JPH10112020A - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体およびその製造方法Info
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- JPH10112020A JPH10112020A JP26316696A JP26316696A JPH10112020A JP H10112020 A JPH10112020 A JP H10112020A JP 26316696 A JP26316696 A JP 26316696A JP 26316696 A JP26316696 A JP 26316696A JP H10112020 A JPH10112020 A JP H10112020A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 非磁性支持体の表面粗さの影響を緩和し、表
面性に優れた磁気記録媒体を得ることを目的とする。 【解決手段】 本発明、非磁性支持体1上に、上層3お
よび下層4の2層構造からなる塗膜を有する磁気記録媒
体に関するものである。ここで、下層4および上層3は
強磁性粉末を結合剤中に分散せしめた磁性層である。非
磁性支持体1の3次元表面粗度のSRaは、20〜60
nmの範囲である。下層4はTg=70〜150℃でヤ
ング率が1000〜3000kg/cm2 であり、上層
3はTg=30〜60℃でヤング率が300〜600k
g/cm2 である。
面性に優れた磁気記録媒体を得ることを目的とする。 【解決手段】 本発明、非磁性支持体1上に、上層3お
よび下層4の2層構造からなる塗膜を有する磁気記録媒
体に関するものである。ここで、下層4および上層3は
強磁性粉末を結合剤中に分散せしめた磁性層である。非
磁性支持体1の3次元表面粗度のSRaは、20〜60
nmの範囲である。下層4はTg=70〜150℃でヤ
ング率が1000〜3000kg/cm2 であり、上層
3はTg=30〜60℃でヤング率が300〜600k
g/cm2 である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性支持体と磁
性層からなるビデオテープやオーデイオテープ等の磁気
記録媒体およびその製造方法に関する。
性層からなるビデオテープやオーデイオテープ等の磁気
記録媒体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
VTR等に見られる記録波長の短波長化、高密度化に伴
い、ビデオテープやオーデイオテープ等の磁気記録媒体
の電磁変換特性を向上するため、磁性粒子の微粒子化、
高充填化が図られている。
VTR等に見られる記録波長の短波長化、高密度化に伴
い、ビデオテープやオーデイオテープ等の磁気記録媒体
の電磁変換特性を向上するため、磁性粒子の微粒子化、
高充填化が図られている。
【0003】例えば、塗布型のビデオテープでは、超微
粒子の強磁性粉末を含む磁性塗料を高分散状態するた
め、結合剤の樹脂中に種々の極性基を導入したり、分散
工程で様々な混練機を用いたりしている。
粒子の強磁性粉末を含む磁性塗料を高分散状態するた
め、結合剤の樹脂中に種々の極性基を導入したり、分散
工程で様々な混練機を用いたりしている。
【0004】また、磁気記録媒体の構造も従来の磁性層
単層から、磁性層と磁性層の2層構造、磁性層と非磁性
層の2層構造等、目的に応じて様々な構造が用いられる
様になってきた。
単層から、磁性層と磁性層の2層構造、磁性層と非磁性
層の2層構造等、目的に応じて様々な構造が用いられる
様になってきた。
【0005】このように磁気記録媒体の諸特性の向上を
図る検討が進む一方で、コストダウンを目的とした開発
も進められている。コストダウンを行う上で、最も重要
視されるのが原材料のコストである。そのため、廉価な
原材料を用いるのみならず、磁性層の薄膜化を図った
り、バックコート層を外したりする検討がなされてい
る。
図る検討が進む一方で、コストダウンを目的とした開発
も進められている。コストダウンを行う上で、最も重要
視されるのが原材料のコストである。そのため、廉価な
原材料を用いるのみならず、磁性層の薄膜化を図った
り、バックコート層を外したりする検討がなされてい
る。
【0006】その中でも、コストダウンに効果的なの
は、原材料コストの多くを占めている非磁性支持体自身
の廉価品採用である。しかし、一般に非磁性支持体が廉
価になった場合、支持体表面が粗くなる傾向がある。
は、原材料コストの多くを占めている非磁性支持体自身
の廉価品採用である。しかし、一般に非磁性支持体が廉
価になった場合、支持体表面が粗くなる傾向がある。
【0007】よって、このような表面粗度の悪い非磁性
支持体を用いた場合、その粗度の悪さが塗膜の表面にも
表れ、電磁変換特性の悪化、ドロップアウトの原因とな
る傾向がみられる。また、磁性塗料液塗布後の工程でカ
レンダー処理を行った場合、この非磁性支持体の粗度の
影響が塗膜表面に如実に現れる。これは塗膜の厚みを厚
くすることで改善されるが、コストダウンを目的として
いる以上、この改善方法は採用できない。
支持体を用いた場合、その粗度の悪さが塗膜の表面にも
表れ、電磁変換特性の悪化、ドロップアウトの原因とな
る傾向がみられる。また、磁性塗料液塗布後の工程でカ
レンダー処理を行った場合、この非磁性支持体の粗度の
影響が塗膜表面に如実に現れる。これは塗膜の厚みを厚
くすることで改善されるが、コストダウンを目的として
いる以上、この改善方法は採用できない。
【0008】この問題を改善するため、塗膜厚を薄く、
且つ非磁性支持体表面性の影響を抑える手段を開発する
必要があった。
且つ非磁性支持体表面性の影響を抑える手段を開発する
必要があった。
【0009】本件では、表面粗度の悪い非磁性支持体を
用いた際、その粗度の影響が磁性層の表面に表れない様
に改善し、表面の凹凸によるスペーシングが原因となる
電磁変換特性の低下を防ごうとするものである。
用いた際、その粗度の影響が磁性層の表面に表れない様
に改善し、表面の凹凸によるスペーシングが原因となる
電磁変換特性の低下を防ごうとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本研究は先述の問題を解
決するために、非磁性支持体の表面3次元粗度のSRa
が20.0〜60.0nmの場合、第一磁性層(下層)
塗膜をガラス転移点(Tg)=70〜150℃、ヤング
率が1,000〜3,000kg/cm2 であり、第二
磁性層(上層)塗膜をTg=30〜60℃、ヤング率が
300〜600kg/cm2 である重層塗膜を形成する
ことにより、カレンダー時の表面性改善の効果を最大限
に引き出した、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を得
るということである。
決するために、非磁性支持体の表面3次元粗度のSRa
が20.0〜60.0nmの場合、第一磁性層(下層)
塗膜をガラス転移点(Tg)=70〜150℃、ヤング
率が1,000〜3,000kg/cm2 であり、第二
磁性層(上層)塗膜をTg=30〜60℃、ヤング率が
300〜600kg/cm2 である重層塗膜を形成する
ことにより、カレンダー時の表面性改善の効果を最大限
に引き出した、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を得
るということである。
【0011】図2に示した通り、従来の単層の場合、カ
レンダー処理前には、磁性塗膜表面に非磁性支持体の突
起等の影響はさほど見られないが、処理を施し塗膜の潰
れによりその影響は明確となる。
レンダー処理前には、磁性塗膜表面に非磁性支持体の突
起等の影響はさほど見られないが、処理を施し塗膜の潰
れによりその影響は明確となる。
【0012】また、図3に示したとおり、2層の塗膜構
成の際も、下層の塗膜のTgとヤング率が低い場合には
同様の影響が見られる。
成の際も、下層の塗膜のTgとヤング率が低い場合には
同様の影響が見られる。
【0013】一方、図1に示すとおり、下層の塗膜のT
gとヤング率が高い場合、比較的柔らかな上層は、カレ
ンダー処理により鏡面化が可能となる。つまり、上層と
非磁性支持体の間に硬い下層を挟んだ塗膜構成にするこ
とにより、上層表面の悪化は改善できる。ここで、上層
の塗膜のTgとヤング率も同様に高くすると、カレンダ
ー処理の効果が低下し、又媒体全体のヤング率も高くな
るため、VTRヘッドとの当たりが悪くなり電磁変換特
性が低下する。そのため、上層の塗膜は、走行耐久性の
