JP4151592B2 - 質量分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、イオンの噴霧方向が安定である液体試料用イオン源を用いた質量分析装置に関する。
質量分析では、液体試料を分析対象とする場合が少なくない。例えば、液体クロマトグラフ質量分析装置(LCMS)では、溶液中に含まれる試料成分を液体クロマトグラフの手法により分離し、分離された成分を、順次、質量分析装置に送り込んで、質量分析を行う。
液体試料の質量分析を行う場合には、分析に必要なイオンを生成するイオン源として、アシストガス(ネブライズガス)を利用した液体試料用イオン源が用いられている。アシストガスは、送液管から噴出する液体試料に対し、送液管の周囲から平行に吹き付けるガスのことであり、液体試料の微粒化、輸送、乾燥、(場合によっては帯電)を行うガスである。
一般に、液体試料用イオン源は、略大気圧下でアシストガスを利用してイオン化を行い、高真空状態に維持された質量分析器本体にイオンを導くことにより、質量分析が行われる。
図6は、アシストガスを利用してイオン化を行う質量分析装置の概略構成を示す図である。質量分析装置10は、略大気圧下にてイオンを発生させるイオン源41と、真空チャンバー12内に設けられる質量分析器本体13とから構成される。
イオン源41は、主に、気体輸送管14と送液管15とから構成される。気体輸送管14は、中央部分が円筒形状をしており、先端部分がテーバー状に仕上げられている。イオン源41先端のテーバー部分の中心には、アシストガスを噴出するための噴出口16を有する送気流路17が形成されている。気体輸送管14の側面には、アシストガスを送気流路17に供給するためのガス入口18およびガス供給流路19が形成され、送気流路17とガス供給流路19とが気体輸送管14内で連通している。
送気流路17の内側には、送液管15が気体輸送管14に対して二重管構造となるように取り付けてある。送液管15は、気体輸送管14の後端側に形成した孔20を貫通し、外部において液体試料の供給源(例えばLCMSの場合は液体クロマトグラフ装置)に接続される。また、送液管15の先端は、噴出口16近傍(噴出口16よりわずかに突出した位置)にくるようにしてある。
送液管15内の送液流路21を流れた液体試料は、送気流路17の噴出口16に送られる。噴出口16では、送気流路17を流れるアシストガスの流れに導かれて、送液流路21の先端に存在する液体試料が噴霧される。このとき、液体試料が微粒化、乾燥しながら噴霧される。これにより、液体試料がスプレー状となって、真空チャンバー13の壁面に形成された細孔22に向かうようになる。このように噴出口16から液体試料をスプレー状に噴霧することになるので、噴出口16は試料を噴霧するスプレーノズルとして機能する。
細孔22を通過した試料は、質量分析器本体13を通過して検出され、質量分析が行われる。質量分析器本体13には、四重極、イオントラップなど分析目的に応じていろいろな検出法が用いられる。
アシストガスを用いるイオン源には、いくつかの種類がある。図7は、従来からのアシストガスを用いるイオン源の例を示す図である。
図7(a)はエレクロトスプレー法を用いたイオン源である。これは送液管15に高電圧電源25を接続して高電位を印加することにより、送液管15の先端で液体試料を帯電し、さらに帯電した液体試料を電位勾配で引くことにより、噴出口16の前方に向けて噴霧するようにしたものである。噴霧された試料液滴は、乾燥や自らの電荷の反発力によってさらに小さな液滴となり、最後にはイオンとなる。なお、エレクトロスプレー法によるイオン化では、原理上はアシストガスを必ずしも必要としないが、実際の使用条件においては、送液量が多い場合に噴霧や乾燥を促進する必要があるので、送気流路17内に送液管15を取り付け、送気流路17からのアシストガスと送液管15からの液体試料とを同時に供給している。
図7(b)は、ソニックスプレー法を用いたイオン源である。これは送液管15に高電圧を印加せずに送液管15から噴出する液滴(液体試料)と送気流路17から噴出するアシストガスとの摩擦により、液体試料21を帯電させイオン化する。
