JPH0982269A - 溶液の質量分析に関する方法と装置 - Google Patents

溶液の質量分析に関する方法と装置

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JPH0982269A
JPH0982269A JP7229891A JP22989195A JPH0982269A JP H0982269 A JPH0982269 A JP H0982269A JP 7229891 A JP7229891 A JP 7229891A JP 22989195 A JP22989195 A JP 22989195A JP H0982269 A JPH0982269 A JP H0982269A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ソニックスプレーイオン化法において、噴霧
キャピラリーの近傍に電極を設置して液体に電界を印加
し、液体を噴霧することにより、正または負イオンを高
効率で生成する。 【構成】 液体を大気中に噴霧させるキャピラリーと、
該キャピラリー先端の近傍部位が挿入されて設置される
オリフィスであって、前記キャピラリーの外周壁面に沿
って、ガスが前記キャピラリーの先端まで流れるように
したオリフィスとを具備し、前記キャピラリーの先端近
傍でのガス流速が音速程度であり、前記キャピラリー内
の液体と前記オリフィスまたは前記キャピラリー近傍に
設置された電極との間に電圧が印加されることを特徴と
するイオン源。 【効果】 液体の電位を接地電位に設定することがで
き、液体導入部に溶液分離手段を結合することが容易に
実現する。また、電極に印加する電圧の極性に従い、生
成されるイオンの極性を制御することができる。さら
に、タンパクなどの質量の大きい物質の多価イオン等が
高効率で再現性よく生成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン源及びこれを用
いる質量分析装置に関し、特に液体中に存在する試料を
イオン化して質量分析計に導入するのに適したイオン源
及びこれを用いる質量分析装置、さらに液体クロマトグ
ラフ/質量分析計結合装置、キャピッリー電気泳動/質
量分析計結合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アナリティカル・ケミストリー 66
(1994年)第4557頁から第4559頁(Ana
lytical Chemistry、66(199
4)pp 4557ー4559)には、ソニックスプレー
イオン化法に関する記述がある。キャピラリーの外側か
らガスを同軸状に流し、キャピラリー末端で液体が噴霧
されることによりイオンや帯電液滴が安定して生成され
る。キャピラリー先端におけるガス流速が音速の場合
に、噴霧により生成される正負イオン量は最大となる。
この場合、液体には電界も電圧も印加されない。生成さ
れる噴霧ガスは全体としては中性であり、正イオン量と
負イオン量は等しい。
【0003】また、ジャーナル・オブ・フィジカル・ケ
ミストリー 88(1984年)第4451頁から第4
459頁( Journal of Physical
Chemistry、88(1984)pp4451ー
4459)または米国特許第5130538号には、エ
レクトロスプレーイオン化法に関する記述がある。液体
が導入される金属キャピラリーと対向電極(質量分析計
のイオン取り込み口)との間には2.5kV以上の高電圧
が印加される。即ち、液体には高電圧が印加される。こ
れにより、液体から帯電液滴が対向電極に向かって電界
の印加された空間に噴霧され(静電噴霧現象)、イオン
は帯電液滴から生成される。帯電液滴やイオンの極性は
印加される電圧の極性と一致する。エレクトロスプレー
イオン化法では、電荷数の大きいイオンを生成すること
ができ、タンパク等の分析に用いられることが多い。液
体流量は 通常は0.001〜0.01ミリリットル/分
の範囲で使用される。
【0004】また、アナリティカル・ケミストリー 5
9(1987年)第2642頁から第2646頁(An
alytical Chemistry、59(198
7)pp2642ー2646)または米国特許第4861
988号には、イオンスプレーイオン化法に関する記述
がある。噴霧キャピラリー末端の液体と対向電極(質量
分析計のイオン取り込み口)との間には、エレクトロス
プレーイオン化法と同様に2.5kV以上の高電圧が印加
される。これにより、液体からイオンや帯電液滴が対向
電極に向かって電界の印加された空間に噴霧される。
(静電噴霧現象)イオンスプレーイオン化法では、エレ
クトロスプレーイオン化法とは異なり、帯電液滴の気化
を促進するために噴霧キャピラリーの外側にガスを流
す。そのため、同じ静電噴霧現象を利用してイオンを発
生させるため、生成されるイオン種はエレクトロスプレ
ーイオン化法の場合と全く同一である。帯電液滴やイオ
ンの極性は印加される電圧の極性と一致する。しかし、
液体流量は0.01〜1ミリリットル/分の範囲で使用
され、エレクトロスプレーイオン化法に比較して多い。
また、ガスの流速は最大216m/sとされる。
【0005】液体のガス噴霧の際に、噴霧部の近傍に電
極を設け、そこに3.5kVの高電圧を印加することによ
り帯電液滴やイオンを生成させる記述がジャーナル・オ
ブ・ケミカル・フィジックス 71(1979年)第4
451頁から第4463頁(Journal of C
hemical Physics、71(1979)pp
4451ー4463)または米国特許第4300044
号にある。この例では、液体もガスも内径0.3mmの注
射針からそれぞれ放出される。しかし、前述のソニック
スプレーイオン化法やイオンスプレーイオン化法と異な
り、液体の放出される方向とガス流の方向とは直交する
構成をとっている。ガス流の流速は不明である。
【0006】さて、多数種の物質が混在する混合溶液を
質量分析装置に導入すると、得られる質量スペクトルが
複雑すぎるために物質の同定が不可能となることがあ
る。そのため、混合溶液の分析においては、液体クロマ
トグラフやキャピラリー電気泳動装置などの手段を用い
て先ず混合溶液の分離が行われ、その抽出液を質量分析
装置に導入するという方法が用いられる。即ち、混合溶
液の分離分析がオンラインで実現する液体クロマトグラ
フ/質量分析計結合装置やキャピラリー電気泳動/質量
分析計結合装置が存在する。液体クロマトグラフ装置で
はポンプにより溶液を充填剤の詰まったカラムに溶液を
一定流量で流すことにより、溶液の分離が行われる。そ
のため、抽出液の電位は接地電位である。一方、キャピ
ラリー電気泳動装置では、キャピラリーに導入された溶
液に対しキャピラリー両端に20〜30kV程度の高電
圧を印加し電気泳動により溶液を分離する。通常はキャ
ピラリーの出口側の電位を接地電位に設定し、抽出液の
