JPH05180802A - 液体サンプルを分析するための方法及び装置 - Google Patents
液体サンプルを分析するための方法及び装置Info
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- JPH05180802A JPH05180802A JP4137625A JP13762592A JPH05180802A JP H05180802 A JPH05180802 A JP H05180802A JP 4137625 A JP4137625 A JP 4137625A JP 13762592 A JP13762592 A JP 13762592A JP H05180802 A JPH05180802 A JP H05180802A
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- G01N30/02—Column chromatography
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- G01N30/72—Mass spectrometers
- G01N30/7233—Mass spectrometers interfaced to liquid or supercritical fluid chromatograph
- G01N30/7273—Desolvation chambers
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Abstract
(57)【要約】
【目的】液体サンプルの霧化粒子中の溶質を検出するこ
とによって液体サンプル中の溶質を分析するための方法
及び装置を提供すること。 【構成】液体サンプルを分析するための装置であって、
液体サンプル中に毛管波を創生し該毛管波を破砕して液
体エアゾールを生成するために約50Khz 〜760Khz
の周波数で振動することができる超音波ネブライザー
と、液体エアゾールに変換すべき液体サンプルを前記ネ
ブライザー内へ軸線方向に導入するための導入手段と、
該ネブライザーによって変換された前記液体エアゾール
の溶媒を該液体エアゾールを囲繞する加熱ガス流で蒸発
させることによって該液体エアゾールを固体エアゾール
に変換するための変換手段と、前記蒸発せしめられた溶
媒から前記固体エアゾールを分離するための分離手段
と、該分離せしめられた固体エアゾールを分析するため
の分析手段と、から成る分析装置。
とによって液体サンプル中の溶質を分析するための方法
及び装置を提供すること。 【構成】液体サンプルを分析するための装置であって、
液体サンプル中に毛管波を創生し該毛管波を破砕して液
体エアゾールを生成するために約50Khz 〜760Khz
の周波数で振動することができる超音波ネブライザー
と、液体エアゾールに変換すべき液体サンプルを前記ネ
ブライザー内へ軸線方向に導入するための導入手段と、
該ネブライザーによって変換された前記液体エアゾール
の溶媒を該液体エアゾールを囲繞する加熱ガス流で蒸発
させることによって該液体エアゾールを固体エアゾール
に変換するための変換手段と、前記蒸発せしめられた溶
媒から前記固体エアゾールを分離するための分離手段
と、該分離せしめられた固体エアゾールを分析するため
の分析手段と、から成る分析装置。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サンプル溶液(「液体
サンプル」ともいう)に関し、その霧化粒子中の溶質を
検出することによってサンプル溶液中の溶質を分析する
ための方法及び装置に関し、特に、液体表面上に定常波
を創生するために超音波励振を利用する霧化器即ちアト
マイザー又はネブライザーを使用する分析方法及び装置
に関する。霧化される液体の粒子分布は、その液体の密
度及び表面張力に対して比較的鈍感(不感受性)である
(即ち、液体の密度及び表面張力によって左右される度
合が低い)。
サンプル」ともいう)に関し、その霧化粒子中の溶質を
検出することによってサンプル溶液中の溶質を分析する
ための方法及び装置に関し、特に、液体表面上に定常波
を創生するために超音波励振を利用する霧化器即ちアト
マイザー又はネブライザーを使用する分析方法及び装置
に関する。霧化される液体の粒子分布は、その液体の密
度及び表面張力に対して比較的鈍感(不感受性)である
(即ち、液体の密度及び表面張力によって左右される度
合が低い)。
【0002】
【従来の技術】今日、液体クロマトグラフィの分離工程
からの液体流出物の流れ等のサンプル溶液を霧化し、次
いで、その霧化された液体を質量分析計等によって分析
するための装置が市販されている。少量のサンプル溶液
を分析するための現在入手し得る装置としては、赤外分
光器と、質量分析器とがある。例えば電子衝撃式質量分
析法においては、サンプルをイオン化してサンプルの質
量スペクトルを創生し、そのイオン化サンプルの質量ス
ペクトルを測定し、その質量スペクトルを基準質量スペ
クトルと比較することによってそのサンプルを同定す
る。この奉納の精度を高めるためには、特定の時間に1
種類だけの質量スペクトルを創生するようにしなければ
ならない。
からの液体流出物の流れ等のサンプル溶液を霧化し、次
いで、その霧化された液体を質量分析計等によって分析
するための装置が市販されている。少量のサンプル溶液
を分析するための現在入手し得る装置としては、赤外分
光器と、質量分析器とがある。例えば電子衝撃式質量分
析法においては、サンプルをイオン化してサンプルの質
量スペクトルを創生し、そのイオン化サンプルの質量ス
ペクトルを測定し、その質量スペクトルを基準質量スペ
クトルと比較することによってそのサンプルを同定す
る。この奉納の精度を高めるためには、特定の時間に1
種類だけの質量スペクトルを創生するようにしなければ
ならない。
【0003】液体クロマトグラフィ(略称「LC」)に
おいては、溶液中に複数種の化学物質の混合物を含有し
た溶媒の流れを高圧下でクロマトグラフィカラム(以
下、単に「カラム」とも称する)に通す。カラムは、差
別捕捉によって前記混合物をそれを構成している複数の
成分物質に分離するように設計されている。次いで、そ
れらの異なる物質は、溶媒流れないのそれぞれ異なる別
のバンドとしてカラムから流出し、後に分離する。従っ
て、液体クロマトグラフィは、サンプル溶液をその最初
