JP2003331776A - イオン源および質量分析装置および質量分析方法 - Google Patents

イオン源および質量分析装置および質量分析方法

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JP2003331776A JP2002134841A JP2002134841A JP2003331776A JP 2003331776 A JP2003331776 A JP 2003331776A JP 2002134841 A JP2002134841 A JP 2002134841A JP 2002134841 A JP2002134841 A JP 2002134841A JP 2003331776 A JP2003331776 A JP 2003331776A
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capillary
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Tsudoi Hirabayashi
集 平林
Yuichiro Hashimoto
雄一郎 橋本
Hideki Hasegawa
英樹 長谷川
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Hitachi Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/10Ion sources; Ion guns
    • H01J49/16Ion sources; Ion guns using surface ionisation, e.g. field-, thermionic- or photo-emission
    • H01J49/165Electrospray ionisation
    • H01J49/167Capillaries and nozzles specially adapted therefor
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/04Arrangements for introducing or extracting samples to be analysed, e.g. vacuum locks; Arrangements for external adjustment of electron- or ion-optical components
    • H01J49/0404Capillaries used for transferring samples or ions

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低流量の液体のイオン化に好適な噴霧イオン
化インターフェース,高感度な質量分析装置を提供する 【解決手段】 イオン源は,一方の末端側で外径及び内
径が一方の末端に向かって小さく形成され,他方の末端
から液体試料が導入されるキャピラリー1と,上記一方
の末端側の外周に沿ってガスを流し,上記一方の末端か
ら液体試料を噴霧するガスガイド管6と,ガスガイド管
にガスを導入するガス導入部5とを具備する。上記一方
の末端側が挿入される側で,ガスガイド管の内径が上記
一方の末端に向かって小さく形成されている。生成され
た気体状イオンはイオン取りこみ口7より真空部9へ導
入され質量分析計で質量分離される。キャピラリー1の
上記一方の先端側の近傍は保持部材3によりガスガイド
管2の内部に,キャピラリー1はプラグ4によりイオン
源ハウジングに,それぞれ固定される。帯電粒子は吸引
ポート8より外部に排除される。 【効果】 帯電粒子の真空装置への導入を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微量な生体物質の分
析装置に関し,特にタンパク質を網羅的に解析するプロ
テオーム解析に好適な質量分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,微量生体物質の高感度質量分析で
は,エレクトロスプレーイオン化(ESI)質量分析法
が広く用いられてきた。気体状イオンを生成するESI
の詳細は,サイエンス誌,第246巻,第64項〜71
項,1989年(Science,Vol.246,pp64-71,1989)に記
載されている。通常のESIでは,外径が0.2mm程
度の金属製キャピラリーに試料溶液が導入され,キャピ
ラリー末端部で高電界が試料溶液に印加される。その結