電位を接地電位にする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】質量分析計では、イオ
ンの質量mをその電荷数zで割った値であるm/zによりイ
オンの分析が行われる。質量分析範囲の上限が非常に大
きい質量分析計は 装置全体が巨大で高価となるため現
実的でない。そのため、一般的な質量分析計では質量分
析範囲の上限がm/z=1000〜2000程度とされ
る。
【0008】さて、上記従来技術ではイオンは主に微細
な帯電液滴から生成される。上記エレクトロスプレーイ
オン化法や上記イオンスプレーイオン化法に関する従来
技術においては、電荷密度の高い帯電液滴が生成され、
電荷数zの値が3以上である多価イオンを生成すること
ができる。そのため、質量mが数万程度であるタンパク
等の巨大質量の物質であっても、m/zの値が質量分析範
囲に収まるため分析が可能である。ところが、上記ソニ
ックスプレーイオン化法に関する従来技術や上記第四の
従来技術では、電荷密度の低い帯電液滴が生成され、電
荷数zの小さいイオンが生成される傾向がある。即ち、
ペプチドなどの1価、2価イオンの生成および質量分析
は可能である。しかし、質量数mの非常に大きいタンパ
ク等の分析においては、電荷数zの値が3以上である多
価イオンを生成することができないため、m/zの値が質
量分析範囲から逸脱し質量分析ができないという欠点を
有する。
【0009】また、上記エレクトロスプレーイオン化法
やイオンスプレーイオン化法に関する従来技術では、液
体に高電圧が印加され、静電噴霧現象によりイオンや帯
電液滴が生成される。本現象により生成される液滴には
電荷密度の高い微細な帯電液滴も含まれるが、それだ
けではなく電荷密度の低いミクロンオーダーの大きな帯
電液滴も含まれる。その大きな帯電液滴は 電荷量に比
較して質量が大きすぎて電界や磁界などによりその運動
を制御することが困難である。そのため、四重極型質量
分析計や四重極イオントラップ型質量分析計を用いて質
量分析を行う場合、大きな帯電液滴が質量分離されない
まま検出部に到達し、ランダムノイズとして検出され
る。特に、イオンスプレーイオン化法に関する従来技術
では、液体流量が高いため大きな帯電液滴の生成が顕著
である。同様の問題は 上記4番目の従来技術にも存在
する。上記4番目の従来技術では、液体がガス流により
噴霧される。しかし、噴霧部では液体の放出される方向
とガス流の方向とは直交する構成をとっている。そのた
め、液体が放出される注射針の末端において、ガス流の
上流側と下流側とでガス流速に差が生じ、下流側で生成
される液滴ほどサイズは大きくなるという液滴サイズの
バラツキの問題がある。また、電極(米国特許第430
0044号の図2における電極27)は1本の棒であ
る。そのため、液体の噴霧部における電極に距離的に近
い領域と遠い領域とで生成される液滴の電荷密度が異な
る。そのため、低い電荷密度の大きな液滴が多く生成さ
れる。上記4番目の従来技術では、質量分析計のイオン
取り込み口にカウンターガスフローを発生させ、液滴の
気化を促進させるが、充分な気化は不可能である。先述
のように、イオンは主に微細な帯電液滴から生成される
が、そのイオン生成効率は液滴の大きさが小さい程高い
ことが知られている。そして、大きな帯電液滴からのイ
オン生成効率は無視される程度に低い。従って、大きな
帯電液滴の生成に起因して、シグナル強度の低減とノイ
ズレベルの増大によりイオン検出感度は著しく低下する
という問題がある。
【0010】さらに、上記エレクトロスプレーイオン化
法やイオンスプレーイオン化法に関する従来技術におい
ては、噴霧開始時には毎回イオン源の位置を調整してイ
オン強度の最適化を行う必要があり、操作が繁雑である
という静電噴霧現象に固有の問題が存在する。これは
噴霧キャピラリーや対向電極(質量分析計イオン取り込
み口)の汚れや濡れにより、生成される噴霧ガスの形状
が著しく異なる性質が静電噴霧現象にあるからである。
従って、上記エレクトロスプレーイオン化法やイオンス
プレーイオン化法に関する従来技術においては、熟練が
必要であり、操作性が極めて低いという問題点がある。
【0011】さらに、上記エレクトロスプレーイオン化
法やイオンスプレーイオン化法に関する従来技術におい
ては 液体クロマトグラフやキャピラリー電気泳動装置
等の溶液分離手段を上流側に結合させた液体クロマトグ
ラフ/質量分析計結合装置やキャピラリー電気泳動/質
量分析計結合装置に採用された場合、溶液分離手段全体
に高電圧が印加されるため、取り扱いに際して感電の危
険性が存在する。溶液分離手段全体の電位を接地電位に
設定して使用することもあるが、この場合には、一種の
電気泳動がキャピラリー内で実現するため、イオン生成
やイオン分析の再現性は著しく低下する。そのため、液
体クロマトグラフ/質量分析計結合装置やキャピラリー
電気泳動/質量分析計結合装置では、操作的にも機能的
にも充分な機能を発揮していないという問題点がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、液体を所定の位置へ流すための流通路と、該液体を
該流通路の少なくとも一部が絶縁体であり該絶縁体を介
して電界を印加する電界印加手段と、前記電界が印加さ
れた液体の下流に配置され、前記液体を噴霧して帯電し
たガスを生成する噴霧手段を有するイオン源が提供され
る。
【0013】また、上記目的を達成するために、液体を
所定の位置へ流すための流通路と、該液体を該流通路の
少なくとも一部が絶縁体であり該絶縁体を介して電界を
印加する電界印加手段と、ガスを供給するガス供給部と
該ガス供給部からのガスを供給する供給口とガスを放出
する噴射口と該流通路を保持する保持部とからなる部屋
である噴霧手段を有するイオン源が提供される。
【0014】また、上記目的を達成するために、混合物
を含んだ試料液体を分離する分離手段と、該分離された
試料液体を所定の位置へ流すための流通路と、該試料液
体を該流通路の少なくとも一部が絶縁体であり該絶縁体
を介して電界を印加する電界印加手段と、ガスを供給す
るガス供給部と該ガス供給部からのガスを供給する供給
口とガスを放出する噴射口と該流通路を保持する保持部
とからなる部屋である噴霧手段と、噴霧されたガスを質
量分析し解析するする分析手段からなる質量分析装置が
提供される。
【0015】また、上記目的を達成するために、混合物
を含んだ試料液体を分離する分離手段と、該分離された
試料液体を所定の位置へ流すための流通路と、該試料液
体を該流通路の少なくとも一部が絶縁体であり該絶縁体
を介して電界を印加する電界印加手段と、ガスを供給す
るガス供給部と該ガス供給部からのガスを供給する供給
口とガスを放出する噴射口と該流通路を保持する保持部
とからなる部屋である噴霧手段と、噴霧されたガスを質
量分析し解析する四重極質量分析計からなる質量分析装
置が提供される。
