JPH0980808A - 静電潜像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

静電潜像現像用トナーの製造方法

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JPH0980808A
JPH0980808A JP7238198A JP23819895A JPH0980808A JP H0980808 A JPH0980808 A JP H0980808A JP 7238198 A JP7238198 A JP 7238198A JP 23819895 A JP23819895 A JP 23819895A JP H0980808 A JPH0980808 A JP H0980808A
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JP
Japan
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particles
toner
mixture
electrostatic latent
latent image
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JP7238198A
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Masahiro Yasuno
政裕 安野
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Minolta Co Ltd
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小粒径トナー粒子表面に荷電制御剤等の改質
粒子を確実に付着固定させ、クリーニング性均一荷電性
に優れ、カブリ等のノイズのない高品質の画像を形成で
き、かつ耐久性のある静電潜像現像用トナーを生産性よ
く製造する。 【解決手段】 少なくともバインダー樹脂を含有してな
るトナー組成物粗粒子と表面改質粒子とを混合する工程
と、得られた混合物をジェット気流を利用した粉砕機に
より粉砕することにより中間粉砕粒子と表面改質粒子と
の混合物を得る工程と、得られた混合物を、内周面に多
数の溝を有する外筒体と外周面に多数の溝を有する内円
筒体とを有しており、相対的に回転する外筒体と内円筒
体との最短間隙が0.5〜10mmである機械式粉砕機
を用いて、粉砕するとともに粉砕粒子表面に表面改質粒
子を固定する工程とからなることを特徴とする静電潜像
現像用トナーの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面に表面改質粒
子、特に荷電制御剤が付着固定している静電潜像現像用
トナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、トナーの製法として粉砕法が
よく用いられている。粉砕法は、結着樹脂、着色剤等を
溶融混練し、この混練物を粉砕、分級することにより行
われている。
【0003】近年、電子写真方式による複写機あるいは
プリンター等の分野において高画質化が要求されてい
る。この要求を満たすべく、トナーの小粒径化が活発に
検討されている。
【0004】粉砕法により小粒径のトナーを効率よく製
造するために、例えば、特開平5−313414号公報
に、混練物を機械式粉砕機により平均粒径15〜100
μmに中粉砕した後、ジェット粉砕機により微粉砕する
技術が開示されている。
【0005】また、粉砕法に比べて簡単にトナーの小粒
径化に対応できる技術として、重合性モノマー、着色剤
およびその他の添加剤を水系媒体中に懸濁分散させ、分
散粒子中のモノマーを重合させることによりトナー粒子
を得る懸濁重合法等の湿式造粒法が知られている。
【0006】このように湿式造粒法によれば小粒径のト
ナーを得ることができるが、トナー粒子の形状が球形に