の複雑な混合物から分離された単一の種の物質の質量分
析計内へ導入するための理想的な機器である。
おいては、溶液中に複数種の化学物質の混合物を含有し
た溶媒の流れを高圧下でクロマトグラフィカラム(以
下、単に「カラム」とも称する)に通す。カラムは、差
別捕捉によって前記混合物をそれを構成している複数の
成分物質に分離するように設計されている。次いで、そ
れらの異なる物質は、溶媒流れないのそれぞれ異なる別
のバンドとしてカラムから流出し、後に分離する。従っ
て、液体クロマトグラフィは、サンプル溶液をその最初
の複雑な混合物から分離された単一の種の物質の質量分
析計内へ導入するための理想的な機器である。
【0004】カラムから流出してきた被検物質を質量分
析計内へ導入するためには、溶液中に溶解した被検物質
から溶媒を除去することが望ましい。その結果、質量分
析計のイオン化チャンバーを常態において作動圧(例え
ば、電子衝撃式イオン化の場合は10-5〜10-6Torr、
化学的イオン化の場合は1Torr、原子衝撃式イオン化の
場合は10-5)で作動させることができ、従って、電子
衝撃式イオン化、原子衝撃式イオン化又は化学的イオン
化等の通常のイオン化法を用いることができる。質量分
析計のイオン化チャンバーに流入する被検物質から溶媒
が効果的に除去されていないと、ハイブリッドな、十分
に特定化されていない質量スペクトルが創生されること
になる。
析計内へ導入するためには、溶液中に溶解した被検物質
から溶媒を除去することが望ましい。その結果、質量分
析計のイオン化チャンバーを常態において作動圧(例え
ば、電子衝撃式イオン化の場合は10-5〜10-6Torr、
化学的イオン化の場合は1Torr、原子衝撃式イオン化の
場合は10-5)で作動させることができ、従って、電子
衝撃式イオン化、原子衝撃式イオン化又は化学的イオン
化等の通常のイオン化法を用いることができる。質量分
析計のイオン化チャンバーに流入する被検物質から溶媒
が効果的に除去されていないと、ハイブリッドな、十分
に特定化されていない質量スペクトルが創生されること
になる。
【0005】液体クロマトグラフィを質量分析計に接続
するための装置においては、大抵の場合、比較的均一な
粒子サイズを有し、かつ、約5〜30μの平均直径カウ
ント(CMD)内の液体粒子を生成するために液体クロ
マトグラフィの液体流出物からエアゾールを創生しなけ
ればならない。液体粒子が小さすぎると、その液体粒子
から溶媒が蒸発することによって生成された固体粒子を
蒸気状溶媒から分離するのが困難である。反対に、液体
粒子が大きすぎると、その液体粒子からの溶媒の蒸発が
不完全になるため、重力により液体粒子の流れがその意
図された経路からそらされてしまう。上記「平均直径カ
ウント」とは、エアゾール中の粒子(単に「エアゾール
粒子」とも称する)粒子サイズの平均直径のことであ
り、エアゾール粒子の総数の半分は平均直径より大き
く、他の半分は平均直径より小さい。
するための装置においては、大抵の場合、比較的均一な
粒子サイズを有し、かつ、約5〜30μの平均直径カウ
ント(CMD)内の液体粒子を生成するために液体クロ
マトグラフィの液体流出物からエアゾールを創生しなけ
ればならない。液体粒子が小さすぎると、その液体粒子
から溶媒が蒸発することによって生成された固体粒子を
蒸気状溶媒から分離するのが困難である。反対に、液体
粒子が大きすぎると、その液体粒子からの溶媒の蒸発が
不完全になるため、重力により液体粒子の流れがその意
図された経路からそらされてしまう。上記「平均直径カ
ウント」とは、エアゾール中の粒子(単に「エアゾール
粒子」とも称する)粒子サイズの平均直径のことであ
り、エアゾール粒子の総数の半分は平均直径より大き
く、他の半分は平均直径より小さい。
【0006】液体クロマトグラフィ(LC)工程からの
流出液流からエアゾールを生成する上でのもう1つの問
題点は、異なる溶解特性を有する広範囲の種類の溶質を
処理することができるようにするためにはそのLC工程
が広範囲の種類の溶媒を受入れることができるものでな
ければならないことである。異なる種類の溶媒は、異な
る密度及び表面張力特性を有しており、密度及び表面張
力特性の相違が所定のエネルギー条件下で生成されるエ
アゾールの液体粒子の粒子サイズに影響を及ぼす。
流出液流からエアゾールを生成する上でのもう1つの問
題点は、異なる溶解特性を有する広範囲の種類の溶質を
処理することができるようにするためにはそのLC工程
が広範囲の種類の溶媒を受入れることができるものでな
ければならないことである。異なる種類の溶媒は、異な
る密度及び表面張力特性を有しており、密度及び表面張
力特性の相違が所定のエネルギー条件下で生成されるエ
アゾールの液体粒子の粒子サイズに影響を及ぼす。
【0007】米国特許第4,629,478号、4,6
87,929号及び4,762,995号には、LCカ
ラムからの流出液流を質量分析計内へ導入することがで
きるようにするために該流出液からエアゾール粒子を生
成するための手段としてネブライザー(噴霧器)を利用
することが提案されている。ネブライザーは、そのノズ
ルオリフィスから噴出する液体ジェットから液体粒子を
生成する。そのオリフィスの直径及びジェットの速度
は、ジェットを単分散液体粒子に破砕させるように規定
される。しかしながら、不都合なことに、このネブライ
ザーの機能は、液体ジェットのの密度及び表面張力特性
に左右されるので、LCで用いられるいろいろ名異なる
種類の溶媒から常に一定した単分散液体粒子を生成する
のは困難である。
87,929号及び4,762,995号には、LCカ
ラムからの流出液流を質量分析計内へ導入することがで
きるようにするために該流出液からエアゾール粒子を生
成するための手段としてネブライザー(噴霧器)を利用
することが提案されている。ネブライザーは、そのノズ
ルオリフィスから噴出する液体ジェットから液体粒子を
生成する。そのオリフィスの直径及びジェットの速度
は、ジェットを単分散液体粒子に破砕させるように規定
される。しかしながら、不都合なことに、このネブライ
ザーの機能は、液体ジェットのの密度及び表面張力特性
に左右されるので、LCで用いられるいろいろ名異なる
種類の溶媒から常に一定した単分散液体粒子を生成する
のは困難である。
【0008】英国特許出願第2,203,241A号
は、LCカラムからの流出液流からエアゾール粒子を生
成するための別の手段を開示している。その手段は、粒
