、非磁性酸化クロム粒子(Cr2 3 (3価))と磁
性酸化クロム粒子(CrO2 (4価))とを研磨剤とし
て添加・分散することが効果的であることを見出し、本
発明に到達したものである。
【0016】まず、本発明で用いる4価クロム(CrO
2 )の一般的な特性は、後記の表1に示す通りである。
この4価クロムは、磁性を有し、磁性粉としても用いら
れ、磁気記録媒体の主成分ともなる物質である。これ
は、クロムアンモニウム((NH4 2 Cr2 7 )と
酸化クロム(CrO3 、Cr2 3 )と水(H2 O)と
の反応によって得られ、製造工程的に非常に安易に合成
でき、安価で高純度に供給が可能である。
【0017】近年、地球環境を考慮してクロム化合物を
使用しない傾向にあるが、これは6価クロムからなる酸
化クロム(CrO3 )が人体に影響を与えるためであ
る。産業上、クロム化合物を使用する場合、少なからず
6価クロムが含まれるが、本発明では、主成分としてで
はなく、研磨剤として少量添加するにすぎず、原料とし
ての6価クロムは化合物の精製にて十分に除去され得る
ので、問題となる存在量ではないと思われる。
【0018】こうして得られる4価クロム(CrO2
は粉末自体が黒色であり、広範囲の吸収波長を持つこと
が特徴である。VHS方式の磁気テープの記録フォーマ
ットでは、光透過率によりテープの走行を制御してい
る。このため、VHS方式の製品規格で磁気記録媒体の
光透過率が 0.8%以下と定められているので、磁性粉末
以外の添加物の混入が必要となる。本発明で用いる4価
クロム(CrO2 )は、そうした記録フォーマットを満
たす光透過率を示すので、カーボンブラック等に代えて
添加可能である。
【0019】但し、CrO2 (4価)は通常の研磨剤に
比べてモース硬度が低いために研磨性が小さく、多量の
添加が必要ではある。しかし、上記したように、CrO
2 (4価)自体は磁性を持つために、多量に添加した際
も静磁気、電磁変換特性の低下はない。地球環境保護を
考えた場合、添加量は極力低く抑えた方が好ましい。
【0020】そこで、本発明では、CrO2 (4価)粒
子と共に非磁性のCr2 3 (3価)粒子を添加し、十
分な研磨力をもった磁気記録媒体とすることが著しい特
徴である。
【0021】即ち、Cr2 3 粒子は、後記の表1に示
すように、モース硬度が高くて研磨力に優れているの
で、CrO2 の上記した問題を完全に補償し、研磨剤と
して十分な作用をなし、かつCrO2 のもつ磁性によっ
て媒体の静磁気、電磁変換特性、更には光透過率の低下
という効果を同時に発揮できる(Cr2 3 粒子は緑色
を呈するために光透過率の低下に一定程度は寄与してい
る)。
【0022】また、本発明のようにCrO2 粒子とCr
2 3 粒子とを併用することによって、これら酸化クロ
ム粒子のもつ良分散性に基づいて静磁気、電磁変換特性
が向上し、磁性粉の充填性が良好となるから、上述した
分散剤の添加量を減らせる可能性がある。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の磁気記録媒体において
は、上記した非磁性酸化クロム(Cr2 3 )粒子と磁
性酸化クロム(CrO2 )粒子との合計量が磁性粉 100
重量部に対して5〜20重量部であることが、上記した顕
著な効果を得る上で望ましい。
【0024】この場合、上記非磁性酸化クロム粒子と上
記磁性酸化クロム粒子との合計量のうち、非磁性酸化ク
ロム粒子の割合が50重量%以下であることが、CrO2
の効果を十二分に発揮させると共にCr2 3 の研磨力
を生かすために望ましいものである。
【0025】研磨剤としては、上記した酸化クロム(2
種類)を併用するが、これに加えて、アルミナ、酸化チ
タン、α−酸化鉄、炭化ケイ素、コランダム、(人造)
ダイヤモンド等を少量使用してもよい。
【0026】本発明の磁気記録媒体において、非磁性支
持体、磁性層に混入される強磁性粉末、結合剤、硬化
剤、帯電防止剤、防錆剤、或いは磁性塗料を調製するの
に使用される溶剤は、従来公知のものがいずれも適用可
能であり、何ら限定されない。
【0027】強磁性粉末としては、γ−FeOX (x=
1.33〜1.5)、Co変性γ−FeOX(x=1.33〜1.5)、
FeまたはNiまたはCoを主成分(75%以上)とする
強磁性合金、バリウムフェライト、ストロンチウムフェ
ライトなど公知の強磁性材料が使用できる。またこれら
の強磁性粉末には所定の原子以外にAl、Si、S、S
c、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、A