果,試料溶液が高電界によりキャピラリー末端部から引
き出され,液体コーンが形成される。コーン先端部では
同一極性のイオンが濃縮される結果,イオン間の斥力が
液体の表面張力と同等に達し,不安定化したコーン先端
から帯電液滴が放出される。このようにして生成される
帯電液滴は,蒸発により気体状イオンを放出する。生成
された気体状イオンは真空装置に導入され,質量分析計
で分析される。
【0003】また,質量分析連合総合討論会予稿集第3
6−37項(1995年)に記載のように,キャピラリ
ー中心軸と質量分析計のイオン取り込み口の中心軸をほ
ぼ直行させる構造が提案された。この手法を用いると,
帯電粒子をある程度排除し,気体状イオンのみを優先的
に真空装置に取りこむことが可能となる。
【0004】一般的に,ESIでは,イオン生成効率は
試料溶液の流量が低い程,高くなる傾向を示す。しか
し,試料溶液の流量が1μL/min(マイクロリット
ル/分)以下では,液体コーンからの溶媒の蒸発が顕著
になり,イオン生成が不安定化したり,イオン生成効率
が時間と共に低減する。そこで,キャピラリー末端部だ
けを数μmから10μm程度に小さくした石英製のナノ
スプレー・チップが開発された。このミニチュア化され
たESIでは,溶媒の蒸発効果が低減するため、1μL
/minから1nL/min(ナノリットル/分)程度
の極めて低い試料溶液の流量の領域で安定してイオン生
成ができる。
【0005】また,試料溶液の流量が低いため,生成さ
れる帯電液滴のサイズも原理的に小さくなり,結果的に
イオン生成効率が向上する。そのため,現在ではナノス
プレーがタンパク解析にしばしば使用されている。多く
の場合,質量分析計のイオン取り込み口の中心軸に,キ
ャピラリー中心軸をほぼ一致させている。
【0006】一方,USP6147347号やUSP6
114693号に記載のように,キャピラリー末端部か
ら音速程度の高速ガス流により試料溶液を噴霧すること
により,気体状イオンを生成するソニックスプレーイオ
ン化法(SSI)が極めてソフトなイオン化法として開
発された。SSIでは,音速ガス流によるせん断力によ
り試料溶液から微細帯電液滴を生成させ,気体状イオン
を効率良く生成させる。イオン生成効率は,液体の流量
が減少すると増加する傾向を示す。
【0007】しかし,これまでSSIは外径が200μ
m程度の石英キャピラリーを使用し,10μL/min
以上の液体の流量で使用されることが多かった。10μ
L/min以下の流量で使用する場合には,キャピラリ
ー末端で,音速ガス流による液体の吸引が顕著になり,
イオン生成の安定化が困難となるためである。ガス流速
が低い場合には,液体の吸引効果は低くなるが,噴霧に
より生成される液滴のサイズは大きくなるため,イオン
化効率は高くない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】生体から抽出された微
量生体物質を含む混合溶液を液体クロマトグラフィー
(LC)により分離する場合,液体の流量が低い程,高
分離が期待される。そのため,液体クロマトグラフィー
/質量分析(LC/MS)システムでは,LCにおける
液体の流量を低減させることが望ましい。また,LC/
MSインターフェースまたはイオン生成部では,液体の
流量が低い程,イオン生成効率が高くなる傾向がある。
そのため,微量生体物質の高感度分析では,液体の流量
の低減が重要である。
【0009】また,スプレーにより生成される帯電液滴
には,必ず不純物由来の不揮発性物質が混入している。
そのため,帯電液滴は揮発性溶媒が蒸発した後,帯電粒
子として残存する。この帯電粒子がイオンと共に真空装
置に導入されると,質量分析装置が汚染されるのみなら
ず,イオン検出の際のノイズ源となり,ピーク判定が困
難になってしまう。
【0010】本発明の目的は,イオン源として,低流量
の液体のイオン化に好適な噴霧イオン化インターフェー
スを提供し,生体から抽出される微量生体物質の混合溶
液を高速,高感度で分析でき,タンパク質を網羅的に解
析するプロテオーム解析に好適な高感度な質量分析装置
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のイオン源は,液
体試料が導入されるキャピラリーと,このキャピラリー
の一方の末端側が挿入されるガスガイド管と,このガス
ガイド管にガスを導入するガス導入部とを有している。
キャピラリーは,一方の末端側で外径及び内径が一方の
末端に向かって小さく形成されおり,他方の末端から液
体試料が導入される。キャピラリーの一方の末端側の外
周に沿ってガスが流され,キャピラリーの一方の末端か
ら液体試料が噴霧(スプレー)される。キャピラリーの
