JP3147654B2 - イオン源 - Google Patents
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Description
用いる質量分析装置に関し、特に液体中に存在する試料
をイオン化して質量分析計に導入するのに適したイオン
源およびこれを用いる質量分析装置に関する。
液体クロマトグラフ(LC)は、溶液中に存在する試料
の分離ができるが、分離された試料の種類の同定が困難
である。一方、質量分析計(MS)は試料を高感度で同
定することができるが、溶液中の試料の分離ができな
い。このため、水等の溶媒に溶解した複数の生体関連物
質を分離分析する場合、質量分析計にキャピラリー電気
泳動あるいは液体クロマトグラフを結合させたキャピラ
リ−電気泳動/質量分析計(CE/MS)または液体ク
ロマトグラフ/質量分析計(LC/MS)が一般には使
用される。
トグラフにより分離された試料を質量分析計で分析する
ためには、溶液中の試料分子を気体状のイオンに変換す
ることが必要である。このようなイオンを得る従来技術
として、イオンスプレー法(アナリティカル・ケミスト
リー(Analytical Chemistry)、
第59巻(1987年)第2642項から第2646
項)等が知られている。このイオンスプレー法では、キ
ャピラリの外周部に沿ってガスが流され、試料溶液が導
入されるキャピラリーと、質量分析計にイオン取り込む
ための細孔(サンプリングオリフィス)との間に、高電
圧(3〜6kV)が印加され、キャピラリー先端では強
電界が発生している。このような構成のもとで生成する
静電噴霧現象により、小さな帯電液滴が生じ、上記のガ
スにより帯電液滴の中の溶液が気化し、気体状のイオン
が生成される。このように生成したイオンはサンプリン
グオリフィスを介し質量分析計に導入され、質量分析さ
れる。上記のガスは、帯電液滴の気化を促進させる他
に、キャピラリーの先端で放電が起こるのを抑圧する。
0μL(マイクロリットル)/分以下で、ガスを流さず
にイオン化する方法である、エレクトロスプレー法(ジ
ャーナル・オブ・フィジカル・ケミストリー(Joun
al of PhycalChemistry)、第8
8巻(1984年)第4451頁から第4459頁)
は、イオンスプレー法と区別されているが、イオン生成
の原理はイオンスプレー法と同じである。また、大気圧
化学イオン化法(アナリティカル・ケミストリー(An
alytical Chemistry)、第54巻
(1982年)第143頁から第146頁)では、キャ
ピラリーの先端の近くに放電を行なう電極を設け、大気
圧下に噴霧された液滴を放電によりイオンさせる方式が
取られている。これら従来の各種のスプレーイオン化法
では、高いイオン生成効率を得るためには、直径が約1
0nm以下の微細な帯電液滴の生成が必要と考えられて
いる。
ャピラリーとサンプリングオリフィスの間には高電圧が
印加される。そのため、感電防止策が必要であり、装置
の構造は複雑になるという問題がある。キャピラリー電
気泳動/質量分析計では、キャピラリー先端に高電圧が
印加されるため、キャピラリー電気泳動装置で試料を泳
動させるためにさらに高電圧を印加する必要がある。
やサンプリングオリフィスの表面の汚れに大きく影響さ
れ、エレクトロスプレー法やイオンスプレー法では、試
料溶液の噴霧を一旦停止すると、同一条件で噴霧を再開
しても検出されるイオン強度は異なり、再現性が低い。
そのため、検出されるイオン強度が最大となるように、
キャピラリー位置を微調整したり、キャピラリー先端や
サンプリングオリフィス表面をクリーニングする等の煩
雑な作業が、噴霧を再開する毎に必要である。そのた
め、感電防止のために装置の構造が複雑になり、操作上
の障害となる。
媒としてアルコ−ルやアンモニア等の揮発性物質を混合
する必要がある。電気伝導度が低い溶媒を用いた場合に
は、静電噴霧現象が起こらず、静電噴霧現象を生じさせ
るためには、試料溶液の電気伝導度が10-13〜10-5
Ω-1cm-1の範囲とする必要があることが経験的に知ら
れている。これらの条件が満たされない限り、静電噴霧
現象が安定に起こらず、溶媒の選択が制限される点で問
題がある。
ィスの間に高電圧が印加されるため、イオン源の周辺で
放電が起こる可能性があり、引火性溶媒の使用は困難で
ある。このように使用できる溶媒の種類が制限される
と、キャピラリー電気泳動あるいは液体クロマトグラフ
により、測定対象物質の分離ができない場合が生じる。
本発明の目的は、安全で操作性の高いイオン源を提供
し、このイオン源を使用して、安定にイオンを生成し高
感度に再現性よく試料の分析ができる質量分析装置を提
供することにある。
動あるいは液体クロマトグラフ等で使用される広範囲の
溶媒が使用できるイオン源およびこれを使用した質量分
析装置を提供することにある。
入される細管の端部の外周部にガス流を形成するガス流
形成手段を有し、この端部の外周部にガスを大気圧下に
向けて噴出させて、試料溶液をイオン化させるイオン源
に特徴がある。また、ガスの流速とガスの中を伝わる音
波の速度から定まるマッハ数が、0.75から1.25
の範囲であることに特徴を有し、マッハ数が、0.8か
ら1.2の範囲、さらにマッハ数が、0.95から1.