なってしまうためブレードによるクリーニング性が低下
するという問題がある。
【0007】このような問題を解決する技術として、例
えば、懸濁重合法により得られた粒子を熱凝集させ、こ
の凝集物を乾燥後粉砕機により解砕して不定形の小粒径
トナーを製造する技術が特開平2−273757号に記
載されている。
【0008】また、トナーの荷電性の制御の面でも難し
さがある。この理由については定かではないが、トナー
粒子表面に残存している界面活性剤や重合触媒等の不純
物がトナーの荷電に対して影響を及ぼす要因になってい
ると考えられている。
【0009】トナーの荷電性の制御は、通常トナー中に
荷電制御剤を分散させることにより行われていたが、ト
ナーが小粒径化されると各トナー粒子に均一な荷電表面
を付与すること、即ち各トナー粒子毎の荷電制御剤の含
有量並びに表面露出量を均一に制御することが困難にな
り、トナーの帯電量の分布がブロードになって均一な荷
電性が得られないという問題が生じた。
【0010】トナーの荷電性を向上させる技術として、
特開昭62−209541号公報に、トナー粒子表面に
荷電制御剤を埋め込んで得られたトナーが記載されてい
る。しかし、この技術においては、所望の粒径トナー粒
子を調整した後でトナー粒子と荷電制御剤を混合し、さ
らに表面改質処理を行っているため製造工程が増加して
しまう。さらに、荷電制御剤等の表面改質粒子を表面処
理する場合には、被処理粒子に対して表面改質粒子を均
一に混合分散させた後で処理する必要があるが、荷電制
御剤等の表面改質粒子は凝集性が強いため被処理粒子に
単に混合しただけでは均一な処理が困難であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたものであり、小粒径トナー粒子表面に荷電制
御剤等の改質粒子を確実に付着固定させ、クリーニング
性均一荷電性に優れ、カブリ等のノイズのない高品質の
画像を形成でき、かつ耐久性のある静電潜像現像用トナ
ーを生産性よく製造する方法を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は少な
くともバインダー樹脂を含有してなるトナー組成物粗粒
子と表面改質粒子とを混合する工程と、得られた混合物
をジェット気流を利用した粉砕機により粉砕することに
より中間粉砕粒子と表面改質粒子との混合物を得る工程
と、得られた混合物を、内周面に多数の溝を有する外筒
体と外周面に多数の溝を有する内円筒体とを有してお
り、相対的に回転する外筒体と内円筒体との最短間隙が
0.5〜10mmである機械式粉砕機を用いて、粉砕す
るとともに粉砕粒子表面に表面改質粒子を固定する工程
とからなることを特徴とする静電潜像現像用トナーの製
造方法に関する。
【0013】本発明の製造方法においては、まず少なく
ともバインター樹脂を含有してなるトナー組成物粗粒子
を製造する。トナー組成物粗粒子は、(1)少なくとも結
着樹脂および着色剤等の所望の添加剤を混合、混練し、
得られた混練物を体積平均粒径50〜2000μm、好
ましくは50〜1000μmの粒子に粗粉砕する方法、
(2)懸濁重合法、乳化分散法等の湿式造粒法により体積
平均粒径4〜10μmの着色樹脂粒子を体積平均粒径5
0〜500μm、好ましくは100〜400μmに凝集
させた後乾燥する方法等により得ることができる。
【0014】なお、このような粗粒子から最終的に目的
とするトナー粒子の体積平均粒径は4〜9μmである。
【0015】上記(1)の混練粉砕法よりトナー組成物粗
粒子を作製する場合、粗粉砕するのに使用する粉砕機
は、混練物を50〜2000μmに粉砕可能なものであ
ればいずれの粉砕機でも使用可能であり、ハンマーミ
ル、フェザーミル等の粉砕機、ジェット粉砕機、および
後述する機械式粉砕機、その他の適当な粉砕機等種々の
粉砕機を使用可能である。
【0016】上記(2)の湿式中で造粒凝集して乾燥する
ことによりトナー組成物粗粒子を作製する場合、公知の
