JP2003123223A - 塗布型磁気記録媒体 - Google Patents

塗布型磁気記録媒体

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JP2003123223A
JP2003123223A JP2001316763A JP2001316763A JP2003123223A JP 2003123223 A JP2003123223 A JP 2003123223A JP 2001316763 A JP2001316763 A JP 2001316763A JP 2001316763 A JP2001316763 A JP 2001316763A JP 2003123223 A JP2003123223 A JP 2003123223A
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magnetic recording
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JP2001316763A
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Hiroyuki Sato
宏之 佐藤
Kazue Aizawa
和恵 相澤
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Sony Corp
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来は相反する特性であると認識されていた
電磁変換特性及び走行耐久性に加えて、耐粉落性にも優
れた塗布型磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 10〜40μmの波長成分の高速フーリェ変
換強度の平均をλLとし、100〜200μmの波長成分の高
速フーリェ変換強度の平均をλSとした場合に、磁性層
が形成される側の非磁性支持体の表面波長成分比率(λ
L/λS)が2以下で、中心線平均粗さ(Ra)が20nm以
下である塗布型磁気記録媒体。λL/λS及びRaのいず
れか一方が前記範囲を逸脱すると、電磁変換特性、走行
耐久性及び耐粉落性のうちのいずれかが劣化するが、両
者が前記範囲内にあると前記特性の全てを満足する磁気
記録媒体が提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性支持体上に
磁性層を塗布形成した、いわゆる塗布型の磁気記録媒体
に関し、より詳細にはその非磁性支持体表面の粗さを特
定することにより電磁変換特性等の磁気特性及び走行耐
久性を向上させた磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】塗布型磁気記録媒体では、ベースフィル
ム(非磁性支持体)の表面性が、磁性表面に影響し、電
磁変換特性や走行性、あるいはドロップアウトなどに影
響を与えることは知られている。磁性塗料塗布側の非磁
性支持体表面を平滑にすることは、磁性表面の平滑化に
は有効な手段となる。磁性表面が平滑であると磁気ヘッ
ドとの接触を密にすることができて、記録再生時のスペ
ーシングロスを減らし、出力低下を防ぐことになる。
【0003】しかし非磁性支持体表面を単に平滑化して
ゆくと高い電磁変換特性は得られるものの、走行系内で
の摩擦の上昇を招き、走行時のテープエッジ折れ、ジッ
ター、ウォーターフローなどの発生による走行不安定が
起こる。逆に、走行性を確保するために非磁性支持体表
面を荒してゆくと、電磁変換特性は低下する。このよう
に、表面性という点から電磁変換特性と走行性は相反す
る特性とみなされてきた。従来、磁気記録媒体の磁性層
が塗布される側の非磁性支持体の表面性は、中心線平均
粗さ(Ra)や、十点平均粗さ(Rz)で表現するのが
一般的であった。これらの数値は、表面全体を平均化し
たり、或る特定の部分に注目したものであり、この上に
塗布された磁性表面が非磁性支持体の表面によってどの
ように影響を受けているかは判断することができなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような欠点を解消
するために、1〜5μmの粗さの波長成分強度と10〜50
μmの粗さの波長成分強度の比率の範囲及び中心線平均
粗さの範囲を特定した磁気記録媒体が提案されている
(特開平8−329445号公報)。この発明は、電磁変換特
