JP4167593B2 - エレクトロスプレイイオン化質量分析装置及びその方法 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、試料溶液をエレクトロスプレイ(ESI)イオン源に導入してイオン化し、生成したイオンを高真空中に配置されたイオン蓄積形質量分析計に導き質量分析する新規なエレクトロスプレイイオン化質量分析装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、バイオ分野の研究は目覚しく、その研究対象は多肢にわたっている。特に、蛋白、ペプチド、DNAなどは生体中で極めて重要な働きを担っているため、多くの研究者の研究対象とされてきた。
【0003】
一般に、これら生体由来の有機化合物は、複雑なマトリックス中に極微量しか存在しない。これら極微量の生体関連有機化合物を生体から抽出し、液体クロマトグラフに直結した質量分析計(LC/MS装置)により高感度に分析したいとする要求が高まってきた。LC/MS装置は混合物を液体クロマトグラフ(LC)により分離し、質量分析計(MS)で高感度に定性定量分析する装置である。LC/MSで用いられる代表的なイオン化手段はエレクトロスプレイイオン化(ESI)である。ESIは大気圧下でのイオン化手法で、穏和でかつ高感度なイオン化法として知られている。そのため、生体関連物質の分析に多用されるようになった。
【0004】
このESIを用いて、極微量成分を安定でかつ高感度に測定するためには、いくつかの
パラメータを最適化する必要がある。ESIイオン源に溶液を供給する流量は、そのパラメータの一つである。高感度測定を達成するためには、ESI細管に流す溶液の流量はある範囲内になければならない。ESIでは10nl/min(10−8l/min)から1μl/min(10−6l/min)の範囲が最適流量とされる。即ち、これ以下、これ以上の流量で溶液をESIの細管に送り込むと、ESIのイオン化が不安定になり、期待した高感度測定が達成できなくなる。
【0005】
一方、混合物の分析に多用されている汎用LCの流量は数ml/min(数10−3l/min)から数100μl/min(数10−4l/min)である。また、セミミクロLCの流量は数100μl/min(数10−4l/min)から数10μl/min(数10−5l/min)である。汎用LCやセミミクロLCの流量とESI最適流量に大きな差があるため、両クロマトグラフィーは溶液のスプリット無しに、ESIに直結できなかった。溶液のスプリットは、当然測定感度の低下を招くことになる。
【0006】
このESIを高流量の汎用LCやセミミクロLCに適用させるためのESIの改良技術が、特許文献1に開示されている。これは、噴霧プローブを改良し大量の溶液を安定に噴霧できるようにしたものである。図12に示すように、ESIプローブは外径の異なる2つの細管30、32で構成され、外形の小さな第1の細管30は内径の太い第2の細管32内に挿入される。これにより、同軸のESIプローブが形成される。3〜4kVの高電圧が直流高圧電源5から供給され、第1の細管30に印加される。試料溶液が第1の細管30内に導入される。窒素ガスが第1と第2の細管の間隙空間に流される。試料溶液はガスの噴出流による機械的力と電界の作用により微細な帯電液滴6として大気7中に放出される。帯電液滴はガスの流れにより機械的な破砕と溶液の気化により更に微細化される。最終的にイオンが大気中に放出される。生成したイオンは高真空の質量分析計に取り込まれ、質量分析される。
【0007】
この方法により、ESIプローブに導入可能な流量は飛躍的に増大し、1ml/min(10−3l/min)から100μl/min(10−4l/min)となった。これはまさに汎用LC(数ml/minから数100μl/min)やセミミクロLC(数100μl/minから数10μl/min)の流量に適応する。この手法はイオンスプレイ(Ion Spray)とか流体補助エレクトロスプレイ(Pneumatic Assisted Electrospray)と呼ばれるようになった。
【0008】
更なる微量成分の高感度測定を可能にするESIの改良技術が特許文献2に開示されている。この技術は、後にナノスプレイ(Nanospray)と呼ばれるようになった。外径0.2mm、内径0.03mm程度の極微細なガラス細管の先端をバーナーにより引伸ばすかエッチングにより鋭角化した後、ノズル先端部に金メッキ等を行なう。ノズル先端部に高圧電源から供給された1kV程度の直流電圧を印加する。ナノスプレイへの試料溶液の流量は数nl/min(数10−9l/min)から10nl/min(10−8l/min)程度で、ナノスプレイ細管に吸い上げた試料だけで1時間以上の測定を可能にした。そのため、このナノスプレイは、CE(キャピラリ電気泳動)などの極低流量のクロマトグラフィーとの結合に用いられるとともに、単離された成分を極めて高感度に測定する手法としても用いられるようになった。ナノスプレイにより10nl/min以下の流量領域のESI測定が可能になった。
【0009】
表1にESIイオン化及びその改良イオン化技術と最適流量、対応可能なクロマトグラフィーを示す。
【0010】
【表1】