湿式造粒法のいずれを用いることもでき、懸濁重合法や
乳化重合法などの重合過程を含むものであっても、ある
いは懸濁法や乳化分散法などの重合過程を含まない造粒
法であってもよい。
【0017】懸濁重合法による場合は、スチレン、アル
キルメタクリレート、メタクリル酸等、結着剤としての
樹脂成分を形成し得る重合性モノマー、重合開始剤並び
に着色剤およびその他の添加剤を成分とする重合組成物
を非溶媒系媒体中に懸濁し、重合することで造粒を行
う。
【0018】また、乳化重合法による場合は、一般的な
乳化重合によっては、粒径分布は良好であるが極めて微
小な粒子しか得られないため、シード重合法として知ら
れる方法を用いることが好ましい。すなわち、重合性モ
ノマーの一部と重合開始剤を水系媒体あるいは乳化剤を
添加してなる水系媒体中に添加して撹拌乳化し、その
後、重合性モノマー残部を徐々に滴下して微小な粒子を
得、この粒子を種として着色剤およびその他の添加剤を
含む重合性モノマー液滴中で重合を行うものである。
【0019】この他、重合過程を含む湿式造粒法として
は、ソープフリー乳化重合法、マイクロカプセル法(界
面重合法、in-situ重合法等)、非水分散重合法などが知
られている。
【0020】また、重合過程を含まない懸濁法による場
合は、ポリエステル樹脂、スチレン−ブチルメタクリレ
ート樹脂等の結着剤としての樹脂成分に着色剤およびそ
の他の添加剤を配合して溶融し、これを非溶媒系媒体中
に懸濁して造粒を行う。また乳化分散法による場合は、
結着樹脂に着色剤およびその他の添加剤を配合した混合
物を有機溶剤に溶解し、この溶液を水系媒体中に乳化分
散して造粒を行う。
【0021】このようにして湿式中で造粒されるトナー
粒子の体積平均粒径(以下、平均粒径と略す)は、4〜1
0μm、好ましくは5〜9μmであることが望ましい。
本発明の製造方法においては、このように液状媒体中に
おいてトナー粒子(「トナー母材」という)を造粒した後
に、得られたトナー母材に対し、水不溶性の有機ないし
無機微粒子を添加してもよい。このような粒子を添加す
ることにより、好ましい大きさの凝集物を安定して得る
ことができ、融着操作も安定して行うことができる。し
かもその後の解砕性を著しく向上させる。もちろん無
機、有機微粒子のもつ特性が最終トナー粒子に付与され
る。
【0022】この場合の有機ないし無機微粒子として
は、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、樹脂微粒子
等の流動化剤、磁性粒子、オフセット防止剤、荷電制御
剤、クリーニング助剤などのトナーに一般的に使用され
ている粒子を単独あるいは複数使用することができる。
これらのなかでも、凝集物の安定した調製、解砕の関点
からは、疎水性シリカ、疎水性チタニア、樹脂微粒子等
の流動化剤を凝集物調製の段階で添加することが好まし
い。
【0023】所望により有機ないし無機微粒子を添加し
た後、トナー母材を凝集させる。凝集に際しては、公知
の凝集剤、例えば塩酸等の無機塩、シュウ酸等の有機
酸、これらの酸とアルカリ土類金属、アルミニウム等か
らなる水溶性金属塩等を用いてもよい。ただし、これら
の凝集剤はトナー性能に影響を及ぼす場合があるので、
その使用には注意を要する。
【0024】トナー母材を凝集させる方法としては、い
くつかの態様が考えられる。例えば乾燥工程に先立
ち、トナー母材および所望により前記有機または無機微
粒子を分散させた液状媒体を加熱処理(例えば、トナー
母材中に含まれる樹脂のガラス転移温度(Tg)以上で、
かつ液状媒体の沸点以下の温度で加熱)する、乾燥工
程に先立ち、前記樹脂に対し溶解性ないしは膨潤性を示
す非水溶剤を含有する溶液を前記有機または無機微粒子
を所望により表面に付着させたトナー母材に接触させる
等の方法がある。
【0025】前記有機または無機微粒子を所望により
表面に付着させた乾燥トナー母材を加熱処理(トナー母