性と走行性との双方の向上を図ることを目的としている
が、更に広範囲な波長成分強度を確認することで、より
優れた電磁変換特性及び走行性の両立を図れることが判
明した。本発明は、電磁変換特性と走行性・耐久性との
より以上の両立性を図ることができるようにした塗布型
磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、非磁性支持
体、及び該非磁性支持体上に形成される磁性層を含んで
成る磁気記録媒体において、10〜40μmの波長成分の高
速フーリェ変換(Fast Fourier Transformation、FF
T)強度の平均をλLとし、100〜200μmの波長成分の
FFT強度の平均をλSとした場合に、磁性層が形成さ
れる側の非磁性支持体の表面波長成分比率(λL/λ
S)が2以下で、中心線平均粗さが20nm以下であること
を特徴とする塗布型磁気記録媒体である。
【0006】以下本発明を詳細に説明する。本発明で、
中心線平均粗さ(Ra)とは、粗さ曲線からその中心線
方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分
の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸、粗さ曲線をy=
f(x)で表したとき、下式によって求められる値をい
う。
【0007】
【数1】
【0008】非磁性支持体の表面波長成分比率(λL/
λS)が2以下、つまり比較的小さくなるのは、長波長
成分量が少ないか、短波長成分量が多いときであり、こ
の表面波長成分比率は、内添するフィラーの量、粒径、
材質、表面処理状態、さらには、フィルム層構造(多層
構造)あるいは、非磁性支持体自体の表面処理などによ
って決定される。ところで、長波長成分が多い場合は磁
性表面上にも長波長成分が現れて、ヘッド及び走行系内
のガイドとの接触において接触部分が長波長成分により
決定されることになる。この場合は、長い波長の凸部上
のみが磁気ヘッド及び磁気記録媒体の走行ガイドとの接
触部分となる。長波長成分が少なく表面突起全体で接触
する場合に比べ、実質的に接触する突起数が減少し各突
起に架かる応力が大きくなるため、走行を繰り返したと
きに突起が塑性変形を起こしやすく、摩擦の上昇を招き
走行が不安定になる。さらに長い波長の凸部上しかヘッ
ドチップは接触できないため、スペーシングが増大して
電磁変換特性は低下する。また、短波長成分が少ない場
合は、短波長成分である突起(フィラー)が少なくなる
ことを意味しており、真実接触面積が増大し非磁性支持
体素地(有機高分子面)が直接接触し、摩擦上昇を招き
製造工程内での走行が困難となる。
【0009】ここに非磁性支持体の磁性層が形成される
側の表面のλL/λSの最適範囲を特定する所以があ
り、長波長側を10〜40μm、短波長側を100〜200μmと
すると、本発明ではλL/λS≦2であることを必須と
し、その下限は望ましくは0.5、より望ましくは1.0であ
る。又非磁性支持体の磁性層が形成される側の表面の中
心線平均粗さは20nm以下であり、その下限は望ましくは
5nmである。つまり本発明者らはテープ走行性や電磁変
換特性に悪影響を与えるのが、うねり成分には至らない
粗さの長波長成分であることを見出し、さらにこのよう
な磁性表面成分を作るのが、波長10〜40μmの非磁性支
持体表面波長成分であることを突き止めた。そして、10
〜40μmの波長成分のFFT強度の平均をλS とし100
〜200μmの波長成分のFFT強度の平均をλLとした
場合に、表面波長成分強度比率(λL/λS )を、λ
L/λS≦2とすることで、安定した走行性を持つ磁気
テープ、すなわち磁気記録媒体が作製できることがわか
った。そして、この比率を維持して、Raを20nm以下と
することにより、走行安定性と高い電磁変換特性を兼ね
備えた磁気記録媒体が得られることが分かった。
【0010】また、その磁性層を形成する上記磁性塗料
は、強磁性粉末が結合剤中に分散されてなり、強磁性粉
末は、その保持力(Hc)が50〜100kA/mであるこ
とが望ましい。本発明の磁気記録媒体では、使用される
非磁性支持体、磁性層に混入される磁性粉末及び結合
剤、あるいは必要に応じて添加される分散剤、研磨剤、
帯電防止剤、防錆剤等は何ら限定されず、従来の任意の
薬剤等が適用できる。
【0011】強磁性粉末としては、γ−FeOx(x=
1.33〜1.5)、Co変性γ−FeOx(x=1.33〜1.