2の範囲であることに特徴がある。ガス流形成手段は、
ガスが導入されるガス導入口と、細管とガス流形成手段
のガスが噴出される方向に形成された開口部を有し、外
周部と開口部の内周面との間に形成される微小空間とを
有する構成とする。本発明は以上の特徴を有するイオン
源を使用する質量分析装置に特徴を有する。
と、試料溶液を大気中に噴霧させるキャピラリーと、キ
ャピラリーの先端近傍部位が、挿入されて設置されるガ
スガイド管であり、ガス導入口から導入されたガスがキ
ャピラリーの外周壁面に沿って、キャピラリー先端まで
流されるように構成したガスガイド管とを具備するイオ
ン源であって、キャピラリー先端近傍におけるガスの流
速が、ガス中での音速をC(m/s)とするとき、(C
−85)m/s〜(C+75)m/sの範囲で試料をイ
オン化することを特徴とする。試料を効率良くイオン化
するためには、キャピラリー先端におけるガスの流速
が、(C−60)m/s〜(C+60)m/sの範囲で
あればさらによく、(C−30)m/s〜(C+30)
m/sの範囲であれば最もよい効果が得られる。
端にある内径が最小である開口部のに配置して、キャピ
ラリーの中心軸と開口部の中心軸とを一致させ、開口部
の内周面とキャピラリーの外周面により、形成された微
小空間から上記のガスが噴出される。ガスガイド管先端
(上記の開口部の大気圧側の面)とキャピラリー先端と
の距離をキャピラリーの中心軸に沿って変化させる手段
を有し、試料のイオン化効率を調整する。ガスガイド管
の一部に加熱手段を設けて、ガスを加熱して試料のイオ
ン化効率を高めることも可能である。
グオリフィスを介して質量分析計に導入する場合には、
上記のイオン源とサンプリングオリフィスとの間に、イ
オンが通過する穴のあいたカバーを設ける。このカバー
により、ガスガイド管から吹き出されたガス、試料溶液
の液滴が、サンプリングオリフィスに当たるのを防ぎ、
サンプリングオリフィスの温度の低下を防止する。
めに、キャピラリー先端とサンプリングオリフィスとの
距離を調節する。また、キャピラリー先端部の中心軸位
置とサンプリングオリフィスの中心軸位置との相対関係
を調整して、双方の中心軸を一致させるようにする。さ
らに、キャピラリーとサンプリングオリフィスとの間に
電圧を印加してもよい。
の大きさにはガス流速により決まり、キャピラリー先端
のまわりで外側に向かって圧力勾配がなければ、帯電液
滴は生成されない。かかる圧力勾配が生じるためには、
ガスガイド管の内径が最小の部位の先端から、キャピラ
リーの先端が露出する距離を−0.25mm〜1.0m
mであるようにキャピラリーを設ける。また、帯電液滴
の生成効率を高めるために、キャピラリーの肉厚は10
μm〜150μmの範囲の薄いものを使用する。さら
に、キャピラリーに供給される試料溶液の流量が60μ
L(マイクロリットル)/分以下とする。また、キャピ
ラリー先端部におけるガスの流速が不均一になる場合に
は、帯電液滴を含んだガスの流れは軸対称に形成され
ず、イオンの生成の再現性も低下するので、キャピラリ
ーの中心軸とガスガイド管のそれとは一致させる。
たは液体クロマトグラフィー装置からキャピラリ−に供
給する。キャピラリ−電気泳動装置または液体クロマト
グラフィー装置を用いることにより、複数の試料成分が
含まれた試料溶液を分離してから、イオン源内のキャピ
ラリ−に供給して、時間的に連続して複数の試料成分の
質量分析を行ない、試料成分の同定を行なう。
を用い、キャピラリー先端近傍(上記の微小空間)にお
けるガスの流速を(250〜400)m/s(0℃にお
けるマッハ数は、0.75〜1.2)の範囲に設定し
て、試料を効率良くイオン化する。さらに、キャピラリ
ー先端(上記の微小空間)におけるガスの流速を、(2
75〜400)m/s(0℃におけるマッハ数は、0.