図7(c)は、大気圧化学イオン化法を用いたイオン源である。これは送液流路21を流れる液体試料をヒータ26で加熱し気化試料して噴出し、さらにヒータ26で加熱したアシストガスを送気流路17から噴出することで気化試料を乾燥させる。そして、この乾燥した気化試料に対して、高圧電源25により高電圧が印加された針状高圧電極27によって放電を与えることにより、イオン化を行う。
図7(d)は、大気圧光イオン化法を用いたイオン源である。これは、図7(c)の高圧電極27の代わりに、励起光源28から励起光29を照射することにより、イオン化する。
ところで、送気流路17内に送液管15を挿入した構造のイオン源41では、図8に示すように、送液管15は、気体輸送管14の後端側に形成した孔20の位置で片持ち状態で支持されているだけである。したがって、送液管15の自重、送液管15自体の直線性の悪さ、さらには、アシストガスの不均一な流れの影響で、気体輸送管14の送気流路17に対して、送液管15と送気流路17との同軸性が維持できず、送気流路17の中心軸に対する送液管15の中心軸の位置が偏心してしまうことがある。
この場合、噴出口16から噴霧されたスプレーガス中のイオンの進行方向は、細孔22の中心からずれてしまい、イオンの密度分布に歪が生じる。その結果、細孔22を通過するイオン量が減少し、質量分析器本体13が検出する信号強度が小さくなり、質量分析の感度が悪くなる。
このような場合、従来からなされている最も簡単な対処方法は、細孔22と噴出口16との位置関係を手動で調整しながら検出感度が最大となる最適位置を見つける方法である。
また、送液管15と送気流路17との間の同軸性を維持するための別の方法として、気体輸送管14と送液管15とを、送気流路17内でブッシュ31を用いて嵌め合いにより、支持しておく方法もある。
図9(a)は、送気流路17内でブッシュ31を用いて送液管17を嵌め合いにより支持したイオン源42の先端近傍の構成を示す図であり、図9(b)はそのA−A’断面である。
気体輸送管14の送気流路17内壁面とブッシュ31の外周面とは、わずかな隙間(例えば5μm程度の隙間)を設けて嵌め合わされている。ブッシュ31の中心には送液管15を貫通するための孔32が形成され、この孔32の内周面と送液管15の外周面との間も、わずかな隙間(例えば5μm程度の隙間)を設けて嵌め合わされている。これらの隙間を設けているのは、洗浄などのメンテナンス作業を行う際に、送気流路17から送液管15やブッシュ31を取り外すために必要となるからである。
加工の観点から言い換えると、これらの隙間は、JISB0401で定められるところの、「しまりばめ」ではなく、「すきまばめ」を用いていることを意味する。
なお、ブッシュ31には、孔32とは別に、アシストガスを通過させるための溝33(あるいは溝33ではなくガス通過孔でもよい)が形成されている。
さらにまた、気体輸送管14の送気流路17の中心軸と送液管15の中心軸との間の同軸性を維持するための別の方法として、送液管15の周りを、多数の同形の気体輸送管33で取り囲むようにして、これらの気体輸送管33からアシストガスを供給する方法が開示されている(特許文献1参照)。
図10(a)は、送液管15の周囲に複数の同形の気体輸送管33を設けてアシストガスを供給するイオン源43の先端近傍の構成を示す図であり、図10(b)はそのB−B’断面図である。
特表2003−517576号公報
送気流路17の中心軸と送液管15の中心軸との同軸性が崩れて、送液管15が偏心した場合の対策として先に説明した3つの対処方法はそれぞれ、以下のような問題がある。
まず、細孔22とノズル24との位置関係を手動で調整する方法では、調整作業が非常に面倒である。また、調整具合が不十分であれば、質量分析の再現性が十分に得られないおそれもある。
また、図9に示した送液管15をブッシュ31で支持する方法では、送気流路17内壁面に対するブッシュ31の位置決め、ブッシュ31の孔32の内周面に対する送液管17の位置決めは、嵌め合いにより行われている。しかしながら、嵌め合いによる位置決めでは、原理上、嵌め合い部分に最低源必要な隙間が存在するため、どうしてもこの隙間程度の位置ずれ、不安定性さが発生してしまうこととなる。
すなわち、送気流路17内壁面に対するブッシュ31外周面間の隙間、ブッシュ31の孔32の内周面に対する送液管17外周面の隙間の和の程度の位置ずれ(最低でも5μmから10μm程度の位置ずれ)が発生することになる。この位置ずれ量は、気体輸送管14と送液管15との隙間(すなわち送気流路17内面と送液管15外周面との距離)に対して、無視できない値であり、イオン密度の変化にともなう質量分析器での検出信号の減少や不安定性の発生につながる。