【0016】また、上記目的を達成するために、混合物
を含んだ試料液体を分離する分離手段と、該分離された
試料液体を所定の位置へ流すための流通路と、該試料液
体を該流通路の少なくとも一部が絶縁体であり該絶縁体
を介して電界を印加する電界印加手段と、ガスを供給す
るガス供給部と該ガス供給部からのガスを供給する供給
口とガスを放出する噴射口と該流通路を保持する保持部
とからなる部屋である噴霧手段と、噴霧されたガスを質
量分析し解析する四重極トラップ質量分析計からなる質
量分析装置が提供される。
【0017】また、上記目的を達成するために、混合物
を含んだ試料液体を分離する分離手段と、該分離された
試料液体の特性を検出する検出手段と、該分離された試
料液体を所定の位置へ流すための流通路と、該試料液体
を該流通路の少なくとも一部が絶縁体であり該絶縁体を
介して電界を印加する電界印加手段と、ガスを供給する
ガス供給部と該ガス供給部からのガスを供給する供給口
とガスを放出する噴射口と該流通路を保持する保持部と
からなる部屋である噴霧手段と、噴霧されたガスを質量
分析し解析する分析手段と、該検出手段からの信号によ
り電界印加手段と分析手段とを制御する制御部を有する
質量分析装置が提供される。
【0018】また、上記目的を達成するために、液体を
噴霧して電荷が少なくとも3価である多価イオンを生成
する一部または全部が絶縁物で構成された噴射口と、前
記噴射口の周囲に配置された第一の電極と、前記第一の
電極に対向して配置され、前記第一電極との間に一様な
電界を生成する第二の電極を有する質量分析装置が提供
される。
【0019】また、上記目的を達成するために、液体を
分離する液体分離手段と、前記液体分離手段で分離され
た液体の電位を定める金属と、前記液体が供給される流
通路と、前記流通路内を流れる前記液体に電界を印加す
る前記流通路とは電気的に絶縁された電界印加手段と、
前記電界が印加された液体の下流に配置され、前記液体
を噴霧して帯電液滴を生成する噴霧手段を有するイオン
源を噴霧して電荷が少なくとも3価である多価イオンを
生成する一部または全部が絶縁物で構成された噴射口
と、前記噴射口の周囲に配置された第一の電極と、前記
第一の電極に対向して配置され、前記第一電極との間に
一様な電界を生成する第二の電極を有する質量分析計か
らなる液体分離手段が結合した質量分析装置が提供され
る。
【0020】また、上記目的を達成するために、液体を
噴霧する噴射口の周囲に配置された第一の電極と、前記
第一の電極に対向して配置される第二の電極との間に生
成される一様な電界中に電荷が少なくとも3価である多
価イオンが生成され、それらのイオンを質量分析計によ
り分析する質量分析法が提供される。
【0021】また、上記目的を達成するために、液体を
分離する分離工程と、分離されて電位を定められた液体
に電界を印加する工程と、前記噴射口の周囲に配置され
た第一の電極と、前記第一の電極に対向して配置される
第二の電極との間に生成される一様な電界中を電荷が少
なくとも3価である多価イオンが通過して質量分析する
質量分析計に供給し、質量分析して解析する工程とから
なる質量分析法が提供される。
【0022】また、上記目的を達成するために、液体を
噴霧する噴射口の周囲に配置された第一の電極と、前記
第一の電極に対向して配置される第二の電極との間に生
成される一様な電界中に生成される電荷が少なくとも3
価である多価イオンの極性に応じて該液体に印加する電
界の極性を変化させる電界印加工程とを含む質量分析法
が提供される。
【0023】また、上記目的を達成するために、液体に
印加する電界の極性を変化させる電界印加工程と、液体
を噴霧する噴射口の周囲に配置された第一の電極と、前
記第一の電極に対向して配置される第二の電極との間に
生成される一様な電界中に電荷が少なくとも3価である
前記電界の極性に応じた極性の多価イオンが生成される
工程とを含む質量分析法が提供される。
【0024】本発明の目的は 質量数の大きい物質の分
析を行うために、電荷数zが3以上である多価イオンの
生成及び分析が実現できる高効率イオン源、高感度質量
分析装置あるいは高効率イオン化法、高感度質量分析法
を提供することである。
【0025】本発明の別の目的は イオン検出感度低減
の原因となる大きな帯電液滴があまり生成されない、高
感度質量分析装置や高感度質量分析法を提供することで
ある。本発明のさらに別の目的は 操作性の高い高効率
イオン源、高感度質量分析装置あるいは高効率イオン化
法、高感度質量分析法を提供することである。
【0026】本発明のさらに別の目的は 液体の電位を
接地電位に設定することが可能であり、安全で、イオン
生成やイオン分析の再現性の高い、高効率イオン源、高
感度質量分析装置あるいは高効率イオン化法、高感度質
量分析法を提供することである。
【0027】
【作用】従来のソニックスプレーイオン化法では、噴霧
により電気的に中性の液滴が最初に生成される。液滴中
には正負イオンが同数含まれるが、液滴と周囲のガスと
の組み合わせにより決定される表面電位により正負イオ
ンの密度分布が表面近傍では中心部と比較して顕著に異
なる。さらに、音速のガス流により液滴表面から微細な
液滴が分離される。これらの微細液滴中では正負イオン
の数が異なるため、電荷密度が低いが液滴全体として帯
電する。イオンは微細な帯電液滴よりイオン蒸発過程ま
たは完全な帯電液滴の気化により生成される。
【0028】本発明のイオン化法やイオン源では、ソニ
ックスプレーイオン化法におけるキャピラリーに導入さ
れる液体に対し、外部に設置された電極から電界が印加
される。例えば、負の電圧が印加される場合、液体表面
近傍では正イオン密度が負イオン密度に比較して著しく
多くなる。そのため、ガス流により液体が噴霧される際
に正に帯電した液滴が優先的に生成され、噴霧ガスは正
に帯電する。液滴中ではクーロン反発力により正イオン
が表面近傍に集中する。これらの帯電液滴の電荷密度は
通常のソニックスプレーイオン化法において生成される
帯電液滴の電荷密度に比較して高い。さらに、音速のガ
ス流により液滴表面から微細な液滴が分離されると、極
めて電荷密度の高い微細液滴が生成される。イオンは微
細液滴よりイオン蒸発過程または完全な帯電液滴の蒸発
により生成されることが知られる。前者では、多価イオ
ンのイオン生成効率は一価イオンのそれに比較して一般
的に著しく低く無視される程度だが、液滴の電荷密度が
高い場合には液滴内のクーロン反発力が著しく大きいた
めに、多価イオンのイオン生成効率も高くなる。そのた
め、多価イオンも生成可能となる。本発明のイオン化法
では、噴霧される前に液体表面近傍の正または負イオン
の密度を非常に高くすることができる。そのため、噴霧
により生成された液滴に電界を印加することは無意味で
ある。噴霧される前の液体に電界を印加することが必要
となる。
【0029】また、本発明の質量分析装置や質量分析法
では、イオン生成に静電噴霧現象を利用しないため、質