8〜1.2)の範囲として、試料をさらに効率良くイオ
ン化する。
たガスにより、キャピラリー先端において試料溶液の細
かな帯電液滴が生成される。ガスの流速が音速に近づく
と、より小さな帯電液滴ができる。噴出されたガスによ
り、生成した帯電液滴から溶媒が気化して、気体状のイ
オンが生成される。生成したイオンを質量分析計に導入
して分析することができる。
ある程度以上になると、キャピラリー先端において、キ
ャピラリーに導入された試料溶液が細分化され、様々な
大きさの帯電液滴が生成される。そして極めて細かな帯
電液滴は容易に、脱溶媒(乾燥)される。溶液中では、
中性の試料分子も極めて細かな液滴中ではプロトンやナ
トリウムイオンなどと結合することにより、擬似分子イ
オン化が実現することがあり、質量分析装置で分析可能
なイオンが得られると考えられる。
の大きさを決める条件は、噴霧されるガスのガス流速が
本質的な役割を果たすが、極めて細かな液滴の生成効率
においては、考慮すべき他の要素も存在する。即ち、キ
ャピラリー先端において溶液表面と周囲との圧力差があ
る程度以上大きくなければ、極めて細かな液滴は生成さ
れない。そのため、キャピラリーの肉厚は100μm以
下の薄いものを使用することが極めて細かな液滴の生成
効率を高める。さらに、キャピラリーの中心軸とガスガ
イド管の中心軸とは一致することが望ましい。そうでな
い場合には、キャピラリー先端部におけるガスの流速が
不均一になるため、生成される溶液を含んだ噴霧ガスは
軸対称に形成されず、再現性も低下するからである。
しない。経験的には、ガス流量は0.5リットル/分以
上であれば充分である。キャピラリーの材質や、キャピ
ラリーに印加する電位も溶液の細分化にはほとんど影響
しない。
る。
図である。試料溶液供給部1に溶液試料が供給され、溶
液試料は、イオン源2の内部に設けたキャピラリー(細
管)(図示せず)に導入される。ガス供給部3から供給
されるガスは流量調節計4によりガス流量が調節され、
イオン源2に導入されキャピラリーの外周部に沿って流
され、キャピラリーの先端部で大気中に、約200m/
s(0℃におけるマッハ数は約0.6)以上のガス速度
で噴出する。キャピラリーに導入された試料溶液は、キ
ャピラリーの先端部に噴出されたガスにより、微小液滴
の他に試料分子の気体状の擬似分子イオンが試料溶液か
ら生成する(以下、このイオン化方法を、新しいスプレ
ーイオン化法である、ソニックスプレー(Sonic
Spray)法と呼ぶ)。生成したイオンは、キャピラ
リーの先端部から質量分析計11に上記のガスにより導
入され、質量分析計11で分析される。以下、本発明に
よるイオン源の構成、およびこのイオン源を使用した分
析例をもとにして、本発明によるイオン源の特徴に関し
て説明する。
は、液体クロマトグラフに結合され、液体クロマトグラ
フ/質量分析計(LC/MS)を構成する。液体クロマ
トグラフにより分離された試料溶液は、図1において、
連結管を経て試料溶液供給部1に供給されるか、あるい
は液体クロマトグラフの分離管が試料溶液供給部1に直
結されている。図2は、本実施例で使用するイオン源を
示す断面図である。試料溶液は100μL(マイクロリ
ットル)/分の流量で、キャピラリー5(ステンレス
製、内径100μm、外径300μm)に、図2の左方
に配置された試料溶液供給部1から導入される。キャピ
ラリー5はその肉厚が薄い場合、強度的に弱く、湾曲し
やすいので、キャピラリー5はキャピラリー保持管(ス
テンレス製)6により保持固定する。キャピラリー5の
先端部の約4mmに部分が、キャピラリー保持管6から
露出する。キャピラリー5の外周部に沿ってガスが流さ
れ、キャピラリーの先端部で大気中に所定のガス流速を
もつガスを噴出させるためのガスガイド管は、ガスガイ
ド管先端部7と、ガスガイド管先端部保持部10とから
構成される。キャピラリー5の先端のおけるキャピラリ
ーの中心軸と、ガスガイド管先端部7に形成され、ガス
が噴出する出口を形成するための開口部(ガスガイド管
の内径の中で最小の内径を有する部分であり、内径は4
00μmである)の中心軸とが一致するように、キャピ
ラリー5はキャピラリー保持管6を介してガスガイド管
先端部保持部10に固定され、ガスガイド管先端部7は
直接ガスガイド管先端部保持部10に固定される。ガス
ガイド管の外側は大気である。キャピラリー5の先端
は、図2に示すように寸法Lだけ、上記の開口部の大気
側の面へ突出している。
ンプレッサーから窒素ガスあるいは空気が、流量調節計
4(図1)とガス導入管8を介して導入され、ガスガイ
ド管先端部7の先端において、上記の開口部内周面とキ
ャピラリー5の外周面で形成される微小空間を通って、
ガスは噴出する。この微小空間のキャピラリー5もしく
は開口部の中心軸に直交する面での断面積Sとガスガイ