悪化を及ぼさない程度に柔らかくし、カレンダー処理の
効果を向上させることが必要となる。
gとヤング率が高い場合、比較的柔らかな上層は、カレ
ンダー処理により鏡面化が可能となる。つまり、上層と
非磁性支持体の間に硬い下層を挟んだ塗膜構成にするこ
とにより、上層表面の悪化は改善できる。ここで、上層
の塗膜のTgとヤング率も同様に高くすると、カレンダ
ー処理の効果が低下し、又媒体全体のヤング率も高くな
るため、VTRヘッドとの当たりが悪くなり電磁変換特
性が低下する。そのため、上層の塗膜は、走行耐久性の
悪化を及ぼさない程度に柔らかくし、カレンダー処理の
効果を向上させることが必要となる。
【0014】本研究の上層及び下層に用いられる結合剤
は、いずれも公知の材料が使用できる。即ち、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビ
ニルアルコール共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン
共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、アクリル
酸−エステル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エ
ステル−アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸−塩
化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレ
ン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹
脂、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニト
リル共重合体、ブタジェン−アクリロニトリル共重合
体、アクリロニトリル−ブタジェン−メタクリル酸共重
合体、ポリビニルブチラール、スチレン−ブタジェン共
重合体、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラニン
樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、ポ
リビニルアセタール樹脂、セルロース誘導体、またはこ
れらの混合物等が挙げられる。
は、いずれも公知の材料が使用できる。即ち、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビ
ニルアルコール共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン
共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、アクリル
酸−エステル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エ
ステル−アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸−塩
化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレ
ン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹
脂、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニト
リル共重合体、ブタジェン−アクリロニトリル共重合
体、アクリロニトリル−ブタジェン−メタクリル酸共重
合体、ポリビニルブチラール、スチレン−ブタジェン共
重合体、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラニン
樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、ポ
リビニルアセタール樹脂、セルロース誘導体、またはこ
れらの混合物等が挙げられる。
【0015】また、柔軟性を付与するとされているポリ
ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル一
ブタジェン共重合体等と剛性を付与するとされているセ
ルロース誘導体、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が望
ましい。先述の結合剤はイソシアネート化合物を架橋さ
せることにより耐久性を向上させたり、あるいは、適当
な極性基を導入させたものであってもよい。
ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル一
ブタジェン共重合体等と剛性を付与するとされているセ
ルロース誘導体、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が望
ましい。先述の結合剤はイソシアネート化合物を架橋さ
せることにより耐久性を向上させたり、あるいは、適当
な極性基を導入させたものであってもよい。
【0016】先述に挙げた結合剤の中で、本発明での使
用に限定はないが、第一磁性層(下層)の結合剤Tgが
70〜150℃のものを単独、もしくは低Tgと高Tg
の組み合わせで合計のTgが70〜150℃となり、第
二磁性層(上層)の結合剤Tgが30〜60℃のものを
単独、もしくは低Tgと高Tgの組み合わせで合計のT
gが30〜60℃のものが望ましい。
用に限定はないが、第一磁性層(下層)の結合剤Tgが
70〜150℃のものを単独、もしくは低Tgと高Tg
の組み合わせで合計のTgが70〜150℃となり、第
二磁性層(上層)の結合剤Tgが30〜60℃のものを
単独、もしくは低Tgと高Tgの組み合わせで合計のT
gが30〜60℃のものが望ましい。
【0017】硬化剤としては、芳香族ポリイソシアネー
ト及び脂肪族ポリイソシアネートが挙げられ、これらと
活性水素付加体が好ましい。芳香族ポリイソシアネート
としては、トルエンジイソシアネート(TDI)、1,
3−キシレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイ
ソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンイソシアネ
ート、p−フェニルジイソシアネート、m−フェニルジ
イソシアネート、1,5−ナフチルジイソシアネート等
を挙げることができる。また、脂肪族ポリイソシアネー
トとしては、ヘキサメチレンイソシアネート(HD
I)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シク
ロヘキサンジイソシアネート等を挙げることができる。
これらと付加体を形成する活性水素化合物としては、エ
チレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−
ブタンジオール、ネオペンテチルグリコール、ジエチレ
ングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等
があり、平均分子量は100〜5、000の範囲のもの
が好ましい。
ト及び脂肪族ポリイソシアネートが挙げられ、これらと
活性水素付加体が好ましい。芳香族ポリイソシアネート
としては、トルエンジイソシアネート(TDI)、1,
3−キシレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイ
ソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンイソシアネ
ート、p−フェニルジイソシアネート、m−フェニルジ
イソシアネート、1,5−ナフチルジイソシアネート等
を挙げることができる。また、脂肪族ポリイソシアネー
トとしては、ヘキサメチレンイソシアネート(HD
I)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シク
ロヘキサンジイソシアネート等を挙げることができる。
これらと付加体を形成する活性水素化合物としては、エ
チレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−
ブタンジオール、ネオペンテチルグリコール、ジエチレ
ングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等
があり、平均分子量は100〜5、000の範囲のもの
が好ましい。
【0018】その他、本研究にかかわる磁気記録媒体に
おいて、非磁性支持体、磁性層に混入される強磁性粉