子中の溶媒を蒸発させるために、液体ジェットを形成す
るための毛管チューブと、該液体ジェットから生成され
た液体粒子を加熱するための加熱手段を組合せたもので
ある。
は、LCカラムからの流出液流からエアゾール粒子を生
成するための別の手段を開示している。その手段は、粒
子中の溶媒を蒸発させるために、液体ジェットを形成す
るための毛管チューブと、該液体ジェットから生成され
た液体粒子を加熱するための加熱手段を組合せたもので
ある。
【0009】ネブライザーは、又、広範囲の応用例、特
に液体燃料を燃焼させる応用例においてエアゾールを生
成するのにも利用されている。より完全な燃焼を達成す
るように液体燃料の表面積を増大させるためには、液体
燃料からエアゾールを形成するのが有利である。一般
に、ネブライザーは、比較的均一な密度及び表面張力特
性を有する石油留分に対して使用される。そのようなネ
ブライザーの例は、米国特許第4,153,201号、
4,352,459号及び4,723,708号に開示
されている。
に液体燃料を燃焼させる応用例においてエアゾールを生
成するのにも利用されている。より完全な燃焼を達成す
るように液体燃料の表面積を増大させるためには、液体
燃料からエアゾールを形成するのが有利である。一般
に、ネブライザーは、比較的均一な密度及び表面張力特
性を有する石油留分に対して使用される。そのようなネ
ブライザーの例は、米国特許第4,153,201号、
4,352,459号及び4,723,708号に開示
されている。
【0010】米国特許第4,980,057号並びに質
量分析法とその関連製品に関する第38回ASMS会議
の講演集第1222〜1223頁に記載されているよう
に、超音波ネブライザーと質量分析計とから成る、サン
プル溶液分析装置はすでに知られている。そのような装
置においては、液体サンプルは、ネブライザーの超音波
ホーンの先端に対して直交する方向に、かつ、超音波ホ
ーン内の軸線方向の導管を通してネブライザー内へ導入
されるヘリウムガス流に対して直交する方向に該ネブラ
イザー内へ導入される。従って、ヘリウムガス流は、液
体サンプルの流れ内に位置し、液体サンプルの流れは、
気体作用力と超音波力との組合せによって破砕され、エ
アゾールを形成する。ネブライザーは、減圧(大気圧よ
り低い圧力)下で作動される。しかしながら、そのよう
な減圧下での作動は、溶媒の急激な噴出又はサージング
を惹起しネブライザーの作動を阻害することがある。L
Cカラムからの流出液である液体サンプルを導入する導
管に本来的に適正に整合されている超音波ホーンを通し
て液体を導入する場合とは異なり、上記のようなサンプ
ル溶液分析装置では、液体サンプル導入導管を超音波ホ
ーンに対して正確に整列させなけない。しかも、使用
中、液体サンプル導入導管が超音波ホーンに対して不整
列状態になるので、導管の位置を定期的に調節しなけれ
ばならない。更に、液体サンプル流をガス流で包むので
はなく、液体サンプル流と密に混合させるためにガス流
を使用するのは望ましくない。なぜなら、その場合は液
体粒子が装置の壁に衝突して下流での分析から排除され
る確率が高くなるからである。
量分析法とその関連製品に関する第38回ASMS会議
の講演集第1222〜1223頁に記載されているよう
に、超音波ネブライザーと質量分析計とから成る、サン
プル溶液分析装置はすでに知られている。そのような装
置においては、液体サンプルは、ネブライザーの超音波
ホーンの先端に対して直交する方向に、かつ、超音波ホ
ーン内の軸線方向の導管を通してネブライザー内へ導入
されるヘリウムガス流に対して直交する方向に該ネブラ
イザー内へ導入される。従って、ヘリウムガス流は、液
体サンプルの流れ内に位置し、液体サンプルの流れは、
気体作用力と超音波力との組合せによって破砕され、エ
アゾールを形成する。ネブライザーは、減圧(大気圧よ
り低い圧力)下で作動される。しかしながら、そのよう
な減圧下での作動は、溶媒の急激な噴出又はサージング
を惹起しネブライザーの作動を阻害することがある。L
Cカラムからの流出液である液体サンプルを導入する導
管に本来的に適正に整合されている超音波ホーンを通し
て液体を導入する場合とは異なり、上記のようなサンプ
ル溶液分析装置では、液体サンプル導入導管を超音波ホ
ーンに対して正確に整列させなけない。しかも、使用
中、液体サンプル導入導管が超音波ホーンに対して不整
列状態になるので、導管の位置を定期的に調節しなけれ
ばならない。更に、液体サンプル流をガス流で包むので
はなく、液体サンプル流と密に混合させるためにガス流
を使用するのは望ましくない。なぜなら、その場合は液
体粒子が装置の壁に衝突して下流での分析から排除され
る確率が高くなるからである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、L
C装置からの液体流出物から、それに使用されている溶
媒の種類如何に拘らず、エアゾールを生成するための装
置を提供することを課題とする。それによって、LC流
出液中の溶媒が変更されたときでも、ネブライザーの調
節を行うためにLCシステム全体を休止する時間を大幅
に短縮することができる。又、本発明が求める装置は、
比較的均一な液滴分布を有するエアゾールを生成するこ
とができる装置である。
C装置からの液体流出物から、それに使用されている溶
媒の種類如何に拘らず、エアゾールを生成するための装
置を提供することを課題とする。それによって、LC流
出液中の溶媒が変更されたときでも、ネブライザーの調
節を行うためにLCシステム全体を休止する時間を大幅
に短縮することができる。又、本発明が求める装置は、
比較的均一な液滴分布を有するエアゾールを生成するこ
とができる装置である。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、例えばLC装置からの流出液のような液
体サンプルを分析するための装置であって、液体サンプ
ルからエアゾールを生成するための超音波ネブライザー
(噴霧器)と、得られたエアゾールの液滴を脱溶媒する
(エアゾールの液滴から溶媒を除去する)ための脱溶媒
手段と、脱溶媒されたことによって乾燥せしめられた乾
燥粒子即ち固体エアゾールを分析するための分析手段と
から成る分析装置を提供する。この超音波ネブライザー
(以下、単に「ネブライザー」とも称する)は、液体サ
ンプル中に毛管波を創生し該毛管波を破砕することによ