量分析計イオン取り込み口や噴霧キャピラリーの汚れ・
濡れによりイオン生成が影響されない。そのため、装置
の取扱いは容易であり、イオン生成の再現性も高い。
【0030】また、本発明の質量分析装置や質量分析法
では、イオン源に導入される液体の電位を接地電位に設
定することができる。このことにより、イオン源の上流
にキャピラリー電気泳動装置や液体クロマトグラフ装置
などを結合することが容易になる。また、その結合によ
りイオン生成の再現性が損なわれることもない。
【0031】液体に対する外部からの電場印加法には、
キャピラリーの材質に石英や樹脂などの絶縁体を使用
し、キャピラリー末端が挿入される金属製オリフィスに
電圧を印加する方法がある。さらに別の方法としては、
キャピラリーの材質に絶縁体を使用し、キャピラリーの
末端近傍の外面を金属コートしておいてキャピラリー外
面に電圧を印加する方法がある。さらに、電圧が印加さ
れる金属管に絶縁体キャピラリーを挿入する方法も存在
する。何れの方法も、液体表面から電極までの距離を一
定に保つことが高効率イオン生成には必要である。キャ
ピラリーの材質に金属などの導体を用いる場合は、金属
キャピラリーが電気的なシールド効果を持つため、電極
には高電圧を印加する必要がある。
【0032】
【実施例】図1に本発明の一実施例にともづくイオン源
の構成図を示す。液体は流通路1よりキャピラリー2に
導入される。キャピラリー2の先端はオリフィス3の中
に同軸状に挿入される。ガス供給部4より供給されるガ
スはガス導入管5よりイオン源本体6に導入され、オリ
フィス3より外部に放出される。オリフィス3は金属製
であり、電源7より電圧がオリフィス3と金属管8との
間に印加される。オリフィス3と液体とは導通がないた
め電流は流れないが、液体には電界が印加される。キャ
ピラリー2の末端に達した液体はガスにより噴霧され
る。噴霧ガス中にイオンや微細な帯電液滴が生成され
る。
【0033】図2に本発明の一実施例にともづくイオン
源の断面図を示す。毎分5〜100マイクロリッターの
流量で液体は 電位を接地電位に設定された金属管8に
導入された後、石英製キャピラリー2(内径0.1mm、外
径0.2mm)に導入される。オリフィス3(内径0.4mm、厚
さ1mm)のあるオリフィス板9はジュラルミン製であ
り、電源7より電圧が印加される。キャピラリー2はテ
フロン管10とステンレス管11とに挿入され、ステン
レス管11とは接着剤で固定される。また、2本のステ
ンレス管11の間の空間により液体とイオン源本体6と
は電気的に絶縁される。キャピラリー2とオリフィス3
の中心軸は一致し、キャピラリー2の末端はオリフィス
板9から0.2mm程度だけ露出する。ステンレス管11
はキャピラリー2のイオン源本体6への固定にも用いら
れている。オリフィス板9はガスの断熱膨張により冷却
されると、生成される液滴は凝結し微細化しないことが
ある。こうなると、結果的に大きな帯電液滴が生成され
るため、イオン量は低減する。この問題は オリフィス
板9あるいはイオン源本体6にヒーターを設置して加熱
するか、イオン源に導入されるガスを予めヒーターで加
熱することで回避される。ガスはガスボンベまたはガス
・コンプレッサーによりガス導入管5に導入される。そ
の途中にはマスフローコントローラーやパージメーター
等のガス流量調節装置が設置され、噴霧に用いられるガ
スの流量が調節される。丁度ガス流量が毎分3リットル
の場合にキャピラリー2末端近傍のガス流速は音速にな
る。
【0034】イオンは直径10ナノメートル以下の微細
な帯電液滴から生成されることが知られる。本実施例で
はソニックスプレーイオン化法と同様にガス噴霧により
微細な帯電液滴を生成する。ガス噴霧により生成される
平均的な液滴の大きさはガス流速が増加すると減少する
が、ガス流速が超音速になると平均的な液滴の大きさは
増加する。ショック波が発生するからである。(図9参
照)従って、ガス流速が音速の場合に平均的な液滴の大
きさは最小となり、最も効率的にイオン生成が行われ
る。キャピラリー2の肉圧が小さいほど、微細な液滴の
生成効率は高く、結果的にイオン生成効率は高い。
【0035】音速流の生成には、イオン源の周囲の圧力
を1気圧としオリフィス3の厚さが無視されるとする
と、オリフィス3の上流側には2気圧程度のガス圧が必
要である。しかし、オリフィス板9の厚さに応じてオリ
フィス3内での減圧が無視できないことがある。イオン
源本体6に圧力計を設け、ガス圧を調整して音速のガス
流を生成させると便利である。この場合、オリフィス3
の上流に0.5から5気圧程度のガス圧を印加できるよ
うに圧力調整することが無難である。また、パージメー
ターやマスフローメーター等のガス流量調節手段によ
り、音速流を発生させることも現実的である。オリフィ
ス3の厚さが厚すぎるとオリフィス3内での減圧が大き
くなり不必要に加圧する必要が生じる。イオン源本体6
の肉厚よりも厚くする必要はない。逆に、オリフィス3
の厚さが薄すぎると、強度的にイオン源本体6内部と外
部との圧力差に耐えられない。そのため、キャピラリー
2の直径よりは厚い、0.5から1ミリメートル程度が
現実的である。オリフィス3の上流側のイオン源本体6
には ガス圧が減圧されないようにガス溜めとなる空間
が必要である。その空間のサイズはキャピラリー2の直
径の5倍以上が必要である。
【0036】図3に、図2に示した本発明の一実施例に
ともづくイオン源の見取図を示す。手前方向に噴霧ガス
は放出される。キャピラリー2の中心軸に垂直な方向で
のイオン源本体6の断面は四角形であるが、円形にする
ことも可能である。オリフィス板9にはオリフィス3の
他に4つの穴があり、イオン源本体6へのオリフィス板
9の固定には4本のネジが用いられる。顕微鏡下でオリ
フィス3の中心とキャピラリー2の中心とが一致するよ
うに調整してネジによりオリフィス板9は固定される。
このようにして、キャピラリー2の末端に均一なガス流
が形成される。図中の寸法より、本発明のイオン源は極
めてコンパクトであることが示される。
【0037】図4に、噴霧により生成される全イオン電
流のオリフィス3への印加電圧依存性を示す。これは液
体として47.5%メタノール/47.5%水/5%酢酸
を添加した溶液を使用した場合の実験結果である。正の
電圧が印加された場合に負のイオンや帯電液滴が生成さ
れ、負の電圧が印加された場合にはその逆になることが
示される。即ち、生成したいイオンの極性の反対の極性
の電圧を印加すれば、希望する極性のイオンが生成され
ることが示される。また、印加電圧の絶対値が1kV以下
の場合にはイオン電流は印加電圧の増加に伴い減少する
が、印加電圧の絶対値が約1kV以上の場合にはイオン電
流にあまり変化がなくなり飽和することが示される。こ
れは 噴霧される直前の液体表面近傍における同一符号
のイオン密度が限界に達したことを示す。そのため、実