末、分散剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤、磁性層及び
非磁性層に混入されるカーボン等、あるいは塗布型の磁
気記録媒体において磁性塗料を調整するのに使用される
溶剤は従来公知のものがいずれも適応可能で、何ら限定
されない。
おいて、非磁性支持体、磁性層に混入される強磁性粉
末、分散剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤、磁性層及び
非磁性層に混入されるカーボン等、あるいは塗布型の磁
気記録媒体において磁性塗料を調整するのに使用される
溶剤は従来公知のものがいずれも適応可能で、何ら限定
されない。
【0019】本発明において用いる強磁性粉末としては
γ−FeOx(x=1.33〜1.5)、Co変性γ−
FeOx(x=1.33〜1.5)、FeまたはNiま
たはCoを主成分(75%以上)とする強磁性合金、バ
リウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の公知
の材料が使用できる。また、これらの強磁性粉末には所
定の原子以にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、
Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Se、T
e、Ba、Ni、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、
Bi、La、Ce、P、Mn、Zn、Co、Sr、B等
の原子を含んでも構わない。
γ−FeOx(x=1.33〜1.5)、Co変性γ−
FeOx(x=1.33〜1.5)、FeまたはNiま
たはCoを主成分(75%以上)とする強磁性合金、バ
リウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の公知
の材料が使用できる。また、これらの強磁性粉末には所
定の原子以にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、
Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Se、T
e、Ba、Ni、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、
Bi、La、Ce、P、Mn、Zn、Co、Sr、B等
の原子を含んでも構わない。
【0020】本発明において用いる非磁性支持体の素材
としては、一般に磁気記録媒体に使用されるものを使用
することができ、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルロース
トリアセテート、セルロースジアセテート、セルロース
アセテートブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカ
ーボネイト、ポリイミド、ポリアミドイミド、その他の
プラスチック、アルミニウム、銅等の金属、アルミニウ
ム合金、チタン合金等の軽合金、セラミックス、単結晶
シリコン等である。
としては、一般に磁気記録媒体に使用されるものを使用
することができ、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルロース
トリアセテート、セルロースジアセテート、セルロース
アセテートブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカ
ーボネイト、ポリイミド、ポリアミドイミド、その他の
プラスチック、アルミニウム、銅等の金属、アルミニウ
ム合金、チタン合金等の軽合金、セラミックス、単結晶
シリコン等である。
【0021】本発明において用いる潤滑剤としては、シ
リコーンオイル、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シ
リコーン、またはその他のフッ素系潤滑剤、ポリオレフ
ィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステル及び金属
塩、ポリフェニルエーテル、フッ化アルキルエーテル、
炭素数12〜24のアルコール類(それぞれの不飽和を
含んでも分岐していても構わない)、炭素数12〜24
の高級脂肪酸及び脂肪酸エステル類(それぞれの不飽和
を含んでも分岐していても構わない)、アルキルカルボ
ン酸アミン塩及びフッ化アルキルカルボン酸アミン塩等
のアミン系潤滑剤等が使用できる。
リコーンオイル、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シ
リコーン、またはその他のフッ素系潤滑剤、ポリオレフ
ィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステル及び金属
塩、ポリフェニルエーテル、フッ化アルキルエーテル、
炭素数12〜24のアルコール類(それぞれの不飽和を
含んでも分岐していても構わない)、炭素数12〜24
の高級脂肪酸及び脂肪酸エステル類(それぞれの不飽和
を含んでも分岐していても構わない)、アルキルカルボ
ン酸アミン塩及びフッ化アルキルカルボン酸アミン塩等
のアミン系潤滑剤等が使用できる。
【0022】高級脂肪酸及び脂肪酸エステルの具体例と
しては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、オレイン
酸、エイコ酸、エライジン酸、ヘベン酸、リノール酸、
リノレイン酸、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イ
ソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ミリスチン酸イソ
オクチル、ステアリン酸ブトキシエチル、ステアリン酸
ブチル、ステアリン酸ヘプチル等がある。また潤滑剤
は、複数の潤滑剤と混合しても構わない。
しては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、オレイン
酸、エイコ酸、エライジン酸、ヘベン酸、リノール酸、
リノレイン酸、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イ
ソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ミリスチン酸イソ
オクチル、ステアリン酸ブトキシエチル、ステアリン酸
ブチル、ステアリン酸ヘプチル等がある。また潤滑剤
は、複数の潤滑剤と混合しても構わない。
【0023】本発明に使用される研磨剤としては、例え
ばα−アルミナ、β−アルミナ、溶融アルミナ、炭化ケ
イ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コラン
ダム、ダイヤモンド、ケイ石、ザクロ石、ガーネット、
窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化モリブデン、炭化ホウ
素、炭化タングステン、酸化チタン等を主成分にして、
モース硬度6以上の公知の材料が単独または組み合わせ
で使用できる。
ばα−アルミナ、β−アルミナ、溶融アルミナ、炭化ケ
イ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コラン
ダム、ダイヤモンド、ケイ石、ザクロ石、ガーネット、
窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化モリブデン、炭化ホウ
素、炭化タングステン、酸化チタン等を主成分にして、
モース硬度6以上の公知の材料が単独または組み合わせ
で使用できる。
【0024】これらの研磨剤の平均粒経は、0.01〜
2μmが好ましいが、必要に応じて粒子サイズの異なる
研磨剤を組み合わせたり、単独の研磨剤でも粒度分布を
広げたりして用いることができる。
2μmが好ましいが、必要に応じて粒子サイズの異なる
研磨剤を組み合わせたり、単独の研磨剤でも粒度分布を
広げたりして用いることができる。
【0025】本発明の磁性層及び非磁性層等に用いられ
るカーボンブラックとしては、公知のカーボンブラック
が使用できる。例えば、アセチレンビラック、ファーネ
スブラック、カラー用ブラック等を任意に使用できる。
また、製造工程中のハンドリングを良くするため、顆粒
状のものを使用しても構わない。カーボンブラックの平
均粒経は10〜1000nmの範囲のものを使用するの