5)、Fe又はNi又はCoを主成分(75%以上)とする
強磁性合金(例えば、Fe、Co、Ni、Fe−Co、
Fe−Ni、Fe−Co−Ni、Co−Ni、Fe−C
o−B、Fe−Co−Cr−B、Mn−Bi、Mn−A
l、Fe−Co−V等)、バリウムフェライト、ストロ
ンチウムフェライト等の公知の強磁性材料を使用でき
る。これらの強磁性粉末には、所定の原子以外にAl、
Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、R
h、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ni、T
a、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、
P、Mn、Zn、Co、Sr及びB等の原子を含んでい
ても良い。
【0012】その表面に直接又は他の部材を介して上記
磁性層が被覆形成される非磁性支持体は、一般に磁気記
録媒体に使用される素材が限定なく使用でき、例えばポ
リエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナ
フタレート(PEN)等のポリエステル類、ポリエチレ
ンやポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリ塩化ビ
ニルやポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカー
ボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド、その他のプ
ラスチック、アルミニウム及び銅等の金属、アルミニウ
ム合金及びチタン合金等の軽合金、セラミックス及び単
結晶シリコン等が使用できる。中でもPET、PEN、
ポリテトラメチレンフタレート、ポリ−1,4−シクロ
ヘキサンジメチレンフタレート、ポリエチレン2,6−
ナフタレンジカルボキシレート、ポリエチレン−p−オ
キソベンゾエート等のポリエステル類が好ましく使用で
き、特にPET及びPENが材料の入手し易さや加工性
の良好さの点から好適である。これらのポリエステル類
は、ホモポリエステルでもコポリエステルであっても良
い。
【0013】前記非磁性支持体の形状も何ら限定され
ず、テープ状、シート状及びドラム状など如何なる形態
であっても良い。更にこの非磁性支持体表面には、その
表面性をコントロールするために微細な凹凸を形成する
ための表面処理を施しても良い。また、上記磁性粉末を
分散させる結合剤は、通常の塗布型磁気記録媒体で用い
られている樹脂材料がいずれも使用可能であって、特に
その種類は限定されない。代表的な結合剤樹脂を例示す
れば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−
酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−
塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリ
ル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重
合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、
アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、メタ
クリル酸エステル−スチレン共重合体、熱可塑性ポリウ
レタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフッ化ビニル、塩化
ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−
アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジ
エン−メタクリル酸共重合体、ポリビニルブチラール、
セルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポ
リエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬
化性ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アル
キド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、ポリビニルア
セタール樹脂又はこれらの混合物がある。
【0014】中でも柔軟性が付与されたポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂及びブタジエン−アクリロニトリ
ル共重合体等と、剛性が付与されているセルロース誘導
体、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂の使用が望まし
い。これらの結合剤は、イソシアネート化合物を架橋さ