【0011】
Ion Spray、ESI、ナノスプレイの出現により各種クロマトグラフィーに合ったイオン源を選択できるようになった。しかし、表1に示すように、流量が数10μl/minから1μl/min程度のミクロLCに最適なESIイオン源が用意されていない。そのため研究者はミクロLCのために、ESI又はIon Sprayを感度や安定度の低下を承知の上で使用せざるを得なかった。
【0012】
ミクロLCは、移動相流量が数10μl/minから1μl/min程度で、注入試料溶液の必要量もnl(10−9l/min)と微量にできる。そのため、微量成分を取り扱うバイオ関連成分の分析に応用が急速に拡大している。当然、この領域に最適なイオン化技術への要求が高まってきている。
【0013】
【特許文献1】
米国特許第4,861,988公報
【特許文献2】
米国特許第5,504,329公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、ミクロLCに直結可能なESIイオン源を備え、 Taylor Cone と呼ばれる円錐状の液体をESIイオン源先端から大気中に引き出すことができ、最適な感度と安定度を与えることのできるエレクトロスプレイイオン化質量分析装置及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、大気圧下で試料溶液を微細な細管に導入し、該細管の先端部に高電圧を印加することによりイオンを生成するエレクトロスプレイイオン源を備え、生成されたイオンを真空室に設けられたイオン蓄積形質量分析計に導き、蓄積し、その後質量掃引によりマススペクトルを得るエレクトロスプレイイオン化質量分析装置において、直流電圧に交流電圧が重畳した高電圧を前記細管の先端部に印加してエレクトロスプレイイオン化を行なうことを特徴とする。
【0016】
本発明は、試料溶液を細管に導入し、該細管の先端部に高電圧を印加し前記溶液の噴霧イオン流を生成するエレクトロスプレイイオン源を備え、該イオン源で生成された前記イオン流を真空室に設けられたイオン蓄積形質量分析計に導き質量掃引により掃引され、該掃引された前記イオンを検出器によって検出しマススペクトルを得るエレクトロスプレイイオン化質量分析装置において、直流電圧に交流電圧が重畳した前記高電圧を印加する高電圧直流電源と交流電源とを有し、前記直流電圧に前記交流電圧の半分を加えた値が前記イオン流の生成に伴うイオン電流が得られるイオン化しきい電圧より大きく、正又は負の極性とする制御データ処理装置を有することを特徴とする。
【0017】
又、本発明は、試料溶液を分離する液体クロマトグラフと、該クロマトグラフにより分離された前記試料溶液を細管に導入し、該細管の先端部と細孔を有するカウンタ電極との間に接続された高電圧電源により高電圧を印加することにより前記細管先端より細孔に向けて噴霧イオン流を生成するエレクトロスプレイイオン源と、該イオン源で生成された前記イオン流を前記細孔から真空室に設けられたスキマーコーン及びイオンガイドに順次導入し、次いでイオン蓄積形質量分析計に導き質量掃引により掃引された前記イオンを検出器によって検出しマススペクトルを得るエレクトロスプレイイオン化質量分析装置において、前記高電圧電源が直流電圧に交流電圧が重畳した前記高電圧を印加する高電圧直流電源と交流電源とを有し、前記直流電圧に前記交流電圧の半分を加えた値が前記イオン流の生成に伴うイオン電流が得られるイオン化しきい電圧より大きく、正又は負の極性とする制御データ処理装置を有することを特徴とする。
【0018】
本発明は、前記スキマーコーン、イオンガイド及びイオン蓄積形質量分析計の各々が各真空室によって一体に設けられ、該各真空室に真空ポンプが設けられていること、前記細管に対して前記噴霧イオン流の方向を設定するXYZ3軸位置決め装置が接続されていること、イオン蓄積形質量分析計はイオントラップ質量分析計又はイオンサイクロトロン共鳴(ICR)質量分析計であることの少なくとも1つの要件を有することを特徴とする。
【0019】
更に、本発明は、大気圧下で試料溶液を細管に導入し、該細管の先端部に高電圧を印加し前記溶液の噴霧イオン流を生成し、該生成されたイオン流を真空室に置かれたイオン蓄積形質量分析計に導き質量掃引し、該掃引された前記イオン流を検出器によって検出しマススペクトルを得るエレクトロスプレイイオン化質量分析方法において、前記印加される高電圧は、直流電圧に交流電圧が重畳した電圧であると共に、前記直流電圧に前記交流電圧の半分を加えた値が前記イオン流の生成に伴うイオン電流が得られるイオン化しきい電圧より大きく、正又は負の極性を有することを特徴とする。
【0020】
又、本発明は、試料溶液を液体クロマトグラフにより分離し、該分離された前記試料溶液を微細な細管に導入し、該細管の先端部に高電圧を印加することにより前記細管先端より前記試料溶液の噴霧イオン流を生成し、該生成されたイオン流を真空室に設けられたスキマーコーン及びイオンガイドに順次導入し、次いでイオン蓄積形質量分析計に導き質量掃引により掃引し、該掃引した前記イオンを検出器によって検出しマススペクトルを得るエレクトロスプレイイオン化質量分析方法において、前記印加される高電圧は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧であると共に、前記直流電圧に前記交流電圧の半分を加えた値が前記イオン流の生成に伴うイオン電流が得られるイオン化しきい電圧より大きく、正又は負の極性を有することを特徴とする。