ド管内を流れる流量Fより、上記の微小空間でのガスの
流速vはv=F/Sで求められる。上記の開口部の形が
円(内径D)、およびキャピラリー5の長手方向に直交
する面での断面の外形が円(外径d)である場合、ガス
ガイド管内を流れる流量Fから、ガスガイド管先端部7
先端の最も内径の小さい部位の内径Dと前記キャピラリ
ー5の外径d、および測定されたガスの流量F(誤差約
3%で測定した)より、上記の微小空間の出口でのガス
の流速vは(数1)で求められる。
接的に流速を測定する手段により決定してもよい。例え
ば、熱線流速計、レーザ・ドップラ流速計または追跡法
もしくは火花追跡法による流速計を用いて、流速を測定
してもよい。
の断熱膨張がおこり、ガスガイド管先端部7とキャピラ
リー5が冷却される。従って、噴出ガスの温度を室温以
上に保ち、生成される液滴の気化を促進するために、ガ
スガイド管先端部7にヒーター9を設置し、導入される
ガスを、50℃から約90℃の間の温度で加熱するのが
望ましい。
部7から露出する長さ(露出長L)が2mm以上である
場合には、キャピラリー5の先端におけるガスの流速が
低下するためイオン生成効率は低い。このため、キャピ
ラリー5の先端とガスガイド管先端部7の先端との距離
を調節するために、ガスガイド管先端部7はガスガイド
管先端部保持部10にネジ込まれて固定される。ガスガ
イド管先端部7のねじ込み位置を調節することにより、
イオン、あるいは極めて細かな帯電液滴の生成効率を最
大にすることができる。
ら、窒素ガスまたは空気を噴出させた場合を説明した
が、アルゴン等の希ガスあるいは二酸化炭素を噴出させ
てもよい。また、ガスを購入するコスト面から、窒素、
空気または二酸化炭素を使用するのが好ましい。さらに
好ましくは、水蒸気の含有が少ない乾燥窒素を使用する
のがよい。
端の最も内径の小さい部位の軸方向の厚さを、2mmと
した。この厚さは、薄い方がガスガイド管先端部7とキ
ャピラリー5との軸合わせが容易になり、厚さ0.5m
m程度が実際の作業操作から好ましい。
は、キャピラリー電気泳動装置に連結され、キャピラリ
ー電気泳動/質量分析計結合装置(CE/MS)を構成
する。キャピラリー電気泳動装置により分離された試料
溶液は、図1において、連結管を経て試料溶液供給部1
に供給されるか、あるいはキャピラリー電気泳動装置の
分離管であるキャピラリーが試料溶液供給部1に直結さ
れている。
す断面図である。第1の実施例に示すイオン源と同様
に、図3に示すようにガスガイド管は、ガスガイド管先
端部7と、ガスガイド管先端部保持部10とから構成さ
れる。キャピラリー電気泳動装置では、試料溶液の流量
が少なく0.1μL(マイクロリットル)/分以下であ
り、電気泳動キャピラリーの末端に泳動してくる分離さ
れた試料溶液を希釈する。この試料溶液を希釈により、
連続的にキャピラリー5に希釈された試料溶液を連続的
に流すことができる。希釈用溶媒を加える時に、試料溶
液のイオン濃度やpH等を最適化して、測定試料のイオ
ン化の効率を増大させることができる。
れた溶液試料は電気泳動用キャピラリー12から混合ジ
ョイント14に導入され、配管13から20μL(マイ
クロリットル)/分の流量で導入される希釈用溶媒と混
合され、キャピラリー5に導入される。次に、試料はキ
ャピラリー5の先端部でガス導入管8から導入されたガ
スにより、第1の実施例と同様に、液滴の他に、気体状
の試料分子の擬似分子イオンに変換される。
管6を介して混合ジョイント14とガスガイド管先端部
保持部10に固定される。キャピラリー電気泳動装置の
電気泳動用の電極としてキャピラリー保持管6又は混合
ジョイント14が使用される。ガスガイド管先端部7を
固定する位置調節用治具15は、ガスガイド管先端部保
持部10にネジ16を用いて固定される。位置調節用治
具15に設けられたネジ16が貫通する穴は、ネジ外形
より大きめに開けられている。このため、位置調節用治
具15に固定されたガスガイド管先端部7の位置を、キ
ャピラリー5の中心軸に垂直な平面内で調節して、キャ
ピラリー5とガスガイド管先端部7の中心軸を一致させ
ることができる。作業中に、キャピラリー5の破損を防
止するため、ガスガイド管先端部7の先端部分に円周を
形成する突起部が設けてある。第1の実施例と同様にし
て、ガスガイド管先端部7にヒーターを設け噴出ガスを
加熱してもよい。
は、例えば内径を0.3mm、オリフィスの奥行き長さ
を15mmとする。さらに、サンプリングオリフィス1
7は、セラミックヒーター18により100℃〜150
℃に加熱される。サンプリングオリフィス17の外側
(大気圧側)にはカバー19が設置され、サンプリング
オリフィス17が噴出ガス及び試料溶液の液滴により冷
却されるのを防止している。xyzステ−ジ20により
キャピラリー5の中心軸とサンプリングオリフィス17
