JP2000230921A - マルチキャピラリイオン化質量分析装置 - Google Patents

マルチキャピラリイオン化質量分析装置

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JP2000230921A JP11032332A JP3233299A JP2000230921A JP 2000230921 A JP2000230921 A JP 2000230921A JP 11032332 A JP11032332 A JP 11032332A JP 3233299 A JP3233299 A JP 3233299A JP 2000230921 A JP2000230921 A JP 2000230921A
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/04Arrangements for introducing or extracting samples to be analysed, e.g. vacuum locks; Arrangements for external adjustment of electron- or ion-optical components
    • H01J49/0404Capillaries used for transferring samples or ions

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の噴霧イオン化では、試料液体の流量を増
加させても、生成されるイオン量はある程度以上増加せ
ず、感度が向上しないという問題があった。 【解決手段】試料液体の供給部に分岐を設け、複数のキ
ャピラリに試料溶液を供給し、噴霧させる手段を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は試料液体を高感度分
析する質量分析装置に係り、特に試料液体中に微量に存
在する有機物質や有機物質を高感度で分離分析する液体
クロマトグラフ/質量分析装置(以下LC/MSとい
う)やキャピラリ電気泳動/質量分析装置(以下CE/
MSという)に関する。
【0002】
【従来の技術】LC/MSやCE/MSのインターフェ
ースでは、LCやCEで分離された試料液体から気体状
イオンが生成され、質量分析部へ導入される。インター
フェースにおけるイオン化法としては、エレクトロスプ
レーイオン化法(ESI)や大気圧化学イオン化法(A
PCI)、ソニックスプレーイオン化法(SSI)など
の噴霧イオン化法が広く用いられている。ところで、こ
れまで噴霧に用いられるキャピラリは1本であった。
【0003】ESIでは、キャピラリ末端部の試料液体
と対向電極(質量分析装置入り口)との間に高電圧を印
加し、静電噴霧現象により帯電液滴を生成する。生成さ
れる帯電液滴は蒸発し、気体状イオンが生成される。最
初に生成される帯電液滴のサイズが小さく電荷量が高い
程、気体状イオンの生成効率は高くなる。また、最初に
生成される帯電液滴のサイズは液体の流量が少ない程小
さくなる傾向にあり、それはキャピラリの直径を小さく
することにより実現可能となる。
【0004】従来のESIキャピラリは内径が0.1m
m程度だが、より微細化されたキャピラリを利用するこ
とも可能となった。噴霧キャピラリ内径が1〜2μmで
あるミニチュア化されたESIに関する記述がアナリテ
ィカル・ケミストリー誌(Analytical Chemistry)、第
68巻(1996年)第1頁から第8頁に見られる。こ
のような微細化されたキャピラリを用いると、液体流量
が20nL(ナノリットル)/分程度に低減するため、
μL(マイクロリットル)程度の体積の試料液体を1時
間程度噴霧し続けることができる。そのため、質量分析
装置の様々なパラメーターを変更し、生体分子の構造解
析を行うことができる。
【0005】また、アナリティカル・ケミストリー誌(A
nalytical Chemistry)、第69巻(1997年)第4
26頁から第430頁には、複数個の微細キャピラリが
並んだチップを利用したESI質量分析装置に関する記
述がある。そこでは、試料液体がチップ内のキャピラリ
に導入され、キャピラリの試料液体導入部には電極が設
置される。チップ内のキャピラリ末端は質量分析装置の
イオン導入口に対向して設置され、試料液体導入部と質
量分析装置イオン導入口との間には高電圧が印加され