一方の末端側が挿入される側で,ガスガイド管の内径が
キャピラリーの一方の末端に向かって小さく形成されて
いる。
【0012】キャピラリーの一方の末端側の近傍は,キ
ャピラリー保持部材により保持され,キャピラリー保持
部材に形成される孔の開いたテーパーの部分にキャピラ
リーの一方の末端側が挿入される。キャピラリー保持部
材は,キャピラリーの一方の末端側の近傍とガスガイド
管との間に配置されている。以上が本発明のイオン源の
概要である。
【0013】本発明の質量分析装置は,上記のイオン源
と,このイオン源で生成されたイオンをイオン取りこみ
口より導入し質量分離する質量分析計とを有する。イオ
ン取り込み口を,イオン源から発生する荷電粒子の円錐
状のビームの外側に配置することにより,帯電粒子のイ
オン取り込み口から真空装置内部への導入を防止する。
より具体的には,キャピラリーの中心軸とイオン取り込
み口の中心軸とをほぼ直交させて配置する構成として,
あるいは,イオン取り込み口の中心軸上にキャピラリー
の一方の末端を配置する構成として,イオン取りこみ口
を,キャピラリーの一方の末端を頂点としキャピラリー
の中心軸を軸とする頂角が15°をなす,荷電粒子の円
錐状のビームの外側に配置する。
【0014】以上の構成により,液体試料の噴霧により
生成される帯電粒子の真空装置への導入を防止し,真空
装置内部の電極等の汚染を防止し,帯電粒子によるスパ
イクノイズの発生を防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施例では,イオン源と
して,一方の末端部分の外径及び内径を小さくしたキャ
ピラリーを用いた噴霧イオン化インターフェース,及
び,帯電粒子を極力大気中に排除し,できるだけ気体状
イオンを真空装置に導入する構造をもつインターフェー
スを用いた質量分析装置について説明がなされる。
【0016】本発明の実施例のイオン源では,一方の末
端側で外径及び内径が一方の末端に向かって小さく形成
されおり,他方の末端から液体試料が導入されるキャピ
ラリーが使用される。キャピラリーの一方の末端側はガ
スガイド管に挿入され,このガスガイド管にガス導入部
からガスが導入され,キャピラリーの一方の末端側の外
周に沿ってガスが流され,キャピラリーの一方の末端か
ら液体試料が噴霧される。キャピラリーの一方の末端側
が挿入される側で,ガスガイド管の内径はキャピラリー
の一方の末端に向かって小さく形成されている。
【0017】本発明の質量分析装置でのイオン源では,
ガスガイド管の先端部で,ガスガイド管の内径の最も小
さい部分のガスの流れ方向での長さが,0.1mmから
2mmの範囲にある。また,ガス導入部にガスを供給す
るガス供給部のガスの圧力が2気圧から10気圧以下に
設定される。また,ガスガイド管の先端部でガスガイド
管の内径の最も小さい部分でのガスの流れ方向に直交す
る断面Sと,ガス供給部からガス導入部に供給されるガ
スの流量F(標準状態換算)とから決定されるパラメー
ターF/Sの値が350m/s以上1000m/s以下
の範囲にある。また,ガス供給部からガス導入部に供給
されるガスの圧力を測定するガス圧力計が配置される。
さらに,ガス供給部からガス導入部に供給されるガスの
流量又は圧力を制御するガス流量コントローラー又はガ
スバルブが配置される。
【0018】図1に基づいて,本発明の実施例の質量分
析装置を要約すると以下の通りである。イオン源は,一
方の末端側で外径及び内径が一方の末端に向かって小さ
く形成され,他方の末端から液体試料が導入されるキャ
ピラリー1と,上記一方の末端側の外周に沿ってガスを
流し,上記一方の末端から液体試料を噴霧するガスガイ
ド管6と,ガスガイド管にガスを導入するガス導入部5
とを具備する。上記一方の末端側が挿入される側で,ガ
スガイド管の内径が上記一方の末端に向かって小さく形
成されている。生成された気体状イオンはイオン取りこ
み口7より真空部9へ導入され質量分析計で質量分離さ
れる。キャピラリー1の上記一方の先端側の近傍は保持
部材3によりガスガイド管2の内部に,キャピラリー1
はプラグ4によりイオン源ハウジングに,それぞれ固定
される。帯電粒子は吸引ポート8より外部に排除され
る。イオン取り込み口7を,イオン源から発生する荷電
粒子の円錐状のビームの外側に配置して,帯電粒子のイ
オン取り込み口から真空装置内部への導入を防止する。
これら構成により,低流量の液体のイオン化に好適な噴
霧イオン化インターフェース,高感度な質量分析装置を
提供することが可能となる。
【0019】図1は,本発明の実施例の質量分析装置の
主要部の構成例を示す断面図である。試料溶液は,一方