g、Sn、Sb、Te、Ba、Ni、Ta、W、Re、
Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、P、Mn、Z
n、Co、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。
【0028】また、非磁性支持体の素材としては、一般
に磁気記録媒体に使用されるものを使用することがで
き、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセ
テート、セルロースジアセテート、セルロースアセテー
トブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボネー
ト、ポリイミド、ポリアミドイミド、その他のプラスチ
ック、アルミニウム、銅等の金属、アルミニウム合金、
チタン合金等の軽合金、セラミックス、単結晶シリコン
等である。
【0029】非磁性支持体の形状も何ら限定されるもの
ではなく、テープ状、シート状、ドラム状等如何なる形
態であってもよい。更に、非磁性支持体には、その表面
性をコントロールするために、微細な凹凸が形成される
ような表面処理が施されてもよい。
【0030】また、磁性層に用いる結合剤としては、い
ずれも公知の材料を使用できる。即ち、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルア
ルコール共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、アクリル酸エス
テル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル−
アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸−塩化ビニリ
デン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合
体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ
弗化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合
体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、ポリビ
ニルブチラール、セルロース誘導体、スチレン−ブタジ
エン共重合体、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂またはこれらの混合物な
どが挙げられる。
【0031】なかでも、柔軟性を付与するとされている
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体等や、剛性を付与するとされて
いるセルロース誘導体、フェノール樹脂、エポキシ樹脂
等が望ましい。
【0032】上記の結合剤は、イソシアネート化合物
(硬化剤)で架橋させることにより、耐久性を向上させ
たり、或いは、適当な極性基を導入させたものであって
もよい。
【0033】硬化剤としては、芳香族ポリイソシアネー
ト及び脂肪族ポリイソシアネートが挙げられ、これらと
活性水素化合物との付加体が好ましい。
【0034】芳香族ポリイソシアネートとしてはトルエ
ンジイソシアネート(TDI)、1,3−キシレンジイ
ソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)、p−フェニルジイソシアネート、m−フェニルジ
イソシアネート、1,5−ナフチルジイソシアネート等
を挙げることができる。
【0035】また、脂肪族ポリイソシアネートとして
は、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシ
クロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IP
DI)等を挙げることができる。
【0036】これらと付加体を形成する活性水素化合物
としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、
グリセリン等があり、付加体の平均分子量は、 100〜5,
000 の範囲のものが好ましい。
【0037】これらのイソシアネート系硬化剤の含有量
は前記結合剤 100重量部に対して0〜30重量部であるの
が望ましい。
【0038】良好な分散性を得るために、用いる結合剤
の一部又は全部に、以下に示す親水性極性基を含有させ
ることができる。この極性基の量は結合剤1g当たり0.