る。この高電圧により、チップ内のキャピラリ末端と質
量分析装置のイオン導入口との間に試料液体のエレクト
ロスプレーが発生する。
【0006】上記従来例では、チップ内の1本の微細キ
ャピラリ(60μm×25μm)に導入される分離液体
を流量100〜200nL/分でESIによりイオン化
し、質量分析する。次に、質量分析装置のイオン導入口
に対しチップをスライドし電圧印加部位を変更すること
により、隣接するキャピラリ内の試料液体を分析するこ
とができる。その結果、高スループットのCE/MSが
実現される。
【0007】APCIでは、キャピラリに導入される試
料液体を噴霧し、生成されたガスをコロナ放電などを利
用して気相イオン分子反応によりイオン化する。300
℃程度に加熱した金属製の噴霧キャピラリを利用する場
合が多いが、一般的に加熱による液体の噴霧では完全に
試料液体がガス化せず、ミクロン程度の液滴も生成す
る。液滴の生成が多い場合には、分析物質由来のイオン
の量が低減するため感度が低減する。さらに、液滴が真
空装置に導入されると、汚染により質量分析計の感度が
低減する。
【0008】このような問題を解決するために、噴霧ガ
スを攪拌して液滴を加熱された金属に衝突させてからコ
ロナ放電部へ導入する記述が特開平7−159377に
見られる。加熱された1本の金属製キャピラリにより試
料液体は噴霧される。APCIインターフェースはLC
/MSやセミミクロLC/MSに利用され、設定される
液体流量は0.1〜1mL(ミリリットル)/分程度で
ある。
【0009】SSIでは、キャピラリに導入される試料
液体を音速程度の高速ガス流で噴霧することにより、気
体状イオンが生成される。生成されるイオン量は主にガ
ス流速に依存し、音速の場合に最大となる。アナリティ
カル・ケミストリー誌(Analytical Chemistry)、第7
0巻(1998年)第1882頁から第1884頁に
は、LC/MSやセミミクロLC/MSのSSIインタ
ーフェースに関する記述が見られる。噴霧キャピラリは
1本である。液体流量は自由に設定できるが、10μL
/分〜1mL/分程度で使用されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ESIでは、試料液体
の流量を増大させると、イオン生成効率は低減する関係
がある。そのため、イオン生成効率を増大させるために
は、噴霧キャピラリ内径を小さくする必要がある。そう
しないと、試料液体の流量を低減させることができない
からである。そのため、ミニチュア化されたESIで
は、感度を顕著に低減させないで、試料液体の流量を低
減することができる。ところが、本質的に高感度化に対
応できないという問題点がある。大抵のESIでは噴霧
キャピラリの本数は1本だが、先述のようにESIチッ
プでは複数の微細な噴霧キャピラリが利用できる。しか
し、複数の噴霧キャピラリから同時に噴霧することはな
く、本質的に高感度化には対応できないという問題があ
る。
【0011】APCIでは、試料溶液の流量が増加する
に従い、感度が低下する傾向がある。このことは噴霧に
よる試料液体の気化効率が流量の増大に従って低減する
ためと説明される。この気化効率低減は液滴の生成量増
加となり、噴霧ガスを攪拌するなどの工夫が必要とな
る。加熱された金属による液滴の気化は原理的に有効だ
が、生体関連物質は熱分解されるため、結果的に分析感
度は低減するという問題がある。また100μL/分以
下の流量では安定に試料液体を噴霧することが困難であ
るという問題がある。
【0012】SSIでも、試料液体の流量が増大する
と、イオン生成効率は低減する。実際には、流量が20
0μL/分以上では、分析感度は殆ど増加しない。
【0013】これまで述べたように、従来の噴霧イオン
化法では、試料液体の流量を増加させても、生成される
イオン量はある程度以上増加せず、感度が向上しないと
いう問題を有する。また、APCIでは試料液体の流量
範囲に制限があるうえ、熱分解し易い物質のイオン化が
困難であるという問題を有する。
【0014】
【課題を解決するための手段】試料液体の流量を変化さ
せても生成されるイオン量が増加しない問題を解決する
ために、本発明においてはイオン化部に複数のキャピラ
リを有する質量分析装置が提供される。
【0015】また、APCIにおける試料液体の流量範
囲や熱分解の問題を解決するために、イオン化部に複数
のキャピラリを有する質量分析装置が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】図1に、本発明の一実施例に基づ