材中に含まれる樹脂のガラス転移温度(Tg)以上でかつ
軟化温度(Tm)+60℃以下の温度)する、または前
記有機または無機微粒子を所望により表面に付着させた
乾燥トナー母材をトナー母材に含まれる樹脂成分に対
し、溶解性ないしは膨潤性を示す非水溶剤を含有する溶
液と接触させたのち、再度乾燥を行うなどの方法があ
る。
【0026】さらに乾燥工程における温度および圧力
のいずれかあるいは双方を一般的な乾燥条件よりもある
程度高く設定する、または乾燥工程において、前記ト
ナー母材に含まれる樹脂成分に対し溶解性ないしは膨潤
性を示す非水溶剤を含有する溶液をトナー母材と接触さ
せるなどの方法がある。もちろん、上記したような処理
方法をいくつか組み合わせることも可能である。
【0027】〜の方法において、乾燥工程後高湿度
の条件下に保管することによって、さらに適度な凝集性
を得ることができる。
【0028】凝集粒子の大きさは50〜500μm、好
ましくは100〜400μmに調整する。500μmよ
り大きいと解砕性が悪くなり、50μmより小さいと形
状の制御が困難になる。
【0029】上記(2)の方法において、溶液中からトナ
ー母材あるいは凝集物を単離あるいは分別する際には、
沈澱剤として非溶媒を使用することもできる。非溶媒と
はトナー母材の樹脂を溶解もしくは分散させない溶剤を
いう。このような非溶媒としてはヘキサン、ヘプタン、
オクタン、石油エーテル等の炭化水素類、メタノール、
エタノール等の低級アルコール等があげられる。
【0030】なお、本発明の製造方法において、トナー
母材の乾燥処理は、上記したように凝集処理の後、凝集
処理と同時、あるいは凝集処理の前に行われ、熱風乾燥
機、スプレードライヤー等の従来用いられているような
一般的な乾燥装置を用いて行われ得る。例えば乾燥工程
においてトナー母材の凝集を生じさせる場合には、媒体
流動乾燥装置(例えば、奈良機械製作所製:MSD)、湿
式表面改質装置(例えば、日清エンジニアリング社製:
ディスパーコート)などの装置が好適に使用できる。
【0031】以上のようにして得られたトナー組成物粗
粒子は表面改質粒子と混合される。この混合段階では、
表面改質粒子として荷電制御剤を添加混合し、さらに所
望により上記した流動化剤、磁性粒子、オフセット防止
剤、クリーニング助剤等の有機ないし無機微粒子等の表
面改質粒子を添加混合する。荷電制御剤としては、正負
両帯電性制御剤等の従来のものを使用可能であり、目的
とするトナーの荷電性に合わせて使用すればよい。
【0032】混合手段は、粗粒子と表面改質粒子を均一
に混合することができればよく、例えばヘンシェルミキ
サー(三井三池化工機製)等を使用することができる。
【0033】トナー組成物粗粒子に対する荷電制御剤の
分散性を向上させるためにシリカ、チタニア、アルミナ
等の金属酸化物を分散助剤として荷電制御剤とともにト
ナー組成物粗粒子に混合することが好ましい。また、上
記金属酸化物は疎水化剤によっ疎水化処理されているこ
とが好ましい。
【0034】荷電制御剤のトナー組成物粗粒子に対する
添加量は、粗粒子100重量部に対して0.01〜5重
量部、好ましくは0.1〜3重量部であり、分散助剤の
添加量は粗粒子100重量部に対して0.01〜5重量
部、好ましくは0.1〜3重量部である。
【0035】トナー組成物粗粒子に対して表面改質粒子
を混合した後、得られた混合物をジェット気流を利用し
た粉砕機により粉砕することにより中間粉砕粒子と表面
改質粒子との混合物を得る。
【0036】ジェット気流を利用した粉砕機は、高速気
流により被粉砕物を衝突部に衝突させることにより被粉
砕物を粉砕する粉砕機、例えばジェット粉砕機IDS
(日本ニューマチック工業社製)、あるいは粒子同士を衝
突させることにより被粉砕物を粉砕する粉砕機、例えば
ジェット粉砕機PJM(日本ニューマチック工業社製)等
を使用することができる。
【0037】このようにジェット気流を利用して粉砕す
ることにより粒径の大きなトナー組成物粗粒子は粉砕さ