が好ましい。
るカーボンブラックとしては、公知のカーボンブラック
が使用できる。例えば、アセチレンビラック、ファーネ
スブラック、カラー用ブラック等を任意に使用できる。
また、製造工程中のハンドリングを良くするため、顆粒
状のものを使用しても構わない。カーボンブラックの平
均粒経は10〜1000nmの範囲のものを使用するの
が好ましい。
【0026】分散剤としては、炭素数5〜25の脂肪酸
及びそのアルカリ金属またはアルカリ土類金属からなる
金属石鹸、脂肪酸エステル類、脂肪酸アミド及びアミ
ン、四級アンモニウム塩、りん酸エステル、ホウ酸エス
テル等の公知の分散剤が使用できる。
及びそのアルカリ金属またはアルカリ土類金属からなる
金属石鹸、脂肪酸エステル類、脂肪酸アミド及びアミ
ン、四級アンモニウム塩、りん酸エステル、ホウ酸エス
テル等の公知の分散剤が使用できる。
【0027】また、磁性塗料を調整するための溶剤とし
ては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸エチ
ルモノエチルエーテル等のエステル系溶媒、グリコール
モノエチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテ
ル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素系溶媒、メチレンクロリド、エチレンクロリド、
四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリン、
ジクロロベンゼン等の塩素含有系溶媒が挙げられる。ま
たその従来公知の有機溶媒を使用することができる。
ては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸エチ
ルモノエチルエーテル等のエステル系溶媒、グリコール
モノエチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテ
ル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素系溶媒、メチレンクロリド、エチレンクロリド、
四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリン、
ジクロロベンゼン等の塩素含有系溶媒が挙げられる。ま
たその従来公知の有機溶媒を使用することができる。
【0028】磁性塗料を調整する方法としては、いずれ
も公知の方法が利用できる。例えばロールミル、ボール
ミル、サンドミル、トロンミル、高速ストーンミル、バ
スケットミル、デイスパー、ホモミキサー、ニーダー、
連続ニーダー、エクストルーダー、ホモジナイザー、及
び超音波分散機等を用いることができる。
も公知の方法が利用できる。例えばロールミル、ボール
ミル、サンドミル、トロンミル、高速ストーンミル、バ
スケットミル、デイスパー、ホモミキサー、ニーダー、
連続ニーダー、エクストルーダー、ホモジナイザー、及
び超音波分散機等を用いることができる。
【0029】磁性塗料を調整する場合、磁性粒子と他の
添加剤粒子とを、別々に分散した後、両者を混合しても
構わない。
添加剤粒子とを、別々に分散した後、両者を混合しても
構わない。
【0030】磁性塗料の塗布では、非磁性支持体に直接
行う前に、接着剤層等の下塗り層や、非磁性支持体上
に、コロナ放電処理や電子線照射処理等の前処理をほど
こしても構わない。
行う前に、接着剤層等の下塗り層や、非磁性支持体上
に、コロナ放電処理や電子線照射処理等の前処理をほど
こしても構わない。
【0031】非磁性支持体上への塗布の方法としては、
エアドクターコート、ブレードコート、ロッドコート、
押し出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、
含浸コート、リバースロールコート、グラビアコート、
トランスファーロールコート、キャストコート、等の方
法を挙げることができ、これら以外の方法でも可能であ
り、更に押し出しコートによる同時重層塗布でも良い。
エアドクターコート、ブレードコート、ロッドコート、
押し出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、
含浸コート、リバースロールコート、グラビアコート、
トランスファーロールコート、キャストコート、等の方
法を挙げることができ、これら以外の方法でも可能であ
り、更に押し出しコートによる同時重層塗布でも良い。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明磁気記録媒体および
その製造方法の実施例について図1、および表1〜2を
参照しながら説明する。
その製造方法の実施例について図1、および表1〜2を
参照しながら説明する。
【0033】なお、実施例と比較例中において「部」は
「重量部」を表わす。
「重量部」を表わす。
【0034】まず、次の組成に従って、上層磁性層を形
成するための磁性塗料を調整した。 上層磁性塗料液 下記の磁性塗料組成を連続ニーダーで混練したのち、サ
ンドミルを用いて分散し、ポリイソシアネイト(日本ポ
リウレタン社製 商品名コロネートL)を3部(Tg=
78℃の結合剤(後述の結合剤成分を参照)のときは4
部)とミリスチン酸を1部加え、1μmの平均口径を有
するフィルターでろ過し、上層磁性塗料液とした。
成するための磁性塗料を調整した。 上層磁性塗料液 下記の磁性塗料組成を連続ニーダーで混練したのち、サ
ンドミルを用いて分散し、ポリイソシアネイト(日本ポ
リウレタン社製 商品名コロネートL)を3部(Tg=
78℃の結合剤(後述の結合剤成分を参照)のときは4
部)とミリスチン酸を1部加え、1μmの平均口径を有
するフィルターでろ過し、上層磁性塗料液とした。
【0035】 Co変性γ−Fe2 O3 100 部 (BET法による非表面積32m2 /g) 結合剤 20部 結合剤成分は以下の2種類の内いずれかを用いた。
【0036】 (1)Tg(ガラス転移点)=58℃の結合剤 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 14部 (U.C.C社製:商品名ビニライトVAGH:Tg=70℃) ポリウレタン樹脂 6部 (東洋紡社製:商品名MG393:Tg=30℃) (2)Tg=78℃の結合剤 ポリウレタン樹脂 12部 (東洋紡社製:商品名MG393:Tg=30℃) ニトロセルロース 8部 (旭化成社製:商品名NC−H1/2:Tg=150℃) α−Al2O3 3部 (住友化学社製 商品名AKP−30) ステアリン酸ブチル 1部 メチルエチルケトン 80部 メチルイソブチルケトン 80部 トルエン 80部 次に、下記の組成に従って、下層磁性層塗料を調整し
た。
た。
【0037】下層磁性層 下記の磁性塗料組成を連続ニーダーで混練したのち、サ
ンドミルを用いて分散し、ポリイソシアネイト(日本ポ
リウレタン社製:商品名コロネートL)4部を加え、1
μmの平均口径を有するフィルターでろ過し、下層磁性
塗料液とした。 Co変性γ−Fe2 O3 100 部 (BET法による非表面積32m2 /g) 結合剤 25部 結合剤成分は以下の3種類の内いずれかを用いた。
ンドミルを用いて分散し、ポリイソシアネイト(日本ポ
リウレタン社製:商品名コロネートL)4部を加え、1
μmの平均口径を有するフィルターでろ過し、下層磁性
塗料液とした。 Co変性γ−Fe2 O3 100 部 (BET法による非表面積32m2 /g) 結合剤 25部 結合剤成分は以下の3種類の内いずれかを用いた。
【0038】 (1)Tg=30℃の結合剤 ポリウレタン樹脂 25部 (東洋紡社製:商品名MG393:Tg=30℃) (2)Tg=78℃の結合剤 ポリウレタン樹脂 15部 (東洋紡社製:商品名MG393:Tg=30℃) ニトロセルロース 10部 (旭化成社製:商品名NC−H1/2:Tg=150℃) (3)Tg=142℃の結合剤 ポリウレタン樹脂 2.5部 (東洋紡社製:商品名MG130:Tg=70℃) ニトロセルロース 22.5部 (旭化成社製:商品名NC−H1/2:Tg=150℃) メチルエチルケトン 80部 メチルイソブチルケトン 80部 トルエン 80部 次に、下記の組成に従って、下層非磁性層塗料を調整し
た。
た。
【0039】下層非磁性層 下記の非磁性塗料組成をデイスパーで混合した後、サン
ドミルを用いて分散した。ポリイソシアネイト(日本ポ
リウレタン社製 商品名コロネートL)4部を加え、1
μmの平均口径を有するフィルターでろ過し、下層非磁
性層塗料とした。