って液体エアゾールを生成するために超音波振動を発生
する小さいカラムへ液体サンプルを送給するための手段
を備えている。ネブライザーによって変換された液体エ
アゾールを、それを囲繞するようにして供給される高温
の加熱ガス流によって加熱し、該液体エアゾール中の溶
媒を蒸発させることによって乾燥粒子を生成し(即ち液
体エアゾールを固体エアゾールに変換し)、それらの乾
燥粒子を分析手段(例えば質量分析計)へ差し向ける。
に、本発明は、例えばLC装置からの流出液のような液
体サンプルを分析するための装置であって、液体サンプ
ルからエアゾールを生成するための超音波ネブライザー
(噴霧器)と、得られたエアゾールの液滴を脱溶媒する
(エアゾールの液滴から溶媒を除去する)ための脱溶媒
手段と、脱溶媒されたことによって乾燥せしめられた乾
燥粒子即ち固体エアゾールを分析するための分析手段と
から成る分析装置を提供する。この超音波ネブライザー
(以下、単に「ネブライザー」とも称する)は、液体サ
ンプル中に毛管波を創生し該毛管波を破砕することによ
って液体エアゾールを生成するために超音波振動を発生
する小さいカラムへ液体サンプルを送給するための手段
を備えている。ネブライザーによって変換された液体エ
アゾールを、それを囲繞するようにして供給される高温
の加熱ガス流によって加熱し、該液体エアゾール中の溶
媒を蒸発させることによって乾燥粒子を生成し(即ち液
体エアゾールを固体エアゾールに変換し)、それらの乾
燥粒子を分析手段(例えば質量分析計)へ差し向ける。
【0013】
【実施例】本発明の分析装置に導入される液体サンプル
は、一般に、液体クロマトグラフィ(LC)分離工程か
らの液体流出物(流出液)(以下、単に「LC流出液」
とも称する)である。本発明の分析装置においては、L
C流出液を細い流れとして超音波ネブライザー(噴霧
器)へ差し向ける。超音波ネブライザーは、人間の可聴
限度(16〜20Khz )を越える周波数で作動する。本
発明においては、超音波ネブライザーは、約50Khz 〜
760Khz 、好ましくは1000Khz 〜140Khz の周
波数で作動(振動)させる。この周波数範囲を超える周
波数で作動させると、霧化される液体粒子が過度に小さ
くなり、ガス流から分離することができなくなる。反対
に、周波数範囲より低い周波数で作動させると、液体粒
子が重力によって分離されてしまう。この超音波ネブラ
イザーの単分散エアゾール液滴を生成するための機能
は、従来技術の他のネブライザーに比べて、液体の表面
張力及び液体密度に対する感受性が比較的低い(即ち、
液体の表面張力及び液体密度の変化によって影響されに
くい)。超音波ネブライザーによって生成されるエアゾ
ール粒子の粒子サイズは、下記の式によって定義され
る。 CMD=(v/PL f2 )1/3 ここで、CMDは上述した平均直径カウント、vは液体
の表面張力、PL は液体の密度、fは励振周波数であ
る。上記式から明らかなように、エアゾール粒子の分布
は、液体の表面張力v及び液体密度PL の僅か1/3乗
として変化するにすぎない。従って、超音波ネブライザ
ーは、溶媒の組成変化の関数として感受性(感度)を喪
失することが少なく、従ってネブライザーを調節する必
要が少なくてすむ。
は、一般に、液体クロマトグラフィ(LC)分離工程か
らの液体流出物(流出液)(以下、単に「LC流出液」
とも称する)である。本発明の分析装置においては、L
C流出液を細い流れとして超音波ネブライザー(噴霧
器)へ差し向ける。超音波ネブライザーは、人間の可聴
限度(16〜20Khz )を越える周波数で作動する。本
発明においては、超音波ネブライザーは、約50Khz 〜
760Khz 、好ましくは1000Khz 〜140Khz の周
波数で作動(振動)させる。この周波数範囲を超える周
波数で作動させると、霧化される液体粒子が過度に小さ
くなり、ガス流から分離することができなくなる。反対
に、周波数範囲より低い周波数で作動させると、液体粒
子が重力によって分離されてしまう。この超音波ネブラ
イザーの単分散エアゾール液滴を生成するための機能
は、従来技術の他のネブライザーに比べて、液体の表面
張力及び液体密度に対する感受性が比較的低い(即ち、
液体の表面張力及び液体密度の変化によって影響されに
くい)。超音波ネブライザーによって生成されるエアゾ
ール粒子の粒子サイズは、下記の式によって定義され
る。 CMD=(v/PL f2 )1/3 ここで、CMDは上述した平均直径カウント、vは液体
の表面張力、PL は液体の密度、fは励振周波数であ
る。上記式から明らかなように、エアゾール粒子の分布
は、液体の表面張力v及び液体密度PL の僅か1/3乗
として変化するにすぎない。従って、超音波ネブライザ
ーは、溶媒の組成変化の関数として感受性(感度)を喪
失することが少なく、従ってネブライザーを調節する必
要が少なくてすむ。
【0014】超音波ネブライザーによって生成されたエ
アゾールを加熱されたガス流によって囲繞する。即ち、
加熱ガス流によってエアゾールを液体粒子(液滴)の流
れとして包み込むようにし、粒子を加熱して溶媒を蒸発
させ、それによって溶質を構成する固体粒子を生成す
る。蒸発した溶媒を固体粒子から分離し、固体粒子を例
えば質量分析計又は赤外分光計のような分析器へ差し向
ける。
アゾールを加熱されたガス流によって囲繞する。即ち、
加熱ガス流によってエアゾールを液体粒子(液滴)の流
れとして包み込むようにし、粒子を加熱して溶媒を蒸発
させ、それによって溶質を構成する固体粒子を生成す
る。蒸発した溶媒を固体粒子から分離し、固体粒子を例
えば質量分析計又は赤外分光計のような分析器へ差し向
ける。
【0015】図1を参照して説明すると、LCカラム
(図示せず)からの流出液(サンプル液体)流10は、
超音波ネブライザー14内の導管12に流入する。ネブ
ライザー14内の圧力は、大気圧又は過圧(大気圧より
高い圧力)である。ヘリウム等の加熱された高温不活性
ガス流を導管18を通して充気室18に流入させ、次い
で開口22を通して内側充気室20へ流入させる。LC
カラムからの液体流は、ネブライザーの先端26におい
て液滴(液体エアゾール)に変換され、先端26のとこ
ろで先端26を取巻く開口28から流出する高温不活性
ガスに接触する。この高温不活性ガスは、エアゾールを
形成する働きはしないが、液体エアゾールを加熱して液
滴中の溶媒を蒸発させるとともに、液体エアゾールを囲
