JPH09774A - 全自動洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高圧温風を衣類に吹きつけ効果的に衣類の乾
燥を行う全自動洗濯機を提供する。 【構成】 この全自動洗濯機は、本体１６と、本体１６
内にサスペンション１７によって支持された水槽１５
と、この水槽底面に軸受けによって取付られた脱水軸２
４と、この脱水軸に固定された脱水槽２１と、前記脱水
軸内で軸支持された洗濯軸２３と、この洗濯軸２３と連
動した駆動モータ２７と、前記洗濯軸２３に取付られた
パルセータ２６と、前記水槽内に高圧温風を吹き込む送
風手段２８とを備え、前記パルセータ２６の全周に傾斜
部を設けると共に、乾燥時に、前記送風手段による高圧
温風をパルセータ２６の中心部に吹き付けながらパルセ
ータ２６を撹拌する構成を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は一般家庭で用いられ、衣
類の洗浄、すすぎを低速回転するパルセータによって行
ない、脱水を脱水槽の高速回転によって行ない、その後
温風等によって乾燥までおこなえる乾燥機能をもった全
自動洗濯機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の全自動洗濯機は図４に示すような
構成であった。すなわち本体１と、この本体１内にサス
ペンション２によって支持された水槽３と、天面を開口
し底面に中空の脱水軸４を備えた脱水槽５と、前記脱水
軸４は水槽３の底面に設けられた軸受け６によって支持
されている。また８は脱水軸４内部に軸受け７によって
支持された洗濯軸で、前記脱水槽５内部にパルセータ９
を備えている。さらにこの洗濯軸８は駆動モータ１０と
連動している。１１は脱水槽５に温風を吹き込む送風手
段である。１２は前記脱水槽５に固定された流体バラン
サーである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような構成におい
て、洗濯、すすぎ、脱水行程が終わると、駆動モータ１
０の動力によって、パルセータ９を回転させ衣類に遠心
力をあたえる。この遠心力によって衣類は脱水槽５の上
方へはね上げられる。これによって衣類を攪拌し送風手
段１１によって乾燥させる。

【０００４】しかしこの方法の課題として衣類を重力に
逆らってはね上げるため、ある程度強い遠心力が必要と
なる。このため急速に加速された衣類は脱水槽５壁面と
摩擦し、さらにパルセータ９の回転運動のため衣類がね
じれ易く、しわや傷みの原因となっていた。

【０００５】本発明は上記課題を解決するものであり、
高圧温風をパルセータの中心部に吹き付けることによっ
て、脱水槽内の衣類を効果的に攪拌させる全自動洗濯機
を提供することを第一の目的とする。

【０００６】また本発明はパルセータと脱水槽の全周の
隙間から吹き出すことによって、脱水槽と衣類の摩擦を
低減し、かつ効果的に衣類を撹拌する全自動洗濯機を提
供することを第二の目的とする。

【０００７】さらにまた本発明は脱水槽低部に設けられ
たダクトから、温風を吹き出すことによって衣類の跳ね
上がりを助長し、効果的に衣類の撹拌をおこなう全自動
洗濯機を提供することを第三の目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記第一の目的を達成す
るため本発明の全自動洗濯機は、本体と、本体内にサス
ペンションによって支持された水槽と、この水槽底面に
軸受けによって取付られた脱水軸と、この脱水軸に固定
された脱水槽と、前記脱水軸内で軸支持された洗濯軸
と、この洗濯軸と連動した駆動モータと、前記洗濯軸に
取付られたパルセータと、前記水槽内に高圧温風を吹き
込む送風手段とを備え、前記パルセータの全周に傾斜部
を設けると共に、乾燥時に、前記送風手段による高圧温
風をパルセータの中心部に吹き付けながらパルセータを
撹拌する構成を有するものである。

【０００９】また上記第二の目的を達成するため本発明
の全自動洗濯機は、本体と、本体内にサスペンションに
よって支持された水槽と、この水槽底面に軸受けによっ
て取付られた脱水軸と、この脱水軸に固定され、上部に
流体バランサーを取り付けた脱水槽と、前記脱水軸内で
軸支持された洗濯軸と、この洗濯軸と連動した駆動モー
タと、前記水槽内底面から前記洗濯軸に取付られたパル
セータに温風を吹き込む送風手段とを備え、乾燥時に、
前記送風手段による温風をパルセータと脱水槽壁面全周
の隙間から吹き出しながらパルセータを撹拌する構成を
有するものである。

【００１０】また上記第三の目的を達成するため本発明
の全自動洗濯機は、本体と、本体内にサスペンションに
よって支持された水槽と、この水槽底面に軸受けによっ
て取付られた脱水軸と、この脱水軸に固定され、上部に
流体バランサーを取り付けた脱水槽と、前記脱水軸内で
軸支持された洗濯軸と、この洗濯軸と連動した駆動モー
タと、前記洗濯軸に取付られたパルセータと、前記水槽
内に温風を吹き込む送風手段と、この送風手段と送風経
路を介して連結したダクトとを備え、前記ダクトは脱水
槽下方に設けられ、上方向に温風の吹き出し開口部を複
数設け、乾燥時にこの開口部から温風を吹き出しながら
パルセータを撹拌する構成を有するものである。