【0021】
本発明は、前記直流電圧と交流電圧の電圧の強度は、外部から設定及び制御を行うこと、前記噴霧イオン流が正イオン測定モードの場合は前記直流電圧の極性を正、又は、前記噴霧イオン流が負イオン測定モードの場合は前記直流電圧の極性を負とすること、前記交流電圧は前記直流電圧の100%以下、好ましくは10〜65%、より好ましくは15〜50%であること、前記交流電圧は、その周波数を1kHz以下、好ましくは31〜330Hz、より好ましくは50〜300Hzとすること、大気圧下で前記細管に導入する前記溶液の流量を50μl/min以下、好ましくは20μl/min以下とすること、前記細管の先端部に印加する高電圧を前記試料溶液が前記細管の出口においてTaylor Cone形状に形成することの少なくとも1つの要件を有することを特徴とする。
【0022】
又、本発明は、前述の方法のいずれかにおいて、前記イオン蓄積形質量分析計がイオントラップ形質量分析計であり、以下の(1)〜(4)の工程を順次有することを特徴とする。
【0023】
(1)準備期間;前記細管に直流電圧と交流電圧が重畳した電圧を印加する。前記イオントラップ形質量分析計の前段に設けられたイオンゲート電極にイオンと同極性の電圧を印加してイオンがイオントラップ内へ導入されないようにする。イオントラップ電極を構成するリング電極に印加する主高周波電圧を0にリセットし、イオントラップ内のイオンを全て排除する。
【0024】
(2)イオン導入及び蓄積期間;イオンゲート電極にイオンの極性と反対極性の電圧印加して、イオンをイオントラップ電極内に導入できるようにする.リング電極に主高周波電圧が印加され、所定の質量範囲のイオンをイオントラップ内にトラップ内に導入し、イオンの蓄積を所定の期間行ない平準化する。
【0025】
(3)MS/MS期間;前記イオンゲート電極にイオンと同極性の電圧が印加され、イオンの導入は阻止される.前記イオントラップ内のイオンを選択し、衝突解離(CID)を行なう。なお、この工程は分析目的により省略される。
【0026】
(4)マススペクトル取得;前記リング電極に印加される主高周波電圧が掃引され、前記イオントラップ内のイオンが質量順にイオントラップ外に放出され、検出器にてイオン電流値が検出され、該検出された信号は制御データ処理装置に送られ、マススペクトルが取得される。
【0027】
即ち、本発明におけるESIを用いた質量分析は以下のように行われる。内径0.1mm程度の金属キャピラリとある距離(数10mm程度)を置いて配置されたカウンタ電極の間に数kVの電圧を印加する。金属キャピラリに試料溶液を導入し、高電圧を印加すると、金属キャピラリ先端部に形成された高電界によりキャピラリの中の液体はキャピラリの出口において誘電分極(dielectrically polarization)される。正イオン化モードの時、液表面には正の電荷が誘起され、負イオン化モードの時には液表面に負の電荷が誘起される。
【0028】
その結果、Taylor Coneと呼ばれる円錐状の液体がキャピラリの出口から電界により大気中に引き出される。生成したTaylor Coneの先端部において電界の強さが表面張力に勝ると、Taylor Coneの先端から帯電した微細な液滴が大気中に放出される。生成した帯電液滴は電界に従い大気中をカウンタ電極に向け飛行し、大気分子と衝突を繰り返す。
【0029】
これにより帯電液滴は機械的に破砕されるとともに、液滴の表面からの溶媒の蒸発が促進され、帯電液滴は急速に微細化される。最終的に、帯電液滴中のイオンが大気中に放出される。イオンはカウンタ電極に向け大気中を飛行し、カウンタ電極に設けられた細管または細孔を通り高真空の質量分析計に導かれ、質量分析される。
【0030】
本発明において、ミクロLCを用い、移動相流量が数10μl/minから1μl/min程度で、注入試料溶液の必要量もnl(10−9l/min)と微量にできるため、微量成分を取り扱うバイオ関連の成分の分析に応用を拡大できるものである。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、ミクロLCの流量領域において、Taylor Cone と呼ばれる円錐状の液体をESIイオン源先端から大気中に引き出すことができ、最適な感度と安定度を与えることの出来るエレクトロスプレイイオン化イオントラップ質量分析装置及びその方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図1は、本発明のエレクトロスプレイイオン化質量分析装置の全体構成図である。ミクロLC1により成分毎に分離された試料溶液はキャピラリチューブ2を経由してESIプローブ3に送られる。ESIプローブ3はXYZ3軸位置決め装置9上に配置されている。試料溶液はESIプローブ3を構成する細管30中を進み、細管ノズル先端部33に達する。ESIノズル31には高電圧直流電源5からトランス41を経由して直流電圧Vdが印加される。また、同時に交流電源40からトランス41を経由して交流電圧VaがESIノズル31に印加される。即ちESIノズル31には交流と直流電圧が重畳した電圧Va+Vdが印加される。この重畳電圧によりESIノズル先端部33付近には交流により変調された直流電界が生成する。