繞して該エアゾールの、脱溶媒チャンバー(以下、単に
「チャンバー」とも称する)32の壁との接触を最少限
に抑制する働きをする。
(図示せず)からの流出液(サンプル液体)流10は、
超音波ネブライザー14内の導管12に流入する。ネブ
ライザー14内の圧力は、大気圧又は過圧(大気圧より
高い圧力)である。ヘリウム等の加熱された高温不活性
ガス流を導管18を通して充気室18に流入させ、次い
で開口22を通して内側充気室20へ流入させる。LC
カラムからの液体流は、ネブライザーの先端26におい
て液滴(液体エアゾール)に変換され、先端26のとこ
ろで先端26を取巻く開口28から流出する高温不活性
ガスに接触する。この高温不活性ガスは、エアゾールを
形成する働きはしないが、液体エアゾールを加熱して液
滴中の溶媒を蒸発させるとともに、液体エアゾールを囲
繞して該エアゾールの、脱溶媒チャンバー(以下、単に
「チャンバー」とも称する)32の壁との接触を最少限
に抑制する働きをする。
【0016】液滴(液体エアゾール)中の溶媒が蒸発す
ることによってチャンバー32内に部分脱溶媒粒子(溶
媒を部分的に即ち不完全に除去された粒子)30が生成
される。チャンバー32には、所望ならば覗窓34を設
けておくことができる。好ましい実施例では、チャンバ
ー32は、ベンド33を有する形態とすることができ
る。ネブライザー14内で形成された大きな溶媒粒子
は、その慣性の故にベンド33の湾曲経路にを沿って曲
ることができず、ベンド33に衝突する。ただし、ベン
ド33は、本発明の必須要件ではない。溶媒の蒸発を促
進するために外部加熱器(図示せず)によってチャンバ
ー32の内部に熱を供給することができる。上記部分脱
溶媒粒子30は、その残留溶媒の蒸発によって脱溶媒粒
子即ち固体粒子38に変換される。脱溶媒粒子即ち固体
粒子38は、ガス/溶媒蒸気流(上記不活性ガスと溶媒
蒸気との混合流)40によって連行されるのに十分な軽
さである。
ることによってチャンバー32内に部分脱溶媒粒子(溶
媒を部分的に即ち不完全に除去された粒子)30が生成
される。チャンバー32には、所望ならば覗窓34を設
けておくことができる。好ましい実施例では、チャンバ
ー32は、ベンド33を有する形態とすることができ
る。ネブライザー14内で形成された大きな溶媒粒子
は、その慣性の故にベンド33の湾曲経路にを沿って曲
ることができず、ベンド33に衝突する。ただし、ベン
ド33は、本発明の必須要件ではない。溶媒の蒸発を促
進するために外部加熱器(図示せず)によってチャンバ
ー32の内部に熱を供給することができる。上記部分脱
溶媒粒子30は、その残留溶媒の蒸発によって脱溶媒粒
子即ち固体粒子38に変換される。脱溶媒粒子即ち固体
粒子38は、ガス/溶媒蒸気流(上記不活性ガスと溶媒
蒸気との混合流)40によって連行されるのに十分な軽
さである。
【0017】かくして、ガス、溶媒蒸気及び固体粒子
は、脱溶媒チャンバー32からオリフィス32を通って
流出し、該オリフィスからジェットの形で噴出する。次
いで、このガス/溶媒蒸気/固体粒子ジェット流を一連
の円錐体状の吸込みスキマー(外部ポンプの作用により
吸引作用を与えられるスキマー即ち濾し器)44,46
を通して通流させる。このガス/溶媒蒸気/固体粒子ジ
ェット中のガスと溶媒蒸気の分子は、比較的高い拡散性
を有しているので、固体粒子よりも速くジェット流の軸
線に対して垂直方向に拡散する。スキマー44,46に
よってすくい取られた余剰ガス及び溶媒蒸気(及び若干
の固体粒子)は、外部ポンプ(図示せず)によりポート
52,54を通して抽出される。この工程によりジェッ
ト流中のガス/溶媒蒸気に対する固体粒子の密度が相対
的に高められる。残されたジェット流(大部分は固体粒
子)は、円錐体の先端にあるオリフィス48,50を通
って流れる。
は、脱溶媒チャンバー32からオリフィス32を通って
流出し、該オリフィスからジェットの形で噴出する。次
いで、このガス/溶媒蒸気/固体粒子ジェット流を一連
の円錐体状の吸込みスキマー(外部ポンプの作用により
吸引作用を与えられるスキマー即ち濾し器)44,46
を通して通流させる。このガス/溶媒蒸気/固体粒子ジ
ェット中のガスと溶媒蒸気の分子は、比較的高い拡散性
を有しているので、固体粒子よりも速くジェット流の軸
線に対して垂直方向に拡散する。スキマー44,46に
よってすくい取られた余剰ガス及び溶媒蒸気(及び若干
の固体粒子)は、外部ポンプ(図示せず)によりポート
52,54を通して抽出される。この工程によりジェッ
ト流中のガス/溶媒蒸気に対する固体粒子の密度が相対
的に高められる。残されたジェット流(大部分は固体粒
子)は、円錐体の先端にあるオリフィス48,50を通
って流れる。
【0018】オリフィス50から噴出する固体粒子のビ
ーム56は、イオン化チャンバー58に入って電子衝撃
式イオン化領域90に流入し、イオン化領域90から被
分析イオンビーム91として放射される。イオン化チャ
ンバー58は、吸込みポート(外部ポンプにより吸引抽
出するためのポート)92を備えている。次いで、ビー
ム91は、分析チャンバー94に入って質量分析計96
に流入し、質量分析計96から被分析イオンビーム96
としてイオン検出器97に向けて放射される。分析チャ
ンバー94は、吸込みポート(外部ポンプにより吸引抽
出するためのポート)93を備えている。
ーム56は、イオン化チャンバー58に入って電子衝撃
式イオン化領域90に流入し、イオン化領域90から被
分析イオンビーム91として放射される。イオン化チャ
ンバー58は、吸込みポート(外部ポンプにより吸引抽
出するためのポート)92を備えている。次いで、ビー
ム91は、分析チャンバー94に入って質量分析計96
に流入し、質量分析計96から被分析イオンビーム96
としてイオン検出器97に向けて放射される。分析チャ
ンバー94は、吸込みポート(外部ポンプにより吸引抽
出するためのポート)93を備えている。
【0019】図2を参照して説明すると、超音波ネブラ
イザー14は、後部分60と、後部分60にボルト64
によって固定されたネブライザー先端部62を備えてい
る。後部分60には、線端部62との間に挟まれるよう
に圧電式駆動(励振)素子66,68と電極70が取付
けられており、電極70に導電線72が接続されてい
る。上述したLC液体流10を導入する中央導管12を
有するチューブ74がネブライザーの後部分60を貫通
して挿通されており、チューブ74の先端は、ネブライ