【００１１】

【作用】第一の発明の全自動洗濯機は、洗濯、すすぎ、
脱水行程が終わると、駆動モータの動力によって、パル
セータを正逆回転させ衣類に遠心力をあたえる。この遠
心力によって衣類は脱水槽の上方へはね上げられる。こ
の時の衣類の上昇と落下を繰り返すことによって衣類の
撹拌をおこなうわけであるが、遠心力を受けた衣類は外
周方向に広がり中心部に隙間を生じる。この隙間に向か
って高圧温風を吹き付けると、温風が衣類の奥まで入り
込み効率的に乾燥を促進し、さらにパルセータに沿って
反射した気流によって下からの衣類の持ち上げを助長
し、効果的に衣類の撹拌を行う。

【００１２】また第二の発明の全自動洗濯機は、洗濯、
すすぎ、脱水行程が終わると、駆動モータの動力によっ
て、パルセータを回転させ衣類に遠心力をあたえる。こ
の遠心力によって衣類は脱水槽の上方へはね上げられ
る。これによって衣類を攪拌し送風手段によって乾燥さ
せるわけであるが、遠心力によってはね上げられた衣類
は脱水槽壁面に沿って上へ移動しようとする。この時温
風をパルセータと脱水槽の全周の隙間から吹き出すこと
によって、脱水槽壁面底部から槽の内方に向かう温風の
風圧によって脱水槽と衣類の間の摩擦を低減すると同時
に、効果的に衣類を上方向に撹拌することができる。

【００１３】第三の発明の全自動洗濯機は、洗濯、すす
ぎ、脱水行程が終わると、駆動モータの動力によって、
パルセータを回転させ衣類に遠心力をあたえる。この遠
心力によって衣類は脱水槽の上方へはね上げられようと
する。この時脱水槽壁面下方に設けられたダクトから、
上方向に温風を吹き出すことによって衣類の跳ね上がり
を助長し、効果的に衣類の撹拌をおこなうことができ
る。

【００１４】

【実施例】以下、第１の発明の実施例を図面に基づいて
説明する。図１において、１５は本体１６に複数のサス
ペンション１７によって、半拘束的に吊り下げられた水
槽である。さらに水槽１５は内部に脱水軸１８によって
軸支され、適宜通水孔１９及び流体バランサー２０を設
けた脱水槽２１を有している。また２２は前記脱水軸１
８を支持している軸受けである。さらに２３は脱水軸１
８内部にメタル軸受け２４によって支持された洗濯軸で
ある。洗濯軸２３は脱水槽２１内に傾斜面２５を有した
パルセータ２６が取り付けてあり、他端には駆動モータ
２７が連結されている。また２８は前記水槽１５の天面
に設けられ、吹き出しノズル２９aとヒータ２９bを有す
る高圧温風送風手段である。本実施例では水槽１５の底
部からの排気方式の構成をとっているが、送風経路に除
湿機構を備えたクローズドサイクルによる循環構成でも
よい。

【００１５】以上の構成における動作を説明する。洗
濯、すすぎ、脱水行程が終わると、駆動モータ２７の動
力によって、パルセータ２６を正逆回転させ衣類に遠心
力をあたえる。この遠心力によって衣類は外へはね飛ば
されようとするが、前記パルセータ２６の傾斜面２５に
沿って脱水槽２１の上方へはね上げられる。この時の衣
類の上昇と落下を繰り返すことによって衣類の撹拌をお
こなうわけであるが、遠心力を受けた衣類は外周方向に
広がり中心部に隙間を生じる。この隙間に向かって高圧
温風を吹き付けると、温風が一旦脱水槽底部に激しく衝
突した後上方へ巻き上がる風の流れを生ずるため、温風
が衣類の奥まで入り込み効率的に乾燥を促進する。さら
にパルセータ２６に沿って反射した気流によって下から
の衣類の持ち上げを助長し、効果的に衣類の撹拌を行
う。

【００１６】次に第２の発明の実施例を図２に基づいて
説明する。この実施例において全自動洗濯機の全体構成
は図１と同様であるので説明を省略し、以下、相違点を
中心に説明する。

【００１７】水槽１５の底部に設けられヒータ２９bを
備えた高圧温風送風手段２８と連結したリング状のダク
ト３０と、脱水槽２１を脱水軸１８に数本のアーム３１
によって固定したフランジ３２と、前記ダクト３０上面
に設けられ前記フランジ３２のアームの間と対抗した位
置に開いた温風吹き出し孔３３とを設けた構成となって
いる。