03〜0.3mmol が好ましい。結合剤1g当たり0.03mmolよ
り少ないと、分散性に対する効果が小さくなり、結合剤
1g当たり 0.3mmolより多い場合には、吸湿性が高くな
り、耐候性が悪くなるばかりでなく、かえって分散性が
悪化してしまう場合がある。また、この極性基は1種類
でも2種類以上含まれても構わない。
【0039】−COOM、−SO3 M、−O−SO
3 M、−P=O(OM)2 、−O−P=O(OM)2
−NR4 X、−NR2 、−SH(ここでは、MはH、L
i、Na、K、−NR4 (Rはアルキル基又はH)、X
はハロゲン原子を示す。)
【0040】また、潤滑剤としては、シリコーンオイ
ル、脂肪酸変性シリコーン、弗素含有シリコーン、また
はその他の弗素系潤滑剤、ポリオレフィン、ポリグリコ
ール、アルキル燐酸エステル及び金属塩、ポリフェニル
エーテル、弗化アルキルエーテル、炭素数12〜24のアル
コール類(それぞれ不飽和を含んでも分岐していてもか
まわない)、炭素数12〜24の高級脂肪酸及び脂肪酸エス
テル類(それぞれ不飽和を含んでも分岐していてもかま
わない)、アルキルカルボン酸アミン塩及び弗化アルキ
ルカルボン酸アミン塩等のアミン系潤滑剤、などを使用
できる。
【0041】上記の高級脂肪酸及び脂肪酸エステル類の
具体的な例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン
酸、オレイン酸、エイコ酸、エライジン酸、ヘベン酸、
リノール酸、リノレイン酸、ステアリン酸オクチル、ス
テアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ミリ
スチン酸イソオクチル、ステアリン酸ブトキシエチル、
ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘプチル等がある。
また潤滑剤は、複数の潤滑剤を混合してもかまわない。
【0042】帯電防止剤としては、公知のカーボンブラ
ックを使用できる。例えば、アセチレンブラック、ファ
ーネスブラック、カラー用ブラック等を任意に使用でき
る。また、製造工程中のハンドリングを良くするため、
顆粒状のものを使用してもかまわない。カーボンブラッ
クの粒子径は、10〜1000nmの範囲のものを使用するのが
好ましい。
【0043】また、磁性塗料を調製するための溶剤とし
ては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸エチ
ルモノエチルエーテル等のエステル系溶媒、グリコール
モノエチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテ
ル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系
炭化水素系溶媒、メチレンクロリド、エチレンクロリ
ド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリ
ン、ジクロロベンゼン等の塩素含有系溶媒が挙げられ
る。またその他従来公知の有機溶媒を使用することがで
きる。
【0044】磁性塗料を調製する方法としては、いずれ
も公知の方法を利用できる。例えば、ロールミル、ボー
ルミル、サンドミル、トロンミル、高速ストーンミル、
バスケットミル、ディスパー、ホモミキサー、ニーダ
ー、連続ニーダー、エクストルーダー、ホモジナイザー
及び超音波分散機等を用いることができる。
【0045】磁性塗料を塗布するに際しては、非磁性支
持体上に直接塗布する前に、接着剤層等の下塗り層を形
成したり、非磁性支持体上にコロナ放電処理や電子線照
射処理等の前処理を施しても構わない。
【0046】非磁性支持体上への塗布の方法としては、
エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコー
ト、押し出しコート、エアナイフコート、スクイズコー
ト、含浸コート、リバースロールコート、グラビアコー
ト、トランスファーロールコート、キャストコート等の
方法を挙げることができ、これら以外の方法も使用で
き、さらに、押し出しコートによる同時重層塗布でもよ
い。
【0047】なお、磁性層は単層であってもよいし、2
層以上の多層であってもよい。そして、非磁性支持体上
の磁性層と同じ側に、α−酸化鉄、カーボンブラック、
酸化チタン、炭酸カルシウム、アルミナ等の非磁性又は
磁性の非常に小さい粉末と、結合剤とを主体とする下塗
層を設けてもよい。
【0048】以上が本発明の磁気記録媒体の基本的な構
成であるが、磁気記録媒体の構成はこれに限られず、例
えば非磁性支持体の磁性層が形成されている側とは反対
側に、非磁性又は磁性の粉末と結合剤とを主体としたバ
ックコート層が形成されていてよい。
【0049】バックコート層に用いる非磁性粉末として
は、カーボンブラックを主体とするものが一般的である
が、これ以外にも、炭酸カルシウム、アルミナ、酸化チ