また、図10に示した方法、すなわち、送液管15の周りを多数の同形の気体輸送管33で取り囲むようにして、これらの気体輸送管33からアシストガスを供給する方法では、送液管15の出口と気体輸送管33の出口との間に、気体輸送管33の肉厚分だけの距離が余分に生じることになる。このため、送液管15先端の試料液体に作用するアシストガス量が減り、アシストガスによる液せん断力が著しく減少することになる。その結果、液体試料の噴霧が不完全となって、液体試料の微粒化、輸送、乾燥が促進されず、質量分析のためのイオン化が不十分となって検出信号の減少につながる。あるいは、イオンの不足分を補うため、強制的にイオン化を促進するようアシストガス流量を増大する必要がある。
そこで、本発明は、アシストガスを送る送気流路と液体試料を送る送液管との同軸性を維持し、送液流路に対する送液管の位置ずれが生じにくい構造のイオン源を備えた質量分析装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の質量分析装置は、イオン源により液体試料をイオン化して質量分析を行う質量分析装置であって、イオン源は、気体輸送管と送液管とを有し、気体輸送管は、先端に噴出口が形成されるとともに、噴出口にアシストガスを送る送気流路が形成され、さらに噴出口近傍の送気流路内面に、噴出口側の径が小さくなるテーパー面が形成され、送液管は、送気流路内に挿入されるとともに、送液管の先端が噴出口近傍に配置され、送気流路内面と送液管外周面との間に少なくとも3個の同形の球体が挿入され、球体をテーパー面に押し付ける押圧機構を備えるようにしている。
ここで、球体どうしは、送気流路内で互いに接するように挿入するのが好ましい。
また、球体の径は、噴出口の径より大きくしてもよい。
また、押圧機構は、付勢部材を介して球体をテーパー面に押し付けるようにしてもよい。
また、球体が送液管に接する位置から送液管の先端までの距離が、送液管の最大径の30倍以下であるようにしてもよい。
本発明の質量分析装置によれば、イオン源には、アシストガスが流れる送気流路を形成した気体輸送管と、気体輸送管の送気流路内に配置される送液管とが含まれる。気体輸送管は、先端に噴出口を有し、送気流路から噴出口に向けてアシストガスが送られる。この噴出口近傍の送気流路内面には、噴出口側の径が小さくなるテーパー面が形成されている。
そして、送気流路内面と送液管外周面との間には少なくとも3個の同形の球体が挿入される。押圧機構により球体をテーパー面に押し付けると、球体はそれぞれ、テーパー面に沿って噴出口側に寄るとともに、テーパー面に沿って送液管側に寄り、送液管をテーパー面の中心、すなわち、送気流路の軸中心に導くように押す力が働くようになる。
したがって、送液管は3つ以上の球体からの押圧力により送気流路の中心に位置決めされる。球体とテーパー面、球体と送液管外周面との間は直接接しており、嵌め合いのときのような隙間は生じない。それゆえ、送液管を精度よく、送気流路の軸中心に導くことができ、気体輸送管と送液管とは、同軸性に優れた二重管を形成することができる。
ここで、球体どうしが、送気流路内で互いに接するように挿入すれば、球体と球体との隙間が軸対称になるので、アシストガスの不均一な流れが発生することを低減することができる。
また、球体の径が噴出口の径より大きくなるようにすれば、球体が噴出口から転がりでることがなくなるので、洗浄等のメンテナンスの際に、誤って球体が噴出口から飛び出て紛失することがなくなる。
また、付勢部材を介して球体をテーパー面に押し付ける押圧機構にすれば、メンテナンスの際に、作業者が押圧機構の付勢力に抗する力を加えることにより、押圧機構を取り外すことなく、比較的容易に送液管を取り外すことが可能になる。
また、球体が送液管に接する位置から送液管の先端までの距離が、送液管の最大径の30倍以下であるようにすれば、送液管の太さに限らず、送液管の同軸性を維持することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態である質量分析装置のイオン源の先端部分の構成を説明する図である。なお、図6で説明したものと同じものは、同符号を付すことにより説明を一部省略する。また、イオン源の後端側は、図示を省略するが、イオン源の先端側と着脱可能にしてあり、後述するイオン源内部の押さえ部材を調整することができるようにしてある。例えば、分離面がシール部材で密閉されるようにしたフランジ機構でイオン源の先端側と後端側とを接続している。それ以外は基本的に図5の従来例の後端側と同様の構造である。