【0033】
イオンガイド16は、4本、6本又は8本の金属性の円柱をある円周上に等間隔に並べて円筒状の電極からなり、この円柱をひとつ置きに結線し、2組の電極間に高周波を印加し、このイオンガイドの中心軸上にイオンを導入すると、イオンは高周波により振動を受けガス分子と衝突しイオンガイドの軸上に収束されるようになる。このイオンガイドによりイオンを損失なく移送することができる。
【0034】
細管8は、SUSなどの金属やガラス製のバイプであり、内径0.4〜0.3mm程度で長さが10cm程度のものが良く、加熱のためヒータを周囲に被覆したものが用いられる。
【0035】
イオントラップ質量分析計17は双曲線の回転対称体である3つの電極で構成され、ドーナツ状のリング電極28とそれを両脇から挟むように2つのエンドキャップ電極27,29が配置される。リング電極28に主高周波電源23から主高周波電圧を印加することにより、これら3つの電極によって作られた空間内に四重極電界が形成される。ESIイオン源で生成されたイオンは真空内に取り込まれ、スキマー、イオンガイドを経てイオントラップ質量分析計17に到達する。イオントラップ電極の前に配置されたイオンゲート電極25によりイオンはイオントラップ内に導入したり阻止したりされる。
【0036】
イオンゲート電極25にイオンと同極性の電圧を印加すると、イオンを阻止即ちイオンゲートOFFの状態となり、逆にイオンと逆極性の電圧を印加するとイオンをイオントラップ内に導入することができる。即ちイオンゲートONの状態となる。
【0037】
又、主高周波がリング電極28に印加されている時、イオンをある時間導入することにより、イオンをイオントラップ内に蓄積することができる。これによりイオン量が変動するイオン源でも平均的なマススペクトルを得ることができる。イオンゲートをOFFにしてMS/MSを行い、その後、リング電極に印加した主高周波電圧の電圧を掃引することにより、マススペクトルを得ることができる。
【0038】
図中、1はミクロLC、2はキャピラリーチューブ、4はESIイオン源、6は噴霧イオン流、7はイオン源空間、14は真空隔壁、15は真空室、20、21、22は真空ポンプである。
【0039】
図2は本発明の一実施例を示す噴霧イオン流を形成する装置の拡大図である。図2に示すように、直流電源5と交流電源40をトランス41で結合して直流と交流の重畳電圧は作られる。またトランスを用いずコンデンサを用いて、交流直流重畳電圧を作ることも出来る。
【0040】
図3はESIノズルへの印加電圧HVと生成するイオン電流との関係を示す線図である。図3に示すように、エレクトロスプレイノズルに印加する電圧HVを次第に高くしていくと、ある電圧値Vtでイオン化が開始されイオン電流が得られるようになる。このVtをイオン化しきい電圧と呼ぶ。印加電圧HVの増加とともに、検出されるイオン電流は急激に増加する(a期間)。その後、イオン量の増加は次第に緩やかになる(b期間)。印加電圧HVを更に増加させると、ある電圧値Vcから、イオン電流が急激に増加するようになる。
【0041】
この急激なイオン電流の増加は、以下のように説明される。印加電圧HVがVcを超えると、ESIのノズル先端からコロナ放電が開始する。このコロナ放電により、大気圧化学イオン化(APCI)が開始されイオン電流が急激に増加する。APCIは電子により開始されるイオン分子反応によるイオン化である。そのため、このAPCIはESIと全く異なったイオン種を与える。安定にESIマススペクトルを得るためには、コロナ放電が起きないb期間に相当する印加電圧ViをESIノズルに印加することが重要である。これらVtやViなどの電圧は装置の構造や試料溶媒の物理的、化学的性質に大きく依存する。我々の実験によれば、イオン化しきい電圧Vtは1.5kVであり、安定なESIが達成される電圧Viは2kVであった。
【0042】
図4は印加電圧と噴霧イオン流の形態との関係を示す図である。図4(a)に示すように、印加電圧HVがイオン化しきい電圧Vtを超えると、ESIノズル先端部33にはTaylor Cone38が生成し、電界の強さが溶液の表面張力を上回るようになる。その結果、Taylor Cone38の先端39から帯電液滴6が大気中に放出されるようになり、ESIイオン化が開始される。逆に、図4(b)に示すように、印加電圧HVがVtを下回ると、表面張力が電界の力を上回り、Taylor Coneは鋭角を保てなくなり鈍角の円錐36となる。この状態では、帯電液滴は生成されない。すなわち、ESIが停止した状態である。ESIが継続している間、Taylor Cone先端部においては、表面張力より電界の力が上回る状態が継続することが必要である。電界強度はESIプローブ先端とカウンタ電極間に印加された電圧HVとESIプローブ先端とカウンタ電極間の距離により定まる。
【0043】