タン、α−酸化鉄等が挙げられる。また、磁性粉末とし
ては、磁性層に用いるものとして上述したもののいずれ
も使用可能である。それらを単独又は組み合わせて用い
てもよい。結合剤及びその他の添加剤としては、磁性層
に用いるものとして上述したもののいずれも使用可能で
あり、それらを単独又は組み合わせて用いてもよい。
【0050】しかし、本発明の磁気記録媒体は、上述し
た磁性層組成によって、研磨性、走行性、耐久性等が十
分となるため、バックコート層は設けなくてもよい。バ
ックコート層を設けなければ、その分、媒体の厚みを減
らすことができる。即ち、非磁性支持体上に磁性層が設
けられ、非磁性支持体に関し磁性層とは反対側の面が非
磁性支持体の面であるのがよい。
【0051】本発明の磁気記録媒体は、例えば図1に示
すように、非磁性支持体1上に、磁性層2を形成したも
のである。また、この磁性層とは反対側の支持体面には
バックコート層3が設けられてよいが、これは必ずしも
設ける必要はない。磁性層上にはオーバーコート層を設
けてよい。
【0052】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例について説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、以下の例において、「部」は「重量部」を表
す。
【0053】次の組成に従って、磁性層を形成するため
の磁性塗料を調製した。 <磁性塗料液>下記の磁性塗料組成を、それぞれ連続ニ
ーダーで混練した後、サンドミルを用いて分散し、ポリ
イソシアネートを4部とステアリン酸ブチルを1部加
え、1μmの平均口径を有するフィルターで濾過し、磁
性塗料液とした。
【0054】 Co変性γ−Fe2 3 100重量部 (BET法による比表面積 40m2/g) 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 10重量部 (U.C.C社製、商品名:ビニライトVAGH) ポリウレタン樹脂 10重量部 (日本ポリウレタン社製、商品名:N−2304) カーボンブラック 3重量部 (CABOT社製、商品名:BP−L) ポリイソシアネート 4重量部 (日本ポリウレタン社製、商品名:コロネートL) ミリスチン酸 1重量部 ステアリン酸ブチル 1重量部 メチルエチルケトン 80重量部 トルエン 80重量部 研磨剤(下記の表1参照) (下記の表2参照)
【0055】分散した磁性塗料液を、ダイコートによ
り、厚さが14μmのポリエチレンテレフタレートフィル
ムに、 4.0μmの厚みで塗布した。得られた幅広の磁性
フィルムを所定の条件(温度、時間)下でキュアーした
後、1/2インチ幅に裁断してビデオテープを作成し
た。このテープをVHS方式のカセットに組み込んだ。
【0056】以上の方法で作成した各例のビデオテープ
について、分散性、静磁気特性、ビデオ電磁変換特性、
表面電気抵抗、光透過率並びに研磨力の評価を行った。
各測定は以下の通りであり、結果を下記の表2に示す。
【0057】1.分散性 磁性塗料液を、ポリエチレンテレフタレートフィルム
(厚さ14.0μm)上に塗布・乾燥した後、塗布面の光沢
度(グロス)を、日本電色工業社製デジタル変角光沢計
VG−1Dにより入射角度45°で測定した。各々の光沢
度を、以下の評価基準により表した。 光沢度 120%以上(良好) 光沢度 100%以上、 120%未満(やや不良) 光沢度 100%未満(不良)
【0058】2.RF−OUT(ビデオ出力) VTR AG−6200(松下電器産業社製)を用いて、ビ
デオ信号を記録し、その再生レベルを、例−7のテープ
を基準テープとし、この出力を0dBとした時の相対値で
表す。
【0059】3.Y−S/N(ビデオS/N) ビデオ信号のS/N比を、上記基準テープを0dBとした
時の相対値で表す。
【0060】4.C−OUT(クロマ出力) クロマ信号を記録、再生し、その再生出力レベルを、上
記基準テープを0dBとした時の相対値で表す。
【0061】5.C−S/N(クロマS/N) クロマ信号のS/N比を、上記基準テープを0dBとした
時の相対値で表す。
【0062】6.表面電気抵抗 サンプルサイズを1/2インチ×1/2インチとし、デ
ジタルマルチメーター(松下電器産業社製)により測定
した(23℃、30%RH条件下)。
【0063】7.光透過率 VHSカセットオプチカルテスターVT−2M(JVC
社製)により、テープの光透過率を測定した。
【0064】8.ヘッドウエア VTR AG−6200(松下電器産業社製)を用いて、T
−120 (120分長)のビデオテープを記録走行1Pass、再
生走行49Pass、計50Pass行い、ヘッドの摩耗を測定。
【0065】9.摺動ノイズ VTR AG−6200(松下電器産業社製)を用いて、1
Pass走行後、記録、再生し、その再生レベルを、上記基
準テープとの相対値で表す。