ドミルを用いて分散した。ポリイソシアネイト(日本ポ
リウレタン社製 商品名コロネートL)4部を加え、1
μmの平均口径を有するフィルターでろ過し、下層非磁
性層塗料とした。
【0040】 カーボンブラック 100部 (CABOT社製 BP−L) 結合剤 25部 結合剤成分は以下の3種類の内いずれかを用いた。
【0041】 (1)Tg=30℃の結合剤 ポリウレタン樹脂 25部 (東洋紡社製:商品名MG393:Tg=30℃) (2)Tg=78℃の結合剤 ポリウレタン樹脂 15部 (東洋紡社製:商品名MG393:Tg=30℃) ニトロセルロース 10部 (旭化成社製:商品名NC−H1/2:Tg=150℃) (3)Tg=142℃の結合剤 ポリウレタン樹脂 2.5部 (東洋紡社製:商品名MG130:Tg=70℃) ニトロセルロース 22.5部 (旭化成社製:商品名NC−H1/2:Tg=150℃) メチルエチルケトン 80部 メチルイソブチルケトン 80部 トルエン 80部 実施例1〜4および比較例1〜11の塗膜構成は表1に
示すとおりである。
示すとおりである。
【0042】次に、上記の上層磁性塗料液、下層磁性塗
料液、または下層非磁性塗料液を、押し出しコートによ
り厚さが14μmのポリエチレンテレフタレートフィル
ム上に上層3μm、下層1μmの厚みでコーテイング
(表1参照)した後、乾燥、硬化し、上層または下層単
層での特性を測定した。
料液、または下層非磁性塗料液を、押し出しコートによ
り厚さが14μmのポリエチレンテレフタレートフィル
ム上に上層3μm、下層1μmの厚みでコーテイング
(表1参照)した後、乾燥、硬化し、上層または下層単
層での特性を測定した。
【0043】同様に、上層磁性塗料液と下層磁性塗料液
または非磁性塗料液を、同時重層塗布装置を用いて、厚
さが14μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
に、上層2μm、下層1μmの厚み構成で同時塗布(w
et−on−wet)(表1参照)し、前者と同様の工
程を経て得られた幅広の磁性フィルムを1/2インチ幅
に裁断してビデオテープを作成した。
または非磁性塗料液を、同時重層塗布装置を用いて、厚
さが14μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
に、上層2μm、下層1μmの厚み構成で同時塗布(w
et−on−wet)(表1参照)し、前者と同様の工
程を経て得られた幅広の磁性フィルムを1/2インチ幅
に裁断してビデオテープを作成した。
【0044】
【表1】
【0045】以上より、作成した各ビデオテープについ
て、下層単層における塗膜強度及びカレンダー効果、重
層同時塗布時の3次元粗度とビデオ電磁変換特性を測定
した。
て、下層単層における塗膜強度及びカレンダー効果、重
層同時塗布時の3次元粗度とビデオ電磁変換特性を測定
した。
【0046】また、ベース粗度の影響改善の効果を明確
にする為に、ベースフィルムの3次元粗度も同様に測定
した。
にする為に、ベースフィルムの3次元粗度も同様に測定
した。
【0047】各測定は次の通りである。
【0048】塗膜厚測定 TESA社製 Modulユニット403、372を用
いて、磁気記録媒体の全厚を測定した後、非磁性支持体
の厚みを差し引いて算出した。測定の誤差を考え、3点
測定し平均を塗膜厚とした。
いて、磁気記録媒体の全厚を測定した後、非磁性支持体
の厚みを差し引いて算出した。測定の誤差を考え、3点
測定し平均を塗膜厚とした。
【0049】ヤング率 NMB社製 TCM−200CRを用いて、磁気記録媒
体の引っぱり応力を積分して算出した。
体の引っぱり応力を積分して算出した。
【0050】3次元粗度 小坂研究所製 ETB−30HKを用いて、磁性塗膜表
面、非磁性支持体表面を測定した。表面粗度の全平均を
SRa、10点平均をSRz、最高値をSRmaxで表
わす。
面、非磁性支持体表面を測定した。表面粗度の全平均を
SRa、10点平均をSRz、最高値をSRmaxで表
わす。
【0051】RF−OUT(ビデオ出力) VTR AG−6200(松下電気産業社製)を用い
て、ビデオ信号を記録し、その再生レベルを、基準テー
プVRT−2(JVC製)を0dBとした時の相対値で
表わす。
て、ビデオ信号を記録し、その再生レベルを、基準テー
プVRT−2(JVC製)を0dBとした時の相対値で
表わす。
【0052】Y−S/N(ビデオS/N) ビデオ信号のS/N比を、上記基準テープを0dBとし
た時の相対値で表わす。
た時の相対値で表わす。
【0053】C−OUT(クロマ出力) クロマ信号を記録、再生し、その再生出力レベルを、上
記基準テープを0dBとした時の相対値で表わす。
記基準テープを0dBとした時の相対値で表わす。
【0054】C−S/N(クロマS/N) クロマ信号のS/N比を、上記基準テープを0dBとし
た時の相対値で表わす。
た時の相対値で表わす。
【0055】実施例1〜4および比較例1〜11につい
ての各測定項目の測定結果は、表2に示すとおりであ
る。また、実施例1〜4および比較例1〜11の非磁性
支持体粗度は表1に示すとおりである。
ての各測定項目の測定結果は、表2に示すとおりであ
る。また、実施例1〜4および比較例1〜11の非磁性
支持体粗度は表1に示すとおりである。
【0056】
【表2】
【0057】表1および2からわかるように、実施例1
においては、下層は磁性層からなり、Tgが78℃でヤ
ング率が1320kg/cm2 である。これに対して、
上層は磁性層からなりTgが58℃でヤング率が380
kg/cm2 である。この場合、カレンダー処理前のS
Raが29.8であるのに対して、カレンダー処理後の
SRaは16.4と非常に小さくなっており、著しい効
果が認められる。
においては、下層は磁性層からなり、Tgが78℃でヤ
ング率が1320kg/cm2 である。これに対して、
上層は磁性層からなりTgが58℃でヤング率が380
kg/cm2 である。この場合、カレンダー処理前のS
Raが29.8であるのに対して、カレンダー処理後の
SRaは16.4と非常に小さくなっており、著しい効
果が認められる。
【0058】また、実施例2においては、下層は非磁性
層からなり、Tgが78℃でヤング率が1280kg/
cm2 である。これに対して、上層は磁性層からなりT
gが58℃でヤング率が380kg/cm2 である。こ
の場合、カレンダー処理前のSRaが30.5であるの
に対して、カレンダー処理後のSRaは17.2と非常
に小さくなっており、著しい効果が認められる。
層からなり、Tgが78℃でヤング率が1280kg/
cm2 である。これに対して、上層は磁性層からなりT
gが58℃でヤング率が380kg/cm2 である。こ
の場合、カレンダー処理前のSRaが30.5であるの
に対して、カレンダー処理後のSRaは17.2と非常
に小さくなっており、著しい効果が認められる。
【0059】実施例1と実施例2とを比較すると、この
効果は非磁性層より磁性層の下層で大きな効果があるこ
とがわかる。
効果は非磁性層より磁性層の下層で大きな効果があるこ
とがわかる。
【0060】実施例3においては、下層は磁性層からな
り、Tgが142℃でヤング率が1960kg/cm2
である。これに対して、上層は磁性層からなりTgが5
8℃でヤング率が350kg/cm2 である。この場
合、カレンダー処理前のSRaが32.3であるのに対
して、カレンダー処理後のSRaは10.9と非常に小
さくなっており、著しい効果が認められる。
り、Tgが142℃でヤング率が1960kg/cm2
である。これに対して、上層は磁性層からなりTgが5
8℃でヤング率が350kg/cm2 である。この場
合、カレンダー処理前のSRaが32.3であるのに対
して、カレンダー処理後のSRaは10.9と非常に小
さくなっており、著しい効果が認められる。
【0061】また、実施例4においては、下層は非磁性
層からなり、Tgが142℃でヤング率が1740kg
/cm2 である。これに対して、上層は磁性層からなり
Tgが58℃でヤング率が340kg/cm2 である。
この場合、カレンダー処理前のSRaが33.4である
のに対して、カレンダー処理後のSRaは11.6と非
常に小さくなっており、著しい効果が認められる。
層からなり、Tgが142℃でヤング率が1740kg
/cm2 である。これに対して、上層は磁性層からなり
Tgが58℃でヤング率が340kg/cm2 である。
この場合、カレンダー処理前のSRaが33.4である
のに対して、カレンダー処理後のSRaは11.6と非
常に小さくなっており、著しい効果が認められる。