図5は直流電圧に交流電圧を印加した電圧波形を示す図である。交流直流重畳電圧は、図5のように示されるように、印加する交流Va、直流Vdとのイオン化しきい電圧Vtとの関係で以下の4つの場合がある。図中、36は溶液円錐、37は試料溶液、39はTaylor Cone先端、43は電界の方向である。
【0044】
(1)Vd−1/2(Va)>Vtの場合
ESIノズル付近の電界の強度は常にイオン化しきい値(Vt)を上回っている。そのため、帯電液滴は常にTaylor Coneの先端から放出される。ESIが常時継続されイオン電流値は常時得られる。しかし、イオン電流値は一定ではなく、交流の周期に同期して増減する。
【0045】
(2)Vd=Vtの場合
交流成分による1/2周期がVd−1/2(Va)<Vtとなるため、この期間Taylor Coneは生成されず、ESIは停止する。次の1/2周期になり、Vd+1/2(Va)>Vtとなり、Taylor Coneが生成され、その先端からイオンが生成される。その結果ESIは断続的に行なわれるようになる。
【0046】
(3)Vd+1/2(Va)>Vt
重畳電圧がイオン化しきい値(Vt)を超えた瞬間のみ、ESIがなされる。重畳電圧がイオン化しきい値(Vt)を下回る期間は、ESIは停止し、イオン電流値は得られない。
【0047】
(4)Vd+1/2(Va)<Vt
ESIノズル31に印加される電圧は常にイオン化しきい電圧Vtを下回るため、イオン化は行なわれない。
【0048】
図6は直流電圧に交流電圧を印加することによる噴霧イオン流の形態を示す図である。
本発明は(1)〜(3)に相当する重畳電圧を印加する。
【0049】
(1)の場合、図6(a)のようにTaylor Cone38が細管30の先端部33に安定に生成される。帯電液滴はTaylor Cone38の先端から常に生成される。ESIによるイオン生成が達成される。しかし、電界が交流の変調を受けているため、Taylor Coneに常時かかる電界の力の変化44を受けることになる。この力の変動44が、Taylor Cone38に絶えずストレスと振動を与えることになる。この振動44がTaylor Coneから帯電した液滴の離脱を促進する。電界が交流により変調を受けているため、生成されるイオン電流値も図7に示すように絶えず変動を繰り返す。イオン電流値は交流で変調を受けたような形となる。しかし、印加電圧HVはイオン化しきい電圧Vtを下回る事がないため、イオン電流値が零となることはない。
【0050】
(2)と(3)の場合は、印加電圧HVはイオン化しきい電圧Vtを越える瞬間と下回る瞬間がある。イオン化しきい電圧Vtを超えた瞬間はイオンが生成され、印加電圧がしきい電圧Vtを下回る瞬間、イオンは生成されない。そのため、生成されるイオン電流値は図8に示すように断続的なパルス状になる。
【0051】
図1に示すように、ESIイオン源で生成した帯電液滴は大気中を電界に沿って飛行し、イオンが大気中に放出される。放出されたイオンは真空隔壁11に設けられた細管8から真空室12に導入される。イオンは更にスキマー13、真空室15に置かれたイオンガイド16などを経て高真空室19に送り込まれる。ここでイオンはイオンゲート25を通過しイオントラップ質量分析計17に到達する。イオントラップ質量分析計17は双曲線の回転対称体である3つの電極で構成される.ドーナツ状のリング電極28を挟むように2つのエンドキャップ電極27,28が配置される.リング電極28には高周波電源23から主高周波が印加されイオントラップ空間内に四重極電界が形成される。これによりイオントラップ空間に導入されたイオンはイオントラップ内に安定にトラップされる。イオンの導入蓄積期間が終了するとイオンゲート電極25にはイオンと同極性の電圧が印加されイオンゲートは閉じられる。
【0052】
次に、高周波電源23から供給される主高周波電圧は掃引され質量順にイオンはイオントラップ外に放出され検出器18により検出される。信号は制御データ処理24に送られマススペクトルを与える。
【0053】
重畳電圧印加の場合、Taylor Coneに作用する電界強度の変化分は印加交流電圧の振幅に由来する。そのため、この交流電圧の振幅を制御データ処理装置24から高電圧直流電源5や交流電源40を経由して制御することにより、Taylor Coneの振動やイオン化を制御できる。イオン量をモニタしながら、交流の電圧Vaを調整し、イオン電流値が増加する方向に交流電圧Vaを設定すればよい。また、直流電圧Vdも同様に調整し、イオン電流値が最大になるようにすればよい。超音波素子や流体による機械的振動と異なり、本発明の交流電界による振動は、Taylor Coneの先端部だけが力の変動を受けるだけで、ESI細管などに機械的振動を与えない。そのため、イオン電流値と交流電圧Vaの関係は再現性が高い。交流または直流電圧を調整して最適条件を求めることは簡単である。
【0054】
LC/MS測定の場合、正イオンモードと負イオンモードがある。正イオンモードはESIイオン源で正イオンを生成し、質量分析計で正イオンマススペクトルを得る。負イオンモードではESIイオン源で負イオンを生成し、質量分析計で負イオンマススペクトルを得る。本発明に置いては、高電圧直流電源5に制御データ処理装置24からの極性切替の指示により直流電源の極性の切替を行なう。正イオンモードの場合直流電圧Vdの極性は正、負イオンモードの場合、直流電圧の極性は負とする。重畳交流電圧はそのままで良い。これにより、ESIの極性は切り替えることが出来る。