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】表−2に示す結果から、研磨剤としてCr
2 (4価)粒子のみを添加した場合(例−8)には、
静磁気及び電磁変換特性の低下が比較的少ないが、これ
は、CrO2 (4価)粒子が他の研磨剤に比べて磁性を
もち、分散性に優れ、高密度の磁性層が得られたためと
思われる。この特性向上は、添加量の増加にしたがって
減少しているが、光透過率、電気抵抗の2項目において
は良好である。また、表−1に示すように、4価クロム
は導電性黒色粉体であり、カーボンブラックと同様の効
果がこの2項目においても見られた。
【0071】しかし、CrO2 は少量の添加では研磨力
が低く、摺動ノイズによる低下も大きいため、Cr2
3 (3価)粒子の添加が必要である(例−1〜例−6参
照)。
【0072】一方、Cr2 3 (3価)のみを添加した
場合(例−7)では、十分な研磨力は得られ、摺動ノイ
ズも良好であるが、磁気特性においての低下が大きく、
分散状態も良くない。
【0073】これらに対して、Cr2 3 (3価)粒子
とCrO2 (4価)粒子の2種を混合した場合(例−1
〜例−6、例−9〜例−11)では、両研磨剤の特性を持
ち、磁気特性、研磨力、摺動ノイズ共、多くは良好であ
った。特に、添加総和量5〜20重量部、更には15〜20重
量部の例−3、例−5においては、各特性においてバラ
ンスのとれた磁気記録媒体となる。
【0074】なお、Cr2 3 粒子とCrO2 粒子との
混合において、Cr2 3 を50重量%以下にする方が、
分散性、電磁変換特性の点で好ましいことが分かる(例
−3〜例−5と例−9〜例−11との対比)。
【0075】以上のように、本発明に基づいて、磁気記
録媒体中の研磨剤にCr2 3 (3価)粒子とCrO2
(4価)粒子とを用いることによって、研磨力のみなら
ず、摺動ノイズについても効果が見られた。研磨力は、
他の研磨剤と比較して大差はないが、分散性の向上によ
るBr(残留磁束密度)、Rs(角型比)の静磁気特性
が改善され、磁性粉末の高密度充填が可能となる。これ
により、電磁変換特性(特にビデオS/N、クロマ出
力、クロマS/N)が改良される。また、摺動ノイズの
改善により、テープ走行信頼性が向上した。
【0076】こうして、高電磁変換特性と高耐久性を兼
ね備えた磁気記録媒体の提供が可能となる。
【0077】
【発明の作用効果】本発明は上述した如く、非磁性酸化
クロム:Cr2 3 (3価)粒子と共に磁性酸化クロ
ム:CrO2 (4価)粒子を研磨剤として添加している
ので、Cr23 粒子はモース硬度が高くて研磨力に優
れ、研磨剤として十分な作用をなすと同時に、CrO2
粒子のもつ磁性によって、媒体の静磁気、電磁変換特性
が向上し、更には光透過率の低下を効果的に実現でき
る。
【0078】また、本発明のようにCrO2 粒子とCr
2 3 粒子とを併用することによって、これら酸化クロ
ム粒子のもつ良分散性に基づいて静磁気、電磁変換特性
が向上し、磁性粉の充填性が良好となるから、分散剤の
添加量を減らせる可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく磁気記録媒体の一例の断面図で
ある。
【符号の説明】
1・・・非磁性支持体 2・・・磁性層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性粉及び研磨剤を含有する磁性層を有
    する磁気記録媒体において、前記研磨剤が主として非磁
    性酸化クロム粒子と磁性酸化クロム粒子とからなってい
    ることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 非磁性酸化クロム(Cr2 3 )粒子と
    磁性酸化クロム(CrO2 )粒子との合計量が磁性粉 1
    00重量部に対して5〜20重量部である、請求項1に記載
    した磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 非磁性酸化クロム粒子と磁性酸化クロム
    粒子との合計量のうち、前記非磁性酸化クロム粒子の割
    合が50重量%以下である、請求項2に記載した磁気記録
    媒体。
  4. 【請求項4】 磁性粉及び研磨剤を結合剤中に分散させ
    てなる磁性層にイソシアネート系硬化剤が含有され、こ
    のイソシアネート系硬化剤の含有量が前記結合剤 100重
    量部に対して0〜30重量部である、請求項1に記載した
    磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 非磁性支持体上に磁性層が設けられ、前
    記非磁性支持体に関し前記磁性層とは反対側の面が前記
    非磁性支持体の面である、請求項1に記載した磁気記録
    媒体。
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