【0062】実施例3と実施例4とを比較すると、この
効果は非磁性層より磁性層の下層で大きな効果があるこ
とがわかる。
効果は非磁性層より磁性層の下層で大きな効果があるこ
とがわかる。
【0063】比較例1は、実施例1に対応するものであ
る。すなわち、実施例1では、下層が磁性層からなり、
上層も磁性層からなるのに対して、比較例1では、下層
を実施例1と同じ組成の磁性層とし、上層を設けなかっ
た。この場合、カレンダー処理前のSRaが36.4で
あるのに対して、カレンダー処理後のSRaは24.1
と大きな変化はなく、著しい効果は認められなかった。
る。すなわち、実施例1では、下層が磁性層からなり、
上層も磁性層からなるのに対して、比較例1では、下層
を実施例1と同じ組成の磁性層とし、上層を設けなかっ
た。この場合、カレンダー処理前のSRaが36.4で
あるのに対して、カレンダー処理後のSRaは24.1
と大きな変化はなく、著しい効果は認められなかった。
【0064】比較例2は、実施例2に対応するものであ
る。すなわち、実施例2では、下層が非磁性層からな
り、上層が磁性層からなるのに対して、比較例2では、
下層を実施例2と同じ組成の非磁性層とし、上層を設け
なかった。この場合、カレンダー処理前のSRaが3
8.5であるのに対して、カレンダー処理後のSRaは
25.6と大きな変化はなく、著しい効果は認められな
かった。
る。すなわち、実施例2では、下層が非磁性層からな
り、上層が磁性層からなるのに対して、比較例2では、
下層を実施例2と同じ組成の非磁性層とし、上層を設け
なかった。この場合、カレンダー処理前のSRaが3
8.5であるのに対して、カレンダー処理後のSRaは
25.6と大きな変化はなく、著しい効果は認められな
かった。
【0065】比較例3は、実施例3に対応するものであ
る。すなわち、実施例3では、下層が磁性層からなり、
上層も磁性層からなるのに対して、比較例3では、下層
を実施例3と同じ組成の磁性層とし、上層を設けなかっ
た。この場合、カレンダー処理前のSRaが37.0で
あるのに対して、カレンダー処理後のSRaは20.0
と大きな変化はなく、著しい効果は認められなかった。
る。すなわち、実施例3では、下層が磁性層からなり、
上層も磁性層からなるのに対して、比較例3では、下層
を実施例3と同じ組成の磁性層とし、上層を設けなかっ
た。この場合、カレンダー処理前のSRaが37.0で
あるのに対して、カレンダー処理後のSRaは20.0
と大きな変化はなく、著しい効果は認められなかった。
【0066】比較例4は、実施例4に対応するものであ
る。すなわち、実施例4では、下層が非磁性層からな
り、上層が磁性層からなるのに対して、比較例4では、
下層を実施例4と同じ組成の非磁性層とし、上層を設け
なかった。この場合、カレンダー処理前のSRaが3
7.6であるのに対して、カレンダー処理後のSRaは
22.6と大きな変化はなく、著しい効果は認められな
かった。
る。すなわち、実施例4では、下層が非磁性層からな
り、上層が磁性層からなるのに対して、比較例4では、
下層を実施例4と同じ組成の非磁性層とし、上層を設け
なかった。この場合、カレンダー処理前のSRaが3
7.6であるのに対して、カレンダー処理後のSRaは
22.6と大きな変化はなく、著しい効果は認められな
かった。
【0067】比較例5は、比較例1または比較例3と同
じく、磁性層からなる下層のみを設けた場合である。こ
こで下層は、Tgが30℃でヤング率が510kg/c
m2のものを用いた。この場合、カレンダー処理前のS
Raが37.9であるのに対して、カレンダー処理後の
SRaは29.7と大きな変化はなく、著しい効果は認
められなかった。
じく、磁性層からなる下層のみを設けた場合である。こ
こで下層は、Tgが30℃でヤング率が510kg/c
m2のものを用いた。この場合、カレンダー処理前のS
Raが37.9であるのに対して、カレンダー処理後の
SRaは29.7と大きな変化はなく、著しい効果は認
められなかった。
【0068】比較例6は、比較例2または比較例4と同
じく、非磁性層からなる下層のみを設けた場合である。
ここで下層は、Tgが30℃でヤング率が420kg/
cm2 のものを用いた。この場合、カレンダー処理前の
SRaが38.1であるのに対して、カレンダー処理後
のSRaは27.0と大きな変化はなく、著しい効果は
認められなかった。
じく、非磁性層からなる下層のみを設けた場合である。
ここで下層は、Tgが30℃でヤング率が420kg/
cm2 のものを用いた。この場合、カレンダー処理前の
SRaが38.1であるのに対して、カレンダー処理後
のSRaは27.0と大きな変化はなく、著しい効果は
認められなかった。
【0069】比較例11は、磁性層からなる上層のみを
設けた場合である。ここで上層は、Tgが58℃のもの
を用いた。この場合、カレンダー処理前のSRaが3
1.3であるのに対して、カレンダー処理後のSRaは
20.2と大きな変化はなく、著しい効果は認められな
かった。
設けた場合である。ここで上層は、Tgが58℃のもの
を用いた。この場合、カレンダー処理前のSRaが3
1.3であるのに対して、カレンダー処理後のSRaは
20.2と大きな変化はなく、著しい効果は認められな
かった。
【0070】比較例7においては、下層は磁性層からな
り、Tgが30℃でヤング率が510kg/cm2 であ
る。これに対して、上層は磁性層からなりTgが58℃
でヤング率が340kg/cm2 である。すなわち、上
層のTgよりも下層のTgの方が低い。この場合、カレ
ンダー処理前のSRaが29.7であるのに対して、カ
レンダー処理後のSRaは24.3と大きな変化はな
く、著しい効果は認められなかった。
り、Tgが30℃でヤング率が510kg/cm2 であ
る。これに対して、上層は磁性層からなりTgが58℃
でヤング率が340kg/cm2 である。すなわち、上
層のTgよりも下層のTgの方が低い。この場合、カレ
ンダー処理前のSRaが29.7であるのに対して、カ
レンダー処理後のSRaは24.3と大きな変化はな
く、著しい効果は認められなかった。
【0071】比較例8においては、下層は非磁性層から
なり、Tgが30℃でヤング率が420kg/cm2 で
ある。これに対して、上層は磁性層からなりTgが58
℃でヤング率が340kg/cm2 である。すなわち、
上層のTgよりも下層のTgの方が低い。この場合、カ
レンダー処理前のSRaが30.5であるのに対して、
カレンダー処理後のSRaは22.6と大きな変化はな
く、著しい効果は認められなかった。
なり、Tgが30℃でヤング率が420kg/cm2 で
ある。これに対して、上層は磁性層からなりTgが58
℃でヤング率が340kg/cm2 である。すなわち、
上層のTgよりも下層のTgの方が低い。この場合、カ
レンダー処理前のSRaが30.5であるのに対して、
カレンダー処理後のSRaは22.6と大きな変化はな
く、著しい効果は認められなかった。
【0072】比較例9においては、下層は磁性層からな
り、Tgが78℃でヤング率が1320kg/cm2 で
ある。これに対して、上層は磁性層からなりTgが78
℃でヤング率が1360kg/cm2 である。すなわ
ち、上層のTgと下層のTgは等しい。この場合、カレ
ンダー処理前のSRaが31.4であるのに対して、カ
レンダー処理後のSRaは28.7と大きな変化はな
く、著しい効果は認められなかった。
り、Tgが78℃でヤング率が1320kg/cm2 で
ある。これに対して、上層は磁性層からなりTgが78
℃でヤング率が1360kg/cm2 である。すなわ
ち、上層のTgと下層のTgは等しい。この場合、カレ
ンダー処理前のSRaが31.4であるのに対して、カ
レンダー処理後のSRaは28.7と大きな変化はな
く、著しい効果は認められなかった。
【0073】比較例10においては、下層は非磁性層か
らなり、Tgが78℃でヤング率が1280kg/cm
2 である。これに対して、上層は磁性層からなりTgが
78℃でヤング率が1220kg/cm2 である。すな
わち、上層のTgと下層のTgが等しい。この場合、カ
レンダー処理前のSRaが32.0であるのに対して、
カレンダー処理後のSRaは29.7と大きな変化はな
く、著しい効果は認められなかった。
らなり、Tgが78℃でヤング率が1280kg/cm
2 である。これに対して、上層は磁性層からなりTgが
78℃でヤング率が1220kg/cm2 である。すな
わち、上層のTgと下層のTgが等しい。この場合、カ
レンダー処理前のSRaが32.0であるのに対して、
カレンダー処理後のSRaは29.7と大きな変化はな
く、著しい効果は認められなかった。