【0055】
この交流重畳電圧の印加により、Taylor Coneからの液滴の生成、ひいてはイオンの生成が大きく促進される。即ち、ESIイオン源に導入可能な溶液の流量を大幅に増加することが出来る。実験によると、直流単独印加のESIに比して10倍から、数10倍の流量増加とイオン量の増加を達成した。しかし、一方で、図7、図8に示すように、生成したイオン量が交流周期に同期して大きく変化する問題が発生した。このようにイオン電流値が常に変化する時、質量分析計に四重極質量分析計(QMS)や磁場型MS、飛行時間質量分析計(TOF)等の掃引形の質量分析計を用いると、マススペクトル取得のための掃引とイオン電流値の変化が同期しないため、マススペクトルは正しいものが得られない。しかし、イオン電流値が変化しても、正しいマススペクトルを与えることの出来る質量分析計が存在する。それは、イオン蓄積形の質量分析計である。
【0056】
イオン蓄積型の質量分析計は、イオンの導入、蓄積、MS/MS処理、マススペクトル掃引が時間経過に従い時分割で行なわれる。イオントラップ質量分析計はイオン蓄積形の質量分析計で、この形の質量分析計は他にイオンサイクロトロン共鳴(ICR)質量分析計(FT/MSとも呼ばれる)が良く知られている。特にイオンの導入、蓄積とマススペクトルが独立した処理操作のため、イオンの導入、蓄積期間にイオン電流値を再現性良く変化させ得るなら、マススペクトルに何ら影響を与えることはない。
【0057】
図9はイオントラップ質量分析計の動作シーケンスを示す図である。
【0058】
(1)準備期間(t0〜t1);ESIノズルに直流電圧と交流電圧が重畳した高圧電圧HVが印加される。これによりESIが開始される。ゲート電極25にイオンと同極性の電圧が印加され、イオンの導入が阻止される.イオントラップのリング電極28に印加される主高周波電圧は0にリセットされ、イオントラップ内のイオンは全て排除される。
【0059】
(2)イオン導入、蓄積期間(t1〜t2);所定の主高周波電圧が主高周波電源23からイオントラップのリング電極28に印加される。ある質量範囲のイオンはイオントラップ内にトラップされる。ゲート電極25にイオンゲート電源26からイオンと反対極性のゲートON電圧を印加して、ESIで生成したイオンをイオントラップ内に導入、蓄積を行なう。交流で変調受けたイオンもこのイオンの導入、蓄積の期間により、平準化される。
【0060】
(3)MS/MS期間(t2〜t3);ゲート電極25にイオンと同極性の電圧を印加しイオンゲートをOFFとして、イオンの導入を阻止する。イオントラップ内のイオンを選択、衝突解離(CID)、即ちMS/MSを行なうことで、新たな情報を得ることが出来る。この工程は応用分野により省略できる。
【0061】
(4)マススペクトル取得(t3〜t4);主高周波電源23からイオントラップのリング電極28に印加される主高周波電圧が掃引される。これにより、イオントラップ内のイオンが質量順にイオントラップ外に放出され、検出器18にてイオン電流値が検出される。この信号は制御データ処理装置24に送られ、マススペクトルが取得される。
【0062】
(1)から(4)を繰り返し、マススペクトルを繰り返し取得する。クロマトグラフから送り込まれた成分はESIによりイオン化され、マススペクトルを与える。
【0063】
図10は、イオン電流値(任意単位)と、直流電圧Vdと交流電圧Vaの比との関係を示す線図である。直流電圧Vdと交流電圧Vaの電圧は自由に設定できるが、実際効率の良いイオン化のためには、制限がある。交流電圧Vaは直流電圧Vdの100%を超えるとイオン化の効率は急速に落ちてくる。交流電圧Vaと直流電圧Vdの比と生成されるイオン電流値の関係を実験で求めた。ESIに供給する溶液の流量は10μl/min、直流電圧Vdは2kVとし、交流電圧Vaを変化させイオン電流値を求めた。
【0064】
図10に示すように、交流電圧Vaが直流電圧Vd対して30%の時、イオン電流値が最大になる。10%以下になると、イオン電流値は急速に減少し、0%即ち交流の印加がなくなると、イオン電流値は最大値の1/3程度となる。交流が直流の30%を超えると、イオン電流は緩やかに減少する。交流が直流に対して100%となると、イオン電流値は交流印加無しの状態と同じレベルまで低下する。好ましくは10〜65%、より好ましくは15〜50%である。
【0065】
図11は、イオン電流値(任意単位)と交流電圧の周波数との関係を示す線図である。図11に示すように、印加する交流電圧Vaの周波数はイオン電流値に影響を与える。交流の周波数を10Hzから1kHzまで増加させイオン電流値を計測した。イオン電流値は増加し、80から100Hzにて最大値に達する。100Hz〜300Hzまでほぼ平坦なイオン電流値が得られ、300Hzを超えるとイオン電流値は急速に低下する。1kHzでのイオン電流値は100Hzの場合の約1/10となる。交流電圧は、その周期を1kHz以下が良く、好ましくは31〜330Hz、より好ましくは50〜300Hzである。