この質量分析装置10は、略大気圧下に置かれるイオン源11と、真空チャンバー12内に置かれる質量分析器本体13とから構成される。
イオン源11は、図6の従来例と同様に、送気流路17が形成される気体輸送管14と、送気流路17内に挿入される送液管15とを有している。
そして、気体輸送管14には、送気流路17が形成されている。噴出口16近傍の送気流路17内面には、噴出口16に近づくにつれて先細となるテーパー面5が形成されている。このテーパー面5は旋盤加工で形成され、テーパー面5の中心軸が送気流路17の中心軸と一致するようにしてある。また、送気流路17の内周面には、同じく旋盤によるねじ加工が施されてねじ溝6が形成され、後述する押さえ部材4がねじ止めされるようにしてある。
送気流路17内には、送液管15の外周面と送気流路17内面との間に、例えば6個の同形の球体2(球体の数や大きさについては後述する)が挿入されている。また、球体2の後側には、球体2をテーパー面5に押し当てるための円筒状の押圧部材3が挿入され、さらにその後側には、押圧部材3を固定するための押さえ部材4が挿入されている。押さえ部材4には、ねじ加工が施されており、上述した送気流路17内周面のねじ溝6に結合してある。
次に、イオン源11での送液管15の取り付けについて説明する。
球体2および押圧部材3を送気流路17内に入れた状態で、送液管15を挿入し、送液管15の先端が噴出口16にくるようにする。このとき送液管15の先端が、噴出口16からわずかに突出する位置にするのが好ましい。特に、エクトロスプレー等(図7)のように送液管に電圧が印加される場合には突出させることにより、電界が端部分に集中するようにする。
続いて、押さえ部材4をねじ込むことにより、押圧部材3で球体2をテーパー面5に押し付ける。このとき球体2は、押圧部材3により噴出口16側に寄るとともに、テーパー面5の中心側に寄るようになり、送液管15の中心軸をテーパー面5の中心、すなわち送気流路17の中心軸に導くようになる。送気流路17内の6個の同形の球体2のそれぞれが均等に、送液管15を送気流路17の中心軸に導くように動くので、送液管15は送気流路17の中心にくる。これにより、送気流路17と送液管15とは同軸性が維持されるようになる。
次に、変形実施形態について説明する。図2の実施形態では、図1における押圧部材3と押さえ部材4との間にバネ7を取り付けている。
これによれば、バネ7は押圧部材3を介して、球体2をテーパー面に押し付ける力を与えている。図1の場合と同様に、球体2は、押圧部材3により噴出口16側に寄るとともに、テーパー面5の中心側に寄るようになり、送液管15を送気流路17の中心軸に導くようになる。
送気流路17内の6個の同形の球体2のそれぞれが均等に、送液管15を送気流路17の中心軸に導くように動くので、送液管15は送気流路17の中心にくる。これにより、送気流路17と送液管15とは同軸性が維持されるようになる。
しかも、洗浄や交換作業で送液管15を取り外すときは、ばね7の付勢力に抗する力を加えることにより、押さえ部材4を緩めることなく、簡単に取り外すことができる。
(球体の数と大きさ)
つぎに、送気流路17に挿入する球体2の数と大きさについて説明する。送気流路17内の球体2は、なるべく球体2どうしの間に隙間ができないよう、送液管15と球体2の直径を選ぶのが好ましい。球体2どうしの隙間が不均一であっても、ガスが拡散することによりアシストガスの流れがある程度は均一化するが、それでもアシストガスの流れの軸対称性が悪くなり、噴霧形状の悪化を招く可能性があるからである。
また、球体2の数は少なくとも3個以上であれば、原理的には送液管15を送液流路17の中心に同軸的に固定することが可能である。ただし、噴出口16からの噴霧形状を良好にするために、球体2どうしの間に隙間がないようにしようとする場合、球体2の数を減らすと極端に気体輸送管14のサイズが大きくなってしまう。例えば図3に示すように、球体2の数が6個の場合は、送液管15と同径にすればよいが、球体2の数が4個、3個と減るにつれて、球体を大きくする必要が生じる。それゆえ、もし、イオン源11の大きさに制限がある場合は、球体2の数を多くする必要が生じることになる。送液管15の太さとのバランスを考慮すると、通常は、球体2の数を4〜6個程度にするのが好ましい。