れ中間粉砕粒子となり、表面改質粒子は一次粒子に解砕
され、中間粉砕粒子と表面改質粒子とが均一な分散状態
で混合される。
【0038】この段階での中間粉砕粒子は最終的に得ら
れるトナーの平均粒径〜その5倍程度の粒径にまで粉砕
される。
【0039】以上のようにして得られた中間粉砕粒子と
表面改質粒子との混合物を機械式粉砕機にかける。
【0040】機械式粉砕機は内周面に溝を有する円筒容
器(外筒体)の内側に、前記内周面から所定の間隙を有し
て、外周面に溝を有する回転自由な円筒(内円筒体)が配
置されているものを使用する。かかる粉砕機の概略構成
図を図1に示す。
【0041】回転自由な円筒(内円筒体)(1)は回転軸方
向に多数の溝を外周面に有し、ローター(1)と呼ばれ
る。円筒容器(外筒体)(2)は回転軸方向に切り込み状に
多数の溝を内面に有するライナー(2)が取り付けられて
いる。そしてローター(1)が高速回転することにより、
機内に激しい渦流と圧力振動を発生させると、原料(中
間粉砕粒子と表面改質粒子の混合物)は空気とともに吸
気口(3)より吸い込まれ空気流で粉砕室へ供給される。
続いてローター(1)とライナー(2)による衝撃力および
これらの隙間に生じる激しい空気の過流により大粒径の
粒子が体積粉砕され、小粒化された粒子は表面粉砕され
るとともに、その表面に表面改質粒子が固着固定され
て、排気口(4)より空気とともに排出される。表面粉砕
は粒子表面を削りさらに粒子を小粒径化することを意味
し、このような表面粉砕は特に、トナー組成物粗粒子を
湿式法を利用して製造した場合、表面に付着している界
面活性剤等の不純物を除去する効果を有する。
【0042】図2にローターとライナーについて、溝の
延設方向に対して垂直方向に切断した時の断面図を示
す。図2において、ライナーの溝は、その断面形状が二
等辺三角形(図2(a))であり、ローターの溝に対して隙
間H(最小間隙)が0.5〜10mm、好ましくは0.5〜
5mmになるように対向している。なお、ライナーの溝
の断面形状は上記に限らず、図2(b)に示したように例
えば直角三角形でもよく、またローターとしても溝の代
わりにブレードを配置した構成のもの(図2(c))でも使
用可能である。上述した機械式粉砕機としては、クリプ
トロン(川崎重工業社製)、ターボミル(ターボ工業社
製)、ファインミル(日本ニューマチック工業社製)等が
使用可能である。
【0043】また、上述した中間粉砕粒子の粉砕同時荷
電処理は、開回路により1パス処理で行っても、閉回路
により複数パス処理で行ってもよい。
【0044】機械式粉砕機の条件としては、中間粉砕粒
子や表面改質の種類等によっても若干異なるため、表面
改質粒子が粉砕(解砕)粒子表面に均一に且つ確実に固定
される条件で行なえばよい。
【0045】最後に、得られた粉体を風力分級等の方法
により、分級し、所望の平均粒径を有するトナーを得
る。
【0046】 トナーAの製造(実施例) 成分 重量部 ポリエステル樹脂(花王社製;タフトンNE−382) 100 ブリリアントカーミン6B(C.I.15850) 3
【0047】上記材料をボールミルで十分混合した。混
合物を140℃に加熱した3本ロール上で混練した。混
練物を放置冷却後、フェザーミルを用いて粗粉砕し、1
mmパスの粗粉砕物を得た。ここで得られた粗粉砕物1
00重量部に対し、無機微粒子、疎水性シリカ(H−2
000;ワッカー社製)0.5重量部、サリチル酸金属錯
体(E−84;オリエント化学工業社製)1.0重量部を
ヘンシェルミキサー(三井三池化工機製)に入れ、周速4
0m/secの回転で2分間混合撹拌し、この混合物を
ジェットミル(IDS−2型;日本ニューマチック工業
社製)を通すことにより粗粉砕物を平均粒径15μmと
すると共に添加した材料を均一分散した。
【0048】この後この混合物をクリプトロンシステム
(KTM−0型;川崎重工業社製)にて粉砕すると共に粉
砕粒子表面に無機微粒子(H−2000;ワッカー社製)