の末端部分の外径及び内径を小さくしたキャピラリー1
に導入される。このキャピラリーは,イオン源ハウジン
グ2に保持部材3及びプラグ4により固定される。イオ
ン源ハウジング2に,ガス導入口5よりガス(乾燥空気
又は乾燥窒素)が導入され,このガスは,ガスガイド管
6の内面とキャピラリー1の末端の外面との間から,外
部に噴出される。保持部材3には,ガスを通すための隙
間が形成され,ガス導入口5より導入されるガスが保持
部材3により圧力低下することを防止している。
【0020】以上のような構成により,キャピラリー1
の末端にほぼ音速のガス流を形成でき,高速ガス噴霧に
より試料溶液から気体状イオンが効率良く生成される。
大気圧下に生成される気体状イオンはイオン取り込み口
7より真空部9に導入される。真空部9は真空度の異な
る複数の部屋から構成され,各部屋は差動排気されお
り,図1の最も左の部屋が最も真空度が高く,質量分析
計MSが設置されている。
【0021】試料溶液には多少なりとも不揮発性の物質
が含まれるため,噴霧により生成された帯電液滴が完全
に気体状分子やイオンに変換されることは期待できな
い。即ち,帯電した粒子が最後に生成される。この帯電
粒子が質量分析計のイオン取り込み口7より真空部9に
導入されると,各種電極や細孔が汚染されてイオン収束
が不完全化し,イオンの検出感度の低減などを引き起こ
す。
【0022】そこで,帯電粒子が質量分析計のイオン取
り込み口7より真空部9に導入されることを防止するた
めに,図1に示すように,キャピラリー1の中心軸とイ
オン取り込み口7の中心軸とをほぼ直交させる。このよ
うな構造では,外部電界をイオン取り込み口7に向けて
印加することにより,気体状イオンと帯電粒子との易動
度の差を利用して分離でき,気体状イオンのみをイオン
取り込み口7に導入し,帯電粒子は吸引ポート8より外
部に排除できる。
【0023】イオン取り込み口7とキャピラリー1に導
入される試料溶液との間に2kV程度の電圧を印加する
ことにより,イオン生成効率を向上させ,生成された気
体状イオンを有効にイオン取り込み口7に電界により収
束させることができる。
【0024】図2は,本発明の実施例の質量分析装置を
用いた試料の分析の流れの例を示すブロック図である。
サンプルは送液部20に導入され,液体クロマトグラフ
などの分離部21で分離された後,イオン源22に導入
される。イオン源22にガス供給部23よりガス(乾燥
空気又は乾燥窒素)が一定圧力または一定流量で導入さ
れる。イオン源22で生成される気体状イオンは質量分
析計24に導入され,質量分離された後に検出器25で
検出される。検出器25の出力は制御部26に伝達さ
れ,情報処理部27に伝達されてデータ処理される。ま
た,制御部26は,送液部20,イオン源22,質量分
析計24の制御を行う。
【0025】図3は,本発明の実施例のイオン源の構成
例を示す断面図である。一方の末端の外径及び内径を小
さくした石英製キャピラリー1に,試料溶液が10マイ
クロL/min以下の低流量で導入される。このキャピ
ラリーはイオン源ハウジング2に保持部材3およびプラ
グ4により固定される。イオン源ハウジング2には,ガ
ス導入口5よりガス(乾燥空気又は乾燥窒素)が導入さ
れ,このガスはガスガイド管6の内面とキャピラリー1
の末端の外面との間から外部に噴出される。保持部材3
にはガスを通すための隙間が形成されており,ガス導入
口5より導入されるガスが保持部材3により圧力の低下
損失を受けることを防止している。
【0026】石英製キャピラリー1の末端は非常に壊れ
易く,保持部材3は石英製キャピラリー1の末端がガス
ガイド管6と接触して破損することを防止している。こ
のことは,特にイオン源を組上げる時に重要であり,キ
ャピラリー1が挿入されてくる保持部材3の側にテーパ
ーが形成されている。また,試料液体に接触する電極1
0により,試料液体に電圧を印加できる。この電極10
は,キャピラリー1の末端部の外側に金などの導体をス
パッターさせ金属膜を形成し,キャピラリー1の末端で
液体と導通させても,問題はない。
【0027】石英製キャピラリー1の末端を,0から
0.2mm程度だけガスガイド管6の末端より露出させ
ることが,イオン生成効率の観点からは望ましい。断熱
膨張により加速される高速ガス流に晒されることによ
り,試料溶液から微細な帯電液滴が生成し,多量の気体
状イオンが生成されるためである。実際には,キャピラ
リー1の末端を,2mm以上,ガスガイド管6の末端よ
り露出させると,生成されるイオンの量は非常に少なく
なる。
【0028】一方,石英製キャピラリー1の末端が,ガ
スガイド管6の末端から0.5mm程度内部に位置する