験結果に基づいて印加電圧の絶対値は1kV〜2kVの範囲
に設定することが実用的である。
【0038】さて、液体の電気伝導度が充分に高いと仮
定すると、キャピラリー2の中心軸の電位は0Vと見な
せ、電場強度は5000kV/m(=1000V/0.2m
m)と見積もられる。そのため、オリフィス3の内径が
より大きい場合、あるいはより離れた位置に電極を設置
した場合には、より高い電圧の印加が必要である。
【0039】図5に、印加電圧をー1kVに設定した場合
に生成されるイオンを質量分析した結果を示す。これは
濃度1マイクロモル/リッター(m mol/L)のcytoc
hrome−C(タンパクの一種、分子量約1250
0)溶液(溶媒は5%酢酸を添加した48%メタノール
水)を流量30マイクロリッター/分でキャピラリーに
導入し、音速ガス流を用いた噴霧により生成されたイオ
ンを四重極質量分析計で分析した結果(質量スペクト
ル)である。cytochrome−C分子に16個の
プロトンが付加した16価イオン(m/z=766)を中
心とした13価から20価までの多価イオンのシリーズ
がm/z=1000以下の領域に明瞭に検出される。
【0040】これまで、多価イオンの生成にはイオンス
プレーイオン法やエレクトロスプレーイオン化法(イオ
ン生成原理は殆ど同等)が用いられてきた。そこで、同
一のcytochrome−C溶液よりイオンスプレー
イオン法を用いてイオンを生成させ、同一の四重極質量
分析計でイオン検出を行った。その結果を図6に示す。
縦軸は図5の場合と同一である。多価イオンについては
質量スペクトルのスペクトルターンは同様のものが得ら
れているが、イオン強度は図5の結果と比較して2.6
倍程低い。このことは 本発明のイオン源をにおいて印
加電圧を約700Vに設定して得られるイオン検出感度
に相当する。また、図6においてはノイズレベルが図5
に比較して著しく高いことが示される。このノイズは
本発明のイオン化法に比較してイオンスプレーイオン法
において大きい帯電液滴が多量に生成され、それらがラ
ンダムノイズとして検出されるためである。S/N比は図
5の場合に比較して約9倍小さい。そのため、図5に示
す本発明のイオン化法を用いたほうがより高感度なイオ
ン検出ができることが示される。また、図6においては
m/z=300以下の領域で溶媒由来のイオンが多く検出
される。このような複雑な質量スペクトルの解析には習
熟が必要である。
【0041】図7、8に、myoglobin溶液(濃
度1マイクロモル/リッター、溶媒は5%酢酸を添加し
た48%メタノール水)およびhemoglobin溶
液(濃度1マイクロモル/リッター、溶媒は5%酢酸を
添加した48%メタノール水)から得られた質量スペク
トルをそれぞれ示す。myoglobinは分子量17
200であり、プロトンが22個付加した22価イオン
(m/z=772)を中心とした18価から26価までの
多価イオンのシリーズが検出される。hemoglob
inは2種類のサブユニットが2個づつ結合した分子量
64500のタンパクである。図8では、サブユニット
の質量スペクトルが観測されている。
【0042】図9に、図5における16価イオンの相対
強度に対する噴霧ガス流量F依存性を示す。用いたイオ
ン源は図2に示す実施例のものである。ガス流速はガス
流量の増加に伴い増加する関係にある。本実験では、ガ
ス流量が約3リットル/分の場合にガス流速は音速(マ
ッハ1)に対応し、約7リットル/分の場合にガス流速
はマッハ2以下であることが既にわかっている。(アナ
リティカル・ケミストリー 66(1994年)第45
57項から第4559項(Analytical Ch
emistry、66(1994)pp 4557ー45
59))図より、ガス流量が1.4リッター/分以下の
場合にはイオンは生成されず、1.4リッター/分以上
の場合にイオン強度はガス流量の増加に伴い増加する
が、イオン強度は約3リッター/分の場合に最大とな
り、それ以上の流量(超音速領域)では、ショック波の
発生によりイオン強度は低減することが示される。これ
より、このガス流量に対するイオン強度依存性は従来の
ソニックスプレーイオン化法のそれと類似するが、本発
明のイオン源から生成される噴霧ガスは全体として正ま
たは負に帯電する点が特徴的である。
【0043】さて、先に述べたように、ガス流速を流量
調節手段を用いてガス流量Fを調整することにより制御
することも可能である。図2に示すイオン源の例では、
オリフィスとキャピラリーとの間のすき間のキャピラリ
ーに垂直な断面の面積Sは9.4×10ー8m2と計算
される。Fを標準状態(20℃、1気圧)とすると、F
/SはFが1.4リッター/分の場合が250m/sと
なり、7リッター/分の場合が約1200m/sと見積
もられる。ここで、F/Sの単位は速度であるがガス流
速とは異なることに注意が必要である。
【0044】ガス流速をイオン源内のガス圧により制御
することも可能である。図9でイオン生成が始まるのが
約1.2気圧である。等エントロピー流れを仮定する
と、オリフィスの厚さが充分に薄い場合には、ガス圧が
1.2気圧でマッハ約0.5、約2気圧でマッハ1が達成
される。マッハ2を実現するには7.8気圧が必要であ
る。ちなみに、マッハ3では40気圧程度も必要とな
り、実用面で問題がある。ガス圧でガス流速を制御する
には、ガス圧を0.5〜5気圧の範囲で調整するのが現
実的である。
【0045】このイオン源では、オリフィス径が0.4
mmであり、石英キャピラリーの外径は0.2mmであ
る。そのため、オリフィスとキャピラリーとのすき間の
断面積Sは9.4×10ー8m3と計算される。そこ
で、パラメーターF/Sを用いると、Fが1.4リッタ
ー/分の場合は250m/sであり、音速の状態は53
0m/sとなる。(パラメーターF/Sの単位は速度で
あるが、実際のガス流速とは関係ないことに注意が必要
である)Fを7(F/S=1200m/s)以上に増加
させても、ガスの消費量が増加するだけでイオン生成効
率は増加しない。そのため、実際にはF/Sは250〜
1200m/sの範囲内で使用される。Sはイオン源の
構造で決定されるため、ガス流量Fをマスフローメータ
ーやパージメーターなどの流量調節計を用いて調整する
と便利である。
【0046】ガスは液体の噴霧のために用いられる。そ
のため、ガスの種類はイオン生成にはほとんど関与しな
い。実際には窒素ガスを用いるのが便利である。安価で
あるうえに、乾燥しているために液滴の気化に有効であ
るからである。窒素ガスの他に、空気や酸素、あるいは
二酸化炭素、希ガス等を用いでも同様の効果を得ること
ができる。
【0047】図10に、本発明の別の一実施例にともづ
くイオン源の断面図を示す。石英製キャピラリー2(内
径0.01mm、外径0.05mm)の末端部5mmには外面にアル
ミ蒸着がなされ、電源7より電圧が印加される。図4の
説明で述べたように、効率よくイオンを生成させるため