ザー先端部62の中央螺条に螺合する螺条76を有して
いる。チューブ74は、LC液体流は、ネブライザー先
端部62内の導管78を通って流れその間に振動されて
液体表面80に毛管波を創生し、液滴即ち液体エアゾー
ル24を生成する。以下に本発明の具体例を説明する
が、これらは、本発明の制限するためのものではない。
イザー14は、後部分60と、後部分60にボルト64
によって固定されたネブライザー先端部62を備えてい
る。後部分60には、線端部62との間に挟まれるよう
に圧電式駆動(励振)素子66,68と電極70が取付
けられており、電極70に導電線72が接続されてい
る。上述したLC液体流10を導入する中央導管12を
有するチューブ74がネブライザーの後部分60を貫通
して挿通されており、チューブ74の先端は、ネブライ
ザー先端部62の中央螺条に螺合する螺条76を有して
いる。チューブ74は、LC液体流は、ネブライザー先
端部62内の導管78を通って流れその間に振動されて
液体表面80に毛管波を創生し、液滴即ち液体エアゾー
ル24を生成する。以下に本発明の具体例を説明する
が、これらは、本発明の制限するためのものではない。
【0020】具体例1 この例は、図1及び2を参照して説明する。長さ約15
mm、直径0.76mmの導管78を有するネブライザ
ー14を120Khz の周波数で振動させた。LC工程か
らの流出流に含まれる、2.5ngから400ngの範
囲で変化する量のロテノンを0.4mL/分の流量でネ
ブライザー14へ次々に注入した。このLC流出流は、
アセトニトリル(CH3 CN)と水(容量比90/1
0)の溶媒に溶解したロテノンを含有したものであっ
た。脱溶媒チャンバー32は、2.7L/分の流量で導
入されるヘリウムによって0.0703Kg/cm2
(1psi)の圧力と、66℃の温度に維持した。質量
分析系統の真空ポンプ即ち吸引ポンプは、チャンバー5
8と、チャンバー94との減圧度を相違させるように作
動させた。それによって、チャンバー58内の電子衝撃
式イオン化領域90を温度242℃、圧力2.0×10
-5Torrに維持し、チャンバー94内の質量分析器95を
圧力6.1×10-7Torrに維持した。
mm、直径0.76mmの導管78を有するネブライザ
ー14を120Khz の周波数で振動させた。LC工程か
らの流出流に含まれる、2.5ngから400ngの範
囲で変化する量のロテノンを0.4mL/分の流量でネ
ブライザー14へ次々に注入した。このLC流出流は、
アセトニトリル(CH3 CN)と水(容量比90/1
0)の溶媒に溶解したロテノンを含有したものであっ
た。脱溶媒チャンバー32は、2.7L/分の流量で導
入されるヘリウムによって0.0703Kg/cm2
(1psi)の圧力と、66℃の温度に維持した。質量
分析系統の真空ポンプ即ち吸引ポンプは、チャンバー5
8と、チャンバー94との減圧度を相違させるように作
動させた。それによって、チャンバー58内の電子衝撃
式イオン化領域90を温度242℃、圧力2.0×10
-5Torrに維持し、チャンバー94内の質量分析器95を
圧力6.1×10-7Torrに維持した。
【0021】次に、図1及び2と合わせて、図3,4を
も参照して説明する。図3,4のグラフは、本発明の装
置の感度及び直線性を示す。これらのグラフの縦軸は、
システムレスポンスの多少恣意的な尺度であるnAmp
(ナノアンペア)で表されている。ただし、実際の実施
においては、質量分析計は、完璧に校正することは極め
て困難であり、従って、外部基準に対してほとんど常時
校正される。従って、装置の感度の面で重要なことは、
背景ノイズに対して検出しうる最少限の量がどれくらい
であるかということである。図3,4から分かるよう
に、ロテノンの場合、本発明の装置で検出しうる最少限
の量は、約1ngである。
も参照して説明する。図3,4のグラフは、本発明の装
置の感度及び直線性を示す。これらのグラフの縦軸は、
システムレスポンスの多少恣意的な尺度であるnAmp
(ナノアンペア)で表されている。ただし、実際の実施
においては、質量分析計は、完璧に校正することは極め
て困難であり、従って、外部基準に対してほとんど常時
校正される。従って、装置の感度の面で重要なことは、
背景ノイズに対して検出しうる最少限の量がどれくらい
であるかということである。図3,4から分かるよう
に、ロテノンの場合、本発明の装置で検出しうる最少限
の量は、約1ngである。
【0022】図5は、流量の変化に対する本発明の装置
の相対不感受性を示す。ピーク1は、流量0.4mL/
分のLC流出液中に1333g/秒の流量で注入された
リヌロンに対するレスポンスである。ピーク2は、流量
0.1mL/分のLC流出液中に1333g/秒の流量
で注入されたリヌロンに対するレスポンスである。この
グラフから分かるように、ピーク1と2とでは、LC流
量は4倍もの差異があるにも拘らず、レスポンスの変化
は35%未満である。
の相対不感受性を示す。ピーク1は、流量0.4mL/
分のLC流出液中に1333g/秒の流量で注入された
リヌロンに対するレスポンスである。ピーク2は、流量
0.1mL/分のLC流出液中に1333g/秒の流量
で注入されたリヌロンに対するレスポンスである。この
グラフから分かるように、ピーク1と2とでは、LC流
量は4倍もの差異があるにも拘らず、レスポンスの変化
は35%未満である。
【0023】
【発明の効果】上述した本発明の分析方法及び装置は、
LCの移動相(即ち、液体サンプル)の組成及び流量の
変化に対するシステムレスポンス(応答)の感受性から
比較的独立している(移動相の組成及び流量の変化によ
って比較的影響されない)という利点を有する。このよ
うなシステムレスポンスの感受性からの独立即ち相対不
感受性は、移動相の組成及び流量の変化に対応してネブ
ライザーを最適化させる必要なしに得られる。更に、本
発明の装置は、微孔及び毛管式液体クロマトグラフィに
おける流量である50μLもの低い流量でも作動するこ
とができる。
LCの移動相(即ち、液体サンプル)の組成及び流量の
変化に対するシステムレスポンス(応答)の感受性から
比較的独立している(移動相の組成及び流量の変化によ
って比較的影響されない)という利点を有する。このよ
うなシステムレスポンスの感受性からの独立即ち相対不
感受性は、移動相の組成及び流量の変化に対応してネブ
ライザーを最適化させる必要なしに得られる。更に、本
発明の装置は、微孔及び毛管式液体クロマトグラフィに