とサリチル酸金属錯体(E−84;オリエント化学工業
社製)を固着処理し平均粒径7μmの粒子を得た。ここ
で得た粒子を風力分級した後、粒子100重量部に対
し、疎水性シリカ(H−2000;ワッカー社製)0.4
重量部ならびに疎水性酸化チタン(T−805;デグサ
社製)を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池工機社
製)にて周速30m/secの回転で2分間混合し平均
粒径7.5μmのトナーAを得た。
【0049】トナーの製造B(比較例) トナーの製造Aにおいて、疎水性シリカ(H−200
0;ワッカー社製)0.5重量部ならびにサリチル酸金属
錯体(E−84;オリエント化学工業社製)1.0重量部
をポリエステル樹脂およびブリリアントカーミン6Bと
ともにボールミルで混合し、3本ロール上で混練し、以
後の途中段階では、疎水性シリカ、サリチル酸金属錯体
を添加しない以外は、トナーの製造Aと同様の方法で平
均粒径7.5μmのトナーBを得た。
【0050】トナーの製造C(比較例) トナーの製造Aにおいてジェットミルで平均粒径7.0
μmの粒子を得、後工程でのクリプトロンシステムを用
いる工程は行わず、風力分級ならびにシリカおよびチタ
ンの添加処理を行い、平均粒径7.5μmのトナーCを
得た。
【0051】トナーの製造D(比較例) トナーの製造Aにおいてジェットミルでの粉砕は行わず
クリプトロンシステムのみを用いて粉砕を行った後、風
力分級ならびにシリカ処理を行い平均粒径7.5μmの
トナーDを得た。トナーの製造Dにおいては、トナーの
製造Aと比較すると、生産性が約4割に落ち、収率が約
8割に落ちた。
【0052】トナーEの製造(実施例)カーボンブラックグラフト重合体の製造例1 撹拌機、不活性ガス導入管、還流冷却管および温度計を
備えたフラスコにビニルアルコール0.1重量部を溶解
した脱イオン水200重量部中にスチレン98重量部お
よびイソプロペニルオキサゾリン2重量部からなる重合
性単量体にベンゾイルパーオキサイド8重量部を溶解し
た混合物を投入し、高速で撹拌することにより均一な懸
濁液を調整した。次いで、窒素ガスを導入しながら80
℃に加温し、5時間撹拌しながら重合反応を行った後、
冷却し、重合体懸濁液を得た。さらに、濾過、洗浄を繰
り返したのち乾燥し、反応性基としてオキサゾリン基を
有する重合体を得た。
【0053】ここで得られた重合体:40重量部とカー
ボンブラック(MA−600:三菱化成社製)20重量部
とを3本ロールを用いて170℃で混練を行った。この
混練物を冷却後、フェザーミルにより粉砕しカーボンブ
ラックグラフト重合体Aを得た。
【0054】不活性ガス導入管、還流冷却管および温度
計を備えた反応釜にアニオン性界面活性剤としてドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%含有の脱
イオン水にあらかじめ調整しておいたスチレン80重量
部、アクリル酸n−ブチル20重量部からなる重合性単
量体成分にカーボンブラックグラフトポリマーA、50
重量部、アゾビスイソブチロニトリル3重量部並びに
2,2'−アゾビスイソブチロニトリル3重量部を配合
した混合物を仕込み、T.K.オートホモミクサー(特
殊機化工業社製)により、混合撹拌し、均一な懸濁液と
した。次いで懸濁液に窒素ガスを吹き込みながら65℃
に加温し、この温度で5時間撹拌を続けて懸濁重合反応
を行った後、さらに、75℃に加温し重合反応を終え
た。
【0055】これとは別に、疎水性シリカH−2000
(ワッカー社製)2重量部、シランカップリング剤(TS
L8311(東芝シリコーン社製))2重量部をメチルア
ルコールに分散した後、上記懸濁液に添加混合した後、
熱風乾燥機を用いて70℃、80%RHの条件下で5時
間放置した後、さらに50℃、5%RHの条件下で5時
間乾燥を行い、懸濁重合凝集物を得た。
【0056】ここで得られた懸濁重合凝集物100重量
部に対し、疎水性シリカ(H−2000;ワッカー社製)