には、ある程度以上の電場強度を発生させる必要があ
る。本実施例では、電極に印加する電圧は図2の実施例
と比較して低電圧に設定することができる。本実施例で
は、イオン源本体6は接地電位に設定することができる
ため、操作の際の安全性は極めて高い。
【0048】図11に、本発明のさらに別の一実施例に
ともづくイオン源の断面図を示す。樹脂製キャピラリー
2は管状の電極12に挿入され、電極12に電源7より
電圧が印加される。樹脂製キャピラリー2と電極12は
絶縁性の接着剤で固定される。充分な高電圧が印加され
るのであれば、管状の電極12は必ずしもキャピラリー
2と同軸状に設置される必要はない。しかし、同軸状の
場合には低い印加電圧でイオン生成が行われる。また、
同様にして、電極12に充分な高電圧が印加されるので
あれば、電極12は必ずしも管状である必要はない。電
極12がキャピラリー2末端より手前に設置される方が
そうでない場合よりも印加電圧がはるかに低くてすむ。
【0049】図12に、本発明のさらに別の一実施例に
ともづくイオン源の断面図を示す。石英製キャピラリー
2はヒーター13により加熱される加熱ブロック14に
より加熱される。そのため、キャピラリー2に導入され
る液体は加熱により噴霧される。電極12により生成さ
れる電界により、キャピラリー2中で噴霧により生成さ
れる液滴は帯電し、帯電液滴やイオンが生成される。液
体の加熱には、赤外線レーザーやランプを用いることも
可能である。
【0050】図13に、本発明のさらに別の一実施例に
ともづくイオン源の断面図を示す。石英製キャピラリー
2に導入される液体はその末端で横方向からガス噴射部
15より生成されるガス流により噴霧される。この場
合、比較的大きな帯電液滴が生成されるが、キャピラリ
ー2の位置調節は極めて簡単に行うことができる。特に
イオンを生成させる必要がなく、帯電液滴の生成だけで
充分である場合には、本実施例は極めて単純な帯電液滴
発生装置となる。
【0051】図14に、本発明のさらに別の一実施例に
ともづくイオン源の断面図を示す。石英製キャピラリー
2に導入される液体は超音波振動子16により液滴に変
換される。電極12により発生される電界により、液滴
生成時に液滴は帯電する。帯電した噴霧ガスは空間的に
広く拡散する。図12から14に示される実施例では、
ガスボンベやコンプレッサー等を使用せずにイオン生成
ができるという利点がある。
【0052】図15に、本発明の一実施例の質量分析装
置の構成図を示す。液体は流通路1より一定流量でキャ
ピラリー2に導入される。キャピラリー2の先端はオリ
フィス3に同軸状に挿入される。ガス供給部4より供給
される窒素ガスはガス導入管5よりイオン源本体6に導
入され、オリフィス3より外部に放出される。金属製の
オリフィス板9には、電源7より電圧が印加される。こ
のことにより、キャピラリー2の末端に達した液体には
電界が印加される。電界が印加された液体はオリフィス
3からのガス流に従い大気圧下に噴霧される。一般的に
は、噴霧ガスが生成されるオリフィス板9と質量分析計
入り口の細孔17との間の空間には一様な電界が存在す
る。噴霧ガス中に生成されるイオンや帯電液滴は質量分
析計入り口の細孔17より真空中に導入され、高真空部
に設置された質量分析部18で電場または磁場により質
量分離される。質量分離されたイオンは イオン検出部
19で検出される。イオン検出部19の出力は計算機2
0に送られ、解析される。電源7と質量分析計18は計
算機20により制御することができる。即ち、電源7よ
り発生される間欠的電圧信号により生成される正・負イ
オンをイオン生成に同期して質量分離してイオン検出す
ることができる。例えば、金属管8の電位は設置電位に
設定し、電源7で振幅1kVの矩型波電圧をオリフィス板
9に印加して正負イオンを生成させると、それと同期し
て正負イオンの分析を行うことができる。キャピラリー
2または金属管8と細孔17とを同電位に設定して噴霧
ガスが生成される空間に電界が存在しないようにした場
合も、200V程度の電位差を発生させた場合も、イオ
ン検出には全く問題ない。
【0053】金属管8の電位は接地電位にすると、キャ
ピラリー2の中を流れる液体の電位は接地電位に設定す
ることができる。そのため、流通路1にはキャピラリー
電気泳動装置や液体クロマトグラフ等の溶液分離手段を
結合することが容易である。
【0054】図16に、本発明の一実施例のキャピラリ
ー電気泳動/質量分析計結合装置の構成図を示す。混合
溶液はキャピラリー電気泳動装置21に導入され、キャ
ピラリー両端に印加される高電圧により電気泳動されて
分離される。分離溶液は検出部22で検出された後にキ
ャピラリー2に導入される。キャピラリー2の先端はオ
リフィス3に同軸状に挿入される。ガス供給部4より供
給される窒素ガスはガス導入管5よりイオン源本体6に
導入され、オリフィス3より外部に放出される。オリフ
ィス板9は金属製であり、電源7より電圧が印加され
る。キャピラリー2の末端に達した液体はガスにより大
気圧下に噴霧される。噴霧ガス中に生成されるイオンや
帯電液滴は質量分析計入り口の細孔17より真空中に導
入され、高真空部に設置された質量分析部18で電場ま
たは磁場により質量分離される。質量分離されたイオン
は イオン検出部19で検出される。イオン検出部19
の出力は計算機20に送られ、解析される。電源7と質
量分析計18は計算機20により制御することができ
る。即ち、電源7より発生される間欠的電圧信号により
生成される正・負イオンをイオン生成に同期して質量分
離してイオン検出することができる。例えば、金属管8
の電位は設置電位に設定し、電源7で振幅1kVの矩型波
電圧をオリフィス板9に印加して正負イオンを生成させ
ると、それと同期して正負イオンの分析を行うことがで
きる。キャピラリー2または金属管8と細孔17とを同
電位に設定して噴霧ガスが生成される空間に電界が存在
しないようにした場合も、200V程度の電位差を発生
させた場合も、イオン検出には全く問題ない。質量分析
部18には、四重極型質量分析計、四重極トラップ型質
量分析計、磁場型質量分析計、飛行時間型質量分析計あ
るいはフ−リエ変換型質量分析計といったあらゆる質量
分析計を用いることができる。金属管8の電位を接地電
位に設定することにより、キャピラリー電気泳動装置2
1の混合溶液の電位も接地電位に設定することができ
る。そのため、混合溶液の分離においては全く支障がな
くキャピラリー電気泳動装置21を動作させることがで
き、オンラインで混合溶液の高感度分離分析が実現す
る。キャピラリー電気泳動装置21の代わりに液体クロ
マトグラフ装置等の溶液分離手段を用いても、全く同様
にオンラインで混合溶液の高感度分離分析が実現する。
【0055】図17に、本発明の一実施例のキャピラリ
ー電気泳動/質量分析計結合装置の構成図を示す。混合
溶液はキャピラリー電気泳動装置21に導入され、キャ
ピラリー両端に印加される高電圧により電気泳動されて