場合,生成されるイオンの量は少なくなる。試料溶液
が,直接加速される高速ガス流に晒されることがないた
め,帯電液滴のサイズは小さくならないためである。
【0029】また,キャピラリー1の内径が小さいほ
ど,高速ガス流による試料溶液の引き出し効果が低減
し,低流量でもイオン生成が安定する。例えば,キャピ
ラリー1の末端の内径が100μmでは,液体の流量を
1μL/min以下で,安定にイオン生成することは困
難である。しかし,キャピラリー1の末端の内径が5μ
mでは,100nL/minで安定にイオン生成でき
る。
【0030】ガス流速が高い程,ガス噴霧により生成さ
れる帯電液滴のサイズは低減し,イオン生成効率は向上
する。しかし,ガス流速が超音速領域にあると,衝撃波
が形成されるため帯電液滴のサイズはむしろ増加する。
そのため,ガス流速がほぼ音速の場合に,最も微細な帯
電液滴が形成される。USP第6147347号に記載
のように,ガスガイド管6の内径が最も小さい部分のガ
ス流方向に直交する断面Sとガス導入口5からイオン源
ハウジング2に導入されるガスの流量F(標準状態換
算)とから決定されるパラメーターF/Sの値が,35
0m/s以上1000m/s以下の範囲にある場合,キ
ャピラリー1の末端でのガス流速がほぼ音速になる。
(ガス流は圧縮性流体であるため,パラメーターF/S
は速度と同一のディメンジョンだが,ガス速度とは異な
る。)ガスガイド管6の末端から外部(例えば,大気
中)に噴出するガスの流速は,イオン源ハウジング2に
導入されるガスの圧力が高くなるほど,高くなる。ガス
ガイド管6の末端部の内径の最も小さい部分の中心軸方
向の長さが理想的にゼロならば,等エントロピー流を仮
定でき,次式が成立する(生井武文,松尾一泰著,圧縮
性流体の力学,理工学社,東京,1977)。 P/P={1+(k−1)M/2}k/(k−1) ここで,P,P,k,Mは,それぞれ,イオン源ハウ
ジング2に導入されるガスの圧力,イオン源ハウジング
2の周囲のガス圧力,ガス比熱比,マッハ数である。窒
素ガスや空気を導入する場合は,k=1.4である。P
=1気圧の場合,音速ガス流(M=1)の形成には,上
式より,ガス導入口5からイオン源ハウジング2に導入
されるガスの圧力Pが1.8929気圧だけ必要であ
ると見積もられる。
【0031】実際には,ガスガイド管6の末端部の内径
の最も小さい部分の中心軸方向の長さが無視できないた
め,圧力損失を考慮する必要が生じ,等エントロピー流
の場合に比較してより高いガス圧力Pが要求される。
しかし,現実的に10気圧以上のガス圧力をガス供給部
から供給することは,配管などの耐圧性やコストを考慮
すると現実的ではない。
【0032】しかし,ガスガイド管6の末端部の内径の
最も小さい部分の中心軸方向の長さが2mm程度の場合
には,ガス供給部のガス圧力が5気圧以下で音速ガス流
が形成できる。さらに,0.1mmの場合には,殆ど圧
力損失は無視され,約2.1気圧で音速ガス流が形成さ
れる。ガスガイド管6の末端部の内径の最も小さい部分
の中心軸方向の長さが短い程,圧力損失が低減し,等エ
ントロピー流に近づく。物理的な強度から,ガスガイド
管6の末端部の内径の最も小さい部分の中心軸方向の長
さは0.1mmから2mm程度の範囲にあることが現実
的であり,その場合に,ガス供給部のガス圧力は,2気
圧から10気圧以下の範囲で高いイオン生成効率を実現
できる。
【0033】図4は,本発明の実施例のイオン源を用い
て得られた質量スペクトルの例を示す図である。試料溶
液は,濃度1μM(マイクロモラー)のブラディキニン
(bradykinin)溶液(溶媒は,蟻酸/アセトニトリル/
水=0.1/50/50%,v/v/v)であり,シリ
ンジポンプによりキャピラリー1に一定流量で導入し
た。
【0034】図4(a),図4(b),図4(c)は,
それぞれ,液体の流量が1,0.3,0.1μL/mi
nの条件で得られた質量スペクトルである。質量数m/
z=531にプロトンが2個付加したブラディキニン分
子が検出されている。そして,検出されるイオン強度が
あまり強く液体の流量依存性を持たないことが示され
る。
【0035】使用したイオン源の石英キャピラリー1の
末端での外径は約15μmであり,ガスガイド管6の末
端部の内径は0.4mm,厚さ0.1mmである。圧力
計の付いたニードルバルブで約2.1気圧に調節し,窒
素ガスをガス導入口5に導入することにより,音速ガス
流による噴霧を実現した。キャピラリー1とイオン取り
込み口7との間の距離は約3mmであり,質量分析計と
して,日立M−8000型四重極イオントラップ質量分
析装置を使用した。ここでは,ガスガイド管6に−1.