【００１８】以上の構成における動作を説明する。洗
濯、すすぎ、脱水行程が終わると、駆動モータ２７の動
力によって、パルセータ２６を回転させ衣類に遠心力を
あたえる。この遠心力によって衣類は脱水槽２１の上方
へはね上げられる。これによって衣類を攪拌し高圧温風
送風手段２８によって乾燥させるわけであるが、遠心力
によってはね上げられた衣類は脱水槽２１壁面に沿って
上へ移動しようとする。この時温風を水槽１５の底部に
設けられた温風吹き出し孔３３から吹き出すと、前記フ
ランジ３２のアーム３１の間から温風が吹き込み、パル
セータ２６の裏面を通り脱水槽２１壁面の全周の隙間３
４から槽の内方に向かって吹き出す。この時脱水槽２１
と衣類の間に生じる風圧によって摩擦を低減すると同時
に、効果的に衣類を上方向に撹拌することができる。

【００１９】次に第３の発明の実施例を図３に基づいて
説明する。この実施例において全自動洗濯機の全体構成
は図１と同様であるので説明を省略し、以下、相違点を
中心に説明する。

【００２０】脱水槽２１の上部に設けられた送風手段と
脱水槽２１壁面に沿って設けられた送風路を介して連結
し、脱水槽２１の全周に沿って設けられたリング状の吹
き上げダクト３５と、この吹き上げダクト３５上面全周
に開けられた温風吹き出し孔３６とを設ける構成とす
る。

【００２１】洗濯、すすぎ、脱水行程が終わると、駆動
モータ２７の動力によって、パルセータ２６を回転させ
衣類に遠心力をあたえる。この遠心力によって衣類は脱
水槽２１の上方へはね上げられようとするが、前記温風
吹き出し孔３６から温風を脱水槽２１の内壁に沿って吹
き出すことによって、衣類の跳ね上がりを助長し効果的
に衣類の撹拌をおこなうことができる。

【００２２】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、高圧
温風を効果的に衣類に吹き付けることによって衣類の攪
拌を助長し、しわや傷みの少ない信頼性の高い乾燥を行
うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の発明の一実施例を示す全自動洗濯機の構
成図

【図２】第２の発明の一実施例を示す全自動洗濯機の構
成図

【図３】第３の発明の一実施例を示す全自動洗濯機の構
成図

【図４】従来例における全自動洗濯機の構成図

【符号の説明】

１５ 水槽 １６ 本体 １７ サスペンション １８ 脱水軸 ２０ 流体バランサー ２１ 脱水槽 ２２ 軸受 ２３ 洗濯軸 ２５ 傾斜面 ２６ パルセータ ２７ 駆動モータ ２８ 高圧温風送風手段 ２９ 吹き出しノズル ３０ ダクト ３１ アーム ３２ フランジ ３３ 温風吹き出し孔 ３５ 吹き上げダクト ３６ 温風吹き出し孔

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮田 肇 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体と、本体内にサスペンションによっ
   て支持された水槽と、この水槽底面に軸受けによって取
   付られた脱水軸と、この脱水軸に固定された脱水槽と、
   前記脱水軸内で軸支持された洗濯軸と、この洗濯軸と連
   動した駆動モータと、前記洗濯軸に取付られたパルセー
   タと、前記水槽内に高圧温風を吹き込む送風手段とを備
   え、前記パルセータの全周に傾斜部を設けると共に、乾
   燥時に、前記送風手段による高圧温風をパルセータの中
   心部に吹き付けながらパルセータを撹拌する全自動洗濯
   機。
2. 【請求項２】 本体と、本体内にサスペンションによっ
   て支持された水槽と、この水槽底面に軸受けによって取
   付られた脱水軸と、この脱水軸に固定され、上部に流体
   バランサーを取り付けた脱水槽と、前記脱水軸内で軸支
   持された洗濯軸と、この洗濯軸と連動した駆動モータ
   と、前記水槽内底面から前記洗濯軸に取付られたパルセ
   ータに温風を吹き込む送風手段とを備え、乾燥時に、前
   記送風手段による温風をパルセータと脱水槽壁面全周の
   隙間から吹き出しながらパルセータを撹拌する全自動洗
   濯機。
3. 【請求項３】 本体と、本体内にサスペンションによっ
   て支持された水槽と、この水槽底面に軸受けによって取
   付られた脱水軸と、この脱水軸に固定され、上部に流体
   バランサーを取り付けた脱水槽と、前記脱水軸内で軸支
   持された洗濯軸と、この洗濯軸と連動した駆動モータ
   と、前記洗濯軸に取付られたパルセータと、前記水槽内
   に温風を吹き込む送風手段と、この送風手段と送風経路
   を介して連結したダクトとを備え、前記ダクトは脱水槽
   下方に設けられ、上方向に温風の吹き出し開口部を複数
   設け、乾燥時にこの開口部から温風を吹き出しながらパ
   ルセータを撹拌する全自動洗濯機。