分離される。分離溶液は検出部22で検出された後に接
地電位に設定された金属管8を通り、キャピラリー2に
導入される。キャピラリー2の先端はオリフィス3に同
軸状に挿入される。ガス供給部4より供給される窒素ガ
スはガス導入管5よりイオン源本体6に導入され、オリ
フィス3より外部に放出される。オリフィス板9は金属
製であり、電源7より電圧が印加される。キャピラリー
2の末端に達した液体はガスにより大気圧下に噴霧され
る。噴霧ガス中に生成されるイオンや帯電液滴は質量分
析計入り口の細孔17より真空中に導入され、高真空部
に設置された質量分析部18で電場または磁場により質
量分離される。質量分離されたイオンは イオン検出部
19で検出される。検出部22の出力は 計算機20に
送られる。それに基づいて、計算機20から電源7と質
量分析計18を指示する信号が送られる。そして、イオ
ン検出部19の出力は計算機20に送られ、解析され
る。
【0056】キャピラリー電気泳動装置21で分離され
る物質には、噴霧により正イオンになるものと負イオン
になるものがある。そのため、例えば負イオンになる物
質が分離されても、噴霧により正イオンしか生成できな
かったり、正イオンしか分析できないような状態であれ
ば、その物質の分析はできない。そこで、分離物質がキ
ャピラリー2から噴霧される間に、オリフィス板9に印
加される電圧の極性を反転させ、正イオン分析と負イオ
ン分析の両方を行う。金属管8の電位は設置電位に設定
されるため、正負イオン分析を行うことがキャピラリー
電気泳動装置21に影響することはない。キャピラリー
電気泳動装置21の代わりに液体クロマトグラフ装置等
の溶液分離手段を用いても、全く同様にオンラインで混
合溶液の高感度分離分析が実現する。
【0057】
【発明の効果】本発明のイオン源及びこれを用いる質量
分析装置では、静電噴霧現象を利用するエレクトロスプ
レーイオン化法やイオンスプレーイオン化法と比較する
とイオン生成の安定性や再現性が高い。噴霧を一旦中断
してから再開してもイオン生成は再現するため、イオン
源の操作性は極めて高い。イオン生成において、溶液の
ガス噴霧だけを利用しているからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のイオン源の構成図。
【図2】本発明の一実施例にともづくイオン源の断面
図。
【図3】本発明の一実施例にともづくイオン源の見取
図。
【図4】全イオン電流のオリフィス3への印加電圧依存
性。
【図5】cytochrome−C溶液より得られた質
量スペクトル。
【図6】cytochrome−C溶液より得られたオ
ンスプレーイオン化法による質量スペクトル。
【図7】myoglobin溶液より得られた質量スペ
クトル。
【図8】hemoglobin溶液より得られた質量ス
ペクトル。
【図9】イオン強度の噴霧ガス流量依存性。
【図10】本発明の別の一実施例にともづくイオン源の
断面図。
【図11】本発明のさらに別の一実施例にともづくイオ
ン源の断面図。
【図12】本発明のさらに別の一実施例にともづくイオ
ン源の断面図。
【図13】本発明のさらに別の一実施例にともづくイオ
ン源の断面図。
【図14】本発明のさらに別の一実施例にともづくイオ
ン源の断面図。
【図15】本発明の一実施例の質量分析装置の構成図。
【図16】本発明の一実施例のキャピラリー電気泳動/
質量分析計結合装置の構成図。
【図17】本発明の別の一実施例のキャピラリー電気泳
動/質量分析計結合装置の構成図。
【符号の説明】
1:流通路、2:キャピラリー、3:オリフィス、4:
ガス供給部、5:ガス導入管、6:イオン源本体、7:
電源、8:金属管、9:オリフィス板、10:テフロン
管、11:ステンレス管、12:管状電極、13:ヒー
ター、14:加熱ブロック、15:ガス噴射部、16:
超音速振動子、17:細孔、18:質量分析部、19:
イオン検出部、20:計算機、21:キャピラリー電気
泳動装置、22:検出部。
フロントページの続き (72)発明者 高田 安章 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 鍋島 貴之 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 小泉 英明 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体を所定の位置へ流すための流通路と、
    該液体を該流通路の少なくとも一部が絶縁体であり該絶
    縁体を介して電界を印加する電界印加手段と、前記電界
    が印加された液体の下流に配置され、前記液体を噴霧し
    て帯電したガスを生成する噴霧手段を有することを特徴
    とするイオン源。
  2. 【請求項2】前記流通路がキャピラリーであることを特
    徴とする請求項1記載のイオン源。
  3. 【請求項3】前記液体の噴霧手段として前記液体の加熱
    のためのヒーターが設置されることを特徴とする請求項
    1記載のイオン源。
  4. 【請求項4】前記液体の加熱のために赤外線レーザーが
    設置されることを特徴とする請求項1記載のイオン源。
  5. 【請求項5】液体を所定の位置へ流すための流通路と、
    該液体を該流通路の少なくとも一部が絶縁体であり該絶
    縁体を介して電界を印加する電界印加手段と、ガスを供
    給するガス供給部と該ガス供給部からのガスを供給する
    供給口とガスを放出する噴射口と該流通路を保持する保
    持部とからなる部屋である噴霧手段を有することを特徴
    とするイオン源。
  6. 【請求項6】前記ガス供給部に前記オリフィスより上流
    と下流でのガス圧力差を調整するガス圧調節手段を付加
    したことを特徴とする請求項5記載のイオン源。
  7. 【請求項7】前記ガス供給部にガスを加熱するガス加熱
    手段を有することを特徴とする請求項5記載のイオン
    源。
  8. 【請求項8】前記電界印加手段は電極と該電極に電圧を
    供給する電源手段からなることを特徴とする請求項5記
    載のイオン源。
  9. 【請求項9】前記電極は前記流通路内部に有し、前記流
    通路と同軸であることを特徴とする請求項8記載のイオ
    ン源。
  10. 【請求項10】前記電極はリング状部材または管状部材
    からなることを特徴とする請求項9記載のイオン源。
  11. 【請求項11】前記噴射口は前記部屋の壁に噴射口用板
    部材を取り付けたことを特徴とする請求項5記載のイオ
    ン源。
  12. 【請求項12】前記噴射口用板部材は噴射口の位置を調
    整する位置調整手段を有することを特徴とする請求項1
    1記載のイオン源。
  13. 【請求項13】前記保持部は前記流通路の剛性より高い
    部材からなることを特徴とする請求項5記載のイオン