おける流量である50μLもの低い流量でも作動するこ
とができる。
【0024】以上、本発明を実施例に関連して説明した
が、本発明は、ここに例示した実施例の構造及び形態に
限定されるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸
脱することなく、いろいろな実施形態が可能であり、い
ろいろな変更及び改変を加えることができることを理解
されたい。
が、本発明は、ここに例示した実施例の構造及び形態に
限定されるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸
脱することなく、いろいろな実施形態が可能であり、い
ろいろな変更及び改変を加えることができることを理解
されたい。
【図1】図1は、本発明の分析装置の概略図である。
【図2】図2は、図1の分析装置に使用される超音波ネ
ブライザーの詳細断面図である。
ブライザーの詳細断面図である。
【図3】図3は、2.5ngから400ngの範囲の一
連のロテノン注入に対するシステムレスポンスを示すグ
ラフである。
連のロテノン注入に対するシステムレスポンスを示すグ
ラフである。
【図4】図4は、図4のデータをプロットして得たグラ
フである。
フである。
【図5】図5は、LC流量の変化に対する本発明の装置
の相対不感受性を示すグラフである。
の相対不感受性を示すグラフである。
12:導管 14:超音波ネブライザー 16,20:充気室 18:導管 42:オリフィス 44,46:吸込みスキマー 48,50:オリフィス 58:イオン化チャンバー 90:電子衝撃式イオン化領域 94:分析チャンバー 95:質量分析器 97:イオン検出器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】かくして、ガス、溶媒蒸気及び固体粒子
は、脱溶媒チャンバー32からオリフィス32を通って
流出し、該オリフィスからジェットの形で噴出する。次
いで、このガス/溶媒蒸気/固体粒子ジェット流を一連
の円錐体状の吸込みスキマー(外部ポンプの作用により
吸引作用を与えられるスキマー即ち濾し器)44,46
を通して通流させる。このガス/溶媒蒸気/固体粒子ジ
ェット中のガスと溶媒蒸気の分子は、比較的高い拡散性
を有しているので、固体粒子よりも速くジェット流の軸
線に対して垂直方向に拡散する。スキマー44,46に
よってすくい取られた余剰ガス及び溶媒蒸気(及び若干
の固体粒子)は、外部ポンプ(図示せず)によりポート
52,54を通して抽出される。この工程によりジェッ
ト流中のガス/溶媒蒸気に対する固体粒子の密度が相対
的に高められる。残されたジェット流(大部分は固体粒
子)は、スキマー44,46の先端にあるオリフィス4
8,50を通って流れる。
は、脱溶媒チャンバー32からオリフィス32を通って
流出し、該オリフィスからジェットの形で噴出する。次
いで、このガス/溶媒蒸気/固体粒子ジェット流を一連
の円錐体状の吸込みスキマー(外部ポンプの作用により
吸引作用を与えられるスキマー即ち濾し器)44,46
を通して通流させる。このガス/溶媒蒸気/固体粒子ジ
ェット中のガスと溶媒蒸気の分子は、比較的高い拡散性
を有しているので、固体粒子よりも速くジェット流の軸
線に対して垂直方向に拡散する。スキマー44,46に
よってすくい取られた余剰ガス及び溶媒蒸気(及び若干
の固体粒子)は、外部ポンプ(図示せず)によりポート
52,54を通して抽出される。この工程によりジェッ
ト流中のガス/溶媒蒸気に対する固体粒子の密度が相対
的に高められる。残されたジェット流(大部分は固体粒
子)は、スキマー44,46の先端にあるオリフィス4
8,50を通って流れる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】次に、図1及び2と合わせて、図3,4を
も参照して説明する。図3,4のグラフは、本発明の装
置の感度及び直線性を示す。これらのグラフの縦軸は、
システムレスポンスの多少恣意的な尺度であるnAmp
(ナノアンペア)で表されている。ただし、実際の実施
においては、質量分析計は、完壁に校正することは極め
て困難であり、従って、外部基準に対してほとんど常時
校正される。従って、装置の感度の面で重要なことは、
背景ノイズに対して検出しうる最小限の量がどれくらい
であるかということである。図3,4から分かるよう
に、ロテノンの場合、本発明の装置で検出しうる最少限
の量は、約1ngである。詳述すれば、図3の右側のグ
ラフは、2.5ngの濃度を有するロテノンの注入に対
するレスポンスを示す。このグラフに示される信号/ノ
イズ比は、約1ngのサンブルの注入の検出を可能にす
るのに十分な感度を示している(即ち、図3に示される
ピークより約60%低いピークであっても、識別され
る。)換言すれば、ピークの高さが図3に示されるピー
クより約60%低いサンプルであっても、図3に示され
るベースラインノイズレベルから区別して検出すること
ができる。
も参照して説明する。図3,4のグラフは、本発明の装
置の感度及び直線性を示す。これらのグラフの縦軸は、
システムレスポンスの多少恣意的な尺度であるnAmp
(ナノアンペア)で表されている。ただし、実際の実施
においては、質量分析計は、完壁に校正することは極め
て困難であり、従って、外部基準に対してほとんど常時
校正される。従って、装置の感度の面で重要なことは、
背景ノイズに対して検出しうる最小限の量がどれくらい
であるかということである。図3,4から分かるよう
に、ロテノンの場合、本発明の装置で検出しうる最少限
の量は、約1ngである。詳述すれば、図3の右側のグ
ラフは、2.5ngの濃度を有するロテノンの注入に対
するレスポンスを示す。このグラフに示される信号/ノ
イズ比は、約1ngのサンブルの注入の検出を可能にす
るのに十分な感度を示している(即ち、図3に示される
ピークより約60%低いピークであっても、識別され
る。)換言すれば、ピークの高さが図3に示されるピー
クより約60%低いサンプルであっても、図3に示され
るベースラインノイズレベルから区別して検出すること
ができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】図5は、流量の変化に対する本発明の装置
の相対的不感受性を示す。ピーク1は、流量0.4mL
/分のLC流出液中に1333g/秒の流量で注入され