【0074】また、表2からもわかるように、実施例1
〜4における電磁変換特性は、比較例1〜11における
電磁変換特性に比較して、優れた効果が確認された。
〜4における電磁変換特性は、比較例1〜11における
電磁変換特性に比較して、優れた効果が確認された。
【0075】以上の結果から、下層のTgを上層のTg
より高くし、かつヤング率も高くした場合に、非磁性支
持体の表面粗さの影響を緩和し、表面性に優れた磁気記
録媒体を得ることができる。
より高くし、かつヤング率も高くした場合に、非磁性支
持体の表面粗さの影響を緩和し、表面性に優れた磁気記
録媒体を得ることができる。
【0076】なお、本発明に用いる非磁性支持体の3次
元表面粗度のSRaは20〜60nmの範囲であること
が望ましい。SRaが20nm以上になると、塗膜構造
が単層である場合、非磁性支持体の粗度の悪さが塗膜の
表面にも現れ、電磁変換特性の悪化、ドロップアウトの
原因となるからである。また、SRaが60nmを越え
ると、塗膜構造を本発明により2層としても、電磁変換
特性の悪化、ドロップアウトが多発するようになるから
である。
元表面粗度のSRaは20〜60nmの範囲であること
が望ましい。SRaが20nm以上になると、塗膜構造
が単層である場合、非磁性支持体の粗度の悪さが塗膜の
表面にも現れ、電磁変換特性の悪化、ドロップアウトの
原因となるからである。また、SRaが60nmを越え
ると、塗膜構造を本発明により2層としても、電磁変換
特性の悪化、ドロップアウトが多発するようになるから
である。
【0077】下層のTgは70〜150℃の範囲内にあ
ることが望ましい。Tgが70℃については、ほぼ実施
例の結果より裏付けられている。また、Tgが150℃
についても、ほぼ実施例の結果より裏付けられている。
ることが望ましい。Tgが70℃については、ほぼ実施
例の結果より裏付けられている。また、Tgが150℃
についても、ほぼ実施例の結果より裏付けられている。
【0078】下層のヤング率は、1000〜3000k
g/cm2 であることが望ましい。ヤング率が、100
0kg/cm2 についてはほぼ実施例から裏付けられて
いるところである。また、ヤング率が3000kg/c
m2 を越えると、テープが硬くなりヘッドコンタクトが
悪くなるからである。
g/cm2 であることが望ましい。ヤング率が、100
0kg/cm2 についてはほぼ実施例から裏付けられて
いるところである。また、ヤング率が3000kg/c
m2 を越えると、テープが硬くなりヘッドコンタクトが
悪くなるからである。
【0079】上層のTgは30〜60℃の範囲内にある
ことが望ましい。Tgが30℃よりも低くなると、テー
プの耐久性が悪くなるからである。また、Tgが60℃
については、ほぼ実施例の結果より裏付けられている。
ことが望ましい。Tgが30℃よりも低くなると、テー
プの耐久性が悪くなるからである。また、Tgが60℃
については、ほぼ実施例の結果より裏付けられている。
【0080】下層のヤング率は300〜600kg/c
m2 であることが望ましい。ヤング率が300kg/c
m2 については、ほぼ実施例の結果より裏付けられてい
る。また、ヤング率が600kg/cm2 より大きくな
るとカレンダー処理の効果が小さくなるからである。
m2 であることが望ましい。ヤング率が300kg/c
m2 については、ほぼ実施例の結果より裏付けられてい
る。また、ヤング率が600kg/cm2 より大きくな
るとカレンダー処理の効果が小さくなるからである。
【0081】下層に含まれるイソシアネート系硬化剤量
は、結合剤100重量部に対して、5〜40重量部の範
囲にあることが望ましい。硬化剤量が、5重量部より少
なくなると磁気テープの耐久性が劣ってしまうからであ
り、40重量部より多くなると磁気テープの柔軟性がな
くなるからである。
は、結合剤100重量部に対して、5〜40重量部の範
囲にあることが望ましい。硬化剤量が、5重量部より少
なくなると磁気テープの耐久性が劣ってしまうからであ
り、40重量部より多くなると磁気テープの柔軟性がな
くなるからである。
【0082】また、上層に含まれるイソシアネート系硬
化剤量は、結合剤100重量部に対して、5〜30重量
部の範囲にあることが望ましい。硬化剤量が、5重量部
より少なくなると磁気テープの耐久性が劣ってしまうか
らであり、30重量部より多くなると磁気テープの柔軟
性がなくなるからである。
化剤量は、結合剤100重量部に対して、5〜30重量
部の範囲にあることが望ましい。硬化剤量が、5重量部
より少なくなると磁気テープの耐久性が劣ってしまうか
らであり、30重量部より多くなると磁気テープの柔軟
性がなくなるからである。
【0083】以上のことから本例によれば、下層のTg
を70℃〜150℃、ヤング率を1000〜3000k
g/cm2 、上層のTgを30℃〜60℃、ヤング率を
300〜600kg/cm2 にすることで非磁性支持体
の表面粗さの影響を緩和し、表面性に優れた磁気記録媒
体を得ることができる。
を70℃〜150℃、ヤング率を1000〜3000k
g/cm2 、上層のTgを30℃〜60℃、ヤング率を
300〜600kg/cm2 にすることで非磁性支持体
の表面粗さの影響を緩和し、表面性に優れた磁気記録媒
体を得ることができる。
【0084】具体的には、下層の塗膜を硬く、強靱にす
ることで、カレンダー処理時の下層の潰れが抑えられ、
下層に比べ柔らかさが要求される上層においても、平滑
な塗膜表面が得られる。
ることで、カレンダー処理時の下層の潰れが抑えられ、
下層に比べ柔らかさが要求される上層においても、平滑
な塗膜表面が得られる。
【0085】また、上層はカレンダー処理の圧力の影響
を大きく受け、短波長記録に重要な表面の高充填化が可
能となる。この改善により、記録・再生ヘッドとのヘッ
ドコンタクトが向上し、凹凸によるスペーシングロスが
減少する。特に電磁変換特性においては、その効果は大
きい。
を大きく受け、短波長記録に重要な表面の高充填化が可
能となる。この改善により、記録・再生ヘッドとのヘッ
ドコンタクトが向上し、凹凸によるスペーシングロスが
減少する。特に電磁変換特性においては、その効果は大
きい。
【0086】以上の説明からも明らかのように、本発明
により、表面の粗い非磁性支持体を使用した場合でも、
高品質の記録・再生が可能となる磁気記録媒体が供給で
きる。
により、表面の粗い非磁性支持体を使用した場合でも、
高品質の記録・再生が可能となる磁気記録媒体が供給で
きる。
【0087】なお、本発明は上述の実施例に限らず本発
明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得
ることはもちろんである。
明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得
ることはもちろんである。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
下層のTgを70℃〜150℃、ヤング率を1000〜
3000kg/cm2 、上層のTgを30℃〜60℃、
ヤング率を300〜600kg/cm2 にすることで非
磁性支持体の表面粗さの影響を緩和し、表面性に優れた
磁気記録媒体を得ることができる。
下層のTgを70℃〜150℃、ヤング率を1000〜
3000kg/cm2 、上層のTgを30℃〜60℃、
ヤング率を300〜600kg/cm2 にすることで非
磁性支持体の表面粗さの影響を緩和し、表面性に優れた
磁気記録媒体を得ることができる。
【0089】すなわち、下層の塗膜を硬く、強靱にする
ことで、カレンダー処理時の下層の潰れが抑えられ、下
層に比べ柔らかさが要求される上層においても、平滑な
塗膜表面が得られる。
ことで、カレンダー処理時の下層の潰れが抑えられ、下
層に比べ柔らかさが要求される上層においても、平滑な
塗膜表面が得られる。
【0090】また、上層はカレンダー処理の圧力の影響
を大きく受け、短波長記録に重要な表面の高充填化が可
能となる。この改善により、記録・再生ヘッドとのヘッ
ドコンタクトが向上し、凹凸によるスペーシングロスが
減少する。特に電磁変換特性においては、その効果は大
きい。
を大きく受け、短波長記録に重要な表面の高充填化が可
能となる。この改善により、記録・再生ヘッドとのヘッ
ドコンタクトが向上し、凹凸によるスペーシングロスが
減少する。特に電磁変換特性においては、その効果は大
きい。
【図1】本発明の磁気記録媒体におけるカレンダー処理
の効果を示す断面図である。
の効果を示す断面図である。
【図2】従来の単層構造の磁気記録媒体におけるカレン