5kV,試料溶液に接触する電極10に0Vの電圧を印
加し,キャピラリー1の中心軸とイオン取り込み口7の
中心軸をほぼ一致させた。
【0036】電圧印加方法は文献(Rapid Communicatio
n in Mass Sectrometry,10(1996)1703)に記載の通りで
あるが,ガスガイド管6と試料溶液に接触する電極10
に約+2.3kVの電圧を印加しても同様の結果が得ら
れる。この場合,ガスガイド管6に電圧を印加しなくて
もイオン生成することが多いが,再現性が低減すること
がある。
【0037】図5は,本発明の実施例の質量分析装置の
イオン源の近傍の断面図であり,帯電粒子の除去の原理
を説明するための図である。イオン源のキャピラリー1
の末端からガス噴霧により生成される帯電液滴は,溶媒
分子の蒸発に伴い,気体状イオンを生成する。
【0038】しかし,帯電液滴の生成時に液滴中に不揮
発性物質が含まれることが多いため,噴霧により生成さ
れた帯電液滴は,完全にガス化せず,10nm程度の帯
電粒子となる。このような帯電粒子はガス流により直進
する傾向が見られる。
【0039】写真撮影を行った結果,図5に模式的に示
すように,帯電粒子は,キャピラリー1の末端を頂点と
して,キャピラリー1の中心軸を軸として特定の角度
(頂角)(15°)をもつ円錐状ビーム28を形成する
ことが観察された。この特定の角度(頂角)は,円形ノ
ズルからの噴流の場合には,9.5°と見積もられるが
(N.Rajaratnum著,野村安正訳,噴流(Tu
rburent Jets),森北出版),オリフィスからの噴流の
場合には,円形ノズルの場合より周囲のガスとの混合が
促進されるため,15°に拡大されたものと説明され
る。
【0040】この帯電粒子がイオン取り込み口7から真
空装置内部に導入されると,各種電極が汚れてイオン収
束に支障をきたす。このことは,クリーニングなどのメ
ンテナンス頻度が高くなることを意味する。さらに,検
出器で帯電粒子が直接検出される場合には,ランダムな
スパイクノイズとして検出され,感度低減の原因とな
る。
【0041】図1,図5に示すように,キャピラリー1
の中心軸とイオン取り込み口7の中心軸とをほぼ直交さ
せる配置として,イオン取り込み口7を荷電粒子の円錐
状のビーム8の外側に設置することにより,帯電粒子の
イオン取り込み口7から真空装置内部への導入を防止で
きる。このような条件下では,質量分析装置のメンテナ
ンス低減のみならず,高感度イオン検出が可能となる。
【0042】図6は,本発明の実施例の質量分析装置の
イオン源の近傍の断面図であり,帯電粒子の除去の原理
を説明するための図である。図6に示す構成によって,
帯電粒子がイオン取り込み口7から真空装置内部に導入
されることが防止される。イオン取り込み口7の中心軸
上にキャピラリー1の先端部を配置するとき,キャピラ
リー1の中心軸とイオン取り込み口7の中心軸がなす角
度が165°(=180°―15°)である。キャピラ
リー1の中心軸とイオン取り込み口7の中心軸がなす角
度が165°以上の角度では,帯電粒子がイオン取り込
み口7から真空装置内部に導入されるので,キャピラリ
ーの中心軸とイオン取りこみ口7の中心軸とのなす角度
を165°以下とする。
【0043】図7は,本発明の実施例の質量分析装置を
用いた液体クロマトグラフ/質量分析(LC/MS)シ
ステムの構成例を示すブロック図である。液体リザーバ
ー−1a,−1b(30a,30b)に用意された液体
が,LCポンプ−1a,−1b(31a,31b)によ
り混合されて,一定流量で1次元目LCカラム33に導
入される。μL程度の多種類の物質からなる混合試料溶
液は,インジェクションバルブ32より,1次元目LC
カラム33に導入され分離されるが,多種類の物質から
なる混合溶液の場合には,分離は不充分である。分離さ
れた混合試料溶液は,六方バルブ34を経て,トラップ
カラム35で吸着される。
【0044】次に,六方バルブ34が所定のタイミング
で切り替わり,LCポンプ−2a,−2b(36a,3
6b)により,液体リザーバー−2a,−2b(37
a,37b)に用意された別の液体がトラップカラム3
5に導入され,トラップカラム35に吸着されていた混
合試料を着脱させ,一方の末端の外径及び内径が小さい
キャピラリー1に導入される。キャピラリー1には,予
め分離用充填剤ビーズが充填あるいはモノリスカラムが
形成されており,導入される混合試料を分離できる。
【0045】キャピラリー1に導入される液体の流量を
低減させれば,より高い分離能を得ることができ,複雑
な混合物の分離,分析には極めて有効である。典型的な
液体の流量は,200μL/minである,50μL/
min程度のより低い流量で使用することも現実的であ
る。先に説明した図5又は図6に示すように,キャピラ
リー1の末端から生成される気体状イオンは質量分析計
(MS)38に導入され,解析される。本発明の実施例
の質量分析装置を用いた液体クロマトグラフ/質量分析
(LC/MS)システムは,特に生体から抽出されたタ
ンパク混合液を酵素消化して得られるペプチド混合液の
分析に,有効である。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば,低流量の液体のイオン
化に好適な噴霧イオン化インターフェース(イオン源)
が実現でき,生体から抽出される微量生体物質の混合溶
液を高速,高感度で分析でき,タンパク質を網羅的に解
析するプロテオーム解析に好適な高感度な質量分析装置