せることにより、耐久性を向上させたり、適当な極性基
を導入しても良い。硬化剤としては、ポリイソシアネー
ト及び脂肪族ポリイソシアネートが挙げられ、これらと
活性水素付加体の併用が好ましい。芳香族ポリイソシア
ネートとしては、トルエンジイソシアネート(TD
I)、1,3−キシレンジイソシアネート、1,4−キ
シレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタン
イソシアネート、p−フェニルジイソシアネート、m−
フェニルジイソシアネート、1,5−ナフチルジイソシ
アネート等がある。又脂肪族ポリイソシアネートとして
は、ヘキサメチレンイソシアネート(HDI)、ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジ
イソシアネート等がある。これらと付加体を形成する活
性水素化合物として、エチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプ
ロパン、グリセリン等があり、平均分子量は100〜5000
の範囲が好ましい。
【0015】本発明で使用可能な潤滑剤は、シリコーン
オイル、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン
又はその他のフッ素系潤滑剤、ポリオレフィン、ポリグ
リコール、アルキル燐酸エステル及び金属塩、ポリフェ
ニルエーテル、フッ化アルキルエーテル、炭素数12〜24
のアルコール類(不飽和又は分枝であっても良い)、炭
素数12〜24の高級脂肪酸及び脂肪酸エステル(不飽和又
は分枝であっても良い)、アルキルカルボン酸アミン塩
等のアミン系潤滑剤を含む。高級脂肪酸及び脂肪酸エス
テルの具体例として、ラウリン酸、ミリスチリン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、オレイン酸、
エイコ酸、エライジン酸、ヘベン酸、リノール酸、リノ
レイン酸、ステアリン酸オクチル、ミリステアリン酸イ
ソオクチル、ミリスチリン酸オクチル、ミリスチリン酸
イソオクチル、ステアリン酸ブトキシエチル、ステアリ
ン酸ブチル、ステアリン酸ヘプチル等がある。これらの
潤滑剤は他の潤滑剤と共に複数混合して使用しても良
い。
【0016】本発明で使用される研磨剤としては、α−
アルミナ、β−アルミナ、溶融アルミナ、炭化珪素、酸
化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、ダ
イヤモンド、ケイ石、ザクロ石、ガーネット、窒化ケイ
素、窒化ホウ素、炭化モリブデン、炭化ホウ素、炭化タ
ングステン、酸化チタン等を主成分にしてモース硬度6
以上の公知の材料が単独又は組み合わせて使用される。
これらの研磨剤の粒子径は0.01〜2μmが好ましい
が、必要に応じて粒子サイズの異なる研磨剤を組み合わ
せたり、単独の研磨剤でも粒度分布を広げたりして用い
ることができる。
【0017】本発明では帯電防止剤として任意の公知の
カーボンブラックを使用することができ、例えばコロン
ビアカーボン社製ラーベン(RAVEN)−1205(粒径23.0n
m、BET値135.0m2/g、DBP吸油量58.0ml/100g)、ラ
ーベン−1255(粒径23.0nm、BET値125.0m2/g、DBP
吸油量58.0ml/100g)、ラーベン−1020(粒径27.0n
m、BET値95.0m2/g、DBP吸油量60.0ml/100g)、ラ
ーベン−1080(粒径28.0nm、BET値78.0m2/g、DBP吸
油量65.0ml/100g)、ラーベン−1035、ラーベン−104
0、ラーベン−1060、ラーベン−3300、ラーベン−450、
ラーベン−780等、又はコンダクテック(CONDUCTEX)−
SC(粒径20.0nm、BET値220.0m2/g、DBP吸油量115.0m
l/100g)が使用できる。又旭カーボン社製−#80(粒
径23.0nm、BET値117.0m2/g、DBP吸油量113.0ml/100
g)、三菱化学社製−#22B(粒径40.0nm、BET値55.0m
2/g、DBP吸油量131.0ml/100g)、−#20B(粒径40.
0nm、BET値56.0m2/g、DBP吸油量115.0ml/100g)、
キャボット社製ブラックパールズ(BLACKPEARLS)−L
(粒径24.0nm、BET値250.0m2/g、DBP吸油量60.0ml/
100g)、ブラックパールズ−800(粒径17.0nm、BET値2
40.0m2/g、DBP吸油量75.0ml/100g)、ブラックパ
ールズ−1000、ブラックパールズ−700、ブラックパー
ルズ−905等が挙げられる。又製造工程中のハンドリン
グを良くするために顆粒状のカーボンブラックを使用し
ても構わない。カーボンブラックの粒径は10〜1000nmの
範囲であることが望ましい。
【0018】帯電防止剤としては前記カーボンブラック
の他に、天然界面活性剤、カチオン性界面活性剤等公知
のものを使用できる。本発明で使用可能な分散剤として