また、送液管15は、放電などによる損傷や穴詰まりなどでメンテナンス作業が必要になることがある。この場合、押さえ部材4(図1参照)を緩め、押圧部材3が球体2を押し付ける力を弱めてから送液管15を抜くことになるが、図4(a)(b)に示すように、球体2の直径が噴出口16よりも小さいと、送液管15を抜いたときに球体2が噴出口16から飛び出してしまうことになり、メンテナンスの際に紛失するおそれがある。
そのため、図4(c)(d)に示すように、球体2の大きさを噴出口16より大きくして、球体2が噴出口16から飛び出さないようにすることで、メンテナンスの際に誤って紛失するおそれを低減することができる。
(噴出口と球体との位置関係)
送液管15では、球体2の送液管15における支持位置が、噴出口16先端から離れるにつれて、撓み等により同軸性が崩れるようになる。そのため、球体2は、噴出口16の近傍である必要がある。支持位置の許容範囲は、図5(a)に示すように、送液管15の径をaとした場合、送液管15の先端から30a以内程度であれば、同軸性は問題とならない。
なお、送液管15が先細りのテーパー形状になっている場合であれば、最大径部分(すなわち球体2が支持される位置)の30a以内であればよい。
一方、球体2の支持位置が噴出口16に近いほど同軸性は良好になるので、加工が可能でかつ機械的な強度が維持できる範囲で、噴出口16部分の肉厚を薄くして球体2を先端に近づければよい。
本発明は、質量分析装置のイオン源に利用することができる。
本発明の一実施形態である質量分析装置のイオン源先端部分の構成を示す図。 本発明の他の一実施形態である質量分析装置のイオン源先端部分の構成を示す図。 送液管内の球体の配置状態を説明する図。 送液管内の球体の位置と送液管の先端との距離関係を説明する図。 送液管内の球体の大きさと噴出口との関係を説明する図。 従来からの質量分析装置のイオン源先端部分の構成を示す図。 従来からのイオン源の種類を説明する図。 イオン源先端部分の送液管の偏心状態を説明する図。 従来からのイオン源先端部分の構成を示す図。 従来からのイオン源先端部分の構成を示す図。
符号の説明
2 球体
3 押圧部材
4 押さえ部材
5 テーパー面
6 ねじ溝
7 ばね
11 イオン源
12 真空チャンバー
13 質量分析器
14 気体輸送管
15 送液管
16 噴出口
17 送気流路
21 送液流路
22 細孔

Claims (5)

  1. イオン源により液体試料をイオン化して質量分析を行う質量分析装置であって、イオン源は、気体輸送管と送液管とを有し、
    気体輸送管は、先端に噴出口が形成されるとともに、噴出口にアシストガスを送る送気流路が形成され、さらに噴出口近傍の送気流路内面に、噴出口側の径が小さくなるテーパー面が形成され、
    送液管は、送気流路内に挿入されるとともに、送液管の先端が噴出口近傍に配置され、
    送気流路内面と送液管外周面との間に少なくとも3個の同形の球体が挿入され、
    球体をテーパー面に押し付ける押圧機構を備えたことを特徴とする質量分析装置。
  2. 球体どうしが互いに接するように挿入されることを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置。
  3. 球体の径が、噴出口の径より大きいことを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置。
  4. 押圧機構は、付勢部材を介して球体をテーパー面に押し付けることを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置。
  5. 球体が送液管に接する位置から送液管の先端までの距離が、送液管の最大径の30倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の質量分析装置。
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