を実現できる。本発明によれば,スプレーにより生成さ
れる帯電粒子がイオンと共に真空装置に導入されること
を防止でき,質量分析装置の真空装置内部の電極等の汚
染が防止できる。また,イオン検出の際に帯電粒子がス
パイクノイズとして検出され,ピーク判定が困難になる
ことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の質量分析装置の主要部の構成
例を示す断面図。
【図2】本発明の実施例の質量分析装置を用いた試料の
分析の流れの例を示すブロック図。
【図3】本発明の実施例のイオン源の構成例を示す断面
図。
【図4】本発明の実施例のイオン源を用いて得られた質
量スペクトルの例を示す図。
【図5】本発明の実施例の質量分析装置のオン源の近傍
の断面図であり,帯電粒子の除去の原理を説明するため
の図である。
【図6】本発明の実施例の質量分析装置のオン源の近傍
の断面図であり,帯電粒子の除去の原理を説明するため
の図である。
【図7】本発明の実施例の質量分析装置を用いた液体ク
ロマトグラフ/質量分析(LC/MS)システムの構成
例を示すブロック図。
【符号の説明】
1…キャピラリー,2…イオン源ハウジング,3…保持
部材,4…プラグ,5…ガス導入口,6…ガスガイド
管,7…イオン取り込み口,8…吸引ポート,9…真空
部,10…電極,20…送液部,21…分離部,22…
イオン源,23…ガス供給部,24,38…質量分析
計,25…検出器,26…制御部,27…情報処理部,
28…荷電粒子の円錐状ビーム,30a,30b,37
a,37b…液体リザーバー,31a,31b,36
a,36b…LCポンプ,32…インジェクションバル
ブ,33…1次元目LCカラム,34…六方バルブ,3
5…トラップカラム。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年12月9日(2002.12.
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 イオン源および質量分析装置および質
量分析方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微量な生体物質の分
析装置および分析方法に関し,特にタンパク質を網羅的
に解析するプロテオーム解析に好適なイオン源および
量分析装置および質量分析方法に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のイオン源は,液
体試料が導入されるキャピラリーと,このキャピラリー
の一方の末端側が挿入されるガスガイド管と,このガス
ガイド管にガスを導入するガス導入部とを有している。
キャピラリーは,一方の末端側で外径及び内径が一方の
末端に向かって小さく形成されおり,他方の末端から
液体試料が導入される。キャピラリーの一方の末端側の
外周に沿ってガスが流され,キャピラリーの一方の末端
から液体試料が噴霧(スプレー)される。キャピラリー
の一方の末端側が挿入される側で,ガスガイド管の内径
がキャピラリーの一方の末端に向かって小さく形成され
ている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】本発明の実施例のイオン源では,一方の末
端側で外径及び内径が一方の末端に向かって小さく形成
されおり,他方の末端から液体試料が導入されるキャ
ピラリーが使用される。キャピラリーの一方の末端側は
ガスガイド管に挿入され,このガスガイド管にガス導入
部からガスが導入され,キャピラリーの一方の末端側の
外周に沿ってガスが流され,キャピラリーの一方の末端
から液体試料が噴霧される。キャピラリーの一方の末端
側が挿入される側で,ガスガイド管の内径はキャピラリ
ーの一方の末端に向かって小さく形成されている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】以上のような構成により,キャピラリー1
の末端にほぼ音速のガス流を形成でき,高速ガス噴霧に
より試料溶液から気体状イオンが効率良く生成される。
大気圧下に生成される気体状イオンはイオン取り込み口
7より真空部9に導入される。真空部9は真空度の異な
る複数の部屋から構成され,各部屋は差動排気され
り,図1の最も左の部屋が最も真空度が高く,質量分析
計MSが設置されている。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】キャピラリー1に導入される液体の流量を
低減させれば,より高い分離能を得ることができ,複雑
な混合物の分離,分析には極めて有効である。典型的な
液体の流量は,200L/minである,50L/
min程度のより低い流量で使用することも現実的であ
る。先に説明した図5又は図6に示すように,キャピラ
リー1の末端から生成される気体状イオンは質量分析計
(MS)38に導入され,解析される。本発明の実施例
の質量分析装置を用いた液体クロマトグラフ/質量分析
(LC/MS)システムは,特に生体から抽出されたタ
ンパク混合液を酵素消化して得られるペプチド混合液の
分析に,有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 英樹 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 5C038 EE02 EF04 GG08 GH05 GH08 GH09 GH11 GH13 GH15