くソニックスプレーイオン化法(SSI)を利用した質
量分析装置の断面図を示す。試料液体はポンプ等で輸送
管1に導入された後、分岐部2において2本以上のキャ
ピラリ3に導入される。キャピラリ3の断面サイズは同
一であり、キャピラリ3の末端が挿入されるオリフィス
4の内径も一定である。試料液体の電位は金属製ジョイ
ント5により接地電位に設定される。
【0017】ガス導入口6から導入される窒素ガスの高
速ガス流がオリフィス4から形成される。このガス流に
より試料液体は噴霧され、瞬間的に微細液滴に変換さ
れ、微細液滴から気体状イオンが生成される。生成され
るイオンの量はガス流速に依存し、音速の場合に最大と
なる。ガス流速はガス流量あるいはガス導入口に導入さ
れるガス圧力により制御することができる。大気中に生
成される気体状イオンはサンプリングオリフィス7から
真空部8に導入され、質量分析計9により質量分離さ
れ、検出器10で検出される。
【0018】気体状イオンは複数のキャピラリ3から生
成されるが、サンプリングオリフィス(内径0.2mm
程度)7は一個である。大気中に生成される気体状イオ
ンを含んだガス流から効率的に気体状イオンをサンプリ
ングオリフィス7へ導入するため、キャピラリ3の数だ
け直径1mm程度の穴が空いた板11がサンプリングオ
リフィス7の前に設置される。
【0019】図2に、本発明の別の一実施例に基づくソ
ニックスプレーイオン化法(SSI)を利用したイオン
化部の断面図を示す。金属製のオリフィス板12(厚さ
0.2mm程度)にあるオリフィス4(内径約150μ
m)へ絶縁性の高い石英製キャピラリ3(外径約100
μm、内径約40μm)の末端が挿入される。キャピラ
リ3がオリフィス4と接触をさけてほぼ同軸状にするた
め、微細穴(内径約110μm)のある支持板13がイ
オン化部本体14(導体)に固定される。
【0020】イオン化部の組み立てを容易にするため
に、イオン化部本体14は大きく2つの部分から構成さ
れている。キャピラリ3は輸送管1末端に挿入され、シ
リコンラバーなどの耐蝕性の高い接着剤により密封され
る。キャピラリ3にはポリイミド製のものを利用するこ
ともできる。オリフィス板12の厚さがゼロの場合に
は、オリフィス板12にガスの圧力が2気圧程度かかる
状態で原理的には音速のガス流が形成される。強度的な
問題からオリフィス板12の厚みは0.1mm以上必要
であるが、1mm以上の厚さではオリフィス12におけ
るガス圧力損失が著しいために4気圧程度のガス圧力で
ガス導入口からガスを導入する必要が生じる。
【0021】上記のようなオリフィス4およびキャピラ
リ3のサイズの場合には、一つのオリフィス4あたりの
ガス流量が0.3L/分程度でガス流速がほぼ音速とな
り、生成されるイオン量は最大となる。また、1本のキ
ャピラリに導入される試料液体の流量は50μL/分以
下の場合に、イオン生成効率は非常に高い。キャピラリ
3やオリフィス4のサイズは同一であることが、製造コ
ストの低減に有効である。
【0022】また、噴霧ガスは円錐状に形成されるが、
イオンは主に中心軸周辺に集中的に生成され、帯電液滴
が周辺部に生成される。そのため、隣接するオリフィス
4から生成される噴霧ガス同士が接触した場合には、液
滴同士が結合し、より巨大な液滴に成長する。このこと
はイオン生成効率を低減させる原因になりうる。そこ
で、オリフィス4の間隔は2mm以上10mm以下に設
定すると便利である。
【0023】SSIではイオンが噴霧ガスの中心軸に沿
って多く生成される傾向がある。大気中に生成されたイ
オンを効率よくサンプリングオリフィス7へ導入するた
めに、板11にはキャピラリ3と同数の穴があり、キャ
ピラリ3の中心軸と板11の穴の中心軸はほぼ一致する
構造となっている。板11およびサンプリングオリフィ
ス7はリング状セラミックヒーター15により120℃
程度に加熱され、噴霧ガス流による冷却が防止される。
【0024】また、板11にはガス抜き穴16があり、
サンプリングオリフィス7から真空部に導入されるイオ
ンを含んだガスの溶媒密度を低減する。このことによ
り、イオンがサンプリングオリフィス7から真空部に導
入される際に著しく溶媒和されることが防止される。
【0025】試料液体の電位を金属製ジョイント5から
接地電位に設定し、オリフィス板12に−1kV程度の
電圧を印加すると正イオンが多量に生成される。逆にオ