【0066】
以上、イオン導入、蓄積の期間を印加電圧(HV)の交流成分の周期より、充分に長い時間を与えるなら、交流によるイオン電流値の変調は平準化される。どのように変調されていても、再現性が補償されていれば、安定なクロロマトグラムやマススペクトルを得ることが出来る。ここで、印加する交流はサイン波ばかりでなく、矩形や鋸歯状波でも良い。要は再現の取れるストレスを常にTaylor Cone先端に与えることである。これにより、Taylor Coneの自身に微細な振動を招くことになる。この微細な振動はTaylor Coneの先端からの帯電微細液滴の放出を促進する。
【0067】
これにより、通常のESIでは流量が1μl/minを超えると不安定となるイオン化も、最大100μl/minの流量の溶液を本発明のESIイオン源により受け取ることが可能であり、イオン化を達成できる。従って、本発明では、数10μl/minから1μl/minの流量範囲であれば、安定で、高感度なイオン化が達成できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施例を示すエレクトロスプレイイオン化質量分析装置の全体構 成図である。
【図2】本発明の一実施例を示す噴流イオン流を形成する装置の拡大図である。
【図3】本発明のESIノズルへの印加電圧HVと生成するイオン電流との関係を示 す線図である。
【図4】本発明の印加電圧と噴霧イオン流の形態との関係を示す図である。
【図5】本発明の直流電圧に交流電圧を印加した電圧波形を示す線図である。
【図6】本発明の直流電圧に交流電圧を印加することによる噴霧イオン流の形態を示 す図である。
【図7】本発明のしきい電圧とイオン電流値との関係を示す線図である。
【図8】しきい電圧とイオン電流値との関係を示す線図である。
【図9】イオントラップ質量分析計の動作シーケンスを示す図である。
【図10】イオン電流値(任意単位)と、直流電圧Vdと交流電圧Vaの比との関係 を示す線図である。
【図11】イオン電流値(任意単位)と交流電圧の周波数との関係を示す線図である 。
【図12】従来のエレクトロスプレイイオンプローブの断面図である。
【符号の説明】
【0069】
1…ミクロLC、2…キャピラリチューブ、3…ESIプローブ、4…ESIイオン源、5…高電圧直流電源、6…噴霧イオン流、7…イオン源空間、8…細管、9…XYZ3軸位置決め装置、11、14…真空隔壁、12、15…真空室、13…スキマー、16…イオンガイド、17…イオントラップ質量分析計、18…検出器、19…高真空室、20、21、22…真空ポンプ、23…高周波電源、24…制御データ処理装置、25…イオンゲート電極、26…イオンゲート電源、27、29…エンドキャップ電極、28…リング電極、30…細管、31…ESIノズル、33…細管ノズル先端部、36…溶液円錐、37…試料溶液、38…Taylor Cone、39…先端、40…交流電源、41…トランス、43…電界。
Claims (18)
- 試料溶液を細管に導入し、該細管の先端部に高電圧を印加し前記溶液の噴霧イオン流を生成するエレクトロスプレイイオン源を備え、該イオン源で生成された前記イオン流を真空室に設けられたイオン蓄積形質量分析計に導き質量掃引により掃引され、該掃引された前記イオンを検出器によって検出しマススペクトルを得るエレクトロスプレイイオン化質量分析装置において、
直流電圧に交流電圧が重畳した前記高電圧を印加する高電圧直流電源と交流電源とを有し、
前記直流電圧に前記交流電圧の半分を加えた値が前記イオン流の生成に伴うイオン電流が得られるイオン化しきい電圧より大きく、正又は負の極性とする制御データ処理装置を有することを特徴とするエレクトロスプレイイオン化質量分析装置。 - 試料溶液を分離する液体クロマトグラフと、該クロマトグラフにより分離された前記試料溶液を細管に導入し、該細管の先端部と細孔を有するカウンタ電極との間に接続された高電圧電源により高電圧を印加することにより前記細管先端より前記細孔に向けて噴霧イオン流を生成するエレクトロスプレイイオン源と、該イオン源で生成された前記イオン流を前記細孔から真空室に設けられたスキマーコーン及びイオンガイドに順次導入し、次いでイオン蓄積形質量分析計に導き質量掃引により掃引された前記イオンを検出器によって検出しマススペクトルを得るエレクトロスプレイイオン化質量分析装置において、
直流電圧に交流電圧が重畳した前記高電圧を印加する高電圧直流電源と交流電源とを有し、前記直流電圧に前記交流電圧の半分を加えた値が前記イオン流の生成に伴うイオン電流が得られるイオン化しきい電圧より大きく、正又は負の極性とする制御データ処理装置を有することを特徴とするエレクトロスプレイイオン化質量分析装置。 - 請求項2において、前記スキマーコーン、イオンガイド及びイオン蓄積形質量分析計の各々が各真空室によって一体に設けられ、該各真空室に真空ポンプが設けられていることを特徴とするエレクトロスプレイイオン化質量分析装置。
- 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記細管に対して前記噴霧イオン流の方向を設定するXYZ3軸位置決め装置が接続されていることを特徴とするエレクトロスプレイイオン化質量分析装置。