の中心軸の位置を微調整して一致させ、キャピラリー5
の先端部で生成したイオンが効率良く質量分析計に導入
される。本実施例のキャピラリー電気泳動/質量分析計
結合装置を用いて、溶液試料を効率良く高精度、高感度
で分析することができる。
い、サンプリングオリフィス17に最大数百Vの電圧が
印加される場合でも、キャピラリー5、キャピラリー保
持管6またはそれらの周囲部の全て、すなわちイオン源
全体の電位を接地状態にできる。キャピラリー電気泳動
装置で泳動電位は、この電位を接地電位を基準にして与
えられる。質量分析計として、イオンを磁場内において
質量分離するための加速電圧が4kV程度の磁場型質量
分析計を使用する場合、サンプリングオリフィス17に
加速電圧と同程度の電圧が印加されるため、キャピラリ
ー5の先端とサンプリングオリフィス17との間で、放
電が発生する可能性がある。しかし、カバー19に、接
地電位と加速電位の中間的な電圧(例えば、1〜2k
V)を印加し、キャピラリー5とサンプリングオリフィ
ス17との間の距離を1cm程度にし、さらに噴出ガス
にO2やSF6等の電子親和力の高いガスを用いて、その
結果放電を回避して、キャピラリー5の先端周辺部の電
位を接地させることができる。
イオンの生成効率を増加させることができる。静電噴霧
現象により多価イオンの生成するには、2.5kV以上
の電圧をキャピラリ−の先端に印加する必要があるが、
本発明では、2.5kV以下の低い電圧を利用して、全
イオン量や多価イオンの生成効率を増大できる。
ングオリフィス17との間に1kV程度の電圧を印加し
て、キャピラリー5の先端部からでてくる試料溶液の表
面に近い部分で、正と負のイオンの分離を起こさせ、試
料溶液の表面に近い部分で、正または負のイオンのいず
れかが多い状態とすることができる。従って、本発明の
ソニックスプレー化法において、ガスの噴出により生成
される帯電液滴の電荷密度は高くなり、静電噴霧現象を
用いずに全イオン量や多価イオンの生成効率を増大させ
ることができる。
の実施例において、液体クロマトグラフ、キャピラリー
電気泳動装置、その他の分析装置で分離された試料溶液
をシリンジ、またはシリンジポンプにより、図1に示す
試料溶液供給部1に供給して、試料溶液をイオン源2で
イオン化させて、質量分析できることは言うまでもな
い。
使用した測定例をもとにして、本イオン源の特徴に関し
て以下説明する。本実施例では、以下に記載する全ての
質量分析は、特に明記する以外は、以下に示す装置構
成、および測定条件で行なった。
用い、サンプリングオリフィスのキャピラリー側に、図
3に示したカバー19を設置した。カバー19は直径2
mmの穴の開いた厚さ1mmのステンレス製のものを用
い、サンプリングオリフィスは内径0.3mmのものを
用た。キャピラリー5として石英製のキャピラリー(内
径0.1mm、外径0.2mm)を用いた。ガスガイド
管の先端部の開口部の内径は、400μmとした。キャ
ピラリー5の先端位置は、ガスガイド管の先端部の開口
部(400μm)の大気圧側の面から0.65mmだけ
突出させた。質量分析計として、二重収束型質量分析計
(日立、M−80)を使用した。開口部(400μ
m)、キャピラリー5、サンプリングオリフィスのそれ
ぞれの中心軸を、検出されるイオン強度が最大となるよ
うに同軸に調整してセットした。
ンプリングオリフィス、カバー19のそれぞれの電位を
同電位に設定した。噴出ガスとしてN2ガスを用い、噴
出ガスの流速を337m/s(N2ガス中での0℃にお
ける音速に対応)とした。試料溶液(Gramicid
in(グラミジン)−S)の流量を40μL(マイクロ
リットル)/分とした。ガスガイド管は室温に保持さ
れ、ヒーター9によりガスガイド管先端部7を加熱せず
にイオン強度の測定を行った。
スペクトル(図4)。
cidin−Sの溶液(濃度1μM、溶媒は50%メタ
ノール水溶液)を試料溶液として得られた質量スペクト
ルを示す。m/z=140のイオンは、試料溶液中また
は大気から混入した不純物に由来するものと考えられ
る。メタノール由来のCH3OH2のプラスイオン(m/
z=33)はわずかに観測されるが、H3Oのプラスイ
オンあるいはH3Oのプラスイオンに水分子が付加して
形成されるクラスターは観測されず、単純なスペクトル
が得られ、スペクトルの解析が容易になる。エレクトロ
スプレー法、イオンスプレー法等の従来の方法では、希
薄な試料溶液を用いて質量スペクトルを測定する場合に
は、溶媒に由来するイオンが強く観測される。本発明で
は、溶媒に由来するCH3OH2のプラスイオン強度は、
試料溶液濃度を10倍変化させても殆ど変化せず、試料
溶液濃度に影響されずに測定対象の試料の質量スペクト
ルを測定することができる。
(図5)。
に、検出されたGramicidin−Sの2価イオン
の強度を示す。40μL(マイクロリットル)/分以下