リフィス板12に+1kV程度の電圧を印加すると負イ
オンが多量に生成される。分析目的の物質の性質に応じ
て、分析イオンの極性を選択することができる。
【0026】図3に、本発明のさらに別の一実施例に基
づく大気圧化学イオン化法(APCI)を利用したイオ
ン化部の断面図を示す。APCIでは、先ず液体を噴霧
してエアロゾルに変換する。次に、ガス状分子をコロナ
放電等で生成される一次イオンと衝突させ、気相イオン
分子反応によりガス状分子をイオン化させる。
【0027】図3に示す実施例における試料液体の噴霧
手段は、図2に示すSSIと類似の構造である。ガス噴
霧により生成される液滴のサイズはガス流速が音速の場
合に最も小さくなる。そのため、APCIにおいても、
噴霧ガス流速は音速以上であることが望ましい。しか
し、ガス流速がマッハ2を超える場合には、断熱膨張に
よるエアロゾルの冷却が著しく、一旦生成された微細液
滴が凝集し、イオン生成効率が低減する。
【0028】コロナ放電の針電極17とサンプリングオ
リフィス7との間には、2〜5kV程度の高電圧が印加
される。針電極17に正の高電圧が印加される場合に
は、負イオンがサンプリングオリフィス7から真空装置
内に導入され易く、負イオン分析に有利である。逆に負
の高電圧が印加される場合には、正イオン分析に有利で
ある。
【0029】噴霧ガスは噴霧チャンバ18内に生成され
る。噴霧チャンバ18は気密性が高く、噴霧されたガス
は充分に攪拌される。噴霧チャンバ18の温度が20℃
程度の場合には、ガス導入口6から導入されるガス流量
が試料溶液の流量の50000倍以上でないと、湿度が
100%を超え試料液体の完全な気化は実現しない可能
性がある。例えばガス流量が1L/分の場合には、試料
液体の流量が20μL/分程度に設定することが望まし
い。試料液体の気化を促進するために、噴霧チャンバ1
8を80℃から150℃程度に加熱することができる。
この場合には、ガス流量を低減することができる。
【0030】試料液体を音速ガス流により噴霧すると気
体状イオンが生成されるが、極めて揮発性の高い物質は
イオン化されない傾向がある。そのため、揮発性の高い
物質をコロナ放電によりイオン化する。
【0031】図4に本発明のさらに別の一実施例に基づ
くエレクトロスプレーイオン化法(ESI)を利用した
イオン化部の断面図を示す。ESIではキャピラリ3内
の試料液体とサンプリングオリフィス7との間に4kV
程度の高電圧を印加し、静電噴霧現象を利用することに
よりイオンや帯電液滴を生成する。静電噴霧現象による
イオン生成では、主に試料液体の電気伝導度や流量、表
面張力に制限される。そのため、試料液体の組成や流量
の範囲が制限される。
【0032】しかし、図4に示すように、ガス噴霧を併
用することにより、このような制限はかなり緩和され
る。生成される帯電液滴の気化を促進することにより、
イオン生成が促進される。そこで、サンプリングオリフ
ィス7の前にガス流発生用部材19が設置され、サンプ
リングオリフィス7からキャピラリ3に向ってカウンタ
ーガス流を形成する。このガス流により、帯電液滴の気
化が促進される。
【0033】さらに、サンプリングオリフィス7から真
空部に導入されるガス流量より多いガス流量でカウンタ
ーガス流を流すことにより、大気中のゴミが真空部に導
入され、真空部が汚染されることを防止することができ
る。
【0034】図5に、本発明のさらに別の一実施例に基
づくエレクトロスプレーイオン化法(ESI)を利用し
たイオン化部の断面図を示す。金属製キャピラリ3は同
軸状に配置され、静電噴霧現象を発生させるための高電
圧は金属製キャピラリ3と金属管20との間に印加され
る。その結果、図に示すように、イオンを含む噴霧ガス
は軸対称型に形成される。金属管20(内径1〜5mm
程度)先端部の側面には、サンプリング穴21が各々の
噴霧ガスに向って設けられる。
【0035】イオンは金属管20を通ってサンプリング
オリフィス7から真空部へ導入(吸引)される。さら
に、金属管20の入り口の周囲にはリング状の電極22
が設置され電圧が印加され、静電力によりイオンを金属
管20に向って収束させる。その結果、大気中で軸対称
型に形成されるイオンを内径0.2mm程度のサンプリ
ングオリフィス7へ有効に導入することができる。金属
管20は必ずしも曲げられている必要はないが、直線状
である場合には装置全体のサイズが大型化する。
【0036】図6に、本発明のさらに別の一実施例に基
づくソニックスプレーイオン化法(SSI)を利用した