- 請求項1〜4のいずれかにおいて、イオン蓄積形質量分析計はイオントラップ質量分析計であることを特徴とするエレクトロスプレイイオン化質量分析装置。
- 請求項1〜4のいずれかにおいて、イオン蓄積形質量分析計はイオンサイクロトロン共鳴(ICR)質量分析計であることを特徴とするエレクトロスプレイイオン化質量分析装置。
- 大気圧下で試料溶液を細管に導入し、該細管の先端部に高電圧を印加し前記溶液の噴霧イオン流を生成し、該生成されたイオン流を真空室に置かれたイオン蓄積形質量分析計に導き質量掃引し、該掃引された前記イオン流を検出器によって検出しマススペクトルを得るエレクトロスプレイイオン化質量分析方法において、
前記印加される高電圧は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧であると共に、前記直流電圧に前記交流電圧の半分を加えた値が前記イオン流の生成に伴うイオン電流が得られるイオン化しきい電圧より大きく、正又は負の極性を有することを特徴とするエレクトロスプレイイオン化質量分析方法。 - 試料溶液を液体クロマトグラフにより分離し、該分離された前記試料溶液を細管に導入し、該細管の先端部に高電圧を印加することにより前記細管先端より前記試料溶液の噴霧イオン流を生成し、該生成されたイオン流を真空室に設けられたスキマーコーン及びイオンガイドに順次導入し、次いでイオン蓄積形質量分析計に導き質量掃引により掃引し、該掃引した前記イオンを検出器によって検出しマススペクトルを得るエレクトロスプレイイオン化質量分析方法において、
前記印加される高電圧は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧であると共に、前記直流電圧に前記交流電圧の半分を加えた値が前記イオン流の生成に伴うイオン電流が得られるイ オン化しきい電圧より大きく、正又は負の極性を有することを特徴とするエレクトロスプレイイオン化質量分析方法。 - 請求項7又は8において、前記直流電圧と交流電圧の強度を独立に設定及び制御を行うことを特徴とするエレクトロスプレイイオン化質量分析方法。
- 請求項7〜9のいずれかにおいて、前記噴霧イオン流が正イオン測定モードの場合は前記直流電圧の極性を正、又は、前記噴霧イオン流が負イオン測定モードの場合は前記直流電圧の極性を負とすることを特徴とするエレクトロスプレイイオン化質量分析方法。
- 請求項7〜10のいずれかにおいて、前記交流電圧は、前記直流電圧に対して10〜65%であることを特徴とするエレクトロスプレイイオン化質量分析方法。
- 請求項7〜11のいずれかにおいて、前記交流電圧は、その周波数を31〜330Hzとすることを特徴とするエレクトロスプレイイオン化質量分析方法。
- 請求項7〜12のいずれかにおいて、前記細管に導入する前記溶液の流量を50μl/min以下とすることを特徴とするエレクトロスプレイイオン化質量分析方法。
- 請求項7〜13のいずれかにおいて、前記イオン蓄積形質量分析計がイオントラップ形質量分析計であり、以下の(1)〜(4)の工程を順次有することを特徴とするエレクトロスプレイイオン化質量分析方法。
(1)準備期間;前記細管に直流電圧と交流電圧が重畳した電圧を印加すると共に、前記イオントラップ形質量分析計の先端に設けられたイオンゲート電極にイオンと同極性の電圧を印加し、イオンゲートをOFFとし、次いでリング電極に印加する主高周波電圧を0にリセットし、イオントラップ内のイオンを全て排除する。
(2)イオン導入及び蓄積期間;イオンゲート電極にイオンと反対極性の電圧を印加してイオンゲートをONにすると共に、前記リング電極に前記主高周波電圧が印加され、所定の質量範囲のイオンをイオントラップ内にトラップ内に導入し、蓄積を所定の期間行ないイオン電流の平準化する。
(3)MS/MS期間;前記イオンゲート電極にイオンと同極性の電圧を印加しイオンゲートをOFFにして、イオンの導入を阻止すると共に、前記イオントラップ内のイオンを選択し、質量分析を行なう。
(4)マススペクトル取得;前記リング電極に印加される主高周波電圧が掃引され、前記イオントラップ内のイオンが質量順にイオントラップ外に放出され、検出器にてイオン電流値が検出され、該検出された信号は制御データ処理装置に送られ、マススペクトルが取得される。 - 請求項7〜14のいずれかにおいて、前記細管の先端部に印加する高電圧を前記試料溶液が噴霧プローブの出口においてTaylor Cone形状になるように設定することを特徴とするエレクトロスプレイイオン化質量分析方法。
- 請求項1又は2において、前記制御データ処理装置は、前記直流電圧と交流電圧とを独立に設定可能であることを特徴とするエレクトロスプレイイオン化質量分析装置。
- 請求項16において、前記交流電圧は、前記直流電圧に対して10〜65%であることを特徴とするエレクトロスプレイイオン化質量分析装置。
- 請求項16又は17において、前記交流電圧の周波数は、31〜330 Hz であることを特徴とするエレクトロスプレイイオン化質量分析装置。
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