の流量では、流量が増大するに従いイオン強度は直線的
に増加する。しかし、流量が増加するにつれて、微細な
帯電液滴(直径が10nm程度)よりも直径が大きい液
滴が優先的に生成され、サンプリングオリフィスの温度
が低下するため、40μL(マイクロリットル)/分以
上の流量では、流量が増大してもイオン強度の増加は少
なくなる。試料溶液流量が10〜60μL(マイクロリ
ットル)/分の範囲にあれば試料を効率良くイオン化す
ることができる。
も、ガスガイド管先端部から噴出するガスによって生じ
る大気圧よりも圧力が低い減圧空間が生じるため、スプ
レーイオン化法では、試料がイオン化されてゼロでない
イオン強度(図5では、図示せず)が得られる。
る開口部の大きさと、キャピラリーの寸法と、イオン強
度との関係。
て、ガスガイド管先端部7の先端部のガス出口の断面積
が最も小さい部位での内径を0.4mmから0.5mmに
変更しても検出されるイオン強度は変化しなかった。一
方、ガス流量を一定にして、ガスガイド管先端部7先端
のガス出口である、開口部の内径が0.5mmの場合に
は、開口部の内径が0.4mmの場合より著しくイオン
強度は低く、実質的にイオンは検出されなかった。従っ
て、イオンの生成はガスの流量ではなくガスの流速に依
存する。
部の内径を0.5mmに固定し、肉厚50μmの石英キ
ャピラリー(内径0.1mm、外径0.2mm)と肉厚が
約3倍大きい肉厚137.5μmの石英キャピラリー
(内径0.1mm、外径0.375mm)とを比較した。
ガス流速を同一にしても検出されるイオン強度は肉厚5
0μmの石英キャピラリーの方が約1桁高く、キャピラ
リーの肉厚が薄いほどイオン生成効率が高く好ましい。
このことはキャピラリーの肉厚が厚くなるとキャピラリ
ーから流れ出る試料溶液に対して、キャピラリー外周部
を流れるガスが効果的に作用しなくなるため、イオン化
の効率が悪くなるためである。
用したが、ステンレスのキャピラリーでもよく、キャピ
ラリーの肉厚が10〜150μmの範囲にあれば、強度
的に余裕があり、試料を効率良くイオン化することがで
きる。
度の関係(図6)。
とし、溶媒としてメタノール濃度が、20%、50%、
および80%であるメタノール水溶液を用いて、試料の
三種類の溶液(試料濃度はともに1μM)を調整した。
次に、三種類の試料溶液を個別に40μL(マイクロリ
ットル)/分の流量でキャピラリー5に導入した。Gr
amicidin−Sは、二つのプロトンが付加した2
価のプラスイオン(m/z=571)として検出され
た。
量から計算されるキャピラリー先端部でのガスの流速
(誤差約±3%)に対して、上記のGramicidi
n−Sの2価イオン(m/z=571)のイオン強度を
プロットしたのもである。図6中、□は20%、○は5
0%、および●は80%のメタノール水溶液を溶媒とし
た試料溶液に対して観測されたそれぞれの相対イオン強
度を示す。キャピラリー5の先端での試料溶液の表面張
力が、帯電液滴の大きさや生成効率を支配する。水とメ
タノールの表面張力はそれぞれ0.073、0.0225
N/mと大きく異なり、溶媒として用いた3種類の濃度
のメタノール水溶液の表面張力も異なる。
が約220m/s(0℃におけるマッハ数は約0.6
5)以上になるとイオンが検出され、ガス流速が増加す
るにつれイオン強度の増加する。イオン強度はガス流速
が337m/s(N2ガス中での0℃における音速に対
応)付近で最大に達して、流速が超音速領域ではガス流
速の増加とともにイオン強度がいくぶん低下する傾向が
ある。しかし、50%のメタノール水溶液では、ガス流
速がN2ガス中での音速(337m/s)を越えても、
約400m/s(0℃におけるマッハ数は約1.2)ま
でほぼ一定のイオン強度が検出されている。同様に、2
0%のメタノール水溶液では、ガス流速がN2ガス中で
の音速を越えても、約370m/s(0℃におけるマッ
ハ数は約1.1)まではほぼ一定のイオン強度が検出さ
れている。
らかなように、イオンが検出されるガス流速の下限は約
220m/s(0℃におけるマッハ数は約0.65)で
ある。噴出ガスの流速が超音速の場合には、キャピラリ
ー先端付近で衝撃波が発生し、キャピラリー先端近傍で
の圧力が変動する。このため、大きい液滴が生成され易
くなり、イオンの生成に必要な細かな帯電液滴は生成さ
れにくくなり、観測されるイオン強度が低下する。さら
に、超音速領域では噴出ガスは断熱膨張により著しく冷
却されるため、冷却防止のためガスガイド管が加熱が十
分でないときには、帯電液滴の気化が抑制されることに
なる。
装置条件は、キャピラリー先端とサンプリングオリフィ
スの電位を同電位に設定し、ガスガイド管、キャピラリ
ーの温度は、加熱せず、室温である。また、噴出ガスの
流速が約330m/s(0℃におけるマッハ数は約1.