イオン化部の断面図を示す。図5に示すESIの実施例
と同様に金属管20が使用されるが、キャピラリ3から
生成されるイオンを含む噴霧ガス流はキャピラリ3と同
軸状になる。噴霧ガス流はサンプリング穴21に接触し
ない構造である。リング状電極22と金属管20との電
位差がゼロの場合には、イオンはガス流に従って移動す
るため、サンプリング穴21から金属管20へ導入され
ない。
【0037】リング状電極22の内側に生成される噴霧
ガスにはイオンの他に帯電液滴、中性分子、液滴が含ま
れる。しかし、帯電液滴や中性分子、液滴がサンプリン
グオリフィス7から真空部に導入されると、真空部が汚
染されて感度低減の原因になる。真空部の汚染を防止す
るためには、真空部にイオンだけが導入されるようにす
ることが重要である。
【0038】そこで、リング状電極22と金属管20と
の間に適当な電圧を印加することにより、イオンや帯電
液滴の易動度分離を実現し、イオンのみを金属管20か
ら真空部へ導入することができる。先述したが、SSI
では噴霧ガスの中心軸に沿ってイオンは生成される傾向
にある。そのため、ガス流の断面ではイオンが狭い領域
に主に存在する。そのため、ガス流に垂直な方向に電界
を印加することにより、イオンを一種の易動度分析装置
(モービリティーアナライザー)で易動度分離を行い、
主にイオンのみをサンプリングオリフィス7へ導入する
ことができる。
【0039】イオンの易動度は5×10-52/Vs以
上であり、帯電液滴の易動度はそれ以下であるであるこ
とが知られている。本実施例によれば、易動度の低い帯
電液滴はサンプリング穴21より下流側で金属管20に
衝突し再結合(中性化)される。検出イオンの極性と逆
極性に帯電した帯電液滴はリング状電極22へ移動し、
中性の分子や液滴はガス流に従い下流に移動する。
【0040】高分解能の易動度分析装置に関する記述は
トレンズ・イン・アナリティカル・ケミストリー誌(Trend
s in Analytical Chemistry)、第17巻(1998
年)第328頁から第339頁に見られる。イオンの易
動度は5×10-52/Vs以上であり、帯電液滴の易
動度はそれ以下であるであることが知られる。イオンと
帯電液滴を易動度の差により分離するために、噴霧ガス
と平行にアシストガスを流して層流を形成することは有
効である。易動度分離においては、リング状電極21の
端部とサンプリング穴21との距離やリング状電極22
の内径、印加電圧などは予め最適化される。また、ガス
導入口から導入されるガスの流量により、印加電圧を変
更することができる。金属管20は直角に曲がる必要は
ないが、噴霧ガス流がセラミックヒーター15やサンプ
リングオリフィスなどにより乱されないような構造にす
る必要がある。
【0041】
【発明の効果】試料液体からイオンと同時に生成される
帯電液滴が真空装置内に導入されることを防止でき、真
空装置内部の汚染による感度低下が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるSSIを利用した質量
分析装置の要部断面図。
【図2】本発明の一実施例によるSSIを利用した質量
分析装置の要部断面図。
【図3】本発明の一実施例によるAPCIを利用した質
量分析装置の要部断面図。
【図4】本発明の一実施例によるESIを利用した質量
分析装置の要部断面図。
【図5】本発明の一実施例によるESIを利用した質量
分析装置の要部断面図。
【図6】本発明の一実施例によるSSIを利用した質量
分析装置の要部断面図。
【符号の説明】
1…輸送管、2…分岐部、3…キャピラリ、4…オリフ
ィス、5…ジョイント、6…ガス導入口、7…サンプリ
ングオリフィス、8…真空部、9…質量分析計、10…
検出器、11…板、12…オリフィス板、13…支持
板、14…イオン化部本体、15…ヒーター、16…ガ
ス抜き穴、17…針電極、18…噴霧チャンバ、19…
ガス流発生用部材、20…金属管、21…サンプリング
穴、22…リング状の電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黄 敏 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 小泉 英明 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 5C038 EE02 EF04 GG08 GH02 GH05 GH08 GH13 GH15