ダー処理の影響を示す断面図である。
ダー処理の影響を示す断面図である。
【図3】従来の2層構造の磁気記録媒体におけるカレン
ダー処理の影響を示す断面図である。
ダー処理の影響を示す断面図である。
1 非磁性支持体、2 単層磁性塗膜、3 上層磁性塗
膜、4 下層磁性塗膜
膜、4 下層磁性塗膜
Claims (24)
- 【請求項1】 非磁性支持体上に、上層および下層の2
層構造からなる塗膜を有する磁気記録媒体において、 上記下層のTgが上記上層のTgよりも高いことを特徴
とする磁気記録媒体。 - 【請求項2】 下層および上層は、強磁性粉末を結合剤
中に分散せしめた磁性層であることを特徴とする請求項
1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】 非磁性支持体の3次元表面粗度のSRa
は、20〜60nmの範囲であることを特徴とする請求
項1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項4】 非磁性支持体の3次元表面粗度のSRa
は、20〜60nmの範囲であることを特徴とする請求
項2記載の磁気記録媒体。 - 【請求項5】 下層はTg=70〜150℃であり、上
層はTg=30〜60℃であることを特徴とする請求項
1、2、3、または4記載の磁気記録媒体。 - 【請求項6】 下層はTg=70〜150℃でヤング率
が1000〜3000kg/cm2 であり、上層はTg
=30〜60℃でヤング率が300〜600kg/cm
2 であることを特徴とする請求項1、2、3、または4
記載の磁気記録媒体。 - 【請求項7】 下層に含まれるイソシアネート系硬化剤
量が、結合剤を100重量部として5〜40重量部であ
り、上層に含まれるイソシアネート系硬化剤量が結合剤
を100重量部として5〜30重量部であることを特徴
とする請求項1、2、3、または4記載の磁気記録媒
体。 - 【請求項8】 下層は非磁性層であり、上層は強磁性粉
末を結合剤中に分散せしめた磁性層であることを特徴と
する請求項1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項9】 非磁性支持体の3次元表面粗度のSRa
は、20〜60nmの範囲であることを特徴とする請求
項8記載の磁気記録媒体。 - 【請求項10】 下層はTg=70〜150℃であり、
上層はTg=30〜60℃であることを特徴とする請求
項8または9記載の磁気記録媒体。 - 【請求項11】 下層はTg=70〜150℃でヤング
率が1000〜3000kg/cm2 であり、上層はT
g=30〜60℃でヤング率が300〜600kg/c
m2 であることを特徴とする請求項8または9記載の磁
気記録媒体。 - 【請求項12】 下層に含まれるイソシアネート系硬化
剤量が、結合剤を100重量部として5〜40重量部で
あり、上層に含まれるイソシアネート系硬化剤量が結合
剤を100重量部として5〜30重量部であることを特
徴とする請求項8または9記載の磁気記録媒体。 - 【請求項13】 非磁性支持体上に、下層塗料液と上層
塗料液をコーティングした後、乾燥、硬化して、該非磁
性体上に上層および下層の2層構造からなる塗膜を形成
する磁気記録媒体の製造方法において、 上記下層のTgが上記上層のTgよりも高いことを特徴
とする磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項14】 下層および上層は、強磁性粉末を結合
剤中に分散せしめた磁性層であることを特徴とする請求
項13記載の磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項15】 非磁性支持体の3次元表面粗度のSR
aは、20〜60nmの範囲であることを特徴とする請
求項13記載の磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項16】 非磁性支持体の3次元表面粗度のSR
aは、20〜60nmの範囲であることを特徴とする請
求項14記載の磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項17】 下層はTg=70〜150℃であり、
上層はTg=30〜60℃であることを特徴とする請求
項13、14、15、または16記載の磁気記録媒体の
製造方法。 - 【請求項18】 下層はTg=70〜150℃でヤング
率が1000〜3000kg/cm2 であり、上層はT
g=30〜60℃でヤング率が300〜600kg/c
m2 であることを特徴とする請求項13、14、15、
または16記載の磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項19】 下層に含まれるイソシアネート系硬化
剤量が、結合剤を100重量部として5〜40重量部で
あり、上層に含まれるイソシアネート系硬化剤量が結合
剤を100重量部として5〜30重量部であることを特
徴とする請求項13、14、15、または16記載の磁
気記録媒体の製造方法。 - 【請求項20】 下層は非磁性層であり、上層は強磁性
粉末を結合剤中に分散せしめた磁性層であることを特徴
とする請求項13記載の磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項21】 非磁性支持体の3次元表面粗度のSR
aは、20〜60nmの範囲であることを特徴とする請
求項20記載の磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項22】 下層はTg=70〜150℃であり、
上層はTg=30〜60℃であることを特徴とする請求
項20または21記載の磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項23】 下層はTg=70〜150℃でヤング
率が1000〜3000kg/cm2 であり、上層はT
g=30〜60℃でヤング率が300〜600kg/c
m2 であることを特徴とする請求項20または21記載
の磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項24】 下層に含まれるイソシアネート系硬化
剤量が、結合剤を100重量部として5〜40重量部で
あり、上層に含まれるイソシアネート系硬化剤量が結合
剤を100重量部として5〜30重量部であることを特
徴とする請求項20または21記載の磁気記録媒体の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26316696A JPH10112020A (ja) | 1996-10-03 | 1996-10-03 | 磁気記録媒体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26316696A JPH10112020A (ja) | 1996-10-03 | 1996-10-03 | 磁気記録媒体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10112020A true JPH10112020A (ja) | 1998-04-28 |
Family
ID=17385702
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26316696A Pending JPH10112020A (ja) | 1996-10-03 | 1996-10-03 | 磁気記録媒体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10112020A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1031966A1 (en) * | 1999-02-23 | 2000-08-30 | Sony Corporation | Magnetic recording medium |
-
1996
- 1996-10-03 JP JP26316696A patent/JPH10112020A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1031966A1 (en) * | 1999-02-23 | 2000-08-30 | Sony Corporation | Magnetic recording medium |
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