0)の場合に検出されるイオン強度は、キャピラリー先
端とサンプリングオリフィス間に3kVの高電圧を印加
しても変化しない。従って、図6に示されるイオン強度
は、キャピラリーの加熱、キャピラリーに印加され電圧
により生成したイオンに基づくものではなく、観測され
たイオンの生成は、噴出ガスのみの作用効果によるもの
であって、本発明のスプレーイオン化法では、キャピラ
リー先端に印加された電圧、加熱の作用効果は必要とし
ていない。さらに、図6の結果のように、キャピラリー
を加熱しない場合でも、以下に説明するように、従来法
に比較して十分なイオン強度が得られている。即ち、従
来のイオン化法では、直径が10nm以下の帯電液滴の
生成は、強電場や加熱を利用する以外に手段がないと考
えられていたが、本発明のソニックスプレー法では、ガ
スを用いた試料溶液の噴霧だけで、直径が10nm以下
の帯電液滴の生成を実現している。
されるイオンの量が無視される5m/sに設定し、キャ
ピラリーとサンプリングオリフィスとの間に3kV程度
の高電圧を印加し、静電噴霧現象によりイオンを生成す
るイオンスプレー法の場合に検出されるイオン強度は、
図6に示す50%のメタノール水溶液において検出され
るイオン強度の1/10以下の低い値であり、図6に示
す80%のメタノール水溶液において検出されるイオン
強度にほぼ等しい。
(0℃におけるマッハ数は0.75〜1.2)の範囲に
設定して、従来のイオンスプレー法によるイオン強度の
約3倍以上のイオン強度が得ることができる。噴出ガス
の流速を275〜400m/s(0℃におけるマッハ数
は0.8〜1.2)の範囲に設定することが好ましく、
従来のイオンスプレー法によるイオン強度の約6倍以上
のイオン強度が得られる。さらに、噴出ガスの流速を3
20〜400m/s(0℃におけるマッハ数は0.95
〜1.2)の範囲に設定すれば、従来のイオンスプレー
法の10倍以上のイオン強度を得ることができ、最も好
ましい結果を得ることができる。
0%のメタノール水溶液を用いた場合に得られるイオン
強度は、80%のメタノール水溶液を用いた場合に得ら
れるイオン強度の約10以上である。従って、本発明
は、水を高濃度に含む試料溶液を分析するに適した液体
クロマトグラフにより分離された試料溶液の高感度分析
に非常に有効となる。
プリングオリフイス位置ずれと、イオン強度の関係(図
7)。
17との間の距離を5mmに保持して、第4の実施例に
おいて説明したように、イオン源の、ガスガイド管の開
口部、キャピラリー5、サンプリングオリフィス17の
それぞれの中心軸を、検出されるイオン強度が最大とな
るように同軸に調整してセットして(この位置を以下の
移動変化の基準の位置(=0)とする)、試料溶液から
のイオン強度を測定する。次いで、イオン源全体の位置
を水平方向に移動変化させて、それぞれの移動位置にお
いて、Gramicidin−Sの2価イオンのイオン
強度(試料溶液は、溶媒が50%メタノール水溶液のG
ramicidin−S溶液(濃度10μM)である)
を検出した結果を図7に示す。図7の中央部の相対イオ
ン強度約2.8の鋭いピークは、ガス流速を音速337
m/s(N2ガス中での0℃における音速に対応)か
ら、さらに大きくした超音速の400m/sの場合には
消失してしまい、かわりに相対イオン強度が約1.6で
ある、幅の広い鈍ったピークとなってしまう。イオン源
の移動距離が、−1mmおよび0.5mm付近に小さい
ピークが出現するが、これらのピークは、サンプリング
オリフィス17の前のカバー19の穴(直径2mm)に
よる、噴霧ガス流の乱れにより生じたものと考えられ
る。図7に示す結果は、イオン源全体の位置を垂直方向
に移動変化させても同様である。
ラリー5の先端部の中心を頂点とし、キャピラリーの中
心軸を軸とする、頂角、約22.5度を有する直円錐の
底面の円周上にある。即ち、サンプリングオリフィス1
7の中心位置(1mm)は、この円周上にある。同様に
して、移動距離、0.2mmの位置は、キャピラリー5
の先端部の中心を頂点とし、キャピラリーの中心軸を軸
とする、頂角、約4.5度を有する直円錐の底面の円周
上にある。即ち、サンプリングオリフィス17の中心位
置(0.2mm)は、この円周上にある。好ましくは上
記の頂角4.5度を有する、直円錐の底面の円周内部に
サンプリングオリフィスの中心位置を配置することによ
り、従来のイオンスプレー法により得られるイオン強度
の約2.5倍以上のイオン強度が得られる。さらに好ま
しくは上記の頂角22.5度を有する、直円錐の底面の
円周内部にサンプリングオリフィスの中心位置を配置す
ることにより、従来のイオンスプレー法により得られる
イオン強度の約6倍以上のイオン強度が得られる。
2ガス中での0℃における音速に対応)から、さらに大
きくした超音速の場合でも、従来のイオンスプレー法に
より得られるイオン強度の約6倍以上のイオン強度が得
られる。