0.3重量部とサリチル酸金属錯体(E−84;オリエン
ト化学工業社製)0.5重量部を添加しヘンシェルミキサ
ー(三井三池化工機社製)に入れ周速度40m/secの
回転で2分間混合撹拌し、この混合物をジェットミル
(IDS−2型;日本ニューマチック工業社製)を通すこ
とにより平均粒径10μmの混合体を得た。
【0057】この後この混合物をクリプトロンシステム
(KTM−0型;川崎重工業社製)にて粉砕すると共に粉
砕粒子表面に疎水性シリカとサリチル酸金属錯体を固定
化処理し、さらに風力分級して得られた粒子100重量
部に対し疎水性シリカ(H−2000;ワッカー社製)
0.2重量部と疎水性酸化チタン(T−805;デグサ
社製)0.3重量部を添加しヘンシェルミキサー(三井三
池化工機社製)にて周速30m/secの回転で2分間
混合し平均粒径6.5μmのトナーEを得た。
【0058】キャリアの製造例 アクリル変性シリコーン樹脂KR9706(信越化学工
業社製)20重量部をメチルエチルケトン400mlに
溶解してコーティング溶液を調製した。このコーティン
グ溶液をスピラコータ(岡田精工社製)を用いて平均粒径
50μmのCu−Zn系フェライト粒子にスプレーし、
樹脂被覆を行い、次いで、180℃に加熱して30分間
被覆樹脂の硬化を行ってアクリル変性シリコーン樹脂被
覆キャリアを作製した。キャリアバルクを取り出し、粉
砕機で解砕し、90μmのフルイで分級し、さらに磁力
選鉱を行い低磁力成分を除去し平均粒径50μmの樹脂
被覆フェライトキャリアを作製した。
【0059】次に、上記製造例で得たトナーとキャリア
とをトナー含有量4重量%となるように混合して現像剤
を調製し、それぞれの現像剤に対して帯電量および不良
帯電量トナー量の評価、並びに耐刷試験を行った。
【0060】(a)帯電量および不良帯電トナー量の評価 トナー帯電量および不良帯電トナー量の測定は、図3に
示した装置を用い、その測定方法については以下の条件
で行った。
【0061】まず、トナー帯電量(平均帯電量)の測定
は、マグネットロール(13)の回転数を100rpmに
セットし、現像剤として荷台3分間、30分間、90分
間撹拌後のものについてそれぞれ測定し、帯電の立ち上
がり性並びに帯電の安定性について評価を行った。この
現像剤1gを精密天秤で計量し、導電性スリーブ(12)
表面全体に均一になるよう乗せる。次にバイアス電源
(14)により、バイアス電圧を、トナーの帯電電位と逆
に3KV印加し、30秒間スリーブを回転させ、スリー
ブ停止時の電位を読み取る。その時の円筒電極(11)に
付着した分離トナー(15)の重量を精密天秤で計量して
平均トナー帯電量を求めた。
【0062】不良帯電トナー量の測定においては、導電
性スリーブにトナー帯電極性と同じに1KVバイアス電
圧を印加し、10秒間スリーブを回転させ測定を行い、
スリーブ上の全トナー量の内どれだけ円筒電極にトナー
が飛ばされたかを測定することにより求めた。尚、表1
において現像剤中のトナー全量に対して不良帯電トナー
量が2wt%より多い場合を×、1〜2wt%を△、1
wt%未満を○として評価した。なお、上記測定は20
℃、65%RH(N/N)の環境下で行った。
【0063】(b)耐刷試験 同評価を行うにあたっては、表1に示したトナーおよび
キャリアの組合せにおいて現像剤(トナー含有量5重量
%)を調製し、実施例2の現像剤に対しては複写機EP
570Z(ミノルタ社製)を使用して、また、実施例1お
よび比較例1〜3の現像剤に対してはプリンターCF7
0(ミノルタ社製)を使用して耐刷試験を行った。
【0064】耐刷試験は実施例1および比較例1〜3に
ついてはそれぞれ黒の比率が6%のチャートを用いて2
0℃、65%RH(N/N)の環境下で2千枚の耐刷試
験を行った後、5℃、15%RH(L/L)環境下におい
てさらに3千枚の耐刷試験を行って評価した。
【0065】実施例2の現像剤については、同様のチャ
ートを用いてN/N環境下で2万枚の耐刷試験を行った