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料液体を輸送管に導入する導入部と、前
    記輸送管に導入された試料液体から気体状イオンを生成
    するイオン化部と、生成された気体状イオンを質量分離
    する質量分離部からなる質量分析装置であり、前記イオ
    ン化部において複数のキャピラリと、前記輸送管から導
    入された試料液体が前記複数のキャピラリに分配される
    分岐部とを具備することを特徴とするマルチキャピラリ
    イオン化質量分析装置。
  2. 【請求項2】前記キャピラリの断面形状が同一であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のマルチキャピラリ質量
    分析装置。
  3. 【請求項3】前記輸送管の内径が前記キャピラリの内径
    よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載
    のマルチキャピラリ質量分析装置。
  4. 【請求項4】前記キャピラリの末端近傍で周囲から流出
    するようガスを導くオリフィスと、前記キャピラリの末
    端で前記ガスに流速を与えるためのガス供給部とを具備
    することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載
    のマルチキャピラリ質量分析装置。
  5. 【請求項5】前記キャピラリの末端近傍で周囲から流出
    するようガスを導くオリフィスと、前記オリフィスにガ
    ス圧力を与えるためのガス供給部とを具備することを特
    徴とする請求項1から3のいずれかに記載のマルチキャ
    ピラリ質量分析装置。
  6. 【請求項6】前記分岐部において試料液体の電位が決定
    されることを特徴とする請求項4または5に記載のマル
    チキャピラリ質量分析装置。
  7. 【請求項7】前記キャピラリの末端における前記試料液
    体に電圧が印加されることを特徴とする請求項4から6
    のいずれかに記載のマルチキャピラリ質量分析装置。
  8. 【請求項8】前記キャピラリの末端における前記試料液
    体に電界が印加されることを特徴とする請求項4から7
    のいずれかに記載のマルチキャピラリ質量分析装置。
  9. 【請求項9】前記オリフィスに電圧が印加されることを
    特徴とする請求項4から8のいずれかに記載のマルチキ
    ャピラリ質量分析装置。
  10. 【請求項10】前記イオン生成部にコロナ放電プラズマ
    を発生させるための電極が設置されることを特徴とする
    請求項4から9のいずれかに記載のマルチキャピラリ質
    量分析装置。
  11. 【請求項11】前記複数のキャピラリが、大気圧中に生
    成されるイオンを真空部に取り込むためのイオン取り込
    み口に対して等距離に配置されることを特徴とする請求
    項4から10のいずれかに記載のマルチキャピラリ質量
    分析装置。
  12. 【請求項12】前記イオン取り込み口が管状金属から構
    成され、前記管状金属の周囲に第2の管状電極が配置さ
    れることを特徴とする請求項4から11のいずれかに記
    載のマルチキャピラリ質量分析装置。
  13. 【請求項13】前記管状金属と前記第2の管状電極との
    間に電圧が印加されることを特徴とする請求項12に記
    載のマルチキャピラリ質量分析装置。
  14. 【請求項14】前記キャピラリから噴霧により生成され
    るイオンが上記イオンの易動度に従って分離され、特定
    の易動度範囲にあるイオンが前記イオン取り込み口から
    前記管状金属へ導入されることを特徴とする請求項12
    または13に記載のマルチキャピラリ質量分析装置。
  15. 【請求項15】液体クロマトグラフィー装置により分離
    された液体が、前記輸送管に導入されることを特徴とす
    る請求項4から14のいずれかに記載のマルチキャピラ
    リ質量分析装置。
  16. 【請求項16】キャピラリ電気泳動装置により分離され
    た液体が、前記輸送管に導入されることを特徴とする請
    求項4から14に記載のマルチキャピラリ質量分析装
    置。
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