たリヌロンに対するレスポンスである。ピーク2は、流
量0.1mL/分のLC流出液中に1333g/秒の流
量で注入されたリヌロンに対するレスポンスである。こ
のグラフから分かるように、ピーク1の平均高さ(レス
ポンス)は約30単位であり、ピーク2の平均高さ(レ
スポンス)は約42単位であるから、ピーク1と2とで
は、LC流量は4倍もの差異があるにも拘らず、レスポ
ンスの変化は35%未満である。
の相対的不感受性を示す。ピーク1は、流量0.4mL
/分のLC流出液中に1333g/秒の流量で注入され
たリヌロンに対するレスポンスである。ピーク2は、流
量0.1mL/分のLC流出液中に1333g/秒の流
量で注入されたリヌロンに対するレスポンスである。こ
のグラフから分かるように、ピーク1の平均高さ(レス
ポンス)は約30単位であり、ピーク2の平均高さ(レ
スポンス)は約42単位であるから、ピーク1と2とで
は、LC流量は4倍もの差異があるにも拘らず、レスポ
ンスの変化は35%未満である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スティーブン・シー・ガベラー アメリカ合衆国マサチューセッツ州サドベ リ、モスマン・ロード28
Claims (8)
- 【請求項1】液体サンプルを分析するための装置であっ
て、 液体サンプル中に毛管波を創生し該毛管波を破砕して液
体エアゾールを生成するために約50Khz 〜760Khz
の周波数で振動することができる超音波ネブライザー
と、液体エアゾールに変換すべき液体サンプルを前記ネ
ブライザー内へ軸線方向に導入するための導入手段と、 該ネブライザーによって変換された前記液体エアゾール
の溶媒を該液体エアゾールを囲繞する加熱ガス流で蒸発
させることによって該液体エアゾールを固体エアゾール
に変換するための変換手段と、 前記蒸発せしめられた溶媒から前記固体エアゾールを分
離するための分離手段と、 該分離せしめられた固体エアゾールを分析するための分
析手段と、から成る分析装置。 - 【請求項2】前記液体サンプルは、液体クロマトグラフ
ィカラムからの流出液であることを特徴とする請求項1
に記載の分析装置。 - 【請求項3】前記分析手段は、質量分析計から成るもの
であることを特徴とする請求項1に記載の分析装置。 - 【請求項4】液体サンプルを分析するための方法であっ
て、 液体サンプルを超音波ネブライザー内へ軸線方向に導入
し、該ネブライザーを振動させて該液体サンプル中に毛
管波を創生し該毛管波を破砕して液体エアゾールを生成
し、 該液体エアゾールを囲繞する加熱ガス流により該液体エ
アゾールを加熱して液体エアゾールの溶媒を蒸発させ、
それによって該液体エアゾールを固体エアゾールに変換
し、 前記蒸発せしめられた溶媒を前記固体エアゾールから分
離し、 該固体エアゾールを分析することから成る分析方法。 - 【請求項5】前記液体サンプルは、液体クロマトグラフ
ィカラムで生成されたものであることを特徴とする請求
項4に記載の分析方法。 - 【請求項6】前記固体エアゾールを質量分析法によって
分析することを特徴とする請求項4に記載の分析方法。 - 【請求項7】前記固体エアゾールを分析する前に該固体
エアゾールより大きい液体粒子を捕捉するための捕捉手
段を含むことを特徴とする請求項1に記載の分析装置。 - 【請求項8】前記固体エアゾールを分析する前に該固体
エアゾールより大きい液体粒子を捕捉するための捕捉手
段を含むことを特徴とする請求項2に記載の分析装置。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US69470391A | 1991-05-02 | 1991-05-02 | |
US694703 | 1991-05-02 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05180802A true JPH05180802A (ja) | 1993-07-23 |
Family
ID=24789935
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4137625A Pending JPH05180802A (ja) | 1991-05-02 | 1992-05-01 | 液体サンプルを分析するための方法及び装置 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0512394B1 (ja) |
JP (1) | JPH05180802A (ja) |
DE (1) | DE69217703T2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1255986A1 (en) * | 2000-02-18 | 2002-11-13 | Evotec OAI AG | An end element for capillaries or chip channels |
DE102005018523B3 (de) * | 2005-04-20 | 2006-08-24 | Institut für Ostseeforschung Warnemünde | Verfahren und Vorrichtung zum Austreiben von Gasen und leichtflüchtigen Substanzen aus Wasser nach dem Purge-and-Trap Verfahren |
WO2007070957A1 (en) * | 2005-12-21 | 2007-06-28 | Monash University | Process and apparatus for generating particles |
DE102010017137A1 (de) * | 2010-05-28 | 2011-12-01 | Rwth Aachen | Verfahren zum Trennen von Partikeln |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5991360A (ja) * | 1982-11-17 | 1984-05-26 | Hitachi Ltd | 液体クロマトグラフと質量分析計とを結合した分析装置 |
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