ーの先端が露出する長さとイオン強度の関係(図8)。
小内径を有する開口部の大気圧面から、キャピラリー5
の最先端が露出する露出長(図2及び図3に示すL)を
変化させたときに検出されるイオン強度を示す。露出長
Lが1.2mm以上では、イオン強度は低下している。
露出長Lが大きくなると、キャピラリーの先端における
ガス流速が実質的に低下して、検出されるイオン強度は
低下する。従って、上記の露出長Lは、−0.25〜
1.0mmに設定することが好ましい。
(図9)。
を変化させたときに検出されるイオン強度を示す。約1
μM以下の低濃度領域では、イオン強度は試料濃度に対
して直線的に変化して増大する。本発明のイオン化法で
は、特に約1μM以下の試料溶液の濃度に対して好適で
ある。約2μM以上の試料濃度では、検出されるイオン
強度は、約1μM以下の低濃度領域における直線変化と
は異なる直線変化を示している。約2μM以上の高濃度
領域では試料濃度を変化させてもイオン強度の増加はあ
まり変化しない理由は、溶液のpHは5程度であり、高
濃度領域では試料溶液中のほとんどのプロトンが、Gr
amicidin−Sに結合しており、試料溶液中のプ
ロトンの枯渇によると考えられる。
単な製作方法を図10に基づいて説明する。図3に示す
ガスガイド管先端部保持部の変形例を図10に断面図に
より示す。
各部の詳細は図3と同じであり省略した。図10の断面
図から明らかなように、円柱材料を使用して単なる孔開
け加工のみによる簡単な製作方法でガスガイド管先端部
保持部を得ることができる。
は、以上の各実施例において説明した材質以外であって
もよく、各種の金属材料、ガラス材料、セラミックス材
料、さらには、フイラー充填の高分子樹脂材料を使用し
て作成してもよい。
速に関して付して記載した( )内のマッハ数は、ガス
ガイド管の先端近傍での温度が0℃±約10℃と想定さ
れたので、N2ガス中での0℃における音速337m/
s(「理科年表」、国立天文台編(1993)、丸善株
式会社(東京))に基づいて求めた。
ャピラリー等の各部の電位を接地させたまま、噴出ガス
により試料溶液から、効率よくイオンを生成できる。こ
の結果、従来のイオン化法に比較して、イオン源の構造
が単純化され、操作性、安全性が高くなる。また、本発
明のイオン源をキャピラリー電気泳動装置に適用し、キ
ャピラリー電気泳動/質量分析計を構成するさい、上記
のようにキャピラリーの先端を接地電位にできるため、
キャピラリー電気泳動装置では独自に電位を印加でき、
装置全体の構成が単純になり、装置の操作が単純とな
り、操作の安全性も格段に向上する。
生成はキャピラリーやサンプリングオリフィスの周囲の
汚れの影響を大きく受けるが、本発明の、噴出ガスによ
リ試料溶液からイオンを生成する、本発明のソニックス
プレー法では、従来方法とは異なり、キャピラリーやサ
ンプリングオリフィスの周囲の汚れの影響を受けない。
イオン強度はサンプリングオリフィスの周囲やキャピラ
リーでの汚れの影響を大きく受けるが、本発明の、ソニ
ックスプレー法では、従来方法とは異なり、検出される
イオン強度はキャピラリー周囲の汚れの影響を受けるこ
となく、サンプリングオリフィスの周囲の汚れにあまり
影響されず、試料の高感度検出が可能であり、再現性が
よい。即ち、キャピラリー先端やガスガイド管を最適な
位置に設定することにより、再現性よく試料溶液からイ
オンを高効率で生成し、検出できる。
図。
プリングオリフィスを示す断面図。
クトル例を示す図。
示す図。
関係を示す図。
位置との位置ずれと、イオン強度の関係を示す図。
関係を示す図。
めの断面図。
4…流量調節計、5…キャピラリー、6…管、7…ガス
ガイド管先端部、8…ガス導入管、9…ヒーター、10
…ガスガイド管先端部保持部、11…質量分析計、12
…電気泳動用キャピラリー、13…配管、14…混合ジ
ョイント、15…位置調節用治具、16…ネジ、17…
サンプリングオリフィス、18…セラミックヒーター、
19…カバー、20…xyzステージ。
Claims (4)
- 【請求項1】試料溶液を流すキャピラリーと、ガスを前
記キャピラリーの先端位置近傍に導き、前記先端近傍で
前記ガスが噴出するようにし、もって前記試料溶液を霧
化してイオン化するためのガスガイド管とを有し、前記
ガスの流速が、275m/s〜400m/sの範囲であ
ることを特徴とするイオン源。 - 【請求項2】 前記ガスガイド管の内径が最小の部位の先
端から、前記キャピラリー先端が露出する距離が−0.
25mm〜1.0mmであることを特徴とする請求項1
記載のイオン源。 - 【請求項3】 前記ガスガイド管に加熱手段を設けたこと
を特徴とする請求項1記載のイオン源。 - 【請求項4】 前記ガスガイド管と前記キャピラリーの電
位を接地することを特徴とする請求項1から3のいずれ
かに記載のイオン源。
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