後、L/L環境下においてさらに3万枚の耐刷試験を行
って画質と画像濃度について評価した。
【0066】画像上のかぶりについては、白地画像上の
トナーかぶりを評価し、併せて細線再現性、階調再現性
等の画像品質についてランク付けを行った。トナーかぶ
りがなく、細線のつぶれや細りのないものを○、若干ト
ナーかぶりが生じるものの実用上使用可能であるものを
△、かぶりが多く実用上使用できないものを×として評
価した。
【0067】画像濃度は、サクラ濃度計PDA65を用
いて、ベタ部の濃度を測定し、画像濃度1.3以上が安
定して再現できれば○、1.1〜1.3のものを△、1.
1未満のものを×として評価した。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】本発明のトナーの製造方法に従うと、小
粒径トナー粒子表面に荷電制御剤等のトナー表面改質粒
子が、確実に付着、固定され、クリーニング性、均一荷
電性に優れ、かぶりのない高品位の画像を形成でき、か
つ耐刷性のあるトナーが生産性よく得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 機械式粉砕機の概略構成図。
【図2】 (a)、(b)および(c)いずれも機械式粉砕機
におけるローターとライナーの構成を説明するための
図。
【図3】 帯電量および不良帯電トナー量測定装置の概
略構成図。
【符号の説明】
1:ローター、2:ライナー、3:吸気口、4:排気
口、11:円筒電極、12:スリーブ、13:マグネッ
トロール、14:バイアス電源、15:トナー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともバインダー樹脂を含有してな
    るトナー組成物粗粒子と表面改質粒子とを混合する工程
    と、得られた混合物をジェット気流を利用した粉砕機に
    より粉砕することにより中間粉砕粒子と表面改質粒子と
    の混合物を得る工程と、得られた混合物を、内周面に多
    数の溝を有する外筒体と外周面に多数の溝を有する内円
    筒体とを有しており、相対的に回転する外筒体と内円筒
    体との最短間隙が0.5〜10mmである機械式粉砕機
    を用いて、粉砕するとともに粉砕粒子表面に表面改質粒
    子を固定する工程とからなることを特徴とする静電潜像
    現像用トナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記トナー組成物粗粒子が、湿式中で造
    粒された粒子を凝集した後、乾燥させて得られた凝集粒
    子であることを特徴とする請求項1記載の静電潜像現像
    用トナーの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記トナー組成物粗粒子が、少なくとも
    バインダー樹脂と着色剤を含有するトナー組成物を溶融
    混練した後、冷却した混練物を粗粉砕することにより得
    られた粗粉砕粒子であることを特徴とする請求項1記載
    の静電潜像現像用トナーの製造方法。
JP7238198A 1995-09-18 1995-09-18 静電潜像現像用トナーの製造方法 Pending JPH0980808A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006126803A (ja) * 2004-10-01 2006-05-18 Kao Corp トナーの製造方法
US7323283B2 (en) 2004-03-03 2008-01-29 Toyo Ink Mgf. Co., Ltd. Method of producing an electrostatic charge image developing toner

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