は、炭素数5〜25の脂肪酸、及びそのアルカリ土類金属
から成る金属石鹸、脂肪酸エステル類、脂肪酸アミド及
びアミン、四級アンモニウム塩、燐酸エステル、ホウ酸
エステル等の公知の分散剤が使用できる。又磁性塗料を
調製するための溶剤としては、任意の公知溶媒を使用す
れば良く、特にアセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶
媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチ
ル、酢酸エチルモノエチルエーテル等のエステル系溶
媒、グリコールエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、
キシレン等の芳香族系炭化水素系溶媒、メチレンクロリ
ド、エチレンクロリド、四塩化炭素、クロロホルム、エ
チレンクロロヒドリン、ジクロロベンゼン等の塩素含有
溶媒が好ましく使用できる。
【0019】前記磁性塗料は公知方法で調製でき、例え
ばロールミル、ボールミル、サンドミル、トロンミル、
高速ストーンミル、バスケットミル、ディスパー、ホモ
ミキサー、ニーダー、連続ニーダー、エクストルーダ
ー、ホモジナイザー、及び超音波分散機等が使用でき
る。磁性塗料を調製する場合、磁性粒子と他の添加剤粒
子とを別々に分散した後、両者を混合しても良い。磁性
塗料は、非磁性支持体上に直接塗布すること以外に、接
着剤層等の下塗り層を形成したり、非磁性支持体上にコ
ロナ放電処理や電子線照射処理等の前処理を施した後に
塗布しても構わない。
【0020】磁性塗料の非磁性支持体への塗布は、エア
ードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押
出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸
コート、リバースロールコート、グラビアコート、トラ
ンスファーロールコート、キャストコート等で行える。
なお、非磁性支持体上の上記磁性層が設けられていない
面(裏面)には、磁気記録媒体の走行性の向上や帯電防
止及び転写防止等を目的としてバックコート層を設ける
ことができる。このバックコート層も結合剤(基本的に
は前記磁性層に使用する物と同じ結合剤)、従来公知の
バックコート層用の各種添加成分等を含有することがで
きる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に本発明に係る磁気記録媒体に
関する実施例及び比較例を記載するが、これらは本発明
を限定するものではない。各実施例及び比較例では、中
心線平均粗さ(表面粗度)Ra及びFFT強度は、小坂
研究所製表面形状測定器ETB−30HKを使用し、触
針により測定した。このときカットオフは0.08mmとし
た。また、波長成分FFT強度測定は、表面粗さ曲線の
FFT分析による各波長における強度(振幅×個数)を
とり、長波長側として100〜200μmの範囲についての強
度の平均値を求めてこれをλL とし、短波長側として1
0〜40μmの範囲について強度の平均値を求めてこれを
λS とした。各実施例及び比較例で作製した各ビデオテ
ープについて、電磁変換特性、走行耐久性及び粉落ちに
ついて次のようにして測定した。
【0022】電磁変換特性 VTR BR−7700(日本ビクター株式会社製)を用い
て、50%白信号を記録し、その再生レベルをオシロスコ
ープで測定した。サンプルNo.3のテープを基準とし、
この出力を0dBとしたときの相対値で表す。
【0023】走行耐久性 温度40℃、湿度80%RHの条件下で、T−120(120分
長)のビデオテープを、VTR AG−6850H(松下電
器産業株式会社製)にかけ、全長走行を300回繰り返す
テストを行い、再生画質及びテープ形状の観察を行い評
価した。評価は、○、△及び×の3段階で行い、○は再
生画質及びテープ形状とも良好、△は若干のテープ形状
劣化はあるが画質は問題なし、×は再生画像に問題あり
を表す。
【0024】粉落ち 走行耐久性と同じVTRを使用して100回の繰り返し連
続再生を行った後、ヘッドチップ付近における磨耗粉の
付着状態を観察し、○、△及び×の3段階で評価した。
○は磨耗粉の付着がない状態、△はヘッドチップに多少
の磨耗粉が見られる状態、×は磨耗粉がヘッドチップに
大量に付着している状態を示す。
【0025】実施例1 実施例1〜5、比較例1〜6では表1に示す組成の磁性
塗料を使用して磁性層を調製した。本実施例ではまず表
1に示すそれぞれの重量部の11成分を準備した。ポリイ
ソシアネートとミリスチン酸を除いたこの組成物を連続
ニーダ−で混練した後、ポリイソシアネート4重量部と
ミリスチン酸重量1部を加え、1μmの平均口径を有す
るフィルターで濾過し磁性塗料液とした。この磁性塗料
液を、λL/λSが1.0、Raが17nmの表面性を有する
厚さ14μmの非磁性支持体に乾燥膜厚が2.5μmとなる
ように塗布し、乾燥及びカレンダー処理後、硬化させ
た。得られた幅広の磁性フィルムを1/2インチ(約1.