    源。
  14. 【請求項14】前記部屋の圧力は大気圧よりも高く、前
    記ガス供給部のガス圧力より低いことを特徴とする請求
    項5記載のイオン源。
  15. 【請求項15】混合物を含んだ試料液体を分離する分離
    手段と、該分離された試料液体を所定の位置へ流すため
    の流通路と、該試料液体を該流通路の少なくとも一部が
    絶縁体であり該絶縁体を介して電界を印加する電界印加
    手段と、ガスを供給するガス供給部と該ガス供給部から
    のガスを供給する供給口とガスを放出する噴射口と該流
    通路を保持する保持部とからなる部屋である噴霧手段
    と、噴霧されたガスを質量分析し解析するする分析手段
    からなることを特徴とする質量分析装置。
  16. 【請求項16】前記分離手段が液体クロマトグラフ装置
    であることを特徴とする請求項15記載の質量分析装
    置。
  17. 【請求項17】前記分離手段がキャピラリ−電気泳動装
    置であることを特徴とする請求項15記載の質量分析装
    置。
  18. 【請求項18】前記質量分析手段は高周波電場を利用し
    て分析することを特徴とする請求項15記載の質量分析
    装置。
  19. 【請求項19】前記質量分析手段は飛行時間型質量分析
    計を利用して分析することを特徴とする請求項15記載
    の質量分析装置。
  20. 【請求項20】混合物を含んだ試料液体を分離する分離
    手段と、該分離された試料液体を所定の位置へ流すため
    の流通路と、該試料液体を該流通路の少なくとも一部が
    絶縁体であり該絶縁体を介して電界を印加する電界印加
    手段と、ガスを供給するガス供給部と該ガス供給部から
    のガスを供給する供給口とガスを放出する噴射口と該流
    通路を保持する保持部とからなる部屋である噴霧手段
    と、噴霧されたガスを質量分析し解析する四重極質量分
    析計からなることを特徴とする質量分析装置。
  21. 【請求項21】混合物を含んだ試料液体を分離する分離
    手段と、該分離された試料液体を所定の位置へ流すため
    の流通路と、該試料液体を該流通路の少なくとも一部が
    絶縁体であり該絶縁体を介して電界を印加する電界印加
    手段と、ガスを供給するガス供給部と該ガス供給部から
    のガスを供給する供給口とガスを放出する噴射口と該流
    通路を保持する保持部とからなる部屋である噴霧手段
    と、噴霧されたガスを質量分析し解析する四重極トラッ
    プ質量分析計からなることを特徴とする質量分析装置。
  22. 【請求項22】混合物を含んだ試料液体を分離する分離
    手段と、該分離された試料液体の特性を検出する検出手
    段と、該分離された試料液体を所定の位置へ流すための
    流通路と、該試料液体を該流通路の少なくとも一部が絶
    縁体であり該絶縁体を介して電界を印加する電界印加手
    段と、ガスを供給するガス供給部と該ガス供給部からの
    ガスを供給する供給口とガスを放出する噴射口と該流通
    路を保持する保持部とからなる部屋である噴霧手段と、
    噴霧されたガスを質量分析し解析する分析手段と、該検
    出手段からの信号により電界印加手段と分析手段とを制
    御する制御部を有することを特徴とする質量分析装置。
  23. 【請求項23】液体を噴霧して電荷が少なくとも3価で
    ある多価イオンを生成する一部または全部が絶縁物で構
    成された噴射口と、前記 噴射口の周囲に配置された第
    一の電極と、前記第一の電極に対向して配置され、前記
    第一電極との間に一様な電界を生成する第二の電極を有
    することを特徴とする質量分析装置。
  24. 【請求項24】液体を分離する液体分離手段と、前記液
    体分離手段で分離された液体の電位を定める金属と、前
    記液体が供給される流通路と、前記流通路内を流れる前
    記液体に電界を印加する前記流通路とは電気的に絶縁さ
    れた電界印加手段と、前記電界が印加された液体の下流
    に配置され、前記液体を噴霧して帯電液滴を生成する噴
    霧手段を有するイオン源を噴霧して電荷が少なくとも3
    価である多価イオンを生成する一部または全部が絶縁物
    で構成された噴射口と、前記噴射口の周囲に配置された
    第一の電極と、前記第一の電極に対向して配置され、前
    記第一電極との間に一様な電界を生成する第二の電極を
    有する質量分析計からなることを特徴とする液体分離手
    段が結合した質量分析装置。
  25. 【請求項25】前記金属の電位が接地電位であることを
    特徴とする請求項24に記載の液体分離手段が結合した
    質量分析装置。
  26. 【請求項26】液体を噴霧する噴射口の周囲に配置され
    た第一の電極と、前記第一の電極に対向して配置される
    第二の電極との間に生成される一様な電界中に電荷が少
    なくとも3価である多価イオンが生成され、それらのイ
    オンを質量分析計により分析することを特徴とする質量
    分析法。
  27. 【請求項27】液体を分離する分離工程と、分離されて
    電位を定められた液体に電界を印加する工程と、前記噴
    射口の周囲に配置された第一の電極と、前記第一の電極
    に対向して配置される第二の電極との間に生成される一
    様な電界中を電荷が少なくとも3価である多価イオンが
    通過して質量分析する質量分析計に供給し、質量分析し
    て解析する工程とからなることを特徴とする質量分析
    法。
  28. 【請求項28】液体を噴霧する噴射口の周囲に配置され
    た第一の電極と、前記第一の電極に対向して配置される
    第二の電極との間に生成される一様な電界中に生成され
    る電荷が少なくとも3価である多価イオンの極性に応じ
    て該液体に印加する電界の極性を変化させる電界印加工
    程とを含むことを特徴とする質量分析法。
  29. 【請求項29】液体に印加する電界の極性を変化させる
    電界印加工程と、液体を噴霧する噴射口の周囲に配置さ
    れた第一の電極と、前記第一の電極に対向して配置され
    る第二の電極との間に生成される一様な電界中に電荷が
    少なくとも3価である前記電界の極性に応じた極性の多
    価イオンが生成される工程とを含むことを特徴とする質
    量分析法。
  30. 【請求項30】前記第一の電極に印加する電圧が間欠信
    号であり、それに同期して生成されるイオンの極性ある
    いはイオン強度が変化することを特徴とする請求項29
    に記載の質量分析法。
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