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の末端側で外径及び内径が前記一方の
    末端に向かって小さく形成され,他方の末端から液体試
    料が導入されるキャピラリーと,前記キャピラリーの一
    方の末端側が挿入されるガスガイド管であり,前記キャ
    ピラリーの一方の末端側の外周に沿ってガスを流し,前
    記キャピラリーの一方の末端から前記液体試料を噴霧す
    るガスガイド管と,前記ガスガイド管にガスを導入する
    ガス導入部とを有し,前記キャピラリーの一方の末端側
    が挿入される側で,前記ガスガイド管の内径が前記キャ
    ピラリーの一方の末端に向かって小さく形成されている
    ことを特徴とするイオン源。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のイオン源に於いて,前記
    キャピラリーの一方の末端側の近傍と前記ガスガイド管
    との間にキャピラリー保持部材が設置され,前記キャピ
    ラリーの一方の末端側が挿入される前記キャピラリー保
    持部材の部分にテーパーが形成されていることを特徴と
    するイオン源。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のイオン源に於いて,前記
    ガスガイド管の先端部で,前記ガスガイド管の内径の最
    も小さい部分の前記ガスの流れ方向での長さが,0.1
    mmから2mmの範囲にあることを特徴とするイオン
    源。
  4. 【請求項4】一方の末端側で外径及び内径が前記一方の
    末端に向かって小さく形成され,他方の末端から液体試
    料が導入されるキャピラリーと,前記キャピラリーの一
    方の末端側が挿入されるガスガイド管であり,前記キャ
    ピラリーの一方の末端側の外周に沿ってガスを流し,前
    記キャピラリーの一方の末端から前記液体試料を噴霧す
    るガスガイド管と,前記ガスガイド管にガスを導入する
    ガス導入部とを具備し,前記キャピラリーの一方の末端
    側が挿入される側で,前記ガスガイド管の内径が前記キ
    ャピラリーの一方の末端に向かって小さく形成されてい
    るイオン源と,前記イオン源で生成されたイオンをイオ
    ン取りこみ口より導入し質量分離する質量分析計とを有
    することを特徴とする質量分析装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の質量分析計に於いて,前
    記キャピラリーの一方の末端側の近傍と前記ガスガイド
    管との間にキャピラリー保持部材が設置され,前記キャ
    ピラリーの一方の末端側が挿入される前記キャピラリー
    保持部材の部分にテーパーが形成されていることを特徴
    とする質量分析装置。
  6. 【請求項6】請求項4に記載の質量分析計に於いて,前
    記イオン取り込み口を,前記イオン源から発生する荷電
    粒子の円錐状のビームの外側に配置することを特徴とす
    る質量分析装置。
  7. 【請求項7】請求項4に記載の質量分析計に於いて,前
    記キャピラリーの一方の末端を頂点とし,前記キャピラ
    リーの中心軸を軸とする頂角が15°をなす円錐の外側
    に,前記イオン取りこみ口が設置されることを特徴とす
    る質量分析装置。
  8. 【請求項8】請求項4に記載の質量分析計に於いて,前
    記キャピラリーの中心軸と前記イオン取りこみ口の中心
    軸とのなす角度が165°以下であることを特徴とする
    質量分析装置。
  9. 【請求項9】請求項4に記載の質量分析計に於いて,前
    記ガスガイド管の先端部で,前記ガスガイド管の内径の
    最も小さい部分の前記ガスの流れ方向での長さが,0.
    1mmから2mmの範囲にあることを特徴とする質量分
    析装置。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の質量分析計に於いて,
    前記ガス導入部に前記ガスを供給するガス供給部のガス
    の圧力が2気圧から10気圧以下であることを特徴とす
    る質量分析装置。
  11. 【請求項11】請求項4に記載の質量分析計に於いて,
    前記ガスガイド管の先端部で前記ガスガイド管の内径の
    最も小さい部分の前記ガスの流れ方向に直交する断面S
    と,前記ガスを供給するガス供給部から前記ガス導入部
    に供給される前記ガスの流量F(標準状態換算)とから
    決定されるパラメーターF/Sの値が350m/s以上
    1000m/s以下の範囲にあることを特徴とする質量
    分析装置。
  12. 【請求項12】請求項4に記載の質量分析計に於いて,
    前記ガスを供給するガス供給部から前記ガス導入部に供
    給されるガスの圧力を測定するガス圧力計が設置される
    ことを特徴とする質量分析装置。
  13. 【請求項13】請求項4に記載の質量分析計に於いて,
    前記ガスを供給するガス供給部から前記ガス導入部に供
    給されるガスの流量又は圧力を制御するガス流量コント
    ローラー又はガスバルブが設置されることを特徴とする
    質量分析装置。
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