27cm)幅に裁断してビデオテープを作製した。
【0026】
【表1】
【0027】実施例2 λL/λSを1.5としたこと以外は実施例1と同様にし
てビデオテープを作製した。
【0028】実施例3λL/λSを2.0としたこと以外
は実施例1と同様にしてビデオテープを作製 した。
【0029】実施例4 λL/λSを2.0としRaが20nmのものを使用したこと
以外は実施例1と同様にしてビデオテープを作製した。
【0030】実施例5 磁性層の乾燥膜厚を1.5μmとしたこと以外は実施例3
と同様にしてビデオテープを作製した。
【0031】比較例1 λL/λSを2.5としたこと以外は実施例1と同様にし
てビデオテープを作製した。
【0032】比較例2 λL/λSを3.0としたこと以外は実施例1と同様にし
てビデオテープを作製した。
【0033】比較例3 λL/λSを2.0とし、Raが26nmのものを使用したこ
と以外は実施例1と同様にしてビデオテープを作製し
た。
【0034】比較例4 λL/λSを3.0とし、Raが20nmのものを使用したこ
と以外は実施例1と同様にしてビデオテープを作製し
た。
【0035】比較例5 λL/λSを2.5とし、Raが30nmのものを使用したこ
と以外は実施例1と同様にしてビデオテープを作製し
た。
【0036】比較例6 磁性層の乾燥膜厚を4.0μmとしたこと以外は実施例4
と同様にしてビデオテープを作製した。
【0037】
【表2】
【0038】実施例6 実施例6及び7、比較例7〜9では表1に示す組成のう
ち、Co変性−Fe34(100重量部)のBET法による比表
面積を28m2/g、Hcを55kA/mとし、塩化ビニル−酢
酸ビニル−ビニルアルコール共重合体(14重量部)を日
本ゼオン株式会社製の商品名「MR−110」とし、ポリ
ウレタン樹脂(6重量部)を東洋紡株式会社製の商品名
「UR−8200」とし、カーボンブラックを同じキャボッ
ト社製の商品名「BP−L」を12重量部としたこと以外
は、表1と同じ組成物を使用した。本実施例では、この
組成を使用したこと以外は実施例2と同様にしてビデオ
テープを作製した。
【0039】実施例7 実施例6の組成物を使用して実施例4と同様にしてビデ
オテープを作製した。
【0040】比較例7 実施例6の組成物を使用して比較例4と同様にしてビデ
オテープを作製した。
【0041】比較例8 実施例6の組成物を使用して比較例3と同様にしてビデ
オテープを作製した。
【0042】比較例9 実施例6の組成物を使用して比較例6と同様にしてビデ
オテープを作製した。
【0043】
【表3】
【0044】実施例及び比較例のサンプルの評価 実施例のサンプルテープでは、λL/λSが2以下で、
中心線平均粗さ(Ra)が20nm以下で、共に本発明で特
定した範囲内にあり、この場合には、電磁変換特性、走
行耐久性及び粉落ちとも良好なレベルにあった。しかし
比較例1、2及び4のサンプルテープのように、Raが
本発明で特定した範囲内であってもλL/λSが2.0を
超えて大きくなると、電磁変換特性が低下し、走行耐久
性及び粉落ちが悪化したことが分かる。又逆に比較例3
のサンプルテープのように、Raが20nmを超えて大きく
なると電磁変換特性の低下が起こったが、λL/λSが
本発明の特定範囲であったため、走行耐久性及び粉落ち
は良好であった。
【0045】λL/λS及びRaとも本発明の特定範囲
を逸脱した比較例5のサンプルテープでは、全ての特性
が悪化した。磁性層の膜厚を4.0μmとしたこと以外は
実施例4と同じにした比較例6では、電磁変換特性は良
い結果が得られたが、走行耐久性及び粉落ちが劣ってい
た。磁性塗料の原料を異ならせた実施例6及び7と比較
例7〜9でも同様の結果が得られた。
【0046】
【発明の効果】上述したように本発明は、磁性層が形成
される側の非磁性支持体の表面波長成分比率(λL/λ
S)が2以下で、中心線平均粗さが20nm以下とすること
により、電磁変換特性、走行耐久性及び粉落ちの全ての
特性を満足する塗布型磁気記録媒体を提供できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体、及び該非磁性支持体上に
    形成される磁性層を含んで成る磁気記録媒体において、
    10〜40μmの波長成分の高速フーリェ変換強度の平均を
    λLとし、100〜200μmの波長成分の高速フーリェ変換
    強度の平均をλSとした場合に、磁性層が形成される側
    の非磁性支持体の表面波長成分比率(λL/λS)が2
    以下で、中心線平均粗さが20nm以下であることを特徴と
    する塗布型磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 磁性層の厚さが2.5μm以下である請求
    項1に記載の塗布型磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 磁性層形成用の磁性塗料が、保持力(H
    c)が50〜100kA/mである強磁性粉末を結合剤中に分散
    したものである請求項1又は2に記載の塗布型磁気記録
    媒体。
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